JP3897263B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低燃費性能等を向上させるべくシリカが多量に配合された(以下「シリカリッチ」と称する)低導電性のトレッドに対し、帯電防止と耐久性の両立を図った空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
低燃費性能や、湿潤路面での制動性、操縦安定性(以下「ウエット性能」と略記する)に優れたトレッド、特にはシリカリッチトレッドを備えたタイヤは電気抵抗値が高く、導電性が低いため、車体やタイヤで発生した静電気がトレッドを通して地表に逸散しにくく、そのため、ラジオノイズの問題や、電気ショック、スパーク等による問題があった。
【0003】
かかる問題を解決する方法として、例えば、厚い導電性ゴムシートをトレッド幅方向中央部にトレッド表面からトレッド下層ゴムまで延在させるか、または薄い導電性ゴムシートをトレッドショルダーからサイド内側へ挟み込む手法が提案されている(例えば、欧州特許第658 452号明細書、米国特許第5518055号明細書および特開平8−34204号公報等参照)。また、トレッド部がタイヤ半径方向外側に配置されたキャップゴム層とタイヤ半径方向内側に配置されたベースゴム層との2層構造(キャップ/ベース構造)を有する空気入りタイヤにおいて、図2に示すようにシリカリッチキャップゴム2に電気抵抗値の低いベースゴム3を露出させたり、或いは図3に示すようにサイドゴム4として導電性ゴムを用いて放電させる方法で帯電防止を図ることも一般に行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記欧州特許第658 452号明細書等に開示されている如きゴムシートの適用や、ベースゴムの露出では、走行初期にはその効果は維持されるが、走行による導電層の摩耗促進により偏摩耗や早期摩耗等の耐久性を低下させる問題が生じ、また通電経路が遮断され、帯電防止効果が消失してしまうなどの問題があった。即ち、シリカリッチキャップゴム層に対し、ベースゴム層は転がり抵抗やウエット性能を意識してカーボンブラック量の少ない配合ゴムを適用するため、キャップ部に露出したベースゴム等とキャップゴムとの摩耗速度、耐摩耗性の差があるため、特に、偏摩耗や早期摩耗に関する耐久性低下の問題は避けることができなかった。
【0005】
そこで本発明の目的は、低燃費性能等を向上させるべくシリカリッチの低導電性のトレッドに対し、帯電防止と耐久性の両立を図った空気入りタイヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部がタイヤ半径方向外側に配置されたキャップゴム層とタイヤ半径方向内側に配置されたベースゴム層との2層構造を有する空気入りタイヤにおいて、
前記キャップ層をタイヤ幅方向に3分割し、3分割されたうちの中央のキャップ層とその両側のキャップ層との貯蔵弾性率(E’)の値が30℃において1.1×10 7 〜1.6×10 7 Paであり、かつ前記中央のキャップ層と前記ベースゴム層の固有抵抗値がともに106Ω・cmで、前記両側のキャップ層の固有抵抗値が108 〜10 10 Ω・cmであることを特徴とするものである。
【0007】
また、前記空気入りタイヤにおいて、前記ベースゴム層の貯蔵弾性率(E’)の値が、30℃において8.5×106Paであることが好ましい。
【0008】
さらに、前記空気入りタイヤにおいて、前記中央のキャップ層のタイヤ幅方向の厚さが0.5mm以上で、かつトレッド幅の10%以内であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の空気入りタイヤを図面に基づき具体的に説明する。
本発明の空気入りタイヤは、図1に示すように、トレッド部1がキャップ/ベース構造を有し、キャップ層2をタイヤ幅方向に3分割し、中央のキャップ層2aとベースゴム層3を介して放電を行わしめ、帯電防止を図る。中央のキャップ層2aのタイヤ幅方向の厚さは、製造上の観点から0.5mm以上であることが好ましく、一方、シリカリッチトレッド本来の目的性能を維持する上でトレッド幅の10%以内であることが好ましい。
【0010】
本発明における、中央のキャップ層2aとベースゴム層3の固有抵抗値がともに106Ω・cm以下のゴム層用のゴム組成物に使用するジエン系ゴムは、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)または天然ゴム(NR)の少なくとも1種を含むことが耐久性の観点より好ましい。
【0011】
また、かかるゴム組成物には、窒素吸着比表面積(N2SA)が130m2/g以上でかつジブチルフタレート吸油量(DBP)が110ml/100g以上のカーボンブラックを使用することが好ましい。このゴム組成物では、かかる小粒径でかつ高ストラクチャーのカーボンブラックを使用することで、通電経路を形成するゴム層の耐久性を向上させることができる。ここで、N2SAはASTM D3037−89に、またDBPはASTM D2414−90に夫々準拠して求められる値である。
【0012】
本発明においては、中央のキャップ層2aのカーボンブラックの配合量を適宜調整することにより、シリカリッチの両側のキャップ層2b,2cと貯蔵弾性率(E’)を実質的に同等とし、好ましくは耐摩耗性の観点から共に30℃において1.1×107Pa以上の貯蔵弾性率(E’)となるようにする。中央のキャップ層2aのカーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して40重量部未満では補強性が十分ではなく、一方75重量部を超えると軟化剤が少ない場合には加硫後に硬くなり過ぎ、割れ等が発生し、また軟化剤が多い場合には耐摩耗性に劣る。
【0013】
また、ベースゴム層3のカーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、好ましくは35〜45重量部であり、35重量部未満では補強性に劣り、一方45重量部を超えると、シリカリッチのトレッドタイヤ本来の低燃費性能およびウエット性能を損なうことになる。また、ベースゴム層3の30℃における貯蔵弾性率(E’)の値は、低燃費性能およびウエット性能の観点から8.5×106Pa以下であることが好ましい。
【0014】
さらに、両側のキャップ層2b,2cの固有抵抗値がともに108Ω・cm以上のゴム層用のゴム組成物には、低燃費性能およびウエット性能等の向上の観点から、シリカがゴム成分100重量部に対して55重量部以上配合されていることが好ましい。
【0015】
なお、キャップゴム層およびベースゴム層におけるカーボンブラックおよびシリカ以外の配合剤としては、ゴム製品において通常用いられる配合剤、例えば加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、軟化剤、老化防止剤等が通常用いられる配合量にて適宜配合されている。
【0016】
【実施例】
以下に、本発明を実施例および比較例に基づき具体的に説明する。
下記の表1および表2に示す配合処方に従い、空気入りタイヤのシリカリッチキャップゴム用ゴム組成物(A)、中央キャップゴム用ゴム組成物(C)、(C’)およびベースゴム(B)用ゴム組成物を夫々調製した。
【0017】
【表1】
1)(株)日本合成ゴム製 SBR1712
2)96%シス結合
3)ニプシルVN3
4)DEGUSSA社製 Si69
5)N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル スルフェンアミド
6)ジフェニルグアニジン
【0018】
【表2】
7)(株)日本合成ゴム製 SBR1500
8)N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
【0019】
表1、2中、得られたゴム組成物の貯蔵弾性率(E’)は、東洋精機スペクトロメーターを用い、幅5mm、厚さ2mm、長さ20mmの試験片を初期荷重150g、振動数50Hz、動歪1%にて30℃で測定した。
【0020】
また、これらゴム組成物の加硫後の固有抵抗値は、次のようにして求めた。
即ち、円盤形状のサンプルを作製し、半径:r=2.5cm、厚さ:t=0.2cmの部分の電気抵抗値Rを、図6に示すアドバンス社製絶縁抵抗試験箱を用いて測定し、次式により固有抵抗値ρを計算した。
ρ=(a/t)R
(式中、aは断面積(=π×r2)、tは厚さ)を用いて求めた。なお、図6中、10は主電極、11は対電極、12はガード電極、tは試料の厚さを示す。
【0021】
シリカリッチキャップゴム用のゴム組成物(A)、中央キャップゴム用のゴム組成物(C)およびベースゴム(B)用のゴム組成物を用いて常法にて加硫し、図4に示す如きランボーン摩耗試験用試験片を作製した、スリップ率60%にて耐摩耗性を評価した。評価は、試験片がゴム組成物(A)単体の場合を100として指数にて評価した。数値が大きい程結果が良好である。
【0022】
また、シリカリッチキャップゴム(A)と、中央キャップゴム(C)または(C’)との界面耐久性を評価するために、図5に示す如きダンベル型加硫試験片を作製し、引張り試験(DC/DN試験)を繰り返して行い、両ゴムの界面部の剥離発生時とそのときの引張り回数とからゴム組成物(A)単体の場合を100として指数にて評価した。数値が大きい程結果が良好である。
得られた結果を下記の表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の空気入りタイヤにおいては、シリカリッチのトレッドを有する空気入りタイヤの低燃費性および高ウエット性能を損なうことなく、帯電防止と耐久性の両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤのトレッド部を模式的に示す断面図である。
【図2】従来例の空気入りタイヤのトレッド部を模式的に示す断面図である。
【図3】他の従来例の空気入りタイヤのトレッド部を模式的に示す断面図である。
【図4】ランボーン摩耗試験の試験片を示す斜視図である。
【図5】界面耐久性評価のためのダンベル型加硫試験片の部分側面図である。
【図6】サンプルゴムの電気抵抗値Rの測定法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 キャップゴム層
3 ベースゴム層
4 サイドゴム
10 主電極
11 対電極
12 ガード電極
t 試料の厚さ
Claims (3)
- トレッド部がタイヤ半径方向外側に配置されたキャップゴム層とタイヤ半径方向内側に配置されたベースゴム層との2層構造を有する空気入りタイヤにおいて、
前記キャップ層をタイヤ幅方向に3分割し、3分割されたうちの中央のキャップ層とその両側のキャップ層との貯蔵弾性率(E’)の値が30℃において1.1×10 7 〜1.6×10 7 Paであり、かつ前記中央のキャップ層と前記ベースゴム層の固有抵抗値がともに106Ω・cmで、前記両側のキャップ層の固有抵抗値が108 〜10 10 Ω・cmであることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記ベースゴム層の貯蔵弾性率(E’)の値が30℃において8.5×106Paである請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記中央のキャップ層のタイヤ幅方向の厚さが0.5mm以上で、かつトレッド幅の10%以内である請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
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