JP3600079B2 - 内視鏡管路制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内視鏡管路制御装置、特に先端部へ送気/送水管を介して送気/送水するため、或いは先端部から被観察体内の内容物を吸引管を介して吸引するための管路制御装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡では、先端部の送気/送水ノズルから観察窓等へ向けて空気或いは水(生理食塩水等)を噴射したり、また先端部の鉗子口を介して被観察体内の内容物等を吸引すること等が可能となっている。このために、内視鏡内には、送気管、送水管、吸引管等が設けられると共に、内視鏡操作部にこれら管路の流れを制御するためのメカニカル(機械式)操作バルブ又は電気操作スイッチが設けられる。
【0003】
即ち、従来から内視鏡管路の流れの制御は、メカニカル操作バルブを用いて行うものと、電磁弁ユニット及び操作スイッチを用いるものがある。上記のメカニカル操作バルブを用いた場合、吸引では一つの連通路が形成されたピストンを上下させて吸引管の開閉が行われ、送気/送水では例えば大気開放路を含む送気路と送水路の二つの連通路が形成されたピストンの大気開放路を塞ぐことにより送気が行われ、ピストンを押し下げることにより送水が行われる。
このメカニカル操作バルブの場合は、ピストンの押し量を指で加減することにより流量を微調整(アナログ的調整)できるという利点があるが、可動式ピストンを有するバルブ部の洗浄が行い難いという不都合もある。
【0004】
一方、上記電磁弁ユニットは内視鏡とは別体で設けられ、この電磁弁ユニット内の電磁弁を開閉する電気操作スイッチが操作部に配置されており、吸引では、吸引スイッチのオンオフにより該当する電磁弁を開閉させて吸引動作が行われ、送気/送水では、送気/送水スイッチの一段目の押し操作で、例えば該当する電磁弁を開閉させて送気動作が行われ、二段目の押し操作で送水動作が行われる。この電磁弁ユニットを用いる場合は、上記メカニカル操作バルブのように可動式ピストンを用いないので、バルブ部の洗浄が容易となり、洗浄性が向上するという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したメカニカル操作バルブ又は電磁弁ユニットを用いた内視鏡管路制御装置は、それぞれ一長一短があり、これらの選択は、適用部位や、ユーザー側の事情等に依存し、両方のものが混在する状況となっている。このことは、逆に考えれば、1つのシステム装置において両方を使用することができれば、適用部位や状況に応じた選択が可能となり、利用価値が向上することを意味する。
【0006】
また、内視鏡装置は、スコープとしての内視鏡部分、ポンプ等の流体供給部を有する光源装置又はプロセッサ装置(電子内視鏡の場合)、電磁弁ユニット等で構成されるが、メカニカル操作バルブを採用する装置と電磁弁ユニットを採用する装置との間での互換性がなく、例えば電磁弁ユニットを動作させる電気操作スイッチを有する内視鏡をメカニカル操作バルブを採用する光源装置又はプロセッサ装置に接続することはできない。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、1つのシステム装置で機械式バルブによる流体制御と電磁弁ユニットによる流体制御の両方を選択的に実行して両方の利点を適宜享受することができ、また制御方式の異なるものとして製作された各構成装置との間で互換性を確保することが可能となる内視鏡管路制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、内視鏡管路内の流体の流れを機械的バルブ構成で制御するための機械式操作体と、上記と同一管路内の流体の流れを確保しかつ電気式スイッチで制御するための電気式操作体と、上記管路が配管されると共に、上記機械式操作体と上記電気式操作体の両方を選択的に着脱可能とした操作部材受け部と、この操作部材受け部に上記電気式操作体が取り付けられたとき、上記電気式スイッチを本体側に対し電気的に接続する電気接続手段とを備えてなることを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、操作部材受け部に機械式操作体が取り付けられたときは、従来と同様に機械式操作体の押し操作により管路の開閉が行われると共に、押し加減により流量の調整もできることになる。また、電気式操作体が取り付けられたときは、内部の電気スイッチが本体側と電気的に接続され、同時に管路も流体流通が可能なように接続される。そして、操作体を押すと、電磁弁ユニット内の電磁弁が動作し、管路の開閉(また任意であるが流量の調整)が行われる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4には、実施形態例に係る内視鏡管路制御装置の吸引操作部材及び受け部の構成が示され、図5には、メカニカルバルブを適用した場合の装置の全体構成が示されている。図5において、内視鏡(又は電子内視鏡)10は挿入部10A、操作部10B、ケーブル部10Cからなり、このケーブル部10Cがコネクタを介して、メカニカルバルブ用の流体供給部を有する外部装置12に接続される。この外部装置12は、光源装置、プロセッサ装置、光源装置を有するプロセッサ装置等であり、図示のように、ポンプ(送気ポンプ)14、送水タンク15に接続するための管路及び接続口16、吸引ポンプへ接続するための管路及び接続口17等が設けられる。
【0011】
当該装置では、内視鏡管路として送気管18、送水管19、吸引管20が設けられ、この送気管18と送水管19は、挿入部10Aの先端側で1本の管となり、この送気/送水管の出口には観察窓へ流体を噴射するためのノズル22が設けられる。また、外部装置12側では、上記送水管19が送水タンク15へ導かれると共に、この送水タンク15とポンプ14との間に送気管23が設けられる。
【0012】
一方、上記外部装置12の代わりに、内視鏡10のケーブル部10Cは電磁弁ユニット25にも接続できるように構成される。この電磁弁ユニット25は、上記外部装置12の場合と同様に、送気ポンプ、送水タンク、吸引ポンプへの接続口等を有すると共に、各管路18〜20を開閉する電磁弁(ピンチバルブやダイヤフラムバルブ等)と制御部26が設けられ、この制御部26によって電磁弁を開閉制御することにより、送気、送水、吸引等の動作を行うことができるようになっている。
【0013】
そして、この内視鏡操作部10Bに、メカニカル操作体(バルブ)と電気式操作体(スイッチ)の両方が使用可能となる操作部材が配置されるが、電気式操作体が取り付けられたときに操作信号を伝達するために、信号線27(A〜D)が操作部10Bからケーブル部10Cを経て電磁弁ユニット25の制御部26まで配線される。なお、この図5はメカニカル操作体を取り付けたときの状態を示している。
【0014】
図1には、吸引操作部材の構成が示されており、図(A)はメカニカルバルブ用のメカニカル吸引操作体(ピストン部)28、図(B)は電気式吸引操作体29、図(C)は吸引用受け部30である。まず、図1(A)のメカニカル吸引操作体28では、嵌合部32Aを有する保持部32に対し、押し釦33を取り付けたピストン34がスプリング35を介して上下動可能に取り付けられており、このピストン34に、図示(鎖線)されるように、連通路34Rが設けられる。
【0015】
図1(B)の電気式吸引操作体29では、保持部37に電気スイッチ38を有する円柱部39が保持されると共に、ゴムカバー40が被せられ、この保持部37の下部内側に雌ネジ部37Gが形成される。上記スイッチ38には、図2にも示されるように、電極41A,41Bが接続されており、この電極41A,41Bは絶縁部材42を介して上記円柱部39の外周に取り付けられる。
【0016】
図1(C)の吸引用受け部30では、その上部外側に雄ネジ部30Gが形成されており、操作部10Bのケース体44に配置した後、上記雄ネジ部30Gに固定用リング(ネジ部)45を螺合することによりこの受け部30がケース体44に取り付けられる。この受け部30には、上記操作体28の嵌合部32Aが嵌合し、かつ上記操作体29の電極41(A,B)を受ける受け口30Aが形成されると共に、挿入部10A側へ向けて配置される吸引管20Aとケーブル部10Cへ配置される吸引管20Bが配管される。また、上記ピストン34と上記円柱部39が水密状態で嵌合する嵌合壁30Bが設けられる。そして、図2にも示されるように、この受け部30の壁を貫通して受け口30Aの内壁から少し突出するように電極(電気接点)46A,46Bが設けられ、この電極46A,46Bは信号線27A,27Bに接続される。
【0017】
吸引操作部材に関する構成は以上であり、図3及び図4によりその作用を説明する。図3には、上記メカニカル吸引操作体28[図1(A)]を受け部30[図1(B)]に取り付けた状態(動作時)が示されており、この吸引操作体28は、その嵌合部32Aを受け口30Aに嵌合することにより受け部30に取り付けられる。そして、この場合は図5に示したように内視鏡10(ケーブル部10C)を外部装置12にコネクタ接続することになる。
【0018】
この図3では、押し釦33を押さないとき、連通路34Rの上側口(側面口)が嵌合壁30Aよりも上側に位置するので、連通路34Rは塞がれた状態となるが、図示のように、押し釦33を押したときピストン34が下がることにより、連通路34Rが開いた状態となる。内視鏡使用中は、吸引ポンプが動作しており、この連通路34Rが開くことによって挿入部10Aの先端から被観察体内の内容物等の吸引が行われる。そして、この場合は、図3からも理解されるように、押し釦33の押し量(ピストン34の下降量)を調整することにより、吸引の強さ(吸引量)が変えられることになる。
【0019】
図4には、上記電気式吸引操作体29[図1(B)]を受け部30に取り付けた状態が示されており、この吸引操作体29は、ケース体44から固定用リング45を取り外し、受け口30Aに電極41(A,B)、また嵌合壁30Bに円柱部39を嵌合し、かつその外周の雄ネジ部30Gに保持部37の雌ネジ部37Gを螺合結合することによって受け部30に取り付けられる。このとき、図2にも示されるように、電極の41A,41Bと46A,46Bが電気的に接続される。そして、この場合は図6に示した電磁弁ユニット25に内視鏡10(ケーブル10C)をコネクタ接続することになる。
【0020】
この図4では、内部のスイッチ38がオフとなっているき、上記電磁弁ユニット25内の吸引管用電磁弁が閉状態とされ、吸引管20は閉じられているが、吸引操作体29の上部を押してスイッチ38をオンすると、制御部26により上記電磁弁が開動作し、これにより挿入部10Aの先端から被観察体内の内容物等が吸引される。この電磁弁ユニット25では、流量制御が可能な構成となっているものもあり、この場合には、電磁弁ユニット25の操作パネル上のスイッチ等で吸引の強さが調整される。なお、この電気式吸引操作体29の場合は、メカニカル吸引操作体28のように、連通路34Rを持った可動ピストン34がないので、吸引操作部材の洗浄が容易となる。
【0021】
次に、送気/送水操作部材の構成を図5乃至図7により説明する。図6には、図5に示したメカニカル送気/送水操作体48(簡略化して描いたもの)の拡大図が示されており、図示されるように、この送気/送水操作体48には、送気路18E、大気開放路18F、送水路19Eが形成されたピストン49が吸引操作体28の場合と同様にスプリングを介して送気/送水用受け部50に上下動可能に取り付けられる。この受け部50には、先端側の送気管18A、送水管19Aとケーブル側の送気管18B、送水管19Bが配管される。上記メカニカル送気/送水操作体48では、図5から分かるように、ポンプ14の作動で送られる空気は送気管18から大気開放路18Fを介して大気に流出しており、この送気/送水操作体48の上面を押えて大気開放管18Fを塞いだとき、送気管18を介して送気が行われる。
【0022】
通常、観察窓の洗浄を行う際には、当該送気/送水操作体48のピストン49をその上面の大気開放路18Fを塞ぎながら押し下げると、これにより送水路19Eが送水管19(A,B)に連結されて送水タンク15からの水が供給され、送水管19を介して先端部ノズル22から観察窓に対して送水が行われる。その後、ピストン49を上側に戻し、大気開放路18Fの上方を指で塞げば、送気管18(A,B)を介して観察窓に対して水切りのための送気が行われる。
【0023】
図7には、電気式送気/送水操作体52が送気/送水用受け部50に取り付けられた状態が示されており、図示されるように、この電気式送気/送水操作体52は、保持部53に二段スイッチ(電気スイッチ)54を有する円柱部55が保持されると共に、ゴムカバー56が被せられ、この保持部53の下部内側に雌ネジ部53Gが形成される。上記二段スイッチ54には、電極57A,57Bが接続されており、この電極56A,56Bは絶縁部材58を介して上記円柱部55の外周に取り付けられる。
【0024】
一方、受け部50には、上記吸引操作部材と同様に雄ネジ部50Gが形成され、また上記電極57A,57Bに接触する電極59A,59Bが内壁から少し突出するように設けられ、これら電極59A,59Bは信号線27C,27Dに接続される。この受け部50には、図示されるように送気管18(A,B)と送水管19(A,B)が配設されているので、これらの管18,19を接続するために、上記送気/送水操作体52の円柱部55には、送気路(連通管)18Hが設けられると共に、送水路を確保するように円柱部55の長さ(底部の高さ)を所定値に設定している。
【0025】
更に、上記電気式送気/送水操作体52を受け部50に取り付けたときは、図5で説明したように、内視鏡10(ケーブル10C)が電磁弁ユニット25に接続される。そして、図7の構成では、内部の二段スイッチ54がオフとなっているときには、上記電磁弁ユニット25内の送気用電磁弁及び送水用電磁弁が閉状態とされ、送気管18及び送水管19は閉じられているが、送気/送水操作体52の上部を押して二段スイッチ54の一段目がオンされると、制御部26により上記送気用電磁弁が開動作し(逆に送水用電磁弁を開動作してもよい)、これにより送気管18を介して空気が供給され、挿入部10Aの先端ノズル22から観察窓へ向けて送気が行われる。
【0026】
一方、上記ニ段スイッチ54の二段目がオンされると、上記送水用電磁弁が開動作し、これにより送水管19を介して送水タンク15の水が供給され、上記先端ノズル22から送水が行われる。この送気/送水においても、流量制御が可能な構成となっているものがあり、この場合には、電磁弁ユニット25の操作パネル上のスイッチ等で送気/送水の強さが変えられる。なお、この電気式送気/送水操作体52においても、メカニカル送気/送水操作体48のように、複雑な管路18E,18F,19Eを持った可動ピストン34がないので、洗浄が容易となる。
【0027】
当該実施形態例では、固定用リング45を外して電気式操作体29,52を螺合結合するようにしたが、この電気式操作体29,52をメカニカル操作体28,48と同様の嵌合式、或いはその他の接続構造で操作部10Bに取り付けるようにしてもよい。
【0028】
また、当該例では内視鏡10を外部装置12と電磁弁ユニット25とに接続する場合を説明したが、この外部装置12としては、光源装置でも、プロセッサ装置でも、これらが一緒になった装置でもよく、また電磁弁ユニット25がこの光源装置等と一緒に組み込まれている場合でもよく、各種の装置に接続することが可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、機械式操作体と電気式操作体の両方を管路が配管される受け部に着脱自在に取付け可能とし、この機械式操作体が取り付けられたときは機械的に流体の流れを制御し、他方の電気式操作体が取り付けられたときは操作制御信号を電磁弁ユニットに供給して電磁弁により流体の流れを制御するようにしたので、1つのシステム装置で機械式バルブによる流体制御と電磁弁ユニットによる流体制御の両方を選択的に実行でき、両方の利点を適宜享受することが可能となる。
【0030】
また、本発明の内視鏡を従来から存在する機械式バルブのための外部装置(流体供給部)や電磁弁ユニットを適用する外部装置に接続することができ、制御方式の異なるものとして製作された各構成装置との間で互換性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る内視鏡管路制御装置の吸引操作部材の構成で、図(A)はメカニカル吸引操作体の半面断面図、図(B)は電気式吸引操作体の断面図、図(C)は吸引用受け部の断面図である。
【図2】図4の電気式吸引操作体及び受け部を電極が見える水平位置で切断した面を示す断面図である。
【図3】図1のメカニカル吸引操作体を受け部に取り付けた(ピストンを少し押し下げた)状態を示す断面図である。
【図4】図1の電気式吸引操作体を受け部に取り付けた状態を示す断面図である。
【図5】内視鏡装置の全体構成を示し、メカニカル操作体を取り付けたときの図である。
【図6】図5のメカニカル送気/送水操作体の拡大断面図である。
【図7】電気式送気/送水操作体を送気/送水用受け部に取り付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 … 内視鏡、 10B … 操作部、
12 … 外部装置、 18 … 送気管、
19 … 送水管、 20 … 吸引管、
25 … 電磁弁ユニット、
27(A,B,C,D) … 信号線、
28 … メカニカル吸引操作体、
29 … 電気式吸引操作体、
30 … 吸引用受け部、
32,37,53 … 保持部、
34,49 … ピストン、38 … スイッチ、
41(A,B),46(A,B),57(A,B),58(A,B) … 電極、
48 … メカニカル送気/送水操作体、
50 … 送気/送水用受け部、
52 … 電気式送気/送水操作体。
Claims (1)
- 内視鏡管路内の流体の流れを機械的バルブ構成で制御するための機械式操作体と、
上記と同一管路内の流体の流れを確保しかつ電気式スイッチで制御するための電気式操作体と、
上記管路が配管されると共に、上記機械式操作体と上記電気式操作体の両方を選択的に着脱可能とした操作部材受け部と、
この操作部材受け部に上記電気式操作体が取り付けられたとき、上記電気式スイッチを本体側に対し電気的に接続する電気接続手段とを備えてなる内視鏡管路制御装置。
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