JP3900254B2 - 鏡像異性体的に高純度の(5,5’−ジクロロ−6,6’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル)−ビス−(ジフェニルホスフィンオキサイド)の改良製造方法 - Google Patents

鏡像異性体的に高純度の(5,5’−ジクロロ−6,6’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル)−ビス−(ジフェニルホスフィンオキサイド)の改良製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、O=P(フェニル)2(Cl)型の燐オキシクロライドと5−ブロモ−2−クロロアニソールから出発して表題に示したビス−ジフェニルホスフィンオキサイドを生じさせる改良方法に関する。
【0002】
前記ビス−ジフェニルホスフィンオキサイドに還元を受けさせることで相当するビス−ジフェニルホスフィンを生じさせることができ、これは金属錯体の配位子として用いられる。そのような金属錯体は鏡像選択的水添(enantioselective hydrogenations)の触媒として重要な役割を果たす(DE−A1−195 22 293および相当する米国特許第5 710 339号および5 801 261号を参照)。
【0003】
鏡像異性体的に高純度(enantiomerically pure)の(5,5’−ジクロロ−6,6’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル)−ビス−(ジフェニルホスフィンオキサイド)を多段階で生じさせる方法も同様に前記文献から公知である。このような方法では、1番目の段階で、5−ブロモ−2−クロロアニソールを選択的モノ金属化(monometalation)経由でO=P(フェニル)2(Cl)型の燐オキシクロライドと反応させて(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−ジフェニルホスフィンオキサイドを生じさせる。前記金属化をテトラヒドロフラン中でマグネシウムを用いて実施し、前記燐オキシクロライドをテトラヒドロフラン中の溶液として用い、そして塩化メチレン中の溶液を蒸発で濃縮しそしてそれをt−ブチルメチルエーテルと一緒に撹拌することを通して、生成物の単離を行う。これは70%の収率でもたらされる。
【0004】
2番目の段階で、前記(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−ジフェニルホスフィンオキサイドを相当する2−ヨード化合物に変化させる。この目的で、出発ホスフィンオキサイドをテトラヒドロフランに入れることで生じさせた−70℃の溶液にリチウムジイソプロピルアミドをテトラヒドロフランに溶解させて添加し、この混合物を0℃に加熱し、−76℃に冷却した後、この温度で、ヨウ素がテトラヒドロフランに入っている溶液を滴下する。亜硫酸ナトリウム水溶液を用いた処理に続く酢酸エチルを用いた抽出そしてその抽出溶媒を除去することによる処理を実施する。それによって生成物が80%の収率でもたらされる。
【0005】
3番目の段階で、前記(4−クロロ−2−ヨード−3−メトキシフェニル)−ジフェニルホスフィンオキサイドをジメチルホルムアミド中で銅粉と16時間かけて反応させることでラセミ型の(5,5’−ジクロロ−6,6’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル)−ビス−(ジフェニルホスフィンオキサイド)を生じさせる。この後者の単離を、濾過に続いて濾液からジメチルホルムアミドを除去しそしてt−ブチルメチルエーテルと一緒に撹拌することで行う。
【0006】
最後に、4番目の段階で、鏡像異性体的に高純度のモノ−もしくはジカルボン酸を用いて前記ラセミ型の(5,5’−ジクロロ−6,6’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル)−ビス−(ジフェニルホスフィンオキサイド)をこれの鏡像異性体に分割させる。この場合、両方の形態の鏡像異性体的に高純度のモノ−もしくはジカルボン酸を次々に用いる必要がありかつ実施する必要がある抽出および濾過は複雑である。
【0007】
このような公知のビス−ジフェニルホスフィンオキサイド製造方法は全体として欠点を有し、相対的に大規模で用いるにはあまり適切でなくかつ経済的でない、と言うのは、生成物が満足される収率ではもたらされず、多くの場合、ある程度毒性を有する溶媒を用いる必要があり、工程工学の意味で非常に複雑であり、非常に低い温度(−76℃に及ぶ)を用いる必要があり、反応時間が長くかつ溶媒および助剤を多量に用いる必要があるからである。
【0008】
従って、前記ビス−ジフェニルホスフィンオキサイドをより簡潔かつより効率よくかつより費用効果的な様式で入手することを可能にしかつまた比較的大規模な生産を問題なしに実施することも可能にするビス−ジフェニルホスフィンオキサイド製造方法がまだ求められているままである。
【0009】
我々は、高度の鏡像異性体純度の式(I)
【0010】
【化6】
Figure 0003900254
【0011】
[式中、
1は、フェニル、ナフチル、炭素原子を4または5個有しかつ窒素、酸素および硫黄の群のヘテロ原子を1または2個有するヘテロアリール、またはシクロヘキシルであるが、これらは場合によりR’、OR’、NO2、NH2、NHR’またはNR’2(ここで、R’は各場合ともC1−C6−アルキルである)で置換されていてもよく、
2は、C1−C4−アルコキシであり、
3は、水素、フッ素、塩素または臭素であり、そして
4およびR5は、互いに独立して、水素、フッ素、塩素、臭素、C1−C6−アルキルまたはC1−C6−アルコキシである]
で表されるビス(ホスフィンオキサイド)の製造方法をここに見いだし、この製造方法では、1番目の段階で、式
【0012】
【化7】
Figure 0003900254
【0013】
[式中、R2からR5は、式(I)で与えた意味を有する]
で表される臭素化合物を選択的モノ金属化後に式(II)
【0014】
【化8】
Figure 0003900254
【0015】
[式中、R1は、式(I)で与えた意味を有する]
で表されるホスフィン酸クロライドと反応させることで式(III)
【0016】
【化9】
Figure 0003900254
【0017】
[式中、R1からR5は、式(I)で与えた意味を有する]
で表されるホスフィンオキサイドを生じさせ、2番目の段階で、それの6位の所に金属化を受けさせ(metalated)そしてそれをヨウ素と反応させることで式(IV)
【0018】
【化10】
Figure 0003900254
【0019】
[式中、R1からR5は、式(I)で与えた意味を有する]
で表される2−ヨード−ホスフィンオキサイドを生じさせ、3番目の段階で、それを、銅を用いて転化させることでラセミ型の前記式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)を生じさせ、そして4番目の段階で、前記ラセミ型の式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)を高度の鏡像異性体純度のモノ−もしくはジカルボン酸と一緒に結晶化させてそれの鏡像異性体に分割させるが、
本方法は、
前記1番目の段階で用いる溶媒がテトラヒドロフランと芳香族炭化水素の混合物でありそして前記式(II)で表されるホスフィン酸クロライドを無溶媒で用いそして生じた式(III)で表されるホスフィンオキサイドの単離を芳香族炭化水素中の溶液に飽和脂肪族炭化水素を添加することで行い、
前記2番目の段階で−25℃以上の温度を用い、前記式(III)で表されるホスフィンオキサイドの金属化物およびヨウ素の計量添加を少量のヨウ素が常に余分に存在するように同時に行いそして生じた2−ヨード−ホスフィンオキサイドをこれが芳香族炭化水素に溶解した形態で分離し、
前記3番目の段階で樹枝状銅(dendritic copper)および溶媒として芳香族炭化水素を用いそして生じたラセミ型の前記式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)を芳香族炭化水素中の溶液から結晶化させ、そして
前記4番目の段階で高度の鏡像異性体純度のモノ−もしくはジカルボン酸を用い、芳香族炭化水素中の溶液から結晶化させることで1番目の鏡像異性体を得そして加水分解に続いて芳香族炭化水素中の溶液から結晶化させることで2番目の鏡像異性体を得る、
ことを特徴とする。
【0020】
前記式(I)から(IV)中のR1は、好適には、未置換のフェニル、未置換のナフチル、炭素原子を4または5個有しかつ酸素および硫黄から成る群のヘテロ原子を1または2個有するヘテロアリール、または未置換のシクロヘキシルである。
【0021】
前記式(I)、(IIa)、(III)および(IV)において、
2は、好適には、メトキシであり、
3は、好適には、フッ素、塩素または臭素、特に塩素であり、そして
4およびR5は、好適には、水素である。
【0022】
前記芳香族炭化水素は例えばベンゼン、トルエンまたはキシレンである。トルエンが好適である。
【0023】
前記飽和脂肪族炭化水素は、例えば沸点(大気圧における)が30℃を超える炭化水素であり得る。直鎖もしくは分枝ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンが好適である。
【0024】
特にn−ペンタンが好適である。
【0025】
前記1番目の段階で、例えばマグネシウムを用いて前記金属化を実施してもよく、必要ならば、例えばヨウ素を少量添加することなどでそれに活性化を受けさせてもよい。この金属化では、マグネシウムを前記式(IIa)で表される臭素化合物1モルを基準にして例えば1から1.5モル用いてもよい。用いる溶媒混合物は、例えば20から実質的に100体積%のテトラヒドロフランと追加的に100体積%になる量の芳香族炭化水素から成っていてもよい。これは好適には40から60体積%、特に45から55体積%のテトラヒドロフランと追加的に100体積%になる量の芳香族炭化水素から成る。
【0026】
このような手順は、例えば、マグネシウム、少量のヨウ素および前記溶媒混合物を追加的に導入し、この混合物を30から80℃の範囲の温度に加熱した後、前記式(IIa)で表される臭素化合物を計量して同じ溶媒混合物に溶解させて30から80℃の範囲の温度で添加しそしてこの計量添加が終了した時点で適宜さらなる還流を例えば5から60分間行うことなどで実施可能である。次に、前記式(II)で表されるホスフィン酸クロライドを溶解形態でない形態、即ち希釈剤を用いないで例えば−10から+15℃の範囲の温度に冷却しながら添加する。最後に、この混合物のさらなる後撹拌を0から30℃の範囲の温度で例えば30から250分間行ってもよい。
【0027】
前記1番目の段階を実施した後に存在する反応混合物の処理は、例えば、それを氷水に注ぎ込み、有機相を分離し、水相を芳香族炭化水素で抽出し、前記有機相と抽出液を一緒にして希アルカリ水溶液そして水で洗浄した後に蒸発による濃縮を行うことなどで実施可能である。この目的は、有利には、生じた前記式(III)で表されるホスフィンオキサイドが芳香族炭化水素にできるだけ高濃度で入っているが固体状成分が全く沈澱しない溶液が生じるようにすることにある。その後、本発明に従って飽和脂肪族炭化水素を添加し、生じた易濾過性沈澱物を例えば5から20時間後に濾別し、そして場合により飽和脂肪族炭化水素を用いて後洗浄を行った後、乾燥を行う。
【0028】
このようにして、純度が92%を超える前記式(III)で表されるホスフィンオキサイドを白色粉末の形態で80%を超える収率で得ることができる。前記式(II)で表されるホスフィン酸クロライドを溶媒に入れないで添加することから処理全体で用いる溶媒の量をより少なくすることができ、従って溶媒を節約することができかつより高い空間−時間収率を達成することが可能になる。
【0029】
前記2番目の段階で用いる金属化剤(metalating agent)は、例えばブチルリチウムまたはリチウムジイソプロピルアミドなどであり得る。後者が好適である。
【0030】
この手順は、例えば、最初に式(III)で表されるホスフィンオキサイドを溶媒、例えばテトラヒドロフランなどに入れて導入し、それを例えば−25℃から0℃に冷却し、そしてこの温度で前記金属化剤を例えば炭化水素を含有させたテトラヒドロフランに溶解させて、温度が冷却で−25から0℃の範囲に維持され得るような様式で計量添加することを伴い得る。それによって溶液Aが生じる。個別に、ヨウ素が例えばテトラヒドロフランに入っている溶液を生じさせ、これもまた例えば−25℃から0℃に冷却する。それによって溶液Bが生じる。次に、反応槽に溶媒、例えばテトラヒドロフランなどを少量仕込んで、例えば−25℃から0℃にし、そして次に例えば−25℃から0℃で溶液Aと溶液Bを少量のヨウ素が常に余分に存在するように同時に計量添加する。これは、反応混合物の色から容易に検査可能である。色が暗色であることはヨウ素が余分に存在することを示す。この反応中の温度を好適には−25℃から−10℃に維持する。この反応を完了させる目的で、溶液AとBの計量添加に続いて、適宜、後撹拌を例えば−10から+10℃で例えば更に10から150分間行ってもよい。その後、例えば希チオ硫酸ナトリウム水溶液を添加することなどで、まだ存在する余分なヨウ素を適切に除去する。
【0031】
前記2番目の段階を実施した後に存在する反応混合物の処理は、例えば、最初に有機相を分離し、残りの水相を抽出溶媒、例えば芳香族炭化水素で抽出し、適宜、前記有機相と抽出液を一緒にして水で洗浄した後、蒸発による濃縮を行うことなどで実施可能である。このようにして、前記式(IV)で表される2−ヨード−ホスフィンオキサイドをこれが芳香族炭化水素に例えば15から30重量%の濃度で入っている溶液の形態で90%を超える収率で得ることができる。前記溶液を3番目の工程段階で直接用いることができる。
【0032】
本発明に従って実施する2番目の工程段階は、使用する温度をほとんど技術的出費なしに維持することができることと、計量添加時間が短いことと、収率が高いことと、任意選択の処理が簡潔なことを特徴とする。
【0033】
前記3番目の段階で、好適には、Glossary of Terms Relating to Particle Technology、第1版(1996年5月)に記述されている如き樹枝状銅を用いる。前記銅の平均粒子サイズは例えば1から100μm、好適には30から50μmで表面積は例えば0.04から1m2/g、好適には0.07から0.5m2/gで純度は99.5%を超え、好適には99.7%を超え得る。本発明に従って用いる樹枝状銅は商業的に入手可能である。
【0034】
この手順は、例えば、最初に樹枝状銅を芳香族溶媒と一緒に導入しそして前記2番目の段階で得た前記式(IV)で表される2−ヨード−ホスフィンオキサイドの溶液を例えば70から140℃の温度で計量添加することを伴い得る。樹枝状銅を前記式(IV)で表される2−ヨード−ホスフィンオキサイド1モル当たり例えば1から10モル、好適には2から8モル用いてもよい。この計量添加が終了した時点で、必要ならば、後撹拌を70から140℃で更に1から5時間行ってもよい。前記計量添加および後撹拌の時間は一緒にして例えば3から8時間であってもよい。処理では、例えば熱反応溶液を濾過し、そのフィルターケーキを溶媒、例えば塩素置換炭化水素などで洗浄し、その洗浄溶液を蒸発乾固させ、得た固体を前記濾液に添加しそしてこの混合物を還流温度にまで加熱してもよい。また、例えば70から140℃に加熱しておいた芳香族炭化水素で前記フィルターケーキを後洗浄し、この洗浄溶液を1番目の濾液に加えそしてこの混合物を還流温度に加熱することも可能である。適宜、前記芳香族炭化水素のいくらかを例えば蒸留などで除去することも可能である。次に、生じたラセミ型の前記式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)を例えば0から25℃に冷却して析出させ、これを例えば濾過などで得た後、乾燥を必要ならば真空下高温で行ってもよい。
【0035】
本発明に従って実施する3番目の反応段階は、使用する溶媒が費用効果的で低毒であること、処理が簡潔なこと、そして反応時間が短いことを特徴とする。
【0036】
前記4番目の段階で、例えば塩素置換炭化水素に溶解させた前記ラセミ型の式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)を例えばエステルに入れたジベンゾイル酒石酸の高純度鏡像異性体の溶液と高温で反応させそしてこの反応混合物を例えば2から6時間かけてゆっくり10から25℃に冷却してもよい。この過程で析出して来た塩を例えば濾過などで分離してもよい。
【0037】
前記塩のさらなる処理を、例えば、それを芳香族炭化水素で取り上げ、それを希酸水溶液そして希塩基水溶液で洗浄した後、有機相を沸騰にまで加熱しそして実質的に飽和状態の溶液が高温で存在するように芳香族炭化水素を蒸発させるか或はそれにちょうど足りる量で添加してもよい。冷却、例えば10から30℃に冷却すると、一方の鏡像異性体的に高純度の形態の前記式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)が析出し、これを分離することができる。それによって、一般に、eeが99%を超えると言った鏡像異性体過剰度を示す生成物が得られる。
【0038】
ジベンゾイル酒石酸の高純度鏡像異性体との反応に続く処理で得た濾液の処理は、最初に前記塩を同様な様式で芳香族炭化水素で取り上げ、それを例えば希酸で直接洗浄しそして次に希塩基水溶液で洗浄することなどで実施可能である。前記溶媒を例えば芳香族炭化水素に交換し、蒸発による濃縮および冷却を行うことで、ラセミ型の供給材料である固体を得ることができる。このラセミ型の供給材料を分離した後に得られる濾液を蒸発で更に濃縮した後、冷却することで、前記式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)の2番目の鏡像異性体を一般に99%を超える鏡像異性体過剰度eeで得ることができる。
【0039】
本発明に従う4番目の工程段階は、鏡像異性体的に高純度のモノ−もしくはジカルボン酸を約50%節約することができかつ処理が簡潔なことを特徴とする。
【0040】
本発明に従って生じさせた高度の鏡像異性体純度の前記式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)に還元を受けさせて相当するビスホスフィンを生じさせる必要がある場合、これは、序論に示した文献に従う本質的に公知の様式で例えばトリクロロシランなどを還元剤として用いて達成可能である。
【0041】
【実施例】
実施例1
(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−ジフェニルホスフィンオキサイドの製造
アルゴン下、テトラヒドロフランが100mlでトルエンが100mlの混合物にMg削り片を1モルとヨウ素をスパチュラ先端量(spatula tip)で入れて60℃に加熱した。200gの5−ブロモ−2−クロロアニソールをテトラヒドロフランが200mlでトルエンが200mlの混合物に入れて10分かけて滴下した。この滴下中の内部温度を冷却で60℃に維持した。前記滴下が終了した時点で反応混合物を還流温度に加熱して、この温度で後撹拌を30分間行った。次に、この混合物を0℃に冷却した後、236.8gのジフェニルホスフィン酸クロライドを45分かけて滴下した。この操作を行っている間の内部温度を0から5℃の範囲に維持した。この反応混合物の後撹拌を0℃で5分間行い、冷却のスイッチを切った後、この混合物を更に2時間撹拌した。処理では、反応混合物を1.6 lの氷水に注ぎ込み、有機相を分離した後、水相を2x400mlのトルエンで再洗浄した。有機相を一緒にして400mlの2.5重量%濃度ソーダ水溶液に続いて400mlの水で洗浄した後、ロータリーエバポレーターで体積が200mlになるまで濃縮した。次に、撹拌を行いながらn−ペンタンを300ml滴下した。一晩かけて析出して来た固体を吸引を伴わせて濾別し、n−ペンタンで洗浄した後、乾燥させた。それによって白色固体を203.5g得た。収率は82%で純度は94%であった。
実施例2
(4−クロロ−2−ヨード−3−メトキシフェニル)−ジフェニルホスフィンオキサイドの製造
反応を保護ガス雰囲気下で実施しそしてパーオキサイドを含まないテトラヒドロフランを用いた。
【0042】
反応槽内で300mlのテトラヒドロフランに(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−ジフェニルホスフィンオキサイドを51.4g入れて溶解させて−20℃に冷却した。この溶液に、リチウムジイソプロピルアミドをこれがテトラヒドロフランとエチルベンゼンとヘキサンの混合物に入っている2モル規定の溶液の形態で90ml滴下した。この滴下を内部温度が−15℃に維持され得るように調節して行った。
【0043】
別の反応槽にテトラヒドロフランを150ml入れて−20℃に冷却した。これに、1番目の反応槽に入っている内容物および43.9gのヨウ素が150mlのテトラヒドロフランに入っている溶液を内部温度が−15℃に維持され得るような様式で同時に滴下した。目で見た検査を行うことで、反応混合物中にヨウ素が常に若干余分に存在することを確かめた。
【0044】
前記2つの溶液の全体を滴下した後、反応槽の内部温度を0℃に持って行って、この混合物の後撹拌を前記温度で1時間行った。次に、この反応混合物を、60gのチオ硫酸ナトリウムを500mlの水に入れることで生じさせて同様に0℃に冷却しておいた溶液に添加した後、追加的に250mlの水を添加した。
【0045】
有機相を分離しそして水相を2x125mlのトルエンで抽出した。有機相を一緒にして125mlの水で洗浄した後、ロータリーエバポレーターで体積が250mlになるまで濃縮した。その結果として得た溶液の(4−クロロ−2−ヨード−3−メトキシフェニル)−ジフェニルホスフィンオキサイド含有量は24重量%であり、このことは収率が93.5%であることに相当する。
実施例3
ラセミ型(5,5’−ジクロロ−6,6’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル)−ビス−(ジフェニルホスフィンオキサイド)の製造
500mlのトルエンに平均粒子サイズが36μmで表面積が0.13m2の樹枝状銅粉を31.7g導入して還流温度にまで加熱した。0.128モルの(4−クロロ−2−ヨード−3−メトキシフェニル)−ジフェニルホスフィンオキサイドを250mlのトルエンに入れることで生じさせた溶液を1時間かけて滴下した。この反応混合物を3時間還流させた後、100℃でCelite(商標)に通して濾過した後、その濾液をとっておいた。そのフィルターケーキを3x100mlのジクロロメタンで洗浄し、その洗浄溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた後、残存する固体を前記混合物の濾液に加えた。次に、結果として生じた懸濁液を還流にまで加熱したが、この間に、存在する固体の全部が再び溶解した。次に、この混合物を撹拌しながらゆっくり室温に冷却した。次に、存在する固体を吸引を伴わせて濾別した後、2x50mlの冷トルエンで洗浄した。次に、この固体を真空下50℃で乾燥させた。生成物の含有量が83重量%の白色固体を35.7g単離した。これは収率が68%であることに相当する。
実施例4
ラセミ型(5,5’−ジクロロ−6,6’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル)−ビス−(ジフェニルホスフィンオキサイド)からそれの鏡像異性体への分割
360mlの塩化メチレンに実施例3で得た生成物を0.06モル溶解させて還流温度にまで加熱した。次に、10.8gの(+)−無水ジベンゾイル酒石酸を195mlの酢酸エチルに入れることで生じさせた溶液を滴下したが、この滴下を、その混合物を還流温度に維持しながら行った。全部を滴下し終わった後、その混合物を低速撹拌しながら室温に冷却したままにしそして後撹拌を更に1時間行った(全体で4時間)。析出して来た塩を濾別した後、塩化メチレン/酢酸エチルが2:1の混合物を2x30ml用いて洗浄した。
【0046】
前記塩を最初に100mlのトルエンで取り上げた後にそれに1Nの水酸化ナトリウム水溶液を2x200ml用いた抽出を受けさせることを通して、それの処理を行った。短時間温めると有機相中に存在していた固体が溶液になった。次に、1Nの塩酸水溶液、1Nの水酸化ナトリウム水溶液および水を各場合とも200ml用いて前記有機相の洗浄を行った。次に、ロータリーエバポレーターでトルエンを64.5g留出させた。結果として生じた懸濁液を還流にまで加熱した後、トルエンを存在する固体の全部が溶解するに必要なほどの量で添加した。次に、この溶液を室温に冷却して析出して来た生成物を濾別した後、乾燥させた。それによって、鏡像異性体純度が99.2%の(+)−(5,5’−ジクロロ−6,6’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル)−ビス−(ジフェニルホスフィンオキサイド)を32%の収率で得た。
【0047】
前記(+)−ジベンゾイル酒石酸との反応で生じた前記塩を除去した後に得た濾液の洗浄を1Nの水酸化ナトリウム水溶液を2x200ml用いて行った。次に、1Nの塩酸水溶液、1Nの水酸化ナトリウム水溶液および水を各場合とも200ml用いて前記有機相の洗浄を行った。この混合物を蒸発による濃縮で250gの量にした後、トルエンを180g加えて、その混合物を再び蒸発による濃縮で125gの量にした。次に、存在する溶液を室温に冷却して析出して来た生成物を濾過した。これを乾燥させることで、ラセミ型の供給材料を28重量%回収した。
【0048】
前記ラセミ型供給材料の除去で得た濾液からトルエンをロータリーエバポレーターで60g留出させた。それによって懸濁液が生じ、これを還流にまで加熱した後、トルエンを固体の全部が再びちょうど溶解するに必要なほどの量で加えた。この溶液を再び室温に冷却しそしてこの操作を行っている間に析出して来た生成物を濾別した後、乾燥させた。このようにして、鏡像異性体純度が99.8%の(−)−(5,5’−ジクロロ−6,6’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル)−ビス−(ジフェニルホスフィンオキサイド)を26%の収率で単離した。
【0049】
従って、使用したラセミ型出発材料からの回収率は全体で86%であった。
実施例5(本発明に従わない)
実施例4で得た(+)−(5,5’−ジクロロ−6,6’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル)−ビス−(ジフェニルホスフィンオキサイド)に還元を受けさせて相当するホスフィンを生じさせる
13.5ミリモルの(+)−(5,5’−ジクロロ−6,6’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル)−ビス−(ジフェニルホスフィンオキサイド)を100mlのキシレン(精製を受けさせた異性体混合物)に入れることで生じさせた溶液にトリブチルアミンを32ml加えた後、この混合物をアルゴン雰囲気下で110℃に加熱し、そしてこの温度で、13.6gのトリクロロシランを50mlのキシレン(精製を受けさせた異性体混合物)に入れることで生じさせた溶液を30分かけて滴下した。この混合物を3時間還流させた。次に、この溶液を室温に冷却し、塩化メチレンを290ml添加した後、この混合物を0℃に冷却し、そしてこの温度で、10重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を10のpHを達成するに充分な量で加えた。結果として生じた懸濁液を保護ガス下で5gの酸化アルミニウムを充填しておいたフリット(frit)に通して濾過した。有機相を2番目のフラスコに移しそして水相を290mlの塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を一緒にしてアルゴン下で250mlの水で2回洗浄した。次に、有機相を体積が100mlの体積になるまで真空下の蒸発で濃縮した。生成物が結晶化し始めたのは濃縮後である。この懸濁液を5℃で一晩貯蔵した後、吸引を伴わせて濾過し、そして固体状の生成物を真空下で乾燥させた。(+)−(5,5’−ジクロロ−6,6’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル)−ビス−(ジフェニルホスフィン)の含有量が95.5%の淡黄色固体を7.4g得た。これは収率が89%であることに相当する。
【0050】
本発明の特徴および態様は以下のとうりである。
1. 高度の鏡像異性体純度の式(I)
【0051】
【化11】
Figure 0003900254
【0052】
[式中、
1は、フェニル、ナフチル、炭素原子を4または5個有しかつ窒素、酸素および硫黄の群のヘテロ原子を1または2個有するヘテロアリール、またはシクロヘキシルであるが、これらは場合によりR’、OR’、NO2、NH2、NHR’またはNR’2(ここで、R’は各場合ともC1−C6−アルキルである)で置換されていてもよく、
2は、C1−C4−アルコキシであり、
3は、水素、フッ素、塩素または臭素であり、そして
4およびR5は、互いに独立して、水素、フッ素、塩素、臭素、C1−C6−アルキルまたはC1−C6−アルコキシである]
で表されるビス(ホスフィンオキサイド)の製造を、1番目の段階で、式
【0053】
【化12】
Figure 0003900254
【0054】
[式中、R2からR5は、式(I)で与えた意味を有する]
で表される臭素化合物を選択的モノ金属化後に式(II)
【0055】
【化13】
Figure 0003900254
【0056】
[式中、R1は、式(I)で与えた意味を有する]
で表されるホスフィン酸クロライドと反応させることで式(III)
【0057】
【化14】
Figure 0003900254
【0058】
[式中、R1からR5は、式(I)で与えた意味を有する]
で表されるホスフィンオキサイドを生じさせ、2番目の段階で、それの6位の所に金属化を受けさせそしてそれをヨウ素と反応させることで式(IV)
【0059】
【化15】
Figure 0003900254
【0060】
[式中、R1からR5は、式(I)で与えた意味を有する]
で表される2−ヨード−ホスフィンオキサイドを生じさせ、3番目の段階で、それを、銅を用いて転化させることでラセミ型の前記式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)を生じさせ、そして4番目の段階で、前記ラセミ型の式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)を鏡像異性体的に高純度のモノ−もしくはジカルボン酸と一緒に結晶化させてそれの鏡像異性体に分割させることで行う方法であって、
前記1番目の段階で用いる溶媒がテトラヒドロフランと芳香族炭化水素の混合物でありそして前記式(II)で表されるホスフィン酸クロライドを無溶媒で用いそして生じた式(III)で表されるホスフィンオキサイドの単離を芳香族炭化水素中の溶液に飽和脂肪族炭化水素を添加することで行い、
前記2番目の段階で−25℃以上の温度を用い、前記式(III)で表されるホスフィンオキサイドの金属化物およびヨウ素の計量添加を少量のヨウ素が常に余分に存在するように同時に行いそして生じた2−ヨード−ホスフィンオキサイドをこれが芳香族炭化水素に溶解した形態で分離し、
前記3番目の段階で樹枝状銅および溶媒として芳香族炭化水素を用いそして生じたラセミ型の前記式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)を芳香族炭化水素中の溶液から結晶化させ、そして
前記4番目の段階で高度の鏡像異性体純度のモノ−もしくはジカルボン酸を用い、芳香族炭化水素中の溶液から結晶化させることで1番目の鏡像異性体を得そして加水分解に続いて芳香族炭化水素中の溶液から結晶化させることで2番目の鏡像異性体を得る、
ことを特徴とする方法。
2. 式(I)から(IV)中のR1が未置換のフェニル、未置換のナフチル、炭素原子を4または5個有しかつ酸素または硫黄から成る群のヘテロ原子を1または2個有するヘテロアリール、または未置換のシクロヘキシルであり、そして式(I)、(IIa)、(III)および(IV)中のR2がメトキシで、R3がフッ素または塩素で、R4およびR5が水素であることを特徴とする第1項記載の方法。
3. 前記芳香族炭化水素がベンゼン、トルエンまたはキシレンであることを特徴とする第1または2項記載の方法。
4. 前記飽和脂肪族炭化水素が直鎖もしくは分枝ペンタン、ヘキサンまたはオクタンであることを特徴とする第1から3項記載の方法。
5. 前記1番目の段階でマグネシウムを前記式(IIa)で表される臭素化合物1モルを基準にして1から1.5モル用い、そして用いる溶媒が20から実質的に100体積%のテトラヒドロフランと追加的に100体積%になる量の芳香族炭化水素から成る混合物であり、そして前記飽和脂肪族炭化水素を添加して5から20時間後にその生じた沈澱物を濾別することを特徴とする第1から4項記載の方法。
6. 前記2番目の段階で前記式(III)で表されるホスフィンオキサイドに金属化を−25℃から0℃のテトラヒドロフラン中で受けさせ、ヨウ素がテトラヒドロフランに入っている溶液を個別に生じさせ、この2つの溶液をテトラヒドロフランの初期仕込み物に−25℃から0℃でヨウ素が常に若干余分に存在するように計量して添加し、次に、余分なヨウ素を除去し、そして前記式(IV)で表される2−ヨード−ホスフィンオキサイドを芳香族炭化水素中15から30重量%濃度の溶液の形態で分離することを特徴とする第1から5項記載の方法。
7. 前記3番目の段階で平均粒子サイズが1から100μmで表面積が0.04から1m2/gで純度が99.5%を超える樹枝状銅を用い、この樹枝状銅を最初に芳香族溶媒と一緒に導入し、そして前記2番目の段階で得た前記式(IV)で表される2−ヨード−ホスフィンオキサイドの溶液を70から140℃で添加し、樹枝状銅を前記式(IV)で表される2−ヨード−ホスフィンオキサイド1モル当たり1から10モル用い、全体で3から8時間の計量添加および後撹拌期間を用いそして0から25℃に冷却することで前記ラセミ型の式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)を結晶化させることを特徴とする第1から6項記載の方法。
8. 前記4番目の段階で塩素置換(chlorinated)炭化水素に溶解させた前記ラセミ型の式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)をエステルに溶解させた高度の鏡像異性体純度のジベンゾイル酒石酸と高温で反応させそして芳香族炭化水素中の溶液を0℃から30℃に冷却することで一方の高度の鏡像異性体純度の形態の前記式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)を得ることを特徴とする第1から7項記載の方法。
9. 高度の鏡像異性体純度のジベンゾイル酒石酸との反応に続く処理で得た濾液から芳香族炭化水素中の溶液を生じさせ、それの蒸発による濃縮そして冷却を行うことで、最初にラセミ型の供給材料を得、そして蒸発によるさらなる濃縮そして冷却を行うことで、もう一方の高度の鏡像異性体純度の形態の前記式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)を得ることを特徴とする第8項記載の方法。

Claims (1)

  1. 高度の鏡像異性体純度の式(I)
    Figure 0003900254
    [式中、
    1は、フェニル、ナフチル、炭素原子を4または5個有しかつ窒素、酸素および硫黄の群のヘテロ原子を1または2個有するヘテロアリール、またはシクロヘキシルであるが、これらは場合によりR’、OR’、NO2、NH2、NHR’またはNR’2(ここで、R’は各場合ともC1−C6−アルキルである)で置換されていてもよく、
    2は、C1−C4−アルコキシであり、
    3は、水素、フッ素、塩素または臭素であり、そして
    4およびR5は、互いに独立して、水素、フッ素、塩素、臭素、C1−C6−アルキルまたはC1−C6−アルコキシである]
    で表されるビス(ホスフィンオキサイド)の製造を、1番目の段階で、式
    Figure 0003900254
    [式中、R2からR5は、式(I)で与えた意味を有する]
    で表される臭素化合物を選択的モノ金属化後に式(II)
    Figure 0003900254
    [式中、R1は、式(I)で与えた意味を有する]
    で表されるホスフィン酸クロライドと反応させることで式(III)
    Figure 0003900254
    [式中、R1からR5は、式(I)で与えた意味を有する]
    で表されるホスフィンオキサイドを生じさせ、2番目の段階で、それの6位の所に金属化を受けさせそしてそれをヨウ素と反応させることで式(IV)
    Figure 0003900254
    [式中、R1からR5は、式(I)で与えた意味を有する]
    で表される2−ヨード−ホスフィンオキサイドを生じさせ、3番目の段階で、それを、銅を用いて転化させることでラセミ型の前記式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)を生じさせ、そして4番目の段階で、前記ラセミ型の式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)を鏡像異性体的に高純度のモノ−もしくはジカルボン酸と一緒に結晶化させてそれの鏡像異性体に分割することで行う方法であって、
    前記1番目の段階で用いる溶媒がテトラヒドロフランと芳香族炭化水素の混合物でありそして前記式(II)で表されるホスフィン酸クロライドを無溶媒で用いそして生じた式(III)で表されるホスフィンオキサイドの単離を芳香族炭化水素中の溶液に飽和脂肪族炭化水素を添加することで行い、
    前記2番目の段階で−25℃以上の温度を用い、前記式(III)で表されるホスフィンオキサイドの金属化物およびヨウ素の計量添加を少量のヨウ素が常に余分に存在するように同時に行いそして生じた2−ヨード−ホスフィンオキサイドをこれが芳香族炭化水素に溶解した形態で分離し、
    前記3番目の段階で樹枝状銅および溶媒として芳香族炭化水素を用いそして生じたラセミ型の前記式(I)で表されるビス(ホスフィンオキサイド)を芳香族炭化水素中の溶液から結晶化させ、そして
    前記4番目の段階で高度の鏡像異性体純度のモノもしくはジカルボン酸を用い、芳香族炭化水素中の溶液から結晶化させることで1番目の鏡像異性体を得そして加水分解に続いて芳香族炭化水素中の溶液から結晶化させることで2番目の鏡像異性体を得る、
    ことを特徴とする方法。
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