JP2019075970A - セグメントコイル用分割導体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 分割導体の端部同士を容易に溶接することが可能であり、取扱いが容易なセグメントコイル用分割導体及びその製造方法を提供する。【解決手段】 分割導体5は、両方の端部9以外の部位に、複数の素線部7からなる分割部8を有する。素線部7は、それぞれ、導体部11と、導体部11を被覆する絶縁層13とを有する。すなわち、分割部8は、複数の導体部11とそれぞれの導体部11同士の間に形成される絶縁層13とからなる。分割導体5の両方の端部9は、導体部11が一体化されている。すなわち、分割導体5の少なくとも両方の端部9においては、絶縁層13が形成されておらず、導体部11が複数に分割されずに導体部11が露出する。【選択図】図3
Description
本発明は、モータに用いられるセグメントコイル用分割導体及びその製造方法に関するものである。
例えば、車載用モータのステータに使用される巻線としては、従来は断面丸型のエナメル線が使用されていた。しかし、近年は占積率を高めるために矩形断面の平角巻線が使用されるようになってきている。また、従来はステータのコアに巻線を巻いてゆく製造方法が採られる場合が多かったが、平角巻線の採用に伴い、巻線を短尺のセグメントコイルとして構成し、ステータに組み付けた後でセグメントコイルの端部同士を溶接して繋いでゆくことで、コイルを形成する方法が採られるようになってきている。
ところが、平角巻線は巻線1本当たりの断面積が大きいため、モータ回転数が大きくなり周波数が大きくなった場合には、渦電流の発生により巻線損失が大きくなるという問題がある。
これに対し、複数の導線を一体化した分割導体が提案されている。すなわち、セグメントコイルとして、複数の導線によって構成された分割導体を用いることで、渦電流の影響を抑制することができる。
分割導体は、例えば、表面に酸化被膜などの絶縁層を有する素線を複数束ねて一体化し、断面が略矩形に成形される。このような分割導体によれば、ステータのスロットに対する導体の充填効率を高めることができるとともに、各素線が酸化被膜によって絶縁され、表皮効果および渦電流による交流抵抗の増加を抑制することができる。
このような分割導体としては、例えば、矩形状の導体素線と、導体素線の外周に設けられる被覆層を有する導体線が、複数一体化された集合導体がある(特許文献1)。
また、複数の線状導体からなる集合線と、単線を長手方向に交互に接合して、ステータのスロットから露出する部位を単線で構成したコイルがある(特許文献2)。
しかし、特許文献1のように、通常の分割導体を用いたのでは、各導体線が取扱い時にばらけてしまうなどの問題がある。特に、ステータコアに分割導体を配置する際には、分割導体を所定の形状に曲げ加工する必要があるため、曲げ加工時に、各導体線同士が滑り、ずれやばらけの要因となる。
また、分割導体をモータのセグメントコイルとして使用する際には、それぞれの分割導体の端部同士を溶接によって接合する必要がある。この際、溶接部において、各導体素線の外周の被覆層が不純物となり、溶接部の信頼性を低下させる恐れがある。
一方、特許文献2の方法では、単線と集合線とを長手方向に接合する必要があるため、製造が極めて困難である。例えば、普通の方法で両者を溶接すると、特に、集合線の溶接時の引けなどによって、接続部の断面積が減少して破断の恐れがある。また、両者の溶接時において、表面張力による球状化が生じ、接合部が部分的に膨らみ、スロットへ挿入することが困難となる場合もある。
また、スロットから露出する部位の全てが単線で構成されるため、スロットの上下において、各導線が単線部で導通してループが形成され、渦電流による交流抵抗の増加の恐れがある。このように渦電流が発生してしまうと、分割導体を使用するメリットである渦電流損失低減効果が小さくなる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、分割導体の端部同士を容易に溶接することが可能であり、取扱いが容易なセグメントコイル用分割導体及びその製造方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、セグメントコイル用の分割導体であって、前記分割導体は、複数の素線部からなる分割部を具備し、前記素線部は、導体部と、前記導体部を被覆する絶縁層とを有し、前記分割導体は、長手方向に前記導体部をつなぐ接合部を有さずに一体で形成され、前記分割導体の少なくとも両端部において、樹脂タイプの絶縁層が形成されずに前記導体部が露出することを特徴とするセグメントコイル用分割導体である。
前記分割導体の両端部において、前記樹脂タイプの絶縁層が形成されていない範囲は、前記導体部が一体化されていることが望ましい。
前記分割導体の両端部においてのみ前記樹脂タイプの絶縁層が形成されず、前記分割導体の両端部を除く部位が前記分割部であってもよい。
前記分割導体の両端部から30mm以下の範囲で前記樹脂タイプの絶縁層が形成されずに前記導体部が露出してもよい。
前記分割導体の両端部の前記導体部は、複数の導体が互いに接合された接合部を有さず、前記分割導体は、長手方向、厚さ方向および幅方向のいずれも、導体同士の接合部を有さない一体構造であってもよい。
前記分割部の長手方向の中央部の分割数が、前記分割部の他の部位よりも少なくてもよい。
前記分割部は、複数の前記素線部が前記絶縁層を介して一体化されており、前記分割導体の両端部において、前記素線部の前記絶縁層が除去されていてもよい。
第1の発明によれば、分割導体が、長手方向において接合部を有さずに一体で形成されるため、複数種類の導線を接合する必要がない。このため、分割導体の長手方向に接合部がなく、長手方向の全長にわたって信頼性が高い。また、長手方向に複数の導線を接合する必要がないため、製造が容易である。
また、分割導体の少なくとも両端部においては、絶縁層が除去されているため、分割導体の端部同士を溶接して接合する際に、絶縁層の混入などがなく、接続部の信頼性も高い。
また、分割導体の両端部において、導体部が一体化されていれば、溶接時に、端部のばらけなどが生じることがなく、分割導体の曲げ加工時における導体部のずれやばらけを抑制し、取扱い性が良好である。
また、分割導体の両端部においてのみ絶縁層を形成しないことで、他の部位において、渦電流による交流抵抗の増加を抑制することができる。
この際、分割導体の両端部から30mm以下の範囲で絶縁層が除去されていれば、溶接には十分であり、素線部を分割した効果が小さくなることを抑制することができる。
また、分割導体の長手方向、厚さ方向および幅方向のいずれも、導体同士の接合部を有さない一体構造とすることで、複数の素線を束ねて一体化する必要がない。また、両端部は、元から一体であるため、端部において、内部に絶縁層が巻き込まれることがない。
また、分割部の長手方向の中央部の分割数を他の部位よりも少なくすることで、分割導体の長手方向の略中央部近傍におけるばらけを抑制することができる。
分割部において、複数の素線部が絶縁層を介して一体化されたリッツ線の両端部において、絶縁層を除去しても、同様の効果を得ることができる。
第2の発明は、セグメントコイル用の分割導体の製造方法であって、一体の導体素材の両端部を除く少なくとも一部を、長手方向に沿って分割して、複数の導体部を形成し、分離された前記導体部の表面に絶縁層を形成して複数の素線部を構成し、前記分割導体は、長手方向の少なくとも両端部において導体が一体で形成されることを特徴とするセグメントコイル用分割導体の製造方法である。
第2の発明によれば、両端部が一体化された分割導体を容易に製造することができる。この際、分割導体の長手方向に対して、接合部がないため、信頼性も高い。
本発明によれば、分割導体の端部同士を容易に溶接することが可能であり、取扱いが容易なセグメントコイル用分割導体及びその製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、ステータコア1を示す部分斜視図である。ステータコア1は、略円筒形であり、例えば、電磁鋼板が積層されて形成される。ステータコア1の内周側には、複数のスロット3が設けられる。それぞれのスロット3には、導体が配置されて導体同士を接合することでコイルが形成される。
図2は、スロット3に配置されるセグメントコイル用の分割導体5の平面図である。分割導体5は、少なくとも、両方の端部9以外の部位において、複数の素線部7からなる分割部8を有する。図示した例では、端部9を除く、端部9同士の間の全体が分割部8となる。
図3(a)は、図2のA−A線断面図である。素線部7は、それぞれ、導体部11と、導体部11を被覆する絶縁層13とを有する。すなわち、分割部8は、複数の導体部11とそれぞれの導体部11同士の間に形成される絶縁層13とからなる。導体部11は、例えば銅または銅合金製であり、絶縁層13は、導体の酸化物からなる酸化被膜タイプの絶縁層、または、エナメルなどの樹脂または接着剤からなる樹脂タイプの絶縁層のいずれかである。すなわち、絶縁層13は、導体部11に対して、より導電率の低い材質で構成される。なお、分割部8における絶縁層13としては、導体部11同士の絶縁性、およびこれによる渦電流抑制効果の観点から、樹脂タイプの絶縁層であることが望ましい。分割部8は、例えば、全体が略矩形である。なお、分割部8における、素線部7の数、形状および配置は、図示した例には限られない。
図3(b)は、図2のB−B線断面図である。分割導体5の両方の端部9は、導体部11が一体化されている。すなわち、分割導体5の少なくとも両方の端部9においては、絶縁層13が形成されておらず、導体部11は複数に分割されずに導体部11が露出する。なお、本発明における端部9は、分割導体5の最先端部を含むものであり、「端部9が一体化されている」とは、分割導体5の先端面が、複数の素線部7に分割されていないことを意味する。また、「端部9において絶縁層13が形成されていない」とは、端部9においては、前述した樹脂タイプの絶縁層13が形成されていないことを意味し、導体部11の表層に形成される酸化被膜が完全に除去されていることを意味するものではない。すなわち、「導体部11が露出する」とは、導体部11の表層に形成されている酸化被膜が露出していることも含むものとする。
図4は、ステータコア1を内面側から見た際における、スロット3へ分割導体5を配置した状態を示す概念図である。なお、図においては、ステータコア1の一部のみを示す。前述したように、分割導体5は、所定の形状に曲げられてセグメントコイルが形成されて、スロット3へ配置される。この際、分割導体5の端部9は、ステータコア1の上部に突出し、ステータコア1の下部には、分割導体5の曲げ部が露出する。
この際、ステータコア1の上方に突出する分割導体5の端部9以外は、全て分割部8となる。すなわち、スロット3の内部に配置される分割導体5は、全て分割部8であり、また、ステータコア1の下方に露出する分割導体5の曲げ部も、全体が分割部8となる。
ステータコア1の上方に突出する分割導体5の端部9は、隣り合う他の分割導体5(図示せず)の端部9と溶接によって接合される。全ての分割導体5同士が接続されることで、コイルが形成される。
図5(a)は、端部9同士を溶接する状態を示す概念図である。前述したように、端部9は、導体部11のみで構成され、絶縁層13を有さない。このため、接続対象の分割導体5の端部9同士を溶接すると、導体部11を略一体とすることができる。このため、接合部の信頼性が高く、確実に端部9同士を接続することができる。
一方、図5(b)に示すように、仮に分割導体5の先端部(端面)に分割部8が存在すると、両者を溶接した際、接続部の内部に絶縁層13に由来する残渣13aが混入する。特に、樹脂に由来するこのような残渣13aが存在すると、接続部の電気抵抗が高くなり、また、接続部の破断等の恐れがある。また、分割導体5を曲げた際などにおいて、分割導体5の端部の素線部7がばらけてしまい、溶接作業が困難となるおそれもある。このように、端部9に樹脂タイプの絶縁層13が設けられないようにすることで、接続作業が容易となり、接続部の信頼性を高めることができる。
なお、十分な溶接性を得るためには、端部9は先端から30mm程度あれば十分である。これ以上、導体部11が一体化している部位を長くすると、渦電流による交流抵抗の増加を抑制する効果が小さくなる。したがって、端部9は、先端から30mm以下とすることが望ましい。また、確実に溶接するためには、導体部11が一体化された端部9は、先端から5mm以上であることが望ましい。
次に、分割導体5の製造方法の一例について説明する。まず、所定の長さに切断された導体素材を用意する。導体素材は、一体で構成された部材である。導体素材の断面形状は、例えば矩形であり、例えば銅製または銅合金製の線材を切断して製造される。
次に、一体の導体素材の両端部を除く部位の少なくとも一部を、長手方向に沿って分割する。分割された範囲が分割部8となる。このため、例えば、両端部以外の全体を分割部8とする場合には、両端部を除く部位の全体を長手方向に沿って分割する。
図6(a)は、導体素材をレーザ12で切断した状態を示す概念図である。例えばレーザ12によって、導体素材を分割することで、互いに分割された複数の導体部11を形成することができる。なお、導体部11の分割方法としては、レーザ12には限定されず、機械的な切断や化学的なエッチングなど、いずれの方法を用いてもよい。
また、レーザ12の方向や位置を変えることで、導体部11の分割方法は任意に変更することができる。例えば、図6(b)に示すように、レーザ12を斜めに照射することで、導体部11を斜めに分割してもよい。
次に、分離された導体部11の表面に絶縁層13を形成し、複数の素線部7を構成する。絶縁層13は、例えば、エナメルなどの樹脂を各導体部11の表面に塗布することで形成される。以上により、分割導体5を製造することができる。
以上、本実施の形態によれば、分割導体5の端部9以外が分割部8となるため、高い渦電流損失低減効果を得ることができる。特に、ステータコア1の下方に露出する折曲げ部にも分割部8が連続するため、この効果が大きい。
また、元の導体素材が長手方向で一体であるため、得られた分割導体5は、長手方向に対して導体部11をつなぐ接合部を有さない、また、両方の端部9の導体部11も、複数の導体が互いに接合された接合部を有さない。すなわち、分割導体5は、その長手方向、厚さ方向および幅方向のいずれも、導体同士の接合部を有さない一体構造である。このため、複数の部材を、長手方向に接合して、所定長さの分割導体を製造する場合と比較して、信頼性が高く、接合部の形状(断面積)変化や、溶接不良などによる断線などの影響を受けることがない。また、長手方向に対して、均一な導体抵抗を得ることができるため、得られるセグメントコイルの品質が安定する。
また、元の導体素材が一体で構成されているため、分割導体5の長手方向の少なくとも両方の端部9の導体部11も一体で形成される。このため、製造過程において、溶接などによって端部9を一体化する必要がない。したがって、製造が容易であるとともに、端部9の品質を高めることができる。
次に、第2の実施形態について説明する。図7は、第2の実施形態にかかる分割導体5aを示す図である。なお、以下の説明において、分割導体5と同一の機能を奏する構成については、図1〜図6と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
分割導体5aは、分割導体5とほぼ同様の構成であるが、分割部8の態様が異なる。分割導体5aは、分割導体5と同様に、端部9のみにおいて、導体部11が一体化されており、分割部8では、複数の素線部7に導体部11が分割されている。
分割部8は、素線部7の分割数の異なる複数の領域に区分される。図7において、分割導体5aの略中央部近傍(図中F)と、その両側であって、端部9と領域Fとで挟まれた領域Eとでは、素線部7の分割数が異なる。
図8(a)は、図7のC−C線断面図であって、領域Eにおける断面図であり、図8(b)は、図7のD−D線断面図であって、領域Fにおける断面図である。図8(a)に示すように、分割部8の領域Eにおいては、分割導体5aの断面は、前述した分割導体5と同様である。一方、図8(b)に示すように、分割部8の領域Fにおける導体部11の分割数(素線部7の本数)は、領域Eにおける導体部11の分割数(素線部7の本数)よりも少ない。すなわち、分割部8の長手方向の中央部の分割数が、他の部位よりも少ない。
図9は、分割導体5aをステータコア1のスロット3に配置した状態を示す概念図である。本実施形態では、分割導体5aの端部9が、ステータコア1の上方に突出し、スロット3の内部に配置される部位は、分割部8の領域Eとなる。また、ステータコア1の下方に露出する分割導体5aの曲部に、分割部8の領域Fが位置する。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、分割導体5aの長手方向の略中央部には、分割数の少ない領域Fが形成されるため、曲げ加工の際に、素線部7がばらけにくい。また、当該部位が、完全に一体化されているわけではないため、前述した渦電流の影響も抑制することができる。
なお、相対的に分割数の少ない領域Fは、スロット3の下方から露出する範囲の略全体にわたって形成される必要はなく、例えば、分割導体5aの長手方向の略中央の一部のみであってもよい。また、このように一部のみであれば、さらに分割数を減らして、導体部11を一体化してもよい。なお、この場合であっても、当該部位の一体化された導体部11の最外周には、絶縁層13が形成される。すなわち、端部9以外では、絶縁層13によって導体部11は外部に露出しない。
次に、第3の実施形態について説明する。図10は、第3の実施形態にかかる分割導体5bを示す図である。分割導体5bは、分割導体5とほぼ同様の構成であるが、各部の構造が異なる。
図11(a)は、図10のG−G線断面図であり、分割部8の断面図であり、図11(b)は、図10のH−H線断面図であり、端部9の断面図である。分割部8は、複数の素線部7が束ねられる。また、複数の素線部7のバンドル構造の最外周には、さらに絶縁層14が設けられる。すなわち、分割部8は、複数の素線部7が絶縁層13を介して一体化されている。
一方、端部9においては、絶縁層13、14が全て除去されて、導体部11のみで構成される。なお、導体部11同士は、互いに接触して導通可能であるが、金属組織的に一体化はしていない。また、「導体部11のみで構成される」とは、前述した樹脂タイプの絶縁層を有さないという意味であり、表層に酸化被膜を有するものも含むものとする。
分割導体5bは、例えば以下のようにして製造される。まず、複数の素線部7が束ねられて、例えば金型などによって全体形状が形成されるとともに、押出などによって、最外周に絶縁層14が被覆される。絶縁層14は、例えば樹脂である。この場合でも、それぞれの素線部7は、長手方向に対して一体であるため、分割導体5bの長手方向に対して、接合部は形成されない。
次に、両方の端部9のみにおいて、絶縁層13、14を除去する。絶縁層13、14は、例えば研削などの機械的方法や、エッチングなどの化学的手法によって除去される。このように、端部9において、絶縁層13、14が除去されることで、前述したように、分割導体5b同士を接続する際、接続部に絶縁層13、14の残渣13aが混入することを抑制することができる。このように、分割導体5bにおいては、端部9は、導体部11のみで形成されれば、必ずしも、導体部11が金属組織的に一体化していなくてもよい。
なお、図11(c)に示すように、このように絶縁層13、14が除去された端部9において、導体部11同士を溶融して一体化してもよい。すなわち、端部9においては、幅方向または厚み方向に対して導体同士の接合部を有してもよい。このようにすることで、分割導体5とほぼ同様の構造とすることができる。このように、導体部11を一体化した状態で、分割導体5bの曲げ加工等を行うことで、素線部7(導体部11)同士のばらけを抑制することができる。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、分割導体5bの少なくとも端部9において、絶縁層13、14が形成されずに導体部11が露出すれば、端部9において、必ずしも導体部11同士が一体化していなくてもよい。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………ステータコア
3………スロット
5、5a、5b………分割導体
7………素線部
8………分割部
9………端部
11………導体部
12………レーザ
13、14………絶縁層
13a………残渣
3………スロット
5、5a、5b………分割導体
7………素線部
8………分割部
9………端部
11………導体部
12………レーザ
13、14………絶縁層
13a………残渣
Claims (8)
- セグメントコイル用の分割導体であって、
前記分割導体は、複数の素線部からなる分割部を具備し、
前記素線部は、導体部と、前記導体部を被覆する絶縁層とを有し、
前記分割導体は、長手方向に前記導体部をつなぐ接合部を有さずに一体で形成され、
前記分割導体の少なくとも両端部において、樹脂タイプの絶縁層が形成されずに前記導体部が露出することを特徴とするセグメントコイル用分割導体。 - 前記分割導体の両端部において、前記樹脂タイプの絶縁層が形成されていない範囲は、前記導体部が一体化されていることを特徴とする請求項1記載のセグメントコイル用分割導体。
- 前記分割導体の両端部においてのみ前記樹脂タイプの絶縁層が形成されず、前記分割導体の両端部を除く部位が前記分割部となることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセグメントコイル用分割導体。
- 前記分割導体の両端部から30mm以下の範囲で前記樹脂タイプの絶縁層が形成されずに前記導体部が露出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のセグメントコイル用分割導体。
- 前記分割導体の両端部の前記導体部は、複数の導体が互いに接合された接合部を有さず、前記分割導体は、長手方向、厚さ方向および幅方向のいずれも、導体同士の接合部を有さない一体構造であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のセグメントコイル用分割導体。
- 前記分割部の長手方向の中央部の分割数が、前記分割部の他の部位よりも少ないことを特徴とする請求項5記載のセグメントコイル用分割導体。
- 前記分割部は、複数の前記素線部が前記絶縁層を介して一体化されており、前記分割導体の両端部において、前記素線部の前記の絶縁層が除去されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のセグメントコイル用分割導体。
- セグメントコイル用の分割導体の製造方法であって、
一体の導体素材の両端部を除く少なくとも一部を、長手方向に沿って分割して、複数の導体部を形成し、分離された前記導体部の表面に絶縁層を形成して複数の素線部を構成し、
前記分割導体は、長手方向の少なくとも両端部において導体が一体で形成されることを特徴とするセグメントコイル用分割導体の製造方法。
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JP2021112083A (ja) * | 2020-01-15 | 2021-08-02 | 古河電気工業株式会社 | バスバー、回転電機システム、およびバスバーの製造方法 |
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