JP2003238977A - 硫黄化合物除去装置、および燃料電池 - Google Patents

硫黄化合物除去装置、および燃料電池

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JP2003238977A JP2002041599A JP2002041599A JP2003238977A JP 2003238977 A JP2003238977 A JP 2003238977A JP 2002041599 A JP2002041599 A JP 2002041599A JP 2002041599 A JP2002041599 A JP 2002041599A JP 2003238977 A JP2003238977 A JP 2003238977A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 都市ガスなどに含まれる硫黄化合物の除去を
長期間にわたり効果的に行うことが困難であった。 【解決手段】 プロトンをイオン交換サイトにもつゼオ
ライトおよび/または脱アルミニウム処理が行われたゼ
オライトを有する吸着剤に、硫黄化合物を含むガスを通
過させる硫黄化合物除去手段11と、硫化水素吸着剤お
よび/または硫化水素吸収剤に、前記吸着剤に通過させ
られたガスを通過させる硫化水素除去手段12とを備え
た硫黄化合物除去装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ガスなどに含
まれる硫黄化合物の除去を行うための硫黄化合物除去装
置、および燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、都市ガス工事の際に放出され
る都市ガスは、硫黄化合物を除去することが必須となっ
ている。また、都市ガスを燃料とする燃料電池では、R
uやNiなどの水蒸気改質触媒の劣化防止のため予め脱
硫を行うことが要求される。
【0003】都市ガスを燃料とする燃料電池用の燃料ガ
ス中に含まれる硫黄化合物の除去には、活性炭や添着活
性炭が主に用いられてきた。たとえば、脱臭を目的とす
る空気中の硫黄化合物除去方法においても、活性炭もし
くは添着活性炭により吸着除去する方法がある。
【0004】なお、燃料電池における脱硫方法では、燃
料中の硫黄化合物を水添分解し硫化水素とした後、30
0℃程度に加熱した酸化亜鉛により硫化水素を除去する
脱硫方法が検討されている。また、銅、マンガンなどの
遷移金属酸化物によりメルカプタン化合物を常温で酸化
分解して除去する硫黄化合物方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、活性炭
を用いて硫黄化合物を除去する方法においては、高い硫
黄化合物除去能力を長期間にわたり要求される燃料電池
の脱硫などで、硫黄化合物の破過が早すぎ、その特性は
十分といえない。
【0006】なお、水添分解と酸化亜鉛により脱硫を行
う方式では、300〜400℃で水添脱硫を行うため、
水素の添加が必要であり、複雑な排熱利用法の適用が必
要である。また、銅、マンガンなどの遷移金属酸化物に
より酸素存在下で脱臭を行うと、メルカプタンが常温で
部分酸化されることでジスルフィドが生成して異臭の発
生源となるが、スルフィドなどのメルカプタン以外の硫
黄化合物を除去することは困難である。
【0007】このように、都市ガスなどに含まれる硫黄
化合物の除去を長期間にわたり効果的に行うことが困難
であるという課題があった。
【0008】本発明は、上記従来のこのような課題を考
慮し、都市ガスなどに含まれる硫黄化合物の除去を長期
間にわたり効果的に行うことができる硫黄化合物除去装
置、および燃料電池を提供することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】第一の本発明(請求項1
に対応)は、プロトンをイオン交換サイトにもつゼオラ
イトおよび/または脱アルミニウム処理が行われたゼオ
ライトを有する吸着剤に、硫黄化合物を含むガスを通過
させる硫黄化合物除去手段と、硫化水素吸着剤および/
または硫化水素吸収剤に、前記吸着剤に通過させられた
ガスを通過させる硫化水素除去手段とを備えた硫黄化合
物除去装置である。
【0010】第二の本発明(請求項2に対応)は、前記
硫化水素吸着剤は、(a)銅、亜鉛、マンガン、鉄、白
金族元素の内の少なくとも一つまたはその金属酸化物、
および/または(b)活性炭を有する第一の本発明の硫
黄化合物除去装置である。
【0011】第三の本発明(請求項3に対応)は、前記
硫化水素吸着剤は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
銅、亜鉛、マンガン、鉄、銀の内の少なくとも一つをイ
オン交換サイトに有するゼオライトである第一の本発明
の硫黄化合物除去装置である。
【0012】第四の本発明(請求項4に対応)は、前記
硫化水素吸収剤は、アルカリ性を示す固体または溶液で
ある第一の本発明の硫黄化合物除去装置である。
【0013】第五の本発明(請求項5に対応)は、前記
硫化水素吸着剤は、亜鉛、銅、マンガン、鉄の内の少な
くとも一つを有し、200℃以上に保たれている第一の
本発明の硫黄化合物除去装置である。
【0014】第六の本発明(請求項6に対応)は、前記
硫黄化合物を含むガスは、燃料ガスとして利用されるべ
きガスである第一の本発明の硫黄化合物除去装置であ
る。
【0015】第七の本発明(請求項7に対応)は、前記
ゼオライトは、フォージャサイト型ゼオライト、MFI
型ゼオライト、β型ゼオライトの内の何れかである第一
の本発明の硫黄化合物除去装置である。
【0016】第八の本発明(請求項8に対応)は、硫黄
化合物を含むガスが第一の本発明の硫黄化合物除去装置
によって脱硫されたガスを燃料ガスとして利用する燃料
電池である。
【0017】
【発明の実施の形態】都市ガスでは、ガス漏れ対策から
意図的に燃料ガスに微量の硫黄化合物系付臭剤を混入さ
せる。この付臭剤成分は都市ガス供給会社などにより異
なるが、日本を例に取ると、ターシャリーブチルメルカ
プタン(以下TBMと略す)、ジメチルスルフィド(以
下DMSと略す)、テトラヒドロチオフェンが用いら
れ、その濃度は数ppmである。
【0018】本発明者は、種々の硫黄化合物を含む天然
ガス、コークス炉ガスと異なり、都市ガスでは、既知構
造で既知濃度の硫黄化合物を意図的に混入させているた
め、それらの硫黄化合物に対して効果的な吸着剤を選択
することでその吸着除去が可能であることに着目した。
【0019】そして、本発明者は、たとえば本発明にか
かる実施の形態の燃料電池システムの構成図である図1
に示されているような、第一吸着剤(H−Y型ゼオライ
トを脱アルミニウム処理した超安定Y型ゼオライト)に
硫黄化合物を含むガス(都市ガス13A)を通過させる
硫黄化合物除去手段11と、第二吸着剤(Na−X)に
第一吸着剤に通過させられたガスを通過させる硫化水素
除去手段12とを備えた硫黄化合物除去装置を発明し
た。ここに、硫黄化合物除去装置は、水蒸気改質器(R
u触媒)11、シフト反応器12、選択酸化反応器13
を有する水素精製器を介して、スタック31を有する高
分子固体電解質型燃料電池に接続されている以下では、
本実施の形態の硫黄化合物除去装置の構成および動作に
ついて説明する。なお、本実施の形態の硫黄化合物除去
装置の動作について説明しながら、発明の硫黄化合物除
去方法の実施の形態についても説明する。
【0020】(1)まず、本発明者は、第一ステップで
イオン交換サイトにプロトンを持つゼオライト(沸石)
もしくは脱アルミニウム処理を行ったゼオライトを含む
吸着体を利用することでこれらの硫黄化合物の吸着除去
を行えばよいという考えに想到した。
【0021】日本では、一般に添加される付臭剤として
はTBM、DMSが選ばれることが多いが、この中でD
MSがより吸着されにくいため、破過が早い。
【0022】これらの硫黄化合物をゼオライトを用いて
吸着するためには、細孔内に硫黄化合物が入ることが重
要である。TBMの分子の大きさは、約6Åなので、細
孔径の大きな酸素10員環以上の口径を持つゼオライト
が望ましい。この様なゼオライトとして、Y型、X型な
どのフォージャサイト型ゼオライトやMFI型ゼオライ
ト、ベータ型ゼオライトが挙げられる。
【0023】なお、近年は酸素12員環以上のゼオライ
トが多数合成されており、これらを用いてもよいが、こ
のような酸素12員環以上のゼオライトの入手は未だ困
難であるというのが実状である。
【0024】また、燃料ガス中のTBMやDMSといっ
た臭気に対して、イオン交換サイトにアルカリ金属また
はアルカリ土類金属を有するゼオライトでは、初期に高
い吸着特性を示すものの、吸着量は小さく、破過が始ま
ると急激に吸着特性は低下し、吸着体を通過したガス中
の硫黄化合物濃度が上昇する。
【0025】さて、H型ゼオライトや脱アルミニウムゼ
オライトなど強酸点を持つゼオライトでは、長時間にわ
たり高い除去率を維持するが、しばらく吸着を行うと排
出ガス中に微量の硫化水素が検出される。これは、TB
Mがゼオライトの酸点で硫化水素とオレフィンに転化す
る反応が起こり、オレフィンはゼオライトに吸着される
が、硫化水素は吸着破過が起こったために排出ガス中に
検出されたと考えられる。なお、脱アルミニウム処理を
施すことにより、強酸点は増大するが、脱アルミニウム
の方法としては、水熱処理、酸溶液中での加熱処理、四
塩化珪素などの珪素化合物ガス中での加熱などが知られ
ている。
【0026】そこで、本発明者は、このようなゼオライ
トの性質に着目し、上述の第一ステップに引き続き、酸
性質を持つゼオライトの下流に硫化水素吸着剤もしくは
硫化水素吸収剤を有する第二ステップを具備すればよい
ことに思い至ったわけである。
【0027】(2)硫化水素吸着剤としては、銅、亜
鉛、マンガン、鉄、白金族元素のうちいずれかの金属な
いしは金属酸化物もしくは活性炭を含むものが望まし
い。吸着機構は、金属に対しては、硫化水素の硫黄原子
が遷移金属に配位したり、硫化物を形成したりしている
ものと考えられる。
【0028】これらの金属ないしは金属酸化物は活性炭
に担持されていることが望ましい。活性炭は、比表面積
が1000〜3000m2/gと高いため、遷移金属を
高分散に担持することができる。なお、活性炭自身も官
能基を有しているため、硫化水素を吸着できる場合もあ
る。
【0029】(3)硫化水素吸着剤としては、イオン交
換サイトにアルカリ金属、アルカリ土類金属、銅、亜
鉛、マンガン、鉄、銀のうちいずれかの金属を有するゼ
オライトを用いることが望ましい。これらの金属イオン
が硫化水素吸着に果たす役割は、前述の機構と基本的に
は同じと考えられる。ゼオライトは金属をイオン交換で
きるが、これらの金属は、単原子もしくはクラスター状
で存在し、かつゼオライトの比表面積は大きいため、硫
化水素の吸着量を増すことができる。
【0030】(4)硫化水素吸収剤としてアルカリ性を
示す物質を含む固体もしくはアルカリ性を示す溶液を用
いることができる。これらの吸収剤の吸収機構は、中和
反応である。アルカリ性を示す物質を含む固体として
は、アミン添着活性炭などが挙げられ、アルカリ性を示
す水溶液としては、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム
を溶解させた水溶液が挙げられる。
【0031】(5)硫化水素吸着剤として用いる亜鉛、
銅、マンガンを含む吸着剤は、200℃以上に保たれて
いることが望ましい。これらの物質は、特に還元雰囲気
下、高温で用いると硫化物を形成し、高い硫化水素除去
能力を発揮する。
【0032】(6)このような硫黄化合物吸着方法は、
燃料電池用の燃料ガスの前処理として用いることができ
る。高分子電解質型燃料電池では、燃料から水蒸気改質
により水素が生成され、水素中のCOを除去した後、ス
タックに供給される。水蒸気改質触媒としては、Ru系
触媒やNi系触媒が用いられるが、いずれの触媒も硫黄
化合物は触媒毒となり劣化が進行する。そこで上述の硫
黄化合物吸着方法を用いることにより、長期間にわたり
安定した運転が可能となる。
【0033】(7)前述したように、これらの硫黄化合
物をゼオライトを用いて吸着するためには、細孔内に硫
黄化合物が入ることが重要である。TBMの分子の大き
さは、約6Åなので、細孔径の大きな酸素10員環以上
の口径を持つゼオライトが望ましい。この様なゼオライ
トとして、Y型、X型などのフォージャサイト型ゼオラ
イトやMFI型ゼオライト、ベータ型ゼオライトが挙げ
られる。
【0034】なお、上述のような硫黄化合物吸着方法
は、空気中の臭気成分の脱臭にも用いることができる。
この場合には、第一吸着剤におけるメルカプタン、スル
フィドの吸着機構は同じように進行すると考えられる
が、第二吸着ステップで起こる反応は用いるものにより
異なってくる。具体的には、アルカリ金属などで起こる
中和反応では同じ状況が起こると考えられるが、遷移金
属上では部分酸化によるS−S結合の生成反応が起こる
可能性がある。ただし、硫化水素を効果的に除去できる
という点には、両者において何ら変わりがない。
【0035】以下では、上述した硫黄化合物吸着方法の
具体的な実施例について説明する。
【0036】(実施例1)種々の吸着剤について都市ガ
ス付臭剤の吸着挙動を調べた。吸着剤としては、H−Y
型ゼオライト(SiO2/Al23モル比=5.5)、
H−Y型ゼオライトを600℃で水蒸気気流中加熱し脱
アルミニウム処理を施した超安定Y型ゼオライト(以下
USYと略)、H−ZSM−5(SiO2/Al23
ル比=50)、H−β型ゼオライト(SiO2/Al2
3モル比=20)、Na−Y型ゼオライト(SiO2/A
23モル比=5.7)、10X(Ca−X、SiO2
/Al23モル比=2.5)、Ca−A型ゼオライト
(SiO2/Al23モル比=2)を用いた。吸着剤
は、圧縮成型後2.0〜3.3mmに破砕した試料1.
8gを内径17mmの試料管に充填し、用いた。この試
料に、都市ガス(13A)を0.13m/sで流通さ
せ、FPDを検出器とするガスクロマトグラフにより吸
着挙動を調べた。前処理は窒素気流中500℃で1h行
い、吸着は室温で行った。本試験における都市ガス中の
付臭剤はDMSとTBMであり、濃度は各2.4ppm
であった。
【0037】付臭剤吸着挙動は、試料により大きく異な
り、開始後2〜4時間は優れた特性を示すが数時間後に
は急激に出口ガス中の付臭剤濃度が増加する試料と、初
期から10時間経過してもあまり出口ガス中の付臭剤濃
度が変化しない試料に分かれた。このため、都市ガス流
通開始から、9時間経過後の付臭剤除去率で吸着剤の優
劣を判断した。結果及び9時間後の出口ガス中のH2
の濃度を(表1)に示した。なお、N.D.(not
detected)は、検出されなかったことを意味す
る。
【0038】(表1)に示すように、プロトンをイオン
交換サイトに持つゼオライトは初期には高い吸着特性を
示すが、急激に出口ガス中の硫黄化合物の濃度が上昇し
た。一方、H型、脱アルミニウム型のゼオライトは除去
率は高い硫黄化合物除去率を続けることができるもの
の、硫化水素の発生が認められる。ただし、この除去率
は吸着剤の量を増したり、流速を下げることにより、さ
らに上げることができる。
【0039】
【表1】 (実施例2)USYを吸着剤として、(実施例1)と同
様の条件でさらに継続的に試験を行ったところ、100
時間後のDMS除去率、TBM除去率、硫化水素濃度は
それぞれ、35%、47%、450ppbであり、硫化
水素濃度の増大が認められた。そこで、第一段に第一吸
着剤としてUSYをおき、第二段に第二吸着剤としてさ
らに硫化水素吸着剤をおき、硫化水素の出口ガス濃度を
調べた。吸着剤の形状、充填量、試料管形状、前処理条
件は、第一吸着剤と同じにした。第二吸着剤としては、
活性炭、酸化亜鉛、酸化銅担持活性炭、三酸化二鉄、酸
化マンガン担持活性炭、Pd/活性炭、Ru/活性炭、
アミン添着活性炭、Na−Y型ゼオライト(SiO2
Al23モル比=5.7)、H−Y型ゼオライト(Si
2/Al 23モル比=5.5)、を用いた。また、N
a−Yを交換率100%になるよう仕込んだ金属塩水溶
液でイオン交換したのち、焼成して用いたCa−Y、C
u−Y、Zn−Y、Mn−Y、Fe−Y、Ag−Yを用
いた。10時間後と100時間後の出口ガス中の硫化水
素濃度を(表2)に示した。
【0040】(表2)に示すように、H−Yでは、10
0時間後には、硫化水素は破過してきているが、これは
H−Yでは硫化水素の吸着容量が少ないためである。一
方、活性炭、酸化亜鉛、酸化銅担持活性炭、三酸化二
鉄、酸化マンガン担持活性炭、貴金属系吸着剤、アミン
を添着しアルカリ性にした活性炭や、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、Cu、Zn、Mn、Fe、Agをイオ
ン交換サイトに含むゼオライトは、硫化水素に対して、
大きな吸着容量を持っているため、100時間後でも吸
着飽和に至っていなかった。
【0041】
【表2】 なお、従来の活性炭を利用した硫黄化合物除去方法は、
(1)2時間後には比較的高い除去率(DMSに対して
は40%、TBMに対しては60%)を示すが、(2)
9時間後には極めて低い除去率(DMSに対して10
%、TBMに対しては20%)を示す。
【0042】(実施例3)次に、第一段に第一吸着剤と
してUSYを、第二段にさらに硫化水素吸収剤として5
00mlの吸収液を満たしたガス吸収瓶をおき、硫化水
素の出口ガス濃度を調べた。吸収液としては、5Nの水
酸化ナトリウム水溶液もしくは水を用いた。実施例2と
同様の条件で実験を行い、10時間後と100時間後の
吸収液下流のガス中の硫化水素濃度を(表3)に示し
た。
【0043】(表3)に示すように、水では、100時
間後には、硫化水素は破過してきているが、これは水の
硫化水素溶解量を超えるためである。一方、水酸化ナト
リウム水溶液では、中和反応により硫化水素を除去でき
るために、水に比べて高い吸収量を得ることができた。
以上より、アルカリ性を示す溶液を第二ステップの硫化
水素吸収剤として用いることにより、長期間にわたり効
果的に硫黄化合物を除去できる。
【0044】
【表3】 (実施例4)USYを第一吸着剤として、第二段にさら
に硫化水素吸着剤をおき、硫化水素の出口ガス濃度を調
べた。吸着剤の形状、充填量、試料管形状、前処理条件
は、第一吸着剤と同じにしたが、第二段の吸着剤は触媒
層温度が、150、200、300℃となるようにそれ
ぞれ加熱した。第二吸着剤としては酸化亜鉛、銅/アル
ミナ、酸化マンガンを用いた場合の結果を(表4)に示
した。
【0045】(表4)に示すように、10時間後ではい
ずれの吸着剤も優れた特性を示しているが、150℃の
吸着剤では、500時間後に硫化水素が破過してきてい
ることがわかる。以上より、第二ステップの硫化水素吸
着剤が亜鉛、銅、マンガンを含み200℃以上に保たれ
ていることが望ましい。
【0046】
【表4】 (実施例5)USYを第一段吸着剤、Na−X(13
X)を第二吸着剤として、ペレット状のものを各2リッ
トル用いて、吸着塔をつくり、水蒸気改質器(Ru触
媒)21、シフト反応器22、選択酸化反応器23を有
する水素精製器さらには、スタック31を有する1.2
kW級の高分子固体電解質型燃料電池に接続した(図1
参照)。ガスとしてはDMSとTBMを含む都市ガス1
3Aを原料として、5L/min流通させ、連続試験を
行い、定期的に水蒸気改質器下流のメタン濃度よりメタ
ン転化率を求めた。一方、第二吸着剤を除いた吸着塔を
用いて、同様に連続試験を行い、水蒸気改質触媒のメタ
ン転化率の経時変化を調べた。結果を(表5)に示し
た。
【0047】(表5)に示すように、第二吸着剤を用い
ることにより、長期間にわたりより安定して燃料電池を
運転することができる。つまり、上述の硫黄化合物除去
方法を利用した脱硫は、燃料電池運転の前処理としても
好適である。
【0048】
【表5】 このように、本発明は、ガス中に含まれる硫黄化合物
(特にメルカプタン化合物)を含むガスの脱硫に適した
硫黄化合物の除去方法であって、暖房、給湯、乾燥、調
理、冷蔵、空調機器などにおいて利用される脱臭にも適
用可能であり、特に燃料ガスなど酸素濃度の極めて低い
雰囲気中に含まれる硫黄化合物を効果的にかつ長期間に
わたり除去できる硫黄化合物の除去方法を提供できる。
【0049】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明は、都市ガスなどに含まれる硫黄化合物の除去を
長期間にわたり効果的に行うことができるという長所を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施の形態の燃料電池システム
の構成図である。
【符号の説明】
11 硫黄化合物除去手段 12 硫化水素除去手段 21 水蒸気改質器(Ru触媒) 22 シフト反応器 23 選択酸化反応器 31 スタック
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 20/20 C01B 3/38 C01B 3/38 C10G 25/05 C10G 25/05 H01M 8/06 G H01M 8/06 8/10 // H01M 8/10 C10L 3/00 B (72)発明者 田口 清 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鵜飼 邦弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4D012 BA02 BA03 CA07 CA09 CE03 CF08 CG01 CG03 4G066 AA02B AA05B AA15B AA18B AA26B AA27B AA28B AA61B AA62B BA42 CA22 DA04 4G140 EA03 EA06 EB01 EB32 EB35 EB42 5H026 AA06 5H027 AA06 BA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロトンをイオン交換サイトにもつゼオ
    ライトおよび/または脱アルミニウム処理が行われたゼ
    オライトを有する吸着剤に、硫黄化合物を含むガスを通
    過させる硫黄化合物除去手段と、 硫化水素吸着剤および/または硫化水素吸収剤に、前記
    吸着剤に通過させられたガスを通過させる硫化水素除去
    手段とを備えた硫黄化合物除去装置。
  2. 【請求項2】 前記硫化水素吸着剤は、(a)銅、亜
    鉛、マンガン、鉄、白金族元素の内の少なくとも一つま
    たはその金属酸化物、および/または(b)活性炭を有
    する請求項1記載の硫黄化合物除去装置。
  3. 【請求項3】 前記硫化水素吸着剤は、アルカリ金属、
    アルカリ土類金属、銅、亜鉛、マンガン、鉄、銀の内の
    少なくとも一つをイオン交換サイトに有するゼオライト
    である請求項1記載の硫黄化合物除去装置。
  4. 【請求項4】 前記硫化水素吸収剤は、アルカリ性を示
    す固体または溶液である請求項1記載の硫黄化合物除去
    装置。
  5. 【請求項5】 前記硫化水素吸着剤は、亜鉛、銅、マン
    ガン、鉄の内の少なくとも一つを有し、200℃以上に
    保たれている請求項1記載の硫黄化合物除去装置。
  6. 【請求項6】 前記硫黄化合物を含むガスは、燃料ガス
    として利用されるべきガスである請求項1記載の硫黄化
    合物除去装置。
  7. 【請求項7】 前記ゼオライトは、フォージャサイト型
    ゼオライト、MFI型ゼオライト、β型ゼオライトの内
    の何れかである請求項1記載の硫黄化合物除去装置。
  8. 【請求項8】 硫黄化合物を含むガスが請求項1記載の
    硫黄化合物除去装置によって脱硫されたガスを燃料ガス
    として利用する燃料電池。
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