JP3905700B2 - 地盤改良材の製造方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水汚泥、産廃汚泥等の脱水ケーキに生石灰、消石灰等の石灰類を混合して脱水乾燥した後造粒し、流動層炉で乾燥、有機物の焼却、消石灰の分解などの熱処理をした後、ロータリキルンで焼成して地盤改良材を製造する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
下水汚泥、産廃汚泥等は、脱水乾燥された後、流動層炉又はロータリキルン等で汚泥中の有機物を焼却して埋立処分されていたが、近年、焼成、乾留等の処理を行う種々のリサイクル方法が開発されつつある。
従来、汚泥の脱水乾燥焼却方法及び装置として、例えば特開平6−15297号公報には、汚泥と生石灰とを混合して汚泥の脱水・乾燥を行う脱水乾燥工程と、生成した固形分を流動層炉又は気流炉で加熱して汚泥中の有機物を焼却するとともに有機物の燃焼熱により消石灰を焼成して生石灰に再生する焼却再生工程からなる汚泥の脱水乾燥焼却システムが開示されている。
【0003】
また、特開平10−237852号公報には、下水汚泥等の有機汚泥と生石灰、消石灰等の石灰類とを混合し、その混合物を1〜10mmに造粒した原料をロータリキルンで800〜1000℃の温度で乾燥・脱水・有機物焼却・消石灰焼成して地盤改良材を製造する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特開平6−15297号公報記載の汚泥の脱水乾燥焼却システムにおいては、流動層炉又は気流炉での滞留時間が短いため十分焼成できず、地盤改良材としての性能を満足させることができない。また、生石灰の微粉が再炭酸化及び再水酸化して装置内部に付着し、長期連続運転を行うことができないという問題がある。
また、特開平10−237852号公報記載の地盤改良材の製造方法においては、ロータリキルンは伝熱性能が悪いため、ロータリキルンのみの乾焼・脱水・焼却・焼成では装置が大型化し、また、キルン排ガス中のダストが熱交換器に付着して連続運転を阻害し、付着物の除去に多大の労力を要する問題がある。
【0005】
本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので、本発明の目的は、高伝熱性能の流動層炉で造粒物(原料)の乾燥、乾燥・予熱又は乾燥・有機物焼却・消石灰焼成(分解)を行わせ、造粒物の製造過程で発生する臭気(臭気成分を含む空気)を冷却用空気の一部又は全部とし、使用後の高温の臭気を2次空気としてキルンに回収することにより、熱消費の低減を図り、これにより、ロータリキルンを小型化することができ、性能の良い地盤改良材を製造することができ、また排ガス処理装置を小型化又は不要にすることができる方法及び装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明の目的は、造粒物(原料)の製造工場で発生する臭気の残部を熱交換器でサイクロン排ガスと熱交換させることにより加熱した後、ロータリキルンの燃焼用空気としてロータリキルンに、並びに流動層炉の風箱及び/又はフリーボード部に吹き込むことにより、臭気処理をも確実に行うことができる地盤改良材の製造方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の地盤改良材の製造方法は、汚泥脱水ケーキに石灰を混合攪拌し造粒した造粒物を、下流のロータリキルンの排ガスを流動化ガスとし該造粒物自身を流動媒体とする流動層炉に投入して乾燥、乾燥・予熱又は乾燥・有機物焼却・消石灰焼成(分解)を行った後、流動層炉からの粒状物をロータリキルンに導入して焼成し、焼成粒状物(焼却灰とCaOの混合物)を流動層クーラに導入し、造粒物の製造過程で発生する臭気の一部を冷却媒体の少なくとも一部として該クーラに導入して直接冷却した後、冷却に使用して高温になった臭気をキルンバーナの燃焼用2次空気として回収し、流動層炉からの排ガスをサイクロンで除塵した後、サイクロンからの排ガスを熱交換器に導入して造粒物の製造過程で発生する臭気と熱交換し熱回収するように構成されている(図1参照)。
【0008】
上記の方法において、造粒物の粒径を流動層操作に適した範囲の1〜20mm、望ましくは2〜10mmとする。また、流動層炉からの排ガスをサイクロンで除塵した後、サイクロンからの排ガスを熱交換器に導入して熱回収することが好ましい(図1参照)。また、造粒物の製造過程、すなわち、原料製造工場で発生する臭気の残部を熱交換器に導入して昇温し、加熱臭気をロータリキルンの燃焼用空気として回収するとともに、余剰の加熱臭気を流動層炉の風箱及び/又はフリーボード部に吹き込んで脱臭することが好ましい(図1参照)。加熱臭気を流動層炉の風箱に吹き込むために、ロータリキルンの窯尻へ吹き込むか、又は流動層炉の風箱へ直接吹き込むようにする。
さらに、加熱臭気のロータリキルンへの吹込量、並びに加熱臭気の流動層炉の風箱への吹込量及び/又は加熱臭気の流動層炉のフリーボード部への吹込量を夫々調整することができるように構成することが好ましい。
【0009】
本発明の地盤改良材の製造装置は、汚泥脱水ケーキと石灰とを混練する混練機と、混練物を造粒する造粒機を備えた原料製造部と、この原料製造部からの造粒物を投入し造粒物を流動媒体として乾燥、乾燥・予熱又は乾燥・有機物焼却・消石灰焼成を行うための流動層炉と、流動層炉からの粒状物を導入して焼成するためのロータリキルンと、ロータリキルンからの焼成粒状物を冷却するための流動層クーラとを備え、ロータリキルンの窯尻と流動層炉の風箱とが、ロータリキルン排ガス導管を介して接続されており、原料製造部と流動層クーラとが臭気導管を介して焼成粒状物を冷却できるように接続されており、流動層クーラとロータリキルンとが排臭気管を介して接続されており、流動層炉からの排ガスを導入してダストを分離するためのサイクロンと、このサイクロンからの排ガスを導入して造粒物の製造過程で発生する臭気ガスと熱交換し熱回収するための熱交換器を設けたことを特徴としている(図1参照)。
【0010】
上記の装置において、流動層炉からの排ガスを導入してダストを分離するためのサイクロンと、このサイクロンからの排ガスを導入して熱回収するための熱交換器が設けられる(図1参照)。
また、熱交換器を排ガス流に対して直列2段に設け、高温側の熱交換器に造粒物の製造過程、すなわち、原料製造工場で発生する臭気を吹き込み、低温側の熱交換器に冷却用空気(大気)を吹き込むように構成することが好ましい(図1参照)。
【0011】
サイクロンとしては、上側部に接線方向に排ガスを導入する排ガス導入口を有するとともに、上面中央部に排ガス排出管を有する円筒胴体の下部に、略逆円錐胴体を連設し、この略逆円錐胴体の下部に拡大壁部を連設し、さらに、この拡大壁部に略逆円錐胴部を連設し、略逆円錐胴体の下端部内径D1と排ガス排出管の内径dがD1≧dの関係を有し、円筒胴体の内径Dと拡大壁部の下端部内径D2との間にD2=(0.8〜1.0)×Dの関係を有するようにした高効率サイクロンを用いることが好ましい(図2参照)。
【0012】
また、熱交換器としては、臭気を通過させて加熱するための伝熱管が鉛直に配置された構造のものを用いることが好ましい(図3参照)。
さらに、流動層炉のガス分散板として、板体に貫通固定された多数の筒体の天壁部に、直径が流動媒体径の3倍以下、望ましくは2倍以下の複数の小孔が設けられた構造のものを用いることが好ましい(図4、図5参照)。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することができるものである。
図1は本発明の実施の第1形態による地盤改良材の製造装置を示している。10は原料(造粒物)製造工場(原料製造部)で、混練機12、造粒機14等を備えている。汚泥脱水ケーキと石灰類、例えば、生石灰を混練機12に投入して混練する。生石灰は水分を吸収して消石灰となり、さらに、発熱反応により汚泥脱水ケーキの水分を蒸発させる。生石灰の割合は、混練物の水分が造粒に適した範囲で、造粒物が流動層で破壊しない強度を有するよう選ばれる。汚泥脱水ケーキの性状によるが、例えば混練物の水分は20〜30%である。
混練物は造粒機14に導入されて粒径1〜20mm、望ましくは2〜10mmに造粒される。なお、造粒機能を備えた混練機を用いることにより、混練と造粒とを1台の装置で同時に行うように構成することも可能である。
【0014】
造粒機14からの造粒物(原料)はホッパ16に一旦貯留された後、供給機、例えばベルトフィーダ18により流動層炉20に供給される。流動層炉20は、下部に風箱22を備え、風箱上部のガス分散板24の上側に造粒物が流動媒体となる流動層26が形成されるように構成されている。この風箱22には、後述のロータリキルン28からの排ガスがロータリキルン排ガス導管30を介して導入され、流動化ガスとして用いられる。
【0015】
流動層炉20に投入された造粒物(原料)は、ロータリキルン28からの排ガスで流動化して、乾燥、又は乾燥・予熱、又は乾燥・汚泥中の有機物焼却・消石灰焼成(分解)が行われる。流動層炉20からの粒状物(処理物)は気密排出機構、例えばLバルブ32を介してロータリキルン28の窯尻34に投入されてロータリキルン28内で800〜1000℃、望ましくは850〜900℃の温度で焼成される。36はキルンバーナである。
ロータリキルン28で焼成された焼成粒状物(焼却灰とCaOの混合物)は流動層クーラ38に投入されて、原料製造工場10からの臭気により直接冷却され、排出機、例えばロータリフィーダ40により排出され、輸送機42により製品として搬出される。44は原料製造工場10と流動層クーラ38とを接続する臭気導管、46は臭気押込ブロワである。流動層クーラ38からの排臭気は、排臭気管47を介してロータリキルン28のバーナ近傍又はバーナに導入され、2次空気の一部として回収される。なお、この排臭気の一部を、分岐した排臭気管(図示略)を介して後述の熱交換器50へ導入する場合もある。ロータリキルン28又はバーナに供給された排臭気は、臭気成分が燃焼又は分解して脱臭される。51はバグフィルタで、流動層クーラ38からの排臭気を導入してダスト(微細焼成物)を除去した後、排臭気管49を介して熱交換器50に導入する。なお、バグフィルタ51を設けずに、排臭気の全量をロータリキルン又はバーナに供給するように構成することもある。
図1では、流動層の一例として2室型の場合を示しているが、1室型でもよく、又は3室以上としてもよい。
【0016】
流動層炉20からの排ガスはサイクロン48に導入されてダストが捕集され、サイクロン48からの排ガスは熱交換器に導入される。熱交換器としては、排ガス流に対して直列に2段に設けることが好ましい。以下、熱交換器を2段に設けた場合について説明する。高温側の熱交換器50には原料製造工場10で発生した臭気の残部が臭気ファン54により導入され、低温側の熱交換器52には冷却用空気(大気)が押込ブロワ56により導入される。
低温側の熱交換器52からの排ガスは排ガス誘引ファン58によりバグフィルタ60に導入され、ここでダストが分離された後、煙突62から排出される。
高温側の熱交換器50で加熱された臭気の一部は、ロータリキルン28の燃焼用空気としてロータリキルンのバーナ36の近傍又は直接バーナ36に吹き込まれ、ロータリキルン内で臭気成分が燃焼又は分解して脱臭される。
高温側の熱交換器50で加熱された臭気の残部は、ロータリキルンの窯尻34もしくは流動層炉の風箱22に吹き込まれるか、又は流動層炉のフリーボード部64に吹き込まれて脱臭される。
【0017】
高温側の熱交換器50からの加熱臭気の分岐管66、68、70には、それぞれバルブ72、74、76が設けられており、加熱臭気のロータリキルン28のバーナ36近傍もしくはバーナへの吹込量、並びに加熱臭気のロータリキルンの窯尻34もしくは流動層炉の風箱22への吹込量及び/又は加熱臭気の流動層炉のフリーボード部64への吹込量を、それぞれ調整することができるように構成されている。
このように、臭気の吹込配分を調整することができるので、各部の温度をダスト付着のない温度、すなわち、例えば、流動層炉風箱750〜800℃以上、熱交換器入口550〜600℃以下に設定することができる。
【0018】
上記の装置において、熱交換器50内のダストの付着を減少させて熱効率を維持する必要がある。このため、サイクロン48としては、例えば、実公平7−46357号公報に示されているような高効率サイクロン(コマ型サイクロン)を用いることが好ましい。この高効率サイクロンは、図2に示すように、上側部に接線方向に排ガスを導入する排ガス導入口82を有するとともに、上面中央部に排ガス排出管84を有する円筒胴体86の下部に、略逆円錐胴体88を連設し、この略逆円錐胴体88の下部に拡大壁部90を連設し、さらに、この拡大壁部90に略逆円錐胴部92を連設し、略逆円錐胴体88の下端部内径D1と排ガス排出管84の内径dがD1≧dの関係を有し、円筒胴体86の内径Dと拡大壁部90の下端部内径D2との間にD2=(0.8〜1.0)×Dの関係を有するように構成されたものである。このような構造のサイクロンを使用することにより、流動層炉20からの排ガス中のダストを効率よく捕集することができる。
【0019】
また、熱交換器50、52としては、図3に示すように、臭気を通過させて加熱するための伝熱管94が鉛直に配置された構造のものを用いることが好ましい。このように構成すれば、ダストの付着、堆積が少なく清掃も容易となる。なお、低温側の熱交換器52も同様の構造とすることが好ましい。
さらに、流動層炉20のガス分散板24として、例えば、実公平7−37113号公報に示されているような特殊構造の分散板とすることが好ましい。この特殊構造の分散板は、図4及び図5に示すように、板体96に貫通固定された多数の筒体98の天壁部100に、直径が流動媒体径の3倍以下、望ましくは2倍以下の複数の小孔102が設けられたものである。このような構造の分散板を用いることにより、流動媒体を高温のまま保持するホットバンキングが可能となる。また、ガス分散板24の上側近傍に補助バーナ(図示略)を設けることがあり、この場合は、立ち上げ時の臭気の脱臭が可能となる。
【0020】
図6は本発明の実施の第2形態による地盤改良材の製造装置における流動層クーラまわりを示している。本実施形態は、1室型の流動層クーラ38aを用い、排臭気をバグフィルタ又はサイクロン104に導入してダストを除去した後、ロータリキルンへ供給するようにしたもので、キルンとクーラ間のダスト循環量が少なくなることにより、焼成温度が上昇し、燃費低減を図ることができるという利点がある。他の構成及び作用は実施の第1形態の場合と同様である。
【0021】
図7は本発明の実施の第3形態による地盤改良材の製造装置における流動層クーラまわりを示している。本実施形態は、2室型の流動層クーラ38bを用い、第1室106からの排臭気をサイクロン110に導入し除塵して、排臭気をキルンへ供給し、ダストを第2室108に投入し、第2室108からの排臭気をバグフィルタ51に導入するようにしたもので、高温の1室排気のみキルンへ供給し、第2室からの低温排気は熱交換器を経てキルンに回収することができるという利点がある。112は仕切りである。他の構成及び作用は実施の第1形態の場合と同様である。
【0022】
図8は本発明の実施の第4形態による地盤改良材の製造装置における流動層クーラまわりを示している。本実施形態は、2室型の流動層クーラ38cを用い、第1室106からの排臭気をサイクロン114に導入し除塵して、排臭気をキルンへ供給し、ダストを第2室108に投入し、第2室108からの排臭気をサイクロン116に導入するようにしたもので、1室型の流動層クーラの場合より熱回収率の向上を図ることができるという利点がある。他の構成及び作用は実施の第1形態の場合と同様である。
【0023】
図9は本発明の実施の第5形態による地盤改良材の製造装置における流動層クーラまわりを示している。本実施形態は、2室型の流動層クーラ38dを用い、第1室106からの排臭気をサイクロン118に導入し除塵して、排臭気をキルンへ供給し、ダストを第2室108に投入し、第2室108からの排臭気をサイクロン116に導入し除塵した後、排臭気を第1室の風箱120に導入し、一方、第2室の風箱122には、原料製造工場からの臭気を導入するようにしたもので、第2室からの排気を第1室に吹き込むダブルパス方式にすることにより、回収空気温度が上昇し焼成温度が上昇して、製造の品質が向上するという利点がある。他の構成及び作用は実施の第1形態の場合と同様である。
【0024】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。
(1) 高伝熱性能の流動層炉で原料(造粒物)の乾燥、又は乾燥・予熱、又は乾燥・有機物の焼却・消石灰の焼成(分解)を行うので、下流のロータリキルンを小型化することができる。
(2) 臭気の一部を冷却用空気(冷却媒体)とし、冷却に使用して高温になった臭気を2次空気としてロータリキルンに回収するので、熱消費を低減することができ、また、排ガス処理装置を小型化又は不要にすることができる。
(3) ロータリキルンからの焼成粒状物を直接冷却するので、冷却性能が向上し処理能力の増大を図ることができる。
(4) 原料が造粒物であるので、造粒物自体が流動媒体となり、他の流動媒体は不要である。また、クーラとして小型、高効率の流動層クーラを使用することができる。
(5) 流動層炉からの処理物をロータリキルンで十分時間をかけて焼成することができるので、高品質の地盤改良材を得ることができる。
(6) 流動層炉の排ガスで臭気を加熱し熱回収することにより、熱消費を低減することができる。
(7) 臭気の吹込配分を調整する場合は、各部の温度をダスト付着のない温度に設定することができる。また、各部の温度を脱臭可能な温度に設定することができるので、臭気処理を確実に行うことができる。
(8) 熱交換器を2段にする場合は、熱回収量は減少するが、装置を小型化(伝熱面積が1/3〜1/4となる)でき、また冷却用空気量を調整することにより、排ガス温度を一定にすることができる。このため、後流のバグフィルタを保護することができ、安定運転を継続することができる。
(9) 流動層炉の排ガスを高集塵効率のサイクロンで除塵する場合は、熱交換器内のダスト付着が大幅に減少し、熱効率を維持することができるとともに、長期連続運転が可能となる。
(10) 伝熱管が鉛直に配列された熱交換器を用いる場合は、ダストの付着、堆積が少なく清掃も容易となる。
(11) 特殊構造の分散板を用いる場合は、ホットバンキングを行うことが可能となる。従って、起動・停止が極めて短時間で行なえ、異常時の操作も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による地盤改良材の製造装置を示す系統的概略構成図である。
【図2】図1におけるサイクロンの一例を示す立面説明図である。
【図3】図1における熱交換器の一例を示す立面説明図である。
【図4】図1における流動層炉のガス分散板の一例を示す断面説明図である。
【図5】図4におけるガス分散板の要部の平面図である。
【図6】本発明の実施の第2形態による地盤改良材の製造装置における流動層クーラまわりの概略構成図である。
【図7】本発明の実施の第3形態による地盤改良材の製造装置における流動層クーラまわりの概略構成図である。
【図8】本発明の実施の第4形態による地盤改良材の製造装置における流動層クーラまわりの概略構成図である。
【図9】本発明の実施の第5形態による地盤改良材の製造装置における流動層クーラまわりの概略構成図である。
【符号の説明】
10 原料製造工場
12 混練機
14 造粒機
16 ホッパ
18 ベルトフィーダ
20 流動層炉
22 風箱
24 ガス分散板
26 流動層
28 ロータリキルン
30 ロータリキルン排ガス導管
32 Lバルブ
34 窯尻
36 キルンバーナ
38、38a、38b、38c、38d 流動層クーラ
40 ロータリフィーダ
42 輸送機
44 臭気導管
46 臭気押込ブロワ
47、49 排臭気管
48 サイクロン
50、52 熱交換器
51、60 バグフィルタ
54 臭気ファン
56 押込ブロワ
58 排ガス誘引ファン
62 煙突
64 フリーボード部
66、68、70 加熱臭気の分岐管
72、74、76 バルブ
82 排ガス導入口
84 排ガス排出管
86 円筒胴体
88 略逆円錐胴体
90 拡大壁部
92 略逆円錐胴部
94 伝熱管
96 板体
98 筒体
100 天壁部
102 小孔
104 バグフィルタ又はサイクロン
106 第1室
108 第2室
110、114、116、118 サイクロン
112 仕切り
120、122 風箱
Claims (9)
- 汚泥脱水ケーキに石灰を混合攪拌し造粒した造粒物を、下流のロータリキルンの排ガスを流動化ガスとし該造粒物自身を流動媒体とする流動層炉に投入して乾燥、乾燥・予熱又は乾燥・有機物焼却・消石灰焼成を行った後、流動層炉からの粒状物をロータリキルンに導入して焼成し、焼成粒状物を流動層クーラに導入し、造粒物の製造過程で発生する臭気の一部を冷却媒体の少なくとも一部として該クーラに導入して直接冷却した後、冷却に使用して高温になった臭気をキルンバーナの燃焼用2次空気として回収し、流動層炉からの排ガスをサイクロンで除塵した後、サイクロンからの排ガスを熱交換器に導入して造粒物の製造過程で発生する臭気の残部と熱交換し熱回収して、熱交換後の臭気の一部をロータリキルンの燃焼用空気としてロータリキルンのバーナの近傍又は直接バーナに吹き込んで臭気成分を燃焼又は分解により脱臭し、熱交換後の臭気の残部をロータリキルンの窯尻もしくは流動層炉の風箱に吹き込むか、又は流動層炉のフリーボード部に吹き込んで脱臭することを特徴とする地盤改良材の製造方法。
- 造粒物の粒径が1〜20mmである請求項1記載の地盤改良材の製造方法。
- 造粒物の製造過程で発生する臭気の残部を熱交換器に導入して昇温し、加熱臭気をロータリキルンの燃焼用空気として回収するとともに、余剰の加熱臭気を流動層炉の風箱及び/又はフリーボード部に吹き込んで脱臭する請求項1又は2記載の地盤改良材の製造方法。
- 加熱臭気のロータリキルンへの吹込量、並びに加熱臭気の流動層炉の風箱への吹込量及び/又は加熱臭気の流動層炉のフリーボード部への吹込量を夫々調整する請求項3記載の地盤改良材の製造方法。
- 汚泥脱水ケーキと石灰とを混練する混練機と、混練物を造粒する造粒機を備えた原料製造部と、
この原料製造部からの造粒物を投入し造粒物を流動媒体として乾燥、乾燥・予熱又は乾燥・有機物焼却・消石灰焼成を行うための流動層炉と、
流動層炉からの粒状物を導入して焼成するためのロータリキルンと、
ロータリキルンからの焼成粒状物を冷却するための流動層クーラとを備え、
ロータリキルンの窯尻と流動層炉の風箱とが、ロータリキルン排ガス導管を介して接続されており、原料製造部と流動層クーラとが造粒物の製造過程で発生する臭気ガスの一部を該クーラに導入するための臭気導管を介して焼成粒状物を冷却できるように接続されており、流動層クーラとロータリキルンとが排臭気管を介して接続されており、
流動層炉からの排ガスを導入してダストを分離するためのサイクロンと、このサイクロンからの排ガスを導入して造粒物の製造過程で発生する臭気ガスの残部と熱交換し熱回収するための熱交換器を設け、
熱交換器で加熱された臭気の一部はロータリキルンの燃焼用空気としてロータリキルンのバーナの近傍又は直接バーナに吹き込まれてロータリキルン内で臭気成分が燃焼又は分解して脱臭され、熱交換器で加熱された臭気の残部はロータリキルンの窯尻もしくは流動層炉の風箱に吹き込まれるか、又は流動層炉のフリーボード部に吹き込まれて脱臭されるようにしたことを特徴とする地盤改良材の製造装置。 - 熱交換器を排ガス流に対して直列2段に設け、高温側の熱交換器に造粒物の製造過程で発生する臭気を吹き込み、低温側の熱交換器に冷却用空気を吹き込むようにした請求項5記載の地盤改良材の製造装置。
- サイクロンが、上側部に接線方向に排ガスを導入する排ガス導入口を有するとともに、上面中央部に排ガス排出管を有する円筒胴体の下部に、略逆円錐胴体を連設し、この略逆円錐胴体の下部に拡大壁部を連設し、さらに、この拡大壁部に略逆円錐胴部を連設し、略逆円錐胴体の下端部内径D1と排ガス排出管の内径dがD1≧dの関係を有し、円筒胴体の内径Dと拡大壁部の下端部内径D2との間にD2=(0.8〜1.0)×Dの関係を有するようにした高効率サイクロンである請求項5又は6記載の地盤改良材の製造装置。
- 熱交換器が、臭気を通過させて加熱するための伝熱管が鉛直に配置された構造である請求項5、6又は7記載の地盤改良材の製造装置。
- 流動層炉のガス分散板が、板体に貫通固定された多数の筒体の天壁部に、直径が流動媒体径の3倍以下の複数の小孔が設けられた構造である請求項5〜8のいずれかに記載の地盤改良材の製造装置。
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