JP2019140796A - セグメントコイル用分割導体 - Google Patents

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島田 守
Mamoru Shimada
守 島田
寛之 深井
Hiroyuki Fukai
寛之 深井
武藤 大介
Daisuke Muto
大介 武藤
俊昭 天野
Toshiaki Amano
俊昭 天野
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Abstract

【課題】 取扱い時等における各導体線がばらけることを抑制可能なセグメントコイル用分割導体を提供する。【解決手段】 分割導体5は、少なくとも、複数の素線部7からなる分割部8を有する。素線部7は、導体部11と、導体部11を被覆する絶縁層13とを有する。すなわち、分割部8は、複数の導体部11とそれぞれの導体部11同士の間に形成される絶縁層13とからなる。また、複数の素線部7の外周には、保持部材15が設けられる。保持部材15は、例えば金属製の筒状の部材であり、複数の素線部7の全体を外周から覆うように配置される。すなわち、分割部8の全体は、保持部材15で覆われる。さらに、保持部材15の全体が絶縁層14によって被覆される。【選択図】図3

Description

本発明は、モータに用いられるセグメントコイル用分割導体に関するものである。
例えば、車載用モータのステータに使用される巻線としては、従来は断面丸型のエナメル線が使用されていた。しかし、近年は占積率を高めるために矩形断面の平角巻線が使用されるようになってきている。また、従来はステータのコアに巻線を巻いてゆく製造方法が採られる場合が多かったが、平角巻線の採用に伴い、巻線を短尺のセグメントコイルとして構成し、ステータに組み付けた後でセグメントコイルの端部同士を溶接して繋いでゆくことで、コイルを形成する方法が採られるようになってきている。
ところが、平角巻線は巻線1本当たりの断面積が大きいため、モータ回転数が大きくなり周波数が大きくなった場合には、渦電流の発生により巻線損失が大きくなるという問題がある。
これに対し、複数の導線を一体化した分割導体が提案されている。すなわち、セグメントコイルとして、複数の導線によって構成された分割導体を用いることで、渦電流の影響を抑制することができる。
分割導体は、例えば、表面に酸化被膜などの絶縁層を有する素線を複数束ねて一体化し、断面が略矩形に成形される。このような分割導体によれば、ステータのスロットに対する導体の充填効率を高めることができるとともに、各素線が酸化被膜によって絶縁され、表皮効果および渦電流による交流抵抗の増加を抑制することができる。
このような分割導体としては、例えば、矩形状の導体素線と、導体素線の外周に設けられる被覆層を有する導体線が、複数一体化された集合導体がある(特許文献1)。
また、複数の線状導体からなる集合線と、単線を長手方向に交互に接合して、ステータのスロットから露出する部位を単線で構成したコイルがある(特許文献2)。
特開2007−227266号公報 特開2013−39000号公報
しかし、特許文献1のように、通常の分割導体を用いたのでは、各導体線が取扱い時にばらけてしまうなどの問題がある。特に、ステータコアに分割導体を配置する際には、分割導体を所定の形状に曲げ加工する必要があるため、曲げ加工時に、各導体線同士が滑り、ずれやばらけの要因となる。
一方、特許文献2の方法では、単線と集合線とを長手方向に接合する必要があるため、製造が極めて困難である。例えば、普通の方法で両者を溶接すると、特に、集合線の溶接時の引けなどによって、接続部の断面積が減少して破断の恐れがある。また、両者の溶接時において、表面張力による球状化が生じ、接合部が部分的に膨らみ、スロットへ挿入することが困難となる場合もある。
また、スロットから露出する部位の全てが単線で構成されるため、スロットの上下において、各導線が単線部で導通してループが形成され、渦電流による交流抵抗の増加の恐れがある。このように渦電流が発生してしまうと、分割導体を使用するメリットである渦電流損失低減効果が小さくなる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、取扱い時等における各導体線がばらけることを抑制可能なセグメントコイル用分割導体を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために本発明は、セグメントコイル用の分割導体であって、前記分割導体は、複数の素線部からなる分割部を具備し、前記素線部は、導体部と、前記導体部を被覆する絶縁層とを有し、前記分割部の少なくとも一部が、金属製の保持部材で覆われており、前記保持部材の外面に絶縁層が形成されることを特徴とするセグメントコイル用分割導体である。
前記保持部材は、コイル化した際のコイルエンド部に対応する、前記分割部の長手方向の略中央部近傍にのみ設けられてもよい。
前記保持部材の厚みが、前記素線部の径よりも薄くてもよい。
前記分割部が、略多角形の断面形状であってもよい。
前記保持部材は、前記分割部の一部に設けられ、前記保持部材の部位の前記分割部の断面積が、前記保持部材以外の部位における前記分割部の断面積以下であってもよい。
前記保持部材は、前記分割部の全長に設けられ、前記導体部と同じ材質からなってもよい。
前記分割導体の少なくとも両端部において、樹脂タイプの絶縁層が形成されずに前記導体部または前記保持部材が露出してもよい。
前記分割導体は、長手方向に前記導体部をつなぐ接合部を有さずに一体で形成されてもよい。
本発明によれば、分割部の少なくとも一部が、保持部材で覆われているため、分割部において、各素線部がばらけることを抑制することができる。特に、素線部を集合させて成形する際に、外周面の凹凸によって、絶縁層の形成が困難となる場合があるが、保持部材によって、表面が略平滑化されるため、少なくとも保持部材の部位においては絶縁層を確実に形成することができる。
例えば、保持部材が、コイル化した際のコイルエンド部に対応する、分割部の長手方向の略中央部近傍にのみ設けられれば、コイルエンド部の屈曲部の成形時において、素線部同士がばらけることがない。
また、保持部材の厚みを素線部の径よりも薄くすることで、分割部における素線部の占積率の低下を最低限に抑えることができる。また保持部材の厚みを素線部の径よりも薄くすることで、保持部材内部での渦電流損失の発生を抑制することができる。
また、分割部が略多角形の断面形状であれば、スロットに対する導体の充填効率を高めることができる。
また、保持部材が分割部の一部に設けられ、保持部材の部位の分割部の断面積が、保持部材以外の部位における分割部の断面積以下であれば、保持部材によって外径が大きくならず、スロットへも容易に配置することができる。
また、保持部材が分割部の全長に設けられ、保持部材と体部とが同じ材質からなれば、平角成形時に両者を均一に変形させることができる。また、保持部材自体を素線部の一部として利用することもできる。
また、分割導体の少なくとも両端部において、絶縁層を除去することで、分割導体の端部同士を溶接して接合する際に、絶縁層の混入などがなく、接続部の信頼性も高い。
また、分割導体が、長手方向において接合部を有さずに一体で形成されることで、複数種類の導線を接合する必要がない。このため、分割導体の長手方向に接合部がなく、長手方向の全長にわたって信頼性が高い。また、長手方向に複数の導線を接合する必要がないため、製造が容易である。
本発明によれば、取扱い時等における各導体線がばらけることを抑制可能なセグメントコイル用分割導体を提供することができる。
ステータコア1を示す部分斜視図。 分割導体5を示す平面図。 分割導体5を示す断面図であって、(a)は、図2のA−A線断面図、(b)は、図2のB−B線断面図。 スロット3へ分割導体5を配置した状態を示す概念図。 (a)、(b)は、分割導体5の端部9の他の実施形態を示す図。 (a)、(b)は、端部9同士を溶接した状態を示す概念図。 分割導体5aを示す平面図。 分割導体5aを示す断面図であって、(a)は、図7のC−C線断面図、(b)は、図7のD−D線断面図。 スロット3へ分割導体5aを配置した状態を示す概念図。 分割導体5bを示す平面図。 分割導体5cを示す平面図。 分割導体5dを示す平面図。 分割導体5dを示す断面図であって、(a)は、図12のE−E線断面図、(b)は、図12のF−F線断面図、(c)は、図12のG−G線断面図。 スロット3へ分割導体5dを配置した状態を示す概念図。 導体部11を分割する方法を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、ステータコア1を示す部分斜視図である。ステータコア1は、略円筒形であり、例えば、電磁鋼板が積層されて形成される。ステータコア1の内周側には、複数のスロット3が設けられる。それぞれのスロット3には、導体が配置されて導体同士を接合することでコイルが形成される。
図2は、スロット3に配置されるセグメントコイル用の分割導体5の平面図であり、図3(a)は、図2のA−A線断面図、図3(b)は、図2のB−B線断面図である。分割導体5は、少なくとも、複数の素線部7からなる分割部8を有する。
図3(a)に示すように、素線部7は、導体部11と、導体部11を被覆する絶縁層13とを有する。すなわち、分割部8は、複数の導体部11とそれぞれの導体部11同士の間に形成される絶縁層13とからなる。また、複数の素線部7の外周には、保持部材15が設けられる。保持部材15は、例えば金属製の筒状の部材であり、複数の素線部7の全体を外周から覆うように配置される。すなわち、分割部8の全体は、保持部材15で覆われる。さらに、保持部材15の外面全体が絶縁層14によって被覆される。
なお、保持部材15の厚みは、素線部7の径(各素線部7をそれぞれ円とした際における各素線部7の断面積から算出される円の直径)よりも薄い。このため、保持部材15による導体部11の断面積の減少を抑制することができる。また、保持部材15内部での渦電流損失の発生を抑制することができる。
導体部11および保持部材15は、例えば銅または銅合金製であり、例えば同じ材質で構成される。また、絶縁層13は、導体の酸化物からなる酸化被膜タイプの絶縁層、または、エナメルなどの樹脂または接着剤からなる樹脂タイプの絶縁層のいずれかである。すなわち、絶縁層13は、導体部11に対して、より導電率の低い材質で構成される。なお、分割部8における絶縁層13としては、導体部11同士の絶縁性、およびこれによる渦電流抑制効果の観点から、樹脂タイプの絶縁層であることが望ましい。分割部8は、全体が略多角形の断面形状であり、例えば、略矩形である。なお、分割部8における、素線部7の数、形状および配置は、図示した例には限られない。
図3(b)に示すように、分割導体5の両方の端部9は、最外周の絶縁層14が除去される。すなわち、分割導体5は、端部9を含め、分割導体5の全体が、複数の素線部7を有する分割部8となり、端部9においては、保持部材15が露出する。なお、以下の実施形態において、端部9の絶縁層14が除去された例を示すが、端部9まで絶縁層14を形成してもよい。また、端部9においては、保持部材15および絶縁層14を除去し、素線部7を露出させてもよい。なお、本発明における端部9は、分割導体5の最先端部を含むものである。
図4は、ステータコア1を内面側から見た際における、スロット3へ分割導体5を配置した状態を示す概念図である。なお、図においては、ステータコア1の一部のみを示す。前述したように、分割導体5は、所定の形状に曲げられてセグメントコイルが形成されて、スロット3へ配置される。この際、分割導体5の端部9は、ステータコア1の上部に突出し、ステータコア1の下部には、分割導体5の曲げ部が露出する。
この際、本実施形態では、前述したように、分割導体5の全てが分割部8となる。すなわち、スロット3の内部に配置される分割導体5は、全て分割部8であり、また、ステータコア1の下方に露出する分割導体5の曲げ部も、全体が分割部8となる。
ステータコア1の上方に突出する分割導体5の端部9は、隣り合う他の分割導体5(図示せず)の端部9と溶接によって接合される。全ての分割導体5同士が接続されることで、コイルが形成される。
なお、図3(b)に示す例では、端部9において、絶縁層14のみが除去されており、保持部材15で被覆される複数の素線部7は、導体部11と絶縁層13とから構成されたが、さらに、絶縁層13が除去されていてもよい。例えば、図5(a)に示すように、分割導体5の両方の端部9において、樹脂タイプの絶縁層13、14が形成されずに、導体部11と保持部材15とが導通してもよい。この場合には、端部9において、絶縁層13、14が全て除去されて、導体部11および保持部材15のみで構成される。したがって、分割導体5の端部9以外の部位が分割部8となる。なお、図5(a)に示す例では、導体部11同士は、互いに接触して導通可能であるが、金属組織的に一体化はしていなくてもよい。
ここで、本発明において、「端部9において、絶縁層13が形成されず、導体部11および保持部材15のみで構成される」とは、端部9においては、前述した樹脂タイプの絶縁層13が形成されていないことを意味し、導体部11の表層に形成される酸化被膜が完全に除去されていることを意味するものではない。
また、図5(b)に示すように、さらに、各素線部7の導体部11および保持部材15同士が一体化していてもよい。すなわち、端部9においては、複数の素線部7(分割部8)の絶縁層13が除去された状態で、導体部11および保持部材15が、例えば溶接等によって一体化していてもよい。なお、この場合にも、分割導体5の端部9を除く部位が、分割部8となる。このように、本実施形態における端部9は、分割部8と同様に、複数の素線部7が分割されていてもよく、一体化されていてもよい。すなわち、本実施形態において、少なくとも端部9を除く分割部8の部位において、素線部7同士が断面において複数に分割されていればよい。
なお、図5(a)に対して、端部9において保持部材15が除去されて、端部9が導体部11のみで構成されてもよい。すなわち、導体部11が外部に露出してもよい。また、同様に、図5(b)に対して、端部9において保持部材15が除去されて、端部9が導体部11のみで構成されてもよい。すなわち、導体部11のみが一体化されてもよい。この場合でも、「導体部11のみで構成される」とは、端部9において、前述した樹脂タイプの絶縁層13が形成されていないことを意味し、導体部11の表層に形成される酸化被膜が完全に除去されていることを意味するものではない。すなわち、「導体部11が露出する」とは、導体部11の表層に形成されている酸化被膜が露出していることも含むものとする。このように、分割導体5の少なくとも両方の端部9において、樹脂タイプの絶縁層13、14が形成されずに、導体部11または保持部材15が露出してもよい。
図6(a)は、端部9の絶縁層13を除去した場合における、端部9同士を溶接する状態を示す概念図である。この場合には、端部9は、導体部11および保持部材15のみで構成され、絶縁層13を有さない。このため、接続対象の分割導体5の端部9同士を溶接すると、導体部11等を略一体とすることができる。このため、接合部の信頼性が高く、確実に端部9同士を接続することができる。
一方、図6(b)に示すように、仮に分割導体5の端部9に絶縁層13が残っていると、(すなわち、端部9を含めて全体が分割部8となると)、両者を溶接した際、接続部の内部に絶縁層13に由来する残渣13aが混入するおそれがある。特に、樹脂に由来するこのような残渣13aが存在すると、接続部の電気抵抗が高くなり、また、接続部の破断等の恐れがある。また、分割導体5を曲げた際などにおいて、分割導体5の端部9の素線部7がばらけてしまい、溶接作業が困難となるおそれもある。このため、図5(a)、図5(b)に示すように、端部9に樹脂タイプの絶縁層13、14が設けられないようにすることで、接続作業が容易となり、接続部の信頼性を高めることができる。
なお、このような十分な溶接性を得るためには、端部9における絶縁層13、14が除去された範囲が、先端から30mm程度あれば十分である。これ以上、導体部11が導通する部位を長くすると、渦電流による交流抵抗の増加を抑制する効果が小さくなる。したがって、絶縁層13、14が除去された範囲は、先端から30mm以下とすることが望ましい。また、確実に溶接するため、絶縁層13、14が除去された範囲は、先端から5mm以上であることが望ましい。
次に、分割導体5の製造方法の一例について説明する。まず、長手方向に垂直な断面において、複数本の略円断面の素線を束ね、管状の保持部材に挿入する。各素線は、導体部11と、導体部11を被覆する絶縁層13を有する。このようにして配置された複数の素線および保持部材を例えば金型などによって平角成形し、押出などによって、最外周に例えば樹脂製の絶縁層14を被覆する。以上により分割部8を形成することができる。なお、それぞれの素線部7は、長手方向に対して一体であるため、分割導体5の長手方向に対して、導体部11をつなぐ接合部を有さずに一体で形成される。
次に、両方の端部9のみにおいて、必要に応じて、絶縁層14を除去する。絶縁層14は、例えば研削などの機械的方法や、エッチングなどの化学的手法によって除去される。なお、絶縁層13を除去する場合には、前述した平角成形前に端部9に対応する部位の絶縁層13を除去しておき、保持部材15とともに平角成形する。また、端部9の保持部材15も除去する場合には、あらかじめ端部9には保持部材15を配置せずに平角成形し、絶縁層14の除去とともに絶縁層13を除去してもよい。
以上、本実施の形態によれば、分割導体5の分割部8を構成する素線部7が保持部材15によって覆われる。このため、素線部7がばらけることがない。また、保持部材15が略矩形に成形されているため、スロットに対する導体の充填効率を高めることができる。
また、本実施形態では、保持部材15は、導体部11と同じ材質からなるため、平角成形時に、導体部11と保持部材15とが均一に変形して伸びる。このため、いずれか一方のみが大きく変形して破断等を起こすことを抑制することができる。また、保持部材15が分割部8の全長に設けられるため、保持部材15をコイルの導体として利用することができる。
また、各素線部7は、長手方向で一体であるため、得られた分割導体5は、長手方向に対して導体部11をつなぐ接合部を有さない、また、図5(b)に示すような実施形態を除き、両方の端部9の導体部11も、複数の導体は互いに接合する必要がない。すなわち、分割導体5は、その長手方向、厚さ方向および幅方向のいずれも、導体同士の接合部を有さない一体構造とすることができる。このため、複数の部材を、長手方向に接合して、所定長さの分割導体を製造する場合と比較して、信頼性が高く、接合部の形状(断面積)変化や、溶接不良などによる断線などの影響を受けることがない。また、長手方向に対して、均一な導体抵抗を得ることができるため、得られるセグメントコイルの品質が安定する。
また、端部9において、絶縁層13、14を除去することで、分割導体5同士を接続する際、接続部に絶縁層13、14の残渣13aが混入することを抑制することができる。なお、このような効果を得るためには、端部9が導体部11(または導体部11および保持部材15)のみで形成されればよく、必ずしも、導体部11等が金属組織的に一体化していなくてもよい。
次に、第2の実施形態について説明する。図7は、第2の実施形態にかかる分割導体5aを示す図であり、図8(a)は図7のC−C線断面図、図8(b)は図7のD−D線断面図である。なお、以下の説明において、分割導体5と同一の機能を奏する構成については、図1〜図6と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
分割導体5aは、分割導体5と略同様の構成であるが、保持部材15の配置が異なる。分割導体5aでは、保持部材15は、分割部8の一部に配置される。絶縁層14は、端部9を除く部位に形成される。このため、図8(a)に示すように、保持部材15の配置される部位では絶縁層14は保持部材15の外周面に形成される。また、図8(b)に示すように、保持部材15が配置されていない部位では、複数の素線部7の最外周に絶縁層14が形成される。なお、本実施形態でも、端部9まで絶縁層14を形成してもよく、または、端部9における絶縁層13を除去してもよい。
図9は、ステータコア1を内面側から見た際における、スロット3へ分割導体5aを配置した状態を示す概念図である。なお、図9において、絶縁層14の図示を省略する。前述したように、分割導体5aは、所定の形状に曲げられてセグメントコイルが形成されて、スロット3へ配置される。この際、分割導体5aの端部9は、ステータコア1の上部に突出し、ステータコア1の下部のコイルエンド部には、分割導体5の曲げ部が露出する。
分割導体5aの保持部材15は、コイル化した際のコイルエンド部に対応する部位であって、分割導体5aの長手方向の略中央部近傍にのみ設けられる。前述したように、コイルエンド部においては、分割導体5aの曲げ部が配置される。分割導体5aを曲げ加工する際には、素線部7同士がばらけやすい。本実施形態では、このばらけやすい部位が保持部材15で覆われる。このため、コイルエンド部で、素線部7がばらけることを抑制することができる。
このように、保持部材15は、必ずしも分割部8の全体に配置される必要はなく、分割部8の少なくとも一部が、保持部材15で覆われていればよい。なお、保持部材15を分割部8の一部にのみ配置する方法としては、図7に示す例には限られない。例えば、図10に示す分割導体5bのように、分割部8の長手方向の所定の位置に環状またはC断面形状の保持部材15を複数個所に配置してもよい。この場合でも、分割導体5aと同様に、コイルエンド部に対応する、分割導体5bの長手方向の略中央部近傍にのみに複数の保持部材15を配置してもよい。
また、図11に示す分割導体5cのように、保持部材15を螺旋状に配置してもよい。この場合でも、分割導体5aと同様に、コイルエンド部に対応する、分割導体5cの長手方向の略中央部近傍にのみ保持部材15を配置してもよい。
なお、保持部材15が分割部8の一部にのみ設けられる場合には、保持部材15が配置される部位の分割部8の断面積が、保持部材15以外の部位における分割部8の断面積以下であることが望ましい。すなわち、保持部材15が配置されていない部位に対して、保持部材15の外径が大きくなり、はみ出さないことが望ましい。このように保持部材15によって分割導体の外径が大きくならなければ、分割導体をスロットへ容易に配置することができる。
以上、第2の実施の形態によれば、第1の実施形態と同様に、保持部材15を用いることで、分割導体の加工時や取り扱い時に、素線部7同士がばらけることを抑制することができる。この際、必要な部位にのみ保持部材15を配置することで、導体部11の断面積の減少を最小限に抑えることができる。
次に、第3の実施形態について説明する。図12は、第3の実施形態にかかる分割導体5dを示す平面図である。
分割導体5dは、少なくとも、両方の端部9以外の部位において、複数の素線部7からなる分割部8を有する。図示した例では、端部9を除く、端部9同士の間の全体が分割部8となる。
図13(a)は、図12のE−E線断面図であり、図13(b)は、図12のF−F線断面図である。前述したように、素線部7は、それぞれ、導体部11と、導体部11を被覆する絶縁層13とを有する。すなわち、分割部8は、複数の導体部11とそれぞれの導体部11同士の間に形成される絶縁層13とからなる。
また、分割導体5dの保持部材15は、分割導体5aと同様に、コイル化した際のコイルエンド部に対応する部位であって、分割導体5dの長手方向の略中央部近傍にのみ設けられる。
図13(c)は、図12のG−G線断面図である。分割導体5dの両方の端部9は、導体部11が一体化されている。すなわち、分割導体5dの少なくとも両方の端部9においては、絶縁層13、14が形成されておらず、導体部11は複数に分割されずに導体部11が露出する。
図14は、ステータコア1を内面側から見た際における、スロット3へ分割導体5dを配置した状態を示す概念図である。なお、絶縁層14の図示を省略する。前述したように、分割導体5dは、所定の形状に曲げられてセグメントコイルが形成されて、スロット3へ配置される。この際、分割導体5dの端部9は、ステータコア1の上部に突出し、ステータコア1の下部には、分割導体5dの曲げ部が露出する。
また、ステータコア1の上方に突出する分割導体5dの端部9以外は、全て分割部8となる。すなわち、スロット3の内部に配置される分割導体5は、全て分割部8であり、また、ステータコア1の下方に露出する分割導体5dの曲げ部も、全体が分割部8となる。また、分割導体5dの保持部材15は、コイル化した際のコイルエンド部に対応する部位であって、分割導体5dの長手方向の略中央部近傍にのみ設けられる。
前述したように、ステータコア1の上方に突出する分割導体5dの端部9は、隣り合う他の分割導体5d(図示せず)の端部9と溶接によって接合される。全ての分割導体5d同士が接続されることで、コイルが形成される。なお、前述したように、十分な溶接性を得るためには、端部9は先端から5〜30mm程度であることが望ましい。
次に、分割導体5dの製造方法の一例について説明する。まず、所定の長さに切断された導体素材を用意する。導体素材は、一体で構成された部材である。導体素材の断面形状は、例えば矩形であり、例えば銅製または銅合金製の線材を切断して製造される。
次に、一体の導体素材の両端部を除く部位の少なくとも一部を、長手方向に沿って分割する。分割された範囲が分割部8となる。このため、例えば、両端部以外の全体を分割部8とする場合には、両端部を除く部位の全体を長手方向に沿って分割する。
図15(a)は、導体素材をレーザ12で切断した状態を示す概念図である。例えばレーザ12によって、導体素材を分割することで、互いに分割された複数の導体部11を形成することができる。なお、導体部11の分割方法としては、レーザ12には限定されず、機械的な切断や化学的なエッチングなど、いずれの方法を用いてもよい。
また、レーザ12の方向や位置を変えることで、導体部11の分割方法は任意に変更することができる。例えば、図15(b)に示すように、レーザ12を斜めに照射することで、導体部11を斜めに分割してもよい。
次に、分離された導体部11の表面に絶縁層13を形成し、複数の素線部7を構成する。絶縁層13は、例えば、エナメルなどの樹脂を各導体部11の表面に塗布することで形成される。また、所望の位置に保持部材15を配置し、必要に応じて平角成形を行う。最後に、絶縁層14を形成する。以上により、分割導体5dを製造することができる。
以上、第3の実施の形態によれば、第1の実施形態と同様に、少なくとも、コイルエンド部において素線部7がばらけることを抑制することができる。
また、元の導体素材が長手方向で一体であるため、得られた分割導体5dは、長手方向に対して導体部11をつなぐ接合部を有さない、また、両方の端部9の導体部11も、複数の導体が互いに接合された接合部を有さない。すなわち、分割導体5dは、その長手方向、厚さ方向および幅方向のいずれも、導体同士の接合部を有さない一体構造である。このため、複数の部材を、長手方向に接合して、所定長さの分割導体を製造する場合と比較して、信頼性が高く、接合部の形状(断面積)変化や、溶接不良などによる断線などの影響を受けることがない。また、長手方向に対して、均一な導体抵抗を得ることができるため、得られるセグメントコイルの品質が安定する。
また、元の導体素材が一体で構成されているため、分割導体5dの長手方向の少なくとも両方の端部9の導体部11も一体で形成される。このため、製造過程において、溶接などによって端部9を一体化する必要がない。したがって、製造が容易であるとともに、端部9の品質を高めることができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………ステータコア
3………スロット
5、5a、5b、5c、5d………分割導体
7………素線部
8………分割部
9………端部
11………導体部
12………レーザ
13、14………絶縁層
13a………残渣
15………保持部材

Claims (8)

  1. セグメントコイル用の分割導体であって、
    前記分割導体は、複数の素線部からなる分割部を具備し、
    前記素線部は、導体部と、前記導体部を被覆する絶縁層とを有し、
    前記分割部の少なくとも一部が、金属製の保持部材で覆われており、前記保持部材の外面に絶縁層が形成されることを特徴とするセグメントコイル用分割導体。
  2. 前記保持部材は、コイル化した際のコイルエンド部に対応する、前記分割部の長手方向の略中央部近傍にのみ設けられることを特徴とする請求項1記載のセグメントコイル用分割導体。
  3. 前記保持部材の厚みが、前記素線部の径よりも薄いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセグメントコイル用分割導体。
  4. 前記分割部が、略多角形の断面形状であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のセグメントコイル用分割導体。
  5. 前記保持部材は、前記分割部の一部に設けられ、前記保持部材の部位の前記分割部の断面積が、前記保持部材以外の部位における前記分割部の断面積以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のセグメントコイル用分割導体。
  6. 前記保持部材は、前記分割部の全長に設けられ、前記導体部と同じ材質からなることを特徴とする請求項1に記載のセグメントコイル用分割導体。
  7. 前記分割導体の少なくとも両端部において、樹脂タイプの絶縁層が形成されずに前記導体部または前記保持部材が露出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のセグメントコイル用分割導体。
  8. 前記分割導体は、長手方向に前記導体部をつなぐ接合部を有さずに一体で形成されることを特徴とする請求項7記載のセグメントコイル用分割導体。
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WO2024021285A1 (zh) * 2022-07-29 2024-02-01 天蔚蓝电驱动科技(江苏)有限公司 一种扁线电机定子和扁线电机

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