JP3904704B2 - シリンダー部封止構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高頻度人工呼吸器のピストン部の封止に好適なシリンダー部封止構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高頻度人工呼吸器のピストン部の封止構造を図面を参照して説明すると、図はピストンとシリンダとの接触部の拡大図であり、11はシリンダー内周面、12はピストン、13は2重ピストンリングであり、前記ピストン12はシャフト14に固定されこのシャフト14は図示せぬアクチュエータに連結されており、アクチュエータが作動することによりピストン13が図中左右方向に往復動してシリンダー内の室15を拡大縮小しポンプ作用をする構成となっている。
【0003】
上記2重ピストンリング13は耐久性を増すために同じ厚さのピストンリングを2枚重ねた状態でピストンの外周に形成した溝12a内に嵌合されており、ピストンリング外周とシリンダーの内周面11とが当接して気密構造を形成するようになっている。ピストンリング13は図のように周囲の一か所に切れ目13aが入れてあり、この切り目13aを開いてピストン12の溝12aに嵌合できるようになっている。またピストンリング13は、シリンダー内周面11との摺動抵抗を小さくするために、テフロン等(テフロンは登録商標)の潤滑性に富んだ材料を等で構成されている。
【0004】
ところで、高頻度人工呼吸器は肺に負担をかけることなく、肺胞における酸素および炭酸ガスの移動を効率良く行うことのできるものであるが、毎分900回もの呼吸を行う必要があり、十分なガス換気量を得ることが困難なため、現在新生児用しか実用化されていない。さらに、上述した従来型の高頻度人工呼吸器に係わるシリンダー封止構造では、人工呼吸器の使用時間が長くなるとピストンリングから空気のリークが発生し、耐久性の点で問題がある。また、リークを無くすために、シリンダーとピストンリングとの嵌め合いを相当きつくすると、今度は作動時にピストンリングとシリンダーとの間で摩擦熱が発生し、人工呼吸器の故障の原因となる等の問題を抱えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、ピストンの円周方向に形成した溝内の底部に空気層を設け、その上から弾性に富んだ材料で形成されたOリング等を嵌め込み、さらにその上にテフロン等の耐磨耗性、耐熱性に優れた材料からなるピストンリングを嵌め込んだシリンダー封止構造を提案することにより、上述の問題点を解決することを目的とする。
【0006】
本発明では、Oリングの内周側に空気層を形成することにより封止構造の耐久性が向上し、また、ピストンリングにかかる接触圧を空気とOリングの弾性によって緩和することにより、磨耗や摩擦熱の発生を低減できる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明が採用した技術解決手段は、
ポンプを構成するシリンダー内に摺動自在に配置したピストンの外周に溝を形成し、該溝の内周面に所定の空気層を形成するべく弾性体を配置し、この弾性体の外周にピストンリングを配置して、前記ピストンリングによりシリンダーの内周面11との間の気密状態を保持すべく構成したシリンダー部封止構造であり、
【0008】
前記ピストンに形成する溝の内周面には弾性体よりも幅の狭い溝が形成されこの幅の狭い溝により空気層を形成すべく構成したことを特徴とするシリンダー部封止構造である。
【0009】
【実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わるシリンダー封止構造の概念断面図である。
図において、1はシリンダー内周面、2はピストン、3はテフロン等の耐磨耗性、耐熱性に優れた材料からなるピストンリング、4は弾性体で形成されたOリング、5は前記Oリング4およびピストンリング3を嵌合するためにピストンの外周に形成した溝である。なお前記ピストンリング3は従来のピストンリングと同様に切れ目を備えており、この切れ目をひらいてピストンに嵌合することができる。
【0010】
前記ピストン2の外周に形成する溝5は、Oリング4内周側に後述する空気層6を形成することができるようなOリング4の幅よりも小さい幅の溝5aを備えている。溝5内に配置するピストンリング3は耐磨耗性、耐熱性に優れた材料から形成され、図示のようにピストン2の移動方向に2枚重ねて設けられている。またOリング4はピストンリング3に対して半径方向外周に向けた付勢力を発揮するように弾性に富んだ材料で構成されている。
【0011】
ピストン2の外周に形成した溝5にOリング4を嵌合すると、Oリング4は自身の幅よりも狭い幅の溝5a内には入り込むことができず、この結果、Oリング4の内周面1側には空気層6が形成されることになる。またOリング4の外周には上述したピストンリング3が2重に設けられ、Oリング4により前記ピストンリング3を半径方向外側に向けて付勢するようになっている。こうしてOリング4およびピストンリング3を嵌合したピストン2は図のようにシリンダ内周面1に嵌合されて使用される。なお図中V1、V2はバルブ、Aはピストンを駆動するためのアクチュエータ、Sはピストンに取り付けたシャフトである。
【0012】
上述のように構成されたピストンリング3はOリング4の弾性によりシリンダーの内周面1に常時押圧され気密性を確保するとともに、ピストンリング3とシリンダー内周面1との当接圧が一定であるため摩擦熱の発生も少なく、耐久性の向上を図ることができ、上記シリンダー封止構造は高頻度人工呼吸器等のポンプに使用することができ、また、ピストンとシリンダーとの摩擦も少ないため発熱をおさえることができ多量のガス換気が可能となる。
【0013】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内で種々の形態を実施することが可能である。たとえば、前述の空気層は必要に応じて省くことも可能である。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、Oリングの内周側にOリングを設け、このOリングの弾性力を利用してピストンリングに所定の接触圧をあたえることができるようにしたためシール性、耐久性を向上することができる。また、Oリングの内周側に空気層を形成することにより封止構造の耐久性がさらに向上し、また、ピストンリングにかかる接触圧を空気とOリングの弾性によって緩和することにより、磨耗や摩擦熱の発生を低減できる。このため、ガス換気量を増加した効率のより高頻度人工呼吸器を得ることが可能となる、等の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係わるシリンダー封止構造の概念断面図である。
【図2】 従来のシリンダー封止構造の断面図である。
【図3】 ピストンリングの正面図および側面図である。
【符号の説明】
1 シリンダー内周面
2 ピストン
3 ピストンリング
4 Oリング
5 溝
Claims (2)
- ポンプを構成するシリンダー内に摺動自在に配置したピストンの外周に溝を形成し、該溝の内周面に所定の空気層を形成するべく弾性体を配置し、この弾性体の外周にピストンリングを配置して、前記ピストンリングによりシリンダーの内周面11との間の気密状態を保持すべく構成したシリンダー部封止構造。
- 前記ピストンに形成する溝の内周面には弾性体よりも幅の狭い溝が形成されこの幅の狭い溝により空気層を形成すべく構成したことを特徴とする請求項1に記載のシリンダー部封止構造。
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JP01388498A JP3904704B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | シリンダー部封止構造 |
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JP01388498A JP3904704B2 (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | シリンダー部封止構造 |
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JPH11210622A JPH11210622A (ja) | 1999-08-03 |
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Family Applications (1)
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1998
- 1998-01-27 JP JP01388498A patent/JP3904704B2/ja not_active Expired - Fee Related
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