JP3899485B2 - 塗布方法及び装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイを用いる塗布方法及び装置に関するものであり、特に写真感光乳化剤、磁性液、反射防止や防眩性などを付与する液、視野角拡大効果を付与する液、カラーフィルター用顔料液、表面保護液等の塗布液を、プラスチックフィルムや紙、金属箔等の可撓性支持体(以下、ウェブと称する)に塗布して、高機能性積層膜を製造するための塗布方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高機能性積層膜は、スロットダイを用いたコーターなどにより塗布液をウェブ上に塗布させ、積層させて製造されている。近年は高機能性積層膜の製造において、所望の機能を発現させるために、積層膜を構成する各層の高精度膜厚制御塗布技術に対する要求が高まっている。塗布の実施においては、様々な外乱で、不均一な塗布膜厚現象が発生し、この現象は一般に、求められる膜厚精度が厳しくなるほど重大な問題となりやすい。
【0003】
高精度の塗布膜厚を実現する手段として、既に本発明者らは、オーバーバイト形状のスロットダイ及びこれを用いた塗布方法を提案している(特願2002−014772号)。オーバーバイトとは、スロットダイを塗布位置に設置したとき、その先端部である先端リップに関して、ウェブの走行方向における下流側の先端リップが、上流側の先端リップよりもウェブ側に近接していることをいう。下流側リップと上流側リップのウェブとの隙間の差を、以下オーバーバイト長さと称する。
【0004】
オーバーバイト長さに関しては、その値が小さすぎるとオーバーバイトによる塗布効果が現れず、また、大きすぎると塗布時の減圧度の変動に対して敏感になり、ビードの破断が起こりやすくなる。このように、オーバーバイト長さには最適な値が存在し、その最適値には幾分かの幅があるが、基本的には、塗布液の種類や粘度、塗布速度、湿潤膜厚等の塗布系及び塗布条件によって決定される。なお、スロットダイには、上流側の先端リップを有する上流側ブロックと下流側の先端リップを有する下流側ブロックを締結することによって構成されるものと、これら2つの先端リップを有する一体型のものとがある。
【0005】
スロットダイの先端とウェブあるいはバックアップロールとの隙間の計測については隙間ゲージを用いることもあるが、特願2002−047075にて本発明者らが提案した方法をとることもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
オーバーバイト形状のスロットダイは、精密塗布を目的に使用されることが多く、特にその先端リップを形成するためには高い加工技術とコストを要する。スロットダイのうち前記一体型のものは、塗布系及び塗布条件により、スロットダイの交換が必要となるという問題がある。一方、前記組立型のスロットダイに関しては、高精度の上下流両側のブロックを製作したとしても、組み立て時にオーバーバイト長さの精度を高めることが難しいという問題がある。
【0007】
また、ウェブあるいはバックアップロールとスロットダイとの隙間の計測によりオーバーバイト長さを求める方法は、ウェブ側に突き出したほうの先端リップについては比較的精度良く求められても、ウェブとの隙間が大きいほうについては比較的誤差が含まれやすかったり、あるいはその値を測定することができないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ウェブ上への連続的な塗布、特にスロットダイの先端リップのオーバーバイト形状を精度良く再現することができ、高精度な塗膜を形成するための塗布方法及び装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、前記課題に鑑み、バックアップロールに支持されて連続走行するウェブの表面にスロットダイの先端リップを近接させて、スロットから塗布液を吐出して塗布する方法であって、前記ウェブの走行方向における上流側と下流側とに前記スロット部分で分割可能な2つのブロックを有する前記スロットダイを用いる塗布方法において、各ブロックの前記先端リップとは反対側の面である背面と密着する基準平面を有し2つのブロックと固定される治具を用い、前記2つのブロックのうち一方のブロックの前記背面を前記基準平面に密着させるとともに、他方のブロックの前記背面と前記基準平面とを、間に板状物を介在させて密着させて、前記2つのブロックの先端リップに段差を設けた状態で、各ブロックと前記治具とをボルトにより締結し、前記治具は前記ブロックの幅方向に複数配され、厚み調整可能なシックネスゲージである前記板状物は、前記ウェブの走行方向における前記ボルトの上流側と下流側との両側にそれぞれ配され、前記ブロックと前記治具との締結の後に、前記ブロック同士を締結することを特徴として構成されている。
【0010】
治具同士の各距離を少なくとも5cmとすることが好ましい。さらに、前記治具に対して前記ブロックを押しつけて密着させることが好ましい。
【0011】
また、3次元に移動可能な光学顕微鏡と、接触式段差検出器と、レーザー変位計とのいずれかひとつを用いて、前記段差を計測することが好ましい。スロットダイの組み立て及び位置調整に際しては、塗布時における塗布液の温度をt℃としたとき、雰囲気温度を(t−5)℃以上(t+5)℃以下とすること、スロットダイの内部に(t−5)℃以上(t+5)℃以下の水を流すこと、(t−5)℃以上(t+5)℃以下に設定したリボンヒータでスロットダイを温度調整することがそれぞれ好ましい。
【0012】
さらに、本発明は、バックアップロールに支持されて連続走行するウェブの表面にスロットダイの先端リップが近接されて、スロットから塗布液を吐出し、前記スロットダイは前記ウェブの走行方向において上流側と下流側とに前記スロットで分割可能な2つのブロックを有する塗布装置において、前記各ブロックの前記先端リップとは反対側の面である背面と密着する基準平面を有し前記2つのブロックと固定される治具を用い、前記2つのブロックのうち一方の前記背面は前記基準平面に密着してボルトで締結されるとともに、他方の前記背面は板状物が介在されて前記基準平面にボルトで締結されることにより前記2つのブロックの先端リップには段差が設けられ、前記治具は前記ブロックの幅方向に複数配され、前記板状物は厚み調整可能なシックネスゲージであって前記ウェブの走行方向における前記ボルトの上流側と下流側との両側にそれぞれ配され、前記ボルトによる前記各治具と前記各ブロックとの締結後に前記2つのブロックは互いに締結されたことを特徴として構成されている。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を実施したスロットダイを用いたコーターの断面図である。コーター10はバックアップロール11に支持されて連続走行するウェブ12に対して、スロットダイ13から塗布液14をビード14aにして塗布することにより、ウェブ12上に塗膜14bを形成する。
【0014】
スロットダイ13は、複数部材で組み立てられており、その主たるものは2つのブロック20,21である。ウェブ12の走行方向の上流側を上流側ブロック20、下流側を下流側ブロック21と称する。上流側ブロックと下流側ブロックは、ボルト22等の締結部材により締結されることによって一体形に組み立てられる。スロットダイ13の内部にはスロット23及びポケット24が形成されている。なお、符号25はボルト孔、符号26はネジ孔を表す。
【0015】
スロット23は、ポケット24からウェブ12への塗布液14の流路であり、スロットダイ13の幅方向にその断面形状をもち、ウェブ側に位置する開口部23aは、一般に、図示しない幅規制板のようなものを用いて、概ね塗布幅と同じ長さの幅になるように調整する。このスロット23の先端における、バックアップロール11のウェブ走行方向の接線とのなす角は、30°以上90°以下が好ましい。
【0016】
ポケットは、その断面が曲線及び直線で構成されており、例えば略円形でもよいし、あるいは半円形でもよい。ポケット24は、スロット23と同様に、スロットダイ13の幅方向にその断面形状をもって延長された塗布液の液溜め空間で、その有効延長の長さは、塗布幅と同等か若干長めにするのが一般的である。ポケットへの塗布液14の供給は、スロットダイ13の側面から、あるいはスロット開口部23aとは反対側の面中央から行う。また、ポケット24の両端部には塗布液14が漏れ出ることを防止する栓(図示せず)が設けられている。
【0017】
スロットダイ13は、スロットの開口部が位置する先端リップ15にかけて先細り状に形成されており、その先端はランドと呼ばれる平坦部とされている。先端リップ15の下方には減圧チャンバー(図示せず)を設けている。減圧チャンバーは、ウェブ12の進行方向側とは反対側に、ビード14a(図1参照)に対して十分な減圧調整を行えるよう、接触しない位置に設置する。減圧チャンバーは、その作動効率を保持するためのバックプレートとサイドプレートを備えている。
【0018】
図2は、本発明の塗布方法を実施した、上流側ブロック20と下流側ブロック21の組み立て工程における断面図である。上流側ブロック20においてその背面20aからランド20bまでの長さをLa、下流側ブロック21においてその背面21aからランド21bまでの長さをLbとする。スロットダイ13は,所定のオーバーバイト長さLOを有するオーバーバイト形状に加工している。つまり、LaとLbは異なる長さであり、それぞれのブロック20,21はμmオーダーでの寸法精度をもって加工されている。
【0019】
平面性を確保している基台30の基準平面の上に、上流側ブロック20の背面20a及び下流側ブロック21の背面21aを下にして両ブロックを置き、下流側ブロック21から上流側ブロック20へボルト22にて締結することによって互いに固定する。両ブロックには、ボルト孔25があり、ここにボルト22を締め入れる。ボルト22は、両ブロック20,21の位置を安定させることができるものであれば、図2のように、上流側ブロックの中程までのものでもよいし、あるいは両ブロックを突き抜ける長さで上流側からもナットで固定することができるものでもよい。この方法により、上流側ブロック20と下流側ブロック21の加工精度をオーバーバイト構造の精度に反映させた組み立てを行うことができる。
【0020】
基台30には、材質がSUSのものを用いたが、上流側ブロック20及び下流側ブロック21との接触面が平坦で、かつ、ブロック20,21から受ける荷重の負荷に耐えるものであれば、これに限定されない。また、この方法によると、オーバーバイト形状のスロットダイ13でなくとも、上流側ブロックと下流側ブロックを、その加工精度を維持した、適正な位置に設定することができる。
【0021】
図3は本発明の別の実施形態であり、スロットダイ40の組み立て工程における断面図である。ここでは、上流側ブロック41の背面41aからランド41bまでの長さLaと下流側ブロック42の背面42aからランド42bまでの長さLbが等しいスロットダイ40を用いている。その他の基本構造は、図2にて説明した前記実施形態のスロットダイ13と同様であり、上流側ブロック41と下流側ブロック42は、スロット43の部分で分割できる組み立て構造となっている。
【0022】
まず前記実施形態と同様の基台30の表面に上流側ブロック41及び下流側ブロック42を置く。両ブロック41,42ともその背面41a,42aで基台30に荷重がかかるようするが、ここで、下流側ブロックの背面42aと基台30の間にシックネスゲージ44を挟んでおく。シックネスゲージ44は、目的とするオーバーバイト長さLOをその厚みTとするスペーサーとして機能する。この状態で、下流側ブロック42の側から上流側ブロック41へボルト45を締め入れて両ブロックを固定する。ボルト45による固定位置は、ポケット46よりもブロック背面寄りとし、ボルト孔47を設けている。ボルト45は1本のみ図示したが、両ブロック41,42の固定における保持安定性のために、複数用いることが好ましい。
【0023】
上流側ブロック41と下流側ブロック42は、その接触面で、相対的にスライドすることができる。これにより上流側ブロック41と下流側ブロック42のウェブ12に対する隙間の差、つまり、オーバーバイト長さLOをμm単位で任意に設定することができる。したがって、種々の塗布系によって異なるオーバーバイト長さLOのスロットダイを製作する必要はなく、さらに、スロットダイ先端の摩耗などによるブロックの背面41a,42aからランド41b,42bまでの長さLa,Lbの変化に対しても、両ブロックの位置調整を行うことができるので有効である。
【0024】
シックネスゲージ44は、μm単位での厚み調整をすることができ、下流側ブロック42からの荷重に耐えるものがよい。ボルト45及び基台30については前記実施形態と同様のものでよい。
【0025】
図4は本発明のさらに別の実施形態であり、スロットダイ40の組み立て工程における断面図である。図3の組み立て工程の部材配置と同様に、下流側ブロック42と治具50の間に所定のオーバーバイト長さLOに設定したシックネスゲージ44を介して、上流側ブロック41と下流側ブロック42を治具50に押しつけるように配置する。治具50を上流側ブロック41及び下流側ブロック42に対してそれぞれ固定する。固定は、ボルト51によって行う。下流側ブロック42と治具50の間のシックネスゲージ44は、あらかじめ、このボルト51の締め入れを阻害しない箇所を選んでおく。本発明では、ボルト51の位置の両脇の位置にそれぞれシックネスゲージ44をはさみこませている。
【0026】
治具50に両ブロック41,42を固定することによって、両ブロック41,42のボルト45での締め付け時にときどき発生する、上流側ブロック41及び下流側ブロック42の接触面における所定オーバーバイト長さLOに対する位置ずれを防止することができる。なお、治具50としては、材質がSUSのものを用いたが、両ブロックの固定能を有するものであればこれに限らない。厚みは10mm以上であることが好ましい。
【0027】
図5は治具50及びシックネスゲージ44によるスロットダイ40の組み立て工程の背面図である。治具50は上流側ブロック41と下流側ブロック42の双方を固定するに十分な大きさをもち、ブロック41,42の幅方向において複数箇所で用いている。治具50の各間隔Wは5cm〜50cmとしている。両ブロック41,42へボルト45を(図4参照)締め付けた時の両ブロック41,42の位置ずれは、ブロック41,42の幅が大きいほどその発生頻度は高いが、治具50とブロック41,42を上記のとおり幅方向で複数箇所固定することによって防止することができる。なお、治具50の数、及び治具50の間隔の上限は、上記位置ずれを防止することができる範囲であればよい。また、治具50、シックネスゲージ44、及び治具50と両ブロック41,42を固定しているボルト51は、ボルト45による両ブロック41,42の締結後ははずしてもよい。
【0028】
図6は、本発明の別の実施形態であり、スロットダイ40の組み立て工程の断面図である。上流側ブロック41、下流側ブロック42ともにその背面41a,42aから治具60へ荷重がかけられている。荷重は、加圧装置61によってブロック41,42の自重に付加されるが、このとき、加圧装置61が上流側ブロック41及び下流側ブロック42の各ランド41b,42bに触れないように留意する。加圧装置61は、ブロック41,42に接触して治具60の方向へ押さえつける保持部61aと、そのボルト孔61b及び治具60のボルト孔60bを通るボルト61cと、ボルト61と治具60を固定するナット61dより構成される。この方法により、オーバーバイト長さLOの設定に関する精度を一層向上させることができる。
【0029】
図示はしないが、加圧装置を用いる組み立て方法は、上記の場合と同様に、図2,3のいずれの組み立て方法にも適用することができ、組み立て精度をそれぞれ向上させることができる。
【0030】
スロットダイ40をアンダーバイト形状に組み立てる方法も、基本的にはオーバーバイト形状の場合と同様である。アンダーバイト形状とは、塗布位置に設置したスロットダイを側面からみたときに、その上流側の先端リップが下流側の先端リップよりもウェブに対して突き出た形状である。
【0031】
オーバーバイト形状の前記組み立て方法については、すべてアンダーバイト形状にも適用することができる。図7は組み立て工程の断面図であり、アンダーバイト形状の組み立て方法のひとつを示している。ここでは、上流側ブロック長さLaと下流側ブロック長さLbがμmオーダーで等しいものを使用しており、目的とするアンダーバイト長さLUにその厚みTを設定したシックネスゲージ44を上流側ブロック41と治具50との間に挟み込み、治具50と上流側ブロック41及び治具50と下流側ブロック42をボルト51で固定した。このとき、図示はしないが、図6で使用したように、加圧装置61を用いることが好ましい。
【0032】
上流側ブロックと下流側ブロックが互いに、所定のアンダーバイト形状を形成しない寸法で作製された組み合わせの場合は、上記方法の他に、図3に示した方法と同様にして、上流側ブロック41と基台30との間にシックネスゲージ44を挟み、両ブロック41,42をボルト45で締結することによりアンダーバイト長さLUを任意に設定することができる。また、予め所定のアンダーバイト長さLUとなるよう精度良く製作された両ブロックを組み立てる場合には、図2に示した方法と同様に、基準平面となる表面を有する基台30の上に両ブロックをおき、締結するとよい。いずれの場合にも加圧装置61を用いることが好ましい。
【0033】
ところで、オーバーバイト形状あるいはアンダーバイト形状のスロットダイを用いる塗布系は、多層、単層に関わらず、その湿潤膜厚が20μm以下の薄層系の場合が多い。つまり、オーバーバイト長さLO、アンダーバイト長さLUの設定が、塗膜状態を左右するので、その長さの計測及び評価についてはμmオーダーの厳密さが必要である。図8は、先端リップのオーバーバイト長さLOの計測方法の斜視図である。スロットダイ40を塗布位置にセッティングするときと同様に、上流側ブロック41を下、下流側ブロック42が上になるように計測台80の上に置く。計測器81は、光学顕微鏡82と光学顕微鏡移動機構83により構成されており、光学顕微鏡がスロットダイ40の塗布液の吐出口に対向するように置く。
【0034】
移動機構83は、機器全体を保持する台83aと、台83aに測定部品を設置させる支柱部83bと、基準台83cと、スライド台83dと、スライド軸83eとから構成されている。スライド台83dは基準台83cの上で、水平方向であるXY方向にて移動することができる。また、スライド軸83eはスライド台83dに固定されており、光学顕微鏡82がその軸上をZ方向、つまりXY平面に垂直な方向にてスライドすることができるようになっている。また、光学顕微鏡82には画像処理機84が設けられており、シフト部83c〜83eによる光学顕微鏡82の移動距離を測定することができる。
【0035】
はじめにスライド台83d及びスライド軸83e上の光学顕微鏡82をXYZ方向で移動させて、下流側リップランド42bの上流端に、光学顕微鏡82の焦点を合わせる。この位置を原点とし、次に、上流側リップランド41bの下流端に焦点を合わせ、画像処理機84にて原点からのY軸における移動距離を求める。このY軸における移動距離がオーバーバイト長さLOとなる。したがって、計測台80にはその表面精度が高いものを用いることが有効である。また、光学顕微鏡82をX軸方向へずらしながら同様に測定することによって、スロットダイ40の幅方向におけるオーバーバイト長さLOの分布を計測することができる。
【0036】
スロットダイ40の向き及び光学顕微鏡82との相対位置がこれと異なる場合も同様にして、X軸における移動距離、Z軸における移動距離、あるいは3次元距離にてオーバーバイト長さLOを求めればよい。いずれの場合もμmオーダーでの測定が可能である。ランド41b,42bの形状は、バックアップロール11の表面の対向位置における接線に合わせていることが多く、測定の前にその形状に関する数値を画像処理機に入力しておくことで、より迅速かつ正確な計測を行うことができる。
【0037】
図9は本発明におけるオーバーバイト長さLOの計測の別の実施形態を示している。測定装置として、光学顕微鏡の代わりに接触式段差検出器としてのてこ式ダイヤルゲージ90を用いている。てこ式ダイヤルゲージ90としては、一般には表面粗さ等を測定することができる、先端に接触子90aがついたものでよい。
【0038】
スロットダイ40を、下流側ブロック42の上面が計測器81と対向するように置き、てこ式ダイヤルゲージ90の接触子90aを下流側のランド42bに接触させ、Y軸方向に移動して、Z軸方向での最高点を原点とする。さらにY軸方向に移動して、上流側のランド41bのZ軸方向での最低点を求め、この差をオーバーバイト長さLOとする。この操作を同様に、X軸方向で実施することにより、幅方向におけるオーバーバイト長さLOの分布を測定することができる。
【0039】
図10は本発明におけるオーバーバイト長さLOの計測のさらに別の実施形態を示している。測定装置として、光学顕微鏡、てこ式ダイヤルゲージの代わりにレーザー変位計91を用いている。レーザー変位計91は、レーザーを測定対象となるサンプルの表面にあて、レーザーの反射光の変位によって、表面の凹凸を検知するものである。スロットダイ40は図8の光学顕微鏡82による測定の場合と同様に、塗布液の吐出口をレーザー変位計91に対向させた。
【0040】
レーザー変位計91を移動させながら下流側リップランド42bのY軸方向における最高点を検知して、その位置を原点とする。次にZ軸方向に移動させ、上流側リップランドにおけるY軸方向における最低点を求め、原点とのY軸における変位をもってオーバーバイト長さLOとする。この操作を同様に、X軸方向で実施することにより、幅方向におけるオーバーバイト長さLOの分布を測定することができる。
【0041】
以上のてこ式ダイヤルゲージ90、レーザー変位計91の場合も、光学顕微鏡の場合と同様に、スロットダイ40とレーザー変位計91の相対位置を変えたとき、移動距離の対象軸を変えることで、オーバーバイト長さLOを求められ、いずれの場合もμmオーダーでの測定が可能である。また光学顕微鏡82による測定の場合も含め、本発明によるオーバーバイト長さLOの測定方法は、アンダーバイト長さLUの測定にも適用することができ、さらに、多層用のスロットダイに対しても、その先端形状の測定に有効である。
【0042】
塗布に用いるスロットダイ13,40については、組み立てを行う時点で塗布液と等温になるようにしておく。本発明に用いたスロットダイ13,40を含め、ダイの材質には一般にSUSが用いられており、その体積、つまりダイの各部の寸法には温度依存性がある。したがって、温度調整については、スロットダイ13の表面のみならず、内部の温度分布も考慮に入れて実施する。これにより、塗布液による塗布時の変形を考慮に入れた、オーバーバイト長さLO、アンダーバイト長さLUの計測を実施することが可能となり、スロットダイ13,40の組み立てについての精度の再現性が向上する。
【0043】
スロットダイ13,40の温度調整については、塗布時の塗布液の温度に近いほど好ましく、塗布時における塗布液の温度をt℃としたとき、t℃±5℃の範囲に制御することが特に好ましい。
【0044】
具体的な方法としては、まず、組み立て時及び先端形状の測定時において、スロットダイ13,40の雰囲気温度をt℃±5℃の範囲に制御することが好ましく、さらに、スロットダイ13,40の中に水を循環させる通路(図示せず)を形成し、温度調整された水を通すことで行う。水は、スロットダイ13,40の材質の経時劣化をできるだけ促進しないように、精製されたものを使用することが好ましく、さらにt℃±5℃の範囲のものとする。スロットダイ13、40の大きさや、外気温度、水の温度にも通水時間は左右されるが、工業的に用いられる一般的なダイでは、2時間以上の通水が好ましい。また、リボンヒーター(図示せず)によってスロットダイ13,40を巻き付けてt℃±5℃の範囲に制御することも効果がある。これらの温度調整方法は、適宜組み合わせて行ってもよい。
【0045】
本発明の塗布方法では、塗布液の溶媒として、公知の各種溶媒を使用することができる。例えば水、各種ハロゲン化炭化水素、アルコール、エーテル、エステル、ケトンなどを単独あるいは複数混合して使用することができる。
【0046】
塗布液は、塗布時の温度において、粘度が0.5〜100mPa・s、表面張力は20〜70mN/mの範囲が好ましい。塗布速度は、概ね500m/分以下の領域で適用可能である。
【0047】
また、可撓性支持体としては公知の各種ウェブを用いることができる。一般的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等の公知の各種プラスチックフィルム、紙、紙にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布またはラミネートした各種積層紙、アルミニウム、銅、スズ等の金属箔等、帯状基材の表面に予備的な加工層を形成させたもの、あるいはこれらを積層した各種複合材料が含まれる。さらに前記のウェブには、光学補償シート塗布液、反射防止フィルム塗布液、磁性塗布液、写真感光性塗布液、表面保護、帯電防止あるいは滑性用塗布液等がその表面に塗布され、乾燥された後、所望する長さ及び幅に裁断される場合も含まれ、この代表例としては、光学補償シート、反射防止フィルム等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
【実施例】
〔実施例1〕
既存の光学補償シート製造工程に、本発明の塗布装置及び塗布方法を組み入れ実施した。光学補償シート製造工程では、ウェブは送出機により送られ、ガイドロールによって支持されながらラビング処理ロールを経るが、この後、本発明の塗布工程を組み入れる。その後、乾燥ゾーン、加熱ゾーン、紫外線ランプを通過し、巻き取り機によって巻き取るのが基本工程である。
【0049】
上流側のランド長さが1mmで、背面20aからランドまでの長さLaが200.000mmの上流側ブロック41と下流側のランド長さが50μmで背面からランドまでの長さLbが200.000mmの下流側ブロック42からなるスロットダイ40を用いた。治具60の上に両ブロック41,42を置き、下流側ブロック42と治具50の間に厚みTを50μmに設定したシックネスゲージ44を挟んだ。加圧装置61にて両ブロックを治具に強く押し当ててからボルト51でそれぞれ固定し、その後両ブロックをボルト45にて固定した。
【0050】
なお、この組み立てを行う際の室温は22℃であり、組み立てる前のブロック41,42には22℃の水を約2時間通して、ブロック41,42の温度を約22℃になるように調整した。オーバーバイト長さLOの測定を光学顕微鏡82にて行い、50μmとなるように調整した。なお、加圧装置61、治具50、ボルト51、シックネスゲージ44は、オーバーバイト長さLOの調整後に取り外した。
【0051】
ウェブ12には、厚み100μmのセルローストリアセテート基材(商品名;フジタック、富士写真フイルム(株)製)を用い、塗布液を塗布する前に長鎖アルキル変性ポリビニルアルコール(商品名;ポバールMP−203、クラレ(株)製)の2重量%溶液を25ml/m2 で塗布し、60℃で1分間乾燥して配向膜用樹脂層を形成した。配向膜用樹脂層をあらかじめ形成したウェブ12を送り、配向膜用樹脂層の表面にラビング処理を施して配向膜を形成し、そのまま塗布工程へ搬送して塗布を実施した。なお、ラビング処理におけるラビングローラの回転周速を5.0m/秒とし、ウェブ12に対する押しつけ圧力を9.8×10-3Paに設定した。
【0052】
塗布液14には、ディスコティック化合物TE−(1)とTE−(2)の重量比率4:1の混合物に、光重合開始剤(商品名;イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)を1重量%添加した40重量%メチルエチルケトン溶液である、液晶性化合物を含む溶液を用い、湿潤膜厚5μmとなるように、50m/分で搬送させたウェブ12に対して塗布した。なお、塗布液14の温度は22℃であった。減圧度は1600Paに設定し、デジタルマノメーターでその変動幅を測定した。塗布液14を塗布したウェブ12を、100℃に設定した乾燥ゾーン、及び130℃に設定した加熱ゾーンを通過させ、その表面の液晶層に紫外線ランプ(160W空冷メタルハライドランプ、アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射した。巻き取ったあと塗膜14bを目視検査した。この結果、本実施例では、塗膜14bに段状ムラ等は全く認められず、塗膜状態は非常に良好であった。
【0053】
【化1】
Figure 0003899485
【0054】
〔実施例2〕
加圧装置61を用いなかったほかは実施例1と同様に実施した。光学顕微鏡81によりオーバーバイト長さLOを測定して50μmになるように調整した。この結果、本実施例では、塗膜14bに段状ムラ等は認められず、塗膜状態は非常に良好であった。
【0055】
〔実施例3〕
上流側リップランド長さが1mmで、背面41aからランド42bまでの長さLaが150.000mmの上流側ブロック41と下流側リップランド長さが50μmで背面42aからランド42bまでの長さLbが150.000mmの下流側ブロック42からなるスロットダイ40を用いた。基台30の上に両ブロック41,42を置き、その際、下流側ブロック42の背面42aと基台30の間にシックネスゲージ44を挟んだ。その状態で両ブロック41,42をボルト45で固定した。光学顕微鏡によりオーバーバイト長さLOを測定して50μmになるように調整した。塗布工程に関しては実施例1と同様に実施した。この結果、本実施例では、塗膜14bに段状ムラ等は認められず、塗膜状態は良好であった。
【0056】
〔実施例4〕
上流側リップランド長さが1mmで、背面20aからランドまでの長さLaが150.000mmの上流側ブロックと下流側リップランド長さが50μmで背面からランドまでの長さLbが150.050mmの下流側ブロック21からなるスロットダイ13を用いた。基台30の上に両ブロック20,21を置き、ボルト22で固定した。光学顕微鏡の測定によるオーバーバイト長さLOは50μmであった。塗布工程に関しては実施例1と同様に実施した。この結果、本実施例では、塗膜14bに段状ムラ等は認められず、塗膜状態は良好であった。
【0057】
〔実施例5〕
スロットダイ40の温度制御を、通水の代わりにリボンヒータにて約2時間行ったほかは実施例1と同様に実施した。この結果、本実施例では、塗膜14bに段状ムラ等は全く認められず、塗膜状態は非常に良好であった。
【0058】
〔実施例6〕
オーバーバイト長さLOの調整をてこ式ダイヤルゲージにて測定しながら行ったほかは実施例1と同様に実施した。この結果、本実施例では、塗膜14bに段状ムラ等は全く認められず、塗膜状態は非常に良好であった。
【0059】
〔実施例7〕
オーバーバイト長さLOの調整をレーザー変位計(商品名;LC−2400、キーエンス製)にて測定しながら行ったほかは実施例1と同様に実施した。この結果、本実施例では、塗膜14bに段状ムラ等は全く認められず、塗膜状態は非常に良好であった。
【0060】
〔比較例1〕
スロットダイ40の温度制御を行わずに組み立て、オーバーバイト長さLOを光学顕微鏡で測定しながら調整した。組み立て時の室温は15℃であった。そのほかの条件については実施例1と同様に実施した。この結果、本実施例では、塗布を進めていく過程でブロック41,42が湾曲してしまい、ブロック42の幅方向に関して下流側リップ42bとウェブ12との隙間のばらつきが最大10μmとなった。その結果、ビード14bは、広がった部分より破断し、塗布は不可能となった。
【0061】
〔実施例8〕
ウェブ12として、膜厚80μmのセルローストリアセテート(商品名;フジタック、富士写真フイルム(株)製)を使用し、塗布液を塗布する前に、ウェブ12の表面に、紫外線硬化性ハードコート組成物(商品名;デソライトZ−7526、72重量%、JSR(株)製)250gをメチルエチルケトン62g及びシクロヘキサン88gの混合溶媒に溶解した液を8.6ml/m2 で塗布した。これを120℃で5分間乾燥させ、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射することにより前記紫外線硬化性組成物を硬化させ、ウェブ12の表面に厚さ25μmのハードコート層を形成した。
【0062】
塗布液14として、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)91gと酸化ジルコニウム分散物含有ハードコート塗布液(デソライトZ−7401、JSR(株)製)218gを、メチルエチルケトンとシクロヘキサンの重量比率が4:6である混合溶液52gに溶解し、この溶液に光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)10gを加えたものを使用して、走行速度30m/分で走行させるハードコート層を形成したウェブ12の上に4.2ml/m2 で塗布した。オーバーバイト長さLOは、光学顕微鏡を用いて計測しながら50μmに調整した。用いたスロットダイ40や組み立て方法等ほかの条件については実施例1と同様に実施した。この結果、本実施例では、塗膜14bに段状ムラ等は全く認められず、塗膜状態は非常に良好であった。
【0063】
以上の実施例及び比較例から様々な塗布系において、治具へのブロック固定による組み立て方法あるいは平面基台上での組み立て方法が、オーバーバイト長さLOの設定及び調整に、精密性と迅速性の面で有効であり、また、組み立て時の温度制御が重要であることがわかる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、本発明の塗布方法により、様々な塗布系に最適なオーバーバイト長さを正確に設定したスロットダイを迅速に組み立てることができ、その結果として良好な薄膜塗布を連続的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したスロットダイコーターの断面図である。
【図2】本発明を実施したスロットダイの組み立て工程の断面図である。
【図3】本発明のほかの実施形態であるスロットダイの組み立て工程の断面図である。
【図4】本発明のほかの実施形態であるスロットダイの組み立て工程の断面図である。
【図5】本発明の実施形態であるスロットダイの組み立て工程の背面における平面図である。
【図6】本発明のほかの実施形態であるスロットダイの組み立て工程の断面図である。
【図7】本発明のほかの実施形態であるスロットダイの組み立て工程の断面図である。
【図8】本発明の実施形態であるオーバーバイト長さの測定工程の斜視図である。
【図9】本発明のほかの実施形態であるオーバーバイト長さの測定工程の断面図である。
【図10】本発明のほかの実施形態であるオーバーバイト長さの測定工程の断面図である。
【符号の説明】
13 スロットダイ
20 上流側ブロック
21 下流側ブロック
30 基台
40 スロットダイ
41 上流側ブロック
42 下流側ブロック
44 シックネスゲージ
50 治具
51 ボルト
81 計測器
82 光学顕微鏡
83 移動機構
83c スライド台
83e スライド軸
90 てこ式ダイヤルゲージ
91 レーザー変位計
La 上流側ブロックの背面からランドまでの長さ
Lb 下流側ブロックの背面からランドまでの長さ
LO オーバーバイト長さ
LU アンダーバイト長さ
T シックネスゲージの厚み
W 治具間の距離

Claims (8)

  1. バックアップロールに支持されて連続走行するウェブの表面にスロットダイの先端リップを近接させて、スロットから塗布液を吐出して塗布する方法であって、前記ウェブの走行方向における上流側と下流側とに前記スロット部分で分割可能な2つのブロックを有する前記スロットダイを用いる塗布方法において、
    前記各ブロックの前記先端リップとは反対側の面である背面と密着する基準平面を有し前記2つのブロックと固定される治具を用い、
    前記2つのブロックのうち一方のブロックの前記背面を前記基準平面に密着させるとともに、他方のブロックの前記背面と前記基準平面とを、間に板状物を介在させて密着させて、前記2つのブロックの先端リップに段差を設けた状態で、各ブロックと前記治具とをボルトにより締結し、
    前記治具は前記ブロックの幅方向に複数配され、
    厚み調整可能なシックネスゲージである前記板状物は、前記ウェブの走行方向における前記ボルトの上流側と下流側との両側にそれぞれ配され、
    前記ブロックと前記治具との締結の後に、前記ブロック同士を締結することを特徴とする塗布方法。
  2. 前記治具同士の各距離を少なくとも5cmとすることを特徴とする請求項1記載の塗布方法。
  3. 前記治具に対して前記ブロックを押しつけて密着させることを特徴とする請求項1または2記載の塗布方法。
  4. 3次元に移動可能な光学顕微鏡と、接触式段差検出器と、レーザー変位計とのいずれかひとつにより、前記段差を測定することを特徴とする請求項1ないし3いずれかひとつ記載の塗布方法。
  5. 塗布時における前記塗布液の温度をt℃としたとき、前記ブロックと前記治具とを締結する時の雰囲気温度を(t−5)℃以上(t+5)℃以下とすることを特徴とする請求項1ないし4いずれかひとつ記載の塗布方法。
  6. 塗布時における前記塗布液の温度をt℃としたとき、前記ブロックと前記治具とを締結する時の前記スロットダイの内部に、(t−5)℃以上(t+5)℃以下の温度の水を流すことを特徴とする請求項1ないし5いずれかひとつ記載の塗布方法。
  7. 塗布時における前記塗布液の温度をt℃としたとき、前記ブロックと前記治具とを締結する時の前記スロットダイを、(t−5)℃以上(t+5)℃以下としたリボンヒータで温度調整することを特徴とする請求項1ないし6いずれかひとつ記載の塗布方法。
  8. バックアップロールに支持されて連続走行するウェブの表面にスロットダイの先端リップが近接されて、スロットから塗布液を吐出し、前記スロットダイは前記ウェブの走行方向において上流側と下流側とに前記スロットで分割可能な2つのブロックを有する塗布装置において、
    前記各ブロックの前記先端リップとは反対側の面である背面と密着する基準平面を有し前記2つのブロックと固定される治具を用い、前記2つのブロックのうち一方の前記背面は前記基準平面に密着してボルトで締結されるとともに、他方の前記背面は板状物が介在されて前記基準平面にボルトで締結されることにより前記2つのブロックの先端リップには段差が設けられ、
    前記治具は前記ブロックの幅方向に複数配され、
    前記板状物は厚み調整可能なシックネスゲージであって前記ウェブの走行方向における前記ボルトの上流側と下流側との両側にそれぞれ配され、
    前記ボルトによる前記各治具と前記各ブロックとの締結後に前記2つのブロックは互いに締結されたことを特徴とする塗布装置。
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