JP3926170B2 - 硫黄化合物除去方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ガスなどに含まれる硫黄化合物の除去を行うための硫黄化合物除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、都市ガス工事の際に放出される都市ガスは、硫黄化合物を除去することが必須となっている。また、都市ガスを燃料とする燃料電池では、RuやNiなどの水蒸気改質触媒の劣化防止のため予め脱硫を行うことが要求される。
【0003】
都市ガスを燃料とする燃料電池用の燃料ガス中に含まれる硫黄化合物の除去には、活性炭や添着活性炭が主に用いられてきた。たとえば、脱臭を目的とする空気中の硫黄化合物除去方法においても、活性炭もしくは添着活性炭により吸着除去する方法がある。
【0004】
なお、燃料電池における脱硫方法では、燃料中の硫黄化合物を水添分解し硫化水素とした後、300℃程度に加熱した酸化亜鉛により硫化水素を除去する脱硫方法が検討されている。また、銅、マンガンなどの遷移金属酸化物によりメルカプタン化合物を常温で酸化分解して除去する硫黄化合物方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、活性炭を用いて硫黄化合物を除去する方法においては、高い硫黄化合物除去能力を長期間にわたり要求される燃料電池の脱硫などで、硫黄化合物の破過が早すぎ、その特性は十分といえない。
【0006】
なお、水添分解と酸化亜鉛により脱硫を行う方式では、300〜400℃で水添脱硫を行うため、水素の添加が必要であり、複雑な排熱利用法の適用が必要である。また、銅、マンガンなどの遷移金属酸化物により酸素存在下で脱臭を行うと、メルカプタンが常温で部分酸化されることでジスルフィドが生成して異臭の発生源となるが、スルフィドなどのメルカプタン以外の硫黄化合物を除去することは困難である。
【0007】
このように、都市ガスなどに含まれる硫黄化合物の除去を長期間にわたり効果的に行うことが困難であるという課題があった。
【0008】
本発明は、上記従来のこのような課題を考慮し、都市ガスなどに含まれる硫黄化合物の除去を長期間にわたり効果的に行うことができる硫黄化合物除去方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第一の本発明(請求項1に対応)は、プロトンをイオン交換サイトにもつゼオライトおよび/または脱アルミニウム処理が行われたゼオライトに硫黄化合物を含むガスを通過させ、前記ゼオライトを利用して前記硫黄化合物を吸着する硫黄化合物吸着ステップと、
H−Y型ゼオライト、MFI型ゼオライト、およびアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属をイオン交換サイトに有するゼオライトを除く、硫化水素吸着剤および/または硫化水素吸収剤に、前記硫黄化合物吸着ステップで利用された前記ゼオライトを通過した前記ガスを通過させ、前記硫黄化合物吸着ステップで発生した硫化水素を除去する硫化水素除去ステップと、を備え、
前記硫化水素吸着剤および/または前記硫化水素吸収剤は、前記硫黄化合物吸着ステップで利用された前記ゼオライトとは異なる、硫化水素吸着剤および/または硫化水素吸収剤である、硫黄化合物除去方法である。
第二の本発明(請求項2に対応)は、前記硫黄化合物吸着ステップは、室温で行われる第一の本発明の硫黄化合物除去方法である。
【0010】
第三の本発明(請求項3に対応)は、前記硫化水素吸着剤は、(a)銅、亜鉛、マンガン、鉄、白金族元素の内の少なくとも一つまたはその金属酸化物、および/または(b)活性炭を有する第一の本発明の硫黄化合物除去方法である。
【0011】
第四の本発明(請求項4に対応)は、前記硫化水素吸着剤は、銅、亜鉛、マンガン、鉄、銀の内の少なくとも一つをイオン交換サイトに有するゼオライトである第一の本発明の硫黄化合物除去方法である。
【0012】
第五の本発明(請求項5に対応)は、前記硫化水素吸収剤は、アルカリ性を示す固体または溶液である第一の本発明の硫黄化合物除去方法である。
【0013】
第六の本発明(請求項6に対応)は、前記硫化水素吸着剤は、銅、亜鉛、マンガン、鉄の内の少なくとも一つを有し、200℃以上に保たれている第一の本発明の硫黄化合物除去方法である。
【0014】
第七の本発明(請求項7に対応)は、前記硫黄化合物を含むガスは、TBMを含む燃料ガスである第一の本発明の硫黄化合物除去方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
都市ガスでは、ガス漏れ対策から意図的に燃料ガスに微量の硫黄化合物系付臭剤を混入させる。この付臭剤成分は都市ガス供給会社などにより異なるが、日本を例に取ると、ターシャリーブチルメルカプタン(以下TBMと略す)、ジメチルスルフィド(以下DMSと略す)、テトラヒドロチオフェンが用いられ、その濃度は数ppmである。
【0018】
本発明者は、種々の硫黄化合物を含む天然ガス、コークス炉ガスと異なり、都市ガスでは、既知構造で既知濃度の硫黄化合物を意図的に混入させているため、それらの硫黄化合物に対して効果的な吸着剤を選択することでその吸着除去が可能であることに着目した。
【0019】
そして、本発明者は、たとえば本発明にかかる実施の形態の燃料電池システムの構成図である図1に示されているような、第一吸着剤(H−Y型ゼオライトを脱アルミニウム処理した超安定Y型ゼオライト)に硫黄化合物を含むガス(都市ガス13A)を通過させる硫黄化合物除去手段11と、第二吸着剤(Na−X)に第一吸着剤に通過させられたガスを通過させる硫化水素除去手段12とを備えた硫黄化合物除去装置を発明した。ここに、硫黄化合物除去装置は、水蒸気改質器(Ru触媒)11、シフト反応器12、選択酸化反応器13を有する水素精製器を介して、スタック31を有する高分子固体電解質型燃料電池に接続されている。
以下では、本実施の形態の硫黄化合物除去装置の構成および動作について説明する。なお、本実施の形態の硫黄化合物除去装置の動作について説明しながら、本発明の硫黄化合物除去方法の実施の形態について説明する。
【0020】
(1)まず、本発明者は、第一ステップでイオン交換サイトにプロトンを持つゼオライト(沸石)もしくは脱アルミニウム処理を行ったゼオライトを含む吸着体を利用することでこれらの硫黄化合物の吸着除去を行えばよいという考えに想到した。
【0021】
日本では、一般に添加される付臭剤としてはTBM、DMSが選ばれることが多いが、この中でDMSがより吸着されにくいため、破過が早い。
【0022】
これらの硫黄化合物をゼオライトを用いて吸着するためには、細孔内に硫黄化合物が入ることが重要である。TBMの分子の大きさは、約6Åなので、細孔径の大きな酸素10員環以上の口径を持つゼオライトが望ましい。この様なゼオライトとして、Y型、X型などのフォージャサイト型ゼオライトやMFI型ゼオライト、ベータ型ゼオライトが挙げられる。
【0023】
なお、近年は酸素12員環以上のゼオライトが多数合成されており、これらを用いてもよいが、このような酸素12員環以上のゼオライトの入手は未だ困難であるというのが実状である。
【0024】
また、燃料ガス中のTBMやDMSといった臭気に対して、イオン交換サイトにアルカリ金属またはアルカリ土類金属を有するゼオライトでは、初期に高い吸着特性を示すものの、吸着量は小さく、破過が始まると急激に吸着特性は低下し、吸着体を通過したガス中の硫黄化合物濃度が上昇する。
【0025】
さて、H型ゼオライトや脱アルミニウムゼオライトなど強酸点を持つゼオライトでは、長時間にわたり高い除去率を維持するが、しばらく吸着を行うと排出ガス中に微量の硫化水素が検出される。これは、TBMがゼオライトの酸点で硫化水素とオレフィンに転化する反応が起こり、オレフィンはゼオライトに吸着されるが、硫化水素は吸着破過が起こったために排出ガス中に検出されたと考えられる。なお、脱アルミニウム処理を施すことにより、強酸点は増大するが、脱アルミニウムの方法としては、水熱処理、酸溶液中での加熱処理、四塩化珪素などの珪素化合物ガス中での加熱などが知られている。
【0026】
そこで、本発明者は、このようなゼオライトの性質に着目し、上述の第一ステップに引き続き、酸性質を持つゼオライトの下流に硫化水素吸着剤もしくは硫化水素吸収剤を有する第二ステップを具備すればよいことに思い至ったわけである。
【0027】
(2)硫化水素吸着剤としては、銅、亜鉛、マンガン、鉄、白金族元素のうちいずれかの金属ないしは金属酸化物もしくは活性炭を含むものが望ましい。吸着機構は、金属に対しては、硫化水素の硫黄原子が遷移金属に配位したり、硫化物を形成したりしているものと考えられる。
【0028】
これらの金属ないしは金属酸化物は活性炭に担持されていることが望ましい。活性炭は、比表面積が1000〜3000m2/gと高いため、遷移金属を高分散に担持することができる。なお、活性炭自身も官能基を有しているため、硫化水素を吸着できる場合もある。
【0029】
(3)硫化水素吸着剤としては、イオン交換サイトにアルカリ金属、アルカリ土類金属、銅、亜鉛、マンガン、鉄、銀のうちいずれかの金属を有するゼオライトを用いることが望ましい。これらの金属イオンが硫化水素吸着に果たす役割は、前述の機構と基本的には同じと考えられる。ゼオライトは金属をイオン交換できるが、これらの金属は、単原子もしくはクラスター状で存在し、かつゼオライトの比表面積は大きいため、硫化水素の吸着量を増すことができる。
【0030】
(4)硫化水素吸収剤としてアルカリ性を示す物質を含む固体もしくはアルカリ性を示す溶液を用いることができる。これらの吸収剤の吸収機構は、中和反応である。アルカリ性を示す物質を含む固体としては、アミン添着活性炭などが挙げられ、アルカリ性を示す水溶液としては、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムを溶解させた水溶液が挙げられる。
【0031】
(5)硫化水素吸着剤として用いる亜鉛、銅、マンガンを含む吸着剤は、200℃以上に保たれていることが望ましい。これらの物質は、特に還元雰囲気下、高温で用いると硫化物を形成し、高い硫化水素除去能力を発揮する。
【0032】
(6)このような硫黄化合物吸着方法は、燃料電池用の燃料ガスの前処理として用いることができる。高分子電解質型燃料電池では、燃料から水蒸気改質により水素が生成され、水素中のCOを除去した後、スタックに供給される。水蒸気改質触媒としては、Ru系触媒やNi系触媒が用いられるが、いずれの触媒も硫黄化合物は触媒毒となり劣化が進行する。そこで上述の硫黄化合物吸着方法を用いることにより、長期間にわたり安定した運転が可能となる。
【0033】
(7)前述したように、これらの硫黄化合物をゼオライトを用いて吸着するためには、細孔内に硫黄化合物が入ることが重要である。TBMの分子の大きさは、約6Åなので、細孔径の大きな酸素10員環以上の口径を持つゼオライトが望ましい。この様なゼオライトとして、Y型、X型などのフォージャサイト型ゼオライトやMFI型ゼオライト、ベータ型ゼオライトが挙げられる。
【0034】
なお、上述のような硫黄化合物吸着方法は、空気中の臭気成分の脱臭にも用いることができる。この場合には、第一吸着剤におけるメルカプタン、スルフィドの吸着機構は同じように進行すると考えられるが、第二吸着ステップで起こる反応は用いるものにより異なってくる。具体的には、アルカリ金属などで起こる中和反応では同じ状況が起こると考えられるが、遷移金属上では部分酸化によるS−S結合の生成反応が起こる可能性がある。ただし、硫化水素を効果的に除去できるという点には、両者において何ら変わりがない。
【0035】
以下では、上述した硫黄化合物吸着方法の具体的な実施例について説明する。
【0036】
(実施例1)
種々の吸着剤について都市ガス付臭剤の吸着挙動を調べた。吸着剤としては、H−Y型ゼオライト(SiO2/Al2O3モル比=5.5)、H−Y型ゼオライトを600℃で水蒸気気流中加熱し脱アルミニウム処理を施した超安定Y型ゼオライト(以下USYと略)、H−ZSM−5(SiO2/Al2O3モル比=50)、H−β型ゼオライト(SiO2/Al2O3モル比=20)、Na−Y型ゼオライト(SiO2/Al2O3モル比=5.7)、10X(Ca−X、SiO2/Al2O3モル比=2.5)、Ca−A型ゼオライト(SiO2/Al2O3モル比=2)を用いた。吸着剤は、圧縮成型後2.0〜3.3mmに破砕した試料1.8gを内径17mmの試料管に充填し、用いた。この試料に、都市ガス(13A)を0.13m/sで流通させ、FPDを検出器とするガスクロマトグラフにより吸着挙動を調べた。前処理は窒素気流中500℃で1h行い、吸着は室温で行った。本試験における都市ガス中の付臭剤はDMSとTBMであり、濃度は各2.4ppmであった。
【0037】
付臭剤吸着挙動は、試料により大きく異なり、開始後2〜4時間は優れた特性を示すが数時間後には急激に出口ガス中の付臭剤濃度が増加する試料と、初期から10時間経過してもあまり出口ガス中の付臭剤濃度が変化しない試料に分かれた。このため、都市ガス流通開始から、9時間経過後の付臭剤除去率で吸着剤の優劣を判断した。結果及び9時間後の出口ガス中のH2Sの濃度を(表1)に示した。なお、N.D.(not detected)は、検出されなかったことを意味する。
【0038】
(表1)に示すように、プロトンをイオン交換サイトに持つゼオライトは初期には高い吸着特性を示すが、急激に出口ガス中の硫黄化合物の濃度が上昇した。一方、H型、脱アルミニウム型のゼオライトは除去率は高い硫黄化合物除去率を続けることができるものの、硫化水素の発生が認められる。ただし、この除去率は吸着剤の量を増したり、流速を下げることにより、さらに上げることができる。
【0039】
【表1】
(実施例2)
USYを吸着剤として、(実施例1)と同様の条件でさらに継続的に試験を行ったところ、100時間後のDMS除去率、TBM除去率、硫化水素濃度はそれぞれ、35%、47%、450ppbであり、硫化水素濃度の増大が認められた。そこで、第一段に第一吸着剤としてUSYをおき、第二段に第二吸着剤としてさらに硫化水素吸着剤をおき、硫化水素の出口ガス濃度を調べた。吸着剤の形状、充填量、試料管形状、前処理条件は、第一吸着剤と同じにした。第二吸着剤としては、活性炭、酸化亜鉛、酸化銅担持活性炭、三酸化二鉄、酸化マンガン担持活性炭、Pd/活性炭、Ru/活性炭、アミン添着活性炭、Na−Y型ゼオライト(SiO2/Al2O3モル比=5.7)、H−Y型ゼオライト(SiO2/Al2O3モル比=5.5)、を用いた。また、Na−Yを交換率100%になるよう仕込んだ金属塩水溶液でイオン交換したのち、焼成して用いたCa−Y、Cu−Y、Zn−Y、Mn−Y、Fe−Y、Ag−Yを用いた。10時間後と100時間後の出口ガス中の硫化水素濃度を(表2)に示した。
【0040】
(表2)に示すように、H−Yでは、100時間後には、硫化水素は破過してきているが、これはH−Yでは硫化水素の吸着容量が少ないためである。一方、活性炭、酸化亜鉛、酸化銅担持活性炭、三酸化二鉄、酸化マンガン担持活性炭、貴金属系吸着剤、アミンを添着しアルカリ性にした活性炭や、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Cu、Zn、Mn、Fe、Agをイオン交換サイトに含むゼオライトは、硫化水素に対して、大きな吸着容量を持っているため、100時間後でも吸着飽和に至っていなかった。
【0041】
【表2】
なお、従来の活性炭を利用した硫黄化合物除去方法は、(1)2時間後には比較的高い除去率(DMSに対しては40%、TBMに対しては60%)を示すが、(2)9時間後には極めて低い除去率(DMSに対して10%、TBMに対しては20%)を示す。
【0042】
(実施例3)
次に、第一段に第一吸着剤としてUSYを、第二段にさらに硫化水素吸収剤として500mlの吸収液を満たしたガス吸収瓶をおき、硫化水素の出口ガス濃度を調べた。吸収液としては、5Nの水酸化ナトリウム水溶液もしくは水を用いた。実施例2と同様の条件で実験を行い、10時間後と100時間後の吸収液下流のガス中の硫化水素濃度を(表3)に示した。
【0043】
(表3)に示すように、水では、100時間後には、硫化水素は破過してきているが、これは水の硫化水素溶解量を超えるためである。一方、水酸化ナトリウム水溶液では、中和反応により硫化水素を除去できるために、水に比べて高い吸収量を得ることができた。以上より、アルカリ性を示す溶液を第二ステップの硫化水素吸収剤として用いることにより、長期間にわたり効果的に硫黄化合物を除去できる。
【0044】
【表3】
(実施例4)
USYを第一吸着剤として、第二段にさらに硫化水素吸着剤をおき、硫化水素の出口ガス濃度を調べた。吸着剤の形状、充填量、試料管形状、前処理条件は、第一吸着剤と同じにしたが、第二段の吸着剤は触媒層温度が、150、200、300℃となるようにそれぞれ加熱した。第二吸着剤としては酸化亜鉛、銅/アルミナ、酸化マンガンを用いた場合の結果を(表4)に示した。
【0045】
(表4)に示すように、10時間後ではいずれの吸着剤も優れた特性を示しているが、150℃の吸着剤では、500時間後に硫化水素が破過してきていることがわかる。以上より、第二ステップの硫化水素吸着剤が亜鉛、銅、マンガンを含み200℃以上に保たれていることが望ましい。
【0046】
【表4】
(実施例5)
USYを第一段吸着剤、Na−X(13X)を第二吸着剤として、ペレット状のものを各2リットル用いて、吸着塔をつくり、水蒸気改質器(Ru触媒)21、シフト反応器22、選択酸化反応器23を有する水素精製器さらには、スタック31を有する1.2kW級の高分子固体電解質型燃料電池に接続した(図1参照)。ガスとしてはDMSとTBMを含む都市ガス13Aを原料として、5L/min流通させ、連続試験を行い、定期的に水蒸気改質器下流のメタン濃度よりメタン転化率を求めた。一方、第二吸着剤を除いた吸着塔を用いて、同様に連続試験を行い、水蒸気改質触媒のメタン転化率の経時変化を調べた。結果を(表5)に示した。
【0047】
(表5)に示すように、第二吸着剤を用いることにより、長期間にわたりより安定して燃料電池を運転することができる。つまり、上述の硫黄化合物除去方法を利用した脱硫は、燃料電池運転の前処理としても好適である。
【0048】
【表5】
このように、本発明は、ガス中に含まれる硫黄化合物(特にメルカプタン化合物)を含むガスの脱硫に適した硫黄化合物の除去方法であって、暖房、給湯、乾燥、調理、冷蔵、空調機器などにおいて利用される脱臭にも適用可能であり、特に燃料ガスなど酸素濃度の極めて低い雰囲気中に含まれる硫黄化合物を効果的にかつ長期間にわたり除去できる硫黄化合物の除去方法を提供できる。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなように、本発明は、都市ガスなどに含まれる硫黄化合物の除去を長期間にわたり効果的に行うことができるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施の形態の燃料電池システムの構成図である。
【符号の説明】
11 硫黄化合物除去手段
12 硫化水素除去手段
21 水蒸気改質器(Ru触媒)
22 シフト反応器
23 選択酸化反応器
31 スタック
Claims (7)
- プロトンをイオン交換サイトにもつゼオライトおよび/または脱アルミニウム処理が行われたゼオライトに硫黄化合物を含むガスを通過させ、前記ゼオライトを利用して前記硫黄化合物を吸着する硫黄化合物吸着ステップと、
H−Y型ゼオライト、MFI型ゼオライト、およびアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属をイオン交換サイトに有するゼオライトを除く、硫化水素吸着剤および/または硫化水素吸収剤に、前記硫黄化合物吸着ステップで利用された前記ゼオライトを通過した前記ガスを通過させ、前記硫黄化合物吸着ステップで発生した硫化水素を除去する硫化水素除去ステップと、を備え、
前記硫化水素吸着剤および/または前記硫化水素吸収剤は、前記硫黄化合物吸着ステップで利用された前記ゼオライトとは異なる、硫化水素吸着剤および/または硫化水素吸収剤である、硫黄化合物除去方法。 - 前記硫黄化合物吸着ステップは、室温で行われる請求項1記載の硫黄化合物除去方法。
- 前記硫化水素吸着剤は、(a)銅、亜鉛、マンガン、鉄、白金族元素の内の少なくとも一つまたはその金属酸化物、および/または(b)活性炭を有する請求項1記載の硫黄化合物除去方法。
- 前記硫化水素吸着剤は、銅、亜鉛、マンガン、鉄、銀の内の少なくとも一つをイオン交換サイトに有するゼオライトである請求項1記載の硫黄化合物除去方法。
- 前記硫化水素吸収剤は、アルカリ性を示す固体または溶液である請求項1記載の硫黄化合物除去方法。
- 前記硫化水素吸着剤は、銅、亜鉛、マンガン、鉄の内の少なくとも一つを有し、200℃以上に保たれている請求項1記載の硫黄化合物除去方法。
- 前記硫黄化合物を含むガスは、TBMを含む燃料ガスである請求項1記載の硫黄化合物除去方法。
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