JP3903849B2 - 電動機の固定子構造およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機における固定子(ステータ)の構造とその製造方法に関し、特に平角線を巻線素線として用いた分割集中巻き構造の固定子とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の固定子の構造としては例えば特開昭61−214748号公報に記載のものがある。この例では、巻方向の異なる空芯コイルを複数配置し、隣り合う空芯コイルの内周始端部同士を互いに結線してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来例のようなコイルを分割集中巻きのコアに巻回する際には、コアと巻線との間を絶縁する絶縁体が必要となる。この絶縁体の上に二列の巻線を電気的に接続する渡線が存在すると、絶縁体の表面に先ず渡線が配置され、さらにその上に巻線が巻回されることになるため、渡線の上部には盛り上がりが生じてコイルエンドを大きくしてしまうという問題があった。また、絶縁体に渡線をはめ込む溝を設けてコイルエンドを小さくしようとしても、巻回開始時に巻線に作用する張力で渡線が抜けてしまうおそれがあった。
【0004】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、とりわけコイルエンド部での大型化を招くことなく、しかも渡線の抜け出しを未然に防止した構造とその製造方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、複数の分割コアと、分割コアに平角素線を少なくとも二列にわたり平巻きしてその巻回方向が互いに逆になるように配置した巻線と、分割コアのうち少なくとも巻線の巻回部分の両端面に配置されて分割コア自体と巻線との間を絶縁するエンドキャップとを備え、二列の巻線の内周側始端部同士を電気的に接続することで単一の巻線として機能するようにした電動機の固定子構造において、二列の巻線の内周側始端部同士を相互に接続する渡線が、エンドキャップと面一状態となるように、インサート成形法によりエンドキャップに埋設されて一体に成形されていることを特徴とする。
【0006】
また、請求項1に記載の固定子を製造する方法である請求項11に記載の発明は、巻線となる平角素線単体の状態でその始端部がエンドキャップの角部に沿うように且つ渡線の表面に当接するように予め曲げ加工を施し、その平角素線の始端部と渡線を結線した後に平角素線の巻回処理を行うことを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】
したがって、この請求項1に記載の発明によれば、渡線がエンドキャップと予め一体に成形されていて実質的に渡線がエンドキャップ内に強固に固定されているために、エンドキャップと渡線が併存しながらもコイルエンド部の小型化を図ることが可能であり、また巻線の巻回時に渡線に張力が作用したとしてもその渡線がエンドキャップから抜け出てしまうことがなく信頼性の高いものとなる。
【0008】
また、請求項11に記載の発明によれば、予め曲げ加工を施した渡線と平角素線を結線した後にその平角素線の巻回処理を行うことから、渡線が抜ける方向の力を減少させることが可能となるほか、エンドキャップのうちスロット部内周壁面側の薄肉部に作用するせん断力が小さくなってエンドキャップの破損を未然に防止でき、さらにはその薄肉部を一層薄肉化することが可能となることにより巻線占有率の向上にも寄与できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1〜6は本発明に係る電動機の固定子構造の好ましい第1の実施の形態を示したものであり、特に図1は固定子(ステータ)全体の構造を、図2は固定子の単位構成要素として1極分の分割コアに巻線が巻かれた状態を、図3は巻線が巻かれる前の分割コア単体の状態をそれぞれ示している。
【0010】
図1,2に示すように、電動機の固定子1は分割コア方式となっており、一つの極ごとに独立した分割コア(分割ステータコア)2に、表面に絶縁皮膜を施した平角素線3aを二列にわたり巻回して巻線3A,3Bとし、それら複数の分割コア2,2…を円環状に組み立てて固定子1を形成している。図3は1極分の分割コア2にエンドキャップ4,5を取り付けた状態すなわち巻線3A,3Bを巻回する前の状態を示しており、分割コア2は例えば図4に示すように略変形T字状に打ち抜くことによりティース部6aとバックティース部6bを備えた電磁鋼板6を積層することで形成され、鋼板積層体はその側面に例えばレーザ溶接やかしめ加工を施すことで鋼板相互が結合されている。この分割コア2の突極部たるティース部6aの表面には図5に示すように絶縁性を有する樹脂をもって成形した略鞍型の一対のエンドキャップ4,5が互い突き合わされるように装着され、これにより分割コア2のスロット部内周壁面(図1のように複数の分割コア2,2…を円環状に配置した場合に隣接する分割コア2,2同士の間に形成されることになるスロット部の内側壁面)およびコイルエンド部を含むティース部6a全周が絶縁性を有するエンドキャップ4,5にて覆われている。そして、エンドキャップ4,5のうちバックティース6b側となる部分と固定子内周側となる部分にはそれぞれフランジ部4a,5aが一体に突設されている。ただし、図3と比較すると明らかなように、図1,2では巻線3A,3Bが見えにくくなるためにエンドキャップ4,5のうちフランジ部4a,5aについては図示を省略している。
【0011】
図2に示すように、巻線3A,3Bは分割コア2のティース部6aに対し平角素線3aを平巻にして二列に並べることで形成される。巻線3A,3Bはその平角素線3aの巻回方向が互いに逆方向となるように設定されており、隣接する巻線3A,3Bの内周側始端部同士は渡線7で電気的に結線されている。モータとして使用するときには、例えば巻線3Aの外周側終端から電流を供給すると、巻線3Aの内周側始端から渡線7および巻線3Bの内周側始端を経て巻線3Bの外周側終端に至る流れとなって、双方の巻線3A,3Bは単一の巻線として機能することになる。もちろん、逆の流れも可能である。
【0012】
渡線7は、図3の(A),(B)に示すようにその表面が一方のエンドキャップ4と面一状態となるように予めそのエンドキャップ4と一体に成形されている。より具体的には、例えばエンドキャップ4を絶縁性を有する樹脂材料をもって射出成形する際に、渡線7をインサートとして金型内に予め配置することにより一体成形されてエンドキャップ4内に埋設される。渡線7は同図(B)に示すように巻線3A,3Bとなるべき平角素線3aと同様のものを所望の長さに切断したものであり、渡線7のうち少なくとも巻線3A,3Bが接合される面は絶縁皮膜を取り除いておくものとする。ただし、エンドキャップ4,5そのものが十分な絶縁性能を有する場合には絶縁皮膜を持たないいわゆる裸銅線を渡線7として使用しても良い。また、一部のポリエステル系絶縁材料などのように皮膜を有したまま超音波溶接などで接合することが可能な絶縁材料に関しては皮膜を除去する必要はなく、皮膜付の渡線7をエンドキャップ4に埋設することも可能である。
【0013】
このようにして渡線7を予め埋め込んだエンドキャップ4ともう一方のエンドキャップ5を分割コア2のティース部6aに互いに対向するように取り付ける。分割コア2は図示していない巻線機のクランプで把持された上で回転駆動される。巻線3A,3Bとなる平角素線3aの始端部は、必要に応じて結線部分の絶縁皮膜をワイヤブラシや砥石などで除去した上でエンドキャップ4の渡線7に当接させる。
【0014】
図6は平角素線3aと渡線7とを結線するための超音波溶接の状況を示した図である。一方の巻線3Aとなるべき平角素線3aの始端部を渡線7に当接させた上で、機械に取り付けられた超音波溶接機のホーン8を渡線7のうち結線部分に押し当てて、超音波振動を加えることで結線を行う。その後、渡線7と結線した平角素線3aに張力を付与しながらその平角素線3aと分割コア2を相対回転させていわゆる平巻き状態で分割コア2に幾重にも巻回して一方の巻線3Aを形成する。その際に、渡線7にはエンドキャップ4から抜け出ようとする力が作用するが、予めエンドキャップ4に埋設されて一体化されているためにエンドキャップ4から抜けにくくなる。しかも、渡線7はエンドキャップ4と面一状態となるように埋設されていることから、その渡線7の上から巻線3Aとなるべき平角素線3aを巻回したとしても巻線3Aが局部的に盛り上がるようなこともなく、いわゆるコイルエンド部での小型化が可能となる。
【0015】
こうして、一方の巻線3Aの巻回作業を終えたならば、それとは巻回方向が逆となるもう一方の巻線3Bの巻回作業を同様にして行い、その結果として図2に示したように二列の巻線3A,3Bを有する分割コア2を得る。
【0016】
ここで、上記第1の実施の形態ではエンドキャップ4,5にて分割コア2のティース部の全体を覆うようにしているが、例えばエンドキャップ4,5はコイルエンドのみとしてそれ以外のスロット部内周壁面側については絶縁紙等に置き換えることも可能である。
【0017】
この第1の実施の形態によれば次のような効果が得られる。
【0018】
(1)渡線7がエンドキャップ4と面一状態となるように予め一体に成形されているので、渡線7がエンドキャップ4の表面から突出することもなければその占有面積も必要とせず、さらには巻線3A,3Bを巻いても盛り上がることもないので、コイルエンド部での小型化が図れるようになる。
【0019】
(2)渡線7は一体成形によりエンドキャップ4に強固に固定されているので、巻線巻回時の張力でエンドキャップ4から抜け出てしまうことがなく、信頼性が高いものとなる。
【0020】
図7,8は本発明の第2の実施の形態を示した図であり、図6に示した第1の実施の形態と共通する部分には同一符号を付してある。なお、この第2の実施の形態においてもエンドキャップ4,5と一体成形されたフランジ部4a,5a(図3,5参照)は図示省略してある。
【0021】
図7に示すように、第1の実施の形態と同様にエンドキャップ4に予め渡線9が面一状態となるように一体成形されて埋設されているが、エンドキャップ4を同図(A)のa方向から見たときに渡線9はエンドキャップ4からの表面露出領域より突出した領域(エンドキャップの表面から露出した面よりも外側に突出した部位)をそのエンドキャップ4内に有している。具体的には、同図(B)に示すようにエンドキャップ4に埋設されることになる渡線9の断面形状が台形状となっていて、エンドキャップ4からの渡線9の抜け方向に対していわゆる抜け止め用のアンダーカットの関係となっている。このような渡線9は機械加工により断面台形状に加工しても良いし、渡線9となるべき平角素線3aの製造過程で台形形状のダイスから引き抜き加工を行って製造してもよい。なお、図7の(A)の符号10は渡線9と平角素線3aとの超音波溶接による結線部を示している。
【0022】
したがって、この第2の実施の形態によれば、エンドキャップ4に埋設された渡線9がいわゆるアンダーカットの関係にあるために、エンドキャップ4からの渡線9の抜け止め効果が一段と向上するようになる。
【0023】
図8は上記第2の実施の形態の変形例を示したもので、同図(A)に示すように矩形断面を有する渡線11の側面部分に突起12が設けられ、この突起12がエンドキャップ4内に埋設されるようになっている。また、同図(B)では、幅広の別の突起12Aを渡線11の長手方向中間部分すなわち二列に巻いた巻線3A,3B(図2参照)の中間部分に設けている。これらの突起12,12Aは、図7と同様にして渡線11のうちエンドキャップ4の表面露出部位よりも外側に突出した部位として機能することになる。
【0024】
この第2の実施の形態の変形例によれば次のような効果が得られる。
【0025】
(1)突起12をエンドキャップ4内に有することで、渡線11と平角素線3aとが結線された後の巻回張力で渡線11が抜けることが確実に防止され、より強固に渡線11をエンドキャップ4に固定することが可能となる。
【0026】
(2)図8の(B)に示すように幅広の別の突起12Aを設けることにより、両巻線3A,3Bをつなぐ渡線11の部分の断面積が大きくなり、強度的に有利になるほか、渡線11の導通面積が増加することで電気抵抗が下がり損失が低下する効果がある。
【0027】
図9は本発明の第3の実施の形態を示したものである。この第3の実施の形態では、エンドキャップ4と面一状態となるようにこれに埋設一体化されることになる渡線13についてそれと面直角方向から見た場合に、長手方向での側面部13aが巻線3A,3Bの巻回軸に対して斜めもしくは非平行となる面を有するようにしたものである。
【0028】
より具体的には、渡線13は長方形ではなく平行四辺形となるように予め機械加工が施された上で、エンドキャップ4を成形する際にいわゆるインサート成形法によりそのエンドキャップ4に埋設されて一体化される。
【0029】
なお、巻線3A,3Bの巻回軸に対して非平行になっている面は必ずしも渡線13の全長にわたって設定されていなくても同様の効果は得られ、少なくとも長手方向の一部に設定されていれば足りる。その一方、渡線13の断面積の増加による銅損低減を考慮すると、少なくとも渡線13の長さの50%以上の領域が非平行部位となっていることが望ましい。
【0030】
この第3の実施の形態によれば次のような効果が得られる。
【0031】
(1)渡線13には図6と同様にして巻線3A,3Bとなるべき平角素線3aが結線されて、張力を付与されながら巻回されることになるが、その張力が長手方向の側面部13aのみならず両端面13bにまでも分散されることになるので、いわゆる受圧面積の拡大化によりエンドキャップ4の破損や渡線13の抜け出しが防止される。
【0032】
(2)図9に示すように二つの側面部13a,13aが互いに平行状態を保ちながらともに巻線3A,3Bの巻回軸に対して非平行となっていることにより、巻線3A,3Bの巻回軸に対して平行になっているものに比べて隣り合う巻線3A,3B同士の距離が短くなるため、銅損低減に対して効果がある。
【0033】
(3)渡線13がエンドキャップ4の表面で実質的に斜めになっているため、渡線13により発生する磁束が主たる磁束に対して直交しないため、その磁束を阻害することがなくなり巻線3A,3Bの磁気性能向上の上でも有利となる。
【0034】
図10は本発明の第4の実施の形態を示したものであり、エンドキャップ14,5と一体成形されることになるフランジ部4a,5a(図3,5参照)については図示省略してある。この実施の形態では、先の各実施の形態と同様にエンドキャップ14に渡線15が予め埋設されて一体化されているものであるが、エンドキャップ14の表面に、渡線15のうち巻線3A,3Bの巻回方向とは反対側の一部を覆いつつ平角素線3aの始端部と対峙する突起部16が形成されている。
【0035】
すなわち、渡線15の上面の一部を覆うようにエンドキャップ14に設けられた突起部16は、巻線3A側ではその巻線3Aが巻回される方向と反対の方向に設けられ、したがってもう一方の巻線3B側の突起部17は逆向きに設けられていて、いずれの突起部16,17も該当する巻線3Aまたは3Bの内周側始端部となる平角素線3aの始端部と対峙することになる。そして、突起部16,17の高さHは少なくとも平角素線3aの厚み(板厚)寸法と同一、望ましくは平角素線3aの板厚寸法よりもわずかに大きくなるように設定されて段差が形成されている。
【0036】
このようなエンドキャップ14をもう一方のエンドキャップ5とともに分割コア2に取り付けて、巻線3Aとなるべき平角素線3aの先端部の絶縁皮膜を除去した上で突起部16と突き合わせながら渡線15に重ね合わせて、例えば結線部10となるべき領域に超音波溶接機のホーンを押し当てて超音波溶接による結線を行う。その後、平角素線3aに張力を付与しながら巻回作業を行う。もう一方の巻線3Bとなるべきを平角素線3aを巻回する場合にも同様とする。
【0037】
この第4の実施の形態によれば次のような効果が得られる。
【0038】
(1)平角素線3aに張力を付与しながら巻回作業を行う際に、張力付与に伴い渡線15が浮き上がろうとしてもエンドキャップ14に設けられた突起16,17により渡線15の浮き上がりが拘束され、エンドキャップ14からの渡線15の抜け出しを防ぐことが可能となる。
【0039】
(2)1ターン目(一巻き目)の平角素線3aの巻回を終えて2ターン目(二巻き目)の巻回に移行する過程で、1ターン目の平角素線3aの始端部上に2ターン目の平角素線3aが巻かれることになるが、1ターン目の平角素線3aの始端部はカッターなどで切断された面であってばり等が存在することもあるため、そのままの状態で2ターン目を巻回すると平角素線3aの表面の絶縁皮膜を損傷してしまうおそれがある。本実施の形態では、渡線15の表面に一部が掛かるように設けた突起部16,17の高さHとして平角素線3aの厚み寸法と同等以上の大きさに設定されているため、上記のような絶縁皮膜損傷の可能性がなくなる。
【0040】
(3)高電圧機器などにおいて絶縁能力を一段と向上させる必要がある場合には、図10のほか図11に示すように結線部10を覆うように絶縁フィルム70を貼り付けて、実質的に結線部10相当部において1ターン目と2ターン目の平角素線3a,3a同士の間に絶縁フィルム70を介在させることにより絶縁能力を補強することが可能である。この場合に、絶縁フィルム70の代わりに絶縁性接着剤ペーストを塗布して絶縁能力を向上させることも可能である。
【0041】
図12は本発明の第5の実施の形態を示したものでものであり、図10に示した第4の実施の形態と共通する部分には同一符号を付してある。この実施の形態においては、図12の(A)に示すように、渡線15が予め埋設されて一体化されたエンドキャップ18の表面に、渡線15のうち巻線3Aの巻回方向とは反対側の縁部に隣接するように突起部19を形成し、その突起部19には平角素線3aの始端部が挿入できる溝20を形成してある。もう一方の巻線3Bが巻回される部位にも同様に溝20付きの突起部21を形成してあり、したがって、巻線3A側の突起部19ともう一方の巻線3B側の突起部21とはその向きが互いに逆向きとなっている。巻線3Aとなるべき平角素線3aの始端部は先の実施の形態と同様にして接合面の皮膜をワイヤブラシなどで除去した後に渡線15の部分に送給される。平角素線3aの始端部は突起部19に設けられた溝20に挿入される。この状態で、結線部10に超音波溶接などで溶接を施すことにより渡線15と結線される。もう一方の巻線3Bの巻回作業を行う場合にも同様とする。
【0042】
この第5の実施の形態によれば次のような効果が得られる。
【0043】
(1)超音波溶接の場合には、結線部10に押し当てたホーンに加圧力を加えた状態で超音波振動を加えて溶接するため、その加圧力や接合の熱により平角素線3aの始端部が反り返ったりすることがある。その状態のままで2ターン目の平角素線3aの巻回を行うと、2ターン目の平角素線3aが反り返った平角素線3aの始端部と接触して絶縁破壊を起こす可能性があるが、本実施の形態では平角素線3aの始端部が溝20に挿入されているため、浮き上がろうとしても拘束されて浮き上がることはない。
【0044】
(2)2ターン目の平角素線3aが上から巻回されても平角素線3aの始端部に直接接触しないために絶縁性能を向上させやすいという効果がある。
【0045】
(3)突起部19,21の高さは少なくとも平角素線3aの厚み寸法よりも大きくなるため、図12の(C)に示すように2ターン目の平角素線3aが上から巻かれたときに1ターン目の結線部10との間に空間が確保されて、絶縁性能を高めやすい。この場合、必要に応じて図12の(B)に示すようにこの空間に絶縁性の接着剤や絶縁フィルム70を挿入すれば、絶縁性能が一段と高くなる。
【0046】
(4)巻線3A,3Bを樹脂でモールドする場合には、上記突起部19,21により形成される隙間にも樹脂が流れるためにその流動性が促進されて、絶縁を確実に行うことが可能となる。
【0047】
図13は本発明の第6の実施の形態を示したものであり、図10と共通する部分には同一符号を付してある。この実施の形態では、エンドキャップ22に予め埋設されて一体化されることになる渡線23に、巻線3Aとなるべき平角素線3aの始端部が挿入される斜めの溝24を予め形成してある。同様に、その溝24に隣接して、巻線3Bとなるべき平角素線3aの先端が挿入される斜めの溝25を逆向きに形成して、それぞれの溝24,25には平角素線3aの始端部を鈍角に曲げた状態で挿入している。 なお、これらの溝24,25は機械加工によって形成しても良いが、溝24,25の形状を含む渡線23の全体形状を鋳造などで形成しても良い。
【0048】
より具体的には、巻線3Aとなる平角素線3aの始端部のうち少なくとも渡線23と当接する面は予め絶縁皮膜が除去される。曲げ加工前の平角素線3aの始端部を渡線23の溝24に挿入した上で、曲げ加工で溝挿入部分以外の平角素線3aをエンドキャップ22の表面に沿わせるようにする。この状態で、平角素線3aを渡線23に挿入した部位から巻線3Aの巻回方向に所定量だけ移動した部位であるところの結線部10に超音波溶接等で溶接を施して接合することで結線が行われる。その後、平角素線3aの巻回を行い、1ターン目から2ターン目の巻回に至るところで図12と同様に絶縁フィルム70を挟んで以降の巻回を行う。もう一方の巻線3Bの巻回作業を行う場合にも、同様に平角素線3aの始端部を溝25に挿入するものとする。
【0049】
なお、図示の例では平角素線3aの始端部の曲げ角度を鈍角としたが、鋭角として係合をより強固なものとすることができることはもちろんである。
【0050】
この第6の実施の形態によれば次のような効果が得られる。
(1)平角素線3aの始端部を渡線23の溝24,25に挿入することで、巻線3A,3Bとなる平角素線3aの始端部の切断面でのばり等を原因として2ターン目以降の平角素線3aに傷を付けてしまうのを未然に防止できる。
【0051】
(2)エンドキャップ22に例えば図11,12のような突起部等が設けられないためにエンドキャップ22の構造が簡素化されるほか、コイルエンド部をより小さくすることが可能となり、モータの高性能化に寄与することが可能となる。 (3)平角素線3aの始端部を溝24,25挿入して屈曲させることで、平角素線3aと渡線23の係合が良好に行われるから、巻回時の張力で渡線が抜け出るのを確実に防止することができる。
【0052】
図14は本発明の第7の実施の形態を示したものであり、図13に示した第6の実施の形態と共通する部分には同一符号を付してある。この第7の実施の形態では、渡線26には溝24に隣接して巻線3Aの巻回方向とは反対側の位置にエンドキャップ22の表面よりも突出した部位としてその縁部に突起部27が設けられていて、隣接するもう一方の巻線3B側の溝25の縁部には反対側に突起部28が設けられている。各突起部27,28の高さは、巻線3A,3Bとなる平角素線3aの厚み寸法よりも十分に大きく設定されている。
【0053】
この第7の実施の形態によれば次のような効果が得られる。
【0054】
(1)先の実施の形態と同様に平角素線3aの先端を溝24または25に挿入することで、平角素線3aの始端部の切断面のばりでその上から巻回される2ターン目の平角素線3aに傷を付けることがない。
【0055】
(2)突起部27または28が設けられていることで1ターン目の平角素線3aと2ターン目の平角素線3aとの間に隙間が確保されることから、2ターン目の平角素線3aが結線部10にて損傷した絶縁皮膜の上から直接巻回されることがなく絶縁性能を確保しやすくなる。特に先の実施の形態と同様に絶縁フィルム70や絶縁性の接着剤を併用するとその効果が一段と顕著となる。
【0056】
(3)エンドキャップ22と巻線3A,3Bとの間に突起部27,28の高さ分の隙間が確保されることで巻線3A,3B全体を樹脂でモールドする際の樹脂の流れが良くなる。
【0057】
図15は本発明の第8の実施の形態を示したものであり、図14の先の実施の形態と共通する部分には同一符号を付して説明すると、平角素線3aの始端部を挿入するための溝とそれに隣接する突起部27,28を有した渡線29がエンドキャップ22に埋設一体化されている点で先の第7の実施の形態のものと同様である。その一方、溝30は先の実施の形態のように傾斜したものではなく単純な断面矩形状のものとして形成されていて、且つ渡線29の全長にわたりその溝30が全長にわたって同一断面形状の連続したものとして形成されている点で先の実施の形態のものと異なっている。また、突起部27,28の高さは平角素線3aの厚み寸法よりも十分に大きく設定されている。すなわち、この第8の実施の形態では、二列にわたり隣接配置される巻線3A,3Bが実質的に単一の溝30を共有しているかたちとなっている。
【0058】
この実施の形態によれば、一方の巻線3Aの巻回に際して、渡線29と当接する面の絶縁皮膜を除去した平角巻線3aの始端部を溝30に挿入してほぼ直角に曲げた後に、結線部10について超音波溶接を施して渡線29と結線を行い、必要に応じて絶縁フィルム17を併用する。その後に1ターン目、2ターン目の順に平角素線3aを順次巻回する。もう一方の巻線3Bとなるべき平角素線3aの巻回に際しても同様とする。
【0059】
したがって、この第8の実施の形態によれば、先の第7の実施の形態と同様の効果が見込めるほか、溝30を単純形状で且つ一つの連続したものとしたことによって渡線29の生産性が向上し、機械加工などでも容易に製作することが可能となる。
【0060】
図16は本発明の第9の実施の形態を示したものであり、第1の実施の形態として図3に示したものと共通する部分には同一符号を付してある。この第9の実施の形態では、平面視にて略クランク状をなす板状の渡線32がエンドキャップ31に予め埋設されて一体化されている。渡線32は銅板などを略クランク状に打ち抜いて、コイルエンド部からスロット部内周壁面にまたがるコーナー部の曲率と合致するように両端末部32aに曲げ加工を施した上で、先の各実施の形態と同様にエンドキャップ31を成形する際にそれと面一状態となるように一体的に埋設される。
【0061】
このようなエンドキャップ31を分割コア2に取り付けて、図16の(B)に示すように巻線3Aとなるべき平角素線3aの始端部をスロット部内周壁面と平行となるように沿わせた上で渡線32の端末部32aと結線する。この結線は先の各実施の形態と同様に結線部10に超音波溶接を施すことにより行う。これにより、渡線32と巻線3Aたる平角素線3aとの結線部は隣接する分割コア2,2同士の間に形成されるスロット部内周壁面と平行な位置に設定される。その後、平角素線3aに張力を付与しながら所定回数だけ巻回する。巻線3Aとなるべき平角素線3aの巻回の進行により、2ターン目の平角素線3aが1ターン目の平角素線3aの始端部の上に巻回される段階に至ったならば、先の実施の形態と同様にして両者の間に絶縁紙や絶縁フィルムを介在させて、平角素線3aの始端部の切断面や超音波溶接などで皮膜が損傷した結線部10の絶縁を確保して巻回を進めるものとする。なお、もう一方の巻線3Bの巻回作業を行う場合にも同様とする。
【0062】
この9の実施の形態によれば次のような効果が得られる。
【0063】
(1)巻線3A,3Bとなるべき平角素線3aの巻回開始時の張力がスロット部内周壁面と平行な方向に作用して、エンドキャップ31のスロット部内周壁面側の薄肉部にせん断力を作用させずに巻回できるため、エンドキャップ31の破損を防止できる。
【0064】
(2)上記せん断力が小さくなるため、スロット部側に臨むエンドキャップ31の肉厚を薄くすることが可能となり、スロット部内の巻線占有率が向上し、出力性能向上に寄与できる。
【0065】
図17は本発明の第10の実施の形態を示したものである。この実施の形態では、第9の実施の形態とほぼ同形状の渡線32Aに曲げ加工を施すことなく平板状の打ち抜き展開形状のままで、エンドキャップ31を成形する際にこれと一体に埋設するようにしたものである。こうすることで渡線32Aの結線部となるべき端末部32aはエンドキャップ31とは非接触状態で突き出たかたちで保持される。この状態で、図18に示すように一方の巻線3Aとなるべき平角素線3aの始端部を端末部32aに重ね合わせた上で、結線部10に例えば超音波溶接を施して結線する。ただし、本実施の形態の特殊性として、渡線32Aの端末部32aと巻線3Aとなるべき平角素線3aの始端部を重ね合わせた部位をその板厚方向から直接クランプすることが可能となるので、上記の超音波溶接等に代えて例えば圧着通電かしめなどの熱負荷の大きな接合方法を採用することも可能である。
【0066】
このようにして結線を終えたならば、図19に示すように巻線3Aとなるべき平角素線3aを巻回しながらその張力を利用して結線部10たる渡線32Aの端末部32aの曲げ加工を行い、平角素線3aとともに渡線32Aの端末部32aをエンドキャップ31のスロット部内周壁面に密着させる。そして、1ターン目の巻回を終えて2ターン目の巻回に移行する際には図15に示した第8の実施の形態と同様にして絶縁紙や絶縁フィルムを併用するものとする。また、巻線3Aとなるべき平角素線3aの断面積が大きくて平角素線3aの張力だけでは渡線32Aの端末部32aを十分に曲げられない場合には、ローラ等の治具を用いて曲げ加工を行うようにすると効果的である。これらの手順はもう一方の巻線3Bの巻回作業を行う場合にも同様とする。
【0067】
この第10の実施の形態によれば次のような効果が得られる。
【0068】
(1)渡線32Aの端末部32aに予め曲げ加工を施す必要がないので生産性が向上するほか、結線部10となる端末部32aがエンドキャップ31に対して浮いた状態で結線作業を行えるため、結線に際して圧着通電かしめ等の熱負荷の大きな他の工法を採用することが可能となる。
【0069】
(2)結線作業に超音波溶接等を採用した場合には、不安定なエンドキャップ31の上で溶接するのではなく、渡線32Aの端末部32aと平角素線3aとを直接クランプして接合するために、結線部10の接合信頼性が向上する。
【0070】
図20は本発明の第11の実施の形態を示したものであり、図6に示した第1の実施の形態と共通する部分には同一符号を付してある。この実施の形態では、同図(A)に示すように例えば巻線3Aとなるべき平角素線3aの始端部の絶縁皮膜を予め除去した上で、その始端部を所定の曲率を持たせながらほぼ直角となるように曲げローラ40で曲げ加工を施して曲折片部33aを形成する。そして、同図(B)に示すように平角素線3aの曲率部分をエンドキャップ4の角部に当接させて、曲げ加工された曲折片部33aがエンドキャップ4と予め一体化された渡線7に重なり、なお且つ平角素線3aの一般部がスロット部内周壁面に沿うようにセットする。この状態で、同図(C)に示すように超音波溶接機のホーン8を曲折片部33aの先端に押し当てて溶接を施すことにより渡線7と結線する。結線後に平角素線3aに張力を付与しながらエンドキャップ4,5に巻回すると、そのエンドキャップ4,5に作用する力は分割コア2を形成している電磁鋼板の積層方向の力が主となり、エンドキャップ4,5のうちスロット部内周壁面側の薄肉部に作用するせん断力が小さくなり、エンドキャップ4,5の破損を防止することが可能となる。以上のような機能は、もう一方の巻線3Bとなるべき平角素線3aの巻回作業を行う場合にも同様に発揮される。
【0071】
この第11の実施の形態によれば次のような効果が得られる。
【0072】
(1)渡線7と平角素線3aとを結線してから巻回するので、巻回時の張力で渡線7が抜ける方向の力を減少させることができる。
【0073】
(2)エンドキャップ4,5のうちスロット部内周壁面側の薄肉部に作用するせん断力が小さくなるためにエンドキャップ4,5の破損を防止できるとともに、そのせん断力が小さくなることによってエンドキャップの薄肉部を一層薄くでき、巻線占有率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固定子の組立状態を示す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態として図1の固定子を構成することになる分割コアの詳細を示す斜視図。
【図3】(A)は図2の分割コアに巻線を巻回する前の状態を示す斜視図、(B)は同図(A)の分割コアに採用される渡線単独での斜視図。
【図4】分割コアを形成することになる電磁鋼板の説明図。
【図5】図3のエンドキャップの詳細を示す分解斜視図。
【図6】図3の分割コアでの平角素線の結線状態を示す斜視図。
【図7】(A)は本発明の第2の実施の形態として分割コアに巻線を巻回する前の状態を示す斜視図、(B)は同図(A)の分割コアに採用される渡線単独での斜視図。
【図8】(A),(B)ともに図7の(B)に示した渡線の変形例を示す斜視図。
【図9】本発明の第3の実施の形態として分割コアに巻線を巻回する前の状態を示す分解斜視図。
【図10】(A)は本発明の第4の実施の形態を示す分割コアの要部斜視図、(B)は同図(A)の断面説明図。
【図11】(A)は図10の変形例として絶縁フィルムを併用した分割コアの要部斜視図、(B)は同図(A)の断面説明図。
【図12】(A)は本発明の第5の実施の形態を示す分割コアの要部斜視図、(B)は同図(A)の状態から平角素線を巻回した状態を示す要部斜視図、(C)は同図(B)の断面説明図。
【図13】(A)は本発明の第6の実施の形態を示す分割コアの要部斜視図、(B)は同図(A)の断面説明図。
【図14】(A)は本発明の第7の実施の形態を示す分割コアの要部斜視図、(B)は同図(A)の断面説明図。
【図15】(A)は本発明の第8の実施の形態を示す分割コアの要部斜視図、(B)は同図(A)の断面説明図。
【図16】(A)は本発明の第9の実施の形態として分割コアに巻線を巻回する前の状態を示す斜視図、(B)は同図(A)に示した渡線と平角素線との結線後の状態を示す斜視図、(C)は同図(B)の平面図。
【図17】本発明の第10の実施の形態として分割コアに巻線を巻回する前の状態を示す斜視図。
【図18】図17に示した渡線と平角素線との結線後の状態を示す斜視図。
【図19】図18に示した渡線の曲げ加工後の状態を示す斜視図。
【図20】(A)〜(C)ともに本発明の第11の実施の形態として分割コアの製造手順を示す工程説明図。
【符号の説明】
1…固定子
2…分割コア
3a…平角素線
3A,3B…巻線
4,5…エンドキャップ
7…渡線
9…渡線
10…結線部
11…渡線
12,12A…突起(外側突出部位)
13…渡線
13a…側面部(非平行部位)
14…エンドキャップ
15…渡線
16,17…突起部
19,21…突起部
20…溝
22…エンドキャップ
23…渡線
24,25…溝
26…渡線
27,28…突起部
29…渡線
30…溝
31…エンドキャップ
32…渡線
32a…端末部
32A…渡線
33a…曲折片部
Claims (11)
- 複数の分割コアと、分割コアに平角素線を少なくとも二列にわたり平巻きしてその巻回方向が互いに逆になるように配置した巻線と、分割コアのうち少なくとも巻線の巻回部分の両端面に配置されて分割コア自体と巻線との間を絶縁するエンドキャップとを備え、二列の巻線の内周側始端部同士を電気的に接続することで単一の巻線として機能するようにした電動機の固定子構造において、
二列の巻線の内周側始端部同士を相互に接続する渡線が、エンドキャップと面一状態となるように、インサート成形法によりエンドキャップに埋設されて一体に成形されていることを特徴とする電動機の固定子構造。 - エンドキャップと一体に成形した渡線のうちエンドキャップの表面から露出した面よりも外側に突出した部位をエンドキャップ内部に有することを特徴とする請求項1に記載の電動機の固定子構造。
- 渡線をエンドキャップの表面から露出した面と直角方向から見たときに、その渡線の全長もしくは一部において巻線巻回軸に対して非平行となる面が存在することを特徴とする請求項1または2に記載の電動機の固定子構造。
- エンドキャップの表面に、渡線のうち巻線の巻回方向とは反対側の一部を覆いつつ平角素線の始端部と対峙する突起部が形成されていて、その突起部の高さが平角素線の厚み寸法と同等もしくはそれよりも大きな段差を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電動機の固定子構造。
- エンドキャップの表面に、渡線のうち巻線の巻回方向とは反対側の縁部に隣接するように突起部を形成し、その突起部に平角素線の始端部を挿入するための溝を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電動機の固定子構造。
- 渡線に平角素線の始端部を鈍角に曲げた状態で挿入できる溝を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電動機の固定子構造。
- 渡線の溝に隣接して巻線の巻回方向とは反対側の位置にエンドキャップの表面より突出した部位を設けたことを特徴とする請求項6に記載の電動機の固定子構造。
- 渡線を共有することになる二列の巻線について、それぞれの平角素線の始端部を挿入する溝を相互に連続したものとし、その溝の全長において同一断面形状としたことを特徴とした請求項6または7に記載の電動機の固定子構造。
- エンドキャップと一体成形される渡線のうち巻線との結線部を隣接する分割コア同士の間に形成されるスロット部内周壁面と平行な位置に設定したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電動機の固定子構造。
- エンドキャップと一体成形される渡線のうち巻線との結線部をエンドキャップとは非接触状態にして突出したかたちで成形し、その突出部と巻線となる平角素線を結線した後にエンドキャップに沿って曲げるようにしたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電動機の固定子構造。
- 請求項1に記載の電動機の固定子を製造する方法であって、巻線となる平角素線単体の状態でその始端部がエンドキャップの角部に沿うように且つ渡線の表面に当接するように予め曲げ加工を施し、その平角素線の始端部と渡線を結線した後に平角素線の巻回処理を行うことを特徴とする固定子の製造方法。
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