JP3942830B2 - 液体噴出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は交換用の容器体及び該容器体を使用した液体噴出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体噴出容器として、液を充填した容器体と、口頚部に装着キャップを嵌合させて着脱自在に容器体に装着するとともに、装着キャップ上端より上方付勢状態で上下動可能にステムを突設し、ステム上端にノズル付き噴出ヘッドを装着固定してなるものが知られている。これらは噴出ヘッドの上下動により内蔵ポンプ機構の作用で装着した容器体内の液を噴出口より外部へ噴出する如く構成したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のこの種容器は、収納液を使い切った後全体を廃棄する様構成されたものが一般的であるが、近年の廃棄物の処理事情により極力その量,嵩を減少すべく努力が払われるようになり、薄肉に構成された詰め替え用の簡易ボトルを用いて収納液のみを補充する如く構成したものが商品化されている。
【0004】
この様な簡易ボトルは廃棄物の量,嵩を減少するという目的を達成できるものではあるが、詰め替えの際にはポンプを外した容器体に液を注入し、再びポンプを装着するという手順が必要となり、容器体内への液の移し替え等面倒が伴い、また、液を外部に零す等の不都合を生じる虞もある。
【0005】
本発明はこの様な事情を考慮してなされたもので、そのままポンプに装着して使用しても安定してポンプを支持することができるとともに、廃棄の際にその重量,嵩をできるだけ少ないものとすることができ、しかも交換も容易に行える交換用の容器体を提案することを目的とするものである。
【0006】
また、本発明の目的のいま一つは、収納液を使い切った際に簡単に容器体の交換を行うことができ、しかも廃棄物の量,嵩をできるだけ少ないものとすることが可能な液体噴出器を提案することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として、全体を合成樹脂により形成するとともに、筒状胴部3の後半部を薄肉部3aに形成し、且つ、薄肉部以外の胴部3b上面より口頸部4を起立してなることを特徴とする交換用容器体として構成した。
【0008】
第2の手段として、上記容器体2と、該容器体内に下端の吸引口21を連通して装着するとともに、上端の噴出ヘッド22の上下動により容器体内の液を吸い上げて噴出口23より噴出する如く構成したポンプ9とを備え、口頸部4上端開口を閉塞して設けたシール材6を破断貫通したカッター14を下端部に有するとともに、容器体に着脱自在に装着した螺筒7に螺動下降させて装着した連結部材8を介してポンプ9を容器体2に装着してなることを特徴とする液体噴出器として構成した。
【0009】
第3の手段として、前記第2の手段に於いて、上記螺筒7が、下端縁より内方へ延設したフランジ10上面内周縁より、周方向間隔をあけて複数立設した弾性片11を口頸部外周に圧接係止して着脱可能に固定した螺筒であり、上記連結部材8が、螺筒外周に螺着させた外周壁16をフランジ17を介して内周壁18外面より延設するとともに、内周壁18下端縁より通液用窓孔19を穿設した三角錐板状の上記カッター14を延設してなる連結部材8であり、上記ポンプ9が、連結部材8外周上部に装着筒26を嵌合させて上方より連結部材8に嵌着固定するとともに、下端部外面を内周壁18下端部内面に密嵌させたポンプである液体噴出器として構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
本発明の交換用の容器体はポンプを着脱可能に装着して使用し、収納液を使い切った際に新たな容器体と交換するためのもので、廃棄の際にはその重量,嵩を少なく行えるものである。
【0012】
図1は一実施例を示し、容器体2は全体を合成樹脂により形成するとともに、筒状胴部3の後半部を薄肉部3aに形成し、また、薄肉部以外の胴部3上面より口頸部4を起立して構成している。また、口頸部4上端部から外方へフランジ5を延設している。従って、ポンプを装着して収納液を使用すれば、内圧が減少して薄肉部3aが内方へ凹んでいき、理想的には薄肉部以外の部分の内面に最終的に重なる如く変形する。薄肉部3aの程度としては、具体的に体積500mlに対し樹脂量5〜40g程度の肉厚を目安とすると良いが、これに限られない。また、薄肉部以外の胴部3bの肉厚としては、従来の一般的な合成樹脂容器の肉厚程度が目安となる。但し、薄肉部の変形前・後に拘わらず起立状態を維持でき、また、座屈強度の大きい厚みとする。また、胴部3は図示例の如く円筒状のものに限らず、種々の筒状胴部を採用できる。
【0013】
容器体2は交換用であるため、常時は液を収納して上端開口を閉塞しておく。上端開口の閉塞は種々の形態をとれるが、図示例の如くシール材6を設けても良い。シール材6を設ける場合、後述する様なカッターを有するポンプを使用した場合と、カッターのないポンプを使用する場合とがあり、前者では比較的容易に押圧破断できる材質で構成したもので、剥がれないように融着,接着等の適宜手段により周縁部を口頸部4上面に固着させておく。また、後者の場合には粘着等の方法で剥離可能に固着させ、縁部より指掛け用の突片を突設しておくと良い。更に後者の場合には、シール材に代えて通常形態のキャップを設けることも可能である。
【0014】
また、本発明の液体噴出器は、上記した如きシール材6を備えた容器体2に、シール材を破断貫通したカッター付き連結部材を介してポンプを着脱可能に装着したものであり、容器体の交換に当たり自動的にシール材を破断して液の噴出が可能に新たな容器体を装着することができる如く構成したものである。また、この様な連結部材の装着をより行い易くする目的で、容器体に着脱自在に設けた螺筒に螺動下降させて連結部材を装着する如く構成している。シール材は比較的押圧破断が容易なものを選択するものの、保管時の液密性等を考慮すればその破断開口は面倒が伴うため、螺着時の力の強さを利用してシール材を破断貫通する如く構成している。
【0015】
図2は液体噴出器Aの一実施例を示し、該噴出器は、上記した容器体2と、螺筒7と、連結部材8と、ポンプ9とを備えている。
【0016】
螺筒7は、下端縁より内方へ延設したフランジ10の上面内周縁より、周方向間隔をあけて複数立設した弾性片11を口頸部4外周に圧接係止して着脱可能に容器体2に固定している。また、下部所定幅を残した位置に設けた上向き段部12を介して上部外面を凹ませ、この凹ませた部分に螺条13を設けている。この螺条13は複数条の溝状に設けられているが、これに限られず、一般的な一条の螺条であっても良い。
【0017】
連結部材8は、口頸部4上端開口を閉塞して設けたシール材6を破断貫通したカッター14を下端部に有するとともに、上記螺筒7に螺動下降させて装着したものである。図示例では、内面に上記螺条13と螺合させた複数の突起15を突設した外周壁16をフランジ17を介して内周壁18外面より延設するとともに、内周壁18下端部に延設してシール材6を破断貫通し、且つ、通液用窓孔19を穿設した下向きの三角錐板状のカッター14を備えている。内周壁18の下端部は二股に形成し、その内壁18a を口頸部4内周に密嵌させ、また外壁18b を容器体2のフランジ5外面及び各弾性片11外面に嵌合させている。また、フランジ17上面より上方へポンプを嵌合させるための嵌合筒20を立設している。尚、図中6aはシール材6を破断後の破断片を示す。
【0018】
ポンプ9は、容器体内に下端の吸引口21を連通して装着するとともに、上端の噴出ヘッド22の上下動により容器体内の液を吸い上げて噴出口23より噴出する如く構成した公知のポンプ機構を備えたものを採用できる。ポンプ機構の一例を図示しないで説明すると、シリンダ内に嵌合させたピストンを下部外周より突設したステムの上端に噴出ヘッドを嵌着した作動部材を備え、作動部材をコイルスプリング等により常時上方へ付勢させており、また、シリンダ内下部には吸込弁を、ステム内上部には吐出弁をそれぞれ設けたものが挙げられる。
【0019】
図示例に於けるポンプ9は、下端部外面を内周壁18下端部内面である内壁18a に密嵌させたシリンダ24を有し、該シリンダ上部より頂板25を介して垂設した装着筒26を連結部材8の外周上部である嵌合筒20外周に螺着させて上方より連結部材8に嵌着させている。また、装着筒頂板25の上部に設けた補助筒27を介してシリンダ24内より上方付勢状態で上下動可能にステム28を突出し、該ステム上端に噴出ヘッド22を嵌着している。尚、本実施例では、公知手段により作動部材を押し下げた状態で係止できる如く構成しており、図3乃至図5に於けるポンプ9は、ステム28を押し下げ係止させた状態を示している。
【0020】
上記した液体噴出器Aを使用する場合には、例えば、図2の状態から噴出ヘッド22を押し下げると、ポンプ機構の作用で、シリンダ24内の液が噴出口23より噴出し、また、ヘッドの押圧を解除すると噴出ヘッド22を含む作動部材が上昇して容器体2内の液を吸引口21を介して吸い上げる。収納液を使い切った際には、連結部材8をポンプ9ごと螺筒7より螺脱後、螺筒7を上方へ引き上げて取り外し、次いで、新たな容器体2を用意して上方より螺筒7を装着し、ポンプ付きの連結部材8を螺着させてポンプを装着させる。この際、カッター14によりシール材6を破断貫通し、容器体2内とポンプ下端吸引口21とが通液用窓孔19を介して連通する。
【0021】
図6は本発明の他の実施例を示し、本実施例では、図3の実施例に於いて、下向き三角錐板状のカッターに変えて、下端面を斜めに切り欠いた筒状のカッター14を設けた例を示す。その他の構成は図3の実施例と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。
【0022】
尚、上記各部材は合成樹脂により形成すると良い。
【0023】
【発明の効果】
以上説明した如く第1の手段の交換用の容器体は、液が減少するに伴い薄肉部分が凹んで内容積が減少するため、胴部に広範囲な薄肉部を有するにも拘わらずポンプを安定して支持することができ、しかも廃棄の際にはその重量,嵩を極力少なく行えるものである。
【0024】
また、第2の手段の液体噴出器は、容器体2の口頸部4上端開口を閉塞して設けたシール材6を破断貫通したカッター14を下端部に有し、且つ、容器体2に着脱自在に装着した螺筒13に螺動下降させて装着した連結部材8を介してポンプ9を容器体2に装着しているので、連結部材8は回動しつつ下降してカッター14のシール材6に対する破断力を大きくできるため、容易且つ確実なシール材の破断を行えるものである。
【0025】
また、第3の手段の液体噴出器は、上記構成としたことにより、螺筒13は容器体上方より押し下げることにより或いは装着状態から引き上げることにより極めて容易に着脱でき、また、連結部材8はその外周壁16を螺筒13に螺合させることにより或いは螺着状態から螺脱させるだけで容器体に着脱することができるため、収納液を使い切った際の容器体の交換が極めて迅速且つ容易に行える利点を兼ね備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明容器体の一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の液体噴出器の一実施例を示す一部切欠要部側面図である。
【図3】同実施例の分解斜視図である。
【図4】同実施例のポンプ装着前の斜視図である。
【図5】同実施例の容器体胴部が凹んだ状態の斜視図である。
【図6】本発明の液体噴出器の他の実施例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
2…容器体,3…胴部,3a…薄肉部,3b…薄肉部以外の胴部,4…口頸部,
6…シール材,7…螺筒,8…連結部材,9…ポンプ,10…フランジ,
11…弾性片,14…カッター,15…外周壁,17…フランジ,18…内周壁,
19…窓孔,21…吸引口,22…噴出口,A…液体噴出器
Claims (2)
- 全体を合成樹脂により形成するとともに、筒状胴部3の後半部を薄肉部3aに形成し、且つ、薄肉部以外の胴部3b上面より口頸部4を起立してなる交換用容器体2と、該容器体内に下端の吸引口21を連通して装着するとともに、上端の噴出ヘッド22の上下動により容器体内の液を吸い上げて噴出口23より噴出する如く構成したポンプ9とを備え、口頸部4上端開口を閉塞して設けたシール材6を破断貫通したカッター14を下端部に有するとともに、容器体に着脱自在に装着した螺筒7に螺動下降させて装着した連結部材8を介してポンプ9を容器体2に装着してなることを特徴とする液体噴出器。
- 上記螺筒7が、下端縁より内方へ延設したフランジ10上面内周縁より、周方向間隔をあけて複数立設した弾性片11を口頸部外周に圧接係止して着脱可能に固定した螺筒であり、上記連結部材8が、螺筒外周に螺着させた外周壁16をフランジ17を介して内周壁18外面より延設するとともに、内周壁18下端縁より通液用窓孔19を穿設した三角錐板状の上記カッター14を延設してなる連結部材8であり、上記ポンプ9が、連結部材8外周上部に装着筒26を嵌合させて上方より連結部材8に嵌着固定するとともに、下端部外面を内周壁18下端部内面に密嵌させたポンプである請求項1記載の液体噴出器。
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