JP3898628B2 - 配線基板及び、その製造方法 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、パッドと、基板本体の基準位置を表す導体パターンとが基板本体表面に形成されてなる配線基板および、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、配線基板としては、銅メッキにて構成された配線パターンを有する合成樹脂製又はセラミック製の基板本体表面に、複数の入出力端子を主表面に備えたLSIやICチップあるいはチップコンデンサなどの電子部品を搭載するためのパッドを備えた電子部品搭載用の配線基板が知られている。また、この種の配線基板としては、電子部品をフリップチップ実装方式にて接合するためのハンダバンプを、パッド表面上に備えたものが知られている。
【0003】
上記のようなフリップチップ実装用のハンダバンプを備えた配線基板は、ボールグリッドアレイ(BGA)、ピングリッドアレイ(PGA)などといったタイプのパッケージ製造に用いられ、そのハンダバンプが形成されたパッドを有する基板本体の第一主表面には、電子部品を機械操作で基板本体に実装する際に必要な基板本体の基準位置を表す導体パターン(以下、「アライメントマーク」とも称する)が形成されている。また、第一主表面とは反対側の基板本体の第二主表面には、例えば、球状のハンダ(所謂、ハンダボール)を取り付けてBGAパッケージを作成するためのハンダ層が、その第二主表面のパッド表面上に形成されている。
【0004】
ところで、このような配線基板を製造する際には、フリップチップ実装用の上記ハンダバンプやハンダボール取付用の上記ハンダ層をパッド表面上に形成する前に、無電解Ni(ニッケル)メッキ、さらにAu(金)メッキをこの順序にてパッド表面に施し、該パッド表面に、Niメッキ層およびAuメッキ層をこの順序にて積層形成することが一般的に行われている。これらNiメッキ層およびAuメッキ層は、ハンダの濡れ性が悪いパッドに対して良好にハンダ付けが行えるようにするとともに、不動態膜としてのAuメッキ層にてNiメッキ層の酸化を防ぎ、安定したハンダ付け性を得るために形成するものである。そのため、上記ハンダバンプや上記ハンダ層は、Niメッキ層およびAuメッキ層を介して、パッドと接続されることになる。
【0005】
また、上記のようにパッド表面に対して、それぞれNiメッキ層およびAuメッキ層をこの順序にて形成する場合には、アライメントマーク表面にも同時にそれぞれNiメッキ層およびAuメッキ層をこの順序で形成して、そのアライメントマークを構成するCu(銅)メッキ表面が酸化するのを防止するのが一般的である。
【0006】
【特許文献1】
特願2001−177010号公報(段落0033)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにNiメッキ層をパッド表面に形成すると、電子部品実装時やハンダボール取付時における熱作用により、Niメッキ層のNiがハンダ内部にまで拡散して、該ハンダ(上記ハンダバンプや上記ハンダ層)の成分元素であるSn(錫)などと脆い金属間化合物が形成され、これが原因で、電子部品やハンダボールとパッドとの間の接合強度が十分に確保できないなどの問題があった。そこで、本発明者らは、パッド表面にNiメッキ層を形成させず、Auメッキ層のみを形成することで、電子部品やハンダボールとパッドとの間の接合を良好に保つ方法を考え出した。このような方法を採用する際には、パッド表面にNiメッキ層を形成する工程を省くと同時に、アライメントマーク表面へのNiメッキ層の形成工程をも省くのが製造効率の観点からも良い。
【0008】
上記のようにNiメッキ層の形成工程を省くと、アライメントマーク表面にはAuメッキ層のみが形成されることになる。しかしながら、このAuメッキ層の層厚は、Niメッキ層の層厚に比べて、構成材料のコストの観点より、必然的に小さく設定(例えば、20nm〜200nm程度)する必要が生じる。そのため、アライメントマーク表面の平坦性よりも平坦性を十分に向上させた形でAuメッキ層が形成されず、結果として、Auメッキ層の表面の平坦性が十分に確保されない問題や、アライメントマーク表面が部分的に表面露出した形でAuメッキ層が形成されてしまうといった問題が新たに生じた。
【0009】
電子部品を機械操作で基板本体に実装する際にアライメントマークを読み取る光学読取装置は、基板本体に光を照射して、その光の反射光にてアライメントマークを読み取るものである。そのため、アライメントマーク表面に形成されたAuメッキ層の表面の平坦性が十分に確保されていない場合、Auメッキ層の表面での光の乱反射に起因して、光学読取装置にて取得する反射光の強度に過度のバラツキが生じることに繋がる。また、アライメントマーク表面が部分的に表面露出した形でAuメッキ層が形成されてしまうと、該部分的に表面露出した領域とAuメッキ層の表面とにおける同波長で同強度の光に対する反射強度は、自ずと異なるものとなり、上記同様にして光学読取装置にて取得する反射光の強度に過度のバラツキが生じることに繋がる。このような光学読取装置にて取得する反射光の強度に過度のバラツキが生じると、アライメントマークに対する位置認識の精度が低下することになり、ひいては、電子部品の実装信頼性が低下することになる。
【0010】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、基板本体の基準位置を表す導体パターンに対する光学読取装置での位置認識精度を高めることが可能な配線基板および、その製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記課題を解決するための本発明の配線基板は、
配線構造を有する基板本体と、
該基板本体表面に配列された銅製のパッドと、
該パッド表面に接触し、かつ、該パッド表面を被覆する第一Au層と、
該第一Au層の直上に位置し、かつ、前記パッド表面を被覆する第一ハンダ層と、
前記基板本体表面に形成された該基板本体の基準位置を表す銅製の導体パターンと、
該導体パターン表面に接触し、かつ、該導体パターン表面を被覆する第二Au層と、
該第二Au層の直上に位置し、かつ、前記導体パターン表面を被覆する第二ハンダ層と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
上記本発明の配線基板では、Auよりも材料コストが安価なハンダを用いて、第二ハンダ層を形成させてなる。つまり、導体パターン表面に、該表面を被覆するように第二Au層および第二ハンダ層が、この順序にて他の層を介在させない形で積層形成されてなる。第二ハンダ層の層厚は、第二Au層の層厚よりも大きく設定できるので、第二ハンダ層の表面を、第二Au層の表面よりも平坦性が向上したものとできるとともに、導体パターン表面が部分的に表面露出した形で第二ハンダ層が形成されることを防止できる。その結果、光学読取装置にて精度よく導体パターンの位置を認識することでき、ひいては、電子部品の実装信頼性を十分に確保することが可能となる。なお、第二ハンダ層の層厚は、少なくとも第二Au層の層厚よりも大きくなるように適宜設定されれば、特に限定されないが、例えば、5μm〜10μm程度にまで大きく設定することができる。
【0013】
上記第二ハンダ層をなすハンダの種類としては、銅よりも少なくとも酸化しにくい、例えば、Sn−Pb、Sn−Ag、Sn−Ag−Cu、Pb−Sn−Sb、Pb−Sn−Sb−Bi、Sn−Zn系ハンダなどを用いればよいが、特には、この中でも酸化しにくいSn−Ag、Sn−Ag−Cu系ハンダなどが好適であると言える。第二ハンダ層の表面が過度に酸化されると、光学読取装置による導体パターンの位置認識精度の低下が、新たな問題として顕在化することが想定されるからである。
【0014】
また、酸化されやすい銅製のそれぞれパッドおよび導体パターンの表面には、該表面を被覆するように、それぞれ第一Au層および第二Au層が形成されてなるので、パッド表面および導体パターン表面が酸化されることを効果的に抑制することができる。そして、この酸化抑制により、それぞれ第一Au層および第二Au層の表面に、それぞれ第一ハンダ層および第二ハンダ層を、ハンダ濡れ性を高めた状態で形成させることが可能となる。その結果、第一Au層を介したパッドと第一ハンダ層との接合強度等の接合性および、第二Au層を介した導体パターンと第二ハンダ層との接合強度等の接合性を有為に確保することが可能となる。
【0015】
また、第一ハンダ層と同じ材料を用いて第二ハンダ層を形成することができるので、生産コストを抑制することができる。さらには、第一ハンダ層と第二ハンダ層とを同時に形成することもできるので、この点においても生産コストの抑制に寄与することになる。
【0016】
次に、本発明の配線基板においては、パッドおよび導体パターンは、それぞれの周縁が基板本体表面に形成されたソルダーレジスト層に包囲されており、導体パターン表面を被覆する第二ハンダ層は、その上面がソルダーレジスト層の上面よりも低くなるように形成されてなることを特徴とする。
【0017】
パッドおよび導体パターンは、それぞれの周縁が基板本体表面に形成させたソルダーレジスト層にて包囲した状態とすることが望ましい。このような状態となすことで、それぞれパッドおよび導体パターン自体を、電気的短絡が起こらないように十分に外部との絶縁性が確保された状態となすことができる。しかしながら、第二ハンダ層の上面を、ソルダーレジスト層上面よりも高い位置となるように形成すると、第二ハンダ層の断面は、例えば図10(a)の模式図のような状態となりやすくなる。つまり、図10(a)に示すように、第二ハンダ層120の上面が湾曲した状態となる。このように上面が湾曲してしまうと、光学読取装置から照射する光が乱反射してしまい、これが原因で反射光を有為に光学読取装置で読み取れない問題を招くことになる。このことは、光学読取装置における導体パターンの位置認識精度の低下に繋がる。そのため、第二ハンダ層の上面は、ソルダーレジスト層の上面よりも低くなるように形成することが望ましい。なお、図10(b)の模式図は、第二ハンダ層120の上面が、ソルダーレジスト層114の上面よりも高い位置となるようにした場合の光学読取装置による導体パターンの読取結果を表すものである。図10(b)に示すように、理想的には点線にて示す形状のように導体パターンの形状を読み取るべきものが、実際には、実線で示すような形で導体パターンの形状は認識されしまう。
【0018】
上述のように、第二ハンダ層の上面を、ソルダーレジスト層の上面よりも低くすることで、第二ハンダ層の上面が湾曲することを効果的に抑制することができる。つまり、上面を平坦状にすることができる。このように、第二ハンダ層の上面を平坦状とすることにより、光学読取装置からの照射光が乱反射しにくく、導体パターンの形状を正確に読み取ることができる。
【0019】
ここまでに述べた本発明としては、例えば、パッド表面上に形成される第一ハンダ層を、ソルダーレジスト層上面よりも突出するように形成されたフリップチップ実装用のハンダバンプとする配線基板に適用してもよいし、第一ハンダ層を、ハンダボール取付用のハンダ層とする配線基板に適用してもよい。このように本発明は、パッド表面に、従来のようなNiメッキ層を介さずに直接、Au層が形成されてなるとともに、アライメントマークとされる導体パターンを有する配線基板であれば、第一に適用可能である。次に、本発明の配線基板の形態となすための有用な製造方法とされるとともに、本発明の配線基板の形態も含めて、パッド表面に直接、Au層を形成し、該Au層の表面にさらに直接、ハンダ層を形成させる形にて製造される形態の配線基板の製造方法として、有用に適用される本発明の配線基板の製造方法について述べる。
【0020】
そこで、第一の本発明の配線基板の製造方法は、
配線構造を有する基板本体の表面に配列された銅製のパッド、および、該基板本体表面に形成された該基板本体の基準位置を表す銅製の導体パターンの表面に、それぞれAu層およびハンダ層をこの順序にて積層形成させる配線基板の製造方法であって、
前記基板本体に形成された前記パッドおよび前記導体パターンの表面に、直接、Auメッキを施し、前記Au層を形成するAuメッキ工程と、
該Auメッキ工程の後、前記Au層の表面に、ハンダペーストを直接印刷するハンダ印刷工程と、
前記Auメッキ工程の後、前記導体パターンの表面に形成された前記Au層の表面にフラックスを塗布するフラックス塗布工程と、
前記ハンダ印刷工程および前記フラックス塗布工程の後に、前記ハンダペーストをリフローし、前記ハンダ層を形成するリフロー工程と、
を含むことを特徴とする。
【0021】
上記本発明の製造方法によれば、Auメッキ工程にて、導体パターン表面にAuメッキを施すことにより形成されるAu層(以下、第二Au層とも称する)の表面に対して、フラックス塗布工程にてフラックスを塗布することによって、該第二Au層の表面に印刷したハンダペーストのハンダ濡れ性を調整できる。その結果、導体パターン表面全体を均一に被覆する形にて、該導体パターン表面上にハンダ層を形成することができる。
【0022】
また、フラックスでハンダ濡れ性を調整すれば、パッド表面および導体パターン表面上にAu層を介して同一種類のハンダペーストを印刷しながら、パッド表面上と導体パターン表面上とに異なった形状のハンダ層(ハンダバンプなど)を形成することができる。
【0023】
例えば、パッド表面上には、ソルダーレジスト層上面よりも突出するフリップチップ実装用のハンダバンプを形成しつつ、導体パターン表面上には、上面がソルダーレジスト層上面よりも低い位置となるようにハンダ層を形成することができる。また、フラックスによりハンダ濡れ性を調整することによって、導体パターン表面上に形成されるハンダ層上面を平坦にすることができる。
【0024】
また、それぞれパッド表面上およぶ導体パターン表面上に形成させるハンダ層の構成材料を同一種類とすることもできる。この場合、パッド表面上および導体パターン表面上にAu層を介して同時にハンダペーストを印刷することができる。その結果、ハンダペースト印刷に係わる工程(上記ハンダ印刷工程)を効率よく行うことができ、ひいては製造効率の向上を図ることができる。
【0025】
尚、フラックス塗布工程は、ハンダ印刷工程前に行われるものであってもよいし、印刷工程後に行われるものであってもよい。このような第一の本発明の製造方法以外にも、以下に記載する第二の本発明の製造方法を用いても、上記した内容と同様な効果を得ることができる。
【0026】
そこで、第二の本発明の配線基板の製造方法は、
配線構造を有する基板本体の表面に配列された銅製のパッド、および、該基板本体表面に形成された該基板本体の基準位置を表す銅製の導体パターンの表面に、それぞれAu層およびハンダ層をこの順序にて積層形成させる配線基板の製造方法であって、
前記基板本体に形成された前記パッドおよび前記導体パターンの表面に、直接、Auメッキを施し、前記Au層を形成するAuメッキ工程と、
前記Auメッキ工程の後、前記Au層の表面に、ハンダペーストを直接印刷するハンダ印刷工程と、
該ハンダ印刷工程の後、前記ハンダペーストをリフローする第一リフロー工程と、
該第一リフロー工程の後、前記導体パターンの表面に形成された前記Au層の表面にフラックスを塗布するフラックス塗布工程と、
該フラックス塗布工程の後、前記フラックスが塗布された前記Au層の表面のハンダをリフローし、前記パッドおよび前記導体パターンの表面上に、前記ハンダ層を形成する第二リフロー工程と、
を含むことを特徴とする。
【0027】
上記第二の本発明の製造方法においても、上記第一の本発明の製造方法と同じくして、Auメッキ工程にて、導体パターン導体表面にAuメッキを施すことによりAu層を形成した後、該Au層の表面に対して、フラックス塗布工程にてフラックスを塗布することによって、該Au層の表面に印刷したハンダペーストのハンダ濡れ性の調整がなされる。よって、第二の本発明の製造方法においても、上述した第一の本発明の製造方法に係わる効果と同様のもの得ることができる。
【0028】
なお、上述の本発明の製造方法における第一にてはリフロー工程にて、第二にては第一リフロー工程および第二リフロー工程にて、Au層の表面に形成したハンダペーストをリフローすることによりハンダ層を形成することになる。この際、Au層の層厚は、ハンダ層の層厚よりも小さく、例えば、20nm〜200nmといった程度であるので、リフローにてハンダ層を形成した後には、Auの過度の流れによりAu層自体の消滅や、パッド表面や導体パターン表面を部分的に被覆する形でのみAu層が残存するといった形態となる場合もある。この場合、上記本発明の配線基板の形態とは異なる形態の配線基板となるが、Au層を形成させる主要な目的である、ハンダ層を形成させるまでのパッド表面や導体パターン表面の酸化を抑制すること自体は同様に機能させることができるので、本発明の製造方法を用いて製造される配線基板は、上述した本発明の配線基板と同内容の効果を得るものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図面を併用して説明する。
図1は、ICチップ3及びハンダボール5が取り付けられた配線基板1の側面の構成を表す概略側面図である。また、図2は、基板本体10の第一主表面の構成を表す説明図(同図(a))及び、その第一主表面とは反対側の第二主表面の構成を表す説明図(同図(b))である。この他、図3は、配線基板1の断面の構成を概略的に表す概略断面図である。また、図4は、アライメントマーク13の上面の構成を表す概略上面図(同図(a))、及び、アライメントマーク13のA−A’断面の構成を表す概略断面図(同図(b))、及び、光学読取装置7にて読み取ったアライメントマーク13の形状に関する説明図である。
【0030】
本発明が適用された配線基板1は、29mm四方の基板本体10を備え、その基板本体10の両面に銅メッキからなるパッド11,12を備えている。
詳述すると、基板本体10は、エポキシ樹脂などの合成樹脂から構成される基体21と、銅メッキ22,23,26,33による配線層と、樹脂絶縁層29,35と、を備えている。
【0031】
この基板本体10には、第一主表面の中央部(中央の概ね10mm四方)に、最上層の配線層として、ICチップ3の入出力端子の配列パターンに対応する配列で、複数の上記パッド11(以下、「FCパッド11」とも表現する。)が形成されている。また、基板本体10の第二主表面には、略全面(概ね25mm四方)に分散して複数の上記パッド12(以下、「BGAパッド12」とも表現する。)が配列されている。この他、基板本体10の第一主表面には、十字状の銅メッキパターンであるアライメントマーク13が形成されている。尚、このアライメントマーク13は、基板本体10の基準位置を表す導体パターンであり、光学読取装置7にて、読み取るためのものである。
【0032】
そして、基板本体10の主表面には、FCパッド11及びBGAパッド12を構成する銅メッキ22,23の一部を露出した状態で、ソルダーレジスト層14が形成されている。
即ち、両面のパッド(FCパッド11及びBGAパッド12)は、基板本体10最上部のソルダーレジスト層14に周囲(周縁)を包囲されており、そのソルダーレジスト層14が形成されていない基板本体10の凹部15,16内に位置している。尚具体的に、本実施例の配線基板1では、FCパッド11の径が概ね100μm程度の大きさになるように、凹部15を形成している(ただし、搭載するICチップ3により大きさは若干異なる。)。そして、BGAパッド12の径が概ね530μmになるように、凹部16を形成している。この他、ソルダーレジスト層14は、BGAパッド12表面より概ね21μmの高さまで形成されている。
【0033】
また、ソルダーレジスト層14は、基板本体10の第一面に形成されているアライメントマーク13の端部(図4(a)に表すアライメントマーク13の端部点線部分)をわずかに被覆し、そのアライメントマーク13の中央部を露出した状態で、包囲するようにされている。つまり、アライメントマーク13の略全面は、ソルダーレジスト層14が形成されていない基板本体10の凹部17内に位置している。尚、本実施例では、ソルダーレジスト層14に正方形状の開口部を形成することにより凹部17を構成している。また本実施例においては、その開口部の一辺を、概ね550μmとしている。この他、ソルダーレジスト層14は、アライメントマーク13の表面より概ね21μmの高さまで形成されている。
【0034】
そして、この基板本体10の第一主表面に配列されたFCパッド11には、フリップチップ実装方式にてICチップ3を接合するためのPb−Sn共晶ハンダからなるハンダバンプ18がソルダーレジスト層14より突出するようにして形成されている(図3参照)。尚、このハンダバンプ18は、FCパッド11の表面に接触し、該表面を被覆する形で形成されてなる第一Au層51の直上に、FCパッド11の表面を被覆する形で形成されている。
【0035】
また、第二主表面に配列されたBGAパッド12には、ハンダボール5(本実施例ではφ=600μm)を接合して取り付けるためのPb−Sn共晶ハンダからなるハンダボール取付用ハンダ層19が、そのBGAパッド12の表面を被覆するようにして形成されている。尚、このハンダボール取付用ハンダ層19は、その上面(より詳しくは、頂点)がソルダーレジスト層14の上面より低い位置となるようにされているとともに、BGAパッド12の表面に接触し、該表面を被覆する形で形成されてなる第一Au層51の直上に形成されている。
【0036】
この他、第一主表面に形成されたアライメントマーク13の表面には、アライメントマーク13を構成する銅メッキ表面が酸化するのを防止するための第二Au層52が、そのアライメントマーク13の表面の露出部全面を被覆する形で形成されているとともに、さらに第二Au層52の表面には、Pb−Sn共晶ハンダからなる第二ハンダ層20が、そのアライメントマーク13の表面の露出部全面を被覆するように形成されている(図4(b)参照)。この第二ハンダ層20は、第二Au層52よりも層厚を大きく設定できる利点を生かして、光学読取装置7によるアライメントマーク13に対する位置認識精度を向上させるためのものである。具体的には、第二Au層52の層厚は、20nm〜200nm、第二ハンダ層20の層厚は、5μm〜10μmとされている。尚、この第二ハンダ層20の上面はソルダーレジスト層14の上面より低い位置となるようにされて、第二Au層52の直上に形成されている。
【0037】
次に、上記構成の配線基板1の製造に適用可能な製造方法について、その第一実施例を説明する。尚、図5及び図6は、第一実施例の製造方法に関する説明図であり、図5(a)は基板本体10の構成を表す概略断面図、図5(b)は洗浄工程に関する説明図である。また、図6(a)は、第一ハンダ印刷工程に関する説明図であり、図6(b)は、フラックス塗布工程に関する説明図であり、図6(c)は、第二ハンダ印刷工程に関する説明図であり、図6(d)は、リフロー工程に関する説明図である。また、図7は、ハンダバンプ18の形成過程を表した説明図である。この他、図8は、第二ハンダ層20の形成過程を表した説明図である。
【0038】
第一実施例においては、基板本体10の作製工程(図5(a))、洗浄工程(図5(b))、Auメッキ工程、第一ハンダ印刷工程(図6(a))、フラックス塗布工程(図6(b))、第二ハンダ印刷工程(図6(c))、リフロー工程(図6(d))の各工程を経て配線基板1を製造しているため、以下では、この順に各工程について説明する。ただし、基板本体10は、周知の方法で作製されているため、ここでは簡単に説明することにする。
【0039】
基板本体10の作製工程では、まず基体21の両面に、銅箔25(10〜15μm程度)を形成する。この後、ドリルやレーザー等で基体21にスルーホール(貫通孔)を形成し、銅箔25が形成された基体21の両面及びスルーホール内の側面に銅メッキ26を施して、基体21の両面の銅メッキ26をスルーホールを介して接続する。更に、基体21上の銅メッキ26表面を粗化し、スルーホールを充填材27(例えば、エポキシ樹脂)にて充填する。
【0040】
そして、両面の銅メッキ26上にエッチングレジスト層(図示せず)を形成し、配線パターンに対応するガラスマスクを用いて露光、現像処理を施すことにより、エッチングレジスト層を一部除去し、更に、このエッチングレジスト層上部からエッチング液を用いてエッチング処理を施すことにより、銅メッキ26及びそれより下層の上記銅箔25を一部除去して、銅メッキ26による配線層(配線パターン)を形成する。
【0041】
この後、残留するエッチングレジスト層を基体21から除去して、銅メッキ26を表面粗化し、この上に絶縁フィルムによる樹脂絶縁層29を形成する。この樹脂絶縁層29の形成後、露光、現像により一部の樹脂絶縁層29を除去してビア31(孔)を形成し、更に、樹脂絶縁層29を熱硬化、表面粗化する。そして、樹脂絶縁層29の表面に所定のパターンのめっきレジストを形成し、選択的に銅メッキ33を施し、一層目の銅メッキ26(配線層)に接続するようにして、二層目の配線層(配線パターン)を形成する。また更に、この二層目の配線層が形成された基体21上に樹脂絶縁層35を形成する。尚、このような方法(公知のフォトリソグラフィ技術、アディティブ法、サブトラクティブ法など)で銅メッキによる配線層(配線パターン)の形成及び樹脂絶縁層の形成を繰り返すことにより多層に配線層を形成する。また、最上層の配線層には、十字状の銅メッキを形成することにより、アライメントマーク13を設ける。
【0042】
このようにして最上層の配線層を形成した後には更に、最上層の配線層を構成する銅メッキ22,23の表面を粗化し、その配線層の上にソルダーレジスト層14を形成する。このソルダーレジスト層14の形成後には、露光、現像により、配列するパッド11,12及びアライメントマーク13表面のソルダーレジスト層14のみを選択的に除去して上記凹部15,16,17を形成する。これにより、銅メッキ22,23の表面の一部が露出されてソルダーレジスト層14に周囲を包囲されるパッド11,12が完成する。また、アライメントマーク13の表面は外部に露出される。
【0043】
このパッド11,12及びアライメントマーク13の形成後には、ソルダーレジスト層14に対して熱硬化、表面粗化などの処理を施す。以上の処理により、FCパッド11とBGAパッド12とを下層の配線層を介して電気的に接続する基板本体10が完成する(図5(a))。また、このように基板本体10が完成した後においては、洗浄工程に処理を移行する。
【0044】
洗浄工程では、過硫酸ナトリウム溶液にパッド(FCパッド11及びBGAパッド12)及びアライメントマーク13の表面を浸すことにより、パッド11,12及びアライメントマーク13の表面をソフトエッチングし、パッド11,12表面及びアライメントマーク13表面の酸化膜などの不純物を除去する。また、硫酸にパッド(FCパッド11及びBGAパッド12)表面及びアライメントマーク13表面を浸すことにより、パッド11,12表面及びアライメントマーク13表面を洗浄し、パッド11,12表面及びアライメントマーク13表面の酸化膜やその他の不純物などをパッド11,12表面及びアライメントマーク13表面から除去する。
【0045】
尚、この工程は、主に、パッド11,12表面及びアライメントマーク13表面を洗浄することにより酸化膜を除去するとともに、表面の平滑性を高めるためのものである。このように酸化膜を除去するとともに平滑性を向上させることで、この後のハンダ層形成時におけるハンダ濡れ性を良くことが可能となる。本実施例では、二種類の溶液(過硫酸ナトリウム溶液及び硫酸)を用いて酸化膜を除去し、不純物をパッド11,12表面及びアライメントマーク13表面から除去するようにしているが、いずれか一方の溶液を用いるだけでも酸化膜、不純物の除去は十分可能であり、洗浄工程では、過硫酸ナトリウム溶液による洗浄、硫酸による洗浄、一方だけ行っても良い。
【0046】
この洗浄工程後には、Auメッキ工程にて、それぞれパッド(FCパッド11及びBGAパッド12)及びアライメントマーク13表面に対して、直接Auメッキを施し、それぞれ第一Au層51および第二Au層52を形成させる。そして、このAuメッキ工程後に、図6(a)に示す第一ハンダ印刷工程に移行する。
第一ハンダ印刷工程では、FCパッド11表面に形成された第一Au層51及びアライメントマーク13表面に形成された第二Au層52へ、直接ハンダペースト41をスクリーン印刷(則ち、ハンダ印刷)する。尚、この第一Au層51及び第二Au層52へのハンダ印刷では、FCパッド11に対応する配列パターンの貫通孔43及び、アライメントマーク13の交差部13a(図4(a)に示す中央点線部分)に対応する位置に形成された貫通孔44を有するメタルマスク45(図7,図8参照)が用いられる。貫通孔43,44の開口径及びメタルマスク45の厚みは、形成するハンダバンプ18の形状及び第二ハンダ層20の形状に合わせて設定されている。
【0047】
第一ハンダ印刷工程では、基板本体10の第二主表面を下側にして載置台47に載置した後、図7(a)及び図8(a)に示すように、メタルマスク45を基板本体10上面(即ち第一主表面)に載置し、ハンダペースト41を、そのメタルマスク45の上面から塗布することにより、貫通孔43,44を介してFCパッド11表面に形成された第一Au層51表面及び、アライメントマーク13表面に形成された第二Au層52の交差部13a表面にハンダペースト41を直接印刷する。図7(a)は、FCパッド11表面に形成された第一Au層51表面におけるハンダペースト41の印刷態様を表した説明図であり、図8(a)は、アライメントマーク13表面に形成された第二Au層52表面におけるハンダペースト41の印刷態様を表した説明図である。
【0048】
尚、第一ハンダ印刷工程において塗布するハンダペースト41には、FCパッド11表面上に形成するハンダバンプ18の形状に合わせてフラックスが混合されている。つまり本実施例においては、ソルダーレジスト層14より突出する形状のハンダバンプ18を形成するために、リフロー時に必要以上に濡れ広がらないようなハンダ濡れ性を有するハンダペースト41をFCパッド11表面に形成された第一Au層51及びアライメントマーク13表面に形成された第二Au層52の交差部13aに塗布している。また、第一実施例では、上記メタルマスク45を用いることにより、FCパッド11表面に形成された第一Au層51表面のハンダペースト41の印刷量を、配線基板完成時のハンダバンプ18がソルダーレジスト層14より突出する量に調整している。また、アライメントマーク13表面に形成された第二Au層52表面のハンダペースト41の印刷量を、配線基板完成時の第二ハンダ層20の上面がソルダーレジスト層14の上面より低くなる量に調整している。
【0049】
そして、このハンダペーストの印刷後には、図7(b)、図8(b)に示すように、メタルマスク45を基板本体10から取り除き、基板本体10を図6(a)に示すような状態とする。
またこの後、第二Au層52表面にフラックスを塗布する(図6(b)に示すフラックス塗布工程)。つまり、ここでは、第一主表面のアライメントマーク13表面に形成された第二Au層52部分にのみ図8(b)に示すようにフラックスを塗布し、FCパッド11表面に形成された第一Au層51には、フラックスを塗布しない。尚、フラックス塗布は、メタルマスクによるスクリーン印刷法により行ってもよい。
【0050】
第一ハンダ印刷工程後、このような処理を施すのは、光学読取装置7にてアライメントマーク13の形状を光学的に精度よく読み取るためである。
第一実施例では、上述のようにハンダバンプ18の形状に合わせて、塗布するハンダペーストの種類を選択しているから、そのまま同種類のハンダペースト41をアライメントマーク13表面に形成された第二Au層52に印刷してリフローするだけでは、第二ハンダ層が図10(a)に示すように盛り上がってしまい、この結果として光学読取装置7からの入射光が第二ハンダ層20表面で散乱し、反射光にてアライメントマーク13の形状を光学的に精度よく読み取れなくなってしまう(図10(b))。
【0051】
そこで、本実施例では、FCパッド11表面に形成された第一Au層51にはフラックスを塗布しないことにより、該第一Au層51に印刷したハンダペースト41がリフロー時に必要以上に濡れ広がらないようにして、ソルダーレジスト層14より突出する形状のハンダバンプ18を形成できるようにし、一方で、アライメントマーク13表面に形成された第二Au層52にはフラックスを塗布することにより、交差部13aに印刷したハンダペースト41がリフロー時に第二Au層52表面全面に均一濡れ広がるようにし、第二ハンダ層20の上面を平坦に形成できるようにしている。
【0052】
このようにしてフラックス塗布工程が完了すると、基板本体10を裏返し、第一主表面を下側にして載置台47に載置した後に、BGAパッド12に対応するパターンの貫通孔を有するメタルマスク49を、基板本体10の第二主表面に載置し、この後、メタルマスク49の上面からハンダペースト41を塗布することにより、貫通孔を介してBGAパッド12表面に形成された第一Au層51表面にハンダペースト41を直接印刷する(第二ハンダ印刷工程)。尚、図6(c)は、BGAパッド12表面に形成された第二Au層52表面にハンダペースト41を印刷する際における基板本体10の態様を表した説明図である。
【0053】
上記FCパッド11へのハンダ印刷時と同様、第二ハンダ印刷工程においては、BGAパッド12用に貫通孔の開口径、厚みなどを設定して上記メタルマスク49を形成し、そのメタルマスク49を用いることにより、ハンダペースト41の印刷量を、配線基板完成時のハンダボール取付用ハンダ層19の上面がソルダーレジスト層14上面より低くなる量に調整している。
【0054】
また、上記載置台47は、基板本体10の第一主表面のFCパッド11が形成された中央部に接触しないようにして、FCパッド11が形成されていない基板本体10の端部を支持する構成にされており、本実施例では、この載置台47を用いて、FCパッド11及びアライメントマーク13を有する第一主表面、BGAパッド12を有する第二主表面の順にハンダ印刷を行うことにより、基板本体10の第一主表面に印刷されたハンダペースト41を崩さずに両面のハンダ印刷を行うようにしている。
【0055】
この後、リフロー工程において、両面がハンダ印刷された基板本体10をリフロー炉内に収容し(図6(d))、そのリフロー炉内でハンダペースト41を加熱してリフローすることにより、図7(c)に示すようにFCパッド11表面上にフリップチップ実装用のハンダバンプ18を形成し、図8(c)に示すようにアライメントマーク13表面上に、上面が平坦な第二ハンダ層20を形成し、BGAパッド12表面上にハンダボール取付用ハンダ層19を形成する。以上のような工程を経て配線基板1は完成する。
【0056】
また、このように製造された配線基板1のFCパッド11には、周知の技法にて、ICチップ3が載置された状態で、ハンダバンプ18が溶解され、これによりICチップ3がFCパッド11に接合される。この他、配線基板1のBGAパッド12には、ハンダボール5が載置された状態で、ハンダボール取付用ハンダ層19が溶解され、これによりハンダボール5がBGAパッド12に接合される。また同時に、ハンダボール5はプリント基板9(マザーボード等)の入出力端子と接合され、これにより配線基板1は、プリント基板9(マザーボード等)に接合される。
【0057】
以上、配線基板1の構成、及びその製造方法について説明したが、この配線基板1によれば、アライメントマーク13表面上に第二Au層52を介して第二ハンダ層20を形成しているので、従来のようにNiメッキ層を形成しなくても、製造コストの観点より制約される第二Au層52の層厚に係わりなく、光学読取装置7にてアライメントマーク13の位置を精度よく読み取ることができる。
【0058】
特に、第一実施例では、FCパッド11表面に形成された第一Au層51表面へのハンダ印刷と同時に、同じハンダペースト41を用いてアライメントマーク13表面に形成された第二Au層52表面にハンダ印刷を行い、第二ハンダ層20を形成しているから、配線基板1の製造工程数が少なくてすみ、その第二Au層52表面の被覆が簡便に行える。
【0059】
また、第一実施例では、ハンダペースト41を印刷した後、アライメントマーク13表面に形成された第二Au層52表面にフラックスを塗布することによって、該第二Au層52表面に印刷したハンダペーストのハンダ濡れ性を良くし、第二ハンダ層20が、ソルダーレジスト層14の上面より低く、しかも上面全体が平坦になるようにしているので、光学読取装置7でのアライメントマーク13の読み取りが良好に行える。
【0060】
つまり、上記製造方法で作製した配線基板1では、アライメントマーク13表面の第二ハンダ層20の上面が、図4(b)に示すように平坦状になるから、光学読取装置7は、図1に示すように照射光をアライメントマーク13に当てて、そのアライメントマーク13を読み取った場合、図4(c)にしめすように、そのアライメントマーク13の形状を、実際の形状(点線)と略同様の実線形状のように認識することができる。したがって、第一実施例の製造方法で作製した配線基板1においては、光学読取装置7がアライメントマーク13を正確に読み取れないためICチップを実装できないなどといった事態が発生するのを防止することができる。
【0061】
また、本実施例の配線基板1では、第二ハンダ層20の上面がソルダーレジスト層14の上面よりも低くなるように形成されているので、ICチップ3等のアセンブリの際に、第二ハンダ層20が邪魔にならなくて済む。
尚、本実施例では、アライメントマーク13が十字形状の配線基板1及びその製造方法について説明したが、本発明は、その他の形状(三角形状など)のアライメントマークを有する配線基板にも適用することが可能である。
【0062】
また、配線基板1を製造する際には、必ずしも上記手順でフラックスを塗布しなくてもよく、第一ハンダ印刷工程とフラックス塗布工程との順序を入れ替えてもよい。つまり、フラックス塗布工程として、ハンダ印刷前のアライメントマーク13表面に形成された第二Au層52表面にフラックスの塗布を行い、この後に、第一ハンダ印刷工程として、FCパッド11表面に形成された第一Au層51表面及びアライメントマーク13表面に形成された第二Au層52表面に上記方法でハンダペースト41を印刷してもよい。
【0063】
このようにフラックス塗布をハンダ印刷前に行っても、フラックス塗布後にハンダ印刷を行う上記第一実施例と同様に、配線基板1を製造することができて、第一実施例の製造方法と同様の効果を得ることができる。
その他、図9に示すような手順で第二ハンダ層20を形成してもよい。図9は、配線基板1の製造に適用可能な製造方法の第二実施例に関して、特にアライメントマーク13上の第二ハンダ層20の形成過程を表す説明図である。以下では、第二実施例について、第一実施例とは異なる部分を主に説明することにし、同一部分に関しては省略することにする。
【0064】
第二実施例では、まず、上述の第一実施例と同様、基板作製工程にて図5(a)に示すような基板本体10を作製し、この後に、洗浄工程として、図5(b)に示すように、パッド11,12及びアライメントマーク13表面を洗浄する。そして、洗浄工程の後、Auメッキ工程にて、それぞれパッド11,12及びアライメントマーク13表面に対して、直接Auメッキを施し、それぞれ第一Au層51および第二Au層52を形成させる。
このAuメッキ工程を終えると続く第一ハンダ印刷工程にて、図6(a)に示すようにFCパッド11表面に形成された第一Au層51表面にハンダペースト41を直接印刷し、同時に、アライメントマーク13表面に形成された第二Au層52表面にも、フラックス塗布を行うことなくハンダペースト41を直接印刷する(図9(a))。そして、メタルマスク45を取り除く(図9(b))。尚、図9(a)は、第一ハンダ印刷工程におけるハンダペースト41の塗布態様を表す説明図であり、図9(b)は、第一ハンダ印刷工程完了後のアライメントマーク13表面の構成を表す説明図である。この第一ハンダ印刷工程において、第一Au層51表面及び第二Au層52表面には同一種類のハンダペースト41が印刷される。
【0065】
第一ハンダ印刷工程を終えると、フラックス塗布工程をスキップして、第二ハンダ印刷工程に処理を移行し、その第二ハンダ印刷工程にて、BGAパッド12表面に形成された第一Au層51表面にハンダペースト41を直接印刷する(図6(c))。また、この第二ハンダ印刷工程後、リフロー工程にて、FCパッド11表面上及びBGAパッド12表面上及びアライメントマーク13表面上のハンダペースト41をリフローする(図6(d))。
【0066】
この状態において、FCパッド11表面上にはハンダバンプ18が完成し、BGAパッド12表面上にはハンダボール取付用ハンダ層19が完成する。一方、アライメントマーク13表面上には、フラックスを塗布せずにリフローしたので、全体的に盛り上がった形状の未完成の第二ハンダ層20’が形成される(図9(c))。尚、図9(c)は、リフロー工程後のアライメントマーク13表面の構成を表す説明図である。
【0067】
勿論、この状態では光学読取装置7でのアライメントマーク13の読取が好ましくないので、第二実施例では、リフロー工程後、図9(d)に示すように、アライメントマーク13表面に形成された第二Au層52にフラックスを塗布する(フラックス塗布工程)。尚、図9(d)は、リフロー工程後のアライメントマーク13表面に形成された第二Au層52表面へのフラックス塗布の態様を表す説明図である。
【0068】
そして、このフラックス塗布後に、再度、基板本体10をリフロー炉内に収容して、ハンダバンプ18、ハンダボール取付用ハンダ層19と共に、フラックスが塗布された未完成の第二ハンダ層20’をリフローする(再リフロー工程)。このようにフラックス塗布後、アライメントマーク13表面上の第二ハンダ層20’を再度リフローすると、未完成の第二ハンダ層20’は、図9(e)に示すように、アライメントマーク13表面に形成された第二Au層52全面に濡れ広がり、上面が平坦状の第二ハンダ層20が完成する。そして、配線基板1は完成する。
【0069】
以上、第二実施例について説明したが、この製造方法では、基板作製工程、洗浄工程、Auメッキ工程、第一ハンダ印刷工程、第二ハンダ印刷工程、リフロー工程、フラックス塗布工程、再リフロー工程の順に各工程を行うことにより、配線基板1を製造しているため、第一実施例の製造方法と比較すると、二度のリフロー工程をおこわなければならないという欠点がある。しかしながら、フラックス塗布をリフロー工程の後に行えばよいので、製造ラインを、既存の製造ラインから変更して組み立てるのが容易で、便利である。
【0070】
尚、本発明の第一ハンダ層は、上記実施例のFCパッド11上のハンダバンプ18や、BGAパッド12上のハンダボール取付用ハンダ層19に相当する。また、本発明の導体パターンは、上記実施例のアライメントマーク13に相当する。また、本発明の第二リフロー工程は、上記実施例の再リフロー工程に相当する。
【0071】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の配線基板及びその配線基板の製造方法は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、FCパッド11が形成された基板本体10の第一主表面のアライメントマーク13表面上に第二Au層52を介して第二ハンダ層20を形成した配線基板1の例について説明したが、勿論、BGAパッド12側にアライメントマークが形成されている場合には、そのアライメントマークにも、上記実施例と同様の手順で、第二ハンダ層を形成するのが良い。
【0072】
この他、ハンダバンプ18及びハンダボール取付用ハンダ層19及び第二ハンダ層20には、Sn−AgやSn−Ag−Cu等の共晶ハンダを用いても構わない。
【0073】
また、上述した配線基板1の製造に適用可能な製造方法の実施例は、配線基板1の製造に限定されるものではない。具体的には、リフロー工程における過度のAu流れに起因して、最終的に製造される配線基板において、Auメッキ工程にて形成した第一Au層や第二Au層すべてが消滅したり部分的に残存するような形態となるものに対しても上記実施例は上記同内容の効果をもって有為に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の配線基板1の側面の構成を表す概略側面図。
【図2】 基板本体10の第一主表面及び第二主表面の構成に関する説明図。
【図3】 配線基板1の断面の構成を概略的に表す概略断面図。
【図4】 アライメントマーク13の構成に関する説明図。
【図5】 第一実施例の配線基板1の製造方法に関する説明図。
【図6】 第一実施例の配線基板1の製造方法に関する説明図。
【図7】 ハンダバンプ18の形成過程を表す説明図。
【図8】 第二ハンダ層20の形成過程を表す説明図。
【図9】 第二実施例の配線基板1の製造方法に関する説明図。
【図10】 第二ハンダ層を盛り上げて形成した際における第二ハンダ層120の構成を表す概略断面図(同図(a))と、そのアライメントマークの読取結果に関する説明図(同図(b))。
【符号の説明】
1…配線基板、3…ICチップ、5…ハンダボール、7…光学読取装置、9…プリント基板、10…基板本体、11…FCパッド、12…BGAパッド、13…アライメントマーク、13a…交差部、14…ソルダーレジスト層、15,16,17…凹部、18…ハンダバンプ、19…ハンダボール取付用ハンダ層、20…第二ハンダ層、21…基体、22,23,26,33…銅メッキ、25…銅箔、27…充填材、29,35…樹脂絶縁層、31…ビア、41…ハンダペースト、43,44…貫通孔、45,49…メタルマスク、47…載置台、51…第一Au層、52…第二Au層

Claims (4)

  1. 配線構造を有する基板本体と、
    該基板本体表面に配列された銅製のパッドと、
    該パッド表面に接触し、かつ、該パッド表面を被覆する第一Au層と、
    該第一Au層の直上に位置し、かつ、前記パッド表面を被覆する第一ハンダ層と、
    前記基板本体表面に形成された該基板本体の基準位置を表す銅製の導体パターンと、
    該導体パターン表面に接触し、かつ、該導体パターン表面を被覆する第二Au層と、
    該第二Au層の直上に位置し、かつ、前記導体パターン表面を被覆する第二ハンダ層と、
    を備えることを特徴とする配線基板。
  2. 前記パッドおよび前記導体パターンは、それぞれの周縁が前記基板本体表面に形成されたソルダーレジスト層に包囲されており、
    前記導体パターン表面を被覆する前記第二ハンダ層は、その上面が前記ソルダーレジスト層の上面よりも低くなるように形成されてなることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 配線構造を有する基板本体の表面に配列された銅製のパッド、および、該基板本体表面に形成された該基板本体の基準位置を表す銅製の導体パターンの表面に、それぞれAu層およびハンダ層をこの順序にて積層形成させる配線基板の製造方法であって、
    前記基板本体に形成された前記パッドおよび前記導体パターンの表面に、直接、Auメッキを施し、前記Au層を形成するAuメッキ工程と、
    該Auメッキ工程の後、前記Au層の表面に、ハンダペーストを直接印刷するハンダ印刷工程と、
    前記Auメッキ工程の後、前記導体パターンの表面に形成された前記Au層の表面にフラックスを塗布するフラックス塗布工程と、
    前記ハンダ印刷工程および前記フラックス塗布工程の後に、前記ハンダペーストをリフローし、前記ハンダ層を形成するリフロー工程と、
    を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
  4. 配線構造を有する基板本体の表面に配列された銅製のパッド、および、該基板本体表面に形成された該基板本体の基準位置を表す銅製の導体パターンの表面に、それぞれAu層およびハンダ層をこの順序にて積層形成させる配線基板の製造方法であって、
    前記基板本体に形成された前記パッドおよび前記導体パターンの表面に、直接、Auメッキを施し、前記Au層を形成するAuメッキ工程と、
    前記Auメッキ工程の後、前記Au層の表面に、ハンダペーストを直接印刷するハンダ印刷工程と、
    該ハンダ印刷工程の後、前記ハンダペーストをリフローする第一リフロー工程と、
    該第一リフロー工程の後、前記導体パターンの表面に形成された前記Au層の表面にフラックスを塗布するフラックス塗布工程と、
    該フラックス塗布工程の後、前記フラックスが塗布された前記Au層の表面のハンダをリフローし、前記パッドおよび前記導体パターンの表面上に、前記ハンダ層を形成する第二リフロー工程と、
    を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
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