JP3618597B2 - 内視鏡管路制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内視鏡管路制御装置、特に先端部へ送気/送水管を介して送気/送水するため、或いは先端部から被観察体内の内容物を吸引管を介して吸引するための管路制御装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡では、先端部の送気/送水ノズルから観察窓等へ向けて空気或いは水(生理食塩水等)を噴射したり、また先端部の鉗子口を介して被観察体内の内容物等を吸引すること等が可能となっている。このために、内視鏡内には、送気管、送水管、吸引管等が設けられると共に、内視鏡操作部にこれら管路の流れを制御するためのメカニカル(機械式)操作バルブ又は電気操作スイッチが設けられる。
【0003】
即ち、従来から内視鏡管路の流れの制御は、メカニカル操作バルブを用いて行うものと、電磁弁ユニット及び操作スイッチを用いるものがある。上記のメカニカル操作バルブを用いた場合、吸引では一つの連通路が形成されたピストンを上下させて吸引管の開閉が行われ、送気/送水では例えば大気開放路を含む送気路と送水路の二つの連通路が形成されたピストンの大気開放路を塞ぐことにより送気が行われ、ピストンを押し下げることにより送水が行われる。
このメカニカル操作バルブの場合は、ピストンの押し量を指で加減することにより流量を微調整(アナログ的調整)できるという利点があるが、可動式ピストンを有するバルブ部の洗浄が行い難いという不都合もある。
【0004】
一方、上記電磁弁ユニットは内視鏡とは別体で設けられ、この電磁弁ユニット内の電磁弁を開閉する電気操作スイッチが操作部に配置されており、吸引では、吸引スイッチのオンオフにより該当する電磁弁を開閉させて吸引動作が行われ、送気/送水では、送気/送水スイッチの一段目の押し操作で、例えば該当する電磁弁を開閉させて送気動作が行われ、二段目の押し操作で送水動作が行われる。この電磁弁ユニットを用いる場合は、上記メカニカル操作バルブのように可動式ピストンを用いないので、バルブ部の洗浄が容易となり、洗浄性が向上するという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したメカニカル操作バルブ又は電磁弁ユニットを用いた内視鏡管路制御装置は、それぞれ一長一短があり、適用部位や状況、ユーザー側の事情等によって最適な方を選択することになる。しかし、これらの内視鏡の両方を備えることは装備としてまたコスト的に無駄となる場合が多い。
【0006】
また、メカニカル操作バルブを適用した内視鏡を所有しているが、電磁弁ユニットを用いた内視鏡へ移行したいときには、新たな電磁弁ユニット用の内視鏡を購入しなければならない。このような場合、既に所有している内視鏡を電磁弁ユニット用としても利用できれば便利である。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、機械式バルブを適用した内視鏡を電磁弁ユニットを採用する内視鏡として用いることができ、また両方の流体制御方式が一つの内視鏡で実現可能となる内視鏡管路制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、内視鏡管路内の流体の流れを機械的バルブ構成で制御するための機械式操作体と、この機械式操作体を着脱自在に嵌合させ、かつ上記管路が配管された受け部とを有する内視鏡管路制御装置において、上記受け部に対し着脱可能に構成され、上記管路内の流体の流れを確保しかつ電気式スイッチで制御するための電気式操作体と、この電気式操作体から内視鏡の外部を通って電気式流体供給部まで配設され、上記電気式スイッチに接続された信号線と、この信号線を上記電気式流体供給部へ電気的に接続するためのコネクタとを備えてなることを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、受け部から機械式操作体を外して、電気式操作体を取り付け、電気接続手段としての信号線のコネクタを電磁弁ユニットに接続することになる。このときには、管路も流体流通が可能なように接続される。この状態で、電気式操作体を押せば、電磁弁ユニット内の電磁弁が動作し、管路の開閉(また任意であるが流量の調整)を実行することが可能となる。もちろん、この電気式操作体を外して機械式操作体を取り付ければ、機械式バルブによる流れの制御ができ、この機械式操作体の押し操作により管路の開閉が行われると共に、押し加減により流量の調整も可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3には、実施形態例に係る内視鏡管路制御装置の吸引操作部材及び受け部の構成が示され、図4には、電気式操作体を取り付けたときの装置全体の構成が示されている。図4において、内視鏡(又は電子内視鏡)10はメカニカルバルブを採用するものとして製作されており、挿入部10A、操作部10B、ケーブル部10Cからなり、このケーブル部10Cがコネクタ10Dを介して、電磁弁ユニット(流体供給部)12に接続される。当該内視鏡では、管路として送気管18、送水管19、吸引管20が設けられ、この送気管18と送水管19は、挿入部10Aの先端側で1本の管となり、この送気/送水管の出口には観察窓へ流体を噴射するためのノズル22が設けられる。
【0011】
上記電磁弁ユニット12には、図示のように、ポンプ(送気ポンプ)13、制御部14、電磁弁(ピンチバルブやダイヤフラムバルブ等)V1 〜V5 が設けられ、また接続口15を介して送水タンク23が接続され、接続口16を介して吸引ポンプが接続される。即ち、電磁弁のV1 は送水管19、V2 は送気管18、V3 はポンプ13用の大気開放管24、V4 は吸引管20、V5 は吸引ポンプ用の大気開放管25に取り付けられており、これらの電磁弁V1 〜V5 を上記制御部14で開閉制御することによって、送気、送水、吸引等の各動作が実行される。また、この電磁弁ユニット12には、上記制御部14へ操作制御信号を入力するためにコネクタ受け26が取り付けられる。
【0012】
なお、この内視鏡10は、メカニカルバルブ用として製作されたものであるから、本来はケーブル部10Cを介してメカニカルバルブ用の流体制御部を有する外部装置(光源装置、プロセッサ装置、又はこれらを合体した装置等)に取り付けられることになる。この外部装置でも、電磁弁はないが、図4で示した送気ポンプ、送水タンク、吸引ポンプへの接続口等が設けられる。
【0013】
そして、上記のような内視鏡操作部10Bでは、メカニカル操作体(バルブ)の代わりに電気式操作体(スイッチ)が使用可能に配置されることになり、まず吸引操作部材に関する構成から説明する。
図1(A)は、メカニカルバルブ用のメカニカル吸引操作体(ピストン部)28、図1(B)は電気式吸引操作体29、図1(C)は吸引用受け部30である。上記図1(A)のメカニカル吸引操作体28では、嵌合部32Aを有する保持部32に対し、押し釦33を取り付けたピストン34がスプリング35を介して上下動可能に取り付けられており、このピストン34に、図示(鎖線)されるように、連通路34Rが設けられる。
【0014】
図1(B)の電気式吸引操作体29では、保持部37に電気スイッチ38を有する円柱部39が保持されると共に、ゴムカバー40が被せられ、この保持部37の下部内側に雌ネジ部37Gが形成される。上記スイッチ38の電極41A,41Bには、接続部42を介して信号線43が接続されており、この信号線43の先端に上記電磁弁ユニット12のコネクタ受け26へ接続するためのコネクタ43Dが設けられる。この信号線43は、図4に示されるように、ケーブル部10Cに沿わせて取り付けられる。
【0015】
図1(C)の吸引用受け部30では、その上部外側に雄ネジ部30Gが形成されており、操作部10Bのケース体44に配置した後、上記雄ネジ部30Gに固定用リング(ネジ部)45を螺合することによりこの受け部30がケース体44に取り付けられる。この受け部30には、上記操作体28の嵌合部32Aが嵌合する受け口30Aが形成されると共に、挿入部10A側へ向けて配置される吸引管20Aとケーブル部10Cへ配置される吸引管20Bが配管される。また、上記ピストン34と上記円柱部39が水密状態で嵌合する嵌合壁30Bが受け口30Aの下側に設けられる。
【0016】
吸引操作部材に関する構成は以上であり、図2及び図3によりその作用を説明する。図2には、上記メカニカル吸引操作体28[図1(A)]を受け部30[図1(C)]に取り付けた状態(動作時)が示されており、この吸引操作体28は、その嵌合部32Aを受け口30Aに嵌合することにより受け部30に取り付けられる。そして、この場合の内視鏡10(ケーブル部10C)は流体供給部を有する外部装置にコネクタ接続することになる。
【0017】
この図2では、押し釦33を押さないとき、連通路34Rの上側口(側面口)が嵌合壁30Aよりも上側に位置するので、連通路34Rは塞がれた状態となるが、図示のように、押し釦33を押したときピストン34が下がることにより、連通路34Rが開いた状態となる。内視鏡使用中は、吸引ポンプが動作しており、この連通路34Rが開くことによって挿入部10Aの先端から被観察体内の内容物等の吸引が行われる。そして、この場合は、図2からも理解されるように、押し釦33の押し量(ピストン34の下降量)を調整することにより、吸引の強さ(吸引量)が変えられることになる。
【0018】
図3には、上記のメカニカル吸引操作体28を外して電気式吸引操作体29[図1(B)]を受け部30に取り付けた状態が示されており、この吸引操作体29は、ケース体44から固定用リング45を取り外し、嵌合壁30Bに円柱部39を嵌合し、かつその外周の雄ネジ部30Gに保持部37の雌ネジ部37Gを螺合結合することによって受け部30にしっかり取り付けられる。そして、図4に示されるように、内視鏡10ケーブル10Cがコネクタ10Dにより電磁弁ユニット12に接続され、また信号線43がコネクタ43Dとコネクタ受け26の連結によって電磁弁ユニット12内の制御部14へ接続される。
【0019】
この電気式吸引操作体29では、内部のスイッチ38がオフとなっているとき、上記電磁弁ユニット12内の吸引用電磁弁V4 が閉、大気開放管25の電磁弁V5 が開とされて、吸引管20は閉じられているが、吸引操作体29の上部を押してスイッチ38をオンすると、制御部14により上記電磁弁のV4 が開、弁V5 が閉となり、これにより挿入部10Aの先端から被観察体内の内容物等が吸引される。この電磁弁ユニット12では、流量制御が可能な構成となっているものもあり、この場合には、電磁弁ユニット12の操作パネル上のスイッチ等で吸引の強さが調整される。なお、この電気式吸引操作体29の場合は、メカニカル吸引操作体28のように、連通路34Rを持った可動ピストン34がないので、吸引操作部材の洗浄が容易になる。
【0020】
次に、送気/送水操作部材の構成を図4乃至図6により説明する。図5には、従来のメカニカル送気/送水操作体の構成が示されており、この場合の内視鏡10は、光源装置、プロセッサ装置等の外部装置に接続される。図5に示されるように、この送気/送水操作体48には、送気路18E、大気開放路18F、送水路19Eが形成されたピストン49が吸引操作体28の場合と同様にスプリングを介して送気/送水用受け部50に上下動可能に取り付けられる。
【0021】
この受け部50には、先端側の送気管18A、送水管19Aとケーブル側の送気管18B、送水管19Bが配管される。上記メカニカル送気/送水操作体48では、外部装置のポンプ作動で送られる空気が送気管18から大気開放路18Fを介して大気へ流出しており、この送気/送水操作体48の上面を押えて大気開放路18Fを塞いだとき、送気管18を介して送気が行われる。
【0022】
通常、観察窓の洗浄を行う際には、当該送気/送水操作体48のピストン49をその上面の大気開放路18Fを塞ぎながら押し下げると、これにより送水路19Eが送水管19(A,B)に連結されて送水タンク15からの水が供給され、送水管19を介して先端部ノズル22から観察窓に対して送水が行われる。その後、ピストン49を上側に戻し、大気開放路18Fの上方を指で塞げば、送気管18(A,B)を介して観察窓に対して水切りのための送気が行われる。
【0023】
図6には、電気式送気/送水操作体52が送気/送水用受け部50に取り付けられた状態が示されており、図示されるように、この電気式送気/送水操作体52は、保持部53に二段スイッチ(電気スイッチ)54を有する円柱部55が保持されると共に、ゴムカバー56が被せられ、この保持部53の下部内側に雌ネジ部53Gが形成される。上記二段スイッチ54の電極57A,57Bには、接続部58を介して信号線59が接続されており、この信号線59は途中で上記信号線43に合体し、コネクタ43Dから電磁弁ユニット12へ接続される。
【0024】
一方、受け部50の外周側には、上記吸引操作部材と同様に雄ネジ部50Gが形成され、この雄ネジ部50Gに上記操作体52の雌ネジ部53Gが螺合結合される。この受け部50には、図示のように送気管18(A,B)と送水管19(A,B)が配設されているので、これらの管18,19を接続するために、上記送気/送水操作体52の円柱部55には、送気路(連通管)18Hが設けられると共に、送水路を確保するように円柱部55の長さ(底部の高さ)を所定値に設定している。
【0025】
このような電気式送気/送水操作体52を受け部50に接続する場合は、図4のように内視鏡10(ケーブル10C)が電磁弁ユニット12に接続される。そして、この電気式送気/送水操作体52内部の二段スイッチ54がオフのときには、上記電磁弁ユニット12内の大気開放管24の電磁弁V3 のみが開いて送気管18及び送水管19は閉じられているが、送気/送水操作体52の上部を押して二段スイッチ54の一段目がオンされると、制御部14により上記電磁弁V3 が閉じて送気用電磁弁V2 が開き、これにより送気管18を介して空気が供給され、挿入部10Aの先端ノズル22から観察窓へ向けて送気が行われる。
【0026】
一方、上記ニ段スイッチ54の二段目がオンされると、上記電磁弁V2 が閉じて送水用電磁弁V1 が開動作し、これにより送水管19を介して送水タンク23の水が供給され、上記先端ノズル22から送水が行われる。この送気/送水においても、流量制御が可能な構成となっているものがあり、この場合には、電磁弁ユニット12の操作パネル上のスイッチ等で送気/送水の強さが変えられる。なお、この電気式送気/送水操作体52においても、メカニカル送気/送水操作体48のように複雑な管路18E,18F,19Eを持った可動ピストン34がないので、洗浄が容易となる。
【0027】
以上のように実施形態例では、メカニカル操作体28,48を電気式操作体29,52に取り替え、かつ内視鏡10を電磁弁ユニット12へ接続することにより、従来の内視鏡10を電磁弁制御方式の内視鏡に変換することができ、両方式の流体制御を行うことが可能となる。
【0028】
なお、当該例では、固定用リング45を外して電気式操作体29,52を受け部30,50に螺合結合するようにしたが、この電気式操作体29,52をメカニカル操作体28,48と同様の嵌合式、或いはその他の接続構造で操作部10Bに取り付けるようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、機械的バルブ構成の機械式操作体を受け部に着脱自在に嵌合させる内視鏡管路制御装置において、上記受け部に対し着脱可能とされ、管路内の流体の流れを確保しかつ電気式スイッチを有する電気式操作体と、電気式流体供給部への電気接続手段とを備えたので、機械式バルブを適用した内視鏡を電磁弁ユニットを採用する内視鏡として用いることが可能となる。また、両方の流体制御方式が一つの内視鏡で実現でき、装備としてもコスト的にも無駄がないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る内視鏡管路制御装置の吸引操作部材の構成で、図(A)はメカニカル吸引操作体の半面断面図、図(B)は電気式吸引操作体の断面図、図(C)は吸引用受け部の断面図である。
【図2】図1のメカニカル吸引操作体を受け部に取り付けた(ピストンを少し押し下げた)状態を示す断面図である。
【図3】図1の電気式吸引操作体を受け部に取り付けた状態を示す断面図である。
【図4】内視鏡装置の全体構成を示し、電気式操作体を取り付けたときの図である。
【図5】実施形態例のメカニカル送気/送水操作体の概略を示す断面図である。
【図6】電気式送気/送水操作体を送気/送水用受け部に取り付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 … 内視鏡、 10B … 操作部、
12 … 電磁弁ユニット、18 … 送気管、
19 … 送水管、 20 … 吸引管、
28 … メカニカル吸引操作体、
29 … 電気式吸引操作体、
30 … 吸引用受け部、
32,37,53 … 保持部、
34,49 … ピストン、38 … スイッチ、
41(A,B),57(A,B) … 電極、
43,59 … 信号線、
48 … メカニカル送気/送水操作体、
50 … 送気/送水用受け部、
52 … 電気式送気/送水操作体。
Claims (1)
- 内視鏡管路内の流体の流れを機械的バルブ構成で制御するための機械式操作体と、この機械式操作体を着脱自在に嵌合させ、かつ上記管路が配管された受け部とを有する内視鏡管路制御装置において、
上記受け部に対し着脱可能に構成され、上記管路内の流体の流れを確保しかつ電気式スイッチで制御するための電気式操作体と、
この電気式操作体から内視鏡の外部を通って電気式流体供給部まで配設され、上記電気式スイッチに接続された信号線と、
この信号線を上記電気式流体供給部へ電気的に接続するためのコネクタとを備えてなる内視鏡管路制御装置。
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