JP3903709B2 - コネクタ、インクジェットヘッド、インクジェットプリンタ、表示装置、電子機器、及びコネクタの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極間のピッチが微細なものにも対応できるコネクタ、このコネクタを含んだインクジェットヘッド、これらのインクジェットヘッドを搭載したインクジェットプリンタ、表示装置、電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型軽量化が加速的に進められている。これに伴い、電子機器に用いる部品の小型化、低コスト化の要求が強くなっている。これら小型化の要求に応えるものとして、マイクロマシニングといわれる微細加工技術が開発され、小型でありながら高度な機能を有するマイクロマシンが製造されるようになっている。このマイクロマシンの例としては、例えば、圧電素子を内蔵し、この内蔵した圧電素子を振動させることによってインクの吹出を行うプリンタヘッドがある。
【0003】
従来、これら小型部品と外部基板との接続には、例えば材質がポリイミドからなるフレキシブル基板によって形成されたコネクタを介在させる方法が行われていた。そしてこのコネクタの一端側には小型部品の端部に形成された端子電極と重ね合わせが可能な端子電極が形成され、他端側には、外部基板と接続が可能な幅広で且つ広い間隔の端子電極が形成されている。そして両端子電極間を結ぶように配線が設けられ、当該配線の引き回し途中で幅や間隔の変更を行うようにしている。
【0004】
また、コネクタの中には接続対象物となる小型部品の駆動をなすため例えばドライバーICのような半導体装置が搭載されたものもある。
この場合、半導体装置は、コネクタのほぼ中央部に設けられたデバイスホールに収納され、コネクタの両端子電極を形成する配線の他方端部側を穴部より突出させ、これをインナリードとし、当該インナリードと半導体装置に設けられた端子とを接続させることで、両端子電極と半導体装置との導通を図るようにしている。
【0005】
以上のように構成されたコネクタと接続対象物との接続は、接続対象物の端子電極とコネクタの端子電極に導電性粒子を含んだ接着剤を塗布し、これらをボンディングステージ上で重ね合わせ、ボンディングツールによって加熱押圧することによって行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のコネクタはフレキシブル基板を用いているため、マイクロマシン等における接続端子部の電極間ピッチを、フレキシブル基板等で接続可能なピッチにする必要がある。フレキシブル基板の接続可能な電極間ピッチは通常は100μm程度である。
このため、マイクロマシニング技術により接続対象側を小さくすることができるにもかかわらず、フレキシブル基板との接続を可能にするためだけに、端子部を大きくしなければらななかった。この結果、一枚のシリコンウェハから切り出すことのできるマイクマシンの数が少なくなってしまうという問題があった。
【0007】
また、他の問題点として、接続対象物を構成する材質(主にシリコン)と、コネクタを構成する材質(主にポリイミド)との熱膨張係数が異なることに起因して、両端子間の抵抗値増大や接合不良あるいは隣接する端子との短絡といった不具合が生じるという問題もあった。
【0008】
さらに、コネクタに半導体装置を搭載しているものにおいては、半導体装置をコネクタの中央部に形成したデバイスホール内に挿入しており、半導体装置はコネクタを構成するフレキシブル基板等に密着していないため、当該フレキシブル基板等への伝熱作用がなく、半導体装置の放熱が効果的に行われないという問題があった。
またデバイスホールからは配線端部となるインナーリードが突出し、当該インナーリードが半導体装置の端子と接続されることで導通が図られているが、デバイスホールにおける半導体装置の機械的保持もこのインナーリードが兼ねているので、半導体装置がデバイスホール内で(外力等により)移動すると、隣り合うインナーリードが互いに接触し、短絡等の障害が発生するおそれがあった。このため、インナーリード保護の目的から、両者の接合後に封止剤を塗布し、半導体装置を含めたデバイスホール周囲を封止する必要があった。すなわち、封止剤を硬化させるための乾燥硬化工程等を要し、製造工程の増大が問題となっていた。
【0009】
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、各端子電極間のピッチが微小になった場合であっても、端子電極間の短絡を防止できるコネクタ、該コネクタを含んだインクジェットヘッド、インクジェットプリンタ、表示装置、電子機器、及び該コネクタの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係るコネクタは、複数の第1端子電極と複数の第2端子電極とを備えた基板を有し、前記第1端子電極のピッチは前記第2端子電極のピッチより狭く、かつ前記第1端子電極数は前記第2端子電極数より多いコネクタであって、
前記基板は、単結晶シリコン基板からなり、
前記基板の縁部に第1端子電極が形成されることとなる部位間に、溝部を形成すると共に、該溝部及び前記基板の縁部を含めて前記基板上に絶縁膜を形成し、
前記基板の絶縁膜上に、該基板の一方の縁部に前記溝部を挟むように形成された複数の第1端子電極と、該基板の他の縁部に形成された複数の第2端子電極と、前記第1端子電極に接続してなる第1配線と、前記第2端子電極に接続してなる第2配線と、前記第1配線及び前記第2配線に電気的に接続してなる半導体装置とが密着形成してなり、
前記第1端子電極は、接続対象物に形成されてなる外部端子電極と電気的に接続するための電極であり、前記溝部は、前記第1端子電極と前記外部端子電極とを接続するための接着剤を溜める機能を有するものである。
第1の端子電極の間に溝部を形成したことにより、各電極間のピッチが微小になった場合であっても、合金接続や金属接続の際の熱・圧力による端子電極の変形や合金金属の流れ出しによる端子電極間の短絡を防止できる。また、隣接する端子電極間の沿面距離を長くすることができ、ノイズの影響を抑制できる。
また、基板の周縁部に絶縁膜を形成したので、基板の周縁部に導電性の塵埃が付着ても、周縁部に形成された絶縁層に遮られて結晶面に届かない。よって、短絡することがない。
また、コネクタと接続対象物又は外部基板との接合時に用いる半田又は導電性接着剤が流れ出しても、絶縁膜に遮られて結晶面に届かない。よって、この場合にも短絡することがない。
また、半導体装置が、基板上に絶縁膜を介して密着しているので、半導体装置に発熱が生じても、当該半導体装置に生じた熱は基板側へと伝熱し、その後、基板より放熱がなされる。このように半導体装置の表面だけでなく、基板も放熱用の表面となるので、たとえ半導体装置の発熱量が大きくても放熱を十分に行うことができる。さらに半導体装置の保持を基板に行わせることができ、機械的強度の確保が容易となる。
また、半導体装置の電極は、片持ち支持となるインナーリードとは異なり、基板の表面に沿った(密着した)配線に接続されるので、接続後は半導体装置が移動することがなく、したがって封止剤を塗布する必要が無くなり、乾燥工程等を削除することが可能となるばかりでなく、半導体装置の移動による端子間の短絡が生じることも無くなる。
また、溝部に絶縁膜を形成したことにより、第1端子電極と基板とが導通するのを確実に防止できる。
また、溝部は第1端子電極と外部端子電極とを接続するための接着剤を溜める機能を有するものであり、これによって、接合部と端子電極とを密着させた際に、余分な接着剤は溝部に収容され、端子電極以外の部位で接着剤に含まれる導電性粒子が挟まれることがない。このため隣接する端子電極間に短絡が生じるのを防止できる。
また、基板を単結晶シリコンにより形成にすることにより、放熱効果を高めることができると共に、温度上昇による抵抗値の増大を防止できる。
【0014】
(2)また、絶縁膜は、少なくとも前記溝部を有する側の縁部に形成されてなるものである。
【0015】
(3)また、縁部には傾斜部を有するものである。
傾斜部を形成したことにより、コネクタに付着した塵埃や汚れを除去しやすい。
【0016】
(4)また、縁部には段差部を有するものである。
【0018】
(5)また、溝部には、絶縁膜の上に金属膜が形成されてなるものである。
溝部の底に金属膜を形成したことによって、接続対象物とコネクタとを接着剤によって接着する際の接着強度を高めることができる。接着強度を高めることで、耐湿性の良い接続を実現できる。
【0019】
(6)また、金属膜は前記基板に接続されてなり、且つグランド配線部または電源配線部に接続されてなるものである。
金属膜を基板に接続したことにより、結晶性基板をグランド配線部または電源配線部の電位に等しくすることができ、結晶性基板の電位を安定化させることができる。
また、微細配線部のラインノイズによる素子の誤作動を防止することが可能となり、さらに、静電遮蔽の作用で輻射ノイズを低減することもできる。
【0021】
(7)また、溝部の深さは前記接着剤に含まれる導電性粒子の粒子径の3倍以上に設定されてなるものである。
これによって、導電性粒子を余裕をもって収容でき、短絡防止の安全率を向上させることができる。また、溝部に導電性粒子を含んだ接着剤が溜まることから接触面積が大きくなり、接合強度を向上させることもできる。
【0022】
(8)また、第1端子電極は接続対象物に形成されてなる外部端子電極と電気的に接続するための電極であって、溝部は、前記第1端子電極と前記外部端子電極とが重ね合わせられる部分の長さよりも長いことを特徴とするものである。
このようにすることで、接合時において、接続対象物とコネクタで囲まれた部分が閉じた空間にならないので、空気を巻き込みにくく、気泡による悪影響が生じにくい。
また、余分な接着剤を確実に押し出すことができるので、接合部に内圧が残ることがなく、内圧による悪影響が生じない。
【0023】
(9)また、基板の熱膨張係数は、前記接続対象物の熱膨張係数に略等しい、または前記接続対象物の熱膨張係数より小さい特性を有するものである。
基板の熱膨張係数を、接続対象物の熱膨張係数に略等しくしたことにより、端子電極を加圧と加熱で接続する場合において、接続する端子電極間の相対位置のずれを最小限に抑えることができる。
また、基板の熱膨張係数を、接続対象物の熱膨張係数より小さいくした場合には、本体部が接続対象物側よりも高温になるようにして接続することで同様の効果が得られる。
【0025】
(10)また、単結晶シリコンの結晶面が(100)面であることを特徴とするものである。
単結晶シリコンの結晶面を(100)面にすれば、その面に異方性エッチングを施すことにより該面に対して54.74度をなすV字形の溝部を形成することができる。なお、V字形の溝部の深さは、(100)面に設定された窓の幅により正確に制御することができる。
【0026】
(11)また、単結晶シリコンの結晶面が(110)面であることを特徴とするものである。
単結晶シリコンの結晶面を(110)面にすれば、その面に異方性エッチングを施すことで断面矩形状の溝部を形成することができる。この場合には、溝幅に関係なく所定の深さの溝部を形成することができる。
【0027】
(12)本発明に係るインクジェットヘッドは、上記(1)乃至(11)のいずれかに記載のコネクタを備えてなるものであって、インク液滴を吐出させるための圧電振動子を含む圧電アクチュエータを有し、前記圧電振動子と接続された配線部を有する基板における端子電極に前記コネクタが接続されてなるものである。
【0028】
(13)また、上記(1)乃至(11)のいずれかに記載のコネクタを備えてなるインクジェットヘッドであって、インク液滴を吐出させるための静電振動子を含む静電アクチュエータを有し、前記静電振動子と対向して配置される駆動電極部を有する基板における端子電極に前記コネクタが接続されてなるものである。
【0029】
(14)本発明に係るインクジェットプリンタは、上記(12)又は(13)のインクジェットヘッドを備えてなるものである。
【0030】
(15)本発明に係る表示装置は、上記(1)乃至(11)のいずれかに記載のコネクタを備えてなるものであって、表示装置の表示素子が形成された基板に前記コネクタが接続されてなるものである。
【0031】
(16) 本発明に係る電子機器は、上記(1)乃至(11)のいずれかに記載のコネクタを備えてなるものであって、小型回路部品を形成した基板に前記コネクタが接続されてなるものである。
【0032】
上記の(12)〜(16)の発明においては、上記(1)乃至(11)のいずれかに記載のコネクタを用いたことにより、前記圧電素子、静電振動子、表示素子又は小型回路部品が形成された基板の電極間のピッチが微小になった場合であっても、導電性接着剤に含まれる導電粒子の挟み込み、あるいは合金接続や金属接続の際の熱・圧力による端子電極の変形や合金金属の流れ出しによる端子電極間の短絡を防止できる。
この結果、前記圧電素子、静電振動子、表示素子又は小型回路部品が形成された基板の端子電極部を小さくすることができ、例えばこの基板を半導体ウェハによって製造する場合には、1枚の半導体ウェハから多数の基板を製造することができ、生産性を高めることができる。
【0033】
(17)本発明に係るコネクタの製造方法は、複数の第1端子電極と複数の第2端子電極とを備えた基板を有し、前記第1端子電極のピッチは前記第2端子電極のピッチより狭く、かつ前記第1端子電極数は前記第2端子電極数より多いコネクタであって、前記基板は、単結晶シリコン基板からなり、前記基板の縁部に第1端子電極が形成されることとなる部位間に、溝部を形成すると共に、該溝部及び前記基板の縁部を含めて前記基板上に絶縁膜を形成し、前記基板の絶縁膜上に、該基板の一方の縁部に前記溝部を挟むように形成された複数の第1端子電極と、該基板の他の縁部に形成された複数の第2端子電極と、前記第1端子電極に接続してなる第1配線と、前記第2端子電極に接続してなる第2配線と、前記第1配線及び前記第2配線に電気的に接続してなる半導体装置とが密着形成してなり、前記第1端子電極は、接続対象物に形成されてなる外部端子電極と電気的に接続するための電極であり、前記溝部は、前記第1端子電極と前記外部端子電極とを接続するための接着剤を溜める機能を有するコネクタの製造方法であって、
シリコンウェハ上のダイシングラインを跨ぐ部位及び、前記第1端子電極間に溝を形成する工程と、前記シリコンウェハ上に絶縁膜を形成する工程と、前記シリコンウェハ上に前記第1,2端子電極を含む金属配線を形成する工程と、前記ダイシングラインに沿って前記シリコンウェハをダイシングする工程とを備えたものである。
【0034】
(18)また、半導体装置を実装する工程を備えたものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本実施の形態に係るコネクタの一例として電極間ピッチが微小な狭ピッチ用コネクタを示すもので、このコネクタとこれに接続される接続対象物の端子部分を示す正面図である。図1に示すように本実施の形態に係る狭ピッチ用コネクタ20は、基板22の表面に金属配線24A及び24Bを形成した形態となっている。
基板22は、長方形状の単結晶シリコンからなり、表面に絶縁膜が形成され、中央部には、接続対象物26側の素子を駆動するための半導体装置23が横長配置、つまりその長辺を接続対象物26の端子配列方向と概ね平行となるように配置されて実装されている。そして、半導体装置23の長手辺の両側には、金属配線24Aおよび金属配線24Bが複数設けられており、その一方端側が半導体装置23の端子に接続されている。金属配線24Aの他方端部、すなわち基板22の縁部22A側には、接続対象物26に設けられた端子電極28と重なり合わせが可能な接合部となる端子電極30が形成されている。つまり、端子電極30は端子電極28のピッチ(ピッチ6Oμm以下)と同一ピッチとなるように設定されている。
【0036】
そして、基板22における縁部22A側における端子電極30の各電極間には、それぞれ溝部33Aが形成されている。この溝部33Aは、縁部22A側の側面拡大図である図2(a)に示すように、基板22の表面から底面側に凹陥する断面矩形状をしている。そして、同図に示すように絶縁膜31は溝部33Aの内面にも形成されている。
なお、接続対象物26の端子電極30と狭ピッチ用コネクタ20の端子電極28とは、導電性粒子を含んだ異方性導電接着剤によって接合することになるが、溝部33Aは、この接合の際に、接着剤の溜まり部となり、余分な接着剤を収納する機能を発揮することになる。
【0037】
ところで、図2(a)に示すような断面形状が矩形状となる溝部33Aを形成するには、基板22を構成する単結晶シリコンにおいて、表面に露出する結晶面が(110)面となるものを用いればよい。このように結晶面が(110)面となる単結晶シリコンを用いれば、KOH水溶液やエチレンジアミン水溶液等のエッチング液に対して垂直方向(端子電極の厚み方向)に大きな結晶方位依存性を持っているので、隣り合う端子電極30の間隔に左右されずにアンダーカットの極めて少ない溝部を形成することができる。
なお、この例では溝部33Aの深さを、先の導電性粒子の粒子径(約3μm)の約3倍となる10μm程度に設定している。このようにすれば、導電性粒子が、隣り合う端子電極30の間で挟み込まれないので、隣り合う端子電極間で短絡が生じるのを確実に防止することができる。
【0038】
溝部33Aの形状としては、図2(b)に示すように、溝部33Aの断面形状をV字になるようにしてもよい。この場合は、基板22として、表面に露出する結晶面が(100)面となる単結晶シリコンを用いればよい。結晶面が(100)面となる単結晶シリコンを用いれば、その表面にKOH水溶液やエチレンジアミン水溶液等のエッチング液を用いて、異方性エッチングを施すことにより(100)面と54.74度をなすV字形の溝部33Aを形成することができる。なおV字形の溝部33Aの深さは、(100)面に設定されたエッチング幅、すなわち露光マスクの幅寸法により正確に制御することができる。
【0039】
再び図1に基づいて基板22を説明すると、基板22における端子電極30とは反対側の縁部22B側には、端子電極30より少数の電極数であって、かつその幅とピッチとが拡大(ピッチ8Oμm以上)された端子電極32が形成されている。
また、基板22の周縁部には表面から底面側に凹陥する段差部29が形成されており、この段差部29の表面にも前述の絶縁膜が形成されている。
【0040】
次に、以上のように構成された狭ピッチ用コネクタ20を接続対象物26に接続する手順を説明する。
図3は、接続対象物26と狭ピッチ用コネクタ20とを接続する手順を示す説明図であり、図4は、図3におけるd部拡大図であり、図5(a)(b)は、図3におけるB−B断面図である。
これらの図に示すように、狭ピッチ用コネクタ20を接続対象物26に接続する際には、まずボンディングステージ34の上面に接続対象物26を設置する。なおボンディングステージ34の内部には下部ヒータ36が設けられており、当該下部ヒータ36を稼働させることにより接続対象物26等への加熱を行えるようにしている。
【0041】
ボンディングステージ34の上面に設置された接続対象物26の上方には、端子電極28に端子電極30が重なるようコネクタ20が配置される。なお端子電極28と端子電極30との間には、図4に示すように導電性粒子38を含んだ異方性導電接着剤40が塗布されており、コネクタ20の背面側から当該コネクタ20を加圧することで導電性粒子38が端子電極28や端子電極30と接触し、これら端子電極同士は、導電性粒子38を介して導通がなされることになる。また導電性粒子38を含んだ異方性導電接着剤40は、下部ヒータ36や後述するボンディングツールに内蔵されたヒータの稼働によって硬化が促進される。
【0042】
端子電極30の上方、すなわち狭ピッチ用コネクタ20の上方には、ボンディングツール42が設けられている。このボンディングツール42は、図示しないリニアガイドに取り付けられ、ボンディングツール42自体をリニアガイドに沿って昇降可能になっている。そしてボンディングツール42を下降させることで、狭ピッチ用コネクタ20を背面側から押圧し、重ね合わされた端子電極28と端子電極30とを密着させるようにしている。またボンディングツール42には上部ヒータ44が内蔵されており、当該上部ヒータ44を稼働させることで、ボンディングツール42の先端を加熱し、狭ピッチ用コネクタ20側の加熱を行えるようにしている。
【0043】
ところで上部ヒータ44と下部ヒータ36においては、ボンディングツール42を下降させ、当該ボンディングツール42の先端が基板22の背面側を押圧した際、端子電極28と端子電極30との境界線を中心としてその周囲の温度が均一になるよう、すなわち基板22と接続対象物26との間に温度差が生じないように温度の設定がなされる。なお上部ヒータ44と下部ヒータ36における設定温度は、異方性導電接着剤40の硬化促進を図るだけの温度以上に設定されていることはいうまでもない。
【0044】
このように上部ヒータ44および下部ヒータ36の温度設定がなされた後は、図5(a)に示す状態から図5(b)に示す状態に至るように、ボンディングツール42を下降させ、端子電極28と端子電極30との接続を行う。この接続の際には、端子電極30の表面に塗布された余分な異方性導電接着剤40は、図6に示すように、溝部33A側へと移動し、当該溝部33Aに導電性粒子38を含んだ接着剤40が溜められる。
【0045】
また、この接続の際、基板22と接続対象物26の加熱温度が等しく、両者の間に温度差が生じないようになっているので、同一の材料で構成された基板22と接続対象物26は、加熱による伸び率が等しくなり、端子電極28と端子電極30との相対位置が変動することがない。これにより両端子電極の接合を確実に行うことが可能となり、電極接続時に生じる抵抗値増大や接合不良あるいは隣接する端子との短絡といった不具合が生じるのを防止することができる。
【0046】
本実施の形態では、基板22と接続対象物26を構成する材料をシリコンとして説明したが、シリコンによる場合には発明者による種々の検討によれば、配線ピッチが25μm以下の接続においても確実に接続ができることが確認されている(配線ピッチが15μm程度でも確実に接続可能であり、配線ピッチが15μm以下の接続においても接続分解能の範囲によって接続可能となる)。
【0047】
以上のように、本実施の形態においては、単結晶シリコンで狭ピッチコネクタを製作し、半導体装置23を基板22上に密着配置し、端子電極間に溝部33Aを形成し、さらに基板22の周縁部に絶縁膜を有する段差部29を設けたので、それぞれ次のような効果を有する。
【0048】
基板22として単結晶シリコンを用いたことにより、狭ピッチコネクタにおける接続対象物26と接続する側の端子電極間ピッチを狭くすることができ、端子電極数が増大しても端子電極部の面積を小さくできる。その結果、接続対象物26の接続用端子部の面積も小さくでき、一定面積からの取り出し個数の増大が図れ、製造効率の向上および製造コストの低減を達成することができる。
【0049】
また、単結晶シリコンは、熱膨張係数が比較的小さいので、接合時における端子電極付近の基板伸びを抑えることができる。また、例えば、接続対象物がガラスの場合は、シリコンとガラスとの熱膨張係数の差も小さいので、両者を接合する際、熱膨張係数の違いによる接続用端子電極の位置ずれを最小限に抑えることができる。
【0050】
また、半導体装置23を基板22の表面に密着配置させていることにより、半導体装置23に発熱が生じた場合、この発熱が基板22側へと伝熱し、当該基板22は放熱板(ヒートシンク)の役割を果たす。このため、半導体装置23の発熱量が大きくなっても基板22が効率よく半導体装置23に発生する熱を放熱して、半導体装置23の駆動安定を図ることができる。
更に、半導体装置23の自重が基板22で保持され、かつ半導体装置23に設けられた電極が、基板22の表面に密着形成された金属配線24Aおよび金属配線24Bと接続されているので、半導体装置23に外力が加わっても、当該半導体装置23は前記外力によって移動することがない。このため、短絡防止の目的から半導体装置23の電極周囲を封止剤によって固めるというような、封止剤塗布工程、あるいは封止剤乾燥工程などが不要となり、製造工程が簡略化される。
【0051】
また、基板22の内側に半導体装置23を搭載したので、狭ピッチ用コネクタ20の前後、すなわち接続対象物26側や、端子電極32側に接続されるフレキシブル基板等の外部基板に半導体装置23を実装する必要が無くなる。このため、実装面積の低減化が図れ、装置そのものの小型化が図れる。
また、半導体装置23を、その長辺が接続対象物26の端子配列方向と概ね平行となるように配置しているので、半導体装置23までの各配線長さが等しくなり、配線パターンの抵抗値を均一にすることができる。
【0052】
また、複数の端子電極30の間に異方性導電接着剤40の溜まり部となる溝部33Aを設けたことから、導電性粒子38は端子電極28と端子電極30の間以外では挟まれることが無くなる。このため導電性粒子38が隣り合う端子電極の間で挟まれることによって、生じる隣り合う端子電極間の短絡を防止することができる。
【0053】
次に、狭ピッチ用コネクタ20の周端部に段差部29を形成し、この段差部29にも絶縁膜31を形成したことにより奏する効果を、図1におけるA−A断面を示した図7(a)、図1におけるB−B断面を示した図7(b)に基づいて説明する。
狭ピッチ用コネクタ20の周端部に段差部29を形成し、この段差部29にも絶縁膜31を形成したので、例えば、空気中の導電性の塵埃32が付着した場合であっても、図7(a)に示されるように、端子電極30に付着した塵埃32は段差部29に形成された絶縁膜31に遮られて結晶面33に届かない。したがって、短絡することがない。
また、半導体装置23の端子電極23aを金属配線24B接続するための半田35等が流れ出しても、図7(b)に示されるように、段差部29に形成された絶縁膜31に遮られて結晶面33に届かない。したがって、この場合にも短絡することがない。
逆に言えば、半田等の導電性の接着部材を縁部に多少流れ出させることが可能となり、接着強度を高めることができる。
【0054】
なお、本実施の形態では、基板22と接続対象物26の材質を同一のものとして説明したが、この形態に限定されるものではない。両者の材質が異なり、異種材質に伴う熱膨張係数に差が有っても、基板22と接続対象物26との確実な接合を行うことが可能である。この場合は、上部ヒータ44および下部ヒータ36の出力値を変動させ、基板22と接続対象物26との間に積極的に温度差を生じさせる。具体的には、熱膨張係数の小さい側に配置されるヒータの温度を高温側になるよう設定し、熱膨張係数の大きい側に配置されるヒータの温度を低温側になるよう設定する。このように積極的に温度差を生じさせることで、熱膨張係数の違いによる伸び率を吸収し、両端子電極の相対位置がずれないようにすることによって、確実な接合が可能となり電極接続時に生じる抵抗値増大や接合不良あるいは隣接する端子との短絡といった不具合を防止することができる。
【0055】
また、本実施の形態においては、基板22の端子電極30と接続対象物26の端子電極28の接合を、異方性導電接着剤を用いて行う例を示したが、本発明はこれに限られるものではない。他の態様として、異方性導電接着剤を薄い膜状に形成した異方性導電膜によって接合することもできる。
また、半田等を用いた合金接合や、端子電極28、30の金属同士を圧着する金属接続によって接合することもできる。このような、合金接続や金属接続の場合にも、溝部33Aを形成することによって、接合時の熱・圧力による端子電極の変形や合金金属の流れ出しによる端子電極間の短絡を防止できる。さらに、溝部33Aを設けることで、隣接する端子電極間の沿面距離を長くすることができ、ノイズの影響を抑制できる効果も有する。
【0056】
また、本実施の形態においては、端子電極28、30を異方性導電接着剤又は異方性導電膜で接着することを前提として、溝部33Aの深さを、導電性粒子の粒子径との関係で特定した例を示したが、別の溝部33Aの深さの決定方法として、溝幅との関係で決定するようにしてもよい。例えば、溝幅が広い場合には、溝深さが浅くても空間の体積は大きくなるので溝深さは浅くてよい。逆に、溝幅が狭い場合には、空間体積を大きく取るために溝深さを深くする必要がある。そして、溝部33Aの深さの目安として、溝幅の5%〜150%程度が考えられる。なお、溝深さを深くしすぎると端子部が倒れやすくなり強度的に問題が生ずる。そこで、強度面及び製作性を考慮すると、溝幅の25%程度が最も好ましい。
【0057】
ところで、端子電極28が形成される接続対象物26としては、例えば、基板上に微細な運動機構部が形成され、この運動機構部に電圧の印加をするための微細配線が引き出されたマイクロマシンがある。そしてマイクロマシンの例としては、圧電素子を用いた圧電アクチュエータ、静電振動子を用いた静電アクチュエータなどがある。
なお、これらの具体例については後述の実施の形態で詳細に説明する。
【0058】
次に、上述した狭ピッチコネクタの製造方法について説明する。
図8は狭ピッチ用コネクタ20を多数形成したシリコンウェハ45の平面図である。図8に示されるように、狭ピッチ用コネクタ20はシリコンウェハ45上に格子状に多数形成される。そして、隣接する狭ピッチ用コネクタ20相互の間にはダイシングラインに沿って溝45aが形成されている。この溝45aの中央部に沿ってダイシングすることで、狭ピッチ用コネクタ20を形成している。なお、ダイシングされたときに溝45aが狭ピッチ用コネクタ20の段差部29になる。
【0059】
図9〜図12はシリコンウェハ45に配線、端子間の溝、及び溝45aを形成する工程の説明図であり、図8におけるC−C断面の一部を示している。
以下、図9〜図12に基づいて形成工程を説明する。なお、図中、39はダイシングラインを示している。
まず、図9(a)に示すようにシリコンウェハ45の表面を洗浄した後は、図9(b)に示すようにその表面にフォトレジスト膜37を塗布する。
そしてフォトレジスト膜37を塗布した後、図9(c)に示すようにフォトリソグラフィーによってパターニングを行い、溝部33A,45aを形成する部分のフォトレジスト膜37を除去する。
【0060】
その後、フォトレジスト膜37をマスクとして、KOH水溶液やエチレンジアミン水溶液等のエッチング液を用いてシリコンウェハ45の表面に異方性エッチングを施す。
【0061】
なお、この例では表面の結晶面が(100)面からなる単結晶シリコンウェハを用いている。結晶面が(100)面となる単結晶シリコンを用いれば、その表面に異方性エッチングを施すことにより側壁が(100)面と54.74度をなす溝部33A,45aを形成することができる。なお溝部33Aの深さは、エッチング幅すなわち露光マスクの開口部の幅寸法により正確に制御することができる。すなわち、端子電極間の溝部33Aの深さはエッチングが進行して溝部の断面形状がV字になった状態で停止する。
一方、溝部45aについては所望の深さ、例えば表面に付着すると予想される塵埃の大きさ(長さ)や、半導体装置23の実装に用いられる半田あるいは導電性接着剤の粘性および量によって規定される深さになった時点でエッチングを停止する。
溝部33A,45aを形成した状態を図10(d)に示す。
【0062】
溝部33A,45aを形成した後は、図10(e)に示すように単結晶シリコン板33の表面からフォトレジスト膜37を除去し、その後、図10(f)に示すように単結晶シリコン板33の溝部33A,45aを含む表面にSiO2からなる絶縁膜31を形成する。絶縁膜31の厚みは5000〜20000オングストローム程度とし、CVD法によって堆積したBPSG(Boron−Phospho−Silicate Glass)によって形成したり、あるいはドライ熱酸化またはウェット熱酸化等を用いて形成する。
【0063】
このようしてシリコンウェハ45の表面に絶縁膜31を形成した後は、シリコンウェハ45を圧力2〜5mTorr、温度150〜300℃のアルゴン雰囲気中に配置し、Al−Cu、Al−Si−Cu、Al−Si、Ni、Cr、Auなどをターゲットとし、DC9〜12kWの入力電力でスパッタを行い、これらのターゲットと同じ組成を有する金属配線24A,24Bを形成するための金属膜41を200〜20000オングストローム堆積する。金属膜41の形成後の状態を図11(g)に示す。
なお、Crを下地としAuを1000オングストローム程堆積させて金属膜41を形成してもよい。
【0064】
こうして絶縁膜31の表面に金属膜41を形成した後は、図11(h)に示すように、金属膜41の上にフォトレジスト膜37を塗布する。その後は、フォトリソグラフィーによってパターニングを行い、図11(i)に示すように、金属配線24A,24Bを形成する部分以外のフォトレジスト膜を除去する。さらに、フォトレジスト膜37をマスクとして金属膜41をエッチングして、図12(j)に示すように、シリコンウェハ45の表面に金属配線24A,24B(図中は24Bのみ表示)を形成し、金属配線24A,24Bの上のフォトレジスト膜を除去する。
【0065】
フォトレジスト膜を除去した後、半導体装置23の電極を金属配線24A,24Bに対して位置合わせし、異方性導電膜によって両者を電気的に接続する。なお、この接続は半田等を用いた合金接合や、端子電極の金属同士を圧着する金属接続によって接合することもできる。
半導体装置23を実装した後、溝部45aに設定されたダイシングライン39に沿って図示しないカッタによってダイシングし、図12(k)に示すように、隣接する狭ピッチ用コネクタを切り離してチップ状にする。
なお、溝部45aにおける底面の幅寸法はカッタの厚み寸法より大きく設定されているので、ダイシングライン39に沿ってカッタを通過させてもカッタの両側に段差部29が形成される。
【0066】
この例では溝部45aの断面形状を逆台形になるようにしたので、狭ピッチ用コネクタ20をチップ状に切り出した際に、図12(k)に示すように、狭ピッチ用コネクタ20の周囲の傾斜面に絶縁膜31が形成されているので、ダイシングの際に発生する塵埃や汚れを除去しやすい。
【0067】
なお、本実施の形態1においては、溝部45aを狭ピッチ用コネクタ20の全周(4辺)に形成したが、溝部33Aが形成された側の一辺にのみ形成するようにしてもよいし、あるいは狭ピッチ用コネクタ20の形態によっては、長手方向の両側縁部のみに設けるようにしてもよい。
また、半導体装置23はシリコンウェハをダイシングしてチップ状にした後で実装してもよい。
【0068】
実施の形態2.
上記の実施の形態1においては、各端子間の溝部33Aには金属膜41を全く残さないものを示したが、溝部に金属膜41を残すようにしてもよい。
溝部に金属膜41を残すためには、図11(h)に示したように、レジスト膜37を塗布した後、図13(a)に示すように、溝底にレジスト膜37が残るように露光調整してパターニングする。溝底にレジスト膜37を残した状態でエッチングすることによって、図13(b)に示すように溝部33Aの底に金属膜41を残すことができる。
【0069】
なお、溝が深い場合には、図11(h)で示すレジスト膜37を塗布する際に、スプレーレジストか、電着レジストでレジストを塗布し、プロジェクション露光してパターニングするようにすればよい。このようにすることで、短絡や、断線等の不良・欠陥が少なく、品質の良い基板ができる。
溝部33Aの底に金属膜41を残すことによって、接続対象物と狭ピッチ用コネクタとを接着する際の接着強度を高めることができる。接着強度を高めることで、耐湿性の良い接続を実現できる。
【0070】
上記の例では、狭ピッチ用コネクタ20の周縁部となる溝部45a内の金属膜41についてはその全てを除去するようにした。しかし、溝部45aに金属膜41を残すようにしてもよい。溝部45aに金属膜41を残すと、ダイシングした後では、段差部29に金属膜41が残り、狭ピッチ用コネクタ20の周囲を囲むようになる。
このようにすることによって、空気中の静電気をこの金属膜41に帯電させ、狭ピッチ用コネクタ20の金属配線24A,24Bに帯電するのを防止できる。また、静電気を蓄積した人や、あるいは静電気を蓄積した金属が、狭ピッチコネクタ20に接触することにより移動する静電気を金属膜41に帯電させ、直接半導体装置23または金属配線24A,24Bに静電気が帯電するのを防止することができる。
これによって、金属配線24A,24Bの溶断を防止できる。
【0071】
なお、溝部45aに金属膜41を残すには、図13(a)に示したフォトレジスト膜37のパターニングの際に、溝部45aにもフォトレジスト膜37を残すようにすればよい。
【0072】
また、溝部45aの金属膜41を、溝部45aの中央部のダイシングラインを除く部分に形成するようにしてもよい。
このようにすることで、溝部45aの底全体に金属膜41を残した場合に比較してダイシングマシンの刃に用いられるダイヤモンド刃への金属の付着や、回転するダイシングブレードと呼ばれる薄い砥石への金属の目詰まりなどを防止することが可能となり、カッタの寿命を長くすることができる。
【0073】
実施の形態3.
上記実施の形態1,2においては、各電極間の溝部33Aが絶縁膜31によって単結晶シリコン基板33と完全に絶縁されているものを示したが、この実施の形態3では、溝部33Aの底に金属膜41を残すと共にこの金属膜41と単結晶シリコン基板33を導通させ、さらに溝部33Aの金属膜41をグランド配線部(負電極)又は電源配線部(正電極)に結線するようにしたものである。
【0074】
このようにすることで、単結晶シリコン基板33をグランド配線部(負電極)又は電源配線部(正電極)の電位に等しくすることができ、単結晶シリコン基板33の電位を安定化させることができる。
さらに、溝部33Aに形成した金属膜41と単結晶シリコン基板33との密着性を向上し、オーミックコンタクトを向上するために、金属膜41形成後に適宜、加熱したり、あるいは使用する単結晶シリコン基板33の抵抗率を0.3Ωcm以下にすることもできる。このようにすることによって、微細配線部のラインノイズによる素子の誤作動を防止することが可能となる。さらに、静電遮蔽の作用で輻射ノイズを低減することもできる。
【0075】
以下、溝部33Aの底に金属膜41を残すと共にこの金属膜41と単結晶シリコン基板33とを導通させた狭ピッチ用コネクタの製造方法について説明する。実施の形態1を説明した図10(f)に示したように単結晶シリコン基板33に溝部33A,45aを形成すると共に、絶縁膜31を形成した後、フッ素によるエッチングにより、図14(a)に示すように、溝部33Aの底の絶縁膜31を一部除去する。この状態で、図14(b)に示すように、金属膜41を堆積させ、次に、レジスト膜37を塗布して、図14(c)に示すようなパターニングを行う。この状態でエッチングすることで、図15(d)に示すように、溝部33Aの底に金属膜41を残すと共にこの金属膜41と単結晶シリコン基板33とを導通させることができる。
【0076】
なお、溝部45aの底に金属膜41を残し、この金属膜41を単結晶シリコン板基33と導通せるようにしてもよい。このようにすることで、組立ラインにおいては基板22を把持する装置を接地し、あるいは組立後においては単結晶シリコン基板33にアースをとることで溝部45aの金属膜41に静電気を帯電させると共に帯電した静電気を流すことができるので、より確実に静電気が狭ピッチ用コネクタ20の金属配線24A,24Bに帯電するのを防止できる。
【0077】
上記実施の形態1〜3に示した狭ピッチ用コネクタ20は、全て溝部33Aに絶縁膜31を形成するものであるが、溝部33Aに絶縁膜31が形成されないものであってもよい。溝部33Aに絶縁膜31が形成されていなくても、溝部33Aが形成されていれば余分な異方性導電接着剤の溜まり場となり、隣り合う端子電極の間で短絡が生じるのを防止することができる。
【0078】
実施の形態4.
図16は実施の形態4の狭ピッチ用コネクタの説明図である。図において、実施の形態1と同一部分又は相当する部分には同一の符号を付している。
本実施の形態の狭ピッチ用コネクタ55は、図16に示すように、端部に設ける溝部56を、コネクタの端部まで延出させないようにしたものである。そして、図17に示すように、溝部56の長さを接続範囲Lよりも長くなるように設定したものである。
【0079】
このように、溝部56の長さを接続範囲Lよりも長く設定したことの効果について以下に説明する。
溝部56の長さが接続範囲Lよりも短く設定した場合には、接続対象物26と狭ピッチ用コネクタ55で囲まれた部分が閉じた空間となる。そのため、図18に示すように、異方性導電接着剤40を塗布して接続対象物26と狭ピッチ用コネクタ55Aの接合時に空気を巻き込み気泡57が内部に残留する可能性がある。そして、この残留した気泡57が環境変化(温度変化)によって、膨張収縮することになり、接続状態に悪影響を与えることがある。
【0080】
また、空気の巻き込みがないとしても、異方性導電接着剤40の排出が不完全な場合には、図19(a)に示すように、溝部56Aに内圧が残留し、この内圧が接着剤の硬化後に接着を剥がす方向に作用することがある。このため、図19(b)に示すように、接合部に介在する導電粒子38と両端子電極30,28の接着が悪くなることがある。このように、溝部56Aの長さが接続範囲Lよりも短く設定されてた場合には、気泡57や内圧の影響で接続が不完全になるという問題がある。
【0081】
これに対して、溝部56の長さを接続範囲Lよりも長くなるように設定した場合には、図20(a)(b)に示すように、接続対象物26と狭ピッチ用コネクタ55で囲まれた部分が閉じた空間にならないので、空気を巻き込みにくく、また余分な異方性導電接着剤40は確実に押し出される。したがって、残留する気泡による悪影響が生じにくい。また、余分な異方性導電接着剤40が押し出されて内圧が残ることがないので、異方性導電接着剤40が硬化したときには、図21(a)に示すように、硬化収縮が起こり端子電極間の接着をより強固にする。そして、このとき、接合部に導電粒子38が介在していた場合には、図21(b)に示すように、導電粒子38と両端子電極30,28との接着を良くする方向に作用するので電気的接続が確実に行われる。
【0082】
実施の形態5.
図22は本発明の実施の形態5に係る静電アクチュエータ59の構造を示す説明図である。
図22に示す静電アクチュエータ59はインクジェットプリンタにおけるインクジェットヘッドに用いられるものであり、マイクロマシニング技術による微細加工により形成された微小構造のアクチュエータである。
そして、本実施の形態5のインクジェットヘッドは、フェイスイジェクトタイプのインクジェットヘッド本体部60と、これに外部配線を行うためのコネクタ部88を個別に製作して、これらを接続したものである。なお、図22においては、コネクタ部88に、コネクタ部88と外部配線を中継するためのフレキシブル基板58を接続した状態を示している。
【0083】
インクジェットヘッド本体部60は、図22に示すように、シリコン基板70を挟み、上側に同じくシリコン製のノズルプレート72を有するとともに、下側にはホウ珪酸ガラス製のガラス基板74がそれぞれ積層された3層構造になっている。
ここで中央のシリコン基板70には、独立した複数のインク室76と、この複数のインク室76を結ぶ1つの共通インク室78と、この共通インク室78と各インク室76に連通するインク供給路80として機能する溝が設けられている。そして、これらの溝がノズルプレート72によって塞がれることによって、各部分が区画形成されてインク室76あるいは供給路80になっている。
【0084】
また、シリコン基板70の裏側には、各インク室76に対応して独立した複数の22(a)が設けられ、この凹部がガラス基板74によって塞がれることによって、図19中に寸法qで示す高さを有する振動室71が形成されている。そして、シリコン基板70における各インク室76と振動室71の隔壁は、弾性変形可能な振動子となる振動板66になっている。
ノズルプレート72には、各インク室76の先端部に対応する位置にノズル62が形成され各インク室76に連通している。
なお、シリコン基板70に設ける溝、ノズルプレート72に設けるノズル62は、マイクロマシニング技術による微細加工技術を用いて形成する。
【0085】
振動板66およびガラス基板74上には、それぞれ対向する対向電極90が設置されている。
なお、シリコン基板70と対向電極90とで形成される微細な隙間は、封止部84によって封止されている。
また、それぞれのガラス基板74上の対向電極90は、図中左側の端部側に引き出され、端子電極86を形成している。そして、端子電極86に実施の形態1〜4に示した方法により別途製作した狭ピッチ用コネクタ88が接続され、コネクタ部を有するインクジェットヘッドになる。
なお、上記のように構成される各インクジェットヘッド本体部60は、ウェハ状態で複数個製造され、それをダイシングラインに沿って切断するようにして製造される。そして、ダイシングした後に、別途製造した狭ピッチ用コネクタ88を各インクジェットヘッド本体部60に接続するようにしている。
ここで用いている狭ピッチ用コネクタ88においては、端子電極86が形成されている側の一辺(縁部)にのみ絶縁膜が形成されており、その他の3辺(縁部)には形成されていない。しかし、これに限らず、絶縁膜がその他の3辺、あるいは端子電極の形成された2辺に形成されていてもよい。
【0086】
上記のように構成されたインクジェットヘッド本体部60の動作を説明する。共通インク室78には図示しないインクタンクから、インクがインク供給口82を通り供給される。そして、共通インク室78に供給されたインクは、インク供給路80を通り、各インク室76に供給される。この状態において、対向電極に電圧を印加すると、それらの間に発生する静電気力によって振動板66はガラス基板74側に静電吸引され振動する。この振動板66の振動によって、発生するインク室76の内圧変動により、ノズル62からインク液滴61が吐出される。
【0087】
以上のように、本実施の形態においては、インクジェットヘッド本体部60と、狭ピッチ用コネクタ88とを別々に製作して、これらを接合するようにしているので、次のような効果が得られる。
インクジェットヘッド本体部60は、前述したように、ガラス基板74、シリコン基板70及びノズルプレート72をウェハ状態で積層して製造する。そして、外部との電気接続を行う端子電極86は、ガラス基板74に形成され、シリコン基板70及びノズルプレート72より外方に延出している。したがって、積層する際には、端子電極86の対向位置に配置されるシリコン基板70又はノズルプレート72を形成したウェハは利用されないことになる。
【0088】
仮に、インクジェットヘッド本体部60自体で外部基板との電気的接続が可能になるようにするとすれば、ガラス基板74に外部との配線が可能な大ピッチの端子電極を設ける必要があり、端子電極86はかなり大きなものになる。ガラス基板74に大きな端子電極86を形成すると、この端子電極86に対向する位置に配置されるシリコン基板70又はノズルプレート72が形成されたウェハが利用されず、大面積のウェハが無駄になってしまう。しかも、シリコン基板70には非常に薄い振動板66(約1μm)を形成するため、純度の高い高価なシリコン結晶板を用いる必要がある。このような、高価なシリコン結晶板が無駄になってしまうことは製品のコストに大きく影響する。
【0089】
これに対して、本実施の形態によれば、インクジェットヘッド本体部60の端子部を小さく製作できるので、高価なシリコン基板を無駄にすることがない。しかも、狭ピッチ用コネクタ88を形成するシリコン基板は、振動板66を形成するもののように高純度である必要がないので、装置全体のコストを低く抑えることができる。
【0090】
実施の形態6.
図23は本実施の形態の圧電アクチュエータの説明図である。圧電アクチュエータ91は、両側に外部電極93a,93bが形成された圧電振動子93と、この圧電振動子93を保持する保持部材95とを備えている。保持部材95には、突起部97が形成されており、圧電振動子93は突起部97の接合領域Aで保持部材95に接合されている。圧電振動子93の外部電極93a,93b(図中太線で示した部分)は、圧電振動子93の両側面から第1の面93cの中程までそれぞれ延長されている。
【0091】
また、保持部材95に形成される太線で示す電極95a、95bも、両外縁から突起部97の中程まで延長されている。そして、圧電振動子93と保持部材95を突起部97に設定した接合領域Aで剛体的に接合するとともに、圧電振動子93の外部電極93a、93bと保持部材の電極95a、95bとを接続し、これらを導通させる。さらに保持部材95の電極95a、95bには、狭ピッチ用コネクタ20が接続され、狭ピッチ用コネクタ20を介して外部からの信号が圧電アクチュエータ91に入力される。
【0092】
そして、このように狭ピッチ用コネクタ20を別に設けることで、圧電アクチュエータ91における端子電極部が占有する面積を最小限に抑えることができ、圧電アクチュエータ91そのものを小型に製造することができるとともに、1枚のウェハから多数の圧電アクチュエータ91を製造することができ、製造コストを低減することができる。
【0093】
実施の形態7.
図24は図23に示した圧電アクチュエータ91を用いたインクジェットヘッド98を示す概念図である。流路形成部材103と振動板105により形成されたインク流路99の先端に、ノズル101を配するノズルプレート107が接合されており、その反対側の端にはインク供給路108が配されている。そして、圧電アクチュエータ91を、機械的作用面93dと振動板105が接するように設置し、インク流路99と対面するように配している。そして、圧電振動子93の両側の外部電極93a,93bが保持部材の電極95a、95bと接続され、保持部材95の電極95a、95bが狭ピッチ用コネクタ20を介して外部からの信号が圧電アクチュエータ91に入力される。
【0094】
この構成において、インク流路99内(ノズル101先端まで)にインクを充填し、前記圧電アクチュエータ91を駆動すると、機械的作用面93dは、高効率な膨張変形とたわみ変形を同時に発生させ、図24中の上下方向の非常に大きな実効変位を得る。この変形により、振動板95は図中の点線で示すように機械的作用面93dに対応して変形し、インク流路99内に大きな圧力変化(体積変化)を生じさせる。この圧力変化により、ノズル101から図中の矢印方向にインク滴が吐出すが、その高効率な圧力変化により、インク吐出も非常に効率的である。
【0095】
以上のように、狭ピッチ用コネクタ20を別に設けることで、圧電アクチュエータ91における配線端子が占有する面積を最小限に抑えることができるので、インクジェットヘッド98そのものを小型化できる。
【0096】
実施の形態8.
実施の形態8に係るインクジェットヘッド98は、図25に示されるようにキヤリッジ111に取り付けられて使用される。キヤリッジ111は、ガイドレール113に移動自在に取り付けられ、ローラー115により送り出される用紙117の幅方向にその位置が制御される。この図25の機構は図26に示されるインクジェットプリンタ119に装備される。なお、このインクジェットヘッド98はラインプリンタのラインヘッドとして搭載することもできる。その場合にはキヤリッジ111は不要となる。
【0097】
また、ここでは圧電アクチュエータ91を用いて、エッジ方向へインク滴が吐出すタイプのインクジェットヘッド98およびそれを用いたインクジェットプリンタを例に挙げて説明したが、前述の実施の形態5で示した静電アクチュエータを用いてインク滴をフェイス面側からが吐出すタイプのインクジェットヘッド60を使用した場合も同様の構成となる。
【0098】
実施の形態9.
図27は本実施の形態9に係る他の例として光変調装置を示す要部の組立分解斜視図である。
この光変調装置は、大別してシリコン基板140、ガラス基板150及びカバー基板170から構成される。
シリコン基板140は、マトリクス上に配列された複数の微小ミラー141を有する。この複数の微小ミラー141の内、一方向例えば図27のX方向に沿って配列された微小ミラー141は、トーションバー143にて連結されている。
【0099】
さらに、複数の微小ミラー141が配置される領域を囲んで枠状部145が設けられている。この枠状部145には、複数本のトーションバー143の両端がそれぞれ連結されている。また微小ミラー141は、トーションバー143との連結部分の周囲にスリットが形成されて、このスリットを形成することで、トーションバー143の軸線周り方向への傾き駆動が容易になっている。さらに微小ミラー141の表面には、反射層141aが形成されている。そして、微小ミラー141が傾斜駆動されることで、この微小ミラー141に対して入射する光の反射方向が変化する。そして、所定反射方向に向けて光を反射させる時間を制御することで、光の変調を行うことができる。この微小ミラー141を傾斜駆動するための回路がガラス基板150に形成されている。
【0100】
ガラス基板150は、中央領域に凹部151を有し、その周囲に立ち上げ部153を有する。立ち上げ部153の一辺は切り欠かれて電極取出口155とされ、この電極取出口155の外側には、凹部151と連続する電極取出板部157が形成されている。またガラス基板150の凹部151には、X方向で隣り合う2つの微小ミラー141間のトーションバー143と対向する位置にて、凹部151より突出形成され、立ち上げ部153の天面と同じ高さを有する多数の支柱部159を有する。
【0101】
さらに、ガラス基板150の凹部151及び電極取出板部157上には、配線パターン部161が形成されている。この配線パターン部161は、トーションバー143を挟んだ両側の微小ミラー141の裏面と対向する位置に、それぞれ第1,第2のアドレス電極163,165を有する。そして、Y方向に沿って配列された第1のアドレス電極163は第1の共通配線167に共通接続されている。同様に、Y方向に沿って配設された第2のアドレス電極165は、第2の共通配線169に共通接続されている。
【0102】
前記構造を有するガラス基板150の上に、シリコン基板140が陽極接合される。このとき、シリコン基板140のトーションバー143の両端部及び枠状部145と、ガラス基板150の立ち上げ部153とが接合される。さらに、シリコン基板140のトーションバー143の中間部と、ガラス基板150の支柱部159とが陽極接合される。さらにその後、シリコン基板140の枠状部145上に、カバー基板170が接合される。そして、枠状部145と連結されていた各々のトーションバー143の両端部が、枠状部145から切り離される位置にてダイシングされる。さらに、ガラス基板150の立ち上げ部153に切り欠き形成された電極取出口155を含む周縁部が、封止材により封止密閉され、光変調装置が完成する。
【0103】
そして、完成した光変調装置の第1の共通配線167と第2の共通配線169には、前述の実施の形態6〜8と同様に、本発明に係る狭ピッチ用コネクタを介して、駆動ICを搭載したテープキャリアパッケージ等の可撓性基板と接続され、外部からの信号が光変調装置入力される。
そして、このように狭ピッチ用コネクタを別に設けることで、ガラス基板150における配線端子が占有する面積を最小限に抑えることができ、光変調装置そのものを小型に製造することができる。
【0104】
実施の形態10.
図28は本発明の実施の形態10に係る液晶パネルの一例を示す説明図であり、アレイ工程とセル工程が終了し、モジュール工程の段階、つまり液晶セルを電気的に制御できるように駆動系の電子回路などを取り付ける前の状態を示してある。すなわち、液晶パネル180は、液晶セル181と、狭ピッチ用コネクタ182と、駆動IC183を搭載したテープキャリアパッケージ184とを備えている。
なお、この例の狭ピッチ用コネクタ182は、実施の形態1の狭ピッチ用コネクタ20と異なり、配線パターンのみが形成され、ドライバIC等の半導体装置は搭載されていない。しかし、その他の構成は基本的に狭ピッチ用コネクタ20と同様であり、狭ピッチの端子186の各端子間には溝部(図示なし)が形成されると共に、周縁部には絶縁層を有する段差部189が形成されている。
【0105】
液晶セル181は、2枚の例えば基板181a,181b間に液晶材料を注入し、封じ込めたもので、一方の基板181a(図28中で上側に位置する基板)上に、画素電極、画素電極に接続してなる薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタのソース、ゲートに電気的に接続してなるソース線、データ線などが形成され、他方の基板181b(図28中で下側に位置する基板)上に、例えば対向電極、カラーフィルタなどが配置されている。
そして、モジュール工程で、液晶セル181に形成された端子電極185と、狭ピッチ用コネクタ182の狭ピッチの端子電極186とが重ね合わされ、あるいはこれらの端子電極185と狭ピッチの端子27aとが導電性部材を挟んで重ね合わされ、加圧と加熱により接続される。
【0106】
また狭ピッチ用コネクタ182の狭ピッチの端子186の他方から拡大延出する配線パターンの末端の端子電極187がテープキャリアパッケージ184の端子188と接続され、これによって端子電極185と駆動IC183とが導通されるようになっている。
この例においても、前述の実施の形態と同様に、狭ピッチ側の端子間に溝部を有すると共に周縁部に絶縁層を有する段差部189を備えた狭ピッチ用コネクタ182を用いることで、接合時の短絡を防止でき、液晶パネルそのものの信頼性を向上できる。
【0107】
以上の他、携帯電話機の液晶パネルと外部配線との接続部に狭ピッチ用コネクタを利用することが考えられる。これにより、液晶パネルの画素ピッチを小さくして高精細にすることが可能になれば、小型でありながらも見やすい表示部を備えた携帯電話機が実現できる。
また他の例として、マイクロポンプと外部配線との接続部に狭ピッチ用コネクタを利用することも考えられる。このように狭ピッチ用コネクタを別に設けることで、マイクロポンプそのものを小型化することができる。
【0108】
【発明の効果】
本発明においては、コネクタの第1の端子電極の間に溝部を形成したことにより、各電極間のピッチが微小になった場合であっても、接続に際して端子電極間に生じる短絡を防止できる。また、隣接する端子電極間の沿面距離を長くすることができ、ノイズの影響を抑制できる。
さらに、少なくとも基板の縁部に絶縁膜を形成したので、基板の縁部に導電性の塵埃が付着ても、縁部に形成された絶縁層に遮られて結晶面に届かない。よって、短絡することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態1に係る狭ピッチ用コネクタと、このコネクタが接続される接続対象物の端子部分を示した正面図である。
【図2】 図2(a)(b)は本発明の実施の形態1に係る狭ピッチ用コネクタにおける縁部の側面拡大図である。
【図3】 図3は本発明の実施の形態1に係る狭ピッチ用コネクタを用いた接続方法の説明図である。
【図4】 図4は図3におけるd部の拡大図である。
【図5】 図5(a)(b)は本発明の実施の形態1に係る狭ピッチ用コネクタを用いた接続方法の説明図である。
【図6】 図6は本発明の実施の形態1に係る狭ピッチ用コネクタの溝部に溜められた接着剤の状態を示す拡大図である。
【図7】 図7(a)(b)は本発明の実施の形態1に係る狭ピッチ用コネクタにおける縁部の断面拡大図である。
【図8】 図8は本発明の実施の形態1に係る狭ピッチ用コネクタを多数形成したシリコンウェハの平面図である。
【図9】 図9は本発明の実施の形態1に係る狭ピッチ用コネクタの製造工程(その1)の説明図である。
【図10】 図10は本発明の実施の形態1に係る狭ピッチ用コネクタの製造工程(その2)の説明図である。
【図11】 図11は本発明の実施の形態1に係る狭ピッチ用コネクタの製造工程(その3)の説明図である。
【図12】 図11は本発明の実施の形態1に係る狭ピッチ用コネクタの製造工程(その4)の説明図である。
【図13】 図13は本発明の実施の形態2に係る狭ピッチ用コネクタの製造工程の要部の説明図である。
【図14】 図14は本発明の実施の形態3に係る狭ピッチ用コネクタの製造工程(その1)を示した工程説明図である。
【図15】 図15は本発明の実施の形態3に係る狭ピッチ用コネクタの製造工程(その2)を示した工程説明図である。
【図16】 図16は実施の形態4の狭ピッチ用コネクタの一部を拡大して示す斜視図である。
【図17】 図17は実施の形態4の狭ピッチ用コネクタの接続範囲の説明図である。
【図18】 図18は実施の形態4の狭ピッチ用コネクタが解決する課題の説明図である。
【図19】 図19(a)(b)は実施の形態4の狭ピッチ用コネクタが解決する課題の説明図である。
【図20】 図20(a)(b)は実施の形態4の作用の説明図である。
【図21】 図21(a)(b)は実施の形態4の作用の説明図である。
【図22】 図22(a)(b)は本発明の実施の形態5に係る静電アクチュエータの構造を示す説明図である。
【図23】 図23は本実施の形態6に係る圧電アクチュエータの説明図である。
【図24】 図24は本実施の形態7に係るインクジェットヘッドの説明図である。
【図25】 図25は本実施の形態8に係るインクジェットプリンタの内部の説明図である。
【図26】 図26は本実施の形態8に係るインクジェットプリンタの外観図図である。
【図27】 図27は本実施の形態9に係る他の例としての光変調装置の説明図である。
【図28】 図28は本実施の形態10に係る液晶パネルの説明図である。
【符号の説明】
20 狭ピッチ用コネクタ
23 半導体装置
26 接続対象物
29 段差部
30 第1端子電極
31 絶縁膜
32 第2端子電極
33A 溝部
Claims (18)
- 複数の第1端子電極と複数の第2端子電極とを備えた基板を有し、前記第1端子電極のピッチは前記第2端子電極のピッチより狭く、かつ前記第1端子電極数は前記第2端子電極数より多いコネクタであって、
前記基板は、単結晶シリコン基板からなり、
前記基板の縁部に第1端子電極が形成されることとなる部位間に、溝部を形成すると共に、該溝部及び前記基板の縁部を含めて前記基板上に絶縁膜を形成し、
前記基板の絶縁膜上に、該基板の一方の縁部に前記溝部を挟むように形成された複数の第1端子電極と、該基板の他の縁部に形成された複数の第2端子電極と、前記第1端子電極に接続してなる第1配線と、前記第2端子電極に接続してなる第2配線と、前記第1配線及び前記第2配線に電気的に接続してなる半導体装置とが密着形成してなり、
前記第1端子電極は、接続対象物に形成されてなる外部端子電極と電気的に接続するための電極であり、前記溝部は、前記第1端子電極と前記外部端子電極とを接続するための接着剤を溜める機能を有することを特徴とするコネクタ。 - 前記絶縁膜は、少なくとも前記溝部を有する側の縁部に形成されてなることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 前記縁部は傾斜部を有することを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ。
- 前記縁部は段差部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコネクタ。
- 前記溝部には、前記絶縁膜の上に金属膜が形成されてなることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 前記金属膜は前記基板に接続されてなり、且つグランド配線部または電源配線部に接続されてなることを特徴とする請求項5記載のコネクタ。
- 前記溝部の深さは前記接着剤に含まれる導電性粒子の粒子径の3倍以上に設定されてなることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 前記第1端子電極は接続対象物に形成されてなる外部端子電極と電気的に接続するための電極であって、
前記溝部は、前記第1端子電極と前記外部端子電極とが重ね合わせられる部分の長さよりも長いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のコネクタ。 - 前記基板の熱膨張係数は、前記接続対象物の熱膨張係数に略等しい、または前記接続対象物の熱膨張係数より小さい特性を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のコネクタ。
- 前記単結晶シリコンの結晶面が(100)面であることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
- 前記単結晶シリコンの結晶面が(110)面であることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載のコネクタを備えてなるインクジェットヘッドであって、
インク液滴を吐出させるための圧電振動子を含む圧電アクチュエータを有し、前記圧電振動子と接続された配線部を有する基板における端子電極に前記コネクタが接続されてなることを特徴とするインクジェットヘッド。 - 請求項1乃至11のいずれかに記載のコネクタを備えてなるインクジェットヘッドであって、
インク液滴を吐出させるための静電振動子を含む静電アクチュエータを有し、前記静電振動子と対向して配置される駆動電極部を有する基板における端子電極に前記コネクタが接続されてなることを特徴とするインクジェットヘッド。 - 請求項12又は13のインクジェットヘッドを備えてなることを特徴とするインクジェットプリンタ。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載のコネクタを備えてなる表示装置であって、表示装置の表示素子が形成された基板に前記コネクタが接続されてなることを特徴とする表示装置。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載のコネクタを備えてなる電子機器であって、小型回路部品を形成した基板に前記コネクタが接続されてなることを特徴とする電子機器。
- 複数の第1端子電極と複数の第2端子電極とを備えた基板を有し、前記第1端子電極のピッチは前記第2端子電極のピッチより狭く、かつ前記第1端子電極数は前記第2端子電極数より多いコネクタであって、前記基板は、単結晶シリコン基板からなり、前記基板の縁部に第1端子電極が形成されることとなる部位間に、溝部を形成すると共に、該溝部及び前記基板の縁部を含めて前記基板上に絶縁膜を形成し、前記基板の絶縁膜上に、該基板の一方の縁部に前記溝部を挟むように形成された複数の第1端子電極と、該基板の他の縁部に形成された複数の第2端子電極と、前記第1端子電極に接続してなる第1配線と、前記第2端子電極に接続してなる第2配線と、前記第1配線及び前記第2配線に電気的に接続してなる半導体装置とが密着形成してなり、前記第1端子電極は、接続対象物に形成されてなる外部端子電極と電気的に接続するための電極であり、前記溝部は、前記第1端子電極と前記外部端子電極とを接続するための接着剤を溜める機能を有するコネクタの製造方法であって、
シリコンウェハ上のダイシングラインを跨ぐ部位及び、前記第1端子電極間に溝を形成する工程と、前記シリコンウェハ上に絶縁膜を形成する工程と、
前記シリコンウェハ上に前記第1,2端子電極を含む金属配線を形成する工程と、
前記ダイシングラインに沿って前記シリコンウェハをダイシングする工程とを備えたことを特徴とするコネクタの製造方法。 - 半導体装置を実装する工程を備えたことを特徴とする請求項17記載のコネクタの製造方法。
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