JP3897905B2 - ホイールバランスウェイト - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のタイヤホイールに取り付けるホイールバランスウェイトに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などのタイヤをリムに組み込んだホイールアッセンブリ状態において、ホイールアッセンブリの回転軸まわりの周方向および回転軸方向のアンバランスが大きくなると、走行時に振動、騒音等の発生というような不具合が生じるようになる。この振動や騒音はホイールのアンバランスに起因するものであり、このアンバランスを打ち消すためにホイールにバランスウェイトが取り付けられている。
【0003】
従来のホイールバランスウェイトは、あらかじめ所定の重量に調整された鉛や鉛合金からなるウェイト本体と、このウェイト本体をホイールに固定するクリップとが一体に鋳造されたものであった。ここで、ウェイト本体に用いられる鉛や鉛合金は、比重が大きくかつタイヤのホイールの湾曲面になじみやすい材質であることなどから選ばれていた。
【0004】
また、鉛系の材料は自然環境への負荷等の問題を有することから、ウェイト本体を鉄系材料とするホイールバランスウェイトが開発されている。
具体的には、鉄ウェイト本体と一端部がこのウェイト本体に固定され他端部がホイールのリム部の周縁部を挟み込むように曲成された鋼板よりなる係止部材とから構成されたホイールバランスウエイトである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鉄系材料を用いたホイールバランスウェイトは、鉄ウェイト本体と鋼板製の係止部材との固定が直接溶接で行われているため、係止部材の鋼板が溶接時の熱によりもろくなるという問題を有していた。
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、係止部材への熱影響を抑えた固定方法を用いたホイールバランスウェイトを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明者らは、ウェイト本体をリム部に係止する係止部材とウェイト本体との装着について検討を重ねた結果、ウェイト本体と係止部材との固定をスタッド溶接により行うことで係止部材への溶接時の熱の影響を抑えられることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明のホイールバランスウェイトは、ウェイト本体と、ウェイト本体に一端部が固定され他端部がホイールのリム部の周縁部を挟み込むように開口する係止部材とからなるホイールバランスウェイトであって、係止部材は金属板を成形して少なくとも他端部が断面弧状に曲成されかつ一端部に小孔が開口したものであり、かつ係止部材は小孔に挿入されたスタッドピンがウェイト本体にスタッド溶接されることによりスタッドピンとウェイト本体との間に挟持固定されていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のホイールバランスウェイトは、ウェイト本体と、一端部に小孔を有しかつ他端部が断面弧状に曲成された係止部材とから構成され、係止部材の小孔にスタッドピンが挿入した状態でウェイト本体にスタッド溶接されることで固定したものである。
【0009】
ウェイト本体は、ウェイト量を調節するものであり、鉄鋼等で形成できる。このウエイト本体は断面が一定の線材を所定長さに切断することにより容易に製造できる。ウェイト本体は、鉄ウェイトであることが好ましい。
係止部材は、金属板をプレス成形により曲成したものである。この係止部材はスタッドピンが通る小孔を有する一端部とリム部の周縁部を挟み込むように断面弧状に曲成された他端部とからなる。係止部材の金属板は、鋼板であることが好ましい。
【0010】
スタッドピンは、係止部材をウェイト本体にスタッド溶接により固定するために用いられる。スタッドピンは、ウェイト本体と同材質あるいはウェイト本体との溶接に適した材質であることが好ましい。
また、断面および長さ等のスタッドピンの形状はホイールバランスウェイトの使用強度により決定できる。すなわち、スタッドピンの断面形状は、円形だけでなく、三角、四角等の多角形としてもよい。スタッドピンを多角柱とすることで係止部材がウェイト本体に固定されたときのまわり止めの効果が得られる。また、スタッドピンの形状は特に限定されるものでないため、円柱状や頭を有するリベット状としてもよい。スタッドピンを円柱等の頭をもたない形状とした場合には、スタッド溶接時の溶接圧力により頭の部分が押しつぶされることで係止部材が固定される。
【0011】
さらに、スタッドピンのウェイト本体との溶接面は、ローレットをもうけることが好ましい。溶接面にローレットをもうけることで溶接時にスタッドピンが溶け込みやすくなり、ウェイト本体との溶接強度が大きくなる。
本発明のホイールバランスウェイトは、その表面に塗膜層を有することが好ましい。塗膜層を有することで、ウェイト本体や係止部材が錆の発生等の劣化を生じることを防ぐことができる。具体的な塗膜層としては、亜鉛クロメート塗膜などがあげられる。
【0012】
また、ウェイト本体は、係止部材との当接部に少なくとも係止部材が収まる凹状の溝を有し、この溝中に係止部材が収められていることが好ましい。
【0013】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。なお、本実施例における係止金具は、鋼板(SK7、6、5、S75C、S70C、S65C、S60C、S55C)を曲げることで形成されており、ウェイト本体は棒鋼(SS400、S10C、S20C等の低炭素の鉄材)を所定の長さに切ることにより形成されている。また、スタッドピンの材質はウェイト材と同じ材質が用いられた。
【0014】
ここで、実施例のホイールバランスウェイトには、亜鉛クロメート処理、ダクロタイズド(商標)処理、銀粉塗装等による表面処理が施されている。
(実施例1)
本実施例は、図1の斜視図および図2の断面図に示されるホイールバランスウェイトである。このホイールバランスウェイトは、ウェイト本体1と、ウェイト本体1のホイールと対向する側面である内側面の断面形状と一致しかつ中央部に小孔33をもつ一端部32とホイールのリム部の断面形状に合致するように曲成された湾曲部31とを有する係止金具3とからなり、係止金具3の小孔33に挿入したリベット状のスタッドピン5をウェイト本体1の内側面にスタッド溶接することで係止金具3を固定したものである。
【0015】
(実施例2)
本実施例は、図3の断面図に示されるホイールバランスウェイトである。このホイールバランスウェイトは、ホイールのリム部の断面形状に合致するように曲成された湾曲部31とウェイト本体1の上面の内側方向から外側方向の形状に一致するように曲成された一端部32とを有する係止金具3と、ウェイト本体1とからなり、係止金具3の小孔33に挿入したリベット状のスタッドピン5をウェイト本体1の上面にスタッド溶接することで係止金具3を固定したものである。ここで係止金具3にもうけられたスタッド溶接のための小孔33は、ウェイト本体1との当接部である一端部32だけでなく、湾曲した湾曲部31にもスタッド溶接の固定のしやすさのために小孔33が開口している。
【0016】
(実施例3)
本実施例は、図4の断面図に示されるホイールバランスウェイトである。このホイールバランスウェイトは、ホイールのリム部の断面形状に合致するように曲成された湾曲部31とウェイト本体1の外側面側の断面形状と一致しかつ中央部に小孔33をもつ一端部32とを有する係止金具3と、ウェイト本体1とからなり、係止金具3の小孔33に挿入したリベット状のスタッドピン5をウェイト本体1の外側面にスタッド溶接することで固定したものである。
【0017】
(実施例4)
本実施例は、図5の断面図に示されるホイールバランスウェイトである。このホイールバランスウェイトは、ホイールのリム部の断面形状に合致するように曲成された湾曲部31とウェイト本体1の下面から内側面の断面形状と一致するように曲成されかつウェイト本体1の下面と接する下面の中央部に小孔33を有する一端部32とを有する係止金具3と、ウェイト本体1とからなり、係止金具3の小孔33に挿入したリベット状のスタッドピン5をウェイト本体1の下面にスタッド溶接することで固定したものである。
【0018】
(実施例5)
本実施例は、図6の断面図に示されるホイールバランスウェイトである。このホイールバランスウェイトは、ウェイト本体1の内側面の断面形状と一致しかつ中央部に小孔33をもつ一端部32とホイールのリム部の断面形状に合致するように曲成された湾曲部31とを有する係止金具3と、係止孔11を有するウェイト本体1とからなり、係止金具3の小孔33に挿入したリベット状のスタッドピン5をウェイト本体1の内側面の係止孔11に挿入したのちにスタッド溶接することで固定したものである。
【0019】
本実施例は、ウェイト本体1に係止孔11がもうけられ、この係止孔11の凹部の底の部分でスタッドピンが溶接されるためスタッドピンの長さの分だけ係止金具3への熱の影響を抑えることができる。
また、本実施例において、スタッドピンの形状は円柱形に限られるものではなく、多角柱形を用いることができる。このような場合には、係止孔も多角形とすることで係止金具のまわり止めのこうかを発揮することができる。
【0020】
(実施例6)
本実施例は、図7および図8の断面図に示されるホイールバランスウェイトである。このホイールバランスウェイトは、ウェイト本体1の内側面の断面形状と一致しかつ中央部に小孔33をもつ一端部32とホイールのリム部の断面形状に合致するように曲成された湾曲部31とを有する係止金具3と、係止金具3との当接部に溝12を有するウェイト本体1とからなり、係止金具3の小孔33に挿入したリベット状のスタッドピン5をウェイト本体1の内側面にもうけられた溝12に係止金具3の一端部32が収められた状態でスタッド溶接することで固定したものである。
【0021】
本実施例は、ウェイト本体1に係止金具3を収納したことでホイールバランスウェイトをホイールに装着した時にウェイト本体とホイールとが密着し、ウェイト本体とホイールの間に異物が入ることによる劣化を抑えることができる。
(実施例7)
本実施例は、図9および図10の断面図に示されるホイールバランスウェイトである。このホイールバランスウェイトは、ウェイト本体1と、このウェイト本体1の内側面側にスタッド溶接で固定された係止金具3とから構成されたものであり、係止金具3およびスタッド溶接のスタッドピン5の頭がウェイト本体1のホイールとの当接面に突出しないように溶接部がくぼんだ凹部13となっているものである。ウェイト本体1は図11の断面図に示されるように、係止金具3との当接部に溝12がもうけられ、この溝12内にさらにくぼんだ凹部13がもうけられている。係止金具3は図12に示されるように、ウェイト本体1の内側面の断面形状と一致するようにウェイト本体1との当接面側に凸となるように曲成された凸部34の先端部に小孔33をもつ一端部32と、ホイールのリム部の断面形状に合致するように曲成された湾曲部31と、を有しているものである。ウェイト本体1と係止金具3との固定は、係止部材3の凸部34とウェイト本体1の凹部13とをはめ込み、係止部材3の凸部34の小孔33をスタッド溶接することにより行われた。
【0022】
また、ウェイト本体1にもうけられた凹部13および係止金具3の一端部32にもうけられた凸部34は、係止金具3をウェイト本体に取り付けたときにスタッドピンの頭がウェイト本体1の内側面側に突出しない深さである。
(取り付け)
実施例1および実施例7のホイールバランスウェイトを用いてホイールのリム部に取り付けたときの断面図を図13および図14に示した。ホイールバランスウェイトの取り付けは、ホイールのリム部の湾曲と一致する湾曲部31によりリム部の周縁部7を挟み込むようにして取り付けられる。
【0023】
【発明の効果】
本発明のホイールバランスウェイトは、鉛を用いない鉄系ウェイトにおいて、係止部材をウェイト本体に固定する方法をスタッド溶接としている。スタッド溶接としたため、係止部材が溶接時の熱の影響を受けることが抑えられる。
また、本発明のホイールバランスウェイトは、鉛を用いない鉄系ウェイトを使用しているため、環境への悪影響も抑えられる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のホイールバランスウェイトの斜視図である。
【図2】 実施例1のホイールバランスウェイトの断面図である。
【図3】 実施例2のホイールバランスウェイトの断面図である。
【図4】 実施例3のホイールバランスウェイトの断面図である。
【図5】 実施例4のホイールバランスウェイトの断面図である。
【図6】 実施例5のホイールバランスウェイトの断面図である。
【図7】 実施例6のホイールバランスウェイトの断面図である。
【図8】 図7に示される実施例6のホイールバランスウェイトのII線での断面図である。
【図9】 実施例7のホイールバランスウェイトの断面図である。
【図10】 図9に示される実施例6のホイールバランスウェイトのII II線での断面図である。
【図11】 実施例7のホイールバランスウェイトのウェイト本体の断面図である。
【図12】 実施例7のホイールバランスウェイトの係止金具の斜視図である。
【図13】 実施例1のホイールバランスウェイトをホイールに取り付けたときの断面図である。
【図14】 実施例7のホイールバランスウェイトをホイールに取り付けたときの断面図である。
【符号の説明】
1…ウェイト本体 11…係止孔 12…溝
13…凹部 3…係止金具 31…一端部
32…湾曲部 33…小孔 34…凸部
5…スタッドピン 7…リム部の周縁部
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のタイヤホイールに取り付けるホイールバランスウェイトに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などのタイヤをリムに組み込んだホイールアッセンブリ状態において、ホイールアッセンブリの回転軸まわりの周方向および回転軸方向のアンバランスが大きくなると、走行時に振動、騒音等の発生というような不具合が生じるようになる。この振動や騒音はホイールのアンバランスに起因するものであり、このアンバランスを打ち消すためにホイールにバランスウェイトが取り付けられている。
【0003】
従来のホイールバランスウェイトは、あらかじめ所定の重量に調整された鉛や鉛合金からなるウェイト本体と、このウェイト本体をホイールに固定するクリップとが一体に鋳造されたものであった。ここで、ウェイト本体に用いられる鉛や鉛合金は、比重が大きくかつタイヤのホイールの湾曲面になじみやすい材質であることなどから選ばれていた。
【0004】
また、鉛系の材料は自然環境への負荷等の問題を有することから、ウェイト本体を鉄系材料とするホイールバランスウェイトが開発されている。
具体的には、鉄ウェイト本体と一端部がこのウェイト本体に固定され他端部がホイールのリム部の周縁部を挟み込むように曲成された鋼板よりなる係止部材とから構成されたホイールバランスウエイトである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鉄系材料を用いたホイールバランスウェイトは、鉄ウェイト本体と鋼板製の係止部材との固定が直接溶接で行われているため、係止部材の鋼板が溶接時の熱によりもろくなるという問題を有していた。
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、係止部材への熱影響を抑えた固定方法を用いたホイールバランスウェイトを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明者らは、ウェイト本体をリム部に係止する係止部材とウェイト本体との装着について検討を重ねた結果、ウェイト本体と係止部材との固定をスタッド溶接により行うことで係止部材への溶接時の熱の影響を抑えられることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明のホイールバランスウェイトは、ウェイト本体と、ウェイト本体に一端部が固定され他端部がホイールのリム部の周縁部を挟み込むように開口する係止部材とからなるホイールバランスウェイトであって、係止部材は金属板を成形して少なくとも他端部が断面弧状に曲成されかつ一端部に小孔が開口したものであり、かつ係止部材は小孔に挿入されたスタッドピンがウェイト本体にスタッド溶接されることによりスタッドピンとウェイト本体との間に挟持固定されていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のホイールバランスウェイトは、ウェイト本体と、一端部に小孔を有しかつ他端部が断面弧状に曲成された係止部材とから構成され、係止部材の小孔にスタッドピンが挿入した状態でウェイト本体にスタッド溶接されることで固定したものである。
【0009】
ウェイト本体は、ウェイト量を調節するものであり、鉄鋼等で形成できる。このウエイト本体は断面が一定の線材を所定長さに切断することにより容易に製造できる。ウェイト本体は、鉄ウェイトであることが好ましい。
係止部材は、金属板をプレス成形により曲成したものである。この係止部材はスタッドピンが通る小孔を有する一端部とリム部の周縁部を挟み込むように断面弧状に曲成された他端部とからなる。係止部材の金属板は、鋼板であることが好ましい。
【0010】
スタッドピンは、係止部材をウェイト本体にスタッド溶接により固定するために用いられる。スタッドピンは、ウェイト本体と同材質あるいはウェイト本体との溶接に適した材質であることが好ましい。
また、断面および長さ等のスタッドピンの形状はホイールバランスウェイトの使用強度により決定できる。すなわち、スタッドピンの断面形状は、円形だけでなく、三角、四角等の多角形としてもよい。スタッドピンを多角柱とすることで係止部材がウェイト本体に固定されたときのまわり止めの効果が得られる。また、スタッドピンの形状は特に限定されるものでないため、円柱状や頭を有するリベット状としてもよい。スタッドピンを円柱等の頭をもたない形状とした場合には、スタッド溶接時の溶接圧力により頭の部分が押しつぶされることで係止部材が固定される。
【0011】
さらに、スタッドピンのウェイト本体との溶接面は、ローレットをもうけることが好ましい。溶接面にローレットをもうけることで溶接時にスタッドピンが溶け込みやすくなり、ウェイト本体との溶接強度が大きくなる。
本発明のホイールバランスウェイトは、その表面に塗膜層を有することが好ましい。塗膜層を有することで、ウェイト本体や係止部材が錆の発生等の劣化を生じることを防ぐことができる。具体的な塗膜層としては、亜鉛クロメート塗膜などがあげられる。
【0012】
また、ウェイト本体は、係止部材との当接部に少なくとも係止部材が収まる凹状の溝を有し、この溝中に係止部材が収められていることが好ましい。
【0013】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。なお、本実施例における係止金具は、鋼板(SK7、6、5、S75C、S70C、S65C、S60C、S55C)を曲げることで形成されており、ウェイト本体は棒鋼(SS400、S10C、S20C等の低炭素の鉄材)を所定の長さに切ることにより形成されている。また、スタッドピンの材質はウェイト材と同じ材質が用いられた。
【0014】
ここで、実施例のホイールバランスウェイトには、亜鉛クロメート処理、ダクロタイズド(商標)処理、銀粉塗装等による表面処理が施されている。
(実施例1)
本実施例は、図1の斜視図および図2の断面図に示されるホイールバランスウェイトである。このホイールバランスウェイトは、ウェイト本体1と、ウェイト本体1のホイールと対向する側面である内側面の断面形状と一致しかつ中央部に小孔33をもつ一端部32とホイールのリム部の断面形状に合致するように曲成された湾曲部31とを有する係止金具3とからなり、係止金具3の小孔33に挿入したリベット状のスタッドピン5をウェイト本体1の内側面にスタッド溶接することで係止金具3を固定したものである。
【0015】
(実施例2)
本実施例は、図3の断面図に示されるホイールバランスウェイトである。このホイールバランスウェイトは、ホイールのリム部の断面形状に合致するように曲成された湾曲部31とウェイト本体1の上面の内側方向から外側方向の形状に一致するように曲成された一端部32とを有する係止金具3と、ウェイト本体1とからなり、係止金具3の小孔33に挿入したリベット状のスタッドピン5をウェイト本体1の上面にスタッド溶接することで係止金具3を固定したものである。ここで係止金具3にもうけられたスタッド溶接のための小孔33は、ウェイト本体1との当接部である一端部32だけでなく、湾曲した湾曲部31にもスタッド溶接の固定のしやすさのために小孔33が開口している。
【0016】
(実施例3)
本実施例は、図4の断面図に示されるホイールバランスウェイトである。このホイールバランスウェイトは、ホイールのリム部の断面形状に合致するように曲成された湾曲部31とウェイト本体1の外側面側の断面形状と一致しかつ中央部に小孔33をもつ一端部32とを有する係止金具3と、ウェイト本体1とからなり、係止金具3の小孔33に挿入したリベット状のスタッドピン5をウェイト本体1の外側面にスタッド溶接することで固定したものである。
【0017】
(実施例4)
本実施例は、図5の断面図に示されるホイールバランスウェイトである。このホイールバランスウェイトは、ホイールのリム部の断面形状に合致するように曲成された湾曲部31とウェイト本体1の下面から内側面の断面形状と一致するように曲成されかつウェイト本体1の下面と接する下面の中央部に小孔33を有する一端部32とを有する係止金具3と、ウェイト本体1とからなり、係止金具3の小孔33に挿入したリベット状のスタッドピン5をウェイト本体1の下面にスタッド溶接することで固定したものである。
【0018】
(実施例5)
本実施例は、図6の断面図に示されるホイールバランスウェイトである。このホイールバランスウェイトは、ウェイト本体1の内側面の断面形状と一致しかつ中央部に小孔33をもつ一端部32とホイールのリム部の断面形状に合致するように曲成された湾曲部31とを有する係止金具3と、係止孔11を有するウェイト本体1とからなり、係止金具3の小孔33に挿入したリベット状のスタッドピン5をウェイト本体1の内側面の係止孔11に挿入したのちにスタッド溶接することで固定したものである。
【0019】
本実施例は、ウェイト本体1に係止孔11がもうけられ、この係止孔11の凹部の底の部分でスタッドピンが溶接されるためスタッドピンの長さの分だけ係止金具3への熱の影響を抑えることができる。
また、本実施例において、スタッドピンの形状は円柱形に限られるものではなく、多角柱形を用いることができる。このような場合には、係止孔も多角形とすることで係止金具のまわり止めのこうかを発揮することができる。
【0020】
(実施例6)
本実施例は、図7および図8の断面図に示されるホイールバランスウェイトである。このホイールバランスウェイトは、ウェイト本体1の内側面の断面形状と一致しかつ中央部に小孔33をもつ一端部32とホイールのリム部の断面形状に合致するように曲成された湾曲部31とを有する係止金具3と、係止金具3との当接部に溝12を有するウェイト本体1とからなり、係止金具3の小孔33に挿入したリベット状のスタッドピン5をウェイト本体1の内側面にもうけられた溝12に係止金具3の一端部32が収められた状態でスタッド溶接することで固定したものである。
【0021】
本実施例は、ウェイト本体1に係止金具3を収納したことでホイールバランスウェイトをホイールに装着した時にウェイト本体とホイールとが密着し、ウェイト本体とホイールの間に異物が入ることによる劣化を抑えることができる。
(実施例7)
本実施例は、図9および図10の断面図に示されるホイールバランスウェイトである。このホイールバランスウェイトは、ウェイト本体1と、このウェイト本体1の内側面側にスタッド溶接で固定された係止金具3とから構成されたものであり、係止金具3およびスタッド溶接のスタッドピン5の頭がウェイト本体1のホイールとの当接面に突出しないように溶接部がくぼんだ凹部13となっているものである。ウェイト本体1は図11の断面図に示されるように、係止金具3との当接部に溝12がもうけられ、この溝12内にさらにくぼんだ凹部13がもうけられている。係止金具3は図12に示されるように、ウェイト本体1の内側面の断面形状と一致するようにウェイト本体1との当接面側に凸となるように曲成された凸部34の先端部に小孔33をもつ一端部32と、ホイールのリム部の断面形状に合致するように曲成された湾曲部31と、を有しているものである。ウェイト本体1と係止金具3との固定は、係止部材3の凸部34とウェイト本体1の凹部13とをはめ込み、係止部材3の凸部34の小孔33をスタッド溶接することにより行われた。
【0022】
また、ウェイト本体1にもうけられた凹部13および係止金具3の一端部32にもうけられた凸部34は、係止金具3をウェイト本体に取り付けたときにスタッドピンの頭がウェイト本体1の内側面側に突出しない深さである。
(取り付け)
実施例1および実施例7のホイールバランスウェイトを用いてホイールのリム部に取り付けたときの断面図を図13および図14に示した。ホイールバランスウェイトの取り付けは、ホイールのリム部の湾曲と一致する湾曲部31によりリム部の周縁部7を挟み込むようにして取り付けられる。
【0023】
【発明の効果】
本発明のホイールバランスウェイトは、鉛を用いない鉄系ウェイトにおいて、係止部材をウェイト本体に固定する方法をスタッド溶接としている。スタッド溶接としたため、係止部材が溶接時の熱の影響を受けることが抑えられる。
また、本発明のホイールバランスウェイトは、鉛を用いない鉄系ウェイトを使用しているため、環境への悪影響も抑えられる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のホイールバランスウェイトの斜視図である。
【図2】 実施例1のホイールバランスウェイトの断面図である。
【図3】 実施例2のホイールバランスウェイトの断面図である。
【図4】 実施例3のホイールバランスウェイトの断面図である。
【図5】 実施例4のホイールバランスウェイトの断面図である。
【図6】 実施例5のホイールバランスウェイトの断面図である。
【図7】 実施例6のホイールバランスウェイトの断面図である。
【図8】 図7に示される実施例6のホイールバランスウェイトのII線での断面図である。
【図9】 実施例7のホイールバランスウェイトの断面図である。
【図10】 図9に示される実施例6のホイールバランスウェイトのII II線での断面図である。
【図11】 実施例7のホイールバランスウェイトのウェイト本体の断面図である。
【図12】 実施例7のホイールバランスウェイトの係止金具の斜視図である。
【図13】 実施例1のホイールバランスウェイトをホイールに取り付けたときの断面図である。
【図14】 実施例7のホイールバランスウェイトをホイールに取り付けたときの断面図である。
【符号の説明】
1…ウェイト本体 11…係止孔 12…溝
13…凹部 3…係止金具 31…一端部
32…湾曲部 33…小孔 34…凸部
5…スタッドピン 7…リム部の周縁部
Claims (3)
- ウェイト本体と、該ウェイト本体に一端部が固定され他端部がホイールのリム部の周縁部を挟み込むように開口する係止部材とからなるホイールバランスウェイトであって、
該係止部材は金属板を成形して少なくとも該他端部が断面弧状に曲成されかつ該一端部に小孔が開口したものであり、かつ該係止部材は該小孔に挿入されたスタッドピンが該ウェイト本体にスタッド溶接されることにより該スタッドピンと該ウェイト本体との間に挟持固定されていることを特徴とするホイールバランスウェイト。 - 前記金属板は鋼板である請求項1記載のホイールバランスウェイト。
- 前記ウェイト本体は鉄ウェイトである請求項1記載のホイールバランスウェイト。
Priority Applications (1)
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