JP3894655B2 - 内視鏡の送気送水装置 - Google Patents

内視鏡の送気送水装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内視鏡の送気送水装置、特に内視鏡内に配設する送気管、送水管及びジェット管等による送気送水の流路制御及び流量制御の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡では、従来から送気管、送水管等を備え、これらの管路により先端部まで送気、送水(送液)が可能なように構成されており、先端部に設けられている観察窓(レンズ面)の洗浄、水滴の除去等を実施したり、また被観察体内に対し空気を導出し、胃等の体腔内を膨らませたりすること等が行われる。
【0003】
図4には、従来の内視鏡における電磁弁ユニット側の構成が示されており、図示の電磁弁ユニット1に、内視鏡側の送水管2Aと送気管3Aが接続される。この電磁弁ユニット1では、送水管2Bとこの管2Bの開閉を制御する電磁弁V21、送気管3Bとこの管3Bの開閉を制御する電磁弁V22が設けられ、上記送水管2Bは送水管2Cを介して送水タンク4に接続される。
【0004】
また、電磁弁ユニット1内には、送気送水用のポンプ5が配置され、このポンプ5に上記の送気管3Bと、送水のための管(送気管)3Cが接続され、この管3Cは管3Dを介して上記送水タンク4に接続される。更に、このポンプ5には大気開放管6が接続され、この大気開放管6に電磁弁V23が取り付けられる。なお、この送気/送水の操作スイッチは例えば内視鏡操作部に配置される。
【0005】
上記の構成によれば、送気/送水スイッチの不操作時は電磁弁V23のみが開となり、ポンプ5から送られる空気は大気開放管6から大気へ開放される。そして、送気/送水スイッチにより送水操作が行われると、上記電磁弁V21が開、電磁弁V22,V23が閉となり、これによって送水タンク4の水が送水管2C,2B,2Aを介して内視鏡側へ供給される。一方、送気操作が行われると、上記電磁弁V22が開、他の電磁弁V21,V23が閉となることにより、送気管3B,3Aにより空気が送られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の内視鏡の送気送水装置では、単位時間当りの流量の可変調整ができず、送気又は送水を実行するか否かの制御しか行われていないのが現状であり、目的に応じた空気又は水(液体)の最適な供給をすることができなかった。例えば、観察窓洗浄のための送水では付着物が良好に排除できる送水量、その後の水切りのための送気では、水滴が残らないような送気量を設定することが望ましい。また、内視鏡を胃等の体腔内に適用する場合に、体腔内を膨らませるための送気(き腹)が行われるが、この場合には、患者の状態を考慮した送気が必要となり、上記の各操作時における対象物の状況に応じた適切な送気、送水量が得られることが望ましい。
【0007】
更に、上記図4の装置では、送気、送水時においてポンプ5自体の空気供給圧(能力)を変えることにより、送気と送水で異なる流量は得られるが、このポンプ5自体の空気供給圧を送気と送水の操作の度に切り替えることは、タイムラグが発生するため、操作を行う上で支障を来すという問題があった。
【0008】
一方、内視鏡では、操作部等にレンズ面フラッシュ口やジェット口が配置される。即ち、このレンズ面フラッシュ口は、内視鏡の送水管路に連結されており、このフラッシュ口からシリンジ等により高い圧力で水を供給すれば、観察窓のレンズ面の度合いの高い汚れを落とすことができる。
また、内視鏡内には、被観察体に対し水を噴射するジェット管路が設けられ、これに接続するジェット口が操作部等に配置される。このジェット口においては、シリンジ等により水(生理食塩水)等を供給することにより、被観察体に付着し、観察又は処置の妨げとなる不要物を除去することができる。
【0009】
しかしながら、上記のジェット噴射やレンズ面フラッシュは、操作部に設けられたジェット口やフラッシュ口を利用してシリンジ等の補助具により行われており、作業が煩雑であると共に、シリンジによる注入においても操作者の熟練や経験が必要となる等の不都合がある。しかも、これらの送水では、流れが強くかつ量も多いことが求められるが、従来のポンプではこれを十分に満たすことができない。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、送気量と送水量を独立して可変制御することができると共に、レンズ面フラッシュやジェット噴射をスイッチ操作で容易に実施可能となる内視鏡の送気送水装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、各種管路を介して先端部まで送気及び送水を行う内視鏡の送気送水装置において、上記送気を行うための送気用ポンプと、この送気用ポンプとは別個に上記送水を行うための送水用ポンプと、上記送気用ポンプを送水用として送水管路へ接続するための連結管と、この連結管の開閉制御をするための開閉弁とを設け、上記送水管路に対し二つのポンプで送水を行うようにしたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、上記送水管路とは別個に被観察体に対し水を噴射するジェット管路を設け、このジェット管路に対して上記の連結管を配置し、このジェット管路に対し二つのポンプで送水を行うようにしたことを特徴とする。
【0012】
上記の構成によれば、独立して送気用のポンプと送水用のポンプが配置されるので、送気と送水の目的に応じた能力のポンプを用いることができ、また流量制御のための手段も、送気と送水のために別個に配置できることになる。そして、例えば送水管に送気用ポンプが連結管とその開閉弁を介して接続された場合は、送気用ポンプと送水用ポンプの両者でレンズ面フラッシュに必要な強さ及び量の送水を実現することができる。
【0013】
また、請求項2の構成によれば、上記の送水管路とは別個に設けられたジェット管路に送気用ポンプが連結管及び開閉弁を介して接続され、この場合も送気用ポンプと送水用ポンプの両者で、ジェット噴射に必要な強さ及び量の送水を実現することができるという利点がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1及び図2には、実施形態例に係る内視鏡の送気送水装置の構成が示されており、図1に示されるように、内視鏡(電子内視鏡)10には、先端部10Aから操作部10Bまで、被観察体へ水を噴射するためのジェット管11A、観察窓(対物光学系のレンズ面)へ送水するための送水管12A、同様に観察窓へ送気するための送気管13A、吸引管14Aが配設される。この内視鏡先端部10Aの先端には、着脱自在となるキャップ15が取り付けられており、このキャップ15に観察窓へ送気/送水するためのノズルやジェット口等が設けられる。
【0015】
上記操作部10Bには、図示されるように、二段スイッチである送気/送水スイッチ16、吸引スイッチ17、ジェットスイッチ18(その他にも撮影釦等)が設けられており、これらのスイッチ16〜18の操作制御信号は、図2の電磁弁ユニット20へ供給される。また、上記操作部10Bとこの電磁弁ユニット20を連結するように、ジェット管11B、送水管12B、送気管13Bがケーブル内に設けられる。そして、上記操作部10Bの後側には、管路ユニット10Cが着脱自在に設けられ、この管路ユニット10Cの接続時に形成される折り返し部によって、上記のジェット管11Aと11B、送水管12Aと12B、送気管13Aと13Bが連結される。
【0016】
上記の管路ユニット10Cには、上記電磁弁ユニット20まで延びた吸引管14Bが取り付けられ、この吸引管14Bには、途中から分離して鉗子口21が設けられる。なお、図示の部材19は、観察窓レンズ面の汚れ度合いが高い場合にシリンジ等を装着して送気/送水をするためのレンズ面フラッシュ口であり、このフラッシュ口を配置するか否かは任意である。
【0017】
図2において、電磁弁ユニット20内には、上記送水管12Bに接続する送水管12C及び開閉弁である電磁弁V1 が設けられ、この送水管12Cは送水管12Dを介して送水タンク22に接続される。また、この電磁弁ユニット20内に送水用ポンプ23が配置され、この送水用ポンプ23に、上記送水タンク22が管(送気管)24A,24Bを介して接続される。このポンプ23には、管路の途中から二股に分岐する大気開放管25A,25B及び電磁弁V2 ,V3 が設けられており、この電磁弁V2 とV3 の開閉制御によって送水量を2段階の異なる量(High,Low )に可変調節(この制御数は任意である)できることになる。即ち、上記電磁弁V2 とV3 の両者を閉じるときと片方を閉じるときで、ポンプ23による空気供給圧が変化するので、閉じる電磁弁を選択すれば送気の流量(単位時間当り)が変えられる。
【0018】
一方、上記内視鏡側の送気管13Bに接続する送気管13C及び電磁弁V4 が設けられ、この送気管13Cに送気用ポンプ27が接続される。この送気用ポンプ27は、当該例では上記送水用ポンプ23とは異なる送気能力(送気圧)を持つものが用いられるが、もちろん同一の能力でもよい。このポンプ27にも、流量制御手段として、管路の途中から二股に分岐する大気開放管28A,28B及び電磁弁V5 、V6 が設けられており、この電磁弁V5 とV6 の開閉制御によって送気量を2段階の異なる量(High,Low )に可変調節(この制御数は任意である)できるようになる。
【0019】
また、上記送気用ポンプ27の出力部の送気管13Cから上記の送水管12Cへ第1連結管30が介挿され、この第1連結管30に電磁弁V7 が取り付けられており、この連結管30と電磁弁V7 によって、送水管12B,12Aに対して水抜きのための送気を実行することができる。なお、上記送気管13C、24A、30のそれぞれには逆止弁31が取り付けられ、この逆止弁31によって上記送気管13C、24A、30へ水等が逆流しないようにしている。
【0020】
そして、当該例では、上記ジェット管11Bに接続してジェット管11C及び電磁弁V8 が設けられ、このジェット管11Cは送気管12C,12Dを介して送水タンク22に接続される。更に、上記送気用ポンプ27の出力部から送水用ポンプ23側の管24Aまで第2連結管32が介挿され、この第2連結管32に電磁弁V9 が取り付けられており、この第2連結管32と電磁弁V9 によって、送気用ポンプ27を送水用ポンプ23と共にジェット噴射又はレンズ面フラッシュのために用いることができる。
【0021】
また、この電磁弁ユニット20では、上記吸引管14Bに接続する吸引管14C及び電磁弁V10が設けられ、この吸引管14Cには不図示の吸引用ポンプに連結された吸引タンク33が接続される。この吸引管14Cには大気開放管34及び電磁弁V11が接続される。そして、上記の電磁弁V1 〜V11を開閉制御する制御部36や電源部37等が配置されている。
【0022】
更に、上記電磁弁ユニット20の操作パネル上には、単位時間当りの流量を調節するための流量調節スイッチが設けられており、当該例では、送気量をHighとLow にコントロールする送気量調節スイッチ38、送水量をHighとLow にコントロールする送水量調節スイッチ39が設けられる。また、水抜きスイッチ40も配置される。
【0023】
なお、上記の流量調節は、上記操作部10Bに設けられた操作スイッチにより行うこともできる。例えば、送気と送水の操作スイッチを別個に配置し、この送気操作スイッチと送水操作スイッチを二段階スイッチとしてもよいし、操作の押圧力を感圧センサ等で感知して段階的な制御が可能な操作スイッチ体としてもよい。
【0024】
当該例は以上の構成からなり、送気又は送水を行う場合は、上記内視鏡操作部10Cの送気/送水スイッチ16又はジェットスイッチ18と上記送気量又は送水量の調節スイッチ38,39を操作することになるが、このときの各電磁弁V1 〜V9 の開閉動作が図3に示される。即ち、電磁弁ユニット20の電源がオンされると、送水用ポンプ23、送気用ポンプ27が作動し、図3のAに示されるように、例えば電磁弁V2 とV3 が開(OPEN)[一方のみを開としてもよい]、電磁弁V5 ,V6 が開となり、各ポンプ23,27からの空気は大気に排出される(吸引側ではV11が開となる)。
【0025】
そして、送気量調節スイッチ38をHighに設定した状態で、送気/送水スイッチ16の一段目を押すと、図3のBに示されるように、送気管13Cの電磁弁V4 が開、流量調整用の電磁弁V5 ,V6 が閉(CLOSE )となる。これによれば、大気開放管28A,28Bの両者が閉じられるので、高い流量値(単位時間当りの流量が多い状態)で送気管13C〜13Aによる送気が行われる。例えば、この操作で胃等の体腔内に空気を短時間に送り込むことができる。
【0026】
一方、送水量調節スイッチ39をHighに設定した状態で、送気/送水スイッチ16の二段目を押すと、図2のDに示されるように、送水管12Cの電磁弁V1 が開、流量調整用の電磁弁V2 ,V3 の両者は閉となる。この場合も、大気開放管25A,25Bの両者が閉じられるので、高い流量値で送水管12C〜12Aによる送水が行われる。例えば、この操作で観察窓に付着した汚れを除去することができ、比較的強い(高流速の)送水で良好な水洗いを行うことが可能となる。
【0027】
次に、上記送気量調節スイッチ38をLow に設定した状態で、送気/送水スイッチ16の一段目を押すと、図2のCに示されるように、上記送気管13Cの電磁弁V4 が開、流量調整用の片方の電磁弁V6 のみが閉となる。これによれば、一つの大気開放管28Bのみが閉じられるので、低い流量値(単位時間当りの流量が少ない状態)で送気が行われる。例えば、この操作で上記の水洗浄後の水切りを実施することができ、比較的弱い(低流速の)送気で水切りを良好に行うことができる。
【0028】
一方、上記送水量調節スイッチ39をLow に切り替えて、上記送気/送水スイッチ16の二段目を押すと、図2のEに示されるように、送水管12Cの電磁弁V1 が開、流量調整用の電磁弁V2 のみが閉となる。この場合も、一つの大気開放管25Aのみが閉じられるので、低い流量値で送水が行われる。
【0029】
そして、上記操作部10Bのジェットスイッチ18を押すと、図2のFに示されるように、ジェット管11Cの電磁弁V8 と第2連結管32の電磁弁V9 が開、流量調整用の電磁弁V2 ,V3 ,V5 ,V6 が閉となる。これによれば、送水用ポンプ23だけでなく、送気用ポンプ27も加わって送水タンク22から送水が行われ、ジェット管11B,11Aを介した極めて強い送水によって被観察体の付着物等が除去されることになる。
【0030】
このジェット噴射では、自動的に最大流量となるように設定したが、このジェット送水量を別に設けたスイッチや上記の送気量又は送水量の調節スイッチ38,39を用いて調整できるようにしてもよい。例えば、上記調節スイッチ38,39を用いた場合は、各スイッチのいずれか又は両者をLow に操作することにより、噴射の強さ又は量が変化することになる。
【0031】
また、内視鏡の使用が終了した後等で、電磁弁ユニット20の水抜きスイッチ40を押すと、図3のGに示されるように、第1連結管30の電磁弁V7 が開、流量調整用の電磁弁V5 ,V6 が閉(V2 ,V3 は開)となる。この結果、送気用ポンプ27からの空気が送水管12C,12B及び12Aを通って先端部まで送られ、これによって当該管路内の水抜き、洗浄が行われる。このようにして、目的に応じた流速又は流量で、送気と送水を独立して制御することが可能となる。
【0032】
なお、図1に示した吸引スイッチ17を押したときは、電磁弁V10が開、電磁弁V11が閉となり、吸引管14C〜14Aを介して吸引が行われ、先端部10Aから吸引した汚物等が吸引タンク33へ排出される。
【0033】
更に、上記実施形態例では、レンズ面フラッシュについても、二つのポンプ23,27を用いて送水を行うことができる。即ち、このレンズ面フラッシュスイッチを適当な場所に設け、このスイッチの操作及び制御部36により、上記送水管12Cの電磁弁V1 と第2連結管32の電磁弁V9 を開、流量調整用の電磁弁V2 ,V3 ,V5 ,V6 を閉(その他も閉)とすることにより、二つのポンプ23,27に基づいて、強い流速の送水が送水管12B,12Aを介して実行される。これによれば、観察窓レンズ面に付着する大量でしつこい汚れ等が除去できることになる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、送気用ポンプと送水用ポンプを独立して配置した上で、連結管と開閉弁を用いて上記送気用ポンプを送水用として送水管路やジェット管路へ接続し、二つのポンプで送水ができるようにしたので、送気量と送水量を独立に可変制御しながら、スイッチ操作でレンズ面フラッシュやジェット噴射を容易に実施できると共に、これらの送水に必要な強さと量を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る内視鏡の送気送水装置の内視鏡側の構成を示す図である。
【図2】図1の内視鏡に接続される電磁弁ユニット側の構成を示す図である。
【図3】送気又は送水の操作時における電磁弁の動作を示す説明図である。
【図4】従来の内視鏡の電磁弁ユニット側の構成を示す図である。
【符号の説明】
1,20,41 … 電磁弁ユニット、
2,12 … 送水管、 3,13 … 送気管、
10 … 内視鏡、
11 … ジェット管、
16 … 送気/送水スイッチ、
18 … ジェットスイッチ、
23 … 送水用ポンプ、
25(A,B),28(A,B),34 … 大気開放管、
27 … 送気用ポンプ、
32 … 第2連結管、
36 … 制御部、
V1 〜V11,V21〜V23 … 電磁弁。

Claims (2)

  1. 各種管路を介して先端部まで送気及び送水を行う内視鏡の送気送水装置において、
    上記送気を行うための送気用ポンプと、
    この送気用ポンプとは別個に上記送水を行うための送水用ポンプと、
    上記送気用ポンプを送水用として送水管路へ接続するための連結管と、
    この連結管の開閉制御をするための開閉弁とを設け、
    上記送水管路に対し二つのポンプで送水を行うようにしたことを特徴とする内視鏡の送気送水装置。
  2. 上記送水管路とは別個に被観察体に対し水を噴射するジェット管路を設け、
    このジェット管路に対して上記の連結管を配置し、
    このジェット管路に対し二つのポンプで送水を行うようにしたことを特徴とする上記請求項1記載の内視鏡の送気送水装置。
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