JP2007062035A - 液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出装置 - Google Patents
液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 ウエハプロセスによって提供される液滴吐出ヘッドをそれぞれ小型化することで、各ウエハからの取り出し個数を増加してコストの低減を図った、液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】 複数の圧力発生室12と圧力発生室12間をそれぞれ連通させる連通部13とが形成された流路形成基板10と、流路形成基板10の上面側に配設され圧力発生室12に圧力変化を生じさせる駆動素子300と、駆動素子300を覆って設けられ連通部13に連通するインクリザーバ21を備えた封止基板20と、を備えた液滴吐出ヘッド1である。封止基板20は段差構造を備えてなり、インクリザーバ21は、段差構造の上段部を貫通した状態に設けられ、半導体素子200は、段差構造の下段部の上面に設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】 複数の圧力発生室12と圧力発生室12間をそれぞれ連通させる連通部13とが形成された流路形成基板10と、流路形成基板10の上面側に配設され圧力発生室12に圧力変化を生じさせる駆動素子300と、駆動素子300を覆って設けられ連通部13に連通するインクリザーバ21を備えた封止基板20と、を備えた液滴吐出ヘッド1である。封止基板20は段差構造を備えてなり、インクリザーバ21は、段差構造の上段部を貫通した状態に設けられ、半導体素子200は、段差構造の下段部の上面に設けられている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出装置に関する。
画像の形成やマイクロデバイスの製造に際して液滴吐出法(インクジェット法)が提案されている。この液滴吐出法は、半導体デバイスにおける配線を形成するための材料を含んだ機能液を液滴状にして液滴吐出ヘッドより吐出し、基体上に所望の配線パターンを形成する方法である。
一般に、液滴吐出ヘッドは、ノズルに連通する圧力発生室と該圧力発生室間を連続させる連通部とを備えた流路形成基板と、この流路形成基板の一方の面側に設けられた駆動素子と、該駆動素子を覆って設けられ、前記連通部に連通するインクリザーバを備えた封止基板と、前記駆動素子を駆動するためのドライバIC(半導体素子)と、を備えていて、前記駆動素子と前記ドライバICとは配線によって電気的に接続されたものとなっている。ところで、上記液滴吐出ヘッドは、流路形成基板上に封止基板が積層された構造となっていることから、前記流路形成基板上に設けられた駆動素子と前記封止基板上に設けられたドライバICとの間には段差が生じている。そのため、前記ドライバICの接続端子と駆動素子に接続する配線部とを接続する際には、段差を介した配線接続を行う必要がある。
一般に、液滴吐出ヘッドは、ノズルに連通する圧力発生室と該圧力発生室間を連続させる連通部とを備えた流路形成基板と、この流路形成基板の一方の面側に設けられた駆動素子と、該駆動素子を覆って設けられ、前記連通部に連通するインクリザーバを備えた封止基板と、前記駆動素子を駆動するためのドライバIC(半導体素子)と、を備えていて、前記駆動素子と前記ドライバICとは配線によって電気的に接続されたものとなっている。ところで、上記液滴吐出ヘッドは、流路形成基板上に封止基板が積層された構造となっていることから、前記流路形成基板上に設けられた駆動素子と前記封止基板上に設けられたドライバICとの間には段差が生じている。そのため、前記ドライバICの接続端子と駆動素子に接続する配線部とを接続する際には、段差を介した配線接続を行う必要がある。
このような液滴吐出ヘッドの一例として、前記封止基板に開口部を形成して、該開口部内に駆動素子に接続する配線部を露出させ、段差上部にあるドライバICの接続端子と、段差下部にある駆動素子の配線部との間を、前記開口部を通してワイヤーボンディングによって導通したものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
ところで、一般的に、上記封止基板を形成するに際しては、ウエハ基板上に多数形成した後、各封止基板に個片化するウエハプロセスが用いられている。そのため、各封止基板の平面積を小さくすることで、ウエハ基板からの取り出し個数が増加し、封止基板の低コスト化を図ることができる。ここで、封止基板の平面積が小さくした際に、インクリザーバが小さくなってしまうと、ヘッドに供給されるインク量が減少し、良好にインクを吐出することができなくなる。
特開2000−127379号公報
特開2000−135790号公報
特開2000−296616号公報
そこで、平面積を小さくした厚みのある封止基板を用いることで、厚み方向に大きなインクリザーバを形成し、封止基板の平面積を小さくしつつ、インクリザーバの容量を確保する方法が考えられる。
しかしながら、このように封止基板の厚みが大きくなると、前記封止基板の上面に設けられたドライバICと前記流路形成基板上に設けられた駆動素子に接続する配線部との間に生じる段差が大きくなってしまう。
このような状態のもとで、前記ドライバICと駆動素子に接続する配線との間をワイヤーボンディングによって接続すると、隣接するワイヤが接触して短絡を起こすおそれがあり、封止基板の低コスト化を図ることができないといった、改善すべき課題がある。
しかしながら、このように封止基板の厚みが大きくなると、前記封止基板の上面に設けられたドライバICと前記流路形成基板上に設けられた駆動素子に接続する配線部との間に生じる段差が大きくなってしまう。
このような状態のもとで、前記ドライバICと駆動素子に接続する配線との間をワイヤーボンディングによって接続すると、隣接するワイヤが接触して短絡を起こすおそれがあり、封止基板の低コスト化を図ることができないといった、改善すべき課題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ウエハ基板からの取り出し個数を増加させる封止基板を備え、該封止基板を備えることで低コスト化が図られた、液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出装置を提供することを目的としている。
本発明の液滴吐出ヘッドは、複数の圧力発生室と該圧力発生室間をそれぞれ連通させる連通部とが形成された流路形成基板と、該流路形成基板の上面側に配設され前記圧力発生室に圧力変化を生じさせる駆動素子と、該駆動素子を覆って設けられ前記連通部に連通するインクリザーバを備えた封止基板と、該封止基板上に設けられ前記駆動素子を駆動する半導体素子と、前記駆動素子と前記半導体素子とを接続する配線と、を備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記封止基板は段差構造を備えてなり、前記インクリザーバは、前記段差構造の上段部を貫通した状態に設けられ、前記半導体素子は、前記段差構造の下段部の上面に設けられている、ことを特徴とする。
本発明の液滴吐出ヘッドによれば、インクリザーバが前記段差構造の上段部を貫通し、前記段差構造の下段部の上面に半導体素子を設けているので、前記インクリザーバにより前記上段部に設けられる開口面は、前記半導体素子が配置された面より高くなる。よって、例えば前記インクリザーバを平面視した際の大きさ(以下、平面積という)を小さくした場合でも、厚みのある上段部にインクリザーバが設けられているので、厚み方向にインクリザーバの容量を保持することができる。このような構成によれば、各封止基板の平面積を小さくできるので、例えばウエハプロセスによって封止基板を形成する際に、ウエハ基板から取り出せる封止基板の数が増加し、封止基板を低コストなものとすることができる。よって、この封止基板を用いて構成される液滴吐出ヘッドは、低コストなものとなる。
また、前記液滴吐出ヘッドにおいては、前記段差構造の下段部には第1開口部が設けられ、該第1開口部内に前記駆動素子に導通する配線部を配置させるように、前記封止基板と前記流路形成基板とが貼りあわされてなり、前記第1開口部を介して配線が設けられ、該配線は前記半導体素子と前記配線部とを接続していることが好ましい。
このようにすれば、前記下段部に形成した第1開口部内に駆動素子の一部が配置されているので、配線として例えばワイヤーボンディングを用いることで半導体素子と駆動素子とが確実に導通されたものとなる。
このようにすれば、前記下段部に形成した第1開口部内に駆動素子の一部が配置されているので、配線として例えばワイヤーボンディングを用いることで半導体素子と駆動素子とが確実に導通されたものとなる。
また、前記液滴吐出ヘッドにおいては、前記第1開口部の内側面は、前記流路形成基板の上面に対し鋭角をなす傾斜面となっていて、前記配線は前記傾斜面に沿って引き回されていることが好ましい。
このようにすれば、傾斜面に沿って配線を引き回すことで断線が防止され、さらにワイヤーボンディングによる接続に比べて微細なピッチの配線形成が可能となる。
このようにすれば、傾斜面に沿って配線を引き回すことで断線が防止され、さらにワイヤーボンディングによる接続に比べて微細なピッチの配線形成が可能となる。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、複数の圧力発生室と該圧力発生室間をそれぞれ連通させる連通部とが形成された流路形成基板と、該流路形成基板の上面側に配設され前記圧力発生室に圧力変化を生じさせる駆動素子と、該駆動素子を覆って設けられ前記連通部に連通するインクリザーバを備えた封止基板と、該封止基板上に設けられ前記駆動素子を駆動する半導体素子と、前記駆動素子と前記半導体素子とを接続する配線と、を備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記封止基板の前駆体となる前駆体基板に第1の凹部を形成して前記前駆体基板に段差構造を設ける工程と、前記段差構造の上段部を貫通した状態に前記インクリザーバを形成し、封止基板とする工程と、前記段差構造の下段部の上面に前記半導体素子を設ける工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、前駆体基板に段差構造を形成して、この段差構造の上段部を貫通した状態にインクリザーバを形成し、前記段差構造の下段部の上面に半導体素子を設けているので、前記インクリザーバにより前記上段部に設けられる開口面は、前記半導体素子が配置された面より高くなる。よって、封止基板の厚み方向にインクリザーバの容量を大きく取ることでインクリザーバの容量を保持しつつ、平面積が小さい封止基板を備えた液滴吐出ヘッドを提供できる。
ここで、上述した構成によれば、ウエハ状の前駆体基板上に複数の封止基板を形成する際に、各封止基板の平面積を小さくできるので、ウエハ状の前駆体基板から取り出せる封止基板の数が増加し、封止基板の製造コストを低減できる。よって、この封止基板を用いて構成される液滴吐出ヘッドは、低コストなものとなる。
ここで、上述した構成によれば、ウエハ状の前駆体基板上に複数の封止基板を形成する際に、各封止基板の平面積を小さくできるので、ウエハ状の前駆体基板から取り出せる封止基板の数が増加し、封止基板の製造コストを低減できる。よって、この封止基板を用いて構成される液滴吐出ヘッドは、低コストなものとなる。
また、前記液滴吐出ヘッドの製造方法においては、前記半導体素子を設ける工程の前に、前記段差構造の下段部を貫通する第1開口部を設ける工程と、前記第1開口部内に前記駆動素子に導通する配線部を配置させるように前記封止基板と前記流路形成基板とを貼りあわせる工程と、前記第1開口部を介して、前記半導体素子と前記駆動素子とを接続する配線を形成する工程と、を備えたことが好ましい。
このようにすれば、前記下段部に形成した第1開口部内に駆動素子の一部を配置しているので、配線として例えばワイヤーボンディングによって半導体素子と駆動素子とが確実に導通する。
このようにすれば、前記下段部に形成した第1開口部内に駆動素子の一部を配置しているので、配線として例えばワイヤーボンディングによって半導体素子と駆動素子とが確実に導通する。
また、前記液滴吐出ヘッドの製造方法においては、前記第1開口部の内側面は、前記流路形成基板の上面に対し鋭角をなす傾斜面となっていて、前記配線は前記傾斜面に沿って引き回されていることが好ましい。
このようにすれば、傾斜面に沿って配線を引き回すことで断線が防止され、さらにワイヤーボンディングによる接続に比べて微細なピッチの配線形成が可能となる。
このようにすれば、傾斜面に沿って配線を引き回すことで断線が防止され、さらにワイヤーボンディングによる接続に比べて微細なピッチの配線形成が可能となる。
また、前記液滴吐出ヘッドの製造方法においては、前記インクリザーバを形成する工程は、前記段差構造の上段部の上面側に第2の凹部を形成した後、前記上段部の下面側から前記第2の凹部に連通し、前記上段部を貫通する第2開口部を設けることが好ましい。
このようにすれば、例えば異方性エッチングを用いることで前記上段部の下面側から第2開口部を形成して前記第2の凹部に連通して前記インクリザーバを形成することで、厚みのある前駆体基板を確実に貫通した状態にインクリザーバ部を形成することができる。
このようにすれば、例えば異方性エッチングを用いることで前記上段部の下面側から第2開口部を形成して前記第2の凹部に連通して前記インクリザーバを形成することで、厚みのある前駆体基板を確実に貫通した状態にインクリザーバ部を形成することができる。
本発明の液滴吐出装置は、上記の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする。
本発明の液滴吐出装置によれば、上述したように、低コストかつ小型化が図られた液滴吐出ヘッドを備えているので、これを備えた液滴吐出装置自体のコスト低減及び小型化が図られたものとなる。
本発明の液滴吐出装置によれば、上述したように、低コストかつ小型化が図られた液滴吐出ヘッドを備えているので、これを備えた液滴吐出装置自体のコスト低減及び小型化が図られたものとなる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。
なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。
(液滴吐出ヘッド)
まず始めに、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第1実施形態について図1及び図2を参照し説明する。
図1は液滴吐出ヘッドの一実施形態を示す側断面、図2は液滴吐出ヘッドを下側から見た斜視構成図の一部破断図である。本実施形態の液滴吐出ヘッド1は、機能液を液滴状にしてノズルから吐出するものである。
液滴吐出ヘッド1は、図1に示すように複数の圧力発生室12と、この圧力発生室12間をそれぞれ連通させる連通部13とが形成された流路形成基板10と、この流路形成基板10の上面側に配設され前記圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧電素子(駆動素子)300と、この圧電素子300を覆って設けられ、前記連通部13に連通するインクリザーバ21を備えたリザーバ形成基板(封止基板)20と、を備えたものであって、前記リザーバ形成基板20上に設けられ前記圧電素子300を駆動する半導体素子200と、前記圧電素子300と前記半導体素子200とをワイヤーボンディング(配線)によって接続している。
そして、液滴吐出ヘッド1の動作は、半導体素子200に接続された図示略の外部コントローラによって制御されるようになっている。
まず始めに、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第1実施形態について図1及び図2を参照し説明する。
図1は液滴吐出ヘッドの一実施形態を示す側断面、図2は液滴吐出ヘッドを下側から見た斜視構成図の一部破断図である。本実施形態の液滴吐出ヘッド1は、機能液を液滴状にしてノズルから吐出するものである。
液滴吐出ヘッド1は、図1に示すように複数の圧力発生室12と、この圧力発生室12間をそれぞれ連通させる連通部13とが形成された流路形成基板10と、この流路形成基板10の上面側に配設され前記圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧電素子(駆動素子)300と、この圧電素子300を覆って設けられ、前記連通部13に連通するインクリザーバ21を備えたリザーバ形成基板(封止基板)20と、を備えたものであって、前記リザーバ形成基板20上に設けられ前記圧電素子300を駆動する半導体素子200と、前記圧電素子300と前記半導体素子200とをワイヤーボンディング(配線)によって接続している。
そして、液滴吐出ヘッド1の動作は、半導体素子200に接続された図示略の外部コントローラによって制御されるようになっている。
図1に示すように、本実施形態の液滴吐出ヘッド1は、後述するように、前記リザーバ形成基板20が段差構造を備えたものとなっていて、前記インクリザーバ21は、前記段差構造の上段部を貫通した状態に設けられ、前記半導体素子200は、前記段差構造の下段部の上面に設けられたものとなっている。また、前記段差構造の下段部には、第1開口部42が設けられていて、この第1開口部42を通して設けられたワイヤーボンディングにより前記圧電素子300と前記半導体素子200とが接続されたものとなっている。
(ノズル)
図2に示すように、液滴吐出ヘッド1の下側(−Z側)には、ノズル基板16が装着されている。ノズル基板16には、液滴を吐出する複数のノズル15が、Y軸方向に配列して設けられている。本実施形態では、ノズル基板16上の複数の領域に配列された一群のノズル15を、それぞれ第1ノズル群15A、第2ノズル群15B、第3ノズル群15C、及び第4ノズル群15Dと称する。
図2に示すように、液滴吐出ヘッド1の下側(−Z側)には、ノズル基板16が装着されている。ノズル基板16には、液滴を吐出する複数のノズル15が、Y軸方向に配列して設けられている。本実施形態では、ノズル基板16上の複数の領域に配列された一群のノズル15を、それぞれ第1ノズル群15A、第2ノズル群15B、第3ノズル群15C、及び第4ノズル群15Dと称する。
第1ノズル群15Aと第2ノズル群15BとはX軸方向に並んで配置されている。第3ノズル群15Cは第1ノズル群15Aの+Y側に設けられており、第4ノズル群15Dは第2ノズル群15Bの+Y側に設けられている。これら第3ノズル群15Cと第4ノズル群15DとはX軸方向に並んで配置されている。
なお、図2では各ノズル群15A〜15Dのそれぞれが6個のノズル15によって構成されているように示されているが、実際には各ノズル群は例えば720個程度のノズル15によって構成されるものである。
なお、図2では各ノズル群15A〜15Dのそれぞれが6個のノズル15によって構成されているように示されているが、実際には各ノズル群は例えば720個程度のノズル15によって構成されるものである。
(圧力発生室)
ノズル基板16の上側(+Z側)には、流路形成基板(第1部材)10が配置されている。流路形成基板10の下面とノズル基板16とは、例えば接着剤や熱溶着フィルム等を介して固定されている。流路形成基板10はシリコンやガラス、セラミックス材料等で構成することが可能であり、本実施形態の場合にはシリコンによって形成されている。流路形成基板10の内側には、その中央部からX方向に延びる複数の隔壁11が形成されている。この隔壁11は、流路形成基板10の母材であるシリコン単結晶基板を異方性エッチングにより部分的に除去して形成されている。この隔壁11により、流路形成基板10には、複数の平面視略櫛歯状の開口領域が区画形成されている。これらの開口領域のうち、X軸方向に延びて形成された部分が、ノズル基板16と振動板400とにより囲まれて圧力発生室(第1部材)12を構成する。この圧力発生室12は、機能液を収容し、液滴吐出ヘッド1の動作時に印加される圧力によってノズル15から機能液を吐出するようになっている。
ノズル基板16の上側(+Z側)には、流路形成基板(第1部材)10が配置されている。流路形成基板10の下面とノズル基板16とは、例えば接着剤や熱溶着フィルム等を介して固定されている。流路形成基板10はシリコンやガラス、セラミックス材料等で構成することが可能であり、本実施形態の場合にはシリコンによって形成されている。流路形成基板10の内側には、その中央部からX方向に延びる複数の隔壁11が形成されている。この隔壁11は、流路形成基板10の母材であるシリコン単結晶基板を異方性エッチングにより部分的に除去して形成されている。この隔壁11により、流路形成基板10には、複数の平面視略櫛歯状の開口領域が区画形成されている。これらの開口領域のうち、X軸方向に延びて形成された部分が、ノズル基板16と振動板400とにより囲まれて圧力発生室(第1部材)12を構成する。この圧力発生室12は、機能液を収容し、液滴吐出ヘッド1の動作時に印加される圧力によってノズル15から機能液を吐出するようになっている。
各圧力発生室12は、複数のノズル15に対応して設けられている。すなわち、圧力発生室12は、第1〜第4ノズル群15A〜15Dのそれぞれを構成する複数のノズル15に対応するように、Y軸方向に複数並んで設けられている。そして、第1ノズル群15Aに対応して複数形成された圧力発生室12が第1圧力発生室群12Aを構成し、第2ノズル群15Bに対応して複数形成された圧力発生室12が第2圧力発生室群12Bを構成し、第3ノズル群15Cに対応して複数形成された圧力発生室12が第3圧力発生室群12Cを構成し、第4ノズル群15Dに対応して複数形成された圧力発生室12が第4圧力発生室群12Dを構成している。第1圧力発生室群12Aと第2圧力発生室群12BとはX軸方向に並んで配置されており、それらの間にはY軸方向に伸びる隔壁10Kが形成されている。同様に、第3圧力発生室群12Cと第4圧力発生室群12DとはX軸方向に並んで配置されており、それらの間にもY軸方向に伸びる隔壁10Kが形成されている。
(圧電素子)
一方、流路形成基板10の図示上面側(+Z側)には、振動板400が配置されている。この振動板400は、流路形成基板10側から順に弾性膜50と下電極膜60とを積層した構造となっている。流路形成基板10側に配される弾性膜50は、例えば1〜2μm程度の厚さの酸化シリコン膜からなるものであり、下電極膜60は、例えば0.2μm程度の厚さの金属膜からなるものである。本実施形態において、下電極膜60は、流路形成基板10とリザーバ形成基板20との間に配される複数の圧電素子300の共通電極として機能するものとなっている。
一方、流路形成基板10の図示上面側(+Z側)には、振動板400が配置されている。この振動板400は、流路形成基板10側から順に弾性膜50と下電極膜60とを積層した構造となっている。流路形成基板10側に配される弾性膜50は、例えば1〜2μm程度の厚さの酸化シリコン膜からなるものであり、下電極膜60は、例えば0.2μm程度の厚さの金属膜からなるものである。本実施形態において、下電極膜60は、流路形成基板10とリザーバ形成基板20との間に配される複数の圧電素子300の共通電極として機能するものとなっている。
振動板400の図示上面側(+Z側)には、振動板400を変形させるための圧電素子300が配置されている。圧電素子300は、下電極膜60側から順に圧電体膜70と上電極膜80とを積層した構造となっている。圧電体膜70は、例えば1μm程度の厚さのPZT膜等からなるものであり、上電極膜80は、例えば0.1μm程度の厚さの金属膜からなるものである。
なお、圧電素子300の概念としては、圧電体膜70及び上電極膜80に加えて、下電極膜60を含むものであってもよい。下電極膜60は圧電素子300として機能する一方、振動板400としても機能するからである。本実施形態では、弾性膜50及び下電極膜60が振動板400として機能する構成を採用しているが、弾性膜50を省略して下電極膜60が弾性膜50を兼ねる構成とすることもできる。
なお、圧電素子300の概念としては、圧電体膜70及び上電極膜80に加えて、下電極膜60を含むものであってもよい。下電極膜60は圧電素子300として機能する一方、振動板400としても機能するからである。本実施形態では、弾性膜50及び下電極膜60が振動板400として機能する構成を採用しているが、弾性膜50を省略して下電極膜60が弾性膜50を兼ねる構成とすることもできる。
また、上記圧電素子300は、複数のノズル15及び圧力発生室12に対応するように複数設けられている。本実施形態では、便宜的に、第1ノズル群15Aを構成するノズル15のそれぞれに対応するようにY軸方向に複数並んで設けられた一群の圧電素子300を第1圧電素子群と呼び、第2ノズル群15Bを構成するノズル15のそれぞれに対応するようにY軸方向に複数並んで設けられた一群の圧電素子300を第2圧電素子群と呼ぶこととする。また、第3ノズル軍に対応する一群の圧電素子を第3圧電素子群と呼び、第4ノズル軍に対応する一群の圧電素子を第4圧電素子群と呼ぶ。上記第1圧電素子群と第2圧電素子群とはX軸方向に並んで配置され、同様に第3圧電素子群と第4圧電素子群とはX軸方向に並んで配置されている。なお、液滴吐出ヘッド1は、第1〜第4圧電素子群を駆動するために、4個の半導体素子200A〜200Dを備えたものとなっている。
前記半導体素子200は、リザーバ形成基板20上に接続端子面を上方に向けたフェイスアップの状態で接着剤(図示せず)を介して実装されている。また、半導体素子200の上面側の周縁部には、複数の接続端子44が設けられている。なお、この半導体素子200は、例えば回路基板あるいは駆動回路を含む半導体集積回路(IC)を含んで構成されるものである。
このような圧電素子300には、半導体素子200と接続させるための、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が引き出し配線として形成されている。
すなわち、各リード電極90は、上電極膜80の各圧力発生室12の列間側の端部近傍から弾性膜50上までそれぞれ延設されている。
すなわち、各リード電極90は、上電極膜80の各圧力発生室12の列間側の端部近傍から弾性膜50上までそれぞれ延設されている。
(リザーバ、リザーバ形成基板)
また、前記流路形成基板10に形成された平面視略櫛歯状の開口領域のうち、図示Y方向に延びて形成された部分が、リザーバ100を構成している(図2参照)。なお、前記リザーバ100とは、図3に示されるように、リザーバ形成基板20に形成されたインクリザーバ21と流路形成基板10に形成された、各圧力発生室12間をそれぞれ連通させる連通部13とから構成されたものである。
ここで、流路形成基板10の上面側には、リザーバ形成基板(封止基板)20が設けられていて、該リザーバ形成基板20は前記圧電素子300を覆うように配置されている。
そして、前記流路形成基板10と前記リザーバ形成基板20とは、接着樹脂等からなる接着層(図示せず)によって貼り合わされている。
また、前記流路形成基板10に形成された平面視略櫛歯状の開口領域のうち、図示Y方向に延びて形成された部分が、リザーバ100を構成している(図2参照)。なお、前記リザーバ100とは、図3に示されるように、リザーバ形成基板20に形成されたインクリザーバ21と流路形成基板10に形成された、各圧力発生室12間をそれぞれ連通させる連通部13とから構成されたものである。
ここで、流路形成基板10の上面側には、リザーバ形成基板(封止基板)20が設けられていて、該リザーバ形成基板20は前記圧電素子300を覆うように配置されている。
そして、前記流路形成基板10と前記リザーバ形成基板20とは、接着樹脂等からなる接着層(図示せず)によって貼り合わされている。
本実施形態のリザーバ形成基板20は、段差構造を備えたものとなっている。具体的には、前記リザーバ形成基板20の中央部には凹部(第1の凹部)20aが形成されていて、前記凹部20aが形成されたリザーバ形成基板20の面は凹部20aが形成されていない面に比べて低くなっていることから、前記凹部20aが形成された面を下段部とし、前記凹部20aを形成しない面を上段部とする段差構造を備えている。
なお、前記インクリザーバ21は、前記段差構造の上段部を貫通した状態に設けられている。ここで、下段部とは前記凹部20aが形成された面を意味している。
上述したように、前記インクリザーバ21は前記上段部を貫通した状態に形成されているので、該インクリザーバ21により前記上段部の上面側には開口面が形成されている。
そして、前記半導体素子200が、前記段差構造の下段部上に設けられている。よって、前記半導体素子200が配置される面(段差構造の下段部)は、前記インクリザーバにより前記上段部に設けられる開口面(段差構造の上段部)より低くなる。
上述したように、前記インクリザーバ21は前記上段部を貫通した状態に形成されているので、該インクリザーバ21により前記上段部の上面側には開口面が形成されている。
そして、前記半導体素子200が、前記段差構造の下段部上に設けられている。よって、前記半導体素子200が配置される面(段差構造の下段部)は、前記インクリザーバにより前記上段部に設けられる開口面(段差構造の上段部)より低くなる。
また、前記各リード電極90は、前記リザーバ形成基板20の備えた段差構造の下段部に設けた第1開口部42内に配置された状態となっている。そして、前記第1開口部42内に配置されたリード電極90の端部近傍と、前記リザーバ形成基板20が備えた段差構造の上段部に設けられた半導体素子200の接続端子44との間が、図1に示すようにワイヤーボンディングによって接続されたものとなっている。
ところで、後述するように、液滴吐出ヘッドを構成するリザーバ形成基板20は、その製造工程として、ウエハ状の単結晶シリコン基板に複数形成した後、それぞれ個片化することで製造される。よって、上記のウエハ基板からより多くのリザーバ形成基板20を取り出すことにより、各ヘッドの低コスト化を図ることができる。そのため、リザーバ形成基板20を平面視した際の大きさ(以下、平面積という)を小さくすることで、リザーバ形成基板20をウエハ基板から取り出せる個数を増加させることが望ましい。
そこで、例えば前記リザーバ100の平面積(図2中X方向の大きさ)を約半分の大きさにし、それに伴ってリザーバ形成基板20の平面積を半分とすることで、リザーバ形成基板20の平面積を小さくする。このとき、本構成を採用すれば、インクリザーバ21が形成されるリザーバ形成基板20における段差構造の上段部の高さを約2倍にすることで、従来のインクリザーバ21における容量を確保しつつ、平面積の小さいリザーバ形成基板20を備えることで、前記液滴吐出ヘッド1は小型化が図られたものとなっている。
また、従来のインクリザーバの形状と比較して、インクリザーバ21が高さ方向に大きくなっているので、リザーバ100内に流入したインクに働く重力が大きくなって、圧力発生室12内にインクがより流れ込み易くなり、リザーバ(インクリザーバ21)100の容積をより小さくすることが期待できる。
また、従来のインクリザーバの形状と比較して、インクリザーバ21が高さ方向に大きくなっているので、リザーバ100内に流入したインクに働く重力が大きくなって、圧力発生室12内にインクがより流れ込み易くなり、リザーバ(インクリザーバ21)100の容積をより小さくすることが期待できる。
上述した第1圧力発生室群12Aを形成する複数の圧力発生室12における基板外縁部側(+X側)の端部は、上述したリザーバ100に接続されている。リザーバ100は、圧力発生室12に供給する機能液を予備的に保持するものであって、第1圧力発生室群12Aを構成する複数の圧力発生室12の共通の機能液保持室(インク室)となっている。なお、第2、第3、第4圧力発生室群12B、12C、12Dのそれぞれにも、上述と同様のリザーバ100が接続されており、それぞれ圧力発生室群12B〜12Dに供給される機能液の一時貯留部を構成している。
また、前記リザーバ形成基板20は流路形成基板10とともに液滴吐出ヘッド1の基体を成す部材であるから、その構成材料として、流路形成基板10と略同一の熱膨張率を有する剛性材料を用いることが好ましい。本実施形態の場合、流路形成基板10がシリコンから構成されているので、それと同一材料のシリコン単結晶基板が好適に用いられる。シリコン基板は、異方性エッチングにより容易に高精度の加工を施すことできるという利点がある。なお、流路形成基板10と同様に、ガラスやセラミック材料等を用いてリザーバ形成基板20を構成することも可能である。
また、前記リザーバ形成基板20は流路形成基板10とともに液滴吐出ヘッド1の基体を成す部材であるから、その構成材料として、流路形成基板10と略同一の熱膨張率を有する剛性材料を用いることが好ましい。本実施形態の場合、流路形成基板10がシリコンから構成されているので、それと同一材料のシリコン単結晶基板が好適に用いられる。シリコン基板は、異方性エッチングにより容易に高精度の加工を施すことできるという利点がある。なお、流路形成基板10と同様に、ガラスやセラミック材料等を用いてリザーバ形成基板20を構成することも可能である。
リザーバ形成基板20には、前記圧電素子300を密閉封止する封止部23を備えている。本実施形態の場合、第1圧電素子群を封止している部分を第1封止部23Aとし、第2圧電素子群を封止ししている部分を第2封止部23Bと呼ぶことにする。同様に、第3圧電素子群を封止している部分を第3封止部とし、第4圧電素子群を封止ししている部分を第4封止部と呼ぶ。
また、封止部23には、図2の紙面垂直方向に延びる平面視略矩形状の凹部からなる圧電素子保持部24が設けられている。この圧電素子保持部24は、圧電素子300の周囲に圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保するとともに、その空間を密封する機能を有している。この圧電素子保持部24は、圧電素子300のうち少なくとも圧電体膜70を封止できる寸法とされている。なお、圧電素子保持部24は、複数の圧電素子300ごとに区画されていてもよい。また、前記圧電素子保持部24は、異方性エッチングにより形成された高精度なものとなっている。
このように、リザーバ形成基板20は、圧電素子300を外部環境から遮断する封止基板としての機能を有している。リザーバ形成基板20によって圧電素子300を封止することで、外部の水分等による圧電素子300の特性劣化等を防止することができる。また本実施形態では、圧電素子保持部24の内部を密封状態にしただけであるが、その内部を真空にするか、または窒素もしくはアルゴン等の雰囲気とすることにより、圧電素子保持部24内を低湿度に保持することができる。これらの構成により、圧電素子300の劣化をさらに効果的に防止することができる。
リザーバ形成基板20の外側(流路形成基板10と反対側)には、封止膜31と固定板32とを積層した構造のコンプライアンス基板30が接合されている。このコンプライアンス基板30において、内側に配される封止膜31は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さ6μm程度のポリフェニレンスルフィドフィルム)からなる。他方、外側に配される固定板32は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さ30μm程度のステンレス鋼)からなる。この固定板32には、リザーバ100に対応する平面領域を切り欠いてなる開口部が形成されている。すなわち、この開口部は、前記リザーバ形成基板20に設けられたインクリザーバ21に対応する平面領域を切り欠いた状態となっている。
このような構成により、リザーバ100の上部は、可撓性を有する封止膜31のみで封止され、内部圧力の変化によって変形可能な可撓部22となっている。また、コンプライアンス基板30には、リザーバ100に機能液を供給するための機能液導入口(図示せず)が形成されており、リザーバ形成基板20には、その機能液導入口とリザーバ100とを連通する導入路(図示せず)が設けられている。
機能液導入口25より導入された機能液は、導入路を経てリザーバ100に流れ込み、さらに供給路14を経て第1圧力発生室群12Aを構成する複数の圧力発生室12のそれぞれに供給されるようになっている。なお、圧電素子300の駆動時における機能液の流れや周囲の熱などにより、リザーバ100の内部に圧力変化が生じるおそれがある。
ところが、リザーバ100の可撓部22が撓み変形してその圧力変化を吸収するので、リザーバ100内を常に一定の圧力に保持することができるようになっている。
ところが、リザーバ100の可撓部22が撓み変形してその圧力変化を吸収するので、リザーバ100内を常に一定の圧力に保持することができるようになっている。
(液滴吐出ヘッドの作用)
図1,2に示した液滴吐出ヘッド1により機能液の液滴を吐出するには、当該液滴吐出ヘッド1に接続された外部コントローラ(図示略)によって機能液導入口25に接続された不図示の外部機能液供給装置を駆動する。外部機能液供給装置から送出された機能液は、機能液導入口25を介してリザーバ100に供給された後、ノズル15に至るまでの液滴吐出ヘッド1の内部流路を満たすようになる。
図1,2に示した液滴吐出ヘッド1により機能液の液滴を吐出するには、当該液滴吐出ヘッド1に接続された外部コントローラ(図示略)によって機能液導入口25に接続された不図示の外部機能液供給装置を駆動する。外部機能液供給装置から送出された機能液は、機能液導入口25を介してリザーバ100に供給された後、ノズル15に至るまでの液滴吐出ヘッド1の内部流路を満たすようになる。
そして、外部コントローラは、リザーバ形成基板20に実装された半導体素子200に駆動電力や指令信号を送信する。指令信号等を受信した半導体素子200は、外部コントローラからの指令に基づく駆動信号を、各圧電素子300に送信する。
すると、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧が印加される結果、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体膜70に変位が生じ、この変位によって各圧力発生室12の容積が変化して内部圧力が高まり、ノズル15より液滴が吐出されることとなる。
すると、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧が印加される結果、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体膜70に変位が生じ、この変位によって各圧力発生室12の容積が変化して内部圧力が高まり、ノズル15より液滴が吐出されることとなる。
このような構成の液滴吐出ヘッド1によれば、インクリザーバ21がリザーバ形成基板20が備える段差構造の上段部を貫通し、前記段差構造の下段部の上面に半導体素子200を設けているので、インクリザーバ21により上段部に設けられた開口面は、前記半導体素子200が配置された面より高くなる。
このとき、リザーバ形成基板20の平面積を小さくした場合でも、前記リザーバ形成基板20に設けられた段差構造の上段部にインクリザーバ21を備えているので、従来のインクリザーバ21の容量を確保することができる。このように、リザーバ形成基板20の面積を小さくすることで、各リザーバ形成基板20をウエハプロセスによって製造する場合、各ウエハ基板から取り出し個数を増加でき、リザーバ形成基板20の低コスト化を図ることができる。よって、このリザーバ形成基板20を備えた液滴吐出ヘッド1も低コスト化が図られたものとなっている。
このとき、リザーバ形成基板20の平面積を小さくした場合でも、前記リザーバ形成基板20に設けられた段差構造の上段部にインクリザーバ21を備えているので、従来のインクリザーバ21の容量を確保することができる。このように、リザーバ形成基板20の面積を小さくすることで、各リザーバ形成基板20をウエハプロセスによって製造する場合、各ウエハ基板から取り出し個数を増加でき、リザーバ形成基板20の低コスト化を図ることができる。よって、このリザーバ形成基板20を備えた液滴吐出ヘッド1も低コスト化が図られたものとなっている。
(液滴吐出ヘッドの製造方法)
次に、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法の一実施形態の説明として、前記液滴吐出ヘッド1を製造する場合について、図3を参照して説明する。また、図3に示す各図は、図1のA−A線に沿う概略断面構成に対応する図である。なお、本実施形態におけるリザーバ形成基板の製造工程は、1枚のウエハ状のシリコン単結晶基板をエッチングしてインクリザーバ21等を形成した後、該シリコン単結晶基板を各リザーバ形成基板20毎に個片化するようにしている。そして、分割したリザーバ形成基板20に流路形成基板10及びコンプライアンス基板30を順次接着して一体化し、液滴吐出ヘッド1を製造する。
次に、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法の一実施形態の説明として、前記液滴吐出ヘッド1を製造する場合について、図3を参照して説明する。また、図3に示す各図は、図1のA−A線に沿う概略断面構成に対応する図である。なお、本実施形態におけるリザーバ形成基板の製造工程は、1枚のウエハ状のシリコン単結晶基板をエッチングしてインクリザーバ21等を形成した後、該シリコン単結晶基板を各リザーバ形成基板20毎に個片化するようにしている。そして、分割したリザーバ形成基板20に流路形成基板10及びコンプライアンス基板30を順次接着して一体化し、液滴吐出ヘッド1を製造する。
まず始めに、封止基板としてのリザーバ形成基板20を形成する工程を行う。
図3(a)に示すように、リザーバ形成基板の前駆体としての、面方位(1,1,0)のウエハ状のシリコン単結晶基板(前駆体基板)120を用いて、前記シリコン単結晶基板120上面の中央部に異方性エッチングを行うことで凹部20aを形成する。前記シリコン単結晶基板120の厚みとしては、600〜800μm程度のものが好適に採用することができる。なお、以下の説明においては、ウエハ状のシリコン単結晶基板120に形成される多数のリザーバ形成基板のうちの1つについて説明する。
具体的には、まずシリコン単結晶基板120の表面を熱酸化して酸化シリコン膜を形成する。次に、シリコン単結晶基板120の表面にレジストを塗布し、フォトリソグラフィにより前記凹部(第1の凹部)20aを形成すべき部分に対応した開口部をレジストに設ける。
図3(a)に示すように、リザーバ形成基板の前駆体としての、面方位(1,1,0)のウエハ状のシリコン単結晶基板(前駆体基板)120を用いて、前記シリコン単結晶基板120上面の中央部に異方性エッチングを行うことで凹部20aを形成する。前記シリコン単結晶基板120の厚みとしては、600〜800μm程度のものが好適に採用することができる。なお、以下の説明においては、ウエハ状のシリコン単結晶基板120に形成される多数のリザーバ形成基板のうちの1つについて説明する。
具体的には、まずシリコン単結晶基板120の表面を熱酸化して酸化シリコン膜を形成する。次に、シリコン単結晶基板120の表面にレジストを塗布し、フォトリソグラフィにより前記凹部(第1の凹部)20aを形成すべき部分に対応した開口部をレジストに設ける。
次に、レジストの開口部をフッ酸で処理して、酸化シリコン膜に開口部を形成する。次に、シリコン単結晶基板120を35重量%程度の水酸化カリウム(KOH)水溶液に浸漬して、酸化シリコン膜の開口部から露出したシリコン単結晶基板120の異方性エッチングを行う。このとき、前記シリコン単結晶基板120に凹部20aが形成される。このとき、前記凹部20aは、シリコン単結晶基板120を貫通することなく、シリコン単結晶基板120に約300〜400μm程度の厚みを残した状態でエッチングを終了させるようにしている。
よって、前記シリコン単結晶基板120には、前記凹部20aにより相対的に厚みのある部分を上段部とし、前記凹部20aにより相対的に厚みの薄い部分を下段部とする段差構造を備えたものとなる。
よって、前記シリコン単結晶基板120には、前記凹部20aにより相対的に厚みのある部分を上段部とし、前記凹部20aにより相対的に厚みの薄い部分を下段部とする段差構造を備えたものとなる。
そして、図3(a)に示すように、前記段差構造の上段部の上面側にインクリザーバ21の一部を形成する第2の凹部40を前記凹部20aと同様の工程を用いることで形成する。なお、前記第1の凹部40を形成する工程と前記凹部20aを形成する工程とを同時に行うようにしてもよい。
次に、図3(b)に示すように、前記段差構造の上段部の下面側から前記第2の凹部40に連通し、前記上段部を貫通する第2開口部41を形成する。そして、第2開口部41及び第2の凹部40から前記インクリザーバ21が形成され、このインクリザーバ21は上述したように前記シリコン単結晶基板120の段差構造の上段部を貫通した状態に形成される。
次に、図3(b)に示すように、前記段差構造の上段部の下面側から前記第2の凹部40に連通し、前記上段部を貫通する第2開口部41を形成する。そして、第2開口部41及び第2の凹部40から前記インクリザーバ21が形成され、このインクリザーバ21は上述したように前記シリコン単結晶基板120の段差構造の上段部を貫通した状態に形成される。
そして、前記段差構造における下段部の所定の位置に、上記凹部20aと同様に異方性エッチングを用いることで、前記下段部を貫通する第1開口部42を形成する。ここで、上記所定の位置とは、後述するリザーバ形成基板20と流路形成基板10との貼りあわせ工程で、少なくとも前記第1開口部42内に圧電素子300に導通するリード電極90を配することができる位置を意味している。なお、前記第1開口部42を形成する工程は、前記第2開口部41を形成する工程より先に行ってもよいし、同時に形成してもよい。
そして、エッチングが終了した後、シリコン単結晶基板120の表面を再度熱酸化して酸化シリコン膜(図示せず)を形成する。同様にして、圧電素子保持部24をエッチングにより形成する。このようにして、図3に示した段差構造を有したリザーバ形成基板20が形成される。
このように、前記シリコン単結晶基板120にインクリザーバ21が形成される。なお、本実施形態では、上述したように、ウエハ状のシリコン単結晶基板120にインクリザーバ21を形成している。したがって、前記シリコン単結晶基板120を個片化することによりリザーバ形成基板20が形成される。
このように、前記シリコン単結晶基板120にインクリザーバ21が形成される。なお、本実施形態では、上述したように、ウエハ状のシリコン単結晶基板120にインクリザーバ21を形成している。したがって、前記シリコン単結晶基板120を個片化することによりリザーバ形成基板20が形成される。
次に、前記リザーバ形成基板20と圧電素子300を備えた流路形成基板10とを貼りあわせる。ここで、流路形成基板10上に設けられる圧電素子300は、公知の方法によって形成されることから、前記圧電素子300の製造工程の説明は省略することとする。そして、前記リザーバ形成基板20に形成された前記第1開口部42内に圧電素子300に導通するリード電極90を配置させるように位置合わせして、前記流路形成基板10上に前記リザーバ形成基板20を位置あわせをして設ける。
具体的には、図3(c)に示すように、エッチング加工前の流路形成基板10上の圧電素子300を覆う位置、及び前記第1開口部42の位置を合わせた状態で、流路形成基板10とリザーバ形成基板20とを接着層(図示せず)を介して貼着する。すなわち、流路形成基板10上の中央部に延設された圧電素子300に接続するリード電極90が、前記リザーバ形成基板20の中央部に配設され、段差構造の下段部に設けられた第1開口部42内に配置される。そして、シリコン単結晶基板からなる流路形成基板10に異方性エッチングを施すことで、圧力発生室12等を作製し、リザーバ形成基板20にコンプライアンス基板30を接合し、前記圧力発生室12が設けられた側にノズル基板16を接合する。
次に、図3(d)に示すように、リザーバ形成基板20が備えた段差構造の下段部(凹部20aの底面)に半導体素子200を設ける。
具体的には、リザーバ形成基板20の上面に半導体素子200を接着する。具体的には、まず半導体素子200下面側に、図示しない接着剤を塗布する。そして、半導体素子200の接続端子44を上側に向ける、いわゆるフェースアップの状態で位置合わせして、半導体素子200を加熱しつつリザーバ形成基板20に対して加圧する。その後、全体を冷却して接着剤43を硬化させ、半導体素子200をリザーバ形成基板20の上面に固着する。
具体的には、リザーバ形成基板20の上面に半導体素子200を接着する。具体的には、まず半導体素子200下面側に、図示しない接着剤を塗布する。そして、半導体素子200の接続端子44を上側に向ける、いわゆるフェースアップの状態で位置合わせして、半導体素子200を加熱しつつリザーバ形成基板20に対して加圧する。その後、全体を冷却して接着剤43を硬化させ、半導体素子200をリザーバ形成基板20の上面に固着する。
そして、前記リザーバ形成基板20が備えた段差構造の下段部に形成された前記第1開口部42を介して、ワイヤボンディングにより配線130を形成して、前記半導体素子200の接続端子44と、前記第1開口部42内に配設された前記リード電極90とを接続する。このような工程により、液滴吐出ヘッド1が製造される。
以上に詳述したように、本実施形態の液滴吐出ヘッド1の製造方法によれば、シリコン単結晶基板120に段差構造を形成して、この段差構造の上段部を貫通した状態にインクリザーバ21を形成し、前記段差構造の下段部の上面に半導体素子200を設けているので、前記インクリザーバ21により前記上段部に設けられる開口面は、前記半導体素子が配置された面より高くなる。
よって、リザーバ形成基板20に設けられた段差構造の上段部に容量の大きいインクリザーバ21を形成し、従来と同等の容量のインクリザーバ21を備えつつ、平面積を小さくしたリザーバ形成基板20を製造できる。
また、前記リザーバ形成基板20はウエハ状のシリコン単結晶基板120に複数形成した後、個片化しているので、各リザーバ形成基板20の面積を小さくしたことにより、前記シリコン単結晶基板120から取り出せるリザーバ形成基板20の個数が増えて、結果としてリザーバ形成基板20の製造コストを低減できる。
したがって、このリザーバ形成基板20を用いて形成された液滴吐出ヘッド1も低コスト化が図られたものとなる。
よって、リザーバ形成基板20に設けられた段差構造の上段部に容量の大きいインクリザーバ21を形成し、従来と同等の容量のインクリザーバ21を備えつつ、平面積を小さくしたリザーバ形成基板20を製造できる。
また、前記リザーバ形成基板20はウエハ状のシリコン単結晶基板120に複数形成した後、個片化しているので、各リザーバ形成基板20の面積を小さくしたことにより、前記シリコン単結晶基板120から取り出せるリザーバ形成基板20の個数が増えて、結果としてリザーバ形成基板20の製造コストを低減できる。
したがって、このリザーバ形成基板20を用いて形成された液滴吐出ヘッド1も低コスト化が図られたものとなる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第2実施形態につき図4を用いて説明する。なお、前記第1実施形態の液滴吐出ヘッド1は、半導体素子200と圧電素子300に導通するリード電極90とを接続する配線130としてワイヤーボンディングを用いていたが、本実施形態における液滴吐出ヘッドは、前記第1開口部42の内側面に沿って引き回された配線により、前記半導体素子200と前記リード電極90とが導通されたものとなっている。なお、前記第1の実施形態における液滴吐出ヘッド1と共通の構成の部分については、同一の符号を付して説明することとし、その説明を省略する。
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第2実施形態につき図4を用いて説明する。なお、前記第1実施形態の液滴吐出ヘッド1は、半導体素子200と圧電素子300に導通するリード電極90とを接続する配線130としてワイヤーボンディングを用いていたが、本実施形態における液滴吐出ヘッドは、前記第1開口部42の内側面に沿って引き回された配線により、前記半導体素子200と前記リード電極90とが導通されたものとなっている。なお、前記第1の実施形態における液滴吐出ヘッド1と共通の構成の部分については、同一の符号を付して説明することとし、その説明を省略する。
図4は、第2実施形態に係る液滴吐出ヘッドの断面構造における説明図である。図4に示すように、第2実施形態に係る液滴吐出ヘッドは、リザーバ形成基板20上に半導体素子200がその接続端子44側の面を下側にした、いわゆるフェースダウンの状態で実装されている。
具体的には、図4に示すように、本実施形態の液滴吐出ヘッドは、前記リザーバ形成基板20を貫通する凹部(第1の凹部)20a´が設けられている。そして、この凹部20a´によって流路形成基板10の上面が一部露出した状態となっている。また、前記凹部20a´が形成された側の封止部23における側面は、前記流路形成基板10の上面に対して傾斜していて、その傾斜角が鋭角(0°よりも大きく90°未満となる角度)となる傾斜面35となっている。また、前記リザーバ形成基板20には、前記第1実施形態と同様に、インクリザーバ21が設けられている。
具体的には、図4に示すように、本実施形態の液滴吐出ヘッドは、前記リザーバ形成基板20を貫通する凹部(第1の凹部)20a´が設けられている。そして、この凹部20a´によって流路形成基板10の上面が一部露出した状態となっている。また、前記凹部20a´が形成された側の封止部23における側面は、前記流路形成基板10の上面に対して傾斜していて、その傾斜角が鋭角(0°よりも大きく90°未満となる角度)となる傾斜面35となっている。また、前記リザーバ形成基板20には、前記第1実施形態と同様に、インクリザーバ21が設けられている。
本実施形態のリザーバ形成基板20は、面方位(1,0,0)のシリコン単結晶基板から構成されている。
そして、前記傾斜面35は、後述するように前記シリコン単結晶基板に対してKOH等のアルカリ溶液でウエットエッチングを行った際の各面方位のエッチングレートの違いを利用することで約54°の傾斜角を有したものとなっている。
そして、前記傾斜面35は、後述するように前記シリコン単結晶基板に対してKOH等のアルカリ溶液でウエットエッチングを行った際の各面方位のエッチングレートの違いを利用することで約54°の傾斜角を有したものとなっている。
そして、前記第1実施形態と同様に、前記リザーバ形成基板20が備える段差構造の下段部の上面に半導体素子200が実装されている。そして、前記傾斜面35によって、前記半導体素子200が設けられた下段部の上面と前記流路形成基板10の上面との間に生じる段差を滑らかに接続している。
また、本実施形態では、配線34が前記傾斜面35に沿って引き回されていて、前記半導体素子200の接続端子44と前記リード電極90とを接続している。
また、本実施形態では、配線34が前記傾斜面35に沿って引き回されていて、前記半導体素子200の接続端子44と前記リード電極90とを接続している。
本実施形態の配線34は、メッキの析出を促進させる触媒を含む感光性樹脂からなる下地パターン34aと、該下地パターン34aに析出したAl、Ni−Cr、Cu、Ni、Au、又はAgを含む導電材料と含んだものから構成されている。
具体的には、前記下地パターン34aとして、Pd(パラジウム)の微粒子が分散された感光性樹脂材料を用いることで、この樹脂材料に対して露光および現像することにより所望の形状にパターニングすることができ、製造工程を簡略化することができる。そして、触媒が付与された樹脂材料で構成される下地パターン34aには、その触媒に対してメッキ34bが析出されている。これらのメッキ34bは、CuやNi、Auなどの金属材料で構成されている。
また、前記下地パターン34aはメッキの析出を促進させる触媒を含んでいるので、下地パターン34a上に膜厚のメッキ34bを析出させることで配線として必要な抵抗値を備えたものを形成できる。なお、前記下地パターン34aは導電性を有しないため、前記リード電極90の少なくとも一部を露出させた状態で設けられ、この下地パターン34aの端部から析出し前記リード電極90に設けられたメッキ34bによって、配線34はリード電極90と導通可能となる。前記下地パターン34a上に析出したメッキ34bは、前記半導体素子200の接続端子44に接触することで、この配線34によってリード電極90と接続端子44が導通されたものとなり、したがって半導体素子200と圧電素子300とが電気的に接続されている。
具体的には、前記下地パターン34aとして、Pd(パラジウム)の微粒子が分散された感光性樹脂材料を用いることで、この樹脂材料に対して露光および現像することにより所望の形状にパターニングすることができ、製造工程を簡略化することができる。そして、触媒が付与された樹脂材料で構成される下地パターン34aには、その触媒に対してメッキ34bが析出されている。これらのメッキ34bは、CuやNi、Auなどの金属材料で構成されている。
また、前記下地パターン34aはメッキの析出を促進させる触媒を含んでいるので、下地パターン34a上に膜厚のメッキ34bを析出させることで配線として必要な抵抗値を備えたものを形成できる。なお、前記下地パターン34aは導電性を有しないため、前記リード電極90の少なくとも一部を露出させた状態で設けられ、この下地パターン34aの端部から析出し前記リード電極90に設けられたメッキ34bによって、配線34はリード電極90と導通可能となる。前記下地パターン34a上に析出したメッキ34bは、前記半導体素子200の接続端子44に接触することで、この配線34によってリード電極90と接続端子44が導通されたものとなり、したがって半導体素子200と圧電素子300とが電気的に接続されている。
また、半導体素子200の接続端子44は、AlやNi−Cr、Cu、Ni、Au、又はAgを含む導電材料、又はこれらが2種類以上組み合わされた金属材料で構成されている。よって、後述するように前記下地パターン34aにメッキを析出し配線34を形成する際に、前記下地パターン34aから析出したメッキ34bと前記接続端子44から析出したメッキとを結合させることにより、半導体素子200と前記配線34との間の接合性を高めたものとなっている。
本実施形態の液滴吐出ヘッドによれば、前記第1実施形態のように、ワイヤボンディングを用いて半導体素子200を実装する場合と比べて、ワイヤを引き回す空間を設ける必要がない。そのため、ノズル15の狭ピッチ化に伴って配線34が狭ピッチ化する場合においても、傾斜面35上に沿って配線34引き回すことで、隣接する配線間の接触による短絡が起こり難く、したがって電気的接続を確保しつつ半導体素子200を確実に実装することができる。その他にも、ワイヤボンディングによる実装に比べ、短TAT、低コスト、および高歩留まりの実装が可能になる。
また、微細なノズルピッチに対応可能となることで、よりヘッドを構成するリザーバ形成基板20を小型とし、シリコンウエハから取り出すことのできるリザーバ形成基板20の数が増加し、さらにヘッドのコストを低減することが考えられる。
また、微細なノズルピッチに対応可能となることで、よりヘッドを構成するリザーバ形成基板20を小型とし、シリコンウエハから取り出すことのできるリザーバ形成基板20の数が増加し、さらにヘッドのコストを低減することが考えられる。
(液滴吐出ヘッドの製造方法)
次に、第2実施形態に係る液滴吐出ヘッドの製造方法のうち、前記第1実施形態の液滴吐出ヘッド1と異なる工程についてのみ説明する。具体的には、リザーバ形成基板20に傾斜面35を形成する工程と、配線34を形成する工程について説明することとし、その他前記第1実施形態と同様の工程については、その説明を省略する。
次に、第2実施形態に係る液滴吐出ヘッドの製造方法のうち、前記第1実施形態の液滴吐出ヘッド1と異なる工程についてのみ説明する。具体的には、リザーバ形成基板20に傾斜面35を形成する工程と、配線34を形成する工程について説明することとし、その他前記第1実施形態と同様の工程については、その説明を省略する。
本実施形態では、リザーバ形成基板の前駆体としての、面方位(1,0,0)のウエハ状のシリコン単結晶基板(前駆体基板)120´を用いている。そして、このシリコン単結晶基板120´上面の中央部に異方性エッチングを行うことで凹部20a´を形成する。このとき、シリコン単結晶基板120´は、各面方位のエッチングレートの違いにより、前記凹部20a´の内側面は、約54°の傾斜面となる。よって、前記シリコン単結晶基板120´には、前記凹部20a´により相対的に厚みのある部分を上段部とし、前記凹部20a´により相対的に厚みの薄い部分を下段部とする段差構造を備えたものとなる。
そして、前記段差構造の上段部の上面側にインクリザーバ21の一部を形成する第2の凹部40を前記凹部20a´と同様の工程を用いることで形成する。
その後、前記段差構造の上段部の下面側から前記第2の凹部40に連通し、前記上段部を貫通する第2開口部41を形成する。そして、第2開口部41及び第2の凹部40から前記インクリザーバ21が形成され、このインクリザーバ21は上述したように前記シリコン単結晶基板120´の段差構造の上段部を貫通した状態に形成される。
その後、前記段差構造の上段部の下面側から前記第2の凹部40に連通し、前記上段部を貫通する第2開口部41を形成する。そして、第2開口部41及び第2の凹部40から前記インクリザーバ21が形成され、このインクリザーバ21は上述したように前記シリコン単結晶基板120´の段差構造の上段部を貫通した状態に形成される。
ここで、上段部の上面側から1度のエッチング工程により、インクリザーバを形成すると、面方位(1,0,0)のシリコン単結晶基板120´を用いた場合には、上述したように、インクリザーバの内側面が傾斜面となって、インクリザーバが下方に向かうに従って内径が狭まってしまう。そのため、前記シリコン単結晶基板120´を貫通した状態にインクリザーバを形成するために、前記下段部の上面側にインクリザーバ形成領域を大きく取る必要が生じて、その結果リザーバ形成基板が大きくなってしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、前記上段部の上面側から第2の凹部40を設ける工程と、前記上段部の下面側から第2開口部41を形成する工程との2つの工程によって、インクリザーバ21を形成している。よって、前記インクリザーバ21を形成する際に、基板の両面側からエッチングを行うことで、シリコン単結晶基板120´の面方位の違いによる影響を少なくしている。したがって、平面視した際の大きさを小さくした、インクリザーバ21を備えたリザーバ形成基板20を形成することができる。
そこで、本実施形態では、前記上段部の上面側から第2の凹部40を設ける工程と、前記上段部の下面側から第2開口部41を形成する工程との2つの工程によって、インクリザーバ21を形成している。よって、前記インクリザーバ21を形成する際に、基板の両面側からエッチングを行うことで、シリコン単結晶基板120´の面方位の違いによる影響を少なくしている。したがって、平面視した際の大きさを小さくした、インクリザーバ21を備えたリザーバ形成基板20を形成することができる。
そして、前記段差構造における下段部に、上記凹部20aと同様に異方性エッチングを用いることで、前記下段部を貫通する第1開口部42を形成する。この第1開口部42も同様の傾斜面となる。このようにして、図3に示した段差構造を有したリザーバ形成基板20が形成される。
次に、前記リザーバ形成基板20と流路形成基板10とを貼りあわせ、この流路形成基板10に異方性エッチングを施すことで、圧力発生室12等を作製し、リザーバ形成基板20にコンプライアンス基板30を接合し、前記圧力発生室12が設けられた側にノズル基板16を接合する。
次に、前記リザーバ形成基板20と流路形成基板10とを貼りあわせ、この流路形成基板10に異方性エッチングを施すことで、圧力発生室12等を作製し、リザーバ形成基板20にコンプライアンス基板30を接合し、前記圧力発生室12が設けられた側にノズル基板16を接合する。
次に、リザーバ形成基板20上に半導体素子200を設ける。
まず、半導体素子200下面側の中央部に、熱可塑性樹脂材料からなる接着剤を塗布し、半導体素子200の接続端子44をリザーバ形成基板20側に向ける、いわゆるフェースダウンの状態で位置合わせして、半導体素子200を加熱しつつリザーバ形成基板20に対して加圧する。
ここで、接着剤の塗布量や接着時の加熱・加圧量を調整することにより、接続端子44と前記リザーバ形成基板20との隙間を数μm〜10μm程度に設定する。この隙間は、後述する配線34のメッキ形成により埋め込まれるようになっている。その後、全体を冷却して接着剤43を硬化させ、半導体素子200をリザーバ形成基板20の上面に固着する。
まず、半導体素子200下面側の中央部に、熱可塑性樹脂材料からなる接着剤を塗布し、半導体素子200の接続端子44をリザーバ形成基板20側に向ける、いわゆるフェースダウンの状態で位置合わせして、半導体素子200を加熱しつつリザーバ形成基板20に対して加圧する。
ここで、接着剤の塗布量や接着時の加熱・加圧量を調整することにより、接続端子44と前記リザーバ形成基板20との隙間を数μm〜10μm程度に設定する。この隙間は、後述する配線34のメッキ形成により埋め込まれるようになっている。その後、全体を冷却して接着剤43を硬化させ、半導体素子200をリザーバ形成基板20の上面に固着する。
次いで、配線34を形成する。具体的には、前記リザーバ形成基板20に設けられた前記流路形成基板10の上面と前記段差構造の下段部の上面とを連続する傾斜面35上を通って、メッキの析出を促進させる、Pd(パラジウム)の微粒子が分散された感光性樹脂材料の液状体をスプレーコート法等により塗布することで、前記傾斜面35上にも均一に設けることができる。
そして、前記配線34のパターンが描画されたマスクを介して前記樹脂材料を露光し、現像する。これにより、シリコン単結晶基板120の表面に配線34を構成するための下地パターン34aがパターニングされる。なお、前記下地パターン34aは、前記リード電極90の上面の少なくとも一部を露出させた状態に形成されることが望ましく、これにより下地パターン34a上に析出されたメッキ34bにより前記リード電極90と半導体素子200との導通を可能にしている。
このとき、前記傾斜面35に沿って形成された前記下地パターン34aは、前記流路形成基板10の上面と前記段差構造の下段部の上面とを滑らかに接続される。
なお、上記下地パターン34aを形成するに際し、Siマスクを介したスパッタ法や、インクジェット法を用いることで直接描画するようにしてもよい。
このとき、前記傾斜面35に沿って形成された前記下地パターン34aは、前記流路形成基板10の上面と前記段差構造の下段部の上面とを滑らかに接続される。
なお、上記下地パターン34aを形成するに際し、Siマスクを介したスパッタ法や、インクジェット法を用いることで直接描画するようにしてもよい。
次に、前記下地パターン34aの表面に、メッキ34bを析出させる。具体的には、以下の処理プロセスにより無電解メッキを施す。
まず、上記下地パターン34aおよび接続端子44の表面の濡れ性の向上、残さ除去の目的で、フッ酸を0.01〜0.1%、硫酸を0.01〜1%含有した水溶液中に1〜5分浸漬する。あるいは、0.1〜10%の水酸化ナトリウムなどのアルカリベースの水溶液に1〜10分浸漬しても良い。
次に、水酸化ナトリウムベースでpH9〜13のアルカリ性水溶液を20〜60℃に加温した中に1秒〜5分浸漬し、表面の酸化膜を除去する。なお、5〜30%硝酸をベースとしたpH1〜3の酸性水溶液を20〜60℃に加温した中に1秒から5分浸漬しても良い。
まず、上記下地パターン34aおよび接続端子44の表面の濡れ性の向上、残さ除去の目的で、フッ酸を0.01〜0.1%、硫酸を0.01〜1%含有した水溶液中に1〜5分浸漬する。あるいは、0.1〜10%の水酸化ナトリウムなどのアルカリベースの水溶液に1〜10分浸漬しても良い。
次に、水酸化ナトリウムベースでpH9〜13のアルカリ性水溶液を20〜60℃に加温した中に1秒〜5分浸漬し、表面の酸化膜を除去する。なお、5〜30%硝酸をベースとしたpH1〜3の酸性水溶液を20〜60℃に加温した中に1秒から5分浸漬しても良い。
次に、ZnOを含有したpH11〜13のジンケート液中に1秒〜2分浸漬し、各配線および接続端子の表面をZnに置換する。次に、5〜30%の硝酸水溶液に1〜60秒浸漬し、Znを剥離する。そして、再度ジンケート浴中に1秒〜2分浸漬し、緻密なZn粒子を上記下地パターン34aおよび接続端子44の表面に析出させる。
次に、無電解Niメッキ浴に浸漬し、Niメッキを析出させる。このメッキは、2〜30μm程度の高さまで析出させる。また、メッキ浴は次亜リン酸を還元剤とした浴であり、pH4〜5、浴温80〜95℃である。次亜リン酸浴のため、リンが共析する。
さらに、置換Auメッキ欲中に浸漬し、Ni表面をAuに置換しても良い。なお、Auは0.05μm〜0.3μm程度の厚さに形成する。またAu浴は、シアンフリータイプを用い、pH6〜8、浴温50〜80℃とし、1〜30分浸漬する。
さらに、置換Auメッキ欲中に浸漬し、Ni表面をAuに置換しても良い。なお、Auは0.05μm〜0.3μm程度の厚さに形成する。またAu浴は、シアンフリータイプを用い、pH6〜8、浴温50〜80℃とし、1〜30分浸漬する。
このようにして、上記下地パターン34aおよび接続端子44の表面にNiあるいはNi−Auメッキを析出させる。なお、前記下地パターン34a上に析出させるメッキとしては、Al、Ni−Cr、Cu、Ni、Au、又はAgを含む導電材料、又はその中の2種類以上が組み合わされたものを用いてもよい。よって、上述したように前記下地パターン34aは前記傾斜面35に沿って滑らかに形成されているので、この下地パターン34aに析出されたメッキ34bによって形成される配線34は、断線が防止され導通信頼性の高いものとなる。この配線34により、半導体素子200と圧電素子300とを電気的接続し、本実施形態の液滴吐出ヘッドが構成される。
また、メッキの下地である下地パターン34aが薄く形成されていても、メッキを厚付けすることで電気抵抗を低減することができる。
また、メッキの下地である下地パターン34aが薄く形成されていても、メッキを厚付けすることで電気抵抗を低減することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第3実施形態につき図5を用いて説明する。なお、前記第1、及び第2実施形態における液滴吐出ヘッドと共通の構成の部分については、同一の符号を付して説明することとし、説明を省略する。
図5は、第3実施形態に係る液滴吐出ヘッドの断面構造における説明図である。図5に示すように、第3実施形態に係る液滴吐出ヘッドは、リザーバ形成基板20上に半導体素子200がその接続端子44側の面を上側にした、いわゆるフェースアップの状態で実装されている点で、第2実施形態と相違している。
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第3実施形態につき図5を用いて説明する。なお、前記第1、及び第2実施形態における液滴吐出ヘッドと共通の構成の部分については、同一の符号を付して説明することとし、説明を省略する。
図5は、第3実施形態に係る液滴吐出ヘッドの断面構造における説明図である。図5に示すように、第3実施形態に係る液滴吐出ヘッドは、リザーバ形成基板20上に半導体素子200がその接続端子44側の面を上側にした、いわゆるフェースアップの状態で実装されている点で、第2実施形態と相違している。
第3実施形態では、リザーバ形成基板20の上面に形成された半導体素子200上まで配線38が引き回されており、この配線38を介して半導体素子200の接続端子44と圧電素子300に導通するリード電極90との間が導通されている。また、前記半導体素子200の側面にはスロープ39が設けられていて、該スロープ39により半導体素子200の上面まで配線38を引き回しやすくしている。なお、前記スロープ39は絶縁性を備えた材料から構成されていることが好ましい。
前記配線38は、物理的気相法としての、例えばスパッタ法によって形成された導電性の下地パターン38aと、該下地パターン38a上にメッキされたAl、Ni−Cr、Cu、Ni、Au、又はAgを含む導電材料とから構成されている。本実施形態では、配線38の下面側が半導体素子200の接続端子44と導通しているので、前記下地パターン38aには導通性が必要となる。
このような構成により、スパッタ法によって金属膜をパターニングすることで、導電性の下地パターン38aが形成できる。また、この下地パターン38a上に導電材料がメッキされているので、このメッキにより膜厚を稼ぐことにより配線38としての電気抵抗が低減されている。
このような構成により、スパッタ法によって金属膜をパターニングすることで、導電性の下地パターン38aが形成できる。また、この下地パターン38a上に導電材料がメッキされているので、このメッキにより膜厚を稼ぐことにより配線38としての電気抵抗が低減されている。
また、リザーバ形成基板20には、前記第2実施形態と同様に凹部20a´が設けられていて、該凹部20a´によりリザーバ形成基板20が段差構造を有したものとなっている。そして、前記第2実施形態と同様に、前記段差構造の下段部上に設けられた半導体素子200の接続端子44と、流路形成基板10の上面に設けられたリード電極90とを接続する配線38が傾斜面35に沿って形成されている。また、本実施形態の液滴吐出ヘッドにおいても、前記第1、第2実施形態と同様に、前記インクリザーバ21により前記段差構造の上段部に設けられる開口面が、前記半導体素子200が配置された面より高くなっている。よって、インクリザーバ21の容量を保持しつつ、リザーバ形成基板20は小型なものとなって、ウエハ状のシリコン単結晶基板から取り出されるリザーバ形成基板20の数が増加して低コストなものとなる。よって、このリザーバ形成基板20を備える本実施形態の液滴吐出ヘッドも前記実施形態と同様に低コストなものとなる。
(液滴吐出ヘッドの製造方法)
次に、第3実施形態に係る液滴吐出ヘッドの製造方法について説明する。
前記第2実施形態と同様に、インクリザーバ21及び段差構造を備えたリザーバ形成基板20と流路形成基板10とを貼り合わせた後、前記段差構造の下段部の上面に半導体素子200の接続端子44を上面に向け接着層(図示しない)を介して実装する。そして、前記半導体素子200の側面にスロープ39を設ける。ここで、前記段差構造の下段部と前記流路形成基板10の上面とは、鋭角をなす傾斜面35となっている。
次に、第3実施形態に係る液滴吐出ヘッドの製造方法について説明する。
前記第2実施形態と同様に、インクリザーバ21及び段差構造を備えたリザーバ形成基板20と流路形成基板10とを貼り合わせた後、前記段差構造の下段部の上面に半導体素子200の接続端子44を上面に向け接着層(図示しない)を介して実装する。そして、前記半導体素子200の側面にスロープ39を設ける。ここで、前記段差構造の下段部と前記流路形成基板10の上面とは、鋭角をなす傾斜面35となっている。
次に、スパッタ法によって形成された導電性の下地パターン38aを構成する、Al、Ni−Cr、Cu、Ni、Au、又はAg等の導電膜を前記リザーバ形成基板20の全面に形成する。本実施形態では、前記導電膜として、NiCr/Auをスパッタした。
このとき、前記導電膜は、前記リザーバ形成基板20に設けられた段差構造の上段部と下段部とを連続する傾斜面35に沿って形成される。前記傾斜面35は上述したように前記下段面と流路形成基板10の上面とを滑らかに接続しているので、この傾斜面35に沿って導電膜は均一に設けられる。
このとき、前記導電膜は、前記リザーバ形成基板20に設けられた段差構造の上段部と下段部とを連続する傾斜面35に沿って形成される。前記傾斜面35は上述したように前記下段面と流路形成基板10の上面とを滑らかに接続しているので、この傾斜面35に沿って導電膜は均一に設けられる。
そして、前記導電膜をパターニングして配線38の下地パターン38aを形成する。本実施形態における下地パターン38aは、前記実施形態と異なり導電性を有しているので、前記リード電極90の全体を覆った状態に形成してもよい。よって、この下地パターン38aによって半導体素子200の接続端子44とリード電極90との間が電気的に接続さる。
ここで、前記下地パターン38aは薄膜であることから配線として十分に機能させるためには、膜厚が必要となる。そこで、前記下地パターン38aの表面に前記実施形態と同様にメッキ38bを析出させる。本実施形態では、前記下地パターン38aが導電性を有しているので、電解メッキを施している。これにより、前記下地パターン38a上に十分な膜厚のメッキを析出させることができる。よって、電気抵抗が低減された良好な配線38を形成することができる。このようにして、第3実施形態の液滴吐出ヘッドを製造することができる。
(液滴吐出装置)
次に、本発明の液滴吐出装置の一実施形態について図6を参照しながら説明する。本実施形態における液滴吐出装置は、前述した液滴吐出ヘッド1を備えたインクジェット式記録装置について説明する。
次に、本発明の液滴吐出装置の一実施形態について図6を参照しながら説明する。本実施形態における液滴吐出装置は、前述した液滴吐出ヘッド1を備えたインクジェット式記録装置について説明する。
前記液滴吐出ヘッド1は、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載されている。図9に示すように、液滴吐出ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bには、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられており、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3が、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に取り付けられている。
記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3がキャリッジ軸5に沿って移動するようになっている。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上に搬送されるようになっている。上記構成を具備したインクジェット式記録装置は、前述の液滴吐出ヘッド1を備えているので、小型で低コストなインクジェット式記録装置となる。
なお、図9では、本発明の液滴吐出装置の一例としてプリンタ単体としてのインクジェット式記録装置を示したが、本発明はこれに限らず、係る液滴吐出ヘッドを組み込むことによって実現されるプリンタユニットに適用することも可能である。このようなプリンタユニットは、例えば、テレビ等の表示デバイスやホワイトボード等の入力デバイスに装着され、該表示デバイス又は入力デバイスによって表示若しくは入力された画像を印刷するために使用される。
また上記液滴吐出ヘッドは、液相法により各種デバイスを形成するための液滴吐出装置にも適用することができる。この形態においては、液滴吐出ヘッドより吐出される機能液として、液晶表示デバイスを形成するための液晶表示デバイス形成用材料、有機EL表示デバイスを形成するための有機EL形成用材料、電子回路の配線パターンを形成するための配線パターン形成用材料などを含むものが用いられる。これらの機能液を液滴吐出装置により基体上に選択配置する製造プロセスによれば、フォトリソグラフィ工程を経ることなく機能材料のパターン配置が可能であるため、液晶表示装置や有機EL装置、回路基板等を安価に製造することができる。
1…液滴吐出ヘッド、10…流路形成基板、12…圧力発生室、13…連通部、20…リザーバ形成基板、20a…凹部(第1の凹部)、21…インクリザーバ、34…配線、38…配線、40…凹部(第2の凹部)、41…第2開口部、42…第1開口部、44…接続端子、130…配線、200…半導体素子、300…圧電素子(駆動素子)
Claims (8)
- 複数の圧力発生室と該圧力発生室間をそれぞれ連通させる連通部とが形成された流路形成基板と、該流路形成基板の上面側に配設され前記圧力発生室に圧力変化を生じさせる駆動素子と、該駆動素子を覆って設けられ前記連通部に連通するインクリザーバを備えた封止基板と、を備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
前記封止基板は段差構造を備えてなり、
前記インクリザーバは、前記段差構造の上段部を貫通した状態に設けられ、
前記半導体素子は、前記段差構造の下段部の上面に設けられている、ことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 前記段差構造の下段部には第1開口部が設けられ、該第1開口部内に前記駆動素子に導通する配線部を配置させるように、前記封止基板と前記流路形成基板とが貼りあわされてなり、
前記第1開口部を介して配線が設けられ、該配線は前記半導体素子と前記配線部とを接続していることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。 - 前記第1開口部の内側面は、前記流路形成基板の上面に対し鋭角をなす傾斜面となっていて、前記配線は前記傾斜面に沿って引き回されていることを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出ヘッド。
- 複数の圧力発生室と該圧力発生室間をそれぞれ連通させる連通部とが形成された流路形成基板と、該流路形成基板の上面側に配設され前記圧力発生室に圧力変化を生じさせる駆動素子と、該駆動素子を覆って設けられ前記連通部に連通するインクリザーバを備えた封止基板と、該封止基板上に設けられ前記駆動素子を駆動する半導体素子と、を備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、
前記封止基板の前駆体となる前駆体基板に第1の凹部を形成して前記前駆体基板に段差構造を設ける工程と、
前記段差構造の上段部を貫通した状態に前記インクリザーバを形成し、封止基板とする工程と、
前記段差構造の下段部の上面に前記半導体素子を設ける工程と、
を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記半導体素子を設ける工程の前に、
前記段差構造の下段部を貫通する第1開口部を設ける工程と、
前記第1開口部内に前記駆動素子に導通する配線部を配置させるように前記封止基板と前記流路形成基板とを貼りあわせる工程と、
前記第1開口部を介して、前記半導体素子と前記駆動素子とを接続する配線を形成する工程と、を備えたことを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記第1開口部の内側面は、前記流路形成基板の上面に対し鋭角をなす傾斜面となっていて、前記配線は前記傾斜面に沿って引き回されていることを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 前記インクリザーバを形成する工程は、前記段差構造の上段部の上面側に第2の凹部を形成した後、前記上段部の下面側から前記第2の凹部に連通し、前記上段部を貫通する第2開口部を設けることを特徴とする請求項6に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
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JP2005247452A JP2007062035A (ja) | 2005-08-29 | 2005-08-29 | 液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出装置 |
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JP2010058333A (ja) * | 2008-09-02 | 2010-03-18 | Fujifilm Corp | 液体吐出ヘッド及び液体吐出ヘッドの製造方法 |
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2005
- 2005-08-29 JP JP2005247452A patent/JP2007062035A/ja not_active Withdrawn
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