JP3901807B2 - 着色画像形成用感光材、感光性エレメント、カラーフィルターの製造法及びカラーフィルター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示デバイス、センサー、色分解デバイス等に用いられるカラーフィルターの製造に用いられる着色画像形成用感光材、感光性エレメント、カラーフィルターの製造法及びカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示デバイス、センサー及び色分解デバイス等にカラーフィルターが多用されている。このカラーフィルターの製造法として、従来は、染色可能な樹脂、例えば天然のゼラチンやカゼインに感光性を付与したものをパターン露光して現像し、そこに、主に染料を用いて染色することにより、着色画素を形成する方法がとられていた。しかし、この方法で得た画素は、材料からの制約で、耐熱性、耐光性が低いという問題があった。
そこで、最近、耐熱性及び耐光性を改良する目的で、顔料を分散させて着色した感光性樹脂材料を用い、これをパターン露光及び現像して着色画像を形成する方法が注目され、多くの検討が行われるようになった。この方法によれば、カラーフィルターの製法も簡略化され、得られたカラーフィルターも安定で、寿命の長いものになることが知られている。
この顔料分散型のカラーフィルターのベース樹脂としては、アクリル樹脂が一般的に用いられてきた。しかし、これらの樹脂を用いた感光材では、感度が低いという問題があった。また高解像度化という点でも限界があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1記載の発明は、感度及び解像度の優れる着色画像形成用感光材を提供するものである。
請求項2記載の発明は、感度、解像度及び作業性の優れる感光性エレメントを提供するものである。
また、請求項3及び4記載の発明は、歩留りよく高品位なカラーフィルターを製造できるカラーフィルターの製造法を提供するものである。
また、請求項5記載の発明は、高品位なカラーフィルターを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)下記一般式(I)
【化2】
(式中、A1は環を構成する炭素数が6〜12の二価の芳香族環を示し、A2は環を構成する炭素数が6〜12の三価の芳香族環を示し、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは水素原子又は−CO−Y−COOH(但し、Yは炭素数1〜12の二価の炭化水素基を表す)を示し、nは1〜15の整数を示す)
で表されるエポキシアクリレート樹脂、
(b)顔料、
(c)光重合性不飽和基を分子内に1つ以上有するモノマー及び
(d)光重合開始剤
を含有してなる着色画像形成用感光材に関する。
【0005】
また、本発明は、支持体及び前記着色画像形成用感光材からなる層を有する感光性エレメントに関する。
また、本発明は、基板上に前記着色画像形成用感光材の膜を形成し、活性光線をこの膜に対して画像状に照射して露光部を光硬化させ、未露光部を現像により除去することにより画素を形成することからなる工程を、異なった色の複数の着色画像形成用感光材を用いて繰り返し行うことを特徴とするカラーフィルターの製造法に関する。
また、本発明は、各々赤、緑、青及び黒の4種の着色画像形成用感光材を用いて赤色画素、緑色画素、青色画素及び黒色画素を有するカラーフィルターを製造する前記カラーフィルターの製造法に関する。
また、本発明は、前記の方法によって製造されたカラーフィルターに関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
[着色画像形成用感光材]
上記(a)成分のエポキシアクリレート樹脂を表す一般式(I)において、A1の環を構成する炭素数が6〜12の二価の芳香族環及びA2の環を構成する炭素数が6〜12の三価の芳香族環における芳香族環は、単環、縮合環又は単環同士が単結合で結合したものであってよく、また、炭素数1〜6のアルキル基が1個以上結合していてもよい。
【0007】
A1の環を構成する炭素数が6〜12の二価の芳香族環としては、例えば、
【化3】
等が挙げられる。
また、A2の環を構成する炭素数が6〜12の三価の芳香族環としては、例えば、
【化4】
等が挙げられる。
【0008】
Xは、水素原子又は−CO−Y−COOHであり、その存在比率(モル比)の(−CO−Y−COOH)/(水素原子)に特に制限はなく0/100〜100/0の範囲をとりうるが、アルカリ現像性の点から、10/90〜90/10であることが好ましい。
Yの炭素数1〜12の二価の炭化水素基としては、例えば、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸から2個のカルボキシル基を除いた二価の残基が挙げられる。
【0009】
本発明におけるエポキシアクリレート樹脂は、例えば、下記一般式(I−1)
【化5】
(式中、A1、A2、R2及びnは、一般式(I)におけると同意義である)
で表されるエポキシ化合物とアクリル酸又はメタクリル酸とをエチルセロソルブアセテート等の溶媒中で80〜120℃で2〜30時間加熱して反応させ、エポキシ基とカルボキシル基の反応により生成した2級のヒドロキシル基にテトラヒドロ無水フタル酸等の酸無水物を60〜120℃で1〜20時間加熱して反応させることにより得ることができる。
【0010】
前記一般式(I−1)で表されるエポキシ化合物は、例えば、ESN−100シリーズ(一般式(I−1)でA1及びA2がナフタレン環で、R2が水素原子で 、種々の分子量のものとして、商品名ESN−170、ESN−175、ESN−185、ESN−195等がある)として、新日鐵化学(株)から入手することができる。
【0011】
(a)成分の樹脂の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定し標準ポリスチレン換算したもの)は、塗工性、耐熱性の点から1,000〜50,000であることが好ましい。(a)エポキシアクリレート樹脂の使用量は(a)、(b)、(c)及び(d)成分の総量100重量部に対して、5〜85重量部とすることが好ましく、15〜55重量部とすることがより好ましく、20〜45重量部とすることが特に好ましい。この使用量が5重量部未満では、現像液に対する溶解性や解像度が低下する傾向があり、85重量部を超えると、基板への密着性が低下し、画素の形成が困難になる傾向がある。
【0012】
また、本発明の着色画像形成用感光材には、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、変性スチレンマレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等の一般式(I)で表されるエポキシアクリレート樹脂以外の樹脂を、一般式(I)で表されるエポキシアクリレート樹脂100重量部に対して300重量部以下で使用することができる。この使用量が300重量部を超えると、解像度や光感度が低下する傾向がある。
【0013】
本発明に用いられる(b)顔料としては、無機顔料、有機顔料のいずれも使用可能であるが、色調の豊富さなどから有機顔料が好ましい。
有機顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、インジゴ系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、メチン・アゾメチン系、イソインドリノン系等が挙げられる。
本発明の着色画像形成用感光液をカラーフィルターに適用する場合には、赤、緑、青及び黒色等の着色画像に適した各顔料系が好ましく用いられる。
【0014】
赤色の着色画像には、単一の赤色顔料系を用いてもよいし、黄色顔料系を赤色顔料系に混合して調色を行ってもよい。
赤色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントレッド9、123、155、168、177、180、217、220、224等が挙げられる。
黄色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントイエロー20、24、83、93、109、110、117、125、139、147、154等が挙げられる。
これらの赤色顔料系及び黄色顔料系は、それぞれ2種以上を混合して用いることもできる。なお、赤色顔料系と黄色顔料系を混合して用いる場合には、黄色顔料系を赤色顔料系と黄色顔料系の総量100重量部に対して、50重量部以下で用いることが好ましい。
【0015】
緑色の着色画像には、単一の緑色顔料系を用いてもよいし、上記の黄色顔料系を緑色顔料系に混合して調色を行ってもよい。
緑色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントグリーン7、36、37等が挙げられる。
これらの緑色顔料系及び黄色顔料系は、それぞれ2種以上を混合して用いることもできる。なお、緑色顔料系と黄色顔料系を混合して用いる場合には、黄色顔料系を緑色顔料系と黄色顔料系の総量100重量部に対して、50重量部以下で用いることが好ましい。
【0016】
青色の着色画像には、単一の青色顔料系を用いてもよいし、紫色顔料系を青色顔料系に混合して調色を行ってもよい。
青色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、22、60等が挙げられる。
紫色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名で、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、37、50等が挙げられる。
これらの青色顔料系及び紫色顔料系は、それぞれ2種以上を混合して用いることもできる。なお、青色顔料系と紫色顔料系を混合して用いる場合には、紫色顔料系を青色顔料系と紫色顔料系の総量100重量部に対して、50重量部以下で用いることが好ましい。
黒色の着色画像には、例えば、カーボンブラック、黒鉛、チタンカーボン、黒鉄、二酸化マンガン等の黒色顔料系が用いられる。
【0017】
本発明における(b)成分の使用量は、(a)、(b)、(c)及び(d)成分の総量100重量部に対して、5〜70重量部とすることが好ましく、10〜50重量部とすることがより好ましく、15〜40重量部とすることが特に好ましい。この使用量が5重量部未満では、画像の色濃度が低くなる傾向があり、また、70重量部を超えると、光感度が低下する傾向がある。
【0018】
本発明に用いられる(c)光重合性不飽和基を分子内に1つ以上有するモノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、エチルジエチレングリコールアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールメタクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、カプロラクトン変性−2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシ化シクロデカトリエンアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ステアリルメチレンジアクリレート、ミリスチルメチレンジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のアクリレート、これらに対応するメタクリレート等が代表的な例として挙げられる。これらのモノマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
【0019】
本発明における(c)成分の使用量は、(a)、(b)、(c)及び(d)成分の総量100重量部に対して、2〜50重量部とすることが好ましく、5〜40重量部とすることがより好ましく、10〜30重量部とすることが特に好ましい。この使用量が2重量部未満では、光感度が低い傾向がある。また、50重量部を超えると、顔料の分散安定性が低下する傾向がある。
【0020】
本発明における(a)成分と(c)成分の配合量の重量比(a)/(c)は0.5〜5.0とすることが好ましく、0.7〜3.5とすることがより好ましく、1.0〜2.5とすることが特に好ましい。この比率が0.5未満では、乾燥塗膜の表面タック性が悪化する傾向があり、5.0を超えると、光感度が低くなる傾向がある。
【0021】
本発明に用いられる(d)光重合開始剤は、特に制限なく、従来公知のものを単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0022】
高光感度、酸素阻害を受けにくい等の点から、(d)光重合開始剤が、下記の一般式(II)
【化6】
(式中、R3及びR4は各々独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基を示し、或はR3とR4は互いに結合して炭素数4〜7のアルキレン基を示し、R5は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜11のアシル基を示し、X1は
【化7】
(ただし、R7は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数3〜18のアルケニル基を示し、R8及びR9は各々独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を示し、或はR8とR9は互いに結合して炭素数4〜7のアルキレン基、炭素数3〜4のオキサジアルキレン基又は炭素数3〜4のイミノジアルキレン基を示す)を示し、Y1は水素原子又は
【化8】
を示し、Y2は水素原子、ハロゲン原子又はニトロ基を示す)
で表されるカルバゾール系光重合開始剤、一般式(III)
【化9】
(式中、R3、R5、X1及びY2は一般式(II)におけると同意義であり、R6は直接結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を示す)
で表されるカルバゾール系光重合開始剤又は一般式(IV)
【化10】
(式中、R3、R4、R5及びY2は一般式(II)におけると同意義であり、X2は−O−R10−O−(ただし、R10は炭素数2〜10のアルキレン基を示す)又は
【化11】
(ただし、R11は炭素数2〜10のアルキレン基を示し、R12は各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を示し、或いは二つのR12は互いに結合して炭素数1〜4のアルキレン基を示す)を示す)
で表されるカルバゾール系光重合開始剤であることが好ましい。
【0023】
前記一般式(II)で表されるカルバゾール系光重合開始剤、一般式(III)で表されるカルバゾール系光重合開始剤又は一般式(IV)で表されるカルバゾール系光重合開始剤において、R3、R4、R5、R7、R8、R9及びR12で表される炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ノナデシル、エイコシル等が挙げられる。
【0024】
R3及びR4で表される炭素数6〜14のアリール基としては、フェニル、ビフェニリル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等が挙げられる。
R3とR4が結合して形成する炭素数4〜7のアルキレン基としては、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン等が挙げられる。
R5で表される炭素数2〜11のアシル基としては、アセチル、プロピオニル 、ブチロイル、2−エチルヘキサノイル、アクリロイル、メタクリロイル、ベンゾイル、tert−ブチルベンゾイル、クロルベンゾイル等が挙げられる。
R6で表される炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン、エチレン 、トリメチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、デカメチレン等が挙げられる。
R7で表される炭素数3〜18のアルケニル基としては、アリル、オクタデセニル等が挙げられる。
【0025】
R8及びR9で表される炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシブチル等が挙げられる。R8とR9が結合して形成する炭素数4〜7のアルキレン基、炭素数3〜4のオキサジアルキレン基又は炭素数3〜4のイミノジアルキレン基としては、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オキサジエチレン、イミノジエチレン等が挙げられる。
Y2で表されるハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素及びヨウ素が挙げられる。
R10及びR11で表される炭素数2〜10のアルキレン基としては、エチレン、プロピレン、2,2−ジメチルプロピレン、1,4−ブチレン、ヘキサメチレン、デカメチレン等が挙げられ、二つのR12が結合して形成する炭素数1〜4のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン等が挙げられる。
【0026】
一般式(II)で表されるカルバゾール系光重合開始剤、一般式(III)で表されるカルバゾール系光重合開始剤又は一般式(IV)で表されるカルバゾール系光重合開始剤のうち、高い光感度、入手容易性等の点から、一般式(II)で表されるカルバゾール系光重合開始剤が好ましく、その中でも特に下記一般式(V)で表されるものが好ましい。
【化12】
(式中、R3、R4、R5及びX1は一般式(II)におけると同意義である)
【0027】
上記一般式(V)で表されるカルバゾール系光重合開始剤において、R5は好ましくは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、R3及びR4は好ましくは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基であり、X1は好ましくはアミノ基、アルキルアミノ基(アルキル基の炭素数1〜5)、ジアルキルアミノ基(アルキル基の炭素数1〜5)又はモルホリノ基である。
【0028】
上記したカルバゾール系光重合開始剤の代表例としては、下記のものが挙げられる。
(1):3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール
(2):3−(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−メチルカルバゾール
(3):3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−メチルカルバゾール
(4):3−(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−ブチルカルバゾール
(5):3−(2−エチル−2−ピペリジノプロピオニル)−9−ブチルカルバゾール
(6):3−(2−メチル−2−ジエタノールアミノプロピオニル)−9−メチルカルバゾール
(7):3−(2−メチル−2−ジブチルアミノプロピオニル)−9−クロロカルバゾール
【0029】
(8):3−(2−メチル−2−ピペラジノプロピオニル)−6−ニトロ−9−メチルカルバゾール
(9):3−(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−アセチルカルバゾール
(10):3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−ベンゾイルカルバゾール
(11):3−(2−メチル−2−ヒドロキシプロピオニル)−9−メチルカルバゾール
(12):3−(2−メチル−2−メトキシプロピオニル)−9−メチルカルバゾール
(13):3−(2−メチル−2−アリロキシプロピオニル)−9−メチルカルバゾール
(14):3−(1−ヒドロキシシクロヘキシルカルボニル)−9−ブチルカルバゾール
(15):1,4−ビス(9−ブチル−3−カルバゾリル)−2,3−ジヒドロキシブタン−1,4−ジオン
【0030】
(16):1,6−ビス(ジエチルアミノ)ヘキサン−1,6−ジオン
(17):1,4−ビス[1−(9−メチル−3−カルバゾリルカルボニル)イソプロピル]ピペラジン
(18):N,N′−ジメチル−N,N−ビス[1−(9−メチル−3−カルバゾリロイル)イソプロピル]エチレンジアミン
(19):2,7−ビス[1−(9−ブチル−3−カルバゾリルカルボニル)イソプロピル]−2,7−ジメチル−3,6−ジオキサオクタン
(20):3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ブチルカルバゾール
(21):3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾール
(22):3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール
【0031】
また、低い酸素阻害性、良好なパターン形状等の点から(d)光重合開始剤が、下記一般式(VI)で表されるトリハロメチル−S−トリアジン系光重合開始剤であることが好ましい。
【化13】
(式中、R12、R13及びR14は各々独立に水素原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基を示す)
【0032】
一般式(VI)で表わされるトリハロメチル−S−トリアジン系光重合開始剤は具体的には、例えば、下記の式(VI−1)〜式(VI−7)
【化14】
で表される化合物などが挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0033】
また、上記一般式(VI)で表されるトリハロメチル−S−トリアジン系光重合開始剤は、式(VII)
【化15】
で表される化合物及び式(VIII)
【化16】
で表される光重合開始剤と組み合わせて使用することが好ましい。
【0034】
一般式(VI)で表されるトリハロメチル−S−トリアジン系光重合開始剤を、式(VII)で表される光重合開始剤及び式(VIII)で表される光重合開始剤と組み合わせて使用する場合の使用割合(重量割合)は、光感度の点から一般式(VI)で表される光重合開始剤100重量部に対して、式(VII)で表される光重合開始剤を300〜20重量部及び式(VIII)で表される光重合開始剤を50〜500重量部とすることが好ましい。
【0035】
また、高い光感度、良好なパターン形状等の点から(d)光重合開始剤が、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニル1,2′−ビイミダゾール又は2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラ(3,4−メチレンジオキシフェニル)1,1′−ビ−1H−イミダゾール等のビイミダゾール系光重合開始剤であることが好ましい。
【0036】
本発明における(d)光重合開始剤の使用量は、(a)、(b)、(c)及び(d)成分の総量100重量部に対して、0.01〜20重量部とすることが好ましく、2〜15重量部とすることがより好ましく、3〜12重量部とすることが特に好ましい。この配合量が、0.01重量%未満であると、光感度が低くなる傾向があり、20重量%を超えると、基板への密着性が低下する傾向がある。
【0037】
本発明においては、(d)成分の光重合開始剤として、上記したカルバゾール系光重合開始剤、トリハロメチル−S−トリアジン系光重合開始剤及びビイミダゾール系光重合開始剤を(d)成分の総量の50重量%以上使用することが好ましく、70重量%以上使用することが好ましいが、上記した特定の光重合開始剤以外の光重合開始剤も使用することができる。このような光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン等が挙げられる。
【0038】
上記の(a)、(b)、(c)及び(d)成分を必須成分とする本発明の着色画像形成用感光材を塗工する場合は、通常、必須成分(a)、(b)、(c)及び(d)成分を有機溶剤に溶解又は分散させた塗工液として用いる。
本発明の着色画像形成用感光材に使用可能な有機溶剤としては、例えば、ケトン系溶剤、セロソルブ系溶剤、アルコール系溶剤、芳香族系溶剤等が挙げられる。
【0039】
具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ(エチレングリコールモノメチルエーテル)、エチルセロソルブ(エチレングリコールモノエチルエーテル)、ブチロセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチロセロソルブアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
【0040】
有機溶剤を使用する場合、その使用量は、着色画像形成用感光材中の有機溶剤の割合が、60〜95重量%となるような量とすることが好ましい。有機溶剤の量が95重量%を超えると、この有機溶剤を含有する着色画像形成用感光材の塗膜の乾燥に時間がかかりすぎる傾向があり、60重量%未満であると、粘度が高すぎて、塗布性が低下する傾向がある。
【0041】
本発明の着色画像形成用感光材には、必須成分である(a)樹脂、(b)顔料、(c)モノマー及び(d)光重合開始剤以外に、暗反応を抑制するためのハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコール等の熱重合禁止剤、基板との密着性を向上させるためのビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基等を有するシランカップリング剤、イソプロピルトリメタクリロイルチタネート、ジイソプロピルイソステアロイル−4−アミノベンゾイルチタネート等のチタネートカップリング剤、膜の平滑性を向上させるためのフッ素系、シリコン系、炭化水素系等の界面活性剤、その他、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を必要に応じて適宜使用することができる。これら添加剤の合計添加量は、(a)、(b)、(c)及び(d)成分の固形分総量100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.5〜5重量部とすることがより好ましい。
【0042】
次に、本発明の着色画像形成用感光材を調製する一例について以下に説明する。
まず(b)顔料を分散させるために、(a)樹脂及び(b)顔料を有機溶剤と混合し、この混合物を超音波分散機、三本ロール、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイザー、ニーダー等の分散/混練装置を用いて分散させる。
この分散工程の際、ポリカルボン酸型高分子活性剤、ポリスルホン酸型高分子活性剤等のアニオン系顔料分散剤、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー等のノニオン系顔料分散剤などの顔料分散剤、アントラキノン系、ペリレン系、フタロシアニン系、キナクリドン系等の有機顔料にカルボキシル基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、カルボン酸アミド基、スルホン酸アミド基、水酸基等の置換基を導入した有機顔料の誘導体などを加えると、顔料の分散性や分散安定性が良好になり好ましい。
【0043】
これら顔料分散剤や有機顔料の誘導体は、(b)顔料100重量部に対して50重量部以下で用いることが好ましい。
また、(b)顔料分散時に(c)モノマー及び(d)光重合開始剤を加えてもよく、(b)顔料分散後に(c)モノマー及び(d)光重合開始剤を加えてもよい。
(a)樹脂は、全量を分散時に顔料と共に用いてもよく、樹脂の一部を分散後に加えてもよい。ただし、(a)樹脂は(b)顔料100重量部に対して、分散時に少なくとも20重量部以上用いることが好ましい。(a)樹脂の使用量が分散時に20重量部未満では(b)顔料の分散安定性が低下する傾向がある。
同様に、有機溶剤も(b)顔料の分散時に全量用いてもよく、有機溶剤の一部を分散後に加えてもよい。ただし、有機溶剤は分散時の(b)顔料及び(a)樹脂の全量100重量部に対して、分散時に、少なくとも100重量部以上用いることが好ましい。有機溶剤の使用量が分散時に100重量部未満では、分散時の粘度が高すぎて、特にボールミル、サンドミル、ビーズミル等で分散する場合には、分散が困難になる可能性がある。
【0044】
次に、本発明のカラーフィルターの製造について説明する。
本発明のカラーフイルターは、上記本発明の着色画像形成用感光材を用いて、基板上に膜を形成し、活性光線を膜に対して画像状に照射して露光部を光硬化させ、未露光部を現像により除去することにより画素を形成することからなる工程を、異なった色の複数の着色画像形成用感光材を用いて繰り返し行い、基板上に異なった複数の色の画素を形成することにより製造できる。
【0045】
上記本発明の着色画像形成用感光材を基板上に直接塗布する方法としては、例えば、ロールコーター塗布、スピンコーター塗布、スプレー塗布、ホエラー塗布、ディップコーター塗布、カーテンフローコーター塗布、ワイヤーバーコーター塗布、グラビアコーター塗布、エアナイフコーター塗布などにより行われる。
【0046】
この際に用いる基板としては、用途により選択されるが、例えば、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラス等の透明ガラス基板、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製シート、フィルム又は基板、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属基板、その他セラミック基板、光電変換素子を有する半導体基板などが挙げられる。
【0047】
塗布後、塗膜の乾燥は、塗膜に対し加熱された空気(乾燥風)を吹きつけるか又は基板を加熱されたホットプレート上に載置することによって行うことが好適である。乾燥風又はホットプレートの加熱温度は、通常、30〜200℃、特に50〜150℃の温度が好適であり、1〜30分間加熱することにより膜を形成することができる。加熱温度は乾燥中一定に保ってもよいが、段階的に上昇させてもよい。
【0048】
一方、上記本発明の着色画像形成用感光材を基板上に直接塗布せずに、いったん支持体上に塗布乾燥し、着色画像形成用感光材からなる(この層の厚さは、通常0.1〜300μm、好ましくは0.2〜30μm、より好ましくは0.2〜5μmである)を形成して感光性エレメントとし、これを基板にラミネートするなどして、着色画像形成用感光材を基板上に膜として形成することもできる。支持体に着色画像形成用感光材を塗布する方法としては、ナイフコーター塗布、グラビアコーター塗布、ロールコーター塗布、スプレーコーター塗布等で行うことができる。この際に用いられる支持体としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のフィルムが挙げられる。塗布したのち、上記と同様に、通常、50〜130℃の温度で1〜30分間乾燥して膜を得ることができる。更に膜の表面に塵が付着するのを防ぐ等の目的で、膜の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層することが望ましい。
剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、テフロンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等があり、カバーフィルムを剥離するときに膜と支持体との接着力よりも膜とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
【0049】
このようにして得られた感光性エレメントを基板上にラミネートする方法としては、基板と本発明の着色画像形成用感光材を含む層を重ね合わせながら、加熱圧着することが好ましい。この場合、雰囲気は常圧でも減圧下でもよい。
このようにして基板表面に形成した乾燥塗膜の厚みは、用途によって適宜定まるが、通常、0.2〜5μm、好ましくは0.5〜1.5μmの範囲である。
【0050】
次いで、上記の方法で得られた基板上の膜に、活性光線を画像状に照射し、露光部の膜を硬化させる。この際、基板上の膜の表面にポリビニルアルコール等の酸素遮断膜を0.5〜30μmの厚みで形成し、その上から露光してもよい。
活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、可視光レーザー等が好ましく用いられる。これらの光源を用いてフォトマスクを介したパターン露光や、走査による直接描画などにより画像状に活性光線が照射される。露光の光量は、通常、10〜1000mJ/cm2、好ましくは50〜500mJ/cm2である。
【0051】
続いて、未露光部を除去する現像工程により、画像に対応した硬化膜の着色画像パターンを得ることができる。
現像方法としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等の無機アルカリや、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルアミン、n−ブチルアミン等の有機塩基を含む水溶液を吹きつける方法、これら水溶液に浸漬する方法などが挙げられる。
【0052】
現像後、更に、着色画像パターンを高圧水銀灯等を用いて0.5〜5mJ/cm2の光量を照射して後露光するか、60〜200℃の温度で1〜60分間後加熱を行うことが好ましい。この後露光、後加熱により、画像パターンがより強固となる。
【0053】
具体例として液晶表示素子に用いるカラーフィルターの作製法を例示すると、例えばガラス基板上に本発明の着色画像形成用感光材を用いて、前記した方法を繰り返して行うことにより、赤、緑、青等の着色画素を形成した後、この着色画素のすき間に、黒色の着色画像をブラックマトリツクスとして形成する方法や、先にクロム蒸着や黒色の着色画像等によりブラックマトリックスを形成した後、上記と同様に、赤、緑、青等の着色画素を形成してカラーフィルターを作製する方法などがある。
【0054】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
合成例1
((a)エポキシアクリレート樹脂(樹脂A)の合成)
撹拌機、温度計及び冷却管を備えたセパラブルフラスコに、エポキシ化合物 (新日鐡化学(株)製ESN−185、エポキシ当量277.5、溶融粘度(ポイズ、150℃)4.5)100重量部、アクリル酸26重量部、4−メトキシフェノール0.2重量部及びエチルセロソルブアセテート150重量部を投入し、撹拌して溶解し、100℃に昇温して同温度で10時間撹拌した。酸価が0.2(mgKOH/g)未満であることを確認した後、テトラヒドロ無水フタル酸50重量部と臭化テトラエチルアンモニウム0.05重量部とエチルセロソルブアセテート50重量部を加え80℃で4時間撹拌し、固型分酸価が105、固型分43重量%、重量平均分子量が2,000のエポキシアクリレート樹脂(樹脂A)の溶液を得た。
【0055】
実施例1
樹脂(a)としての樹脂Aの溶液58.1g(固型分25g)及び顔料(b)としてのカーボンブラック40gを、有機溶剤であるプロピレングリコールジメチルエーテル200gに加え、これをビーズミルを用いて2時間溶解、分散した。この分散液に、モノマー(c)としてのペンタエリスリトールテトラアクリレート20g、光重合開始剤(d)としての一般式(II)で表されるカルバゾール系光重合開始剤である3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール10g及び4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン5g並びに有機溶剤としてのエチレングリコールモノエチルエーテル200gを加えて混合し、黒色の着色画像形成用感光液を得た。各材料の配合を、表1に示した。
得られた感光液を、ガラス基板(コーニング社製、商品名7059)上にスピンコート法により塗布した後、ホットプレート上で100℃、10分の乾燥を行い、膜厚1.0μmの乾燥塗膜を形成した。
【0056】
次いで、乾燥塗膜に、ネガマスクを通して超高圧水銀灯により、画像状に200mJ/cm2の露光を行い、次いで、トリエタノールアミンを3重量%含む水溶液により現像を行い、黒色の画像パターンを得た。得られた黒色の画像パターンの光学密度は2.5であった。
得られた画像パターンの断面形状について評価し、表2に示した。断面形状が矩形に近いほど、パターン形状が優れている。
また、乾燥塗膜の光感度、解像度を下記の方法で評価し、結果を表2に示した。
【0057】
光感度:光学密度0.00を1段目とし、1段ごとに光学密度が0.05ずつ増加する41段のステップタブレットを用意し、乾燥塗膜上にこのステップタブレットを載置した状態で超高圧水銀灯により200mJ/cm2の露光を行い、次いで、トリエタノールアミンを3重量%含む水溶液により現像を行い、露光時にステップタブレット下にあった部分の膜の状態を観察した。露光時に乾燥塗膜の硬化を妨げず、タブレット下にあった部分の現像処理による溶解や流れを起こさせることのなかったステップの最大の段数を表2に示した。このステップ段数の値が大きいほど、光感度が優れている。
【0058】
解像度:乾燥塗膜を、ライン及びスペース幅(μm)の等しいストライプ状の複数のネガマスク(ライン及びスペース幅:1μm、3μm、5μm、10μm、20μm、30μm)を用いて、超高圧水銀灯により200mJ/cm2の露光を行い、次いで、トリエタノールアミンを3重量%含む水溶液により現像を行った。
解像度の評価を、完全に現像できた最小のライン及びスペース幅(μm)で表2に示した。この値が小さいほど解像度が優れている。
【0059】
実施例2
樹脂(a)としての樹脂Aの溶液81.4g(固型分35g)及び顔料(b)としてのカラーインデックス名でC.I.ピグメントレッド177 21g及びC.I.ピグメントイエロー139 4gを、有機溶剤であるプロピレングリコールジエチルエーテル250gに加え、これをビーズミルを用いて2時間溶解、分散した。この分散液に、モノマー(c)としてのトリメチロールプロパントリアクリレート32g、光重合開始剤(d)としての一般式(II)で表されるカルバゾール系光重合開始剤である3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール4g及び4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン4g並びに有機溶剤としてのプロピレングリコールジイソプロピルエーテル50g及びエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gを加えて混合し、赤色の着色画像形成用感光液を得た。各材料の配合量、量比を表1に示す。
得られた感光液を用い、実施例1と同様にして膜厚2.0μmの乾燥塗膜を形成し、得られた乾燥塗膜の光感度、解像度、赤色着色画像のパターン形状を、実施例1と同様の方法で評価し、結果を表2に示した。
【0060】
実施例3
樹脂(a)としての樹脂Aの溶液93.0g(固型分40g)及び顔料(b)としてのカラーインデックス名でC.I.ピグメントグリーン36 15g及びC.I.ピグメントイエロー83 6gを、有機溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテル200gに加え、これをビーズミルを用いて2時間溶解、分散した。この分散液に、モノマー(c)としてのペンタエリスリトールテトラアクリレート31g、光重合開始剤(d)としての一般式(II)で表されるカルバゾール系光重合開始剤である3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル−9−n−オクチルカルバゾール8g並びに有機溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル200gを加えて混合し、緑色の着色画像形成用感光液を得た。各材料の配合を表1に示した。
得られた感光液を用い、実施例1と同様にして膜厚2.0μmの乾燥塗膜を形成し、得られた乾燥塗膜の光感度、解像度、緑色着色画像のパターン形状を、実施例1と同様の方法で評価し、結果を表2に示した。
【0061】
実施例4
樹脂(a)としての樹脂B〔(スチレン)/(無水マレイン酸の2−ヒドロキシエチルアクリレートのハーフエステル)の構成割合が72/28(モル比)の共重合体、固型分酸価105、重量平均分子量が11,000〕20g及び顔料(b)としてのカラーインデックス名でC.I.ピグメントブルー15:6 17g及びC.I.ピグメントバイオレット23 1gを、有機溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテル260gに加え、これをビーズミルを用いて2時間溶解、分散した。この分散液に、樹脂(a)としての樹脂Aの溶液46.5g(固型分20g)、モノマー(c)としてのトリメチロールプロパントリアクリレート34g、光重合開始剤(d)としての一般式(II)で表されるカルバゾール系光重合開始剤である3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール3g及びN,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン5g並びに有機溶剤としてのエチレングリコールモノメチルエーテル140gを加えて混合し、青色の着色画像形成用感光液を得た。各材料の配合を表1に示す。
得られた感光液を用い、実施例1と同様にして膜厚2.0μmの乾燥塗膜を形成し、得られた乾燥塗膜の光感度、解像度、青色着色画像のパターン形状を、現像を0.5重量%の炭酸ナトリウムを含む水溶液を用いて行った以外は実施例1と同様の方法で評価し、結果を表2に示した。
【0062】
実施例5
実施例2で得られた感光液を、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、グラビアコート法により塗布し、100℃、2分の乾燥により、膜厚2.0μmの着色画像形成用感光材を含む層を形成し、その上に厚さ40μmのポリエチレンフィルムで被覆して感光性エレメントを得た。
得られた感光性エレメントからポリエチレンフィルムを剥がした後、実施例1で用いたものと同様のガラス基板上に、ラミネートした。ラミネート条件は、ガラス基板温度40℃、ラミネートロール温度110℃、ラミネート圧力3.5kgf/cm2、ラミネート速度1.5m/minで行った。
次に、ネガマスクを通して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上から超高圧水銀灯により画像状に60mJ/cm2の露光を行い、次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、実施例1と同様な方法及び条件で現像を行った。得られた赤色着色画像のパターン形状及び乾燥塗膜の光感度、解像度を実施例1と同様の方法で評価し、結果を表2に示した。
【0063】
比較例1
樹脂(a)としての実施例1で用いた樹脂Aから樹脂C〔メタクリル酸/メタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル(16/63/21(重量比))共重合体、固形分酸価が104(mgKOH/g)、重量平均分子量が35,000〕に変えた以外は、実施例1と同様にして、黒色の着色画像形成用感光液を得た。各材料の配合を表2に示す。
得られた感光液を用い、実施例1と同様にして乾燥塗膜を形成し、得られた乾燥塗膜の光感度、解像度、黒色着色画像のパターン形状を実施例1と同様の方法で評価し、結果を表2に示した。
【0064】
【表1】
【0065】
なお、表1における光重合開始剤及び有機溶剤を以下に示す。
d1:カルバゾール系光重合開始剤
(1):3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール(22):3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール
(21):3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾール
d2:ベンゾフェノン系光重合開始剤
PGDME:プロピレングリコールジメチルエーテル
EGEE:エチレングリコールモノエチルエーテル
PGDEE:プロピレングリコールジエチルエーテル
PGDiso−PE:プロピレングリコールジイソプロピルエーテル
EGMEA:エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
EGME:エチレングリコールモノメチルエーテル
【0066】
【表2】
【0067】
表2から、本発明における(a)一般式(I)で表されるエポキシアクリレート樹脂を使用しない着色画像形成用感光液は、光感度が低く、画像パターン又は画素を得ることができなかつた(比較例1)。
それに対し、本発明における(a)一般式(I)で表されるエポキシアクリレート樹脂を使用した着色画像形成用感光液(実施例1〜4)及び感光性エレメント(実施例5)は、感光特性が良好で、光感度、解像度のいずれも高く、得られたパターン形状も矩形で良好であった。
【0068】
実施例6
実施例1で用いたガラス基板上に、クロムによりブラックマトリックスを形成した後、実施例2と同様にして赤色の画像パターンを形成した。その後、ホットプレート上で180℃、10分間の加熱を行った。
次いでその基板を用いて、実施例3と同様にして、赤色画像パターンの隣に、緑色の画像パターンを形成し、その後上記と同様にして180℃で10分間の加熱を行った。
次いでその基板を用いて、実施例4と同様にして、緑色画像パターンと赤色画像パターンとの間に青色の画像パターンを形成し、その後上記と同様にして200℃で10分間の後加熱を行った。
以上の操作により、各々30μm×100μmのサイズの赤、緑及び青色の三色の画素がモザイク状に並んだ高品質のカラーフィルターを作製した。
【0069】
実施例7
実施例1で用いたガラス基板上に、実施例1と同様にして黒色の画像パターン(ブラックマトリックス)を形成した後、上記と同様にして205℃で20分間の後加熱を行った。
次いで、実施例6と同様にして、赤、緑及び青色の順で画素を形成し、各々30μm×100μmのサイズの赤、緑及び青色の三色の画素がモザイク状に並んだ高品質のカラーフィルターを作製した。
【0070】
実施例6及び7で得られたカラーフィルターの消偏性を、カラーフィルターを2枚の偏向板に挟み、0°と90°の光量比を照度計で測定した。
実施例6及び実施例7において得られたカラーフィルターはいずれも消偏性が500以上と光学特性に優れ、画像表示素子として優れたものであることを確認した。
【0071】
実施例8
樹脂(a)としての樹脂Aの溶液58.1g(固型分25g)及び顔料(b)としてのカーボンブラック40gを、有機溶剤であるプロピレングリコールジメチルエーテル200gに加え、これをビーズミルを用いて2時間溶解、分散した。この分散液に、モノマー(c)としてのペンタエリスリトールテトラアクリレート20g、光重合開始剤(d)としての式(VI−1)で表される光重合開始剤3g、式(VII)で表される光重合開始剤3g及び式(VIII)で表される光重合開始剤9g並びに有機溶剤としてエチレングリコールモノエチルエーテル200gを加えて混合し、黒色の着色画像形成用感光液を得た。各材料の配合を表3に示した。
得られた感光液を、実施例1と同様にして、膜厚1.0μmの乾燥塗膜を形成した。
次いで、乾燥塗膜に、ネガマスクを通して超高圧水銀灯により、画像状に200mJ/cm2の露光を行い、次いで、トリエタノールアミンを3重量%含む水溶液により現像を行い、黒色の画像パターンを得た。得られた黒色の画像パターンの光学密度は2.5であった。
得られた画像パターンの断面形状について実施例1と同様に評価し、表4に示した。断面形状が矩形に近いほど、パターン形状が優れている。
【0072】
実施例9
樹脂(a)としての樹脂Aの溶液81.4g(固型分35g)及び顔料(b)としてのカラーインデックス名でC.I.ピグメントレッド177 21g及びC.I.ピグメントイエロー139 4gを、有機溶剤であるプロピレングリコールジエチルエーテル250gに加え、これをビーズミルを用いて2時間溶解、分散した。この分散液に、モノマー(c)としてのトリメチロールプロパントリアクリレート32g、光重合開始剤(d)としての式(VI−1)で表される光重合開始剤1g、式(VII)で表される光重合開始剤3g及び式(VIII)で表される光重合開始剤4g、並びに有機溶剤としてのプロピレングリコールジイソプロピルエーテル50g及びエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gを加えて混合し、赤色の着色画像形成用感光液を得た。各材料の配合を表3に示した。
得られた感光液を用い、実施例1と同様にして膜厚2.0μmの乾燥塗膜を形成し、得られた乾燥塗膜の光感度、解像度、赤色着色画像のパターン形状を、実施例1と同様の方法で評価し、結果を表4に示した。
【0073】
実施例10
樹脂(a)としての樹脂Aの溶液93.0g(固型分40g)及び顔料(b)としてのカラーインデックス名でC.I.ピグメントグリーン36 15g及びC.I.ピグメントイエロー83 6gを、有機溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテル200gに加え、これをビーズミルを用いて2時間溶解、分散した。この分散液に、モノマー(c)としてのペンタエリスリトールテトラアクリレート31g、光重合開始剤(d)としての式(VI−1)で表される光重合開始剤2g、式(VII)で表される光重合開始剤1g及び式(VIII)で表される光重合開始剤5g並びに有機溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル200gを加えて混合し、緑色の着色画像形成用感光液を得た。各材料の配合を表3に示した。
得られた感光液を用い、実施例1と同様にして膜厚2.0μmの乾燥塗膜を形成し、得られた乾燥塗膜の光感度、解像度、緑色着色画像のパターン形状を、実施例1と同様の方法で評価し、結果を表4に示した。
【0074】
実施例11
樹脂(a)としての樹脂B20g及び顔料(b)としてのカラーインデックス名でC.I.ピグメントブルー15:6 17g及びC.I.ピグメントバイオレット23 1gを、有機溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテル260gに加え、これをビーズミルを用いて2時間溶解、分散した。この分散液に、樹脂(a)としての表1に示す樹脂Aの溶液46.5g(固形分20g)、モノマー(c)としてのトリメチロールプロパントリアクリレート34g、光重合開始剤(d)としての式(VI−1)で表される光重合開始剤3g、式(VII)で表される光重合開始剤3g及び式(VIII)で表される光重合開始剤2g並びに有機溶剤としてのエチレングリコールモノメチルエーテル140gを加えて混合し、青色の着色画像形成用感光液を得た。各材料の配合を表3に示した。
得られた感光液を用い、実施例1と同様にして膜厚2.0μmの乾燥塗膜を形成し、得られた乾燥塗膜の光感度、解像度、青色着色画像のパターン形状を、現像を0.5重量%の炭酸ナトリウムを含む水溶液を用いて行った以外は実施例1と同様の方法で評価し、結果を表4に示した。
【0075】
実施例12
実施例9で得られた感光液を、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、グラビアコート法により塗布し、100℃、2分の乾燥により、膜厚2.0μmの着色画像形成用感光材を含む層を形成し、その上に厚さ40μmのポリエチレンフィルムで被覆して感光性エレメントを得た。
得られた感光性エレメントからポリエチレンフィルムを剥がした後、実施例1で用いたものと同様のガラス基板上に、ラミネートした。ラミネート条件は、ガラス基板温度40℃、ラミネートロール温度110℃、ラミネート圧力3.5kgf/cm2、ラミネート速度1.5m/minで行った。
次に、ネガマスクを通して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上から超高圧水銀灯により画像状に60mJ/cm2の露光を行い、次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、実施例1と同様な方法及び条件で現像を行った。得られた赤色着色画像のパターン形状及び乾燥塗膜の光感度、解像度を実施例1と同様の方法で評価し、結果を表4に示した。
【0076】
比較例2
樹脂Aを樹脂Cに変えた以外は、実施例8と同様にして、黒色の着色画像形成用感光液を得た。各材料の配合量、量比を表3に示す。
得られた感光液を用い、実施例1と同様にして、膜厚1.0μmの乾燥塗膜を形成し、得られた乾燥塗膜の光感度、解像度、黒色着色画像のパターン形状を実施例1と同様の方法で評価し、結果を表4に示した。
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
表4から、本発明における(a)一般式(I)で表されるエポキシアクリレート樹脂を使用しない着色画像形成用感光液は、光感度が低く、画像パターン又は画素を得ることができなかつた(比較例2)。
それに対し、本発明における(a)一般式(I)で表されるエポキシアクリレート樹脂を使用した着色画像形成用感光液(実施例8〜11)及び感光性エレメント(実施例12)は、感光特性が良好で、光感度、解像度のいずれも高く、得られたパターン形状も矩形で良好であった。
【0080】
実施例13
実施例1で用いたガラス基板上に、クロムによりブラックマトリックスを形成した後、実施例9と同様にして赤色の画像パターンを形成した。その後、ホットプレート上で180℃、10分間の後加熱を行った。
次いでその基板を用いて、実施例10と同様にして、赤色画像パターンの隣に、緑色の画像パターンを形成し、その後上記と同様にして180℃で10分間の後加熱を行った。
次いで、その基板を用いて、実施例11と同様にして、緑色画像パターンと赤色画像パターンとの間に青色の画像パターンを形成し、その後上記と同様にして200℃で10分間の後加熱を行った。
以上の操作により、各々30μm×100μmのサイズの赤、緑及び青色の三色の画素がモザイク状に並んだ高品質のカラーフィルターを作製した。
【0081】
実施例14
実施例1で用いたガラス基板上に、実施例8と同様にして黒色の画像パターン(ブラックマトリックス)を形成した後、上記と同様にして205℃で20分間の後加熱を行った。
次いで、実施例13と同様にして、赤、緑及び青色の順で画素を形成し、各々30μm×100μmのサイズの赤、緑及び青色の三色の画素がモザイク状に並んだ高品質のカラーフィルターを作製した。
【0082】
実施例13及び14で得られたカラーフィルターの消偏性を、カラーフィルターを2枚の偏向板に挟み、0°と90°の光量比を照度計にて測定した。
実施例13及び実施例14において得られたカラーフィルターはいずれも消偏性が500以上と光学特性に優れ、画像表示素子として優れたものであることを確認した。
【0083】
実施例15
樹脂(a)としての樹脂Aの溶液58.1g(固型分25g)、顔料(b)としてのカーボンブラック40g及び分散剤5gを、プロピレングリコールジメチルエーテル200gに加え、これをビーズミルを用いて2時間分散した。この分散液に、光重合性モノマー(c)としてのペンタエリスリトールテトラアクリレート18g、光重合開始剤(d)としての2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール8g、N,N′−テトラエチル−4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン4g及びエチレングリコールモノエチルエーテル200gを加えて混合し、黒色の着色画像形成用感光液を得た。各材料の配合を表5に示した。
この感光液を、実施例1と同様にして、膜厚1.0μmの乾燥塗膜を形成した。得られた膜に、ネガマスクを通して超高圧水銀灯により、画像状に200mJ/cm2の露光を行い、次いで、トリエタノールアミンを3重量%含む水溶液により、現像を行い、黒色の画像パターンを得た。得られた黒色の画像パターンの光学密度は、2.5であった。
また、得られた黒色の画像パターンの光感度、解像度、パターン形状を下記の方法で評価し、結果を表6に示した。
【0084】
実施例16
樹脂(a)としての樹脂Aの溶液69.8g(固型分30g)、顔料(b)としてのカラーインデックス名で、C.I.ピグメントレッド177を21g、C.I.ピグメントイエロー139 4g及び分散剤3gを、有機溶剤であるプロピレングリコールジエチルエーテル250gに加え、これをビーズミルを用いて2時間分散した。この分散液に、光重合性モノマー(c)としてのトリメチロールプロパントリアクリレート25g、光重合開始剤(d)としての2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール4g、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン8g、プロピレングリコールジイソプロピルエーテル50g及びエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gを加えて混合し、赤色の着色画像形成用感光液を得た。各材料の配合を表5に示した。
また、得られた感光液を、実施例1と同様にして、膜厚2.0μmの膜を形成し、得られた膜にネガマスクを通して超高圧水銀灯により、画像状に200mJ/cm2の露光を行い、次いで、トリエタノールアミンを3重量%含む水溶液により現像を行い、赤色の画像パターンを得た。
得られた赤色の画像パターンの光感度、解像度及びパターン形状を実施例1と同様にして評価し、結果を表6に示した。
【0085】
実施例17
樹脂(a)としての樹脂Aの溶液93.0g(固型分40g)、顔料(b)としてのカラーインデックス名で、C.I.ピグメントグリーン36を15g、C.I.ピグメントイエロー83 6g及び分散剤2gを、有機溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテル200gに加え、これをビーズミルを用いて2時間分散した。この分散液に、光重合性モノマー(c)としてのペンタエリスリトールテトラアクリレート25g、光重合開始剤(d)としての2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール6g、2,4−ジエチルチオキサントン6g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル200gを加えて混合し、緑色の着色画像形成用感光液を得た。各材料の配合を表5に示した。
また、得られた感光液を、実施例1と同様にして、膜厚2.0μmの乾燥塗膜を形成し、露光及び現像を行い、緑色の画像パターンを得た。
得られた緑色の画像パターンの光感度、解像度及びパターン形状を実施例1と同様にして評価し、結果を表6に示した。
【0086】
実施例18
樹脂成分として、樹脂Bを20g、顔料(b)としてのカラーインデックス名で、C.I.ピグメントブルー15:6を17g、C.I.ピグメントバイオレット23を1g及び分散剤2gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル260gに加え、これをビーズミルを用いて2時間分散した。この分散液に、樹脂(a)としての樹脂Aの溶液58.1g(固型分25g)、光重合性モノマー(c)としてのトリメチロールプロパントリアクリレート25g、光重合開始剤(d)としての2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニル1,2′−ビイミダゾール5g、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン5g及びエチレングリコールモノメチルエーテル140gを加えて混合し、青色の着色画像形成用感光液を得た。各材料の配合を表5に示した。
また、得られた感光液を、実施例1と同様にして、膜厚2.0μmの乾燥塗膜を形成し、露光した後、0.5重量%の炭酸ナトリウムを含む水溶液で現像を行い、青色の画像パターンを得た。
得られた青色の画像パターンの光感度、解像度及びパターン形状を実施例1と同様にして評価し、結果を表6に示した。
【0087】
実施例19
実施例16で得られた感光液を、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、グラビアコート法により塗布し、100℃、2分の乾燥により、膜厚2.0μmの着色画像形成材料を含む層を形成し、その上に厚さ40μmのポリエチレンフィルムで被覆して感光性エレメントを得た。
得られた感光性エレメントからポリエチレンフィルムを剥がした後、実施例15で用いたものと同様のガラス基板上に、ラミネートした。ラミネート条件は、ガラス基板温度40℃、ラミネートロール温度110℃、ラミネート圧力3.5kgf/cm2、ラミネート速度1.5m/minで行った。
次に、ネガマスクを通して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上から超高圧水銀灯により画像状に60mJ/cm2の露光を行い、次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、実施例1と同様な方法及び条件で現像を行った。得られた赤色の画像パターンについて、実施例1と同様にして評価し、結果を表6に示した。
【0088】
比較例3
樹脂Aを樹脂Cに代えた以外は、実施例15と同様にして、黒色の着色画像形成用感光液を得た。
また、得られた感光液を、実施例1と同様にして、膜厚1.0μmの乾燥塗膜を形成し、露光及び現像を行い、黒色の画像パターンを得た。
得られた黒色の画像パターンの光感度、解像度及びパターン形状を実施例1と同様にして評価し、結果を表6に示した。
【0089】
【表5】
【0090】
なお、表5における光重合開始剤を以下に示す。
d1″:2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール
d2″:2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
d3″:2,4−ジエチルチオキサントン
d4″:4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
【0091】
【表6】
【0092】
表6から、本発明における(a)一般式(I)で表されるエポキシアクリレート樹脂を使用しない着色画像形成用感光液(比較例3)は、感度が低く、パターン又は画素を得ることができなかった。
それに対し、本発明における(a)一般式(I)で表されるエポキシアクリレート樹脂を用いて作製した着色画像形成用感光液(実施例15〜18)は、感度、解像度、いずれも高く、得られたパターン形状も矩形で良好であった。
また、実施例19に示した感光性エレメントを用いた場合においても、感度、解像度、いずれも高く、得られたパターン形状も矩形で良好であった。
【0093】
実施例20
ガラス基板上に、クロムによりブラックマトリックスを形成した後、実施例16と同様にして、赤色の画像パターンを形成し、180℃で10分間の加熱を行った。
次いで、その基板を用いて、実施例17と同様にして、赤色画像パターンの隣に、緑色の画像パターンを形成し、180℃で10分間の加熱を行った。
次いで、その基板を用いて、実施例18と同様にして、緑色画像パターンの隣に、青色の画像パターンを形成し、200℃で10分間の後加熱を行った。
以上により、一つの画素が、30μm×100μmの赤、緑及び青色の三色からなる、モザイク状に画素が並んだ高品質のカラーフィルターを作製した。
【0094】
実施例21
実施例15で用いたガラス基板上に、実施例15と同様にして、黒色の画像パターン(ブラックマトリクス)を形成した後、205℃で20分間の後加熱を行った。
次いで、実施例19と同様にして、赤、緑及び青色の順で画素を形成し、一つの画素が、30μm×100μmの赤、緑及び青色の三色からなる、モザイク状に画素が並んだ高品質のカラーフィルターを作製した。
実施例20及び実施例21のカラーフィルターは、いずれも消偏性が500以上と光学特性に優れ、画像表示素子として優れたものであることを確認した。
【0095】
【発明の効果】
請求項1記載の着色画像形成用感光材は、感度及び解像度の優れるものである。
請求項2記載の感光性エレメントは、感度、解像度及び作業性の優れるものである。
また、請求項3及び4記載のカラーフィルターの製造法は、歩留りよく高品位なカラーフィルターを製造できるものである。
また、請求項5記載のカラーフィルターは、高品位なものである。
Claims (5)
- 支持体及び請求項1記載の着色画像形成用感光材からなる層を有する感光性エレメント。
- 基板上に請求項1記載の着色画像形成用感光材の膜を形成し、活性光線をこの膜に対して画像状に照射して露光部を光硬化させ、未露光部を現像により除去することにより画素を形成することからなる工程を、異なった色の複数の着色画像形成用感光材を用いて繰り返し行うことを特徴とするカラーフィルターの製造法。
- 各々赤、緑、青及び黒の4種の着色画像形成用感光材を用いて赤色画素、緑色画素、青色画素及び黒色画素を有するカラーフィルターを製造する請求項3記載のカラーフィルターの製造法。
- 請求項2又は3記載の方法によって製造されたカラーフィルター。
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