JP3421428B2 - 着色画像形成材料を含む感光液、これを用いた感光性エレメント及びカラーフィルターの製造法 - Google Patents

着色画像形成材料を含む感光液、これを用いた感光性エレメント及びカラーフィルターの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、着色画像形成材料を含
む感光液、これを用いた感光性エレメント及びカラーフ
ィルターの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示デバイス、センサー及び
色分解デバイス等にカラーフィルターが多用されてい
る。このカラーフィルターの製造方法として、従来は、
染色可能な樹脂、例えば天然のゼラチンやカゼインをパ
ターニングし、そこに、主に染料を用いて染色し、画素
を得るという方法がとられていた。しかし、この方法で
得た画素は、材料からの制約で、耐熱性、耐光性等が低
いという問題があった。
【0003】そこで最近、耐熱性及び耐光性を改良する
目的で、顔料を分散した感光材料を用いる方法が注目さ
れ、多くの検討が行われるようになった。この方法によ
れば、製法も簡略化され、得られたカラーフィルターも
安定で、寿命の長いものになることが知られている。
【0004】しかし、顔料を多く含む膜の光感度を高め
る技術が難しく、現時点では低感度に留まっている。ま
た、光感度を高めるべく、顔料を分散させる分散樹脂に
光反応性不飽和結合を導入した樹脂を用いると、顔料の
分散安定性は従来の分散樹脂を用いた場合に比べ、著し
く劣ることが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のごと
く、顔料を分散した感光材料の問題点である、光感度と
顔料の分散安定性を共に著しく向上させて、従来の技術
の問題点を解消した着色画像形成材料を含む感光液、こ
れを用いた感光性エレメント及びカラーフィルターの製
造法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、顔料を分散させるための樹脂には、光重合性
不飽和結合を導入した樹脂を用いることで、光感度の向
上を図れること、一方、このような樹脂を分散樹脂に用
いても、本発明者らが見い出した感光液の特定なチキソ
トロピー粘性を、適切な範囲に絞り込めば、顔料の分散
安定性が著しく向上し、安定性の高い感光液が得られる
ことを見い出し、本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明は、(a)酸価が20〜
300、不飽和当量が600〜3,000である分散樹
脂、(b)顔料、(c)光重合性不飽和結合を分子内に
1つ以上有するモノマー及び(d)光開始剤を含有して
なる着色画像形成材料に有機溶剤を加えた感光液のチキ
ソトロピー性(E型粘度計における、ローターの回転数
が1rpmで測定した粘度/ローターの回転数で5rpmで測
定した粘度)が、1.00〜1.50の範囲内であるこ
とを特徴とする着色画像形成材料を含む感光液並びにそ
れを用いて作成した着色画像形成材料を含む層及び支持
体フィルムを有する感光性エレメントに関する。また、
本発明は、上記の感光液又は感光性エレメントを用い
て、着色画像形成材料を基板上に膜として形成し、活性
光線を画像状に照射し、露光部を光硬化させ、未露光部
を現像により除去する工程を、異なった複数の色の着色
画像形成材料について繰り返し行い、画素を形成するこ
とを特徴とするカラーフィルターの製造法に関する。
【0008】以下、本発明について詳述する。(a)成
分である酸価が20〜300、不飽和当量が600〜
3,000である分散樹脂としては、例えば、高酸価カ
ルボキシル基含有樹脂にグリシジルメタクリレート、ア
リルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有不飽和化
合物やアリルアルコール、2−ヒドロキシアクリレー
ト、2−ヒドロキシメタクリレート等の不飽和アルコー
ルを反応させた樹脂、水酸基を有するカルボキシル基含
有樹脂に遊離イソシアネート基含有不飽和化合物を反応
させた樹脂、エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸との付加
反応物に多塩基酸無水物を反応させた樹脂、共役ジエン
重合体が共役ジエン共重合体と不飽和ジカルボン酸無水
物との付加反応物に水酸基含有重合性モノマーを反応さ
せた樹脂等が代表的な樹脂として挙げられる。
【0009】中でも、一般式(I)
【化2】 (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素
原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数
1〜12のアルコキシ基を示し、R3は炭素数1〜12
のアルキル基を示し、R4は水素原子、炭素数1〜12
のアルキル基又は水酸基を1つ有していてもよい光重合
性不飽和結合を有する基を示し、m及びnは各々独立し
て1≦m/n≦5となるように選ばれる1以上の整数で
ある)で表わされる分散樹脂は、好適である。一般式
(I)で表わされる分散樹脂は、スチレン又はその誘導
体と、マレイン酸モノアルキルエステルとの共重合体が
基本骨格となる。このとき、マレイン酸モノアルキルエ
ステルの替わりに(無水)マレイン酸を用いると、共重
合体の収率が低く好ましくない。
【0010】具体的には、スチレン、α−メチルスチレ
ン、m又はp−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチ
レン、2−メトキシ−4−ヒドロキシスチレン、2−ヒ
ドロキシ−4−メチルスチレン等のスチレン又はその誘
導体と、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチ
ル、マレイン酸モノ−n−プロピル、マレイン酸モノ−
イソプロピル、マレイン酸モノ−n−ブチル、マレイン
酸モノ−n−ヘキシル、マレイン酸モノ−n−オクチ
ル、マレイン酸モノ−2−エチルヘキシル、マレイン酸
モノ−n−ノニル、マレイン酸モノ−n−ドデシル等の
マレイン酸モノアルキルエステルとの共重合体が基本骨
格となる。スチレンもしくはその誘導体と、マレイン酸
モノアルキルエステルの比率m/nは、1〜5の範囲の
樹脂が用いられる。
【0011】本発明における(a)成分の分散樹脂は、
光感度を向上させるための光重合性の不飽和結合と、ア
ルカリ現像を可能とするためのカルボキシル基の存在が
必須である。一般式(I)で表わされる分散樹脂に光反
応性不飽和結合を導入するには、上述のスチレン又はそ
の誘導体と、マレイン酸モノアルキルエステルとの共重
合体に、アリルアルコール、2−ブテン−4−オール、
フルフリルアルコール、オレイルアルコール、シンナミ
ルアルコール、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヒド
ロキシメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド
等の不飽和アルコールをエステル化反応させて得ること
ができる。また、グリシジルメタクリレート、グリシジ
ルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、α−エチ
ルグリシジルアクリレート、クロトニルグリシジルエー
テル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル
等のオキシラン環とエチレン性不飽和結合をそれぞれ1
個有する化合物を、前記のスチレン又はその誘導体とマ
レイン酸モノエステルとの共重合体に、付加反応させて
得ることができる。
【0012】このとき、先に(無水)マレイン酸に上記
の不飽和アルコールをモノエステル化したり、オキシラ
ン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物を付加させ
たりした化合物を用いて、スチレンもしくはその誘導体
と共重合すると、重合時に不飽和基が反応し、ゲル化す
る可能性があるため好ましくない。
【0013】このようにして得られた分散樹脂中の不飽
和当量は、600〜3,000の範囲とすることが好ま
しく、特に800〜2,000の範囲とすることがより
好ましい。不飽和当量が600未満では、後述する顔料
との分散時に一部硬化する可能性があり、また、3,0
00を超えると光感度の向上効果が低下する。なお、本
発明でいう不飽和当量とは、不飽和結合1つあたりの樹
脂の分子量(計算値)を意味している。
【0014】また、上述の分散樹脂には必ずカルボキシ
ル基を残す必要があり、その酸価は20〜300、好ま
しくは40〜200、より好ましくは60〜150の範
囲である。酸価が20未満では、アルカリ現像性が低下
し、また、300を超えると画像パターンの形状が不鮮
明となる。
【0015】分散樹脂の重量平均分子量は、1,500
〜40,000とすることが好ましく、4,000〜1
5,000とすることがより好ましい。重量平均分子量
が1,500未満では顔料の分散安定性が乏しくなる傾
向があり、また、40,000を超えると感光液にした
ときの粘度が高くなり、スピンコートする際の塗布性が
低下する傾向がある。
【0016】(a)成分の分散樹脂は、(a)、
(b)、(c)及び(d)成分からなる着色画像形成材
料の総量に対して、10〜85重量%、好ましくは20
〜60重量%、より好ましくは25〜50重量%の範囲
で用いられることが望ましい。分散樹脂の比率が10重
量%未満では、顔料の分散安定性が低下する傾向があ
り、85重量%を超えると、感光液にしたときの粘度が
高くなり、スピンコートする際の塗布性が低下する傾向
がある。
【0017】次に、(b)成分の顔料について説明す
る。顔料には無機顔料と有機顔料があるが、一般的に
は、色調の豊富さなどから黒色のカーボンブラック等を
除いては、有機顔料が用いられる。有機顔料としては、
例えば、アゾ系、フタロシアニン系、インジゴ系、アン
トラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、メチン・
アゾメチン系、イソインドリノン系等が挙げられる。
【0018】本発明における着色画像形成材料をカラー
フィルターに適用する場合には、赤、緑、青及び黒色な
どの着色画像に適した各顔料系が用いられる。
【0019】赤色の着色画像には、単一の赤色顔料系を
用いてもよいし、黄色顔料系の赤色顔料系に混合して調
色を行ってもよい。赤色顔料系としては例えば、カラー
インデックス名で、ピグメントレッド9、123、15
5、168、177、180、217、220、224
等が挙げられる。また、黄色顔料系としては例えば、カ
ラーインデックス名で、ピグメントイエロー20、2
4、83、93、109、110、117、125、1
39、147、154等が挙げられる。これらの赤色及
び黄色顔料は、それぞれ2種類以上を混合して用いるこ
ともできる。また、赤色顔料系と黄色顔料系を混合して
用いる場合には、黄色顔料系は赤色顔料系と黄色顔料系
の総量100重量部に対して、50重量部以下で用いる
ことが好ましい。
【0020】緑色の着色画像には、単一の緑色顔料系を
用いてもよいし、上記の黄色顔料系を緑色顔料系に混合
して調色を行ってもよい。緑色顔料系としては例えば、
カラーインデックス名で、ピグメントグリーン7、3
6、37等が挙げられる。これらの緑色及び黄色顔料
は、それぞれ2種類以上を混合して用いることもでき
る。また、緑色顔料系と黄色顔料系を混合して用いる場
合には、黄色顔料系は緑色顔料系と黄色顔料系の総量1
00重量部に対して、50重量部以下で用いることが好
ましい。
【0021】青色の着色画像には、単一の青色顔料系を
用いてもよいし、紫色顔料系を青色顔料系に混合して調
色を行ってもよい。青色顔料系としては例えば、カラー
インデックス名で、ピグメントブルー15、15:3、
15:4、15:6、22、60等が挙げられる。ま
た、紫色顔料系としては例えば、カラーインデックス名
で、ピグメントバイオレット19、23、29、37、
50等が挙げられる。これらの青色及び紫色顔料は、そ
れぞれ2種以上を混合して用いることもできる。また、
青色顔料系と紫色顔料系を混合して用いる場合には、紫
色顔料系は青色顔料系と紫色顔料系の総量100重量部
に対して、50重量部以下で用いることが好ましい。
【0022】黒色の着色画像には、例えばカーボンブラ
ック、チタンカーボン、黒鉄、二酸化マンガンなどの黒
色顔料が用いられる。本発明になる(b)成分の顔料
は、(a)、(b)、(c)及び(d)成分からなる着
色画像形成材料総量に対して、5〜50重量%、好まし
くは10〜40重量%、特に好ましくは15〜30重量
%の範囲で用いられる。顔料の比率が5重量%未満で
は、画像の色濃度が低すぎ、また、50重量%を越える
と、光感度が低下する傾向がある。
【0023】本説明における(c)成分の光重合性不飽
和結合を分子内に1つ以上有するモノマーとしては例え
ば、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、
ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルアクリ
レート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレー
ト、ECH変性ブチルアクリレート(ECHはエピクロ
ルヒドリンを意味する。以下も同じ)、ジシクロペンタ
ニルアクリレート、EO変性ジシクロペンテニルアクリ
レート(EOはエチレンオキシドを意味する。以下も同
じ)、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、
エチルジエチレングリコールアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、グリセロールメタクリレート、
ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、カプロラクトン変性−2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレー
ト、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メ
トキシ化シクロデカトリエンアクリレート、フェノキシ
ヘキサエチレングリコールアクリレート、EO変性リン
酸アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフル
フリルアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアク
リレート、ECH変性ビスフェノールAジアクリレー
ト、ビスフェノールAジメタクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコー
ルジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、グリセロールジメタクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、EO変性リン酸ジアクリレー
ト、ECH変性フタル酸ジアクリレート、ポリエチレン
グリコール400ジアクリレート、ポリプロピレングリ
コール400ジメタクリレート、テトラエチレングリコ
ールジアクリレート、ECH変性1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、E
O変性リン酸トリアクリレート、EO変性トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロール
プロパントリアクリレート(POはプロピレンオキシド
を意味する。以下も同じ)、トリス(メタクリロキシエ
チル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられ
る。これらのモノマーは単独で又は2種類以上を組み合
わせて使用される。
【0024】本発明における(c)成分のモノマーは、
(a)、(b)、(c)及び(d)成分からなる着色画
像形成材料総量に対して、2〜50重量%、好ましくは
5〜40重量%、より好ましくは、10〜30重量%の
範囲で用いられる。モノマーの比率が2重量%未満で
は、光感度が低い傾向があり、また、50重量%を超え
ると、(b)成分の顔料の分散安定性が低下する傾向が
ある。
【0025】本発明における(d)成分の光開始剤とし
ては、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラエチ
ル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ
−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、
2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブ
チルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサン
トン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モルホリノ−1−プロパン、t−ブチルアントラキノ
ン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアン
トラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、
2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、
9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアント
ラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェ
ニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−
4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等が挙げられ
る。これらの光開始剤は単独で又は2種類以上を組み合
わせて使用される。
【0026】本発明における(d)成分の光開始剤は、
(a)、(b)、(c)及び(d)成分からなる着色画
像形成材料総量に対して、0.01〜20重量%、好ま
しくは2〜15重量%、より好ましくは、5〜10重量
%の範囲で用いられる。光開始剤の比率が0.01重量
%未満では、光感度が低すぎる傾向があり、20重量%
を超えると、密着性が低下する傾向がある。
【0027】本発明における着色画像形成材料には、
(a)、(b)、(c)及び(d)成分の必須成分以外
に、暗反応を抑制するためのハイドロキノン、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチル
カテコール等の熱重合禁止剤、基板との密着性を向上さ
せるための、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカ
プト基等を有したシランカップリング剤やイソプロピル
トリメタクリロイルチタネート、ジイソプロピルイソス
テアロイル−4−アミノベンゾイルチタネート等のチタ
ネートカップリング剤、膜の平滑性を向上させるための
フッ素系、シリコン系、炭化水素系等の界面活性剤及び
その他、紫外線吸収剤、酸化防止剤等、各種添加剤を必
要に応じて適宜使用することができる。
【0028】また、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂、メラミン樹脂等、通常の結合剤となる樹脂
を、顔料分散時に限らず、本発明になる分散樹脂100
重量部に対して、50重量部以下で使用してもよい。5
0重量部を越えると、顔料の分散安定性や光感度が低下
し好ましくない。
【0029】本発明における着色画像形成材料は、適当
な有機溶剤を加えて感光液とし、これを基板に直接塗布
するか、もしくはいったん、支持体に塗布したのち基板
にラミネートするなどして、基板表面に膜として形成さ
れる。その後、露光、現像を行い、目的の画像パターン
を得ることができる。
【0030】本発明における着色画像形成材料を感光液
とする方法について以下に説明する。まず、(b)成分
である顔料を分散させる必要がある。この方法としては
通常、(a)成分の分散樹脂及び(b)成分の顔料を有
機溶剤と混合し、この混合物を超音波分散機、三本ロー
ル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイ
ザー、ニーダー等の各種分散、混練装置を用いて行うこ
とができる。
【0031】このときに用いる有機溶剤としては特に制
限はなく、例えば、ケトン系、アルコール系、芳香族系
等が挙げられる。具体的には、アセトン、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノプ
ロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエー
テル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコール
モノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチル
アセテート、3−メチル−3−メトキシブタノール、3
−メチル−3−メトキシブチルアセテート、N−メチル
−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリ
ドン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
乳酸エチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン等の有機
溶剤が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以
上を併用してもよい。
【0032】ただし、後述するように、有機溶剤の選定
は、顔料、分散樹脂、モノマー等、他の材料との組み合
わせにおいて適切に決められるものであり、場合によっ
ては、ある有機溶剤を用いると本発明の特徴である感光
液の粘性が特定の範囲からはずれることになれば、その
有機溶剤はその系には使用できないことは自明である。
したがって、用いる有機溶剤に制限はないが、その系に
適した有機溶剤を選定しなければならない。
【0033】また、顔料分散の際、ポリカルボン酸型高
分子活性剤、ポリスルホン酸型高分子活性剤等のアニオ
ン系顔料分散剤、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロ
ピレンブロックポリマー等のノニオン系顔料分散剤など
の顔料分散剤や、アントラキノン系、ペリレン系、フタ
ロシアニン系、キナクリドン系等の有機色素にカルボキ
シル基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、カルボン酸ア
ミド基、スルホン酸アミド基、水酸基等の置換基を導入
した有機色素の誘導体を加えると、顔料の分散性や分散
安定性が良好になり好ましい。
【0034】これら顔料分散剤や有機色素の誘導体は、
顔料100重量部に対して50重量部以下で用いること
が好ましい。また、顔料分散時に(c)及び(d)成分
を加えてもよく、顔料分散後に(c)及び(d)成分を
加えてもよい。
【0035】(a)成分の分散樹脂は、全量を分散時に
顔料と共に用いてもよく、分散樹脂の一部を分散後に加
えてもよい。ただし、分散樹脂は顔料100重量部に対
して、分散時に、少なくとも20重量部以上用いること
が好ましい。20重量部未満では顔料の分散安定性が低
下する。同様に有機溶剤も顔料の分散時に全量用いても
よく、有機溶剤の一部を分散後に加えてもよい。ただ
し、有機溶剤は分散時の顔料及び分散樹脂の全量100
重量部に対して、分散時に、少なくとも100重量部以
上用いることが好ましい。100重量部未満では、分散
時の粘度が高すぎて、特にボールミル、サンドミル、ビ
ーズミル等で分散する場合には分散が困難になる可能性
がある。
【0036】また、有機溶剤は、感光液中の(a)、
(b)、(c)及び(d)成分を含む全固形分が5〜4
0重量%の範囲になるよう用いることが好ましい。
【0037】以上、本発明における(a)、(b)、
(c)及び(d)成分等、各着色画像形成材料につい
て、また、それに有機溶剤を加えて感光液を得る方法に
ついて詳述してきたが、本発明の特徴は、このようにし
て得られた感光液のチキソトロピー性粘度が、E型粘度
計において、ローターの回転数を1rpmで測定した場合
と、5rpmで測定した場合との粘度の比率が、1.00
〜1.50の範囲であること、換言すれば、感光液の粘
度の比率が上記の範囲となるように、(a)、(b)、
(c)及び(d)成分等の着色画像形成材料や有機溶剤
の組み合わせ、更には、顔料の分散条件を含めて、適切
に選択することが本発明の骨子である。
【0038】感光液のチキソトロピー性は、いろいろな
要因によって変化する。例えば、顔料は勿論として、分
散樹脂、モノマー、光開始剤、有機溶剤、顔料分散剤等
の材料、また、顔料分散条件(例えば、分散、混練装置
の種類、分散時間、分散時の固形分濃度等)、感光液の
固形分濃度などの影響が大きい。特に、本発明における
分散樹脂は、光重合性不飽和結合を有しているため、感
光液の粘性に与える影響は大きく、一緒に用いる他の着
色画像形成材料や有機溶剤、顔料分散剤等の適切な選択
が特に重要である。
【0039】いずれにしても、そのような分散樹脂を用
いても、感光液のチキソトロピー性が、E型粘度計を用
いて測定したとき、25℃において、ローターの回転数
を1rpmで測定した場合と、5rpmで測定した場合との粘
度の比率が、1.00〜1.50の範囲、好ましくは
1.00〜1.35の範囲、より好ましくは1.00〜
1.20の範囲となるようにすれば、顔料の分散安定性
は著しく向上する。感光性の粘度の比率が、1.00〜
1.50の範囲をはずれると勿論、顔料の分散安定性は
低下する。このようにカルボキシル基と光重合性不飽和
結合の両方を有する樹脂を分散樹脂として用いた感光性
の顔料分散系について、上記のようなパラメーターを導
入し、顔料の分散安定性を論じ、しかも、顔料分散安定
性を著しく向上させる範囲を特定し得たのは本発明が最
初である。
【0040】また、このような技術により、従来から問
題となっていた光感度の向上と顔料の分散安定性の向上
を共に両立し得たのも本発明が唯一であり、最初であ
る。
【0041】次にこのようにして得られた感光液を基板
に直接塗布する場合には、例えば、ロールコーター塗
布、スピンコーター塗布、スプレー塗布、ホエラー塗
布、ディップコーター塗布、カーテンフローコーター塗
布、ワイヤーバーコーター塗布、グラビアコーター塗
布、エアナイフコーター塗布などにより行われる。
【0042】この際に用いる基板としては、用途により
選択されるが、例えば、白板ガラス、青板ガラス、シリ
カコート青板ガラス等の透明ガラス基板、ポリエステル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニ
ル樹脂等の合成樹脂製シート、フィルム又は基板、アル
ミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属
基板、その他セラミック基板、光電変換素子を有する半
導体基板等が挙げられる。
【0043】塗布後、通常、50〜130℃の温度で1
〜30分間乾燥して膜を得ることができる。
【0044】一方、基板に直接塗布せずに、いったん支
持体に塗布して感光性エレメントとしたのち基板にラミ
ネートするなどして、基板表面に膜として形成すること
もできる。支持体に感光液を塗布する方法としては、ナ
イフコーター塗布、グラビアコーター塗布、ロールコー
ター塗布、スプレーコーター塗布等で行うことができ
る。この際に用いられる支持体としては、例えば、ポリ
エステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイ
ミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレン
フィルム等のフィルムが挙げられる。塗布したのち、上
記と同様に、通常、50〜130℃の温度で1〜30分
間乾燥して膜(着色画像成形材料を含む層)を得ること
ができる。更に膜の表面に塵が付着するのを防ぐ目的
で、膜の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層するこ
とが望ましい。
【0045】剥離可能なカバーフィルムとしては、例え
ば、ポリエチレンフィルム、テフロンフィルム、ポリプ
ロピレンフィルム、表面処理した紙等があり、カバーフ
ィルムを剥離するときに膜と支持体との接着力よりも膜
とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであれば
よい。
【0046】このようにして得られた感光性エレメント
を基板上にラミネートする方法としては、基板と本発明
における着色画像形成材料を含む層を重ね合わせなが
ら、加熱圧着することが好ましい。この場合、雰囲気は
常圧でも減圧下でもよい。
【0047】このようにして基板表面に形成した本発明
における着色画像形成材料を含む層の厚みは、用途によ
って適宜定まるが、通常0.1〜300μmの範囲で使
用される。カラーフィルターに用いる場合には、0.2
〜5μmの範囲で使用されることが多い。
【0048】次に画像パターンを形成する方法について
説明する。上記の方法で得られた基板上の膜に、活性光
線を画像状に照射し、露光部の膜を硬化させる。この
際、感光性エレメントを用いて膜を形成した場合には、
支持体をつけたまま上から露光してもよく、いったん支
持体を剥離したのち露光してもよい。また、基板に直接
感光液を塗布して膜を形成した場合でも、その膜の表面
にポリビニルアルコール等の酸素しゃへい膜を0.5〜
30μmの厚みで形成し、その上から露光してもよい。
【0049】活性光線の光源としては、例えば、カーボ
ンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンラン
プ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステン
ランプ、可視光レーザー等が好ましく用いられる。これ
らの光源を用いてフォトマスクを介したパターン露光や
走査による直接描画などにより画像状に活性光線が照射
される。
【0050】続いて現像工程、すなわち、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナ
トリウム等の無機アルカリやモノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチ
ルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルアミ
ン、n−ブチルアミン等の有機塩基や塩を含む水溶液を
吹きつけるか、水溶液に漬浸するなどして、未露光部を
除去し、画像に対応した硬化膜の着色画像パターンを得
ることができる。この際、支持体を付けたまま露光した
場合には、支持体を剥離したのち、現像を行う。現像
後、更に、着色画像パターンを高圧水銀灯等を用いて
0.5〜5J/cm2の光量を後露光するか、60〜200
℃の温度で1〜60分間、後加熱をすると、画像パター
ンはより強固になり好ましい。
【0051】液晶表示素子に用いるカラーフィルターの
作製法を例示すると、ガラス基板上に本発明になる着色
画像形成材料と有機溶剤からなる感光液を直接又は間接
的に用いて前記した方法を繰り返して行うことにより、
赤、緑、青等の着色画素を形成したのち、この着色画素
間のすき間に、黒色の着色画像をブラックマトリクスと
して形成する方法や、先にクロム蒸着や黒色の着色画像
等によりブラックマトリクスを形成後、上記と同様に、
赤、緑、青等の着色画素を形成してカラーフィルターを
作製する方法などがある。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれに限定されない。 実施例1 (a)成分として、表1に示す一般式(I)で表わされ
る樹脂50g、(b)成分として、カラーインデックス
名で、ピグメントレッド177、18g及びピグメント
イエロー83、12gを、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート270gに加え、これをビーズ
ミルを用いて3時間分散した。この分散液200gに、
(c)成分として、EO変性ビスフェノールAジアクリ
レート20g、ジエチレングリコールジメタクリレート
10g、(d)成分として、ベンゾフェノン6g、N,
N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノ
ン2g及びプロピレングリコールモノプロピルエーテル
350gを加えて混合し、着色画像形成材料を含む感光
液を得た。
【0053】
【表1】
【0054】この感光液をガラス基板(コーニング社
製、商品名7059)上にスピンコート法により塗布
し、更に80℃、5分の乾燥を行い、膜厚2.0μmの
膜を形成した。得られた膜に、ネガマスクを通して超高
圧水銀灯により画像状に80mJ/cm2の露光を行い、次い
で、トリエタノールアミンを6重量%含む水溶液により
現像を行った。得られた赤色の画像パターンについて、
光感度とパターン形状の評価結果を表2に示す。
【0055】実施例2 (a)成分として、表1に示す一般式(I)で表わされ
る樹脂50g、(b)成分として、カラーインデックス
名で、ピグメントグリーン36、25g及びピグメント
イエロー139、5gをプロピレングリコールモノエチ
ルエーテル340gに加え、これをビーズミルを用いて
4時間分散した。この分散液250gに、(c)成分と
して、ネオペンチルグリコールジアクリレート30g、
トリメチロールプロパントリアクリレート5g、(d)
成分として、ベンゾフェノン6g、N,N′−テトラエ
チル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン2g及びプロ
ピレングリコールモノプロピルエーテル150gとN−
メチル−2−ピロリドン30gを加えて混合し、着色画
像形成材料を含む感光液を得た。
【0056】この感光液を実施例1と同様にガラス基板
上に塗布、乾燥し、膜厚2.0μmの膜を形成した。得
られた膜に、実施例1と同様な方法及び条件で露光、現
像を行った。得られた緑色の画像パターンについて、光
感度とパターン形状の評価結果を表2に示す。
【0057】実施例3 (a)成分として、アクリル酸/メチルメタクリレート
/ブチルアクリレート(=25/42/33重量%比)
共重合体(分子量42000)にグリシジルメタクリレ
ートを付加させた。酸価85、不飽和当量750の分散
樹脂40g、(b)成分として、カラーインデックス名
で、ピグメントブルー15−6、22g及びピグメント
バイオレット23、3gをプロピレングリコールモノプ
ロピルエーテル150g、シクロヘキサノン60g及び
ジオキサン50gの混合溶剤に加え、これをビーズミル
を用いて4時間分散した。この分散液150gに、上記
の樹脂10g、(c)成分として、テトラエチレングリ
コールジアクリレート35g、(d)成分として、ベン
ゾフェノン6g、N,N′−テトラエチル−4,4′−
ジアミノベンゾフェノン2g及びプロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート300gを加えて混合
し、着色画像形成材料を含む感光液を得た。
【0058】この感光液を、実施例1と同様にガラス基
板上に塗布、乾燥し、膜厚2.0μmの膜を形成した。
得られた膜に、実施例と同様な方法及び条件で露光及び
現像を行った。得られた青色の画像パターンについて、
光感度とパターン形状の評価結果を表2に示す。
【0059】実施例4 実施例1で得られた感光液を、厚さ6μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上に、グラビアコート法によ
り塗布し、100℃、2分の乾燥により、膜厚2.0μ
mの膜を形成し、その上に厚さ40μmのポリエチレン
フィルムで被覆して感光性エレメントを得た。
【0060】得られた感光性エレメントからポリエチレ
ンフィルムを剥がした後、実施例1で用いたものと同様
のガラス基板上に、ラミネートした。ラミネート条件
は、ガラス基板温度40℃、ラミネートロール温度11
0℃、ラミネート圧力3.5kgf/cm2、ラミネート速度
1.5m/minで行った。
【0061】次に、ネガマスクを通して、ポリエチレン
テレフタレートフィルム上から超高圧水銀灯により画像
状に35mJ/cm2の露光を行い、次いで、ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを剥離した後、実施例1と同様な
方法及び条件で現像を行った。
【0062】実施例5 クロム蒸着によりブラックマトリクスを形成した実施例
1で用いたガラス基板上に、実施例1と同様な方法及び
条件で赤色の画像パターンを形成した後、150℃で1
0分間の後加熱を行った。次いで、その基板を用いて、
実施例2と同様な方法及び条件で、赤色画像パターンの
隣に緑色の画像パターンを形成した。その後、150℃
で10分間の後加熱を行った。次いで、その基板を用い
て、実施例3と同様な方法及び条件で、緑色画像パター
ンの隣に青色の画像パターンを形成した。その後、15
0℃で10分間の後加熱を行った。以上により、1つの
画素が、30μm×100μmの赤、緑及び青色の三色
からなるモザイク状に画素が並んだカラーフィルターを
作製した。
【0063】実施例6 クロム蒸着によりブラックマトリクスを形成した実施例
1で用いたガラス基板上に、実施例4と同様な方法及び
条件で赤色の画像パターンを形成した後、150℃で1
0分間の後加熱を行った。次いで実施例2で得られた感
光液を用いて、実施例4と同様な方法及び条件で、感光
性エレメントを作製した。この感光性エレメントを上記
の基板上に実施例4と同様な方法及び条件でラミネート
し、さらに露光を行い、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを剥離した後、実施例2と同様な方法及び条件で
現像を行い、赤色画像パターンの隣に緑色の画像パター
ンを形成した。その後、150℃で10分間の後加熱を
行った。次いで、実施例3で得られた感光液を用いて、
実施例4と同様な方法及び条件で、感光性エレメントを
作製した。この感光性エレメントを上記の基板上に実施
例4と同様な方法及び条件でラミネートし、さらに露光
を行い、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し
た後、実施例3と同様な方法及び条件で現像を行い、緑
色画像パターンの隣に青色の画像パターンを形成した。
その後、150℃で10分間の後加熱を行った。以上に
より、1つの画素が、30μm×100μmの赤、緑及
び青色の三色からなるモザイク状に画素が並んだカラー
フィルターを作製した。
【0064】比較例1 実施例1の感光液組成のうち、顔料分散時の有機溶剤が
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの
替わりに、エチルセロソルブを用い、また、(c)成分
のモノマーが、EO変性ビスフェノールAジアクリレー
トとジエチレングリコールジメタクリレートの併用系の
替わりに、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート
20g及びトリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌ
レート10gを用いた以外は、実施例1と同様な組成及
び方法、条件で感光液を得た。この感光液を用いて、実
施例1と同様な方法及び条件で膜厚2.0μmの膜を形
成し、更に露光及び現像を行った。結果を表2に示す。
【0065】比較例2 実施例2の感光液組成のうち、分散時に用いるプロピレ
ングリコールモノエチルエーテルの量を180gに減
じ、また、分散後に加えるプロピレングリコールモノプ
ロピルエーテルとN−メチル−2−ピロリドンの混合溶
剤180gの替わりに、シクロヘキサノンを100g用
いる以外は、実施例2と同様な組成及び方法、条件で感
光液を得た。この感光液を用いて、実施例2と同様な方
法及び条件で膜厚2.0μmの膜を形成し、更に露光及
び現像を行った。結果を表2に示す。
【0066】比較例3 実施例3の感光液組成のうち、(c)成分のモノマー
が、テトラエチレングリコールジアクリレートの替わり
に、ビスフェノールAジメタクリレート15g、トリメ
チロールプロパントリアクリレート13g及びEO変性
リン酸トリアクリレート2gを用い、分散後の有機溶剤
をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
300gの替わりにジオキサン200gを用いた以外
は、実施例3と同様な組成及び方法、条件で感光液を得
た。
【0067】この感光液を用いて、実施例3と同様な方
法及び条件で膜厚2.0μmの膜を形成し、更に露光及
び現像を行い、結果を表2に示した。また、実施例1、
2、3及び比較例1、2、3の感光液のE型粘度計で測
定したローターの回転数1rpmで測定した粘度とロータ
ーの回転数が5rpmで測定した粘度との比率(チキソトロ
ピー性)、感光液の分散安定性及び得られた膜の外観に
ついて、評価した結果を表2に併せて示した。
【0068】
【表2】
【0069】表2から、感光液のチキソトロピー性が
1.00〜1.50の範囲外である感光液(比較例1、
2及び3)の場合には、分散安定性が、実施例1、2及
び3に比べて著しく低下し、それらの感光液を用いて作
製した膜の外観や感光性も劣ることが分かる。それに対
し、感光液のチキソトロピー性が1.00〜1.50の
範囲内にある感光液(実施例1、2及び3)では、分散
性は45日を経過しても全く変化なく、安定に存在し、
それに伴って、それらの感光液を用いて作製した膜の外
観も良好で、膜厚も均一であった。また、感光性も比較
例1、2及び3に比べて光感度が高く、高解像度の画像
パターンが得られた。
【0070】さらに、実施例4に示した感光性エレメン
トを用いた場合には、実施例1、2及び3の場合に比べ
て、光感度がより向上し、35mJ/cm2の露光量でも、実
施例1の場合と同等な段数と解像度を示した。このよう
に従来になく高感度で、分散安定性の良好な感光液を用
いて作製したカラーフィルター(実施例5及び6)は、
いずれも消偏性が500以上と光学特性に優れ、画像表
示素子として有効であることを確認した。
【0071】
【発明の効果】本発明は、光重合性不飽和基を有する分
散樹脂を用い、それと、他の材料を適切に選択して組み
合わせることにより、特定の粘性をもった感光液を提供
するものである。これにより、従来より問題となってい
た、顔料の分散安定性と光感度を共に著しく向上させる
ことができる。本発明はまた、このような感光液を用い
た感光性エレメント、更にはカラーフィルターを提供す
るものである。これらの感光液や感光性エレメントを用
いて作製したカラーフィルターは、光学特性の優れた画
像表示素子として用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 浩二 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立 化成工業株式会社 茨城研究所内 (72)発明者 赤堀 聡彦 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立 化成工業株式会社 茨城研究所内 (72)発明者 佐藤 勉 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化 成工業株式会社 五井工場内 (72)発明者 木村 陽一 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化 成工業株式会社 五井工場内 (56)参考文献 特開 平6−348023(JP,A) 特開 平5−224417(JP,A) 特開 平5−61196(JP,A) 特開 昭54−137085(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00 - 7/42

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)酸価が20〜300、不飽和当量
    が600〜3,000である分散樹脂、(b)顔料、
    (c)光重合性不飽和結合を分子内に1つ以上有するモ
    ノマー及び(d)光開始剤を含有してなる着色画像形成
    材料に有機溶剤を加えた感光液のチキソトロピー性(E
    型粘度計における、ローターの回転数が1rpmで測定し
    た粘度/ローターの回転数で5rpmで測定した粘度)
    が、1.00〜1.50の範囲内であることを特徴とす
    る着色画像形成材料を含む感光液。
  2. 【請求項2】 (a)分散樹脂が、下記の一般式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素
    原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数
    1〜12のアルコキシ基を示し、R3は炭素数1〜12
    のアルキル基を示し、R4は水素原子、炭素数1〜12
    のアルキル基又は水酸基を1つ有していてもよい光重合
    性不飽和結合を有する基を示し、m及びnは各々独立に
    1≦m/n≦5となるように選ばれる1以上の整数であ
    る)で表わされる樹脂である請求項1記載の着色画像形
    成材料を含む感光液。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の感光液を用いて作
    製した着色画像形成材料を含む層及び支持体フィルムを
    有する感光性エレメント。
  4. 【請求項4】 さらに、剥離可能なカバーフィルムを着
    色画像形成材料を含む層の上に積層してなる請求項3記
    載の感光性エレメント。
  5. 【請求項5】 請求項1若しくは2記載の感光液又は請
    求項3若しくは4記載の感光性エレメントを用いて、着
    色画像形成材料を基板上に膜として形成し、活性光線を
    画像状に照射し、露光部を光硬化させ、未露光部を現像
    により除去する工程を、異なった複数の色の着色画像形
    成材料について繰り返し行い、画素を形成することを特
    徴とするカラーフィルターの製造法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の画素が、赤、緑及び青の
    画素であることを特徴とする請求項5記載のカラーフィ
    ルターの製造法。
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