JP3421415B2 - 着色画像形成材料、これを用いた感光液、感光性エレメント、カラーフィルターの製造法及びカラーフィルター - Google Patents

着色画像形成材料、これを用いた感光液、感光性エレメント、カラーフィルターの製造法及びカラーフィルター

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JP3421415B2 JP03744094A JP3744094A JP3421415B2 JP 3421415 B2 JP3421415 B2 JP 3421415B2 JP 03744094 A JP03744094 A JP 03744094A JP 3744094 A JP3744094 A JP 3744094A JP 3421415 B2 JP3421415 B2 JP 3421415B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、着色画像形成材料、こ
れを用いた感光液、感光性エレメント、カラーフィルタ
ーの製造法及びカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示デバイス、センサー及び
色分解テバイス等にカラーフィルターが多用されてい
る。このカラーフィルターの製造方法として、従来は、
染色可能な樹脂、例えば天然のゼラチンやカゼインをパ
ターニングし、そこに、主に染料を用いて染色し、画素
を得るという方法がとられていた。しかし、この方法で
得た画素は、材料からの制約で、耐熱性、耐光性が低い
という問題があった。
【0003】そこで、最近、耐熱性及び耐光性を改良す
る目的で、顔料を分散した感光材料を用いる方法が注目
され、多くの検討が行われるようになった。この方法に
よれば、製法も簡略化され、得られたカラーフィルター
も安定で、寿命の長いものになることが知られている。
【0004】しかし一方、顔料を安定に分散させるため
の技術が難しく、特に、顔料の分散性に最も影響を及ぼ
す分散樹脂の選定が難しかった。また、顔料を多く含む
膜の光感度を高める技術も難しく、現時点では低感度に
留まっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、顔料を分散
した感光材料の問題点である、顔料の分散安定性と光感
度を共に著しく向上させて、従来の技術の問題点を解決
した着色画像形成材料、これを用いた感光液、前記着色
画像形成材料を含む層及び支持体を有する感光性エレメ
ント、カラーフィルターの製造法及びカラーフィルター
を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、特殊な分散樹脂を用いることにより、顔料の
分散安定性と光感度を共に著しく高められることを見い
出し、本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明は、(a)酸価が20〜
300、不飽和当量が600〜3,000であり、一般
式(I)で表される分散樹脂、
【化2】 (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素
原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又はアルコ
キシ基を示し、R3は炭素数1〜12のアルキル基を示
し、R4は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は
水酸基を1つ有してもよい光重合性不飽和結合を有する
基を示し、m及びnは各々独立して1以上の整数であ
り、1≦m/n≦5を満たすように選ばれる)(b)色
素、(c)光重合性不飽和結合を分子内に1つ以上有す
るモノマー及び(d)光開始剤を含有してなる着色画像
形成材料、この着色画像形成材料にジエチレングリコー
ルのモノ若しくはジアルキルエーテル、ジエチレングリ
コールモノアルキルエーテルのアセチル化物又はラクト
ンを加えた感光液並びにこの着色画像形成材料を含む層
及び支持体フィルムを有する感光性エレメントに関す
る。
【0008】また、本発明は、前記着色画像形成材料の
膜を基板上に形成し、活性光線を画像状に照射し、露光
部を光硬化させ、未露光部を現像により除去する工程
を、異なった複数の色の着色画像形成材料について繰り
返し行い、画素を形成するカラーフィルターの製造法及
びこの製造法により製造されたカラーフィルターに関す
る。
【0009】以下、本発明について詳述する。(a)成
分である酸価が20〜300、不飽和当量が600〜
3,000であり、一般式(I)で表わされる分散樹脂
は、
【化3】 (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素
原子、水酸基、炭素1〜12のアルキル基又はアルコキ
シ基を示し、R3は炭素数1〜12のアルキル基を示
し、R4は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は
水酸基を1つ有していてもよい光重合性不飽和結合を有
する基を示し、m及びnは各々独立して1以上の整数で
あり、1≦m/n≦5を満たすように選ばれる) スチレンもしくはその誘導体と、マレイン酸モノアルキ
ルエステルとの共重合体が基本骨格となる。このとき、
マレイン酸モノアルキルエステルの替わりに(無水)マ
レイン酸を用いると、共重合体の収率が低くなり好まし
くない。
【0010】具体的には、スチレン、α−メチルスチレ
ン、m又はp−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチ
レン、2−メトキシ−4−ヒドロキシスチレン、2−ヒ
ドロキシ−4−メチルスチレン等のスチレン又はその誘
導体と、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチ
ル、マレイン酸モノ−n−プロピル、マレイン酸モノ−
イソプロピル、マレイン酸モノ−n−ブチル、マレイン
酸モノ−n−ヘキシル、マレイン酸モノ−n−オクチ
ル、マレイン酸モノ−2−エチルヘキシル、マレイン酸
モノ−n−ノニル、マレイン酸モノ−n−ドデシル等の
マレイン酸モノアルキルエステルとの共重合体が基本骨
格となる。このとき、スチレンもしくはその誘導体と、
マレイン酸モノアルキルエステルの比率m/nは、1〜
5の範囲とされる。
【0011】本発明における(a)成分の分散樹脂は、
光感度を向上させるための光重合性の不飽和結合と、ア
ルカリ現像を可能とするためのカルボキシル基の存在が
必須である。光重合性不飽和結合を樹脂中に導入するに
は、上述のスチレンもしくはその誘導体と、マレイン酸
モノアルキルエステルとの共重合体に、アリルアルコー
ル、2−ブテン−4−オール、フルフリルアルコール、
オレイルアルコール、シンナミルアルコール、2−ヒド
ロキシアクリレート、2−ヒドロキシメタクリレート、
N−メチロールアクリルアミド等の不飽和アルコールを
エステル化反応させて得ることができる。また、グリシ
ジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリル
グリシジルエーテル、α−エチルグリシジルアクリレー
ト、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノア
ルキルモノグリシジルエステル等のオキシラン環とエチ
レン性不飽和結合をそれぞれ1個有する化合物を、前記
のスチレンもしくはその誘導体とマレイン酸モノエステ
ルとの共重合体に、付加反応させて得ることができる。
【0012】このとき、先に(無水)マレイン酸に上記
の不飽和アルコールをモノエステル化したり、オキシラ
ン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物を付加させ
たりした化合物を用いて、スチレンもしくはその誘導体
と共重合すると、重合時に不飽和基が反応し、ゲル化す
る可能性があるため好ましくない。
【0013】このようにして得られた分散樹脂中の不飽
和当量は、600〜3,000とすることが好ましく、
800〜2,000とすることがより好ましい。不飽和
当量が600未満では、後述する顔料との分散時に一部
硬化する可能性があり、また、3,000を越えると光
感度の向上効果が低下する。なお、本発明でいう不飽和
当量とは、不飽和結合1つあたりの樹脂の分子量を意味
している。
【0014】また、(a)成分の分散樹脂には必ずカル
ボキシル基を残す必要があり、その酸価は20〜30
0、好ましくは40〜200、より好ましくは60〜1
50である。酸価が20未満では、アルカリ現像性が低
下し、また、300を越えると画像パターンの形状が不
鮮明となり好ましくない。
【0015】(a)成分の分散樹脂の重量平均分子量
は、1,500〜30,000とすることが好ましく、
4,000〜15,000とすることがより好ましい。
分子量が1,500未満では顔料の分散安定性が乏しく
なる傾向があり、また、30,000を越えると感光液
にしたときの粘度が高くなり、スピンコートする際の塗
布性が低下する傾向がある。
【0016】(a)成分の分散樹脂の使用量は、
(a)、(b)、(c)及び(d)成分の総量に対し
て、10〜85重量%とすることが好ましく、20〜6
0重量%とすることがより好ましく、25〜50重量%
とすることが特に好ましい。この使用量が10重量%未
満では、顔料の分散安定性が低下する傾向があり、85
重量%を越えると、感光液にしたときの粘度が高くな
り、スピンコートする際の塗布性が低下する傾向があ
る。
【0017】次に、(b)成分の色素について説明す
る。本発明における色素には、染料、顔料いずれも使用
できるが、耐熱性や耐光性を考慮すると顔料の方が好ま
しい。顔料には無機顔料と有機顔料があるが、一般的に
は、色調の豊富さ等から黒色のカーボンブラック(無機
顔料)と有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例え
ば、アゾ系、フタロシアニン系、インジゴ系、アントラ
キノン系、ペリレン系、キナクリドン系、メチン・アゾ
メチン系、イソインドリノン系等が挙げられる。
【0018】本発明の着色画像形成材料をカラーフィル
ターに適用する場合には、赤、緑、青及び黒色などの着
色画像に適した各顔料系が用いられる。
【0019】赤色の着色画像には、単一の赤色顔料系を
用いてもよいし、黄色顔料系を赤色顔料系に混合して調
色を行ってもよい。赤色顔料系としては例えば、カラー
インデックス名で、ピグメントレッド9、123、15
5、168、177、180、217、220、224
等が挙げられる。また、黄色顔料系としては、例えば、
カラーインデックス名で、ピグメントイエロー20、2
4、83、93、109、110、117、125、1
39、147、154等が挙げられる。これらの赤色及
び黄色顔料は、それぞれ2種類以上を混合して用いるこ
ともできる。また、赤色顔料系と黄色顔料系を混合して
用いる場合には、黄色顔料系は赤色顔料系と黄色顔料系
の総量100重量部に対して、50重量部以下で用いる
ことが好ましい。
【0020】緑色の着色画像には、単一の緑色顔料系を
用いてもよいし、上記の黄色顔料系を緑色顔料系に混合
して調色を行ってもよい。緑色顔料系としては、例え
ば、カラーインデックス名で、ピグメントグリーン7、
36、37等が挙げられる。これらの緑色及び黄色顔料
は、それぞれ2種類以上を混合して用いることもでき
る。また、緑色顔料系と黄色顔料系を混合して用いる場
合には、黄色顔料系は緑色顔料系と黄色顔料系の総量1
00重量部に対して、50重量部以下で用いることが好
ましい。
【0021】青色の着色画像には、単一の青色顔料系を
用いてもよいし、紫色顔料系を青色顔料系に混合して調
色を行ってもよい。青色顔料系としては、例えば、カラ
ーインデックス名で、ピグメントブルー15、15:
3、15:4、15:6、22、60等が挙げられる。
また、紫色顔料系としては、例えば、カラーインデック
ス名で、ピグメントバイオレット19、23、29、3
7、50等が挙げられる。これらの青色及び紫色顔料
は、それぞれ2種以上を混合して用いることもできる。
また、青色顔料系と紫色顔料系を混合して用いる場合に
は、紫色顔料系は青色顔料系と紫色顔料系の総量100
重量部に対して、50重量部以下で用いることが好まし
い。
【0022】黒色の着色画像には、例えばカーボンブラ
ック、チタンカーボン、黒鉄、二酸化マンガン等の黒色
顔料が用いられる。本発明における(b)成分の色素の
使用量は、(a)、(b)、(c)及び(d)成分の総
量に対して、5〜50重量%とすることが好ましく、1
0〜40重量%とすることがより好ましく、15〜30
重量%とすることが特に好ましい。この使用量が5重量
%未満では、画像の色濃度が低くなる傾向があり、ま
た、50重量%を越えると、光感度が低下する傾向があ
る。
【0023】本発明における(c)成分の光重合性不飽
和結合を分子内に1つ以上有するモノマーとしては、例
えば、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルア
クリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレ
ート、ECH変性ブチルアクリレート(ここで、ECH
はエピクロルヒドリンを意味する。以下も同じ)、ジシ
クロペンタニルアクリレート、EO変性ジシクロペンテ
ニルアクリレート(ここで、EOはエチレンオキシドを
意味する。以下も同じ)、N,N−ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、エチルジエチレングリコールアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロー
ルメタクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、カプロラク
トン変性−2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボ
ルニルアクリレート、メトキシジプロピレングリコール
アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエンアクリレ
ート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレー
ト、EO変性リン酸アクリレート、カプロラクトン変性
テトラヒドロフルフリルアクリレート、EO変性ビスフ
ェノールAジアクリレート、ECH変性ビスフェノール
Aジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−
ブチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性
リン酸ジアクリレート、ECH変性フタル酸ジアクリレ
ート、ポリエチレングリコール400ジアクリレート、
ポリプロピレングリコール400ジメタクリレート、テ
トラエチレングリコールジアクリレート、ECH変性
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、
EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、P
O変性トリメチロールプロパントリアクリレート(ここ
で、POはプロピレンオキシドを意味する。以下も同
じ)、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエルス
リトールへキサアクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート等が挙げられる。これらのモノマー
は単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
【0024】本発明における(c)成分のモノマーの使
用量は、(a)、(b)、(c)及び(d)成分の総量
に対して、2〜50重量%とすることが好ましく、5〜
40重量%とすることがより好ましく、10〜30重量
%とすることが特に好ましい。この使用量が2重量%未
満では、光感度が低くなる傾向があり、また、50重量
%を超えると、(b)成分として顔料を用いた場合の顔
料の分散安定性が低下する傾向がある。
【0025】本発明における(d)成分の光開始剤とし
ては例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル
−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−
4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,
2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベ
ンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフ
ェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メ
チル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モル
ホリノ−1−プロパン、t−ブチルアントラキノン、1
−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキ
ノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エ
チルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10
−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノ
ン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルア
ントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−
ジフェニルイミダゾール二量体等が挙げられる。これら
の光開始剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて用い
られる。
【0026】本発明における(d)成分の光開始剤は、
(a)、(b)(c)及び(d)成分の総量に対して、
0.01〜20重量%とすることが好ましく、2〜15
重量%都することがより好ましく、5〜10重量%とす
ることが特に好ましい。この使用量が0.01重量%未
満では、光感度が低くなる傾向にあり、また、20重量
%を越えると、密着性が低下する傾向がある。
【0027】本発明の着色画像形成材料には、(a)、
(b)、(c)及び(d)成分の必須成分以外に、暗反
応を抑制するためのハイドロキノン、ハイドロキノンモ
ノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコー
ル等の熱重合禁止剤、基板との密着性を向上させるため
の、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基等
を有したシランカップリング剤やイソプロピルトリメタ
クリロイルチタネート、ジイソプロピルイソステアロイ
ル−4−アミノベンゾイルチタネート等のチタネートカ
ップリング剤、膜の平滑性を向上させるためのフッ素
系、シリコン系、炭化水素系等の界面活性剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を必要に応じて適宜使
用することができる。
【0028】また、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂、メラミン樹脂等、通常の結合剤となる樹脂
を、顔料分散時に限らず、本発明になる一般式(I)で
表わされる分散樹脂100重量部に対して、50重量部
以下で使用してもよい。50重量部を越えると、顔料の
分散安定性や光感度が低下し好ましくない。
【0029】本発明の着色画像形成材料は、適当な有機
溶剤を加えて感光液とし、これを基板に直接塗布する
か、もしくはいったん、支持体に塗布したのち基板にラ
ミネートするなどして、基板表面に膜として形成され
る。その後、露光、現像を行い、目的の画像パターンを
得ることができる。
【0030】本発明の着色画像形成材料を感光液とする
方法について以下に説明する。着色画像形成材料のう
ち、(b)成分が染料の場合は(a)、(b)、(c)
及び(d)成分を全量混合し、これに有機溶剤を加え
て、感光液とすることができる。このとき用いる有機溶
剤の選択は極めて重要で、有機溶剤の選択如何で、着色
画像形成材料の性能が著しく左右される。本発明に用い
る溶剤としては、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチ
レングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコ
ールのモノ又はジアルキルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコ
ールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテルアセテート等のジエチレング
リコールモノアルキルエーテルのアセチル化物、β−ラ
クトン、γ−ラクトン、δ−ラクトン等のラクトンが好
ましい。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を併
用して用いてもよい。また、これら有機溶剤は、感光液
中の(a)、(b)、(c)及び(d)成分を含む全固
形分が5〜40重量%の範囲になるよう用いられること
が好ましい。全固形分が5重量%未満になる程の有機溶
剤を使用すると、塗膜の乾燥に時間がかかり、また、4
0重量%を越す程の溶剤量では、感光液の粘度が高すぎ
て、塗布性が低下し好ましくない。
【0031】尚、一般的な有機溶剤の中で、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類やエチルセ
ロソルブアセテート等のセロソルブのアセチル化物を、
本発明の着色画像形成材料の有機溶剤として用いると、
感光液の安定性や得られた塗膜外観が著しく劣り、好ま
しくない。
【0032】一方、(b)成分が顔料の場合は、顔料を
分散させる必要がある。この方法としては通常、(a)
成分の分散樹脂及び顔料を上記の好ましい有機溶剤(単
独で用いても、2種類以上を併用して用いてもよい)と
混合し、この混合物を超音波分散機、三本ロール、ボー
ルミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイザー、ニ
ーダー等の各種分散/混練装置を用いて行うことができ
る。
【0033】この際、ポリカルボン酸型高分子活性剤、
ポリスルホン酸型高分子活性剤等のアニオン系顔料分散
剤、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロッ
クポリマー等のノニオン系顔料分散剤などの顔料分散剤
や、アントラキノン系、ペリレン系、フタロシアニン
系、キナクリドン系等の有機色素にカルボキシル基、ス
ルホン酸基、スルホン酸塩基、カルボン酸アミド基、ス
ルホン酸アミド基、水酸基等の置換基を導入した有機色
素の誘導体を加えると、顔料の分散性や分散安定性が良
好になり好ましい。
【0034】これら顔料分散剤や有機色素の誘導体は、
顔料100重量部に対して50重量部以下として用いる
ことが好ましい。また、顔料分散時に(c)及び(d)
成分を加えてもよく、顔料分散後に(c)及び(d)成
分を加えてもよい。
【0035】(a)成分の分散樹脂は、全量を分散時に
顔料と共に用いてもよく、分散樹脂の一部を分散後に加
えてもよい。ただし、分散樹脂は顔料100重量部に対
して、分散時に、20重量部以上用いることが好まし
い。20重量部未満では顔料の分散安定性が低下する。
同様に有機溶剤も顔料の分散時に全量用いてもよく、有
機溶剤の一部を分散後に加えてもよい。ただし、有機溶
剤は分散時の顔料及び分散樹脂の全量100重量部に対
して、分散時に、100重量部以上用いることが好まし
い。100重量部未満では、分散時の粘度が高すぎて、
特にボールミル、サンドミル、ビーズミル等で分散する
場合には分散が困難になる可能性がある。
【0036】また、(b)成分が顔料の場合は、染料の
場合に比べて、更に有機溶剤の影響が大きく、本発明に
なる好ましい有機溶剤の替わりに、例えば前述したセロ
ソルブ類やそのアセチル化合物を用いると顔料の分散安
定性が著しく低下するなど、良好な画像パターンを得る
ことができない。
【0037】(b)成分が顔料の場合でも、染料の場合
と同様、好ましい有機溶剤は、感光液中の(a)、
(b)、(c)及び(d)成分を含む全固形分が5〜4
0重量%の範囲になるよう用いられることが好ましい。
次にこのようにして得られた感光液を基板に直接塗布す
る場合には、例えば、ロールコーター塗布、スピンコー
ター塗布、スプレー塗布、ホエラー塗布、ディップコー
ター塗布、カーテンフローコーター塗布、ワイヤーバー
コーター塗布、グラビアコーター塗布、エアナイフコー
ター塗布などにより行われる。
【0038】この際に用いる基板としては、用途により
選択されるが、例えば、白板ガラス、青板ガラス、シリ
カコート青板ガラス等の透明ガラス基板、ポリエステル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニ
ル樹脂等の合成樹脂製シート、フィルム又は基板、アル
ミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属
基板、その他セラミック基板、光電変換素子を有する半
導体基板等が挙げられる。
【0039】塗布後、通常、50〜130℃の温度で1
〜30分間乾燥して膜を得ることができる。
【0040】一方、感光液を基板に直接塗布せずに、い
ったん支持体上に塗布、乾燥し、着色画像形成材料を含
む層(この層の厚さは、通常、0.1〜300μm、好
ましくは0.2〜30μm、より好ましくは0.2〜5
μmである)を形成して感光性エレメントとし、これを
基板にラミネートするなどして、基板上に着色画像形成
材料の膜を形成することもできる。支持体に感光液を塗
布する方法としては、ナイフコーター塗布、グラビアコ
ーター塗布、ロールコーター塗布、スプレーコーター塗
布等で行うことができる。この際に用いられる支持体と
しては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリイミドフ
ィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム、ポリスチレンフィルム等のフィルムが挙げられ
る。塗布したのち、上記と同様に、通常、50〜130
℃の温度で1〜30分間乾燥して層を得ることができ
る。更に層の表面に塵が付着するのを防ぐ等の目的で、
膜の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層することが
望ましい。
【0041】剥離可能なカバーフィルムとしては、例え
ば、ポリエチレンフィルム、テフロンフィルム、ポリプ
ロピレンフィルム、表面処理した紙等があり、カバーフ
ィルムを剥離するときに層と支持体との接着力よりも層
とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであれば
よい。
【0042】このようにして得られた感光性エレメント
を基板上にラミネートする方法としては、基板と本発明
の着色画像形成材料を含む層を重ね合わせながら、加熱
圧着することが好ましい。この場合、雰囲気は常圧でも
減圧下でもよい。
【0043】このようにして基板表面に形成した本発明
の着色画像形成材料の膜の厚みは、用途によって適宜定
まるが、通常0.1〜300μmの範囲で使用される。
また、カラーフィルターに用いる場合には、通常、0.
2〜5μmの範囲で使用される。
【0044】次に画像パターンを形成する方法について
説明する。上記の方法で得られた基板上の膜に、活性光
線を画像状に照射し、露光部の膜を硬化させる。この
際、感光性エレメントを用いて膜を形成した場合には、
支持体をつけたまま上から露光してもよく、いったん支
持体を剥離したのち露光してもよい。また、基板に直接
感光液を塗布して膜を形成した場合でも、その膜の表面
にポリビニルアルコール等の酸素遮蔽膜を0.5〜30
μmの厚みで形成し、その上から露光してもよい。
【0045】活性光線の光源としては、例えば、カーボ
ンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンラン
プ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステン
ランプ、可視光レーザー等が好ましく用いられる。これ
らの光源を用いてフォトマスクを介したパターン露光や
走査による直接描画などにより画像状に活性光線が照射
される。
【0046】続いて現像工程、すなわち、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナ
トリウム等の無機アルカリやモノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチ
ルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルアミ
ン、n−ブチルアミン等の有機塩基や塩を含む水溶液を
吹きつけるか、水溶液に漬浸するなどして、未露光部を
除去し、画像に対応した硬化膜の着色画像パターンを得
ることができる。この際、支持体を付けたまま露光した
場合には、支持体を剥離したのち、現像を行う。現像
後、更に、着色画像パターンを高圧水銀灯等を用いて
0.5〜5J/cm2の光量を後露光するか、60〜200
℃の温度で1〜60分間、後加熱をすると、画像パター
ンはより強固になり好ましい。
【0047】液晶表示素子に用いるカラーフィルターの
作製法を例示すると、ガラス基板上に本発明になる着色
画像形成材料と有機溶剤からなる感光液を直接又は間接
的に用いて前記した方法を繰り返して行うことにより、
赤、緑、青等の着色画素を形成したのち、この着色画素
間のすき間に、黒色の着色画像をブラックマトリクスと
して形成する方法や、先にクロム蒸着や黒色の着色画像
等によりブラックマトリクスを形成後、上記と同様に、
赤、緑、青等の着色画素を形成してカラーフィルターを
作製する方法などがある。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0049】実施例1 (a)成分として、表1に示す一般式(I)で表わされ
る分散樹脂40g、(b)成分として、カラーインデッ
クス名で、ピグメントレッド177、25g及びピグメ
ントエロー139、5gをジエチレングリコールジメチ
ルエーテル200gに加え、これをビーズミルを用いて
2時間分散した。この分散液200gに、上記の分散樹
脂10g、(c)成分として、トリメチロールプロパン
トリアクリレート30g、(d)成分としてベンゾフェ
ノン6g、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミ
ノベンゾフェノン2g及びジエチレングリコールジメチ
ルエーテル280gを加えて混合し、着色画像形成材料
を含む感光液を得た。
【0050】この感光液を、ガラス基板(コーニング社
製、商品名7059)上にスピンコート法により塗布
し、更に80℃、5分の乾燥を行い、膜厚2.0μmの
膜を形成した。得られた膜に、ネガマスクを通して超高
圧水銀灯により画像状に80mJ/cm2の露光を行い、次い
で、トリエタノールアミンを6重量%含む水溶液により
現像を行った。得られた赤色の画像パターンについて、
光感度とパターン形状の評価結果を表2に示す。
【0051】実施例2 (a)成分として、表1に示す一般式(I)で表わされ
る分散樹脂60g、(b)成分として、カラーインデッ
クス名で、ピグメントグリーン36、22g及びピグメ
ントエロー83、8gをジエチレングリコールジエチル
エーテル250gに加え、これをビーズミルを用いて2
時間分散した。この分散液220gに、(c)成分とし
て、ペンタエリスリトールテトラアクリレート32g、
(d)成分として、ベンゾフェノン6g、N,N′−テ
トラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン3g及
びジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート
125gを加えて混合し、着色画像形成材料を含む感光
液を得た。
【0052】この感光液を実施例1と同様にガラス基板
上に塗布、乾燥し、膜厚2.0μmの膜を形成した。得
られた膜に、実施例1と同様な方法及び条件で露光、現
像を行った。得られた緑色の画像パターンについて、光
感度とパターン形状の評価結果を表2に示す。
【0053】実施例3 (a)成分として、表1に示す一般式(I)で表わされ
る分散樹脂25g、(b)成分として、カラーインデッ
クス名で、ピグメントブルー15−6、24g及びピグ
メントバイオレット23、1gをγ−ラクトン200g
に加え、これをビーズミルを用いて2時間分散した。こ
の分散液140gに、上記の分散樹脂36g、(c)成
分として、1,4−ブタンジオールジアクリレート30
g、(d)成分として、ベンゾフェノン6g、N,N′
−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン2
g及びジエチレングリコールジメチルエーテル230g
を加えて混合し、着色画像形成材料を含む感光液を得
た。
【0054】この感光液を、実施例1と同様にガラス基
板上に塗布、乾燥し、膜厚2.0μmの膜を形成した。
得られた膜に、実施例1と同様な方法及び条件で露光及
び現像を行った。得られた青色の画像パターンについ
て、光感度とパターン形状の評価結果を表2に示す。
【0055】実施例4 実施例1で得られた感光液を、厚さ6μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上に、グラビアコート法によ
り塗布し、100℃、2分の乾燥により、膜厚2.0μ
mの膜を形成し、その上に厚さ40μmのポリエチレン
フィルムで被覆して感光性エレメントを得た。
【0056】得られた感光性エレメントからポリエチレ
ンフィルムを剥がした後、実施例1で用いたものと同様
のガラス基板上に、ラミネートした。ラミネート条件
は、ガラス基板温度40℃、ラミネートロール温度11
0℃、ラミネート圧力3.5kgf/cm2、ラミネート速度
1.5m/minで行った。
【0057】次に、ネガマスクを通して、ポリエチレン
テレフタレートフィルム上から超高圧水銀灯により画像
状に40mJ/cm2の露光を行い、次いで、ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを剥離した後、実施例1と同様な
方法及び条件で現像を行った。
【0058】実施例5 クロム蒸着によりブラックマトリクスを形成した実施例
1で用いたガラス基板上に、実施例1と同様な方法及び
条件で赤色の画像パターンを形成した後、150℃で1
0分間の後加熱を行った。次いで、その基板を用いて、
実施例2と同様な方法及び条件で、赤色画像パターンの
隣に緑色の画像パターンを形成した。その後、150℃
で10分間の後加熱を行った。次いで、その基板を用い
て、実施例3と同様な方法及び条件で、緑色画像パター
ンの隣に青色の画像パターンを形成した。その後、15
0℃で10分間の後加熱を行った。以上により、1つの
画素が、30μm×100μmの赤、緑及び青色の三色
からなるモザイク状に画素が並んだカラーフィルターを
作製した。
【0059】実施例6 クロム蒸着によりブラックマトリクスを形成した実施例
1で用いたガラス基板上に、実施例4と同様な方法及び
条件で赤色の画像パターンを形成した後、150℃で1
0分間の後加熱を行った。次いで実施例2で得られた感
光液を用いて、実施例4と同様な方法及び条件で、感光
性エレメントを作製した。この感光性エレメントを上記
の基板上に実施例4と同様な方法及び条件でラミネート
し、さらに露光を行い、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを剥離した後、実施例2と同様な方法及び条件で
現像を行い、赤色画像パターンの隣に緑色の画像パター
ンを形成した。その後、150℃で10分間の後加熱を
行った。次いで、実施例3で得られた感光液を用いて、
実施例4と同様な方法及び条件で、感光性エレメントを
作製した。この感光性エレメントを上記の基板上に実施
例4と同様な方法及び条件でラミネートし、さらに露光
を行い、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し
た後、実施例3と同様な方法及び条件で現像を行い、緑
色画像パターンの隣に青色の画像パターンを形成した。
その後、150℃で10分間の後加熱を行った。以上に
より、1つの画素が、30μm×100μmの赤、緑及
び青色の三色からなるモザイク状に画素が並んだカラー
フィルターを作製した。
【0060】比較例1及び2 分散樹脂に一般式(I)で表わされる分散樹脂を用いる
替わりに、表1に示す分散樹脂を60g用いた以外は、
実施例2と同様な組成及び方法、条件で感光液を得た。
この感光液を用いて、実施例1と同様な方法及び条件で
膜厚2.0μmの膜を形成し、更に露光及び現像を行っ
た。結果を表2に示す。
【0061】比較例3 分散樹脂に一般式(I)で表わされる分散樹脂を用いる
替わりに、ポリビニルピロリドン(GAF社製、商品名
K−90)を分散時に25g用いた以外は、実施例3と
同様な組成及び方法、条件で感光液を得た。この感光液
を用いて、実施例3と同様な方法及び条件で膜厚2.0
μmの膜を形成し、更に露光及び現像を行った。結果を
表2に示す。
【0062】比較例4 分散樹脂に、一般式(I)で表わされる分散樹脂を用い
る替わりに、酢酸フタル酸セルロース(重合度100、
和光純薬製)を分散時に25g用いた以外は、実施例3
と同様な組成及び方法、条件で感光液を得た。この感光
液を用いて、実施例3と同様な方法及び条件で膜厚2.
0μmの膜を形成し、更に露光及び現像を行った。結果
を表2に示す。
【0063】比較例5 用いる有機溶剤が、ジエチレングリコールジメチルエー
テルの替わりにエチルセロソルブを同量用いることとし
た以外は、実施例1と同様な組成及び方法、条件で感光
液を得た。この感光液を用いて、実施例1と同様な方法
及び条件で膜厚2.0μmの膜を形成し、更に露光及び
現像を行った。結果を表2に示す。
【0064】比較例6 用いる有機溶剤が、ジエチレングリコールジメチルエー
テルの替わりに、エチルセロソルブアセテートを同量用
いることとした以外は、実施例1と同様な組成及び方
法、条件で感光液を得た。この感光液を用いて、実施例
1と同様な方法及び条件で膜厚2.0μmの膜を形成
し、更に露光及び現像を行った。結果を表2に示す。
【0065】また、実施例1、2及び3並びに比較例
1、2、3、4、5及び6の感光液の分散安定性及び得
られた膜の外観について、評価結果を併わせて表2に示
す。
【0066】表2から、本発明になる分散樹脂とは異な
る樹脂を分散樹脂として、顔料分散時に用いると(比較
例1、2、3及び4)、いずれも、感光液の分散安定
性、得られた膜の外観及び感光性が実施例に比べて劣る
ことが分かる。
【0067】それに対し、本発明になる分散樹脂を顔料
分散時に用いると(実施例1、2及び3)、感光液の分
散安定性は30日経過しても全く変化なく、安定に存在
し、膜の外観も良好で、膜厚も均一であった。また、感
光性も比較例1、2、3及び4に比べると極めて高く、
高解像度の画像パターンが得られた。
【0068】また、比較例3及び4のように吸湿性の高
い樹脂を分散樹脂として用いた場合は、露光時に湿度の
影響を受けやすく、湿度が75%RH以上の環境で露光
すると光感度が1段以下と著しく低下し、画像パターン
が得られなくなるという問題があった。それに対し、本
発明になる分散樹脂を用いた実施例1、2及び3の場合
は、湿度の影響を受けず、高湿下で露光しても、表2の
結果と同等の十分な高感度が得られるという特長のある
ことを確認した。
【0069】一方、有機溶剤の影響は実施例1と比較例
5及び6を比べると明らかで、本発明になる好ましい有
機溶剤を用いた実施例の場合はいずれの特性も良好であ
るが、不適当な溶剤を選ぶと顔料の分散性が低下し、そ
れに伴い、膜の外観やパターンの解像度も低下すること
が分かる(比較例5及び6)。また、実施例4に示した
感光性エレメントを用いた場合には、実施例1、2及び
3の場合に比べて光感度がより向上し、40mJ/cm2の露
光量でも、実施例1の場合と同等な段数と解像度を示し
た。
【0070】このような従来になく特性良好な着色画像
形成材料と、それに適した有機溶剤を加えた感光液を用
いて、作製したカラーフィルター(実施例5及び6)
は、いずれも消偏性が500以上と光学特性に優れ、画
像表示素子として有効であることを確認した。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【発明の効果】本発明の着色画像形成材料、これを用い
た感光液及び感光性エレメントは、分散安定性、光感度
等が優れる。また、これらの感光液や感光性エレメント
を用い、本発明のカラーフィルターの製造法により製造
したカラーフィルターは、光学特性が優れ、画像表示素
子として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G02B 5/20 101 G02B 5/20 101 G03F 7/033 G03F 7/033 (72)発明者 山崎 浩二 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立 化成工業株式会社 茨城研究所内 (72)発明者 赤堀 聡彦 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立 化成工業株式会社 茨城研究所内 (72)発明者 佐藤 勉 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化 成工業株式会社 五井工場内 (72)発明者 木村 陽一 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化 成工業株式会社 五井工場内 (56)参考文献 特開 平5−61196(JP,A) 特開 平5−224417(JP,A) 特開 平2−178662(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00 - 7/42

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)酸価が20〜300、不飽和当量
    が600〜3,000であり、一般式(I)で表される
    分散樹脂、 【化1】 (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素
    原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又はアルコ
    キシ基を示し、R3は炭素数1〜12のアルキル基を示
    し、R4は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は
    水酸基を1つ有してもよい光重合性不飽和結合を有する
    基を示し、m及びnは各々独立して1以上の整数であ
    り、1≦m/n≦5を満たすように選ばれる)(b)色
    素、(c)光重合性不飽和結合を分子内に1つ以上有す
    るモノマー及び(d)光開始剤を含有してなる着色画像
    形成材料にジエチレングリコールのモノ若しくはジアル
    キルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエー
    テルのアセチル化物又はラクトンを加えた感光液
  2. 【請求項2】 請求項1記載の感光液を支持体に塗布乾
    燥して得られた着色画像形成材料を含む層及び支持体を
    有する感光性エレメント。
  3. 【請求項3】 さらに、剥離可能なカバーフィルムを着
    色画像形成材料含む層の上に積層してなる請求項記載
    の感光性エレメント。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の感光液を乾燥して得られ
    着色画像形成材料の膜を基板上に形成し、活性光線を
    画像状に照射し、露光部を光硬化させ、未露光部を現像
    により除去する工程を、異なった複数の色の着色画像形
    成材料について繰り返し行い、画素を形成してなること
    を特徴とするカラーフィルターの製造法。
  5. 【請求項5】 赤、緑及び青の画素を形成してなること
    を特徴とする請求項記載のカラーフィルターの製造
    法。
  6. 【請求項6】 請求項記載の製造法により製造された
    カラーフィルター。
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