JP5082285B2 - 配線構造、デバイス、デバイスの製造方法、液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出装置 - Google Patents
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Description
一般に、液滴吐出ヘッドは、ノズルに連通する圧力発生室と該圧力発生室間を連続させる連通部とを備えた流路形成基板(下部基体)と、この流路形成基板の一方の面側に設けられた圧電素子と、前記流路形成基板の前記圧電素子側に接合されて、前記圧電素子を駆動するためのドライバIC(半導体素子)を備えたリザーバ形成基板(上部基体)と、を備えていて、前記圧電素子と前記ドライバICとは配線によって電気的に接続されたものとなっている。ところで、上記液滴吐出ヘッドは、流路形成基板上にリザーバ形成基板が積層された構造となっていることから、前記流路形成基板上に設けられた圧電素子と前記リザーバ形成基板上に設けられたドライバICとの間には段差が生じている。そのため、前記ドライバICの接続端子と圧電素子に接続する配線部とを接続する際には、段差を介した配線接続を行う必要がある。
このような状態のもとで、前記リザーバ形成基板20の斜面上を通って、前記リザーバ形成基板20の上面及び流路形成基板10の上面まで引き回される配線パターンを形成しようとすると、例えば図11(b)に示すように、配線パターンを形成するためのレジスト45が前記空隙部T1に入り込んでしまう。よって、上述した流路形成基板の内側面を傾斜面とする構造においても、前記リザーバ形成基板20の傾斜面と前記流路形成基板10の上面との接続部分に形成される配線パターンが断線するおそれがあるという、改善すべき課題が生じてしまう。
このようにすれば、上部基体に形成された凹部に接着層が配置されるので、それぞれの基体を貼り合わせた際に、これら基体間の外側に接着層が迫り出し、該接着層によって配線を断線させるのを防止できる。
このようにすれば、前記傾斜面に沿って形成された配線が下部基体の上面側と接触する際に急激に曲げられるのを防止できる。
このようにすれば、例えばフォトリソグラフィ法を用いて感光性樹脂をパターニングすることで、所望の形状の下地パターンを得ることが可能となる。
また、前記下地パターンはメッキの析出を促進させる触媒を含んでいるので、例えば下地パターン上に導電材料を膜厚にメッキすることで、電気抵抗が低減された配線となる。
このようにすれば、物理的気相法として例えばスパッタ法によって金属膜をパターニングすることで、導電性の下地パターンが形成される。また、例えば下地パターン上に導電材料を膜厚にメッキすることで、電気抵抗が低減された配線となる。
このようにすれば、該下地パターン上に導電材料を析出させてメッキすることで配線が形成される際、前記メッキを構成する導電材料により接続端子を形成しているので、前記下地パターンから析出したメッキが前記接続端子との間で結合し、半導体素子が確実に実装されたものとなる。
このようにすれば、上部基体上に半導体素子を容易で、かつ安価に実装することが可能となる。
よって、下部基体の上面と上部基体の上面との間には段差が生じているが、前記配線により、段差の下段に設けられた第1導電部と段差の上段に設けられた第2導電部とを断線することなく確実に接続できるので、デバイスを製造する際の歩留まりを向上できる。また、上部基体の側面に沿って配線が形成されるので、隣接する配線間の接触によるショートを防止でき、微細なピッチの配線接続を確実に行うことができる。
このようにすれば、前記下部基体との接合面となる側に凹部を設けることで、凸部を確実かつ簡便に形成することができる。
このようにすれば、上部基体に形成された凹部に接着層が配置されるので、それぞれの基体を貼り合わせた際に、これら基体間の外側に接着層が迫り出すのを防止できる。
このようにすれば、面方位(1,0,0)のシリコン基板に対し、例えばKOH等のアルカリ溶液でウエットエッチングを行うことで、各面方位のエッチングレートの違いによりエッチング処理面の側面を傾斜面とすることができる。
このようにすれば、レジストとしての感光性樹脂を塗布した後、例えばフォトリソグラフィ法によって所望の形状の下地パターンを形成することができる。よって、この下地パターン上に厚膜のメッキをすることで、このメッキ層によって配線の抵抗値を低減することができる。
このようにすれば、物理的気相法として例えばスパッタ法によって金属膜をパターニングすることで、上述したフェースアップ実装をした半導体素子の接続端子上に導電性の下地パターンを形成できる。これにより、半導体素子と第1導電部とを接続する配線を形成することができる。また、この下地パターン上に導電材料をメッキしているので、このメッキにより膜厚のある配線となり、電気抵抗の低い配線を提供することができる。
このようにすれば、例えば前記下地パターンが独立した状態に設けられていてもメッキ処理を行うことができ、しかもメッキ膜形成時の温度上昇を抑制することができ、基体の反り発生を抑制できる。
そして、上部基体の側面に沿って配線が形成されているので、微細なピッチの配線接続を行う際にも、隣接する配線間が接触しショートするのを防止できる。
よって、下部基体の上面と上部基体の上面との間には段差が生じているが、前記配線により、段差の下段に設けられた圧電素子と段差の上段に設けられた半導体素子とを断線することなく確実に接続できる。また、上部基体の側面に沿って配線が形成されるので、隣接する配線間の接触によるショートを防止でき、微細なピッチの配線接続を確実に行うことができる。
なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。
はじめに、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第1実施形態について図1から図3を参照しつつ説明する。
図1は液滴吐出ヘッドの一実施形態を示す斜視構成図、図2は液滴吐出ヘッドを下側から見た斜視構成図の一部破断図、図3は図1のA−A線に沿う断面構成図である。
本実施形態の液滴吐出ヘッド1は、機能液を液滴状にしてノズルから吐出するものである。図3に示すように、液滴吐出ヘッド1は、液滴が吐出されるノズル15に連通する圧力発生室12が形成された流路形成基板(下部基体)10と、前記圧力発生室12の上面に配設され圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧電素子300と、圧力発生室12の上面に配設され圧電素子300を覆うリザーバ形成基板(上部基体)20と、リザーバ形成基板20の上面に配設され圧電素子300を駆動する半導体素子200とを備えて構成されている。なお、流路形成基板10は、基板本体410と該基板本体410上に貼り合わされた振動板400とから構成されるものである。
ここで、本実施形態に係る液滴吐出ヘッド1は、デバイス、及び配線構造を備えたものであって、液滴吐出ヘッドの実施形態は、配線構造、及びデバイスの一実施形態を含むものである。
具体的に、液滴吐出ヘッド1は、本発明のデバイス、及び配線構造における上部基体を前記リザーバ形成基板20として備えたものである。さらには、圧電素子300に導通する端子部を第1導電部とし、半導体素子200の接続端子を第2導電部として備えている。
図2に示すように、液滴吐出ヘッド1の下側(−Z側)には、ノズル基板16が装着されている。ノズル基板16には、液滴を吐出する複数のノズル15が、Y軸方向に配列して設けられている。本実施形態では、ノズル基板16上の複数の領域に配列された一群のノズル15を、それぞれ第1ノズル群15A、第2ノズル群15B、第3ノズル群15C、及び第4ノズル群15Dと称する。
なお、図2では各ノズル群15A〜15Dのそれぞれが6個のノズル15によって構成されているように示されているが、実際には各ノズル群は例えば720個程度のノズル15によって構成されるものである。
ノズル基板16の上側(+Z側)には、流路形成基板10が配置されている。流路形成基板10の下面とノズル基板16とは、例えば接着剤や熱溶着フィルム等を介して固定されている。流路形成基板10を構成する基板本体410は、シリコンやガラス、セラミックス材料等で構成することが可能であり、本実施形態の場合にはシリコンによって形成されている。流路形成基板10の内側には、その中央部からX方向に延びる複数の隔壁11が形成されている。この隔壁11は、流路形成基板10の母材であるシリコン基板を異方性エッチングにより部分的に除去して形成されている。この隔壁11により、流路形成基板10には、複数の平面視略櫛歯状の開口領域が区画形成されている。これらの開口領域のうち、X軸方向に延びて形成された部分が、ノズル基板16と振動板400とにより囲まれて圧力発生室12を構成する。この圧力発生室12は、機能液を収容し、液滴吐出ヘッド1の動作時に印加される圧力によってノズル15から機能液を吐出するようになっている。
また、流路形成基板10に形成された平面視略櫛歯状の開口領域のうち、図示Y方向に延びて形成された部分が、リザーバ100を構成している。第1圧力発生室群12Aを形成する複数の圧力発生室12における基板外縁部側(+X側)の端部は、上述したリザーバ100に接続されている。リザーバ100は、圧力発生室12に供給する機能液を予備的に保持するものであって、第1圧力発生室群12Aを構成する複数の圧力発生室12の共通の機能液保持室(インク室)となっている。なお、第2、第3、第4圧力発生室群12B、12C、12Dのそれぞれにも、上述と同様のリザーバ100が接続されており、それぞれ圧力発生室群12B〜12Dに供給される機能液の一時貯留部を構成している。
ところが、リザーバ100の可撓部22が撓み変形してその圧力変化を吸収するので、リザーバ100内を常に一定の圧力に保持することができるようになっている。
一方、流路形成基板10の図示上面側(+Z側)には、振動板400が配置されている。この振動板400は、流路形成基板10側から順に弾性膜50と下電極膜60とを積層した構造となっている。流路形成基板10側に配される弾性膜50は、例えば1〜2μm程度の厚さの酸化シリコン膜からなるものであり、下電極膜60は、例えば0.2μm程度の厚さの金属膜からなるものである。本実施形態において、下電極膜60は、流路形成基板10とリザーバ形成基板20との間に配される複数の圧電素子300の共通電極として機能するものとなっている。
なお、圧電素子300の概念としては、圧電体膜70及び上電極膜80に加えて、下電極膜60を含むものであってもよい。下電極膜60は圧電素子300として機能する一方、振動板400としても機能するからである。本実施形態では、弾性膜50及び下電極膜60が振動板400として機能する構成を採用しているが、弾性膜50を省略して下電極膜60が弾性膜50を兼ねる構成とすることもできる。
そして、圧電素子300を覆うように、流路形成基板10の図示上面側(+Z側)にリザーバ形成基板(上部基体)20が配置されている。また、前記流路形成基板10とリザーバ形成基板20とは、接着樹脂等からなる接着層(図示せず)によって貼り合わされている。リザーバ形成基板20は、流路形成基板10とともに液滴吐出ヘッド1の基体を成す部材であるから、その構成材料として、流路形成基板10と略同一の熱膨張率を有する剛性材料を用いることが好ましい。本実施形態の場合、流路形成基板10がシリコンからなるので、それと同一材料のシリコン基板が好適に用いられる。シリコン基板は、異方性エッチングにより容易に高精度の加工を施すことが可能であるため、次述する圧電素子保持部24等を容易に形成できるという利点が得られる。なお、流路形成基板10と同様に、ガラスやセラミック材料等を用いてリザーバ形成基板20を構成することも可能である。
ここで、液滴吐出ヘッド1を構成する、本発明の配線構造、及びデバイスの一実施形態について説明する。図4は、液滴吐出ヘッド1の一部を構成する配線構造(デバイス)を示す図であり、図中符号500はデバイス、500aは配線構造である。
なお、図4中においては、図示を簡略化するため、圧電素子300、及び圧電素子保持部24の図示を省略している。なお、液滴吐出ヘッド1は、後述するように振動板400が設けられた流路形成基板(下部基体)10上に設けられたリード電極90とリザーバ形成基板20の上面に設けられる第2導電部を配線により接続する配線構造500a、及び前記第2導電部を半導体素子200の接続端子44とするデバイス500を備えたものである。
ところで、従来接着層3が硬化した際に収縮することで、この接着層3が内側に引き込まれ、結果として前記流路形成基板10と前記リザーバ形成基板20との間の外周側(前記傾斜面35側)に、図11を参照して説明した接着層3が充填されていない空隙部T1が生じてしまう。すると、流路形成基板10の上面とリザーバ形成基板20の上面(リード電極90と半導体素子200の接続端子44)とを接続する配線が空隙部により断線するおそれがある。
また、前記下地パターン34aはメッキの析出を促進させる触媒を含んでいるので、下地パターン34a上に膜厚のある導電材料をメッキ34bすることで配線として必要な抵抗値を備えることができる。
図3に示した液滴吐出ヘッド1により機能液の液滴を吐出するには、当該液滴吐出ヘッド1に接続された外部コントローラ(図示略)によって機能液導入口25に接続された不図示の外部機能液供給装置を駆動する。外部機能液供給装置から送出された機能液は、機能液導入口25を介してリザーバ100に供給された後、ノズル15に至るまでの液滴吐出ヘッド1の内部流路を満たすようになる。
すると、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧が印加される結果、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体膜70に変位が生じ、この変位によって各圧力発生室12の容積が変化して内部圧力が高まり、ノズル15より液滴が吐出されることとなる。
また、流路形成基板10の上面とリザーバ形成基板20の上面との間には段差が生じているものの、圧電素子300と半導体素子200の接続端子44との間を配線34によって確実に導通することができる。また、本実施形態では、接着層3をリザーバ形成基板20に形成した凹部20a内に配置しているので、接着層3が基体間の外側(傾斜面35側)に迫り出すのを防止し、迫り出した接着層3により配線34が断線するのを防止することができる。
このように、本実施形態の液滴吐出ヘッド1は、接続信頼性の高い配線構造500aにより半導体素子200が実装されたデバイス500を搭載しているので、信頼性が高いものとなっている。
また、本実施形態の配線構造500aによれば、段差下部の第1導電部(リード電極90)と段差上部の第2導電部(接続端子44)とを良好に接続できる。
次に、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法の一実施形態の説明として、前記液滴吐出ヘッド1を製造する場合について、図6を参照して説明する。なお、前記液滴吐出ヘッド1は、上述したように本発明のデバイス自体を含むものであるため、以下の液滴吐出ヘッドを製造する工程によりデバイスを製造する方法についても説明する。また、図6に示す各図は、図1のA−A線に沿う概略断面構成に対応する図である。
具体的には、図6(a)に示すように、シリコン基板120の表面にレジストを塗布し、フォトリソグラフィにより前記圧電素子保持部24を形成すべき部分に開口部が形成されたマスクM1を形成する。次に、シリコン基板120を35重量%程度の水酸化カリウム(KOH)水溶液に浸漬して、前記マスクM1の開口部から露出したシリコン基板120の異方性エッチングを行う。このとき、各面方位のエッチングレートの違いから、エッチング処理面が約54°に傾斜した状態に形成される。そして、前記マスクM1を剥離することでシリコン基板120に圧電素子保持部24が形成される。
エッチング加工前の流路形成基板10上の圧電素子300を覆う位置に、リザーバ形成基板20を位置合わせして接着層3を介して前記流路形成基板10と前記リザーバ形成基板20とを貼着する。このとき、流路形成基板10上の中央部に延設された圧電素子300に接続するリード電極90が、リザーバ形成基板20の中央部に形成された貫通溝27を通して露出するように両基板10,20を配置する。
前記リザーバ形成基板20の上面側から傾斜面35となっている側面に下地パターン34aを形成する。
具体的には、シリコン基板120の表面に、メッキの析出を促進させる触媒を含む感光性樹脂、例えばPd(パラジウム)の微粒子が分散された感光性樹脂材料の液状体をスプレーコート法等により塗布することで、前記傾斜面35上にも前記感光性樹脂36を均一に設ける。そして、前記配線34のパターンが描画されたマスクを介して前記感光性樹脂36を露光し、現像する。これにより、図7(b)に示すように、シリコン基板120の表面に配線34を構成するための下地パターン34aをパターニングする。
具体的には、図7(c)に示すように、リザーバ形成基板20の上面に半導体素子200を接着する。具体的には、まず半導体素子200下面側の中央部に、熱可塑性樹脂材料からなる接着層42を塗布する。そして、半導体素子200の接続端子44をリザーバ形成基板20側に向ける、いわゆるフェースダウンの状態で位置合わせして、半導体素子200を加熱しつつリザーバ形成基板20に対して加圧する。
次に、水酸化ナトリウムベースでpH9〜13のアルカリ性水溶液を20〜60℃に加温した中に1秒〜5分浸漬し、表面の酸化膜を除去する。なお、5〜30%硝酸をベースとしたpH1〜3の酸性水溶液を20〜60℃に加温した中に1秒から5分浸漬しても良い。
さらに、置換Auメッキ欲中に浸漬し、Ni表面をAuに置換しても良い。なお、Auは0.05μm〜0.3μm程度の厚さに形成する。またAu浴は、シアンフリータイプを用い、pH6〜8、浴温50〜80℃とし、1〜30分浸漬する。
具体的には、図5に示したように半導体素子200の接続端子44の表面にメッキ44aが析出し、下地パターン34aの表面にメッキ34bが析出する。また、前記リード電極90の近傍の下地パターン34aから析出したメッキ34bは、前記リード電極90上に形成するようになる。このように、メッキ34bおよびメッキ44aが相互に結合するまで両メッキを成長させることで配線34が形成され、該配線34によって半導体素子200の接続端子44と前記圧電素子300に導通するリード電極90とが電気的に接続される。よって、配線34は、半導体素子200と圧電素子300とを電気的接続する。
なお、各化学処理の間には水洗処理を行う。水洗槽としては、オーバーフロー構造あるいはQDR機構を有したものを用い、最下面からN2バブリングを行う。なお、バブリング方法は樹脂製のチューブなどに穴をあけてN2を出す方法や、燒結体などを通じてN2を出す方法がある。これらにより、短時間で十分効果のあるリンスを行うことができる。
以上の工程により、液滴吐出ヘッド1が形成される。
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第2実施形態につき図8を用いて説明する。なお、本実施形態における液滴吐出ヘッドは、上記第1実施形態の液滴吐出ヘッド1を構成している配線構造、及びデバイスとは別のものから構成されている。なお、前記第1の実施形態における液滴吐出ヘッド1と共通の構成の部分については、同一の符号を付して説明することとし、説明を省略する。
図9は、第2実施形態に係る液滴吐出ヘッドの断面構造における説明図である。図8に示すように、第2実施形態に係る液滴吐出ヘッドは、リザーバ形成基板20上に半導体素子200がその接続端子44側の面を上にした、いわゆるフェースアップの状態で実装されている点で、第1実施形態と相違している。
このようにスパッタ法によって金属膜をパターニングすることで、導電性の下地パターン38aを形成できる。また、この下地パターン38aにはメッキが析出されているので、このメッキにより膜厚を稼ぐことで配線38としての電気抵抗を低減している。
よって、図9(d)に示すように、リザーバ形成基板20の傾斜面35に沿って断線が防止された下地パターン38aを形成でき、この下地パターン38aにより半導体素子200の接続端子44と圧電素子300に導通するリード電極90とを電気的に導通させる。
次に、本発明の液滴吐出装置の一実施形態について図10を参照しながら説明する。本実施形態における液滴吐出装置は、前述した液滴吐出ヘッド1を備えたインクジェット式記録装置について説明する。
Claims (14)
- 上面側に第1導電部が設けられた下部基体と、
上面側に第2導電部が設けられ、下面側に凹部が設けられた上部基体と、
前記凹部に配置され、前記下部基体と前記上部基体とを接合する接着層と、
を有し、
前記上部基体は、側面に、前記下部基体との接合面側の外縁部で、前記下部基体の上面側に当接し、前記下部基体の上面に対して傾斜角が鋭角である凸部を有し、
前記上部基体の上面側から前記凸部の表面を通って前記下部基体の上面側まで引き回され、前記第1導電部と、前記第2導電部と、を電気的に接続配線していることを特徴とする配線構造。 - 請求項1に記載の配線構造を備え、前記第2導電部が半導体素子の接続端子であることを特徴とするデバイス。
- 前記配線は、メッキの析出を促進させる触媒を含む感光性樹脂からなる下地パターンと、該下地パターンに析出したAl、Ni−Cr、Cu、Ni、Au、又はAgを含む導電材料とから構成されていることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
- 前記配線は、物理的気相法によって形成された導電性の下地パターンと、該下地パターン上に析出したAl、Ni−Cr、Cu、Ni、Au、又はAgを含む導電材料とから構成されていることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
- 前記半導体素子の接続端子は、Al、Ni−Cr、Cu、Ni、Au、又はAgを含む導電材料、又は2種類以上の前記導電材料が組み合わされたもので形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のデバイス。
- 前記半導体素子は前記上部基体の上面に接着層を介して保持されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のデバイス。
- 上面側に第1導電部が設けられた下部基体と、
上面側に半導体素子の接続端子が設けられ、下面側に凹部が設けられた上部基体と、
前記凹部に配置され、前記下部基体と前記上部基体とを接合する接着層と、
を有し、
前記第1導電部と、前記半導体素子の接続端子と、を電気的に接続配線するデバイスの製造方法であって、
前記上部基体の側面に、前記下部基体との接合面側の外縁部で、前記下部基体の上面側に当接し、前記下部基体の上面に対して傾斜角が鋭角である凸部を形成する工程と、
前記下部基体の上面側に前記凸部を当接させるようにして、前記下部基体と前記上部基体とを前記凹部に設けられた前記接着層を介して接合する工程と、
前記上部基体上に前記半導体素子を設ける工程と、
前記上部基体の上面側から前記凸部の表面を通って前記下部基体の上面側まで引き回して、前記第1導電部と、前記半導体素子の接続端子とを電気的に接続配線する工程と、を備えたことを特徴とするデバイスの製造方法。 - 前記上部基体として面方位(1,0,0)のシリコン基板を用い、該シリコン基板を異方性エッチングすることにより前記上部基体の側面を形成することを特徴とする請求項7に記載のデバイスの製造方法。
- 前記配線は、メッキの析出を促進させる触媒を含む感光性樹脂からなる下地パターンを形成した後、該下地パターンにAl、Ni−Cr、Cu、Ni、Au、又はAgを含む導電材料を析出して形成されていることを特徴とする請求項7〜8のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
- 前記配線は、物理的気相法によって導電性の下地パターンを形成した後、該下地パターンにAl、Ni−Cr、Cu、Ni、Au、又はAgを含む導電材料を析出して形成されていることを特徴とする請求項7〜8のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
- 前記導電性材料を無電解メッキにより析出させることを特徴とする請求項9〜10のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
- 液滴を吐出するノズルに連通する圧力発生室が設けられた下部基体と、
該下部基体の上面側に配設され前記圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧電素子と、
前記下部基体に設けられた前記圧電素子を覆って設けられ、下面側に凹部が設けられた上部基体と、
該上部基体の上面側に配設され前記圧電素子を駆動する半導体素子と、
前記凹部に配置され、前記下部基体と前記上部基体とを接合する接着層と、
前記上部基体の上面から該上部基体の側面を通って前記下部基体の上面にまで引き回され、前記圧電素子と前記半導体素子とを導通させる配線と、
を備えた液滴吐出ヘッドであって、
前記上部基体は、側面に、前記下部基体との接合面側の外縁部で、前記下部基体の上面側に当接し、前記下部基体の上面に対して傾斜角が鋭角である凸部が設けられていて、
前記上部基体の上面側から前記凸部の表面を通って前記下部基体の上面側まで引き回され、前記圧電素子と、前記半導体素子とを電気的に接続配線していることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 液滴を吐出するノズルに連通する圧力発生室が設けられた下部基体と、
該下部基体の上面側に配設され前記圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧電素子と、
前記下部基体に設けられた前記圧電素子を覆って設けられ、下面側に凹部が設けられた上部基体と、
該上部基体の上面側に配設され前記圧電素子を駆動する半導体素子と、
前記圧電素子と、前記半導体素子と、を電気的に接続配線する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
前記上部基体の側面に、前記下部基体との接合面側の外縁部で、前記下部基体の上面側に当接し、前記下部基体の上面に対して傾斜角が鋭角である凸部を形成する工程と、
前記下部基体の上面側に前記凸部を当接させるようにして、前記下部基体と前記上部基体とを前記凹部に設けられた前記接着層を介して接合する工程と、
前記上部基体上に前記半導体素子を設ける工程と、
前記上部基体の上面側から前記凸部の表面を通って前記下部基体の上面側まで引き回して、前記圧電素子と、前記半導体素子とを電気的に接続配線する工程と、
を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 請求項13に記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
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