JP3895134B2 - 燃料ガスの脱硫装置及び脱硫方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料ガスの脱硫装置及び脱硫方法、すなわち都市ガスやLPガスなどの燃料ガス中の硫黄化合物を吸着除去するための脱硫装置及びそれら燃料ガス中の硫黄化合物を吸着除去して燃料ガスを脱硫する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン等の低級炭化水素ガス、あるいはこれらを含む天然ガス、都市ガス、LPガス等のガスは、工業用や家庭用などの燃料として用いられるほか、燃料電池用燃料や雰囲気ガスなどとして利用される水素の製造用原料としても使用される。水素の工業的製造方法の一つである水蒸気改質法では、それらの低級炭化水素ガスを、Ni系、Ru系等の触媒の存在下、水蒸気を加えて改質し、水素を主成分とする改質ガスが生成される。
【0003】
都市ガスやLPガス等の燃料ガスには漏洩保安を目的とする付臭剤として、サルファイド類やチオフェン類、あるいはメルカプタン類などの硫黄化合物が含まれている。具体的には、サルファイド類としてジメチルサルファイド(本明細書中DMSと略称する)やエチルメチルサルファイドやジエチルサルファイド、チオフェン類としてテトラヒドロチオフェン(同じくTHTと略称する)、メルカプタン類としてターシャリーブチルメルカプタン(同じくTBMと略称する)やイソプロピルメルカプタンやノルマルプロピルメルカプタンやターシャリーアミルメルカプタンやターシャリーヘプチルメルカプタンやメチルメルカプタンやエチルメルカプタンなどである。
【0004】
一般に添加される付臭剤としてはDMS、THT及びTBMが多く用いられ、その濃度はいずれも数ppmである。とりわけ、都市ガスにおいてはDMS及びTBMの両方を用いるケースがほとんどである。例えば前記水蒸気改質法で用いられる触媒は、これらの硫黄化合物により被毒し、性能劣化を来たしてしまう。このため燃料ガス中のそれらの硫黄化合物は、燃料ガスから予め除去しておく必要がある。また、硫黄化合物を除去した燃料ガス中に、たとえ残留硫黄化合物が少量含まれていても、その残留硫黄化合物の量はできるだけ低濃度であることが望ましい。
【0005】
従来、燃料ガスに含まれる硫黄化合物の除去方法として、水添脱硫法や吸着剤による方法が知られている。水添脱硫法では、燃料ガスに水素を添加し、Co−Mo系触媒等の触媒の存在下、硫黄化合物を硫化水素に分解させ、分解生成物である硫化水素を酸化亜鉛、酸化鉄等の脱硫剤に吸着させて脱硫するが、水素の添加や加熱が必要であるなど脱硫操作が非常に複雑である。一方、吸着剤による方法は、活性炭、金属酸化物、あるいはゼオライト等を主成分とする吸着剤に燃料ガスを通過させることにより、硫黄化合物を吸着させて除去する方法である。
【0006】
吸着剤による方法には、加熱することで吸着能力を増加させる方法もあるが、常温で吸着させる方がシステムがより簡易になるので望ましい。吸着剤を用いて常温で硫黄化合物を除去する方法は、水添脱硫法や加熱吸着法のように熱や水素等を必要としないため簡易な脱硫方法である。この吸着剤は、図1に示すように脱硫容器に充填して用いられる。しかし、吸着剤がこれに吸着された硫黄化合物で飽和してしまうとガス中の硫黄化合物を除去することができなくなるので、再生や交換が必要である。したがって、吸着剤の吸着能力の大小により吸着剤の必要量、交換頻度が大きく左右されることになるため、より高い吸着能力を有する吸着剤が望まれる。
【0007】
活性炭や二酸化マンガン、ゼオライトなどの吸着剤を用いる常温脱硫法は、燃料ガスを吸着剤に通すだけなので非常に簡易な方法である。しかし、これら既存の吸着剤の場合、その性能は、特に硫黄化合物の性質に左右される。すなわち、活性炭や二酸化マンガン、ゼオライトなどの既存の常温吸着剤は吸着性能が十分でなく、特にDMS等のサルファイド類の吸着性能が低い。
【0008】
これまでガス中の硫黄化合物の吸着剤としては各種吸着剤が提案されている。例えば特開平6−306377号では、都市ガス、LPガス等の燃料ガスの付臭成分であるメルカプタン類を無酸素雰囲気下、選択的に、水素及び/又はアルカリ土類金属以外の多価金属イオン交換ゼオライトにより除去するというもので、ここでのゼオライトはその種類を問わず使用され、多価金属イオンとしてはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Sn、Znが好ましいとされている。この技術での吸着対象硫黄化合物は吸着の容易なメルカプタン類だけであり、その吸着能の確認は、その実施例に記載のとおり、上記ゼオライトを入れたサンプリングバッグに350ppmのTBM(都市ガスバランス)を導入することで行われている。
【0009】
また、燃料ガス中には、その製造過程あるいは供給過程において、微量の水分が含まれているケースがある。燃料ガス中の水分の有無に関わらず硫黄化合物を吸着する選択性が必要であるが、従来の吸着剤では、上記公報の吸着剤を含め、この点に関して何も配慮されていない。加えて、付臭剤として使用されるケースが多いTBM等のメルカプタン類やDMS等のサルファイド類に関しては、従来の吸着剤においては、特にDMS等のサルファイド類がより吸着され難いためDMS等のサルファイド類の吸着量を増加させることが非常に重要となってくる。
【0010】
本発明者等は、これら諸観点から、燃料ガス中に水分が含まれていてもなお有効に機能する吸着剤について追求し、各種実験、検討を続けた結果、燃料ガス中に水分が含まれていても、硫黄化合物の種類を問わず有効で、DMS等のサルファイド類についても優れた吸着能を有する燃料ガス中の硫黄化合物吸着剤を先に開発し出願している〔特願2000−23955(特願2000−232780)、特願2000−123527、特願2000−256493〕。
【0011】
この吸着剤は、ゼオライトにAg、Cu、Zn、Fe、Co及びNiから選ばれた1種又は2種以上の遷移金属をイオン交換により担持させてなるもので、サルファイド類、チオフェン類、メルカプタン類などの硫黄化合物の種類を問わず吸着性能を有するが、特にDMS等のサルファイド類について優れた吸着性能を有している。この点、従来の活性炭や二酸化マンガン、あるいはゼオライトなどではDMSの吸着性能が低いことから、上記吸着剤は特異な吸着剤と云える。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような事実を利用することにより、都市ガスやLPガス、天然ガスなどの燃料ガスからTBM等のメルカプタン類及びDMS等のサルファイド類を同時に且つより高効率で吸着除去するようにしてなる脱硫装置及びそれら燃料ガス中からTBM等のメルカプタン類及びDMS等のサルファイド類を同時に且つより高効率で吸着除去して燃料ガスを脱硫する方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は(1)硫黄化合物含有燃料ガスの脱硫装置であって、脱硫容器中に、その上流側と下流側とで硫黄化合物吸着能の異なる吸着剤を充填してなることを特徴とする燃料ガスの脱硫装置を提供し、また、本発明は(2)硫黄化合物含有燃料ガスの脱硫装置であって、脱硫容器中に、硫黄化合物吸着能の異なる二種以上の吸着剤を混合して充填してなることを特徴とする燃料ガスの脱硫装置を提供する。
【0014】
本発明は(3)硫黄化合物含有燃料ガスの脱硫装置であって、脱硫容器中に、その上流側に既存の硫黄化合物吸着剤を充填し、下流側にゼオライトにAg、Cu、Zn、Fe、Co及びNiから選ばれた1種又は2種以上の遷移金属をイオン交換により担持させてなる硫黄化合物吸着剤を充填してなることを特徴とする燃料ガスの脱硫装置を提供する。
【0015】
本発明は(4)硫黄化合物含有燃料ガスの脱硫装置であって、脱硫容器中に、既存の硫黄化合物吸着剤とゼオライトにAg、Cu、Zn、Fe、Co及びNiから選ばれた1種又は2種以上の遷移金属をイオン交換により担持させてなる硫黄化合物吸着剤を混合して充填してなることを特徴とする燃料ガスの脱硫装置を提供する。
【0016】
また、本発明は、硫黄化合物含有燃料ガスの脱硫方法であって、該燃料ガスを、上記(1)〜(4)の脱硫装置に通して脱硫することを特徴とする燃料ガスの脱硫方法を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明においては、脱硫容器中に、被処理硫黄化合物含有燃料ガスの流れ方向に、その上流側と下流側とで硫黄化合物吸着能の異なる吸着剤を充填するか、または硫黄化合物吸着能の異なる吸着剤を混合し充填してなる脱硫装置を用いる。そして、このように両吸着剤を充填した脱硫装置中に硫黄化合物含有燃料ガスを通して両吸着剤に接触させることにより、燃料ガスに含まれる複数の硫黄化合物を一つの脱硫装置で同時に吸着除去することができる。
【0018】
本発明は、特に、少なくともTBM等のメルカプタン類及びDMS等のサルファイド類の両方を含む燃料ガスの脱硫に適用される。本発明における、上記硫黄化合物吸着能の異なる吸着剤のうちの一種としては、例えば活性炭、二酸化マンガン等の金属酸化物、あるいはゼオライトなどの既存の硫黄化合物吸着剤を用いることができる。これらの吸着剤は一般に沸点が高い硫黄化合物に対して高い吸着能を示す。上記TBM(沸点64.4℃)とDMS(沸点37.2℃)の場合、TBMに対する吸着能が高い。従って、既存の硫黄化合物吸着剤である活性炭、二酸化マンガン等の金属酸化物、ゼオライトなどは、TBM等のメルカプタン類の吸着には有効であるが、DMS等のサルファイド類の吸着には有効でない。
【0019】
一方、前記硫黄化合物吸着能の異なる吸着剤の他の一種としては、燃料ガス中の硫黄化合物のうち、上記既存の硫黄化合物吸着剤では吸着しにくい特定成分、すなわちTBM等のメルカプタン類及びDMS等のサルファイド類のうちの、DMS等のサルファイド類に対して特に吸着能の高い吸着剤が用いられる。
【0020】
DMS等のサルファイド類に対して特に吸着能の高い吸着剤としては、そのような性能を有する吸着剤であればいずれも使用されるが、その好ましい例として、前述特願2000−23955(特願2000−232780)、特願2000−123527、特願2000−256493に係る硫黄化合物吸着剤を挙げることができる。これらは本発明者らにより先に開発されたものである。
【0021】
上記硫黄化合物吸着剤は、ゼオライトに、Ag、Cu、Zn、Fe、Co及びNiから選ばれた1種又は2種以上の遷移金属をイオン交換により担持させてなる吸着剤で、いずれも燃料ガス中の水分濃度に関わらず、燃料ガス中に含まれているTBM等のメルカプタン類、DMS等のサルファイド類及びTHT等のチオフェン類に加え、硫化水素等をも有効に除去することができる。それら遷移金属の中でもAg又はCuを担持させた吸着剤が特に有効である。ゼオライトとしては、好ましくはX型ゼオライト、Y型ゼオライト及びβ型ゼオライトが用いられる。
【0022】
上記吸着剤を製造するには、先ず、上記Ag、Cu、Zn、Fe、Co及びNiから選ばれた各遷移金属をゼオライトに対してイオン交換法により担持させる。具体的には、それら金属の化合物を水に溶解して水溶液とする。各金属の化合物としては、ゼオライトの陽イオンとイオン交換させる必要があるため、水に溶解し、その水溶液中、金属が金属イオンとして存在し得る金属化合物が用いられる。この水溶液をゼオライトと後述図4に示すように▲1▼撹拌法、▲2▼含浸法、▲3▼流通法等により接触させることにより、ゼオライト中の陽イオンをこれら金属イオンと交換させる。次いで、水等で洗浄した後、乾燥し、必要に応じて焼成することにより得られる。
【0023】
上記硫黄化合物除去用吸着剤は、各種燃料ガス中の前述サルファイド類、チオフェン類及びメルカプタン類のうちの1種又は2種以上の硫黄化合物を吸着除去するのに適用できる。この吸着剤は、それら硫黄化合物に加え硫化水素等の吸着除去にも有効に作用するが、特にDMS等のサルファイド類について優れた吸着能を有する。このため特に都市ガスやLPガス等の燃料ガスからそれら硫黄化合物を吸着除去するのに好適に使用することができる。
【0024】
本発明においては、前記既存の吸着剤とともに(つまり既存の吸着剤と合わせて)、上記のようなDMS等のサルファイド類に対して特に吸着能の高い吸着剤を用いることにより、都市ガス等の燃料ガスに含まれるTBM等のメルカプタン類及びDMS等のサルファイド類の両方を一つの脱硫装置で同時に且つより効率的に吸着除去することができる。脱硫装置としては、脱硫容器中に、その上流側と下流側で硫黄化合物吸着能の異なる吸着剤を充填するか、または硫黄化合物吸着能の異なる吸着剤を混合充填してなる脱硫装置を用いる。図2〜3は本発明の脱硫装置の態様例を示す図である。
【0025】
図2は、脱硫容器中に、その上流側と下流側とで硫黄化合物吸着能の異なる二種類の吸着剤を充填してなる脱硫装置の場合である。吸着剤AはTBM等のメルカプタン類を吸着する吸着剤(メルカプタン類吸着能>>サルファイド類吸着能:>は吸着能の優劣を示し、その数はその優劣の程度を示す。以下同じ)で、脱硫容器中上流側に充填する。吸着剤BはDMS等のサルファイド類を吸着する吸着剤(メルカプタン類吸着能<サルファイド類吸着能)で、脱硫容器中下流側に充填する。
【0026】
上記態様(図2)は、その上流側に吸着剤Aを、その下流側に吸着剤Bを充填する、いわゆる二層分離型であるが、吸着剤Bとして特に「ゼオライトに、Ag、Cu、Zn、Fe、Co及びNiから選ばれた1種又は2種以上の遷移金属をイオン交換により担持させてなる吸着剤」を用いる場合には、充填順序「吸着剤A→吸着剤B」の二層分離型の場合だけが有効であり、同じ二層分離型であっても、上流側から充填順序「吸着剤B→吸着剤A」の二層分離型では本発明の効果は得られない。この理由は不明であるが、吸着剤A→吸着剤Bの二層分離型においては、吸着剤B→吸着剤Aの二層分離型での吸着作用とは異なる、何らかの有意な吸着作用が生起しているものと思われる。
【0027】
図3は、脱硫容器中に、硫黄化合物吸着能の異なる2種以上の吸着剤を混合して充填してなる脱硫装置の場合である。吸着剤AはTBM等のメルカプタン類を吸着する吸着剤(メルカプタン類吸着能>>サルファイド類吸着能)、吸着剤BはDMS等のサルファイド類を吸着する吸着剤(メルカプタン類吸着能<サルファイド類吸着能)であり、脱硫容器中に両吸着剤を混合して充填する。
本発明の脱硫容器の構成材料としては被処理燃料ガスに侵されない材料であればよく、例えばステンレス鋼やガラスや各種プラスチックなどが挙げられる。
【0028】
これら脱硫装置において、吸着剤Bとして、ゼオライト、特に前記X型ゼオライト、Y型ゼオライト及びβ型ゼオライトのいずれかのゼオライトに、Ag、Cu、Zn、Fe、Co及びNiから選ばれた1種又は2種以上の遷移金属をイオン交換により担持させてなる硫黄化合物吸着剤を用いると、燃料ガスからメルカプタン類及びサルファイド類に加えて、チオフェン類や硫化水素等の硫黄化合物も同時に吸着除去することができる。その際、吸着剤Aとしては、例えば活性炭、二酸化マンガン等の金属酸化物、あるいはゼオライトなどの既存の硫黄化合物吸着剤を用いるが、特に好ましくは活性炭が用いられる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれら実施例により制限されないことはもちろんである。
【0030】
〈供試吸着剤の調製〉
ゼオライトとして、市販のNa−X型ゼオライト(東ソー社製、商品名:F9−HA、SiO2/Al2O3比(モル比、以下同じ)=2.5)、市販のH−β型ゼオライト(東ソー社製、商品名:HSZ930HOD、SiO2/Al2O3比=27.4)、市販のNa−Y型ゼオライト(東ソー社製、商品名:HSZ320NAD、SiO2/Al2O3比=5.7)、市販のH−Y型ゼオライト(東ソー社製、商品名:HSZ320HOD、SiO2/Al2O3比=5.6)、H−USY型ゼオライト(東ソー社製、商品名:HSZ360HUD、SiO2/Al2O3比=13.7)、K−L型ゼオライト(東ソー社製、商品名:HSZ500KOD、SiO2/Al2O3比=6.0)、Na−モルデナイト型ゼオライト(東ソー社製、商品名:HSZ642NAD、SiO2/Al2O3比=18.3)を用いた。
【0031】
これらゼオライトは、バインダーとしてアルミナ又は粘土20wt%程度を用いて円柱形のペレット(直径1.5mm、長さ=3〜4mm)に成形したものである。一方、硝酸銀、酢酸銅などを蒸留水に溶解して各金属塩の水溶液を得た。これら各金属塩の水溶液を用いて、図4に示す各種イオン交換方法により、上記ゼオライト中の各陽イオン(Na+、K+またはH+)をAgイオン、Cuイオン、Znイオン、Feイオン、Coイオン、Niイオンと交換させた後、蒸留水(図4中DIW)にて5回洗浄し、次いで乾燥、焼成した。
【0032】
表1に、これらの結果をまとめて示している。表1中、サンプル名の欄には略号で示しているが、同欄中、例えば「Ag(Na)−Y」とはNa−Y型ゼオライトにAgをイオン交換により担持させたものの意味であり、この点、表2及び以下の記載についても同じである。なお、乾燥及び焼成条件は各サンプルとも共通であり、乾燥は空気中において100℃で1日行い、焼成は乾燥窒素中において400℃で2時間行った。こうして、各種ゼオライトに金属をイオン交換により担持させた各供試吸着剤を得た。
【0033】
【表 1】
【0034】
〈実施例1〜13:比較例1〜17〉(硫黄化合物吸着試験1)
図5に示す試験装置を用いて硫黄化合物の吸着試験を実施した。図5中、充填管(円筒反応管)に上記で得た各供試吸着剤を充填し、それぞれについて硫黄化合物の吸着試験を実施した。試験条件は以下のとおりとした。
充填管:28.4mm(直径)×63.2mm(高さ)、これに各供試吸着剤40cm3を充填した。試験ガス:都市ガス〔13A:メタン≒87.8%(容量%、以下特に触れない場合同じ)、エタン≒5.9%、プロパン≒4.6%、n−ブタン≒0.8%、i−ブタン≒0.8%〕、試験ガス中の硫黄化合物濃度:4.4mg−SNm3(DMS=50wt%、TBM=50wt%、これはDMS=1.8ppm(容量ppm、以下同じ)、TBM=1.2ppmに相当する)、このガスに水約380ppm(露点−30℃)を添加した(恒温槽中での試験ガスの水中バブリングによる)。ガス速度:340L/h、LV(ガスの線速度)=15cm/sec、SV(空間速度)=8500h-1、温度:室温(20℃)、圧力:常圧。本吸着試験は比較例を含めてすべて同一装置、同一条件で実施した。
【0035】
各供試吸着剤による硫黄化合物の吸着量は以下のとおりにして求めた。上記試験条件で、試験ガスを充填管入口から導入し、充填管出口から排出されるガスを経時的にサンプリングし、GC−FPD(炎光光度検出器付きのガスクロマトグラフ)により硫黄化合物の濃度を求めた。硫黄化合物の吸着量は、充填管出口における各硫黄化合物濃度が0.1ppmに達した時点までの全硫黄化合物吸着量を積算し、下記式(1)により硫黄吸着量として算出したものである。この点、以下の実施例についても同じである。
【0036】
【式 1】
【0037】
表2は上記吸着試験の結果である。表2には、比較例として、市販の各種ゼオライト自体のほか、市販の各種吸着剤及び吸着作用を有すると思われる各種多孔質材料について、上記と同じくして吸着試験を行った結果も示している。
【0038】
【表 2】
【0039】
表2のとおり、市販のゼオライトのままのもの(比較例1〜9)では、硫黄吸着量は良くても0.23wt%であるに過ぎない。また、市販のゼオライト以外の吸着剤(比較例10〜17)については、それよりも低い。つまり、市販のゼオライトや活性炭等の吸着剤は、そのままでは、水分を含む燃料ガス中の硫黄化合物の吸着剤としては有用でないことを示している。
【0040】
これに対して、実施例1〜13は、市販のゼオライトにAg、Cu、Zn、Fe、Co、Niといった遷移金属をイオン交換により担持させた場合であるが、市販のゼオライトのままのものに比べて、硫黄吸着性能が有効に改善されている。特に、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、β型ゼオライトに銀又は銅をイオン交換により担持させた場合(実施例1〜4、8〜9)の硫黄吸着量は1wt%を上回り、非常に有効な吸着特性を示している。なかでも、Na−Y型ゼオライトにAgをイオン交換により担持させた場合(実施例1)の硫黄吸着量は4.1wt%と、特に優れた吸着特性を示している。
試験ガスには、DMSが1.8ppm、TBMが1.2ppm含まれ、水が約380ppm含まれているが、このような水分の共存下において、DMS及びTBM共に有効に吸着されている。
【0041】
〈実施例14〉(硫黄化合物吸着試験2:硫黄化合物の種類別吸着性能試験)
吸着剤として下記吸着剤A及び吸着剤Bを用意した。
吸着剤A:市販の脱硫用活性炭(武田薬品工業社製、粒状白鷺NCC)
吸着剤B:実施例1の吸着剤(Na−Y型ゼオライトに硝酸銀水溶液で銀イオンをイオン交換したもの)
図5に示す試験装置を用いて、これら吸着剤A及び吸着剤Bをそれぞれ充填管〔内径8mm(内直径)の石英管〕に同量充填し、硫黄化合物の種類ごとに吸着試験を実施した。吸着剤Bは、前記〈供試吸着剤の調製〉で得られた円柱形のペレットを粉砕して0.35mmから0.71mmの範囲に整粒したものを1.0cm3充填した。吸着剤Aも同じ粒径に整粒して用いた。試験ガスとしては、DMS、TBM、THT、CS2、H2S及びCH3SHをそれぞれ窒素で希釈した各ガスに(それぞれ10ppm、N2バランス)、水を約1000ppm(露点−20℃)添加した各ガスを用いた。ガス流速は1000cm3/min(SV=60000h-1)とし、吸着剤層出口側のガスを経時的にサンプリングし、GC−FPDにより一定の時間間隔で測定して各硫黄化合物の濃度を求めた。
【0042】
図6は上記吸着試験の結果である。図6のとおり、吸着剤Bの硫黄吸着性能は、吸着剤Aの硫黄吸着性能に比べて優れていることが分かる。特にDMSについて、吸着剤Aは僅かに吸着するに過ぎないのに対して(硫黄吸着量=0.7wt%)、吸着剤Bは格段に優れた吸着性能を示している(硫黄吸着量=4.9wt%)。TBMについては両者ほぼ同等であるが、THT、H2S、CH3SHについても、吸着剤Bは、吸着剤Aに比べて優れた吸着性能を示している。
【0043】
〈実施例15〉(硫黄化合物吸着試験3:TBM及びDMSの吸着性能試験)
実施例14で用いたのと同じ吸着剤Aと吸着剤Bについて、TBM及びDMSの硫黄化合物別の破過状況を測定した。試験ガスとしては、TBMとDMSを窒素で希釈したガス(DMS=5ppm、TBM=5ppm、N2バランス)に水を約1000ppm(露点−20℃)添加したガスを用いた。ガス流速は1000cm3/min(SV=60000h-1)とし、吸着剤層出口側のガスを経時的にサンプリングし、GC−FPDにより一定の時間間隔で測定してTBM及びDMSの濃度を求めた。
【0044】
図7はこの吸着試験の結果である。図7(a)〜(b)のとおり、TBMについて破過が現れるまでの時間は、吸着剤Aが吸着剤Bに比べて長い。一方、DMSについては、吸着剤Aでは約300分経過時に破過してしまうのに対して、吸着剤Bでは約1200分経過時まで破過が現れず吸着性能を維持している。
【0045】
〈実施例16〉(硫黄化合物吸着試験4:吸着剤Aと吸着剤B又は吸着剤Cとの充填の仕方如何による吸着性能試験)
吸着剤として下記吸着剤A、吸着剤B及び吸着剤Cを用意した。
吸着剤A:市販の脱硫用活性炭(武田薬品工業社製、粒状白鷺NCC)
吸着剤B:実施例1の吸着剤(Na−Y型ゼオライトに硝酸銀水溶液で銀イオンをイオン交換したもの)
吸着剤C:実施例4の吸着剤(H−β型ゼオライトに硝酸銀水溶液で銀イオンをイオン交換したもの)
【0046】
脱硫容器中における吸着剤Aと吸着剤B又は吸着剤Cとの充填の仕方を変えて構成した脱硫装置を用いて吸着試験を実施した。図8は、本吸着試験で使用した脱硫容器中における吸着剤A、吸着剤Bの充填、配置関係を示す図である。吸着剤Cについては吸着剤Bの充填、配置関係と同じである。図8(a)は吸着剤A、吸着剤Bの各一種類のみを充填した脱硫装置(単一成分型:比較例)、図8(b)は燃料ガス入口側から順次吸着剤A、吸着剤Bを充填した脱硫装置(二層分離型:実施例)、図8(c)は吸着剤Aと吸着剤Bを混合して充填した脱硫装置(均一混合型:実施例)、図8(d)は燃料ガス入口側から順次吸着剤B、吸着剤Aを充填した脱硫装置(二層分離型:比較例)である。
【0047】
上記脱硫容器は、管状石英管で、サイズは8mm(内直径)×250mm(高さ)、容量(=吸着剤を充填した容量)は1.0cm3とした。吸着剤A、吸着剤B及び吸着剤Cは直径0.35〜0.71mmの顆粒状にして用いた。図8(b)〜(d)の脱硫装置では、吸着剤A、吸着剤Bの両者の量的割合は等量(50%/50%、すなわち0.5cm3ずつ。%は容量%、以下同じ)の場合と、吸着剤A:吸着剤B=25%/75%の場合とした。また、吸着剤Aと吸着剤Cとの二層分離型〔図8(b)における吸着剤Bに代えて吸着剤Cを充填したもの〕の配置では、吸着剤A:吸着剤C=50%/50%とした。
【0048】
吸着試験は、図5に示す試験装置を用い、その際、図5中充填管部分を上記図8(a)〜(d)の脱硫装置で置き換えて実施した。試験条件は前記〈実施例15〉(硫黄化合物吸着試験3:TBM及びDMSの吸着性能試験)と同じくし、温度は室温(25℃)で行い、吸着剤Aと吸着剤Bの二層分離型では50℃でも実施した。表3及び図9〜10はその結果である。
【0049】
【表 3】
【0050】
表3のとおり、まず、従来の単一成分型〔比較例:図8(a)〕では、吸着剤A、吸着剤B、吸着剤Cの各一種類のみを充填した脱硫装置では、吸着剤A、吸着剤B及び吸着剤Cそれぞれの吸着性能がそのまま現れている。次に、二層分離型で、試験ガス入口側から順次吸着剤A、吸着剤Bを充填した脱硫装置〔実施例:図8(b)〕では、充填割合、吸着剤A:吸着剤B=50%/50%、温度25℃において、3.1wt%の吸着量を示し、TBM、DMS共に良好に吸着されていることを示している。
【0051】
これに対して、同じ二層分離型で、同入口側から順次吸着剤B、吸着剤Aを充填した脱硫装置〔比較例:図8(d)〕では、同じ充填割合、温度において、2.0wt%しか吸着されていない。
このように本発明に係る試験ガス入口側から順次吸着剤A、吸着剤Bを充填した脱硫装置〔実施例:図8(b)〕での優れた脱硫効果は明白である。
【0052】
さらに、表3のとおり、本発明に係る二層分離型で、入口側から順次吸着剤A、吸着剤Bを充填した脱硫装置〔実施例:図8(b)〕で、吸着剤A:吸着剤B=25%/75%にした場合、温度25℃で硫黄吸着量3.6wt%、温度を上げて50℃にした場合には硫黄吸着量がさらに増加している。
【0053】
また、表3のとおり、均一混合型で、吸着剤Aと吸着剤Bを混合して充填した脱硫装置〔実施例:図8(c)〕では、充填割合、吸着剤A:吸着剤B=50%/50%、温度25℃において、硫黄吸着量2.8wt%を示している。充填割合を変え、吸着剤A:吸着剤B=25%/75%とした場合には、硫黄吸着量がさらに増加している。
【0054】
図9は、脱硫容器中における吸着剤Aと吸着剤Bの充填の仕方と硫黄吸着量の関係を示す図である。図9中、横軸は吸着剤Bの混合率[%]として示しているが、左端は吸着剤Bが0%すなわち吸着剤Aのみを充填した場合、右端は100%すなわち吸着剤Bのみを充填した場合である。
吸着剤Aと吸着剤Bについて、吸着剤B→吸着剤Aの順に等量充填して用いた場合には(図9中■印)、2.0wt%の硫黄吸着量である。
【0055】
これに対して、吸着剤A→吸着剤Bの順に等量充填して用いた場合には(図9中○印)、3.1wt%の硫黄吸着量を示し、同じ順で吸着剤A:吸着剤B=25%:75%の割合で充填使用した場合には3.6wt%もの硫黄吸着量を示している。また、吸着剤Aと吸着剤Bを等量均一に混合充填して用いた場合には(図9中△印)、2.8wt%の硫黄吸着量を示している。
このように、吸着剤B→吸着剤Aの順に充填した場合に比べて、吸着剤A→吸着剤Bの順に充填して用いた場合には格段に優れた硫黄吸着性能が得られ、また吸着剤Aと吸着剤Bを混合充填して用いた場合にはこれに準じる硫黄吸着性能が得られることが分かる。
【0056】
図10は脱硫容器中における吸着剤Aと吸着剤Cを混合充填した場合の結果である。図10中、横軸は吸着剤Cの混合比[%]として示しているが、左端は吸着剤Cが0%すなわち吸着剤Aのみを充填した場合、右端は100%すなわち吸着剤Bのみを充填した場合である。吸着剤Aと吸着剤Cを混合して充填した場合には、吸着剤Aと吸着剤Cを単独で用いた場合に比べて、硫黄吸着量が有意に改善されることを示している。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくともTBM等のメルカプタン類及びDMS等のサルファイド類の両方を含む燃料ガス中の両硫黄化合物を一つの脱硫装置で同時に有効に吸着除去することができる。その際、DMS等のサルファイド類に対して特に吸着能の高い吸着剤として「X型、Y型、β型のいずれかのゼオライトにAg、Cu、Zn、Fe、Co及びNiから選ばれた1種又は2種以上の遷移金属をイオン交換により担持させてなる吸着剤」を使用すると、それらメルカプタン類及びサルファイド類の両硫黄化合物を同時に且つより効率的に吸着除去できるのに加え、チオフェン類、あるいは硫化水素等の硫黄化合物をも同時に有効に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の常温脱硫装置を示す図
【図2】本発明の脱硫装置の態様例を示す図
【図3】本発明の脱硫装置の態様例を示す図
【図4】実施例で使用した各種イオン交換方法を示す図
【図5】実施例で使用した試験装置の概略を示す図
【図6】実施例14(硫黄化合物吸着試験2:硫黄化合物の種類別吸着性能試験)の結果を示す図
【図7】実施例15(硫黄化合物吸着試験3:TBM及びDMSの吸着性能試験)の結果を示す図
【図8】実施例16(硫黄化合物吸着試験4:吸着剤Aと吸着剤Bの充填の仕方如何による吸着性能試験)で用いた脱硫装置を示す図
【図9】実施例16(硫黄化合物吸着試験4:吸着剤Aと吸着剤Bの充填の仕方如何による吸着性能試験)の結果を示す図
【図10】脱硫容器中に吸着剤Aと吸着剤Cを混合充填した場合の結果を示す図
Claims (6)
- 硫黄化合物含有燃料ガスの脱硫装置であって、脱硫容器中に、その上流側に活性炭からなる硫黄化合物吸着剤を充填し、下流側にゼオライトにAg、Cu、Zn、Fe、Co及びNiから選ばれた1種又は2種以上の遷移金属をイオン交換により担持させてなる硫黄化合物吸着剤を充填してなることを特徴とする燃料ガスの脱硫装置。
- 硫黄化合物含有燃料ガスの脱硫装置であって、脱硫容器中に、活性炭からなる硫黄化合物吸着剤と、ゼオライトにAg、Cu、Zn、Fe、Co及びNiから選ばれた1種又は2種以上の遷移金属をイオン交換により担持させてなる硫黄化合物吸着剤と、を混合して充填してなることを特徴とする燃料ガスの脱硫装置。
- 硫黄化合物含有燃料ガスの脱硫装置であって、脱硫容器中に、その上流側に活性炭からなる硫黄化合物吸着剤を充填し、下流側にX型ゼオライト、Y型ゼオライト又はβ型ゼオライトにAg、Cu、Zn、Fe、Co及びNiから選ばれた1種又は2種以上の遷移金属をイオン交換により担持させてなる硫黄化合物吸着剤を充填してなることを特徴とする燃料ガスの脱硫装置。
- 硫黄化合物含有燃料ガスの脱硫装置であって、脱硫容器中に、活性炭からなる硫黄化合物吸着剤と、X型ゼオライト、Y型ゼオライト又はβ型ゼオライトにAg、Cu、Zn、Fe、Co及びNiから選ばれた1種又は2種以上の遷移金属をイオン交換により担持させてなる硫黄化合物吸着剤と、を混合して充填してなることを特徴とする燃料ガスの脱硫装置。
- 上記硫黄化合物含有燃料ガスが、少なくともメルカプタン類及びサルファイド類を含む燃料ガスである請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料ガスの脱硫装置。
- 上記硫黄化合物含有燃料ガスが都市ガス、LPガス又は天然ガスである請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料ガスの脱硫装置。
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