JP3896233B2 - シリケート変性ポリオール樹脂組成物およびこれを含む塗料組成物 - Google Patents

シリケート変性ポリオール樹脂組成物およびこれを含む塗料組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリオール樹脂をシリケートオリゴマーと反応させて得られるシリケート変性ポリオール樹脂組成物およびこれを含む塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリケート化合物を塗料に含有させることにより、耐汚染性に優れた塗膜が得られることが知られており、これらは、例えば、WO94/06870号公報やWO96/262458号公報に記載されている。
しかし、ここで用いられるシリケート化合物は、一般的に塗料に用いられるバインダー成分との相溶性が十分でないため、塗料系によっては、塗膜にクラックが発生したり、白濁が認められることがあった。
このクラックは塗膜中のシリケート化合物の縮合反応により生じると考えられ、一方、白濁は塗膜中にシリケートのドメインが存在しているために起こるものと考えられる。
【0003】
一方、特開平10−212454号公報には、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリルモノマーを重合することによって、アルコキシシリル基をグラフトしたアクリル樹脂が得られることが開示されている。この方法では得られるアクリル樹脂に導入できるアルコキシシリル基の量が限定される。さらに、この方法はアクリル樹脂にしか適用できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、塗料に配合した際に塗膜にクラックが発生したり、白濁を生じることなく、耐汚染性に優れた塗膜が得ることができるシリケート化合物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のシリケート変性ポリオール樹脂組成物は、水酸基価5〜300、数平均分子量が500〜20000のポリオール樹脂に、下記式(I)で示されるシリケートオリゴマーを有機溶媒中で反応させて得られ、上記シリケートオリゴマーの量が上記ポリオール樹脂が有する水酸基に対して、0.1〜10倍モルであるものである。
【0006】
【化2】
Figure 0003896233
【0007】
(式中、Rは同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜7のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数2〜4のアルコキシ基またはフッ素化アルコキシ基であり、前記Rの一部は水酸基であってもよい。また、nは1〜20である。)
記ポリオール樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂またはメラミン樹脂であってよい。
【0008】
本発明の塗料組成物は、先のシリケート変性ポリオール樹脂組成物とバインダー成分とを含み、上記シリケート変性ポリオール樹脂組成物と上記バインダー成分との比率は、固形分重量比で0.5/100〜80/20である
【0009】
本発明の塗膜は先の塗料組成物から得られたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のシリケート変性ポリオール樹脂組成物は、水酸基価5〜300、数平均分子量が500〜20000のポリオール樹脂に、下記式(I)で示されるシリケートオリゴマーを有機溶媒中で反応させて得られる。
【0011】
本発明のシリケート変性ポリオール樹脂組成物の原料となる上記ポリオール樹脂は、水酸基価5〜300、数平均分子量が500〜20000である。水酸基価が5未満だと、シリケートオリゴマーとの反応が充分でなく、300を上回ると反応中にゲル化が起こりやすくなったり、得られるシリケート変性ポリオール樹脂組成物の粘度が高くなりすぎる。また、数平均分子量が500未満だと、バインダー成分との相溶性が不充分であり、20000を上回ると粘度が増加して取扱い性に問題が生じる。
【0012】
このポリオール樹脂の種類として、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂およびメラミン樹脂を挙げることができる。これらの樹脂の中で先の水酸基価および数平均分子量を有するものは、塗料用樹脂として当業者によく知られており、本発明では、これらのポリオール樹脂を原料として用いることにより、シリケート変性ポリオール樹脂組成物を得ることができる。
【0013】
本発明のシリケート変性ポリオール樹脂組成物のもう一つの原料は、下記式(I)で示されるシリケートオリゴマーである。
【0014】
【化3】
Figure 0003896233
【0015】
(式中、Rは同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜7のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数2〜4のアルコキシ基またはフッ素化アルコキシ基であり、上記Rの一部は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基または水酸基であってもよい。また、nは1〜20である。)
【0016】
上記炭素数1〜7のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基などを挙げることができる。また、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数2〜4のアルコキシ基の具体例としては、ブチルセロソルブやイソプロピルセロソルブ、2−または3−メトキシプロパノールから水酸基の水素原子を除いた構造のものを挙げることができる。また、フッ素化アルコキシ基としては、トリフルオロエトキシ基やペンタフルオロプロピオキシ基などを挙げることができる。
【0017】
本発明のシリケート変性ポリオール樹脂組成物を得るための原料である上記シリケートオリゴマーとして、分子内に存在するRが同一のものは市販されており、これをそのまま用いることができる。このようなものとして、メチルシリケート、エチルシリケートが挙げられる。メチルシリケートとしては、三菱化学社から、MKCシリケートシリーズとして、51(平均値としてのn=5)、56(平均値としてのn=10)が市販されており、エチルシリケートとしては、コルコート社から、エチルシリケート40(平均値としてのn=5)、エチルシリケート40T(平均値としてのn=5、エチルシリケート40からテトラエトキシシランを除去したもの)、エチルシリケート48(平均値としてのn=10)が市販されている。
【0018】
一方、分子内に存在するRが同一でないものは、上記メチルシリケートやエチルシリケートのアルキル基を先に挙げたアルコキシ基やフェノキシ基を含むアルコールで置換することにより得ることができる。また、フッ素シリケートとしてダイキン工業社からGH−100が市販されており、これをそのまま用いてもよい。
【0019】
さらに、上記シリケートオリゴマーは、分子内に存在するRの一部は水酸基であってもよい
【0020】
本発明のシリケート変性ポリオール樹脂組成物は、上記ポリオール樹脂に、上記シリケートオリゴマーを有機溶媒中で反応させて得ることができる。このようにして得られるシリケート変性ポリオール樹脂組成物は、シリケートオリゴマー単体に比べて有機溶剤に対する溶解性に優れている。この反応における上記シリケートオリゴマーの量は、上記ポリオール樹脂が有する水酸基に対して、0.1〜10倍モルであることが好ましい。0.1倍モル未満だと、シリケートオリゴマーによる変性が充分に進行せず、10倍モルを上回っても得られるシリケート変性ポリオール樹脂組成物に違いが少なく効率的でない。クラックを防止するためには、上記シリケートオリゴマーの量は、0.15〜10倍モルであることがさらに好ましい。
【0021】
シリケートオリゴマーの量がポリオール樹脂が有する水酸基に対して等倍モル以下の場合、変性されたポリオール樹脂には水酸基が残存している。このようにして得られたシリケート変性ポリオール樹脂組成物は、特に有機溶剤に対する溶解性に優れている。一方、シリケートオリゴマーの量がポリオール樹脂が有する水酸基に対して等倍モルを上回る場合、本発明のシリケート変性ポリオール樹脂組成物は、水酸基と反応しなかったシリケートオリゴマーを含んでいる。この場合、後述するシリケートオリゴマーを含む本発明の塗料組成物に利用可能である。
【0022】
上記反応は有機溶媒中で行われるが、この有機溶媒としては反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されない。また、本発明のシリケート変性ポリオール樹脂組成物が塗料に用いられることを考慮すると、塗料に用いられている有機溶剤を用いることが好ましい。
【0023】
上記反応は、所定量の上記ポリオール樹脂および上記シリケートオリゴマーを有機溶媒中に加え、加熱撹拌することにより進行する。反応の諸条件は、用いる原料や有機溶媒の種類により異なり、任意に設定することができるが、例えば、固形分率50%、反応温度120℃、反応時間3時間とすることができる。反応の終点は、粘度測定、GPCによる分子量測定、ガスクロマトグラフィーによる反応で生成したアルコール量の定量で決定できる。このようにして得られたシリケート変性ポリオール樹脂組成物は、必要に応じて、固形分率を調整し、塗料に添加することができる。
【0024】
本発明の塗料組成物は、先のシリケート変性ポリオール樹脂組成物とバインダー成分とを含んでいる。このバインダー成分としては、塗料に通常用いられているものをそのまま用いることができる。このようなものとして、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂を挙げることができる。これらの樹脂はそれが有する官能基に応じて硬化剤を併用することが可能である。このような硬化剤としては、メラミン、ブロック化されていてもよいポリイソシアネート、多価カルボン酸、ポリエポキシ化合物などを挙げることができる。
【0025】
上記バインダー成分の樹脂が水酸基を含むものである場合には、シリケート変性ポリオール樹脂組成物を得る際に用いられるポリオール樹脂をこのバインダー成分とすることで、シリケート変性ポリオール樹脂組成物とバインダー成分との相溶性を高め、クラックおよび白濁を防止することが可能となる。
【0026】
本発明の塗料組成物における、上記シリケート変性ポリオール樹脂組成物とバインダー成分との比率は特に限定されないが、例えば、固形分重量比で、0.5/100〜80/20とすることができる。
【0027】
本発明の塗料組成物は、耐汚染性を向上させるために、本発明のシリケート変性ポリオール樹脂組成物の原料として用いるシリケートオリゴマーをさらに含むこともできる。この場合、シリケートオリゴマーはシリケート変性ポリオール樹脂組成物の原料として用いたものと同一であっても、異なっていてもよいが、クラックおよび白濁の防止の観点からは、同一であるものを用いることが好ましい。シリケートオリゴマーを含む場合の、シリケートオリゴマーとシリケート変性ポリオール樹脂組成物との固形分重量比は、10/90〜80/20であることが好ましい。10/90未満だと、シリケートオリゴマーの添加効果が得られず、80/20を上回ると、かえってクラックおよび白濁を引き起こす恐れがある。
【0028】
この他に本発明の塗料組成物は、通常塗料に含まれる種々の成分である顔料や添加剤を含むことができる。
【0029】
本発明の塗料組成物は、これに含まれるバインダー成分の種類により、常温乾燥から熱硬化までの種々の塗膜形成方法を取りうる。このようにして形成された本発明の塗膜は、クラックおよび白濁のない耐汚染性に優れた塗膜である。
【0030】
【実施例】
製造例 ブトキシエトキシ基で置換されたメチルシリケートの製造
MKCシリケート56(三菱化学社製、平均値としてのn=10)672重量部にブチルセロソルブ226.8重量部を加え、90℃で1時間、さらに120℃で3時間、生成したメタノールを留去しながら加熱撹拌した。これを放冷して、ブトキシエトキシ基で置換されたメチルシリケート822.6重量部を得た。このシリケートにおける、ブトキシエトキシ基によるメトキシ基の置換率は15.8%であった。
【0031】
実施例1 シリケート変性アクリルポリオール樹脂の製造その1
スチレン、アクリル酸、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルから得られたアクリルポリオール樹脂(水酸基価69、不揮発分60重量%)1251.1重量部に、製造例で得られたブトキシエトキシ基で置換されたメチルシリケート2016.5重量部と酢酸ブチル1459.9重量部とを加えて、120℃で3時間撹拌した。これを冷却し、4556.8重量部のシリケート変性アクリルポリオール樹脂を得た。このシリケート変性アクリルポリオール樹脂の粘度は15cP、数平均分子量は15000であった。
【0032】
実施例2 シリケート変性アクリルポリオール樹脂の製造その2
スチレン、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルから得られたアクリルポリオール樹脂(水酸基価69、不揮発分58.5重量%)58.5重量部に、MKCシリケート51(三菱化学社製、平均値としてのn=5)10.0重量部と酢酸ブチル11.5重量部とを加えて、120℃で5時間撹拌した。これを冷却し、80.0重量部のシリケート変性アクリルポリオール樹脂を得た。このシリケート変性アクリルポリオール樹脂の粘度は185.0cPであった。
【0033】
実施例3 シリケート変性アクリルポリオール樹脂の製造その3
アクリルポリオール樹脂LR−2562(三菱レイヨン社製、水酸基価166、不揮発分61重量%)83.8重量部に、MKCメチルシリケート56(三菱化学社製)79.4重量部と酢酸ブチル192.3重量部とを加えて、120℃で3.5時間撹拌した。これを冷却し、80.0重量部のシリケート変性アクリルポリオール樹脂を得た。このシリケート変性アクリルポリオール樹脂の粘度は24.2cPであった。
【0034】
実施例4 シリケート変性ポリエステルポリオール樹脂の製造
トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、イソノナン酸、ヘキサヒドロフタル酸、イソフタル酸、椰子油から得られたポリエステルポリオール樹脂(水酸基価110、不揮発分60重量%)306.7重量部に、製造例1で得られたブトキシエトキシ基で置換されたメチルシリケート480.0重量部とキシレン541.3重量部とを加えて、120℃で3時間撹拌した。これを冷却し、1327重量部のシリケート変性ポリエステルポリオール樹脂を得た。このシリケート変性アクリルポリオール樹脂の粘度は23.2cPであった。
【0035】
実施例5 シリケート変性メラミン樹脂の製造その1
スーパーベッカミン16−508(大日本インキ化学工業社製、イソブチル化メラミン、不揮発分60重量%)10.0重量部に、MKCシリケート56(三菱化学社製)28.2重量部と酢酸ブチル18.8重量部とを加えて、120℃で3時間撹拌した。これを冷却し、56.0重量部のシリケート変性メラミン樹脂を得た。このシリケート変性メラミン樹脂の粘度は7.0cP、数平均分子量は4900であった。
【0036】
実施例6および7 シリケート変性メラミン樹脂の製造その2およびその3
下記の表1に示す配合により、実施例5と同様にして、シリケート変性メラミン樹脂を得た。得られたシリケート変性メラミン樹脂についての収量および粘度を併せて表1に示した。
【0037】
【表1】
Figure 0003896233
【0038】
実施例8 シリケート変性フッ素ポリオール樹脂の製造その1
4フッ化エチレン/ビニルエーテル共重合樹脂ゼッフルGK−510(ダイキン工業社製、水酸基価30、不揮発分50重量%)20.0重量部に、製造例1で得られたブトキシエトキシ基で置換されたメチルシリケート29.3重量部と酢酸ブチル29.3重量部とを加えて、120℃で3時間撹拌した。これを冷却し、78.0重量部のシリケート変性フッ素ポリオール樹脂を得た。このシリケート変性フッ素ポリオール樹脂の粘度は185.0cPであった。
【0039】
実施例9 シリケート変性フッ素ポリオール樹脂の製造その2
フッ化ビニリデン共重合体KD215(関東電化工業社製、水酸基価78、不揮発分50.2重量%、フッ素含有量38%)14.7重量部に、エチルシリケート40(コルコート社製)6.7重量部と酢酸ブチル7.7重量部とを加えて、120℃で3時間撹拌した。これを冷却し、50.0重量部のシリケート変性フッ素ポリオール樹脂を得た。このシリケート変性フッ素ポリオール樹脂の粘度は20.0cPであった。
【0040】
実施例10〜14および比較例1、2 シリケート変性ポリオール樹脂組成物を含む塗料組成物から得られる塗膜の評価
ユニポン400HKタキシエロー(日本ペイント社製、アクリル・ポリエステルポリオール/イソシアネート硬化系)100重量部に、実施例1で得られたシリケート変性アクリルポリオール樹脂および製造例1で得られたブトキシエトキシ基で置換されたメチルシリケートを表2に示す割合でそれぞれ添加し、さらに加水分解触媒1重量部を加え、塗料組成物を得た。なお、表2におけるシリケート変性アクリルポリオール樹脂の配合量は、シリケートの含有量として表示されている。この含有量は、これを得るために使用した原料中に占めるシリケートの重量比をシリケート変性アクリルポリオール樹脂量に掛け合わせたものである。このようにして得られた塗料組成物を、中塗りとしてHKサーフェーサー(アトム社製)を塗装した磨き鋼板に、乾燥膜厚45〜55μmになるようにスプレー塗装した。80℃で25分焼き付けて塗膜を硬化させた。これを一夜放置し、塗膜の水接触角を測定するとともに塗膜にクラックが発生しているかどうかを目視で確認した。その結果を表2に示す。なお、比較例として、ブトキシエトキシ基で置換されたメチルシリケートのみを用いた系およびシリケート類を添加しなかった系についても実験を行い、その結果を表2に示した。
また、実施例14および比較例2については曝露1ヶ月後に目視で評価した耐汚染性の結果を併せて表2に示した。
【0041】
【表2】
Figure 0003896233
【0042】
上記結果から、種々のポリオール樹脂に対し、シリケートオリゴマーを反応させることにより、シリケート変性ポリオール樹脂組成物が得られることがわかった。また、得られたシリケート変性ポリオール樹脂組成物を塗料に添加したものから得られる塗膜は水接触角が低く、クラックが生じることがない。
【0043】
【発明の効果】
本発明のシリケート変性ポリオール樹脂組成物は、シリケート成分を含有しており、塗料に配合した際に耐汚染性に優れた塗膜が得ることができ、さらに塗膜にクラックが発生したり、白濁を生じることがない。これは以下のように考えられる。すなわち、本発明のシリケート変性ポリオール樹脂組成物はシリケートがグラフトされた構造を有する樹脂を含んでおり、これを塗料中に配合した場合、シリケート部分の加水分解後の縮合が通常のシリケート化合物よりも進行しにくく、縮合によって引き起こされると考えられるクラックの発生を防止することができる。一方、ポリオール樹脂部分が、バインダーに対して相溶化剤の働きをすることで、塗膜中に存在するシリケートのドメインサイズを小さくし、塗膜の透明性を高めている。
また、本発明のシリケート変性ポリオール樹脂組成物を含む塗料から得られた塗膜は、このシリケート変性ポリオール樹脂組成物が表面に存在することにより、リコート密着性の向上が期待できる。

Claims (4)

  1. 水酸基価5〜300、数平均分子量が500〜20000のポリオール樹脂に、下記式(I)で示されるシリケートオリゴマーを有機溶媒中で反応させて得られ、前記シリケートオリゴマーの量が前記ポリオール樹脂が有する水酸基に対して、0.1〜10倍モルであるシリケート変性ポリオール樹脂組成物。
    Figure 0003896233
    (式中、Rは同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜7のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数2〜4のアルコキシ基またはフッ素化アルコキシ基であり、前記Rの一部は水酸基であってもよい。また、nは1〜20である。)
  2. 前記ポリオール樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂またはメラミン樹脂である請求項1記載のシリケート変性ポリオール樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2のいずれか1つに記載のシリケート変性ポリオール樹脂組成物とバインダー成分とを含み、前記シリケート変性ポリオール樹脂組成物と前記バインダー成分との比率は、固形分重量比で0.5/100〜80/20である塗料組成物。
  4. 請求項3記載の塗料組成物から得られる塗膜。
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