JP3900670B2 - 通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:以下OFDMと称する)変調された信号を送信すると共に、このOFDM変調された信号を受信する通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、比較的大容量のデジタルデータを無線などで伝送する場合の変調方式の一つとして、OFDM変調が実用化されている。例えば、図6に示すように、家庭内,オフィス内などの比較的狭い範囲内において、テレビジョン放送を受信するチューナや記録媒体に記録された映像プログラムを再生する再生装置などで構成される映像信号源1が出力する映像信号(デジタル映像データ)を、無線送信装置2に供給し、この無線送信装置2で映像信号をOFDM変調された信号に変調処理して、その変調された信号をアンテナ3から所定の周波数帯で無線送信させる。そして、この無線送信された信号を、アンテナ4に接続された無線受信装置5で受信処理し、その受信した周波数帯のOFDM波を復調処理して映像信号を得、その受信された映像信号をビデオ記録・再生装置6に供給してビデオテープなどの所定の記録媒体に記録させたり、或いは受像機7に供給して受像処理させる。この場合、ビデオ記録・再生装置6で記録された映像信号を再生して、その再生信号を受像機7に供給して受像させることもできる。
【0003】
このようなシステム構成とする場合に、無線送信装置2に接続されたアンテナ3と、無線受信装置5に接続されたアンテナ4との間の無線伝送を、OFDM変調された信号で行うことで、大容量のデジタルデータを良好に効率良く無線伝送することができる。OFDM変調方式は、送信データを複数のサブキャリアに分散されたマルチキャリアとして伝送する方式であり、大容量のデータを効率良く無線伝送することができるものである。
【0004】
ここで、無線送信装置2で送信用にOFDM変調を行う構成の一例を図7に示すと、入力端子2aに得られる送信信号(デジタルデータ)を、シリアル/パラレル変換器2bに供給して、所定単位毎にパラレルデータに変換する。シリアル/パラレル変換器2bで変換されたパラレルデータは、インターリーブ用メモリ2cに供給して、そのメモリ2cへの書込み順序と読出し順序を変更して、データ配列を変えるインターリーブ処理を行い、そのインターリーブ処理されたパラレルデータを、逆フーリエ変換回路(IFFT回路)2dに供給し、逆高速フーリエ変換による演算処理で、時間軸を周波数軸に変換する直交変換処理を行う。そして、直交変換されたパラレルデータを、パラレル/シリアル変換器2eに供給してシリアルデータに変換し、そのシリアルデータを出力端子2fに供給する。出力端子2fに得られるデータは、送信処理系に供給して所定の送信周波数帯に周波数変換して、無線送信させる。
【0005】
次に、このように無線送信される信号を無線受信装置5で受信して復調する構成の一例を図8に示すと、所定の周波数帯の信号を受信して中間周波信号などに周波数変換された信号が入力端子5aに得られ、その入力端子5aに得られるデータをシリアル/パラレル変換器5bに供給して、所定単位毎にパラレルデータに変換し、その変換出力をフーリエ変換回路(FFT回路)5cに供給し、高速フーリエ変換による演算処理で、周波数軸を時間軸に変換する直交変換処理を行う。そして、直交変換されたパラレルデータを、デインターリーブ用メモリ5dに供給して、そのメモリ5dへの書込み順序と読出し順序を変更して、データ配列を変えて元に戻すデインターリーブ処理を行い、そのデインターリーブ処理されたパラレルデータを、パラレル/シリアル変換器5eに供給してシリアルデータに変換し、そのシリアルデータを出力端子5fに供給する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようにOFDM信号の送信時の変調構成と、受信時の復調構成は、比較的大規模な回路構成であり、OFDM信号の送受信を行う通信装置は、回路規模が大きくなってしまう問題があった。即ち、送信時にOFDM変調信号を逆フーリエ変換の演算処理で生成させる逆フーリエ変換回路や、受信時にOFDM変調信号をフーリエ変換の演算処理で復調させるフーリエ変換回路は、大規模な構成の回路を必要とし、回路規模を大型化してしまう。また、図7,図8に示すように、インターリーブして伝送する場合には、そのインターリーブ処理及びデインターリーブ処理のためのメモリなどの手段も必要で、OFDM信号の送信と受信を行う無線通信装置は、非常に回路規模が大きくなってしまう問題があった。
【0007】
本発明の目的は、OFDM変調信号を送信時に生成させる処理と、受信時に復調する処理が簡単な構成で行えるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、フーリエ変換手段で送信用の逆フーリエ変換処理と受信用のフーリエ変換処理とを行い、そのフーリエ変換手段の出力レジスタにセットされたデータを読出してシリアルデータとする際に、送信時と受信時とで異なる順序で読出すようにしたものである。
【0009】
本発明によると、1組のフーリエ変換手段と、そのフーリエ変換手段の前後に接続された回路により、送信時にOFDM変調信号に変調する処理と、受信時のOFDM変調信号を復調する処理とが行える。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を、図1〜図3を参照して説明する。
【0011】
本例においては、OFDM変調信号の送信処理及び受信処理を行う無線通信装置に適用したもので、この無線通信装置は、他の無線通信装置と双方向の無線通信を行う装置である。
【0012】
図1は、本例の無線通信装置の全体構成を示す図で、リンクレイヤ処理部21により送信処理と受信処理が制御され、このリンクレイヤ処理部21に送信データを送出すると共に、受信データの供給を受ける装置(図示せず)が接続してある。送信する構成としては、リンクレイヤ処理部21が出力する送信データTX をOFDM変復調部10に供給し、OFDM変調された送信データとする。このOFDM変復調部10の構成については後述するが、送信時にはOFDM変調処理とそれに付随した処理を行い、受信時にはOFDM復調処理とそれに付随した処理を行う回路である。
【0013】
OFDM変復調部10でOFDM変調された送信データは、デジタル/アナログ変換器22に供給してアナログ変換し、その変換出力を変調部23に供給して、無線伝送用の変調処理を行う。そして、その変調された信号を送信用高周波部24に供給し、シンセサイザ25から供給される周波数信号を混合して送信周波数に周波数変換し、アンテナ切換スイッチ26を介してアンテナ27に供給し、無線送信させる。
【0014】
また、アンテナ27からアンテナ切換スイッチ26を介して受信用高周波部28に供給し、シンセサイザ25から供給される周波数信号を混合して中間周波信号(又はベースバンド信号)に周波数変換し、その周波数変換された信号を復調部29に供給して復調処理を行う。復調部29で復調された信号は、アナログ/デジタル変換器30に供給してデジタルデータに変換し、変換されたデータをOFDM変復調部10に供給し、OFDM変調された受信データRX をOFDM復調処理する。OFDM変復調部10でOFDM復調された受信データは、リンクレイヤ処理部21に供給して、必要な受信処理を行う。
【0015】
次に、本実施の形態でのOFDM変復調部10の構成を、図2を参照して説明する。リンクレイヤ処理部21側から入力端子10aに得られる送信データTX を、インターリーブ部11に供給し、このインターリーブ部11内で送信データのデータ配列を送信用に並び変えるインターリーブ処理を行う。ここで、インターリーブ部11は、例えば複数段のシフトレジスタで構成されて、そのシフトレジスタにセットされたデータを読出す順序をインターリーブパターンに対応した順序とすることで、インターリーブ処理される。このシフトレジスタから読出す順序は、アドレス生成部12から供給されるアドレスデータに基づいて設定される。
【0016】
インターリーブ部11でインターリーブされた送信データTX は、差動符号化器13に供給し、差動符号化処理を行い、その差動符号化された送信データを、セレクタ14の一方の入力端に供給する。また、アナログ/デジタル変換器30側から入力端子10bに得られる受信データRX を、セレクタ14の他方の入力端に供給する。このセレクタ14は、リンクレイヤ処理部21側から端子10cを介して送信/受信選択信号が供給され、この選択信号で送信が選択されているとき、一方の入力端に得られる送信データを選択して出力する。また、選択信号で受信が選択されているとき、他方の入力端に得られる受信データを選択して出力する。
【0017】
セレクタ14で選択されて出力するデータ(送信データ又は受信データ)は、フーリエ変換回路16の入力部に設けられた入力レジスタ15に供給する。入力レジスタ15は、フーリエ変換回路16で変換するポイント数(ここではNポイント:Nは整数,例えば64ポイント)に対応した段数のデータがセットできるレジスタである。入力レジスタ15にセットされたデータは、所定のタイミングでフーリエ変換回路16に供給して、フーリエ変換処理又は逆フーリエ変換処理を行う。ここで、フーリエ変換回路16には、リンクレイヤ処理部21側から端子10cを介して送信/受信選択信号が供給され、この選択信号で送信が選択されているとき、フーリエ変換回路16で逆高速フーリエ変換の演算処理を行い、選択信号で受信が選択されているとき、フーリエ変換回路16で高速フーリエ変換の演算処理を行う。
【0018】
送信時の逆高速フーリエ変換による演算処理では、時間軸上に配置されたデータを周波数軸上に配置されたデータに変換する直交変換処理が行われ、Nポイント(ここでは64ポイント)の変換処理を行うものとすると、変換されたデータをNビット(64ビット)のパラレルデータとして出力レジスタ17にセットする。
【0019】
ここで、フーリエ変換回路16で逆フーリエ変換を行う際の変換ポイント数を64としたときの、逆フーリエ変換処理の変換式は、次の〔数1〕式で示される。
【0020】
【数1】
Figure 0003900670
【0021】
また、受信時の高速フーリエ変換による演算処理では、周波数軸上に配置されたデータを時間軸上に配置されたデータに変換する直交変換処理が行われ、Nポイント(ここでは64ポイント)の変換処理を行うものとすると、変換されたデータをNポイント(64ポイント)のパラレルデータとして出力レジスタ17にセットする。
【0022】
ここで、フーリエ変換回路16でフーリエ変換を行う際の変換ポイント数を64としたときの、フーリエ変換処理の変換式は、次の〔数2〕式で示される。
【0023】
【数2】
Figure 0003900670
【0024】
このように逆フーリエ変換処理で生成されたOFDM変調信号及びフーリエ変換処理で復調されるOFDM変調信号は、例えば図3のAに示す周波数スペクトルの信号となる。即ち、例えば変調時(送信時)にフーリエ変換回路16への入力データ{Xk }としては、周波数軸上に一定の間隔で配されたn=0〜24のデータとn=39〜63のデータとなる。この図3のAに示した例での周波数スペクトルでは、データは2つの群に分かれているが、この周波数スペクトルは、図3のBに示すように、k=0を中心とした1つの連続したスペクトルと等価である。この図3のBに示すように連続したスペクトルで表した場合には、フーリエ変換の変換式は、次の〔数3〕式のようになる。
【0025】
【数3】
Figure 0003900670
【0026】
フーリエ変換回路16で逆フーリエ変換又はフーリエ変換されて出力レジスタ17にセットされたパラレルデータは、アドレス生成部18から供給されるアドレスデータに基づいた順序で読出されて、シリアルデータに変換される。ここで、アドレス生成部18にはリンクレイヤ処理部21側から端子10cを介して送信/受信選択信号が供給され、この選択信号で送信が選択されているとき、送信用に設定された順序で読出して、シリアルデータとする。また、選択信号で受信が選択されているとき、受信用に設定された順序で読出して、シリアルデータとする。
【0027】
本例のアドレス生成部18で送信用に設定された順序としては、出力レジスタ17のN系列(64系列)のアドレスを順番に指定する構成としてある。但し、例えば64系列のパラレルデータをy0 〜y63としたとき、本例においては、先頭のy60〜y63の4系列と、最後のy0 〜y3 の4系列については、繰り返し同じアドレスを指定して、繰り返し同じデータを出力させて、先頭の8サンプルと最後の8サンプルについては繰り返し波形のデータとなるようにして、ガードインターバルが付与された送信データTX ′となるようにしてある。
【0028】
また本例のアドレス生成部18で受信用に設定された順序としては、送信データに施されたインターリーブを元に戻すデインターリーブパターンに対応した順序で、出力レジスタ17のN系列(64系列)のアドレスを指定する構成としてある。このような順序でアドレスデータを生成させる構成としては、例えばカウンタによるカウント処理で生成させたり、或いはレジスタに予め各アドレスデータをインターリーブパターンに対応した順序でセットする構成とすれば良い。なお本例の場合には、送信時には、1系統のシリアルデータとして出力させ、受信時に出力レジスタ17から出力させる際には、2系統のシリアルデータとして出力させる構成としてある。
【0029】
アドレス生成部18で指定された順序で、送信時に出力される1系統のシリアルデータは、OFDM変調された送信データTX ′の出力端子10dに供給し、この端子10dから図1に示すデジタル/アナログ変換器22に供給する。また、アドレス生成部18で指定された順序で、受信時に出力される2系統のシリアルデータは差動復号化器19に供給し、その2系統のデータから差動復号処理を行い、差動復号化器19で差動復号された受信データRX ′を、出力端子10eに供給し、この端子10eから図1に示すリンクレイヤ処理部21に供給する。
【0030】
本実施の形態による構成としたことで、送信時にOFDM変調信号を生成させる処理と、受信時にOFDM信号を復調させる処理とが、共通の回路であるOFDM変復調部10で行われ、OFDM信号の変調用と復調用とで、個別に回路を用意する必要がなく、OFDM信号の送信及び受信を行う通信装置の構成を簡単にすることができる。特に本実施の形態による構成の場合には、フーリエ変換回路16の出力レジスタにセットされたデータをシリアルデータに変換する際の出力順序の設定により、送信時には送信データにガードインターバルを付加する処理が行われ、送信用のガードインターバルを付加する回路が別途必要ないと共に、受信時には受信データの配列を元に戻すデインターリーブ処理が行われ、受信用のデインターリーブ処理回路が別途必要なく、より回路構成を簡単にすることができる。
【0031】
次に、本発明の第2の実施の形態を、図4を参照して説明する。
【0032】
本例においても、上述した第1の実施の形態と同様に、OFDM変調信号の送信処理及び受信処理を行う無線伝送装置に適用したもので、この無線通信装置は、他の無線通信装置と双方向の無線通信を行う装置である。
【0033】
本実施の形態による通信装置の全体構成については、上述した第1の実施の形態で説明した図1の構成と同じであり、本実施の形態では、そのOFDM変復調部10の構成を、図4に示す構成としたものである。
【0034】
以下、図4を参照して本例のOFDM変復調部の構成を説明すると、リンクレイヤ処理部21側から入力端子10aに得られる送信データTX を、インターリーブ部31に供給し、このインターリーブ部31内で送信データのデータ配列を送信用に並び変えるインターリーブ処理を行う。ここで、インターリーブ部31は、例えば複数段のシフトレジスタで構成されて、そのシフトレジスタにセットされたデータを読出す順序をインターリーブパターンに対応した順序とすることで、インターリーブ処理される。このシフトレジスタから読出す順序は、アドレス生成部32から供給されるアドレスデータに基づいて設定される。本実施の形態の場合には、インターリーブ部31を構成するシフトレジスタを、前半と後半の2つに分け、その2つのシフトレジスタからそれぞれのインターリーブパターンに対応した順序で同時に読出し、インターリーブ部31から2系統のデータを同時に出力させる構成としてある。
【0035】
インターリーブ部31でインターリーブされた2系統の送信データは、差動符号化器33に同時に供給し、差動符号化処理を行い、それぞれの差動符号化された送信データTA,TBを得る。その差動符号化された2系列の送信データTA,TBを、セレクタ34の一方の入力端に供給する。また、アナログ/デジタル変換器30側から入力端子10bに得られる受信データRX を、セレクタ34の他方の入力端に供給する。このセレクタ34は、リンクレイヤ処理部21側から端子10cを介して送信/受信選択信号が供給され、この選択信号で送信が選択されているとき、一方の入力端に得られる送信データを選択して出力する。また、選択信号で受信が選択されているとき、他方の入力端に得られる受信データを選択して出力する。
【0036】
セレクタ34で選択されて出力するデータ(送信データ又は受信データ)は、フーリエ変換回路36の入力部に設けられた入力レジスタ35に供給する。入力レジスタ35は、フーリエ変換回路36で変換するポイント数(ここではNポイント:Nは整数,例えば64ポイント)に対応した段数のデータがセットできるレジスタである。この場合、送信データの場合には2系列のデータが同時に入力レジスタ35に供給されて、例えば一方の系列のデータがレジスタ35の前半にセットされ、他方の系列のデータがレジスタ35の後半にセットされる。入力レジスタ35にセットされたデータは、所定のタイミングでフーリエ変換回路36に供給して、フーリエ変換処理又は逆フーリエ変換処理を行う。ここで、フーリエ変換回路36には、リンクレイヤ処理部21側から端子10cを介して送信/受信選択信号が供給され、この選択信号で送信が選択されているとき、フーリエ変換回路36で逆高速フーリエ変換の演算処理を行い、選択信号で受信が選択されているとき、フーリエ変換回路36で高速フーリエ変換の演算処理を行う。
【0037】
送信時の逆高速フーリエ変換による演算処理では、時間軸上に配置されたデータを周波数軸上に配置されたデータに変換する直交変換処理が行われ、Nポイント(ここでは64ポイント)の変換処理を行うものとすると、変換されたデータをNビット(64ビット)のパラレルデータとして出力レジスタ37にセットする。
【0038】
また、受信時の高速フーリエ変換による演算処理では、周波数軸上に配置されたデータを時間軸上に配置されたデータに変換する直交変換処理が行われ、Nポイント(ここでは64ポイント)の変換処理を行うものとすると、変換されたデータをNポイント(64ポイント)のパラレルデータとして出力レジスタ37にセットする。
【0039】
フーリエ変換回路36で逆フーリエ変換又はフーリエ変換されて出力レジスタ37にセットされたパラレルデータは、アドレス生成部38から供給されるアドレスデータに基づいた順序で読出されて、シリアルデータに変換される。ここで、アドレス生成部38にはリンクレイヤ処理部21側から端子10cを介して送信/受信選択信号が供給され、この選択信号で送信が選択されているとき、送信用に設定された順序で読出して、シリアルデータとする。また、選択信号で受信が選択されているとき、受信用に設定された順序で読出して、シリアルデータとする。
【0040】
本例のアドレス生成部38で送信用に設定された順序としては、出力レジスタ17のN系列(64系列)のアドレスを順番に指定する構成としてある。但し、例えば64系列のパラレルデータをy0 〜y63としたとき、本例においては、先頭のy60〜y63の4系列と、最後のy0 〜y3 の4系列については、繰り返し同じアドレスを指定して、繰り返し同じデータを出力させて、先頭の8サンプルと最後の8サンプルについては繰り返し波形のデータとなるようにして、ガードインターバルが付与された送信データTX ′となるようにしてある。
【0041】
また本例のアドレス生成部38で受信用に設定された順序としては、送信データに施されたインターリーブを元に戻すデインターリーブパターンに対応した順序で、出力レジスタ37のN系列(64系列)のアドレスを指定する構成としてある。このような順序でアドレスデータを生成させる構成としては、例えばカウンタによるカウント処理で生成させたり、或いはレジスタに予め各アドレスデータをインターリーブパターンに対応した順序でセットする構成とすれば良い。なお本例の場合には、送信時には、1系統のシリアルデータとして出力させ、受信時に出力レジスタ37から出力させる際には、2系統のシリアルデータとして出力させる構成としてある。
【0042】
アドレス生成部38で指定された順序で、送信時に出力される1系統のシリアルデータは、OFDM変調された送信データTX ′の出力端子10dに供給し、この端子10dから図1に示すデジタル/アナログ変換器22に供給する。また、アドレス生成部38で指定された順序で、受信時に出力される2系統のシリアルデータは差動復号化器39に供給し、その2系統のデータから差動復号処理を行い、差動復号化器39で差動復号された受信データRX ′を、出力端子10eに供給し、この端子10eから図1に示すリンクレイヤ処理部21に供給する。
【0043】
その他の部分は、上述した第1の実施の形態で説明した装置と同様に構成する。逆フーリエ変換処理により生成されフーリエ変換処理により復調されるOFDM変調信号についても、第1の実施の形態で図3により説明したものと同じである。
【0044】
本実施の形態の構成としたことで、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、送信時にOFDM変調信号を生成させる処理と、受信時にOFDM信号を復調させる処理とが、共通の回路であるOFDM変復調部10で行われ、OFDM信号の変調用と復調用とで、個別に回路を用意する必要がなく、OFDM信号の送信及び受信を行う通信装置の構成を簡単にすることができる。そして本実施の形態の場合には、送信データを処理する際に、インターリーブ部31で2系列のデータに分割してインターリーブ処理を行い、その2系列のデータをフーリエ変換回路36の入力レジスタ35に同時にセット(例えば一方の系列のデータを入力レジスタ35の前半にセットすると共に他方の系列のデータを入力レジスタ35の後半にセット)することで、入力レジスタ35に送信データをセットする時間を、従来の半分に短縮でき、送信データのOFDM変調処理に要する時間をそれだけ短縮することができる。
【0045】
次に、本発明の第3の実施の形態を、図5を参照して説明する。
【0046】
本例においても、上述した第1,第2の実施の形態と同様に、OFDM変調信号の送信処理及び受信処理を行う無線伝送装置に適用したもので、この無線通信装置は、他の無線通信装置と双方向の無線通信を行う装置である。
【0047】
本実施の形態による通信装置の全体構成については、上述した第1の実施の形態で説明した図1の構成と同じであり、本実施の形態では、そのOFDM変復調部10の構成を、図5に示す構成としたものである。
【0048】
以下、図5を参照して本例のOFDM変復調部の構成を説明すると、リンクレイヤ処理部21側から入力端子10aに得られる送信データTX を、インターリーブ部41に供給し、このインターリーブ部41内で送信データのデータ配列を送信用に並び変えるインターリーブ処理を行う。ここで、インターリーブ部41は、例えば複数段のシフトレジスタで構成されて、そのシフトレジスタにセットされたデータを読出す順序をインターリーブパターンに対応した順序とすることで、インターリーブ処理される。このシフトレジスタから読出す順序は、アドレス生成部42から供給されるアドレスデータに基づいて設定される。本実施の形態の場合には、インターリーブ部41を構成するシフトレジスタを、前半と後半の2つに分け、その2つのシフトレジスタからそれぞれのインターリーブパターンに対応した順序で同時に読出し、インターリーブ部41から2系統のデータを同時に出力させる構成としてある。
【0049】
インターリーブ部41でインターリーブされた2系統の送信データは、差動符号化器43に同時に供給し、差動符号化処理を行い、それぞれの差動符号化された送信データTA,TBを得る。その差動符号化された2系列の送信データTA,TBを、セレクタ44の一方の入力端に供給する。また、アナログ/デジタル変換器30側から入力端子10bに得られる受信データRX を、セレクタ44の他方の入力端に供給する。このセレクタ44は、リンクレイヤ処理部21側から端子10cを介して送信/受信選択信号が供給され、この選択信号で送信が選択されているとき、一方の入力端に得られる送信データを選択して出力する。また、選択信号で受信が選択されているとき、他方の入力端に得られる受信データを選択して出力する。
【0050】
セレクタ44で選択されて出力するデータ(送信データ又は受信データ)は、乗算器45,46を介してフーリエ変換回路48の入力部に設けられた入力レジスタ47に供給する。乗算器45は、受信データRX 又は一方の送信データTAが供給され、入力端子45aに得られる補正データを乗算する処理が行われる。乗算器46は、他方の送信データTBが供給され、入力端子46aに得られる補正データを乗算する処理が行われる。送信時に入力端子45a,46aに供給される補正データとしては、アパーチャ歪補正を行うための係数データと、フィルタの位相歪及び群遅延歪を補正するための係数データである。また、受信時に入力端子45aに供給される補正データとしては、周波数誤差を補正するための係数データである。これらの補正データは、例えば通信状態を制御する側(図示せず)で生成される。
【0051】
乗算器45,46の乗算出力が供給される入力レジスタ47は、フーリエ変換回路48で変換するポイント数(ここではNポイント:Nは整数,例えば64ポイント)に対応した段数のデータがセットできるレジスタである。この場合、送信データの場合には2系列のデータが同時に入力レジスタ47に供給されて、例えば一方の系列のデータがレジスタ47の前半にセットされ、他方の系列のデータがレジスタ47の後半にセットされる。入力レジスタ47にセットされたデータは、所定のタイミングでフーリエ変換回路48に供給して、フーリエ変換処理又は逆フーリエ変換処理を行う。ここで、フーリエ変換回路48には、リンクレイヤ処理部21側から端子10cを介して送信/受信選択信号が供給され、この選択信号で送信が選択されているとき、フーリエ変換回路48で逆高速フーリエ変換の演算処理を行い、選択信号で受信が選択されているとき、フーリエ変換回路48で高速フーリエ変換の演算処理を行う。
【0052】
送信時の逆高速フーリエ変換による演算処理では、時間軸上に配置されたデータを周波数軸上に配置されたデータに変換する直交変換処理が行われ、Nポイント(ここでは64ポイント)の変換処理を行うものとすると、変換されたデータをNビット(64ビット)のパラレルデータとして出力レジスタ49にセットする。
【0053】
また、受信時の高速フーリエ変換による演算処理では、周波数軸上に配置されたデータを時間軸上に配置されたデータに変換する直交変換処理が行われ、Nポイント(ここでは64ポイント)の変換処理を行うものとすると、変換されたデータをNポイント(64ポイント)のパラレルデータとして出力レジスタ49にセットする。
【0054】
フーリエ変換回路48で逆フーリエ変換又はフーリエ変換されて出力レジスタ49にセットされたパラレルデータは、アドレス生成部50から供給されるアドレスデータに基づいた順序で読出されて、シリアルデータに変換される。ここで、アドレス生成部50にはリンクレイヤ処理部21側から端子10cを介して送信/受信選択信号が供給され、この選択信号で送信が選択されているとき、送信用に設定された順序で読出して、シリアルデータとする。また、選択信号で受信が選択されているとき、受信用に設定された順序で読出して、シリアルデータとする。
【0055】
本例のアドレス生成部50で送信用に設定された順序としては、出力レジスタ17のN系列(64系列)のアドレスを順番に指定する構成としてある。但し、例えば64系列のパラレルデータをy0 〜y63としたとき、本例においては、先頭のy60〜y63の4系列と、最後のy0 〜y3 の4系列については、繰り返し同じアドレスを指定して、繰り返し同じデータを出力させて、先頭の8サンプルと最後の8サンプルについては繰り返し波形のデータとなるようにして、ガードインターバルが付与された送信データTX ′となるようにしてある。
【0056】
また本例のアドレス生成部50で受信用に設定された順序としては、送信データに施されたインターリーブを元に戻すデインターリーブパターンに対応した順序で、出力レジスタ49のN系列(64系列)のアドレスを指定する構成としてある。このような順序でアドレスデータを生成させる構成としては、例えばカウンタによるカウント処理で生成させたり、或いはレジスタに予め各アドレスデータをインターリーブパターンに対応した順序でセットする構成とすれば良い。なお本例の場合には、送信時には、1系統のシリアルデータとして出力させ、受信時に出力レジスタ49から出力させる際には、2系統のシリアルデータとして出力させる構成としてある。
【0057】
アドレス生成部50で指定された順序で、送信時に出力レジスタ49から出力される1系統のシリアルデータは、直接差動復号化器52に供給する。また、受信時に出力レジスタ49から出力される2系統のシリアルデータは、一方の系統のデータをセレクタ51を介して差動復号化器52に供給し、他方の系統のデータを直接差動復号化器52に供給する。ここで、セレクタ51は、リンクレイヤ処理部21側から端子10cを介して送信/受信選択信号が供給され、この選択信号で送信が選択されているとき、入力端子51aに得られる窓がけ係数データを出力し、選択信号で受信が選択されているときには、供給される受信データを選択して差動復号化器52に供給する処理が行われる。この窓がけ係数データは、1単位のOFDM変調信号に乗算して帯域制限のための窓がけ処理を行うためのものである。
【0058】
そして、差動復号化器52では、送信時には供給される送信データと窓がけ係数データとの複素乗算処理を行い、その複素乗算されたデータをOFDM変調された送信データTX ′の出力端子10dに供給し、この端子10dから図1に示すデジタル/アナログ変換器22に供給する。また、受信時に差動復号化器52に供給される2系統のシリアルデータの乗算から差動復号処理を行い、差動復号化器52で差動復号された受信データRX ′を、出力端子10eに供給し、この端子10eから図1に示すリンクレイヤ処理部21に供給する。
【0059】
その他の部分は、上述した第1,第2の実施の形態で説明した装置と同様に構成する。逆フーリエ変換処理により生成されフーリエ変換処理により復調されるOFDM変調信号についても、第1の実施の形態で図3により説明したものと同じである。
【0060】
本実施の形態の構成としたことで、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、送信時にOFDM変調信号を生成させる処理と、受信時にOFDM信号を復調させる処理とが、共通の回路であるOFDM変復調部10で行われ、OFDM信号の変調用と復調用とで、個別に回路を用意する必要がなく、OFDM信号の送信及び受信を行う通信装置の構成を簡単にすることができる。そして本実施の形態の場合には、第2の実施の形態の場合と同様に、送信データの処理時に、2系列のデータをフーリエ変換回路48の入力レジスタ47に同時にセットするので、入力レジスタ47に送信データをセットする時間を、従来の半分に短縮でき、送信データのOFDM変調処理に要する時間をそれだけ短縮することができる。
【0061】
さらに本実施の形態の場合には、フーリエ変換回路48の入力レジスタ47の前段に、補正用の係数データを乗算する乗算器45,46を設けて、それぞれの乗算器で送信用の補正データ又は受信用の補正データを乗算するようにしたので、送信データの特性補正及び受信データの特性補正が、OFDM信号の変調や復調処理時に同時に行える。また、送信データについては、セレクタ51で選択された窓がけ係数データを差動復号化器52で複素乗算して、窓がけ係数が乗算された送信データとする処理が行われ、窓がけ係数を乗算するための処理が、受信時の差動復号化器を用いて処理でき、より回路構成を簡単にすることができる。
【0062】
なお、本実施の形態で説明した乗算器45,46で乗算される特性補正のためのデータについては、一例を示したものであり、その他の補正データを乗算するようにしても良い。また、上述した各実施の形態で説明したフーリエ変換回路では、64ポイントの変換処理を行うものを示したが、他の変換ポイント数のフーリエ変換回路を使用しても良いことは勿論である。
【0063】
【発明の効果】
請求項1に記載した発明によると、1組のフーリエ変換手段だけを設けた簡単な構成の回路で、OFDM変調信号の送信処理と受信処理とが行え、OFDM変調信号の送信と受信を行う通信装置の構成を簡単にすることができる。特に、送信時に送信信号にガードインターバルを付加する処理と、受信時にデータ配列を元に戻すデインターリーブ処理とが、フーリエ変換手段の出力処理で行え、それぞれの処理を行う専用の回路が必要なく、それだけ回路構成を簡単にすることができる。
【0064】
請求項2に記載した発明によると、請求項1に記載した発明において、送信データを所定の配列にインターリーブするインターリーブ手段と、このインターリーブ手段によりインターリーブされた送信データを差動符号化して選択手段に供給する差動符号化手段と、フーリエ変換手段が出力する受信データを差動復号化する差動復号化手段とを備えたことで、送信時のインターリーブ処理及び差動符号化処理と、受信時のデインターリーブ処理及び差動復号化処理とが、1組のフーリエ変換手段の前後に接続した回路により全て処理され、より回路構成を簡単にすることができる。
【0065】
請求項3に記載した発明によると、請求項2に記載した発明において、インターリーブ手段により送信データを2系統のデータとし、この2系統のデータを差動符号化手段により差動符号化した後、フーリエ変換手段の入力レジスタに並列にセットすることで、送信時に送信データをフーリエ変換手段にセットする時間を短縮することができ、送信用のOFDM変調信号の生成処理に要する時間を短縮できる。
【0066】
請求項4に記載した発明によると、請求項3に記載した発明において、フーリエ変換手段の入力レジスタの前段に、送信用の補正データ及び受信用の補正データを乗算する第1の乗算手段を設け、フーリエ変換手段の出力レジスタから出力される送信データに窓がけ係数を乗算する第2の乗算手段を設けたことで、送信データや受信データを補正する処理も同時に行えると共に、送信時の窓がけ係数の乗算処理も行え、より回路構成を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による全体構成の例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるOFDM信号の変復調処理を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態によるOFDM信号の周波数スペクトルの例を示す説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態によるOFDM信号の変復調処理を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態によるOFDM信号の変復調処理を示すブロック図である。
【図6】無線通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図7】従来のインターリーブされたOFDM変調信号の発生構成の一例を示すブロック図である。
【図8】従来のインターリーブされたOFDM変調信号の復調構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…OFDM信号変復調部、11…インターリーブ部、12…アドレス生成部、13…差動符号化器、14…セレクタ、15…入力レジスタ、16…フーリエ変換回路、17…出力レジスタ、18…アドレス生成部、19…差動復号化器、21…リンクレイヤ処理部、31…インターリーブ部、32…アドレス生成部、33…差動符号化器、34…セレクタ、35…入力レジスタ、36…フーリエ変換回路、37…出力レジスタ、38…アドレス生成部、39…差動復号化器、、41…インターリーブ部、42…アドレス生成部、43…差動符号化器、44…セレクタ、45,46…乗算器、47…入力レジスタ、48…フーリエ変換回路、49…出力レジスタ、50…アドレス生成部、51…セレクタ、52…差動復号化器

Claims (4)

  1. 送信データと受信データとを選択する選択手段と、
    該選択手段で選択されたデータを入力レジスタにセットして、その入力レジスタにセットされたデータのフーリエ変換処理及び逆フーリエ変換処理を行い、そのフーリエ変換又は逆フーリエ変換されたNポイント(Nは任意の整数)のデータを出力レジスタにセットするフーリエ変換手段と、
    該フーリエ変換手段の出力レジスタにセットされたNポイントのデータを、第1及び第2の順序で出力させてシリアルデータとする出力順序指定手段と、
    送信時に上記選択手段で送信データを選択させ、上記フーリエ変換手段で逆フーリエ変換処理を行い、上記出力順序指定手段で送信データにガードインターバルを付加する第1の順序を指定させ、受信時に上記選択手段で受信データを選択させ、上記フーリエ変換手段でフーリエ変換処理を行い、上記出力順序指定手段でデインターリーブを行う第2の順序を指定させる制御手段とを備えた
    通信装置。
  2. 請求項1記載の通信装置において、
    送信データを所定の配列にインターリーブするインターリーブ手段と、
    該インターリーブ手段によりインターリーブされた送信データを差動符号化して上記選択手段に供給する差動符号化手段と、
    上記フーリエ変換手段が出力する受信データを差動復号化する差動復号化手段とを備えた
    通信装置。
  3. 請求項2記載の通信装置において、
    上記インターリーブ手段により送信データを2系統のデータとし、この2系統のデータを上記差動符号化手段により差動符号化した後、上記フーリエ変換手段の入力レジスタに並列にセットする
    通信装置。
  4. 請求項3記載の通信装置において、
    上記フーリエ変換手段の入力レジスタの前段に、送信用の補正データ及び受信用の補正データを乗算する第1の乗算手段を設け、
    上記フーリエ変換手段の出力レジスタから出力される送信データに窓がけ係数を乗算する第2の乗算手段を設けた
    通信装置。
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