JP3905355B2 - チップ部品の実装方法 - Google Patents

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  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器に使用して好適なチップ部品の実装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯用高周波機器等の電子機器においては、基板に設けられたランド部上にクリーム半田を塗布した後、チップ抵抗やチップコンデンサ等のチップ部品を搭載してリフロー炉内で加熱することにより、これらチップ部品の電極部を対応するランド部に半田付けするという実装方法が広く採用されている。このようなチップ部品実装方法の従来技術を図5と図6に基づいて説明すると、図5はチップ部品の実装完了状態を示す平面図、図6はクリーム半田の形成方法を示す断面図である。
【0003】
図5に示すように、基板20上には銅箔等からなる配線パターン21が設けられており、この配線パターン21の端部には幅広のランド部22が形成されている。また、基板20上のほぼ全面に半田レジスト層23が設けられており、配線パターン21はランド部22を除く部分が半田レジスト層23により被覆されている。この半田レジスト層23は、図示せぬ印刷用マスクを用いて、各ランド部22と対応する位置にそれぞれ開口23aが形成されるように印刷したものである。
【0004】
チップ抵抗やチップコンデンサ等のチップ部品24を基板20上に実装する際には、図6に示すように、各ランド部22と対応する位置に透孔26aを設けた印刷用マスク26を用意し、この印刷用マスク26を基板20上で位置合わせして透孔26aをランド部22上に合致させる。この状態で印刷用マスク26上のクリーム半田25を図示せぬスキージを用いて転写することにより、クリーム半田25を印刷用マスク26の透孔26aを通してランド部22上に印刷する。次に、自動マウンタ装置を用いて、チップ部品24の長手方向両端に形成されている電極部24aを対応するランド部22上に載置し、しかる後、基板20をリフロー炉内へ搬送して加熱する。これにより、クリーム半田25が溶融して各チップ部品24の電極部24aがそれぞれ対応するランド部22に半田付けされるため、各チップ部品24を基板20上の所定位置に実装することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のチップ部品実装方法では、半田レジスト層23を形成する工程とランド部22上にクリーム半田25を塗布する工程とで、それぞれ印刷用マスクを用意しなければならないため、印刷用マスクの作製費用が嵩んでしまい、しかも、これらの印刷用マスクは基板20上で正確に位置合わせして印刷しなければならないので、印刷用マスクの位置合わせ作業が煩雑となり、これらのことが実装コストを押し上げる大きな要因となっていた。また、印刷用マスク26の仕上がり精度や印刷時の位置合わせ精度が良好でない場合、各ランド部22上に塗布されるクリーム半田25の量がばらついてしまうため、例えばチップ部品24の一方の電極部24aに他方の電極部24aよりも著しく多量のクリーム半田25が付着してしまうことがあり、その場合、リフロー工程でチップ部品24がクリーム半田25の多い一方のランド部22側へ引っ張られて起立してしまうという実装不良を起こしやすくなる。
【0006】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、チップ部品の電極部を簡単かつ安価にランド部に半田付けすることができて実装不良も回避しやすい、チップ部品の実装方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によるチップ部品の実装方法は、ランド部を有する配線パターンが設けられた基板上で少なくとも前記ランド部の表面に予備半田を設ける予備半田形成工程と、この予備半田形成工程後に前記基板上の全面にレジスト層を塗布してから該レジスト層を半硬化させるレジスト層形成工程と、このレジスト層形成工程後に半硬化状態の前記レジスト層にチップ部品を押し付けて該チップ部品の電極部を対応する前記ランド部上の前記予備半田に圧着させるチップ部品圧着工程と、このチップ部品圧着工程後に前記レジスト層の硬化と前記予備半田の溶融を同時に行なう加熱工程とを具備している。
【0008】
このようなチップ部品実装方法によれば、レジスト層を形成する工程で印刷用マスクが不要となるばかりでなく、ランド部上に印刷用マスクを用いてクリーム半田を塗布する必要もなくなるので、これらの印刷用マスクを作製する費用が節約できると共に、印刷用マスクの煩雑な位置合わせ作業を省略できて工程の簡素化が図れる。さらに、クリーム半田の塗布量のばらつきに起因するチップ部品の実装不良も回避できるという利点がある。
【0009】
なお、かかるチップ部品実装方法において、前記予備半田として半田メッキ層を形成することにすれば、公知の半田レベラー法によって各ランド部上に簡単に予備半田を設けることができるので好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は実施形態例に係るチップ部品の実装完了状態を示す断面図、図2は基板の断面図、図3は該基板のランド部に予備半田をメッキした状態を示す断面図、図4は該基板上にレジスト層を塗布して乾燥させた状態を示す断面図である。
【0011】
これらの図に示すように、アルミナやガラスエポキシ等の絶縁材料からなる基板1上には銅箔等からなる配線パターン2が設けられており、この配線パターン2の端部に形成された複数のランド部3が各チップ部品6の実装位置に対応させて形成されている。このチップ部品6は例えばチップ抵抗やチップコンデンサであって、その長手方向両端に一対の電極部6aが形成されている。そして、本実施形態例においては、各ランド部3を含む配線パターン2の表面に予備半田4がメッキ形成してあり、この予備半田4を介してチップ部品6の電極部6aが対応するランド部3に半田付けされるようにしてある。また、チップ部品6を実装する前に、基板1上のほぼ全面に熱硬化性樹脂からなるレジスト層5が塗布形成してあり、このレジスト層5を半硬化させた状態で、各チップ部品6の電極部6aを対応するランド部3上に押し付けてリフロー炉内で加熱することにより、予備半田4を溶融させて電極部6aに付着させると共に、レジスト層5を硬化させている。
【0012】
このようなチップ部品実装方法の手順について詳しく説明すると、図2に示すように、複数のランド部3を有する配線パターン2が設けられている基板1を用意し、まず予備半田形成工程として、基板1の各ランド部3上に予備半田4を形成する。予備半田4を形成する方法としては、例えば、浴槽内の溶融半田に基板1を浸漬した後、基板1に付着した余剰の半田を吹き飛ばすという公知の半田レベラー法を採用することができる。これにより、図3に示すように、各ランド部3を含む配線パターン2の表面に予備半田4がメッキ形成されることとなる。
【0013】
次にレジスト層形成工程として、図4に示すように、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなるレジスト層5を基板1上の全面に塗布した後、このレジスト層5を乾燥させて半硬化状態とする。この場合、レジスト層5の乾燥温度や乾燥時間等の条件を適宜選択することにより、粘度の異なるさまざまな半硬化状態に設定可能なので、レジスト層5の材料に応じて所望の半硬化状態となるように乾燥させることができる。そして、このレジスト層形成工程により、予備半田4は半硬化状態のレジスト層5で完全に被覆される。
【0014】
次にチップ部品圧着工程として、図4の2点鎖線で示すように、チップ部品6を半硬化状態のレジスト層5の上方から基板1上の所定位置に押し付け、このチップ部品6の電極部6aを対応するランド部3上の予備半田4に圧着させる。すわわち、チップ部品6を基板1上に押し付ける際に、半硬化状態のレジスト層5はチップ部品6の周囲へ押しのけられるので、ランド部3上の予備半田4に圧着させた電極部6aと該予備半田4との間には極く少量のレジスト材料しか残存しなくなる。
【0015】
最後に加熱工程として、基板1をリフロー炉内へ搬送して加熱し、レジスト層5の本硬化と予備半田4の溶融とを同時に行なう。この加熱工程により、溶融した予備半田4を介してチップ部品6の電極部6aが対応するランド部3に半田付けされると共に、完全に硬化したレジスト層5によりチップ部品6が保持されるため、図1に示すように、チップ部品6を基板1上に実装することができる。
【0016】
上記実施形態例に係るチップ部品実装方法によれば、レジスト層5を基板1上の全面に塗布すれば良いため、レジスト層形成工程で印刷用マスクが不要となるばかりでなく、ランド部3上に印刷用マスクを用いてクリーム半田を塗布する必要もなくなるので、これらの印刷用マスクを作製する費用を節約できると共に、印刷用マスクの煩雑な位置合わせ作業を省略できて工程の簡素化が図れる。また、図1に示す実装完了状態のチップ部品6をレジスト層5で保持して取付強度を増大させることができると共に、ランド部3上の半田付け部や配線パターン2をレジスト層5で保護することができるので、チップ部品6の実装不良を回避することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0018】
レジスト層を形成する工程で印刷用マスクが不要となるばかりでなく、ランド部上に印刷用マスクを用いてクリーム半田を塗布する必要もなくなるので、これらの印刷用マスクを作製する費用が節約できると共に、印刷用マスクの煩雑な位置合わせ作業が省略できて工程の簡素化が図れ、さらに、クリーム半田の塗布量のばらつきに起因するチップ部品の実装不良が発生しなくなる。したがって、チップ部品の電極部を簡単かつ安価にランド部に半田付けすることができて実装不良も回避しやすい、優れたチップ部品実装方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係るチップ部品の実装完了状態を示す断面図である。
【図2】該実施形態例で用いた基板の断面図である。
【図3】該基板のランド部に予備半田をメッキした状態を示す断面図である。
【図4】該基板上にレジスト層を塗布して乾燥させた状態を示す断面図である。
【図5】従来例に係るチップ部品の実装完了状態を示す平面図である。
【図6】図5に示すクリーム半田の塗布形成方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 配線パターン
3 ランド部
4 予備半田
5 レジスト層
6 チップ部品
6a 電極部

Claims (3)

  1. ランド部を有する配線パターンが設けられた基板上で少なくとも前記ランド部の表面に予備半田を設ける予備半田形成工程と、この予備半田形成工程後に前記基板上の全面にレジスト層を塗布してから該レジスト層を半硬化させるレジスト層形成工程と、このレジスト層形成工程後に半硬化状態の前記レジスト層にチップ部品を押し付けて該チップ部品の電極部を対応する前記ランド部上の前記予備半田に圧着させるチップ部品圧着工程と、このチップ部品圧着工程後に前記レジスト層の硬化と前記予備半田の溶融を同時に行なう加熱工程とを具備することを特徴とするチップ部品の実装方法。
  2. 請求項1の記載において、前記予備半田が半田メッキ層からなることを特徴とするチップ部品の実装方法。
  3. 請求項1または2の記載において、前記レジスト層が熱硬化性樹脂からなることを特徴とするチップ部品の実装方法。
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