JP3898444B2 - トリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトリガー式の液体噴出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば特開平2000-157897 号が示すように、縦筒の前面からシリンダを、かつ上端から射出筒を、それぞれ前方突出すると共に、それ等縦筒および射出筒の上部および左右両側面とシリンダ基部の左右両側面とをカバーで覆合し、かつ該カバー後部を縦筒後方へ延長するボディ本体と、
上記シリンダ内へ後端部を前方付勢させて嵌合させ、かつ前部をシリンダ前方へ突出するプランジャと、
上記射出筒前部へ上端部を枢着させて下前方へ突出させ、かつ上記プランジャ前端を上部後面へ係合させたトリガーと、
上記ボディ本体下面から、縦筒下端を囲成させて垂下した嵌着筒内へ、大径基筒部を、かつ縦筒内へ、上記大径基筒部の頂壁を貫通して起立する送液管を、それぞれ嵌着させたインテークと、
上記嵌着筒下方へ垂下させた大径基筒部下部から突出する外向きフランジの外周部上面へ、容器体口頸部外面への嵌合用嵌合筒上端に付設した内向きフランジを係合させた装着筒部材と、を主要部材とする合成樹脂製のトリガー式液体噴出器が広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記トリガー式液体噴出器は、トリガー下部の後方引寄せと解放とによる、プランジャの後退と前進とでシリンダ内および射出筒内を高圧化させて、シリンダ内液体を射出筒前端に嵌合させたノズル筒から噴出すると共に、そのシリンダ内を負圧化させて装着筒を嵌合させた容器体内液体を、インテーク下端から垂設した吸上げパイプを介してシリンダ内へ吸上げ可能としている。
【0004】
該噴出器は、従来容器体に装着された状態で販売され、容器体内液体が無くなったとき容器体と共に廃棄されていたが、近時は容器体内液体が無くなると、再度液体を容器体内へ補充する等して噴出器を再使用することが多い。該噴出器は合成樹脂製の複数部材を組付けて形成しているから、上記のような再使用によりトリガーの操作回数が増えると既述インテークに対してボディ本体が浮上がって液洩れその他種々の欠点を来すことが判明した。
【0005】
その原因は恐らく、ボディ本体とインテークとが共に弾性を有する合成樹脂製であって、かつ送液管と縦筒とがそれ等の機能上小径となるに対して、トリガー引寄せによるプランジャ後退時における、上記縦筒および送液管の各上部を射出筒が前方へ引く力が大であるために、それ等送液管および縦筒が前方へ僅かに弯曲し、又トリガー解放時に弾性復元することの反復により、送液管に対して縦筒が目測できない程度に僅かづつ引上げられることによるものと考えられる。
【0006】
上記欠点はインテークの肉厚を大として全体の剛性を高めることでも除去できると考えられるが、本発明は上記送液管と大径基筒部の頂壁とを連続する頂壁部分一部に透孔を穿設して、該透孔内に、縦筒下端面一部から延長させた係合板を貫通垂下させることで、該係合板によりインテークに対するボディ本体の浮上りを防止するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として縦筒3の前面からシリンダ4を、かつ上端から射出筒5を、それぞれ前方突出すると共に、それ等縦筒および射出筒の上部および左右両側面とシリンダ基部の左右両側面とをカバー6で覆合するボディ本体2と、
上記シリンダ内へ後端部を嵌合させ、かつ前部をシリンダ前方へ突出するプランジャ11と、
上記射出筒前部へ上端部を枢着させて下前方へ突出させ、かつ上記プランジャ前端を上部後面へ係合させたトリガー21と、
上記ボディ本体下面から、縦筒3下端を囲成させて垂下した嵌着筒9内へ、大径基筒部32を、かつ縦筒3内へ、上記大径基筒部の頂壁33を貫通して起立する送液管34を、それぞれ嵌着させたインテーク31と、
上記嵌着筒下方へ垂下させた大径基筒部32部分から突出する外向きフランジ41の外周部上面へ、容器体口頸部外面への嵌合筒52上端に付設した内向きフランジ53を係合させた装着筒51と、
を主要部材とする合成樹脂製のトリガー式液体噴出器において、
上記送液管34前面部と大径基筒部の頂壁33とを連続する頂壁部分に、透孔61を穿設して、該透孔内へ、上記縦筒3の前部下端面から延長した係合板62を送液管前面に沿い貫通させて、該係合板下端面を、上記大径基筒部32下端面とほぼ同一ないし該下端面よりも下方に位置させた。
【0008】
第2の手段として、上記第1の手段を有すると共に縦筒3の前面からシリンダ4を、かつ上端から射出筒5を、それぞれ前方突出すると共に、それ等縦筒および射出筒の上部および左右両側面とシリンダ基部の左右両側面とをカバー6で覆合するボディ本体2と、
上記シリンダ内へ後端部を嵌合させ、かつ前部をシリンダ前方へ突出するプランジャ11と、
上記射出筒前部へ上端部を枢着させて下前方へ突出させ、かつ上記プランジャ前端を上部後面へ係合させたトリガー21と、
上記ボディ本体下面から、縦筒3下端を囲成させて垂下した嵌着筒9内へ、大径基筒部32を、かつ縦筒3内へ、上記大径基筒部の頂壁33を貫通して起立する送液管34を、それぞれ嵌着させたインテーク31と、
上記嵌着筒下方へ垂下させた大径基筒部32部分から突出する外向きフランジ41の外周部上面へ、容器体口頸部外面への嵌合筒52上端に付設した内向きフランジ53を係合させた装着筒51と、
を主要部材とする合成樹脂製のトリガー式液体噴出器において、
上記頂壁33下方へ垂下する送液管部分34a 外方に、該送液管部分の全体ないし一部を二重壁とする、筒状ないし板状の外壁板32a を頂壁下面から垂下させ、該外壁板32a と該外壁板に対向する上記送液管部分34a との間の頂壁部分に透孔61を穿設して該透孔内へ、上記縦筒3下端から延長させた係合板62を貫通させて、該係合板下端面を上記大径基筒部32下端面とほぼ同一ないし該下端面よりも下方に位置させた。
【0009】
第3の手段として、上記第1又は第2の手段を有すると共に上記係合板62の内面ないし外面へ係合突条63を横設して、該係合突条を、上記透孔61の下面外縁、ないし送液管34又は外壁板の下端面34b,32a へ係合させた。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面図1が示す第1実施形態について説明すると、1はトリガー式液体噴出器の全体を示す。該噴出器は従来と同様ボディ本体2と、プランジャ11と、トリガー21と、インテーク31と、装着筒51とを主要部材とする。本発明特徴はインテーク31とボディ本体2との連結方法にあり、その他部分は従来と同様であるから、まず公知部分について簡単に説明する。
【0011】
ボディ本体2は、縦筒3の前面からシリンダ4を、かつ上端から射出筒5を、それぞれ前方突出すると共に、それ等縦筒および射出筒の上部および左右両側面とシリンダ基部の左右両側面とをカバー6で覆合し、かつ該カバー後部を縦筒3後方へ延長している。尚上記射出筒5前方には連結筒7を嵌合させ、該連結筒前部にノズル筒8を嵌合させている。
【0012】
プランジャ11は、上記シリンダ内へ前方付勢させて後部12を嵌合させ、かつ前部13をシリンダ4前方へ突出させている。
【0013】
トリガー21は上記射出筒5前部へ上端部を枢着させて下前方へ突出させ、かつトリガー上部後面に付設した突部22後端へプランジャ前端を係合させている。
【0014】
インテーク31は、上記ボディ本体下面から縦筒3下端を囲成させて垂下した嵌着筒9内へ大径基筒部32を、かつ縦筒3内へ上記大径基筒部の頂壁33を貫通して起立する送液管34を、それぞれ嵌着させるが、図示例で送液管34は、頂壁33後部に設けた有底穴の底板中心に貫設させ、該有底穴の内周壁面と該有底穴内の送液管部分との間に上面開口のリング状凹溝42を周設させて貫設させ、該凹溝内へ縦筒3下部を嵌合させている。
【0015】
送液管34の中間やや下方寄り部分には吸込み弁35を設けており、かつ送液管下部内には容器体内へ垂下させる吸上げパイプ36を垂下する。又送液管上部内へは吐出弁部材37を設けており、中間やや上方より部分前部の送液管および縦筒部分に透孔38、39を穿設させて該送液管内とシリンダ内とを連通させている。送液管34の上部前面にも射出筒内と連通する透孔40を穿設している。
【0016】
装着筒51は、上記嵌着筒9下方へ垂下する大径基筒部32部分外面へ付設した外向きフランジ41の外周部上面へ、容器体口頸部外面へ嵌合させるよう設けた嵌合筒52上端に付設した内向きフランジ53を係合させている。
【0017】
上記各部材はそれぞれ合成樹脂材で形成しており、装着筒51を容器体の口頸部外面へ嵌合させておき、トリガー21の操作によるプランジャ11の後退および前進で容器体内液体を吸込み弁35を介してシリンダ4内へ吸込み、かつ吐出弁部材が形成する吐出弁を介して射出筒5前端のノズル筒8から噴出可能としてる。
【0018】
本発明にあっては、既述送液管34前面部と大径基筒部32の頂壁33とを連続する頂壁部分に透孔61を穿設して、該透孔内へ上記縦筒3の前部下端面から延長した係合板62を送液管前面に沿い貫通させて該係合板下端面を上記大径基筒部32下端とほぼ同一ないし該下端面よりも下方に位置させた。その係合板62の外面には図示のように係合突条63を横設して該係合突条を透孔の下面外縁へ係合させてもよく、又その係合板を送液管34の下端よりも下方まで垂下させて、その係合板下端内面に付設した係合突条を送液管の下端面34b へ係合させてもよい。
【0019】
図2は第2実施形態を示すもので、頂壁33下方へ垂下する送液管部分34a 後方の大径基筒部32の周壁部分を上記送液管部分の後面へ小間隙を介して近接させておき、又その小間隙上方の頂壁33部分へ透孔61を穿設して、該透孔内へ縦筒下端面から垂下させた係合板62を挿通させ、その小間隙内へ係合板下部を嵌合させたものである。該図2の場合は係合板下端外面へ横設した係合突条63を大径基筒部32後部の下端面へ係合させている。
【0020】
図示例にあっては頂壁33下方へ垂下する送液管部分の後部は、該送液管部分後部と上記大径基筒部の後部とが二重壁を形成することとなるが、その大径基筒部の後部を共用部分として、頂壁下面から筒状ないし板状の外壁板を垂下させて、かつ該外壁板と該外壁板に対向する送液管部分との間の頂壁部分に透孔を穿設して、該透孔内へ、上記縦筒3下端から延長垂下させた係合板を貫通させて大径基筒部32の下端面とほぼ同一ないし該下端面よりも下方まで垂下させてもよい。又この場合はその係合板下端の内面ないし外面へ係合突条を横設して該係合突条を送液管34又は外壁板の下端面へ係合させることが望ましい。図示例の場合は、大径基筒部32の後部が上記外壁板32a を兼用することとなる。
【0021】
上記構成において、トリガー式液体噴出器を容器体口頸部に装着させ、トリガー21を引寄せ操作すると、プランジャ11後方押込みによりトリガー上端の枢着部23が射出筒5を前方へ引くこととなり、すると、本来ボディ本体2は大径基筒部32の前部下端を支点としてインテーク31に対して浮上りする方向へ力が加わる筈であるが、既述のようにボディ本体の縦筒3下面から係合板62を大径基筒部32の下端面とほぼ同一ないし下方まで垂設したことで、ボディ本体2がインテーク31に対して浮上ることを防止することが出来ることとなる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は既述構成とするものであり、各請求項記載のように形成することでインテーク31に対するボディ本体2の浮上りを防止でき、よってトリガー操作回数が増大しても液洩れ等の欠点をなくして液体噴出器の耐久性を向上できる。
【0023】
特に請求項1の場合は、従来のボディ本体およびインテークに対する変更箇所が少なくてよい便利がある。
【0024】
請求項3のようにすることで、上記インテークに対するボディ本体浮上り防止を更に確実にすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトリガー式液体噴出器の断面図である。
【図2】 第2実施形態で示す、トリガー式液体噴出器の断面図である。
【符号の説明】
2…ボディ本体 3…縦筒
11…プランジャ 21…トリガー
31…インテーク 51…装着筒
Claims (3)
- 縦筒3の前面からシリンダ4を、かつ上端から射出筒5を、それぞれ前方突出すると共に、それ等縦筒および射出筒の上部および左右両側面とシリンダ基部の左右両側面とをカバー6で覆合するボディ本体2と、
上記シリンダ内へ後端部を嵌合させ、かつ前部をシリンダ前方へ突出するプランジャ11と、
上記射出筒前部へ上端部を枢着させて下前方へ突出させ、かつ上記プランジャ前端を上部後面へ係合させたトリガー21と、
上記ボディ本体下面から、縦筒3下端を囲成させて垂下した嵌着筒9内へ、大径基筒部32を、かつ縦筒3内へ、上記大径基筒部の頂壁33を貫通して起立する送液管34を、それぞれ嵌着させたインテーク31と、
上記嵌着筒下方へ垂下させた大径基筒部32部分から突出する外向きフランジ41の外周部上面へ、容器体口頸部外面への嵌合筒52上端に付設した内向きフランジ53を係合させた装着筒51と、
を主要部材とする合成樹脂製のトリガー式液体噴出器において、
上記送液管34前面部と大径基筒部の頂壁33とを連続する頂壁部分に、透孔61を穿設して、該透孔内へ、上記縦筒3の前部下端面から延長した係合板62を送液管前面に沿い貫通させて、該係合板下端面を、上記大径基筒部32下端面とほぼ同一ないし該下端面よりも下方に位置させた
ことを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - 縦筒3の前面からシリンダ4を、かつ上端から射出筒5を、それぞれ前方突出すると共に、それ等縦筒および射出筒の上部および左右両側面とシリンダ基部の左右両側面とをカバー6で覆合するボディ本体2と、
上記シリンダ内へ後端部を嵌合させ、かつ前部をシリンダ前方へ突出するプランジャ11と、
上記射出筒前部へ上端部を枢着させて下前方へ突出させ、かつ上記プランジャ前端を上部後面へ係合させたトリガー21と、
上記ボディ本体下面から、縦筒3下端を囲成させて垂下した嵌着筒9内へ、大径基筒部32を、かつ縦筒3内へ、上記大径基筒部の頂壁33を貫通して起立する送液管34を、それぞれ嵌着させたインテーク31と、
上記嵌着筒下方へ垂下させた大径基筒部32部分から突出する外向きフランジ41の外周部上面へ、容器体口頸部外面への嵌合筒52上端に付設した内向きフランジ53を係合させた装着筒51と、
を主要部材とする合成樹脂製のトリガー式液体噴出器において、
上記頂壁33下方へ垂下する送液管部分34a 外方に、該送液管部分の全体ないし一部を二重壁とする、筒状ないし板状の外壁板32a を頂壁下面から垂下させ、該外壁板32a と該外壁板に対向する上記送液管部分34a との間の頂壁部分に透孔61を穿設して該透孔内へ、上記縦筒3下端から延長させた係合板62を貫通させて、該係合板下端面を上記大径基筒部32下端面とほぼ同一ないし該下端面よりも下方に位置させた
ことを特徴とする、トリガー式液体噴出器。 - 上記係合板62の内面ないし外面へ係合突条63を横設して、該係合突条を、上記透孔61の下面外縁、ないし送液管34又は外壁板の下端面34b,32a へ係合させた
ことを特徴とする請求項1又は2記載のトリガー式液体噴出器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000401026A JP3898444B2 (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | トリガー式液体噴出器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000401026A JP3898444B2 (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | トリガー式液体噴出器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002200444A JP2002200444A (ja) | 2002-07-16 |
JP3898444B2 true JP3898444B2 (ja) | 2007-03-28 |
Family
ID=18865518
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000401026A Expired - Lifetime JP3898444B2 (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | トリガー式液体噴出器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3898444B2 (ja) |
-
2000
- 2000-12-28 JP JP2000401026A patent/JP3898444B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JP2002200444A (ja) | 2002-07-16 |
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