JP3896235B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給紙されたシート材が下方から上方へ搬送される際に、像担持体の転写部、ローラ対を有する定着装置を通過するようにした画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において、例えば定着ローラと加圧ローラとからなるローラ対を備えた定着装置が広く採用されている。この種の画像形成装置は、未定着トナー像を担持した転写材が、定着ローラと加圧ローラに挟持搬送された際、熱および圧の作用により未定着トナー像が転写材に定着される。この定着時において、シート材がローラ対に挟持された状態でジャムすることがある。
【0003】
かかるジャム処理を行う際、ユーザーはカバーまたはドアからなる開閉部材を開放した後、ノブを回してローラ対の一方を回転させてシートの挟持状態を解除したり、解除レバーを動作してローラ対の圧接状態を解除し、ジャムシートの処理を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の画像形成装置では、ジャムが発生すると、ドアを開放し、レバーを作動し、ジャム紙を除去した後に、レバーを戻し、ドアを閉じるという操作が必要であり、操作数が多くユーザーへの負担となっていた。なお、従来の装置おいても、画像形成装置本体がワニ口タイプで、そのワニ口を開放すると、定着装置のローラ対の圧を解除するものが知られているが、この装置ではワニ口の閉じる際、大きな力を必要とする。さらに、装置の上部に仕分けのためのソータを具備させたり、スキャナの下部に画像出力を行う複写機やファクシミリの場合、ワニ口タイプの構成を実施することは非常に困難である。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題を解消し、ジャム処理時の操作数を減らしてユーザーへの負担を軽減することができる画像形成装置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、定着ローラと加圧ローラのローラ対を有する定着装置を具備する画像形成装置において、一端が軸支され他端に加圧スプリングが係止された前記加圧ローラを前記定着ローラに圧接する加圧レバーと、前記加圧ローラと前記定着ローラの圧接状態を保持する保持位置と圧接状態を解除する解除位置との間を移動可能な圧解除レバーと、該圧解除レバーに設けられ前記加圧レバーを作動するカムと、前記解除位置へ移動した前記圧解除レバーを該位置に停止するストッパと、前記シート材のジャム処理時に開放される開閉部材とを有し、前記圧解除レバーが前記保持位置のとき、前記加圧スプリングの力が前記加圧ローラの前記定着ローラへの押圧に作用し、前記圧解除レバーが前記解除位置のとき、前記加圧スプリングの力が前記圧解除レバーの前記ストッパへの押圧に作用することによって当該解除レバーが前記解除位置に保持されることを特徴としている。
【0007】
また、上記課題を解決するため、本発明は、定着ローラと加圧ローラのローラ対を有する定着装置を具備する画像形成装置において、一端が軸支され他端に加圧スプリングが係止された前記加圧ローラを前記定着ローラに圧接する加圧レバーと、前記加圧ローラと前記定着ローラの圧接状態を保持する保持位置と圧接状態を解除する解除位置との間を移動可能な圧解除レバーと、該圧解除レバーに設けられ前記加圧レバーを作動するカムと、前記解除位置へ移動した前記圧解除レバーを該位置に停止するストッパと、前記シート材のジャム処理時に開放される開閉部材とを有し、前記圧解除レバーが前記保持位置のとき、前記加圧スプリングの弾性力は、前記加圧レバーが定着ローラと前記加圧ローラを圧接するように作用し、前記圧解除レバーが前記解除位置のとき、前記加圧スプリングの引張り力は、前記圧解除レバーが前記ストッパを押圧するように作用することによって当該解除レバーが前記解除位置に保持されることを特徴としている。
なお、本発明は、前記解除位置へ移動された前記解除レバーが前記開閉部材を閉じる動作に連動して解除位置から保持位置に復帰すると、効果的である。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明は、定着ローラと加圧ローラのローラ対を有する定着装置を具備する画像形成装置において、一端が軸支され他端に加圧スプリングが係止された前記加圧ローラを前記定着ローラに圧接する加圧レバーと、前記加圧ローラと前記定着ローラの圧接状態を保持する保持位置と圧接状態を解除する解除位置との間を移動可能な圧解除レバーと、前記解除位置へ移動した前記圧解除レバーを該位置に停止するストッパと、前記解除レバーに対し前記保持位置から前記解除位置へ移動する方向への移動力を付勢する弾性手段と前記シート材のジャム処理時に開放される開閉部材とを有し、前記解除レバーは、前記開閉部材の開放動作に連動して前記弾性手段により前記保持位置から前記解除位置へ移動され、前記開閉部材を閉じる動作に連動して解除位置から保持位置に復帰するとともに、前記解除レバーの前記保持位置と前記解除位置間の移動する方向と、前記加圧ローラが前記定着ローラに圧接される方向とが異なる方向であることを特徴とする画像形成装置。
なお、本発明は、前記開閉部材と前記レバーとを連結し、前記開閉部材の開放動作により前記レバーを前記保持位置から前記解除位置へ移動する連結部材を設けると、効果的である。
さらに、本発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置は、給紙されたシート材が下方から上方へ搬送される際に、像担持体の転写部、ローラ対を有する定着装置を通過するようにすると、効果的である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概略配置図である。
【0010】
図1において、符号1は反時計方向に回転される像担持体としての感光体、2は感光体表面に帯電処理を行う帯電装置である。帯電処理された感光体には、画像情報に基づいたレーザー光が光書込み手段3により露光され、その面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置4によって可視像化される。感光体1の下方には、給紙装置10が配置され、その給紙ローラ11が回転すると、最上位シートがレジストローラ12へ搬送される。レジストローラ12は、給紙されたシートを一時止め、その後感光体1に形成された可視像にタイミングを同期させて転写位置へ搬送する。そして、転写位置において、転写装置5の作用下で可視像であるトナー像がシートに転写され、トナー像が転写されたシートは定着装置20へ搬送される。また、転写後の感光体1はクリーニング装置6により清掃される。
【0011】
上記定着装置20は、図2に示すように、定着ローラ21と加圧ローラ22からなるローラ対を有している。この場合、加圧ローラ22は一端を軸支された加圧レバー23の他端に加圧スプリング24が係止され、加圧スプリング24の弾性力によって定着ローラ21に圧接されている。
【0012】
このように構成された画像形成装置は、給紙装置10から給紙されたシートが下方からほぼ垂直方向に上方へ搬送され、転写位置を介して定着装置20を通過し、そして排紙部より機外へ排紙されるものであるが、かかる搬送経路中においてシートがジャムすることが起こり得るものである。そして、ジャムが定着ローラ21と加圧ローラ22のニップに挟持された状態で発生する可能性がある。
【0013】
一般に、ジャムは、ユーザーによって処理することが前提となっており、このため、その処理が容易に行えるよう従来から創意工夫がなされている。本実施形態では、定着装置20に加圧ローラ22の定着ローラ21への接触圧を解除する圧解除手段としての圧解除レバー25が設けられている。圧解除レバー25は、一端側がピン26に軸支され、他端側にはユーザーが操作する把持部27が形成されているとともに、定着ローラ21と加圧ローラ22を圧接状態で保持する位置と圧接状態を解除する位置との間で移動可能となっている。この圧解除レバー25には、加圧レバー23を作動するカム28が一体的に設けられており、図2に示す保持位置ではカム28が加圧レバー23に側縁に軽く当接するが、僅かに離間されている。
【0014】
また、画像形成装置本体には画像形成時に閉じられている開閉部材としての右ドア7が設けられており、右ドア7は支点9を中心として図1実線で示す閉位置と鎖線で示す開位置との間を開閉される。この右ドア7は、外側がカバー面であり、内側には上記転写装置5や図示していないシート搬送ガイド、および後述する案内ガイド8を備えている。この右ドア7が閉じられているとき、保持位置に位置する圧解除レバー25は把持部27が右ドア7の案内ガイド8に軽く当接するが、もしくは僅かに離間されている。
【0015】
ここで、定着ローラ21と加圧ローラ22のニップに挟持された状態でジャムが発生した場合、ユーザーはジャム処理のため画像形成装置本体の右ドア7を開放するとその把持部27が現出する。そして、ユーザーが現出した圧解除レバー25の把持部27を持って下方へ降ろすと、圧解除レバー25は図2に示す保持位置から図3に示す解除位置に移動するとともに、ストッパ29に当って該位置に保持される。この圧解除レバー25の移動により、カム28を介して加圧レバー23を加圧スプリング24の作用に抗して反時計方向に回動させることにより、ローラ間の圧が解除される。このとき、加圧スプリング24の引張り力により、圧解除レバー25が解除位置に保持され、ユーザーは圧が解除された定着ローラ21と加圧ローラ22に挟持されたジャムを容易に除去することができる。
【0016】
ジャム処理が終えた後、ユーザーが圧解除レバー25を解除位置から元の保持位置に戻すことを忘れても右ドア7を閉めることで、圧解除レバー25を解除位置から自動的に保持位置へ戻すことができる。すなわち、図4に示すように、右ドア7の内面側には案内ガイド8が設けられ、右ドア7が閉じられるとき、案内ガイド8が圧解除レバー25の把持部27に当って図の左上方へ押す。そして、右ドア7が完全に閉じられると、圧解除レバー25も案内ガイド8に沿って保持位置に戻される。
【0017】
このように構成された画像形成装置は、ドア7の閉じ動作によって圧解除レバー25が保持位置に戻るので、ユーザーのジャム処理手数が簡略化される。
図5は、本発明の他の実施形態を示す説明図であって、上記実施形態と同様に構成された圧解除レバー25を有している。この圧解除レバー25には、一端が定着装置20に固定された弾性手段としての圧縮バネ30の他端が連結されている。この圧縮バネ30は、右ドア7に対しこれを開放する方向への弾性力を常時付勢している。
【0018】
このように構成された画像形成装置は、定着ローラ21と加圧ローラ22のニップに挟持された状態でジャムが発生し、それを処理するため、右ドア7を開放すると、圧縮バネ30に押されている圧解除レバー25が保持位置から解除位置に移動される。したがって、ユーザーは右ドア7を開くだけで、圧解除レバー25が圧縮バネ30に押されて解除位置に移動するので、ジャム紙を直ちに処理でき、しかも処理後は右ドア7を閉じれば上記実施形態と同様にして圧解除レバー25が元の保持位置に復帰する。したがって、ジャム処理がより簡単に行うことができる。なお、圧解除レバー25は右ドア7を開くと飛び出すような速さで作動させる必要がなく、よって圧縮バネ30の強さは右ドア7が開放されると圧解除レバー25がスムーズに動く程度に設定されている。
【0019】
図6は、本発明のさらに他の実施形態を示す説明図であって、上記実施形態と同様に構成された圧解除レバー25を有している。この圧解除レバー25には、一端が右ドア7の支点9近くに固定された連結部材としてのワイヤー31の他端が取り付けられている。また、圧解除レバー25には、一端が定着装置20に係止された弾性部材としての引張りバネ32の他端が係止され、圧解除レバー25に対し保持位置に保持する方向への弾性力を常時付勢している。
【0020】
このように構成された画像形成装置は、定着ローラ21と加圧ローラ22のニップに挟持された状態でジャムが発生し、それを処理するため、右ドア7を開放すると、圧解除レバー25がワイヤー31を介して保持位置から解除位置に移動される。したがって、ユーザーは右ドア7を開くだけで、圧解除レバー25が解除位置に移動するので、ジャム紙を直ちに処理できる。また、ジャム処理後、右ドア7を閉じると、引張りバネ32の作用で圧解除レバー25が元の保持位置に復帰する。したがって、ユーザーは圧解除レバー25を操作することなく、ジャム処理がスムーズに、かつ簡単に行うことができる。なお、上記動作を行われるように、ワイヤー31の圧解除レバー25と右ドア7にそれぞれ固定する位置の選定、および引張りバネ32の強さを決定する。
【0021】
また、上記実施形態において、ワイヤー31の材質としては金属、プラスチック、ゴム等が考えられ、また、圧縮バネ30や引張りバネ32には板バネや捩じりバネを使用することが可能である。
【0022】
【発明の効果】
請求項1乃至3の構成によれば、加圧スプリングを利用して圧解除レバーを解除位置に保持できるので、部品点数の少ない安価な画像形成装置を提供することができる。
【0023】
請求項4乃至6の構成によれば、定着ローラと加圧ローラのニップに挟持されたジャム発生時に解除位置に作動したレバーを、開閉部材の閉じ動作によって自動的に保持位置に復帰できるので、ジャム処理が簡単になり、しかもレバーを戻し忘れても開閉部材を閉め、次の画像形成動作に進められる。さらに、開閉部材の開放することによってレバーを自動的に保持位置が解除位置に移動されるので、ジャム処理の操作性が格段によくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略配置図である。
【図2】本発明の一実施形態における定着装置の圧解除レバーが保持位置の状態を示す説明図である。
【図3】その定着装置の圧解除レバーが解除位置の状態を示す説明図である。
【図4】ドアの動きと圧解除レバーの動作の関連を示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す説明図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
5 転写装置
7 右レバー
20 定着装置
21 定着ローラ
22 加圧ローラ
25 圧解除レバー
30 圧縮バネ
31 ワイヤー
Claims (6)
- 定着ローラと加圧ローラのローラ対を有する定着装置を具備する画像形成装置において、
一端が軸支され他端に加圧スプリングが係止された前記加圧ローラを前記定着ローラに圧接する加圧レバーと、
前記加圧ローラと前記定着ローラの圧接状態を保持する保持位置と圧接状態を解除する解除位置との間を移動可能な圧解除レバーと、
該圧解除レバーに設けられ前記加圧レバーを作動するカムと、
前記解除位置へ移動した前記圧解除レバーを該位置に停止するストッパと、
前記シート材のジャム処理時に開放される開閉部材とを有し、
前記圧解除レバーが前記保持位置のとき、前記加圧スプリングの力が前記加圧ローラの前記定着ローラへの押圧に作用し、前記圧解除レバーが前記解除位置のとき、前記加圧スプリングの力が前記圧解除レバーの前記ストッパへの押圧に作用することによって当該解除レバーが前記解除位置に保持されることを特徴とする画像形成装置。 - 定着ローラと加圧ローラのローラ対を有する定着装置を具備する画像形成装置において、
一端が軸支され他端に加圧スプリングが係止された前記加圧ローラを前記定着ローラに圧接する加圧レバーと、
前記加圧ローラと前記定着ローラの圧接状態を保持する保持位置と圧接状態を解除する解除位置との間を移動可能な圧解除レバーと、
該圧解除レバーに設けられ前記加圧レバーを作動するカムと、
前記解除位置へ移動した前記圧解除レバーを該位置に停止するストッパと、
前記シート材のジャム処理時に開放される開閉部材とを有し、
前記圧解除レバーが前記保持位置のとき、前記加圧スプリングの弾性力は、前記加圧レバーが定着ローラと前記加圧ローラを圧接するように作用し、
前記圧解除レバーが前記解除位置のとき、前記加圧スプリングの引張り力は、前記圧解除レバーが前記ストッパを押圧するように作用することによって当該解除レバーが前記解除位置に保持されることを特徴とする画像形成装置。 - 前記解除位置へ移動された前記解除レバーが前記開閉部材を閉じる動作に連動して解除位置から保持位置に復帰することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 定着ローラと加圧ローラのローラ対を有する定着装置を具備する画像形成装置において、
一端が軸支され他端に加圧スプリングが係止された前記加圧ローラを前記定着ローラに圧接する加圧レバーと、
前記加圧ローラと前記定着ローラの圧接状態を保持する保持位置と圧接状態を解除する解除位置との間を移動可能な圧解除レバーと、
前記解除位置へ移動した前記圧解除レバーを該位置に停止するストッパと、
前記解除レバーに対し前記保持位置から前記解除位置へ移動する方向への移動力を付勢する弾性手段と 前記シート材のジャム処理時に開放される開閉部材とを有し、
前記解除レバーは、前記開閉部材の開放動作に連動して前記弾性手段により前記保持位置から前記解除位置へ移動され、前記開閉部材を閉じる動作に連動して解除位置から保持位置に復帰するとともに、
前記解除レバーの前記保持位置と前記解除位置間の移動する方向と、前記加圧ローラが前記定着ローラに圧接される方向とが異なる方向であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4に記載の画像形成装置において、前記開閉部材と前記レバーとを連結し、前記開閉部材の開放動作により前記レバーを前記保持位置から前記解除位置へ移動する連結部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置は、給紙されたシート材が下方から上方へ搬送される際に、像担持体の転写部、ローラ対を有する定着装置を通過するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
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