JP6269794B2 - 液滴吐出ヘッド、印刷装置および液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液滴吐出ヘッド、印刷装置および液滴吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液滴吐出ヘッド、印刷装置および液滴吐出ヘッドの製造方法に関する。
例えば印刷用紙等のような記録媒体に印刷を施す際には、液滴吐出ヘッドを備えた印刷装置が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の液滴吐出ヘッドは、インクを一旦貯留するキャビティーと、キャビティーに連通し、キャビティー内のインクを液滴として吐出する吐出口を有するベース基板を有している。また、キャビティーに隣接して、圧電素子が配置されている。この圧電素子は、当該圧電素子の駆動を制御するドライバーICと配線パターンを介して電気的に接続されている。そして、圧電素子が駆動することにより、吐出口からインク滴を確実に吐出することができる。
また、特許文献1に記載の液滴吐出ヘッドでは、ベース基板の上面に凹部開口形成されている。そして、ベース基板の上面に開口を有する凹部を介してその両側にそれぞれ前記ドライバーICが配置されている(以下、この配置を「従来の配置」と言う)。
ところで、近年では、液滴吐出ヘッドの小型化が求められ、そのため、ベース基板も小型化する必要があった。しかしながら、ベース基板が小型化されてしまうと、従来の配置では、ドライバーICをベース基板上に配置するのが困難となる場合がある。そして、ドライバーICを配置しようとして、そのためのスペースを確保しつつ、当該スペースの大きさ(面積)をできる限り小さくしても、液滴吐出ヘッドの十分な小型化が図り難いと言う問題があった。
特開2006−289943号公報
本発明の目的は、小型化を図ることができる液滴吐出ヘッド、かかる液滴吐出ヘッドを備える印刷装置、および、かかる液滴吐出ヘッドを製造する方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液滴吐出ヘッドは、一方の面に開口して形成されて前記一方の面側から他方の面側に向かって貫通する貫通部と、導電性を有する配線パターンと、を含む第1の基板と、前記第1の基板の前記一方の面に対向する部位に設けられた複数の端子が前記配線パターンと電気的に接続されたICパッケージと、を備え
前記配線パターンは、前記一方の面から前記貫通部に向かって延びるように形成され
前記ICパッケージは、前記第1の基板の前記貫通部に対向する部位が前記貫通部に臨むように配置されたことを特徴とする。
これにより、ICパッケージの第1の基板上での配置スペースをできる限り抑えることができ、よって、液滴吐出ヘッドの小型化を確実に図ることができる。また、1つのICパッケージで例えば液滴の吐出を担う複数の圧電素子を制御することができる場合、液滴吐出ヘッドの小型化にさらに有効である。

本発明の液滴吐出ヘッドでは、各前記線状体は、前記2つの側壁部の双方に分散配置されているのが好ましい。
これにより、配線パターンを構成する線状体を多数本(複数本)確実に配置することができ、よって、当該各線状体を介して多量の情報を送受信することができるICパッケージをベース基板上に搭載することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記凹部は、溝状をなしており、前記2つの側壁部は、前記溝と交差する方向に対向しているのが好ましい。
これにより、配線パターンを構成する線状体を多数本(複数本)確実に配置することができ、よって、当該各線状体を介して多量の情報を送受信することができるICパッケージをベース基板上に搭載することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、各前記線状体は、前記溝の方向に沿って間隔を置いて配置されているのが好ましい。
これにより、溝の長手方向に隣接する線状体同士がショートする(短絡する)のがより確実に防止される。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、隣り合う各前記線状体間隔は、前記一方の面側から前記底部側に向かって漸増しているのが好ましい。
これにより、溝の長手方向に隣接する線状体同士がショートする(短絡する)のが確実に防止される。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記溝の方向の前記ICパッケージの長さは、前記溝の全長よりも短いが好ましい。
これにより、凹部内が外部と連通することとなり、例えば当該凹部27内を放熱することができ、よって、ICパッケージからの熱や配線からの熱が凹部内にこもるのが防止される。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記ICパッケージは前記溝の方向に間隔をあけて複数個配置されているのが好ましい。
これにより、ICパッケージ間の隙間から、凹部(溝)内の熱を放出することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、各前記端子と各前記第1部分との間には、導電性を有する材料を含有する接続部材が配置され、該接続部材を介して、前記各端子と前記各第1部分とが電気的に接続され、
前記接続部材は、前記ICパッケージを前記ベース基板に対して固定する機能を有するのが好ましい。
これにより、ICパッケージをベース基板に対して固定するための固定用部材を別途設けるのを省略することができ、よって、液滴吐出ヘッドを簡単な構造のものとすることができる。その結果、液滴吐出ヘッドが小型のものとなる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記ベース基板は、前記板状体の他方の面に開口して形成され液滴を吐出する吐出口と、該吐出口から前記液滴を吐出させる圧電素子とを有し、 前記ICパッケージは、前記配線パターンを介して前記圧電素子と電気的に接続され、該圧電素子の作動を制御するものであるのが好ましい。
これにより、例えば液滴の吐出量、吐出タイミング(吐出とその停止)等の吐出条件を正確かつ確実に制御することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記ベース基板は、前記凹部を有する第1の板状体と、該第1の板状体の前記凹部が開口する側と反対側に接合され、前記圧電素子を有する第2の板状体とを有し、
前記第1の板状体と前記第2の板状体とは、接着剤を介して接合されているのが好ましい。
これにより、第1の板状体および第2の板状体をそれぞれ用途、機能に応じて使用することができる。よって、薄型(小型)の液滴吐出ヘッドを得ることができ、この液滴吐出ヘッドを印刷装置が備えた場合、当該印刷装置の小型化に寄与する。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記配線パターンは、複数の層が積層されたものであるのが好ましい。
これにより、配線パターンを構成する各層をそれぞれ用途、機能に応じて使用することができ、よって、液滴吐出ヘッドの小型化に有利である。
本発明の印刷装置は、本発明の液滴吐出ヘッドを備えることを特徴とする。
これにより、小型化された液滴吐出ヘッドを備えた印刷装置を提供することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、前記ベース基板は、前記凹部を有する第1の板状体と、該第1の板状体の前記凹部が開口する側と反対側に接合され、前記配線パターンを介して前記ICパッケージと電気的に接続される圧電素子を有する第2の板状体とを有するものであり、
前記第1の板状体と前記第2の板状体とを接合する接合工程と、
前記一方の面に前記第1部分を形成し、前記側壁部に前記第2部分を形成し、前記底部に第3部分を形成する配線パターン形成工程と、
前記ICパッケージを前記表側の面が前記凹部に臨むように配置するとともに、前記各端子をそれぞれ前記各第1部分と電気的に接続する搭載工程とを有することを特徴とする。
これにより、小型化を図ることができる液滴吐出ヘッドを確実に製造することができ、よって、当該液滴吐出ヘッドを例えば印刷装置に搭載して小型の印刷装置を提供することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、前記ベース基板は、前記凹部を有する第1の板状体と、該第1の板状体の前記凹部が開口する側と反対側に接合され、前記配線パターンを介して前記ICパッケージと電気的に接続される圧電素子を有する第2の板状体とを有するものであり、
前記一方の面に前記第1部分を形成し、前記側壁部に前記第2部分を形成する第1の配線パターン形成工程と、
前記第1の板状体と前記第2の板状体とを接合する接合工程と、
前記底部に前記第3部分を形成する第2の配線パターン形成工程と、
前記ICパッケージを前記表側の面が前記凹部に臨むように配置するとともに、前記各端子をそれぞれ前記各第1部分と電気的に接続する搭載工程とを有することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
これにより、小型化を図ることができる液滴吐出ヘッドを確実に製造することができ、よって、当該液滴吐出ヘッドを例えば印刷装置に搭載して小型の印刷装置を提供することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドを示す横断面図である。 図1中の矢印A方向から見た図(平面図)である。 図2中の一点鎖線で囲まれた領域[B]の拡大詳細図である。 図1中の一点鎖線で囲まれた領域[C]の拡大詳細図である。 本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法(第1実施形態)の工程を順に示す概略横断面図である。 本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法(第1実施形態)の工程を順に示す概略横断面図である。 本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法(第1実施形態)の工程を順に示す概略横断面図である。 本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法(第1実施形態)の工程を順に示す概略横断面図である。 本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法(第1実施形態)の工程を順に示す概略横断面図である。 本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法(第1実施形態)の工程を順に示す概略横断面図である。 本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法(第1実施形態)の工程を順に示す概略横断面図である。 本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法(第1実施形態)の工程を順に示す概略横断面図である。 本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法(第2実施形態)の工程を順に示す概略横断面図である。 本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法(第2実施形態)の工程を順に示す概略横断面図である。 本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法(第2実施形態)の工程を順に示す概略横断面図である。 図15中の一点鎖線で囲まれた領域[D]の拡大詳細図である。 本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法(第2実施形態)の工程を順に示す概略横断面図である。 本発明の液滴吐出ヘッド(第3実施形態)を示す平面図である。 本発明の印刷装置を示す斜視図である。
以下、本発明の液滴吐出ヘッド、印刷装置および液滴吐出ヘッドの製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の液滴吐出ヘッドを示す横断面図、図2は、図1中の矢印A方向から見た図(平面図)、図3は、図2中の一点鎖線で囲まれた領域[B]の拡大詳細図、図4は、図1中の一点鎖線で囲まれた領域[C]の拡大詳細図、図5〜図12は、それぞれ、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法(第1実施形態)の工程を順に示す概略横断面図、図19は、本発明の印刷装置を示す斜視図である。なお、以下では、説明の都合上、図1、図4〜図12および図19中(図13〜図17についても同様)の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
図1〜図4に示す液滴吐出ヘッド1は、板状体で構成されたベース基板2と、ベース基板2上に配置されたIC(Integrated Circuit)パッケージ9とを備えている。この液滴吐出ヘッド1は、後述するように印刷装置(液滴吐出装置)100に搭載され、例えば印刷用紙等のような記録媒体200上にインク300を液滴として吐出して、当該記録媒体200に印刷を施すことができる(図19参照)。
図2に示すように、ベース基板2は、平面視で長方形をなすものである。このベース基板2は、封止板(第1の基板)10Aと、デバイス基板(第2の基板)10Bと、ノズル基板(ノズルプレート)21とを有し、下側からノズル基板21、デバイス基板10B、封止板10Aの順に積層された積層体で構成されている。また、封止板10Aとデバイス基板10Bとは、接着剤層(接着剤)11を介して接合されている。この接着剤層11の厚さとしては、特に限定されず、例えば、1〜10μmであるのが好ましく、1〜5μmであるのがより好ましい。また、デバイス基板10Bとノズル基板21も、接着剤層(図示せず)を介して接合されている。
封止板10Aも、積層体で構成され、リザーバー形成基板(保護基板)24と、コンプライアンス基板26と有し、これらがこの順に下側から積層されたものとなっている。また、デバイス基板10Bも、それぞれ、積層体で構成され、流路形成基板22と、振動板23と、複数の圧電素子25とを有し、これらがこの順に下側から積層されたものとなっている。そして、各積層体では、当該積層体を構成する各層が例えば図示しない接着剤層や熱溶着フィルム等を介して接合されている。
また、封止板自体およびデバイス基板自体も、それぞれ、積層体で構成され、当該積層体を構成する各層同士が例えば図示しない接着剤層や熱溶着フィルム等を介して接合されている。
このようにベース基板2が積層体で構成されていることにより、当該積層体を構成する各層をそれぞれ用途、機能に応じて使用することができる。これにより、薄型の液滴吐出ヘッド1を得ることができ、印刷装置100の小型化に寄与する。
図1に示すように、ノズル基板21は、当該ノズル基板21を貫通して、すなわち、ベース基板2(板状体)の下面(他方の面)212に開口して形成された吐出口(ノズル開口)211を複数有している。これらの吐出口211は、行列状に配置されている。図2に示すように、本実施形態では、吐出口211は、ベース基板2の長手方向(長辺方向)にn行(nは1以上の整数)、幅方向(短辺方向)に2列に配置されている。
なお、各吐出口211には、撥水性を有するコーティング層が設けられているのが好ましい。これにより、各吐出口211から吐出された液滴は、それぞれ、できる限り鉛直下方に向かって落下することとなり、記録媒体200上の着弾されるべき位置に確実に着弾することができる。
また、ノズル基板21の構成材料としては、特に限定されず、例えば、シリコン材料またはステンレス鋼であるのが好ましい。このような材料は、耐薬品性に優れることから、長時間にわたってインク300に曝されたとしても、ノズル基板21が変質・劣化するのを確実に防止することができる。また、これらの材料は、加工性に優れるため、寸法精度の高いノズル基板21が得られる。このため、信頼性の高い液滴吐出ヘッド1が得られる。
流路形成基板22は、各吐出口211に向かってインク300が通過する流路(キャビティー)221が形成されている。この流路221は、例えばエッチングを施すことにより形成されている。図1に示すように、各流路221は、それぞれ、圧力発生室222と、中継室(連通部)223と、圧力発生室222と中継室223とを連通させる連通路(供給路)224とに分けることができる。
圧力発生室222は、各吐出口211にそれぞれ対応して設けられ、当該吐出口211を介して外部と連通している。
中継室223は、圧力発生室222よりも上流側に設けられている。
連通路224は、圧力発生室222と中継室223との間に設けられている。
なお、流路形成基板22の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ノズル基板21の構成材料と同じものを用いることができる。
振動板23は、後述する圧電素子25の駆動により、その厚さ方向に振動することができる。また、振動板23は、その一部が圧力発生室222に臨んでいる。そして、振動板23が振動することにより、圧力発生室222内の圧力が変化して、当該圧力発生室222から吐出口211を介してインク300を液滴として吐出することができる。
このような振動板23は、流路形成基板22側から順に弾性膜231と下電極膜232とを積層してなるものである。弾性膜231は、例えば1〜2μm程度の厚さの酸化シリコン膜で構成されている。下電極膜232は、例えば0.2μm程度の厚さの金属膜で構成されている。この下電極膜232は、流路形成基板22とリザーバー形成基板24との間に配される複数の圧電素子25の共通電極としても機能する。
リザーバー形成基板24は、インク300を一時的に貯留するリザーバー241が、流路形成基板22の各流路221にそれぞれ連通して形成されている。図1に示すように、各リザーバー241は、それぞれ、第1室(リザーバー部)242と、第2室(導入路)243と、第1室242と第2室243とを連通させる連通路244とに分けることができる。
第1室242は、流路形成基板22の流路221の中継室223の上方に位置している。なお、振動板23は、第1室242と中継室223との間の部分が貫通しており、これにより、第1室242と中継室223とが連通する。
第2室243は、第1室242よりも上流側に設けられている。
連通路244は、第1室242と第2室243との間に設けられている。
なお、液滴吐出ヘッド1では、中継室223がリザーバー241の一部を構成しているということもできる。
また、リザーバー形成基板24は、各圧電素子25をそれぞれ収納する圧電素子収納室245が形成されている。圧電素子収納室245は、リザーバー241と独立して形成されている。
リザーバー形成基板24の構成材料としては、特に限定されず、例えば、シリコンやガラス等を用いることができる。
各圧電素子25は、それぞれ、下電極膜232側から順に圧電体膜(ピエゾ素子)251と、上電極膜252とを積層してなるものである。そして、上電極膜252と下電極膜232との間に電圧を印加した際、圧電効果により圧電体膜251が変形する。この変形により、振動板23が上下方向に振動することができる。前述したように、振動板23の振動により、圧力発生室222内の圧力が変化して、当該圧力発生室222から吐出口211を介してインク300を液滴として吐出することができる。このように、各圧電素子25は、それぞれ、振動板23を介して、吐出口211からインク300(液滴)を吐出させるように作動するよう構成されている。
コンプライアンス基板26は、リザーバー形成基板24側から順に封止膜261と固定板262とを積層してなるものである。封止膜261は、可撓性を有する材料(例えば、厚さ6μm程度のポリフェニレンスルフィドフィルム)で構成されている。この封止膜261の一部は、リザーバー241に臨んでいる。また、固定板262は、金属材料等のような比較的硬質の材料(例えば、厚さ30μm程度のステンレス鋼)で構成されている。この固定板262のリザーバー241側に臨む部分には、当該部分が欠損した欠損部263が形成されているのが好ましい。
また、コンプライアンス基板26には、封止膜261と固定板262とを一括して貫通する導入口264が形成されている。導入口264は、各リザーバー241にそれぞれ連通しており、当該リザーバー241にインク300を導入する部分である。
図1に示すように、以上のような積層体で構成されたベース基板2では、封止板10A(コンプライアンス基板26)の上面(一方の面)265の中央部に開口する凹部27が形成されている。この凹部27は、例えばエッチングで、封止板10Aをその厚さ方向に貫通するまで欠損させることにより形成されている。
また、図1、図2に示すように、凹部27は、ベース基板2の長手方向に沿った溝状をなしている。そして、この凹部27は、底部271と、底部271から立設し、凹部27(溝)の幅方向(交差する方向)に対向する第1の側壁部(側壁部)272aおよび272bと、底部271から立設し、凹部27の長手方向に対向する第2の側壁部273aおよび273bとで構成されている。これにより、後述するICパッケージ9と電気的に接続される配線パターン28を構成する線状部(線状体)281を、第1の側壁部272aおよび272bの双方に分散させて、凹部27(溝)の長手方向に沿って多数本(複数本)配置することができる(図3参照)。よって、各線状部281を介して多量の情報を送受信することができるICパッケージ9を搭載することができる。
底部271は、平坦な部分となっている。
第1の側壁部272aと第1の側壁部272bとは、それぞれ、底部271に対し傾斜している。なお、その傾斜角度は、特に限定されないが、例えば、リザーバー形成基板24をシリコンで構成した場合、その面方位にもよるが、54.7度となる。また、第1の側壁部272aと第1の側壁部272bとは、互いの離間距離が上面265側に向かって漸増している。
第2の側壁部273aと第2の側壁部273bも、それぞれ、第1の側壁部272a、272bと同様に、底部271に対し傾斜している。また、第2の側壁部273aと第2の側壁部273bとは、互いの離間距離が上面265側に向かって漸増している。
このように第1の側壁部272aと第1の側壁部272bと第2の側壁部273aと第2の側壁部273bとがそれぞれ傾斜していることにより、凹部27を例えばエッチングにより形成する際に、その形成を容易かつ確実に行なうことができる。
図1、図3に示すように、凹部27には、配線パターン28が設けられている。この配線パターン28は、線状をなす多数本の線状部281で構成されている。これらの線状部281は、第1の側壁部272a側と第1の側壁部272b側とにそれぞれ分散配置され、その傾斜方向に沿って形成されている。
また、第1の側壁部272a側にある多数本の線状部281と、第1の側壁部272b側とにある多数本の線状部281とは、凹部27(ベース基板2)の幅方向に互いに離間している。
図3に示すように、第1の側壁部272a側にある隣接する線状部281は、凹部27の長手方向に互いに離間している、すなわち、凹部27の長手方向に沿って間隔を置いて配置されている。さらに、当該隣接する線状部281の間隔は、凹部27の底部271側に向かって漸増している。このような間隙が形成されていることにより、第1の側壁部272a側では、隣接する線状部281がショートする(短絡する)のが確実に防止される。
これと同様に、第1の側壁部272b側にある隣接する線状部281も、凹部27の長手方向に沿って間隔を置いて配置されている。そして、当該隣接する線状部281の間隔も、凹部27の底部271側に向かって漸増している。このような間隙が形成されていることにより、第1の側壁部272b側でも、隣接する線状部281がショートするのが確実に防止される。
図1、図3に示すように、各線状部281は、それぞれ、ベース基板2の上面265から凹部27の底部271にわたって形成された1本の連続した線状をなす部分である。そして、各線状部281は、それぞれ、上面265上に形成された上部(第1部分)282と、第1の側壁部272a(または第1の側壁部272b)上に形成された中間部(第2部分)283と、底部271上に形成された下部(第3部分)284とに分けることができる。さらに下部284は上電極膜252に接続している。
図4に示すように、各線状部281(配線パターン28)は、それぞれ、複数の層(図示の構成では第1層285および第2層286)が積層されたものである。第1層285および第2層286は、それぞれ、導電性を有する材料で構成されている。例えば、第1層285は、Ni−Crで構成され、第2層286は、Auで構成されている。このような構成材料は、電気抵抗が比較的小さい金属材料であり、配線パターン28の構成材料として好ましい。また、線状部281が2層で構成されていることにより、各層をそれぞれ用途、機能に応じて使用することができる。
なお、各線状部281は、それぞれ、本実施形態では2つの層で構成されているが、これに限定されず、例えば、3つ以上の層で構成されていてもよい。この場合、各層の構成材料として、Ni、Pd、Au、Ti、Ti−W、Cu等の導電性を有する材料も用いることができる。
図1に示すように、ICパッケージ9は、電子回路(半導体素子)91と、電子回路91を収納するケーシング(パッケージ)92と、ケーシング92から露出し、電子回路91と電気的に接続された複数の端子93とを有している。
電子回路91は、例えば半導体で構成されている。
ケーシング92は、小片状で構成され、内部に電子回路91を収納することができる。ケーシング92の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種樹脂材料、各種半導体材料、各種金属材料またはセラミックス等が挙げられる。
各端子93は、それぞれ、ケーシング92(ICパッケージ9)の表側の面(下面)921および裏側の面(上面)922のうちの表側の面921に露出している。ここで、「表側の面」とは、例えば素子が形成された面のことである。
また、端子93の配置数は、配線パターン28を構成する線状部281の本数と同数である。そして、各端子93は、それぞれ、当該端子93に対応する線状部281の上部282に接触することができる。これにより、電子回路91(ICパッケージ9)は、接続部材12を介して、各端子93と配線パターン28とが電気的に接続される。なお、端子93の構成材料としては、特に限定されず、例えば、金や銅等のような電気抵抗が比較的小さい金属材料を用いることができる。
また、接続部材12は、それぞれ、ICパッケージ9をベース基板2に対して固定する機能も有している。これにより、ICパッケージ9をベース基板2に対して固定するための固定用部材を別途設けるのを省略することができ、よって、液滴吐出ヘッド1を簡単な構造のものとすることができる。その結果、液滴吐出ヘッド1が小型のものとなる。
以上のような構成のICパッケージ9は、配線パターン28を介して各圧電素子25と電気的に接続されている。そして、このICパッケージ9は、各圧電素子25の作動を制御することができる。これにより、インク300を正確かつ確実に吐出させることができる。
図1〜図3に示すように、液滴吐出ヘッド1では、ICパッケージ9は、表側の面921がベース基板2の上面265側から凹部27に臨むように1つ配置されている。また、ICパッケージ9は、その幅が凹部27の幅よりも大きいものであり、当該凹部27を幅方向にまたいでいる。
このようにICパッケージ9を配置することにより、当該ICパッケージ9の配置スペースをできる限り抑えることができ、よって、液滴吐出ヘッド1の小型化を確実に図ることができる。また、1つのICパッケージ9で各圧電素子25を制御することができ、よって、液滴吐出ヘッド1の小型化に有効である。
また、凹部27の形成によりベース基板2の薄肉となった部分の補強をICパッケージ9が担うこともできる。
なお、図2に示すように、ICパッケージ9の全長(凹部27の長手方向に沿った長さ)は、凹部27の全長よりも短い。これにより、凹部27内が外部と連通することとなり、例えば当該凹部27内を放熱することができ、よって、ICパッケージ9および配線パターン28からの熱が凹部27内にこもるのが防止される。
図1に示すように、ICパッケージ9の各端子93と配線パターン28の各第1部分282との間には、それぞれ、接続部材12が配置されている。各接続部材12は、Au、Cu、Niなどの金属突起(バンプ)であり、この接続部材12と図示しない例えば、ACF(Anisotropic Condactive Film)やACP(Anisotropic Conductive Paste)を介在させ圧着することで確実に電気的に接続される。また、その他、NCP(Non−Conductive Paste)を用いることができる。この場合、接続部材12と第1部分282とは直接的に、電気的に接続されることとなる。これにより、端子93と第1部分282とが接続部材12を介して確実に電気的に接続される。
次に、液滴吐出ヘッド1を製造する方法(液滴吐出ヘッドの製造方法)について、図5〜図12を参照しつつ説明する。なお、図5〜図12は、それぞれ、液滴吐出ヘッド1の主要部を示す概略図となっている。
本製造方法は、第1の準備工程(図5参照)と、第1のエッチング工程(図6参照)と、第2の準備工程(図7参照)と、第1の接合工程(図8参照)と、配線パターン形成工程(図9参照)と、第2のエッチング工程(図10参照)と、第2の接合工程(図11参照)と、搭載工程(図12参照)とを有している。
[1] 第1の準備工程
図5に示すように、リザーバー形成基板24となる板状をなす母材24’を用意する。なお、本実施形態では、母材24’は、シリコンで構成され、厚さが400μmの板部材である。
[2] 第1のエッチング工程
次に、図6に示すように、母材24’に対して異方性ウェットエッチングを施して、凹部27や圧電素子収納室245等を形成し、リザーバー形成基板24を得る。なお、図6(図7〜図12についても同様)中では省略されているが、本工程では、リザーバー241も形成される。
異方性ウェットエッチングを施す場合、まず、母材24’を熱酸化して、例えば700nm程度のSiO2膜を母材24’の外表面に形成する。次いで、レジストを母材24’の両面に塗布してパターニングを行なう。次いで、母材24’をフッ酸に浸漬し、SiO2膜の一部を除去し母材24’の外表面を露出させる。次いで、レジストを剥離した後、濃度35%のKOH溶液に母材24’を浸漬し、当該母材24’に凹部27や圧電素子収納室245等を形成する。これにより、リザーバー形成基板24が得られる。次いで、フッ酸でSiO2膜をエッチングした後、リザーバー形成基板24に再度熱酸化を行ない、当該リザーバー形成基板24の外表面を絶縁化する。
[3] 第2の準備工程
次に、図7に示すように、デバイス基板10Bとなる中間部品10B’を用意する。中間部品10B’は、流路形成基板22となる母材22’に未だ流路221が形成されていない状態のものである。なお、図7(図8〜図12についても同様)中では省略されているが、母材10B’(デバイス基板10B)には、振動板23も配置されている。
[4] 第1の接合工程(接合工程)
次に、リザーバー形成基板24の凹部27が開口する側と反対側の面、すなわち、下面の全体に接着剤を塗布して、図8に示すように、当該リザーバー形成基板24(封止板10A)と中間部品10B’とを接着剤層11を介して接合する。なお、接着剤層11は、その一部111が凹部27内で、リザーバー形成基板24と中間部品10B’との境界部からはみ出るのが好ましい。
[5] 配線パターン形成工程
次に、図9に示すように、配線パターン28を当該配線パターン28が形成されるべき箇所に形成する、すなわち、上面265に上部282を形成し、第1の側壁部272a(または第1の側壁部272b)に中間部283を形成し、底部271に下部284を形成する。
配線パターン28を形成する場合、まず、封止板10Aおよび中間部品10B’の上方に臨む面、すなわち、表側の面全体に金属膜をスパッタにより形成する。なお、この金属膜は、例えば厚さが50nmのNi−Cr層(第1層285)と、当該層上に厚さが700nmのAu層(第2層286)とが積層されたものである。次いで、金属膜上にレジストを形成する。次いで、フォトリソグラフィー(露光、現像)により、レジストに対しパターニングを行なう。次いで、Au層、Ni−Cr層に順次ウェットエッチングを施す。Au層用のエッチング液としては、ヨウ素系のものを用い、Ni−Cr層用のエッチング液としては、硝酸系もしくは塩酸系のものを用いた。次いで、レジストを剥離する。これにより、配線パターン28が形成される。
[6] 第2のエッチング工程
次に、中間部品10B’の母材22’に対してエッチングを施して、図10に示すように、当該母材22’に流路221を形成した。これにより、デバイス基板10Bが得られる。なお、図10(図11、図12についても同様)中では省略されているが、流路221を構成する中継室223、連通路224も形成される。
[7] 第2の接合工程
次に、図11に示すように、デバイス基板10Bの下面にノズル基板21を例えば接着(接着剤や溶媒による接着)により接合する。これにより、ベース基板2が得られる。また同時に、リザーバー形成基板24にコンプライアンス基板26を接着(接着剤や溶媒による接着)により接合する。なお、図11中(図12についても同様)中では、コンプライアンス基板26は省略されている。
[8] 搭載工程
次に、図12に示すように、ICパッケージ9をベース基板2上に搭載する。
この搭載を行なう場合、まず、ICパッケージ9の各端子93にそれぞれ接続部材12を付与する。本実施形態では、接続部材12は、Auバンプで構成されている。次いで、接続部材12が形成されたICパッケージ9をその表側の面921がベース基板2の凹部27に臨むように配置するとともに、接続部材12とACFを介してICパッケージ9の各端子93と配線パターン28の各線状部281の上部282とを電気的に接続する。なお、この接続の際には、接続部材12を170度以下の温度で加熱する。
以上のような工程を経ることにより、小型の液滴吐出ヘッド1が確実に得られる。
なお、本製造方法は、前記説明では1枚の母材24’から1枚のリザーバー形成基板24を得てベース基板2を製造していたが、これに限定されず、1枚の母材24’から複数のリザーバー形成基板24を得て、複数の中間部品10B’を接合後に、各中間部品10B’に切断して(分割して)、ベース基板2を製造することもできる。
次に、液滴吐出ヘッド1を備えた印刷装置100について説明する。
図19に示す印刷装置100は、記録媒体200にインクジェット方式で印刷する印刷装置である。この印刷装置100は、装置本体50と、液滴吐出ヘッド1が搭載された記録ヘッドユニット20Aおよび20Bと、インク300を供給するインクカートリッジ30Aおよび30Bと、記録ヘッドユニット20Aおよび20Bを搬送するキャリッジ40と、キャリッジ40を移動させる移動機構70と、キャリッジ40を移動可能に支持する(案内する)キャリッジ軸60とを備えている。
インクカートリッジ30Aは、記録ヘッドユニット20Aに着脱自在に装着され、その装着状態で記録ヘッドユニット20Aにインク300(ブラックインク組成物)を供給することができる。
インクカートリッジ30Bも、記録ヘッドユニット20Bに着脱自在に装着され、その装着状態で記録ヘッドユニット20Bにインク300(カラーインク組成物)を供給することができる。
移動機構70は、駆動モーター701と、駆動モーター701に連結されたタイミングベルト702とを有している。そして、駆動モーター701の駆動力(回転力)がタイミングベルト702を介してキャリッジ40に伝達されることにより、キャリッジ40を記録ヘッドユニット20Aおよび20Bごとキャリッジ軸60方向に沿って移動させることができる。
また、装置本体50には、キャリッジ軸60の下側にその軸方向に沿ってプラテン80が設けられている。図示しない給紙ローラーなどにより給紙された記録媒体200がプラテン80上に搬送されるようになっている。そして、プラテン80上で記録媒体200に対してインク300が吐出されて印刷が施される。
前述したように、液滴吐出ヘッド1は、小型化されたものとなっている。そして、当該液滴吐出ヘッド1を備えた印刷装置100も小型化されたものとなる。
<第2実施形態>
図13〜図15、図17は、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法(第2実施形態)の工程を順に示す概略横断面図、図16は、図15中の一点鎖線で囲まれた領域[D]の拡大詳細図である。
以下、これらの図を参照して本発明の液滴吐出ヘッド、印刷装置および液滴吐出ヘッドの製造方法の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、液滴吐出ヘッドの製造方法の工程が一部異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
液滴吐出ヘッド1を製造する方法(液滴吐出ヘッドの製造方法)について、図13〜図17を参照しつつ説明する。なお、図13〜図17は、それぞれ、液滴吐出ヘッド1の主要部を示す概略図となっている。
本製造方法は、第1の準備工程、第1のエッチング工程、第2のエッチング工程〜搭載工程が前記第1実施形態で製造方法と同じであり、第1のエッチング工程と第2のエッチング工程との間の工程が前記第1実施形態で製造方法と異なる。この異なる工程は、第1の配線パターン形成工程(図13参照)と、第2の準備工程(図14参照)と、第1の接合工程(図15、図16参照)と、第2の配線パターン形成工程(図17参照)である。
[1]第1の配線パターン形成工程
図13に示すように、配線パターン28の一部を構成する各上部282を上面265に形成し、各中間部283を第1の側壁部272a(または第1の側壁部272b)に形成する。
この形成を行なう場合、まず、封止板10Aの上方に臨む面、すなわち、表側の面全体に金属膜をスパッタにより形成する。なお、この金属膜は、例えば厚さが50nmのNi−Cr層(第1層285)と、当該層上に厚さが700nmのAu層(第2層286)とが積層されたものである。次いで、金属膜上にレジストを形成する。次いで、フォトリソグラフィー(露光、現像)により、レジストに対しパターニングを行なう。次いで、Au層、Ni−Cr層に順次ウェットエッチングを施す。Au層用のエッチング液としては、ヨウ素系のものを用い、Ni−Cr層用のエッチング液としては、硝酸系もしくは塩酸系のものを用いた。次いで、レジストを剥離する。これにより、上部282および中間部283がそれぞれ形成される。
[2]第2の準備工程
次に、図14に示すように、デバイス基板10Bとなる中間部品10B’を用意する。
[3]第1の接合工程
次に、リザーバー形成基板24の凹部27が開口する側と反対側の面、すなわち、下面の全体に接着剤を塗布して、図15、図16に示すように、当該リザーバー形成基板24(封止板10A)と中間部品10B’とを接着剤層11を介して接合する。なお、接着剤層11は、その一部111が凹部27内で、リザーバー形成基板24と中間部品10B’との境界部からはみ出ないのが好ましい。
また、この接合を行なう際には、各中間部283の下方にそれぞれ各圧電素子25の上電極膜252が位置するように、すなわち、各中間部283と各圧電素子25の上電極膜252との位置が合うように、その接合を行なう(図16参照)。
[4]第2の配線パターン形成工程
図17に示すように、封止板10Aと中間部品10B’とが接合された接合体を、無電解めっき液に浸漬し、接合体上の金属膜(上部282および中間部283および上電極膜252)にめっき金属を析出させる。なお、本実施形態では、Niめっき層287とAuめっき層288とが積層されている。これにより、中間部283と上電極膜252がめっきにより接続されることで各線状部281と各圧電素子25の上電極膜252とが確実に電気的に接続されることなる。
以上のような工程を経ることにより、前記第1実施形態と同様に、小型の液滴吐出ヘッド1が確実に得られる。
<第3実施形態>
図18は、本発明の液滴吐出ヘッド(第3実施形態)を示す平面図である。
以下、この図を参照して本発明の液滴吐出ヘッド、印刷装置および液滴吐出ヘッドの製造方法の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、ICパッケージの配置数が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図18に示すように、本実施形態では、ICパッケージ9は、溝状をなす凹部27の長手方向に沿って複数(図示の構成では3つ)配置されている。また、隣接するICパッケージ9同士の間には、間隙13が形成されている。この間隙13を介して、凹部27内の熱を放出することができる。
なお、ICパッケージ9の配置数は、図示の構成では3つであるが、これに限定されず、例えば、2つまたは4つ以上であってもよい。
以上、本発明の液滴吐出ヘッド、印刷装置および液滴吐出ヘッドの製造方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、液滴吐出ヘッド、印刷装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の液滴吐出ヘッド、印刷装置および液滴吐出ヘッドの製造方法は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、液滴吐出ヘッド(印刷装置)は、前記実施形態では、印刷用紙等のような記録媒体にインクを液滴として吐出して印刷を施すよう構成されたものである。本発明では、これに限定されず、例えば、液晶表示デバイス形成用材料を液滴として吐出して液晶表示デバイス(液晶表示装置)を製造したり、有機EL形成用材料を液滴として吐出して有機EL表示デバイス(有機EL装置)を製造したり、配線パターン形成用材料を液滴として吐出して電子回路の配線パターンを形成して回路基板を製造することもできる。
1……液滴吐出ヘッド 2……ベース基板 21……ノズル基板(ノズルプレート) 211……吐出口(ノズル開口) 212……下面(他方の面) 22……流路形成基板 22’……母材 221……流路(キャビティー) 222……圧力発生室 223……中継室(連通部) 224……連通路(供給路) 23……振動板 231……弾性膜 232……下電極膜 24……リザーバー形成基板(保護基板) 24’……母材 241……リザーバー 242……第1室 243……第2室 244……連通路 245……圧電素子収納室 25……圧電素子 251……圧電体膜 252……上電極膜 26……コンプライアンス基板 261……封止膜 262……固定板 263……欠損部 264……導入口 265……上面(一方の面) 27……凹部 271……底部 272a、272b……第1の側壁部(側壁部) 273a、273b……第2の側壁部 28……配線パターン 281……線状部(線状体) 282……上部(第1部分) 283……中間部(第2部分) 284……下部(第3部分) 285……第1層 286……第2層 287……Niめっき層 288……Auめっき層 9……ICパッケージ 91……電子回路(半導体素子) 92……ケーシング(パッケージ) 921……表側の面(下面) 922……裏側の面(上面) 93……端子 10A……封止板(第1の基板) 10B……デバイス基板(第2の基板) 10B’……中間部品 11……接着剤層(接着剤) 111……一部 12……接続部材 13……間隙 20A、20B……記録ヘッドユニット 30A、30B……インクカートリッジ 40……キャリッジ 50……装置本体 60……キャリッジ軸 70……移動機構 701……モーター 702……タイミングベルト 80……プラテン 100……印刷装置(液滴吐出装置) 200……記録媒体 300……インク

Claims (15)

  1. 一方の面に開口して形成されて前記一方の面側から他方の面側に向かって貫通する貫通部と、導電性を有する配線パターンと、を含む第1の基板と、
    前記第1の基板の前記一方の面に対向する部位に設けられた複数の端子が前記配線パターンと電気的に接続されたICパッケージと、を備え、
    前記配線パターンは、前記一方の面から前記貫通部に向かって延びるように形成され、前記ICパッケージの各前記端子と電気的に接続された第1部分を有し、
    各前記端子と各前記第1部分との間には、各前記端子と各前記第1部分とを電気的に接続する接続部材が配置され、
    前記接続部材は、前記ICパッケージを前記第1の基板に対して固定する機能を有し、
    前記ICパッケージは、前記第1の基板の前記貫通部に対向する部位が前記貫通部に臨むように配置されたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記貫通部は、前記ICパッケージと並行するように形成され、
    前記ICパッケージの長さは、前記貫通部の長さより短い請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記貫通部は、前記ICパッケージと並行するように形成され、
    前記ICパッケージは、間隔をあけて複数個配置された請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記第1の基板の前記他方の面側に接合された第2の基板を有し、
    前記第1の基板の前記貫通部と、前記第2の基板において前記第1の基板の前記他方の面側に接合された面と、によって、凹部が形成される請求項1ないし3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 前記凹部は、底部と、該底部から互いに対向して立設される2つの側壁部を有し、
    前記配線パターンは、前記側壁部に形成された第2部分と、前記底部に形成された第3部分とを有し、前記第1部分と前記第2部分と前記第3部分とが1本の連続した線状体を構成し、
    前記線状体が連続する連続方向と交差する交差方向において隣り合う各前記線状体の間隔は、前記一方の面側から前記底部側に向かって漸増している請求項4に記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 各前記線状体は、前記2つの側壁部の双方に分散配置されている請求項5に記載の液滴吐出ヘッド。
  7. 前記2つの側壁部は、前記貫通部が延びる方向と交差する方向に対向している請求項5または6に記載の液滴吐出ヘッド。
  8. 各前記線状体は、前記ICパッケージが延びる方向に沿って間隔を置いて配置されている請求項5ないし7のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  9. 前記第2の基板は、液滴を吐出する吐出口から前記液滴を吐出させる圧電素子を有し、
    前記ICパッケージは、前記配線パターンを介して前記圧電素子と電気的に接続され、該圧電素子の作動を制御する請求項4ないし8いずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  10. 前記配線パターンは、複数の層が積層されたものである請求項1ないし9のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを備えることを特徴とする印刷装置。
  12. 請求項4ないし9のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを製造する方法であって、
    前記第1の基板と前記第2の基板とを接合する接合工程と、
    前記一方の面から前記凹部に亘って前記配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
    前記ICパッケージを前記凹部に臨むように配置する搭載工程と、を有することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  13. 請求項5ないし8のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを製造する方法であって、
    前記一方の面に前記第1部分を形成し、前記側壁部に前記第2部分を形成する第1の配線パターン形成工程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板とを接合する接合工程と、
    前記底部に前記第3部分を形成する第2の配線パターン形成工程と、
    前記ICパッケージを前記凹部に臨むように配置する搭載工程と、を有することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  14. 一方の面に開口して形成された凹部と、導電性を有する配線パターンと、を含むベース基板と、
    前記ベース基板の前記一方の面に対向する部位に設けられた複数の端子が前記配線パターンと電気的に接続されたICパッケージと、を備え、
    前記配線パターンは、前記一方の面から前記凹部に向かって延びるように形成され、
    前記ベース基板の前記凹は、前記ICパッケージと並行するように形成され、
    前記ICパッケージの前記凹部と対向する部位の長さは、前記凹部の長さより短いことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  15. 請求項14に記載の液滴吐出ヘッドを備えることを特徴とする印刷装置。
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