JP3894296B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に関し、詳しくは、遊技機の各種のフラグやデータを記憶する揮発性メモリを備え、電源が切断された場合に、揮発性メモリの記憶内容を保持するためのバックアップ機能を備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機、例えばパチンコ機では、遊技機の各種のフラグやデータを記憶する揮発性メモリを備え、電源が切断された場合に、揮発性メモリの記憶内容を保持するためのバックアップ機能を備えた遊技機が考案されている。この遊技機では、停電や電源の瞬断等により電源が切断されても揮発性メモリの記憶内容は保持されているために、電源が復帰した場合に、その直前までの遊技状態に戻ることができるという特徴がある。しかし、揮発性メモリの記憶内容をリセットしたい場合もあるので、揮発性メモリの記憶内容のリセットを指示するリセットボタンを設けることも考えられる。この場合には、リセットボタンの誤操作を防止するために、リセットボタンを所定時間以上押した場合に揮発性メモリの記憶内容を消去するようにすることが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の遊技機では、リセットボタンを所定時間以上押し続けないと揮発性メモリの記憶内容を消去できないという問題点があった。従って、遊技場の係員がリセットボタンを一定時間押してもその一定時間が前記所定時間に満たなければ、揮発性メモリの記憶内容を消去できず、遊技場の係員は、揮発性メモリの記憶内容を消去したと思っていても記憶内容が消去されないままになっているという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、バックアップ用電源によってバックアップされた揮発性メモリの記憶内容を確実に消去でき、また、誤操作により誤って揮発性メモリの記憶内容を消去しない遊技機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の遊技機は、複数の図柄が変動表示される図柄表示部を備えた遊技機の主制御を司る主制御装置と、当該主制御装置に搭載され、電源の投入から動作開始までに一定時間を要するCPUと、前記主制御装置に搭載され、各種のフラグやデータを記憶する揮発性メモリと、電源を供給する電源基板と、前記電源基板からの電源が切断された場合に、前記揮発性メモリの記憶内容を保持するために前記揮発性メモリにバックアップ用の電源を供給するバックアップ電源と、当該バックアップ電源によりバックアップ用の電源が供給され、記憶内容が保持された前記揮発性メモリの記憶内容を消去する消去手段と、当該消去手段に対して、前記揮発性メモリの記憶内容の消去を指示する消去指示手段と、電源投入後の前記CPUの動作開始時に、前記消去指示手段が操作されているか否かを判断する判断手段と、当該判断手段により、前記CPUの動作開始時に前記消去指示手段が操作されていると判断された場合に、前記消去手段に前記揮発性メモリの記憶内容を消去させる消去制御手段と、前記図柄表示部に設けられた液晶表示装置と、当該液晶表示装置を制御する液晶制御手段と、当該液晶制御手段が起動した後に前記CPUが起動するように制御する遅延起動手段と、前記消去手段が前記揮発性メモリの記憶内容を消去することを報知する報知手段とを備え、前記遅延起動手段は、前記電源基板から電源が供給されると、設定された所定時間だけ遅延して、主制御装置に電源を供給し、前記CPUの動作開始時に前記消去指示手段が操作されていると前記判断手段により判断された場合に、前記報知手段により前記消去手段が前記揮発性メモリの記憶内容を消去することを報知し、前記消去制御手段は、前記消去手段に前記揮発性メモリの記憶内容を消去させることを特徴とする。
【0006】
この構成の遊技機では、主制御装置が複数の図柄が変動表示される図柄表示部を備えた遊技機の主制御を司り、CPUは主制御装置に搭載され、電源の投入から動作開始までに一定時間を要し、揮発性メモリは主制御装置に搭載され、各種のフラグやデータを記憶し、バックアップ電源は電源基板からの電源が切断された場合に、前記揮発性メモリの記憶内容を保持するために前記揮発性メモリにバックアップ用の電源を供給し、消去手段は、バックアップ電源によりバックアップ用の電源が供給され、記憶内容が保持された前記揮発性メモリの記憶内容を消去し、消去指示手段により当該消去手段に対して、揮発性メモリの記憶内容の消去が指示されると、判断手段は電源投入後のCPUの動作開始時に、消去指示手段が操作されているか否かを判断し、消去制御手段当該判断手段により、CPUの動作開始時に消去指示手段が操作されていると判断された場合に、消去手段に揮発性メモリの記憶内容を消去させることができる。
【0007】
【0008】
また、この構成の発明の遊技機では、液晶表示装置は図柄表示部に設けられ、液晶制御手段は液晶表示装置を制御し、遅延起動手段は液晶制御手段が起動した後に前記CPUが起動するように制御する。
【0009】
【0010】
さらに、この構成の発明の遊技機では、報知手段は、消去手段が揮発性メモリの記憶内容を消去することを報知する。
【0011】
また、請求項2に係る発明の遊技機は、請求項1に記載の発明の遊技機の構成に加え、前記報知手段は、音又は音声により報知することを特徴とする。
【0012】
この構成の発明の遊技機では、請求項1に記載の発明の遊技機の作用に加え、報知手段は、音又は音声により報知することができる。
【0013】
尚、本発明では、当たり時に遊技者に特別の利益を与える特定遊技状態を制御する特定遊技状態制御手段や、当たり後に次の当たりを引く確率を高くする高確率状態制御手段や、当たり後に普通図柄の停止の時間を短くする時間短縮制御手段や、遊技者に有利な遊技状態に制御する有利状態制御手段等を設けるようにしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態について図面を参照して説明する。まず、パチンコ機1についての機械的構成の概略について図1及び図2を参照して説明する。図1はパチンコ機1の斜視図であり、図2は特別図柄表示装置8の正面図である。
【0015】
図1に示すように、このパチンコ機1の正面の上半分の部分には、遊技盤2が設けられ、遊技盤2には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。パチンコ機1の遊技盤2の下方部には、図示外の発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。また、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。尚、下皿6の右横には発射ハンドル7が設けられている。
【0016】
また、図1に示す遊技盤2の遊技領域4の略中央には、特別図柄表示装置8が設けられ、特別図柄表示装置8には液晶表示装置(LCD)から構成された表示画面28が設けられ、その上部には、7セグメントのLEDから構成され、数字又は記号等からなる普通図柄を表示する普通図柄表示装置24と、特別図柄記憶数表示LED60と、普通図柄記憶数表示LED59とが設けられている。この特別図柄記憶数表示LED60は、4個のLEDからなり、後述する始動入賞口15に入賞したいわゆる保留球の数をLEDの点灯で表示することができるようになっている。また、普通図柄記憶数表示LED59は、4個のLEDからなり、後述する普通図柄始動ゲート11,12を通過したいわゆる保留球の数をLEDの点灯で表示することができるようになっている。
【0017】
また、特別図柄表示装置8の右斜め上方には風車9が設けられ、左斜め上方にも風車10が設けられている。さらに、特別図柄表示装置8の右側には普通図柄始動ゲート11が設けられ、左側にも普通図柄始動ゲート12が設けられている。
【0018】
また、特別図柄表示装置8の下側には、始動入賞口15が設けられており、その始動入賞口15の下方には、大入賞口16が設けられている。さらに、大入賞口16の下方には、普通図柄の当たりに連動して解放される始動入賞口17が設けられている。また、始動入賞口17の下方には、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球(以下、「アウト球」という。)を回収するためのアウト口18が設けられている。
【0019】
また、普通図柄始動ゲート11の下方には、入賞口19が設けられ、普通図柄始動ゲート12の下方には、入賞口20が設けられている。さらに、特別図柄表示装置8の下部には遊技盤2の表面から遊技盤2の奥方向に向かって遊技球を暫時載置可能にステージ21が設けられ、特別図柄表示装置8の上部にはワープ口22,23a,23bが設けられている。これらのワープ口22,23a,23bを通過した遊技球は特別図柄表示装置8の内部(ワープゾーン)を通ってステージ21上に現出するようになっており、ステージ21に現出した遊技球は、ステージ21の直下に設けられている始動入賞口15に向かって落下するようになっている。尚、遊技盤2には、上記以外に、種々の電飾ランプ、その他のLED、風車および多数の障害釘等が設けられている。
【0020】
次に、特別図柄表示装置8の構造及びここに表示される画面を説明する。本実施の形態では、特別図柄表示装置8に表示される図柄の可変表示の一例として、図柄が上から下又は下から上にスクロールされて表示される図柄の変動表示を例に説明する。図2に示すように、特別図柄表示装置8の表示画面28には、左から特別図柄表示部L1、特別図柄表示部L3及び特別図柄表示部L2の順で3つの特別図柄表示部が横一列に配置されている。この特別図柄表示部L1〜L3には、後述する図柄が上から下方向にスクロールするように変動表示され、また、表示画面28上には、特別図柄表示部L1〜L3の背景画像やキャラクターやメッセージ等も表示されるようになっている。
【0021】
特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄は、通常時はそれぞれ縦スクロール(上から下へのスクロール)がなされて、特別図柄表示部L1、特別図柄表示部L2、特別図柄表示部L3の順、即ち、左図柄、右図柄、中図柄の順で停止するようになっている。尚、この特別図柄表示部L1〜L3の配置及び停止表示させる順序などは任意に変更できることはいうまでもない。また、特別図柄表示装置8は、上記の特別図柄表示部L1〜L3に特別図柄が常に表示されているわけではなく、これらの表示に代えて動画やメッセージ等も表示できるようになっている。
【0022】
また、上記の特別図柄表示部L1〜L3に各々表示される図柄としては、本実施の形態の例では数字の図柄パターンの一例としては「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「9」の10種類があり、始動入賞口15に遊技球が入賞して大当たりの判定が行われると、これら10種類の図柄が原則としてこの順序で順次表示される。大当たりである場合には、横1列に表示された3つの特別図柄が同じ数字や文字の図柄で揃った状態(例えば、「7」、「7」、「7」のように3つ揃った場合)で大当たり図柄が構成されて表示され、遊技者に大当たりが報知される。そして、大入賞口16が開放される特別遊技状態が生起され、大入賞口16内に設けられているVゾーン(図示外)に遊技球が入賞すると、大入賞口16の開放が再度行われ、所定回数(例えば、15回や16回等)まで繰り返されるようになっている。
【0023】
また、前記10図柄の内、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」を確率変動図柄(以下、「特定図柄」という。)とし、これらの内の何れかの図柄が横1列に同じ図柄で揃った場合には、確率変動突入とし、有利状態(特定遊技状態)として次の大当たりを引く確率を高くするように変更する。大当たりの確率は、一例としては、通常状態(低確率状態)では、315分の1であり、確率変動状態(高確率状態又は有利状態)では、63分の1であるが、必ずしもこの値に限られるものではない。尚、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」、は非確率変動図柄(以下、「非特定図柄」という。)であり、その後に大当たりを引く確率は通常状態となる。
【0024】
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について図3を参照して説明する。図3は、パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。パチンコ機1の制御部40はパチンコ機1の裏側に設けられ、この制御部40は、主基板41、電源基板42、音声制御基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47から構成され、主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51、フラグや乱数値やデータ等を記憶するRAM52と、制御プログラム及び各種の初期値のデータや特別図柄表示装置8への表示内容を指示するコマンドのデータ等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。
【0025】
また、CPUユニット50には、割込リセット回路57及びバックアップ電源90が接続され、割込リセット回路57は、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎に、割込信号をCPU51に与えるようになっており、CPU51は、ROM53に記憶された制御プログラムに従って、パチンコ機1の制御を行う。また、バックアップ電源90は、電源基板42からの電源の供給が絶たれた場合にも、RAM52の記憶内容を保持するための電源をRAM52に与えるためのものであり、リチウム電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等の二次電池を内蔵して、電源基板42から供給される電流により、前記二次電池を充電するようになっている。
【0026】
また、主基板41には、音声制御基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47等とデータ信号の送受信を行うI/Oインターフェース54が設けられている。このI/Oインターフェース54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55と、大当たり判定用の乱数を発生するハード乱数回路80が設けられている。ハード乱数回路80は、フリップフロップ回路により構成され、数ナノ秒ごとに更新される乱数を発生するようになっている。ハード乱数回路80による乱数発生の詳細は、周知であり、例えば特許第2750808号公報に記載されているので、ここでは、説明は省略する。
【0027】
尚、ハード乱数回路80は、普通図柄選択用乱数RN1、大当たり判定用乱数RN2、特別図柄作成乱数RN3,RN4,RN5、リーチ判定乱数RN6、リーチパターン決定乱数RN7等の各種の乱数値を発生しているが、例えば、大当たり判定用の乱数RN2は、「0」〜「314」の何れかの値になるようになっている。従って、「0」〜「314」の内で大当たりとなる値が1つならば、大当たりの確率は315分の1の確率となり、大当たりとなる値が5つならば、大当たりの確率は63分の1の確率となる。
【0028】
また、音声制御基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、及び電飾基板46にも、CPU(図示外)、RAM(図示外)、ROM(図示外)、入力インターフェース(図示外)等が各々搭載されている。尚、図3に示す主基板41はパチンコ機1の主制御を司り、電源基板42は各基板に直流電流を供給し、音声制御基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、電飾基板46はパチンコ1の各電飾の発光態様を制御し、中継基板47は、各センサーの配線の中継を行っている。
【0029】
尚、電飾基板46には、図3に示すように、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、4個のLEDから構成された特別図柄記憶数表示LED60、その他のLED62及び電飾ランプ63が接続され、また、図柄表示基板44には特別図柄表示装置8が接続され、また、音声制御基板43には、スピーカー48が接続され、また、払出制御基板45には、賞品球払出装置49が接続されている。
【0030】
さらに、中継基板47には、普通図柄表示装置24、大入賞口開放ソレノイド70、始動入賞口開放ソレノイド71、始動入賞口15及び始動入賞口17に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート11,12を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16内のVゾーンに入賞した遊技球を検出するVスイッチ74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口19,20に入賞して図示外の案内通路により入賞球集合部に集められた入賞球を検出する入賞口スイッチ76、アウト口18に入ったアウト球数をカウントするアウト球カウントスイッチ77と、バックアップ電源90によりバックアップされたRAM52の記憶内容のクリアを指示するバックアップクリアスイッチ78等が設けられている。このバックアップクリアスイッチ78は、パチンコ機1の背面の所定箇所に設けられ、プッシュスイッチ(図示外)から構成されており、電源投入から3秒以上経過し、主基板41のCPU51が起動した時に押されていると、バックアップ電源90によってバックアップされたRAM52の記憶内容が消去されるようになっている。
【0031】
また、電源基板42は、図3に示すように、音声制御基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46に各々接続されて、直流の安定化された電力が供給されるようになっている。また、電源基板42は、遅延回路91を介して、主基板41に電源を供給するようになっている。この遅延回路91は、図示外のタイマICとリレー等から構成され、電源基板42から電源が供給されると、設定された所定時間(例えば、3秒)だけ遅延して、主基板41に電源を供給するようになっている。また、電源基板42は、バックアップ電源90にも電源を供給している。バックアップ電源90では、電源基板42から供給される電源により、内蔵した二次電池に充電を行うようになっている。
【0032】
尚、電源基板42には、交流24Vが供給され、また、電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12V及び5V等を供給できるようになっている。尚、図3では、特に図示しないが、主基板41、電源基板42、音声制御基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47は、全て、アースラインで接続されている。
【0033】
次に、図4を参照して、図柄表示基板44の構造を説明する。図4は、図柄表示基板44のブロック図である。図4に示すように、図柄表示基板44には、CPU44aが設けられ、CPU44aには、主基板41のI/Oインターフェース54に接続される入力インターフェース44bと、RAM44cと、ROM44dと、液晶駆動回路44eとが接続されている。液晶駆動回路44eは、特別図柄表示装置8の液晶を駆動する。尚、CPU44aは、64ビットのCPUが用いられており、ROM44dには、CPU44a用のオペレーティングシステム(以下、「OS」と言う。)が記憶されている。CPU44aは、当該OSを実行することにより動作するようになっており、電源投入からCPU44aが前記OSの起動を完了させるまでの時間は、3秒かかるようになっている。ここで、主基板41のCPU51は、遅延回路91の働きにより、3秒後から電源が供給されて起動するようになっている。従って、図柄表示基板44のCPU44aよりも、主基板41のCPU51の起動の方が遅くなるようになっている。
【0034】
次に、図5を参照して、RAM52の記憶エリアについて説明する。図5は、RAM52の記憶エリアの模式図である。RAM52には、図柄変動コマンド記憶エリア52a、特別図柄乱数記憶エリア52b、普通図柄乱数記憶エリア52c、特別図柄始動入賞数記憶エリア52d、普通図柄始動入賞数記憶エリア52e、大当たりフラグ記憶エリア52f、普通図柄大当たりフラグ記憶エリア52h、初期設定記憶エリア52l、入賞球フラグ記憶エリア52m、確率変動フラグ記憶エリア52n、第1停止図柄記憶エリア52o、第2停止図柄記憶エリア52p、第3停止図柄記憶エリア52q、電源断時キーワード記憶エリア52r等が設けられている。
【0035】
次に、図6及び図7を参照して、特別図柄乱数記憶エリア52b及び普通図柄乱数記憶エリア52cについて説明する。図6は、特別図柄乱数記憶エリア52bの模式図であり、図7は、普通図柄乱数記憶エリア52cの模式図である。特別図柄乱数記憶エリア52bには、始動入賞口15への遊技球の入賞時に、大当たり判定用乱数RN2、特別図柄作成乱数RN3,RN4,RN5、リーチ判定乱数RN6、リーチパターン決定乱数RN7の各々の乱数をハード乱数回路80から取得して記憶できる記憶エリア1乃至記憶エリア4の4つの記憶エリアと、大当たりの判定処理を行うために記憶エリア1に記憶された各乱数をシフトして記憶する判定エリアが1つ設けられており、併せて5つの記憶エリアが設けられている。
【0036】
また、普通図柄乱数記憶エリア52cには、普通図柄始動ゲート11,12への遊技球の通過時に、普通図柄選択用乱数RN1をハード乱数回路80から取得して記憶できる記憶エリア1乃至記憶エリア4の4つの記憶エリアと、普通図柄の当たりの判定処理を行うために記憶エリア1に記憶された乱数をシフトして記憶する判定エリアが1つ設けられており、併せて5つの記憶エリアが設けられている。
【0037】
次に、図8を参照して、ROM53の記憶エリアについて説明する。図8は、ROM53の記憶エリアの模式図である。図8に示すように、ROM53には、制御プログラム記憶エリア53a、大当たりリーチパターンテーブル記憶エリア53b、はずれリーチパターンテーブル記憶エリア53c等が設けられている。
【0038】
次に、本実施の形態のパチンコ機1の動作の詳細について、図9乃至図12に示すフローチャートに従って説明する。フローチャートの各ステップについては、以下、「S」と略す。尚、図9及び図10は、パチンコ機1のメインルーチンのフローチャートであり、図11は乱数格納処理のフローチャートであり、図12は、特別図柄処理のフローチャートである。図9乃至図12に示すフローチャートの処理を行うプログラムは図8に示すROM53の制御プログラム記憶エリア53aに記憶されている。
【0039】
図9に示すパチンコ機1のメインルーチンのフローチャートでは、まず、電源が投入されると、遅延回路91の働きにより、主基板41に搭載されたCPU51への電源の供給が3秒遅延して始まる(S1)。従って、CPU51の立ち上がりに要する時間(0.25〜0.3秒)と合わせて、電源投入後、約3.3秒以後からS1以後の処理が始まる。まず、割込禁止を設定し(S2)、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックポインタ設定処理を行い(S3)、次いで、割込モードの設定を行う(S4)。その後、RAMのアクセスを許可し(S5)、CPU周辺ディバイスの初期設定を行う(S6)。
【0040】
次に、電源投入から約3秒以上経過し、主基板41のCPU51が起動した時にバックアップクリアスイッチ78が押されているか否かを判断する(S7)。このタイミングでバックアップクリアスイッチ78が押されている場合には(S7:YES)、メモリクリア確認コマンドを音声制御基板43に送信する(S12)。音声制御基板43では、メモリクリア確認コマンドを受信すると図示外のROMから音声データを読み出して、「バックアップメモリがクリアされました。」とスピーカーから音声を発して報知する。尚、音声に限られず「ピッ」や「ピー」や「ピッピッ」というような音を発しても良い。その後、バックアップ電源90によりバックアップされたRAM52の記憶内容を消去する初期化を行う(S13)。
【0041】
次に、図示外の賞球球切れ感知スイッチ、下皿満杯感知スイッチ及び表扉開放スイッチの状態を確認し(S14)、音声制御基板43以外の各サブ基板、即ち、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46に電源投入時のコマンドを送信する(S15)。次に、割込リセット回路57が一定間隔(例えば、0.002秒間隔)で行う割込の設定を行い(S16)、割込を許可する(S17)。
【0042】
ここで、割込リセット回路57からの割込信号が発生すると(S18:YES)、ポート出力処理を行う(S20)。このポート出力処理(S20)では、主基板41のI/Oインターフェース54から各基板へデータの出力処理を行う。
【0043】
次いで、スイッチ読込処理(S21)が行われる。このスイッチ読込処理(S21)では、普通図柄始動ゲート11,12、始動入賞口15、大入賞口16、普通入賞口19,20等への遊技球の入賞を検出するものである。このスイッチ読込処理(S21)では、具体的には、図3に示す始動入賞口15及び始動入賞口17に設けられている始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート11,12に各々設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16のVゾーンに設けられているVスイッチ74、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口19,20等入賞口からの遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ76が遊技球の入賞を検出した場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア52mに各スイッチに対応したフラグが立つ。
【0044】
また、始動入賞口15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の通過を検出した場合には、4個まで、入賞数がRAM52の特別図柄始動入賞数記憶エリア52dに記憶され、普通図柄始動ゲート11,12に各々設けられている普通図柄作動スイッチ73が遊技球の通過を検出した場合は、4個まで、入賞数がRAM52の普通図柄始動入賞数記憶エリア52eに記憶される。
【0045】
そして、同時に、乱数格納処理を行う。具体的には、図11に示す乱数格納処理のフローチャートにあるように、始動入賞口15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の通過を検出した場合には(S61)、ハード乱数回路80から、大当たり判定用乱数RN2、特別図柄作成乱数RN3、RN4、RN5、リーチ判定乱数RN6、リーチパターン決定乱数RN7の各値をI/Oインターフェース54を介して、CPUユニット50の図示外の入力ポートに入力して(S62)、特別図柄乱数記憶エリア52bの記憶エリア1乃至記憶エリア4に順次記憶させる(S63)。そして、それに対応した特別図柄記憶数表示LED60が点灯する。従って、最大の保留数は4個である。
【0046】
また、普通図柄始動ゲート11,12に各々設けられている普通図柄作動スイッチ73が、遊技球の通過を検出した場合にも(S61)、ハード乱数回路80から、普通図柄選択用乱数RN1の値をI/Oインターフェース54を介して、CPUユニット50の図示外の入力ポートに入力して(S62)、普通図柄乱数記憶エリア52cの記憶エリア1乃至記憶エリア4に順次記憶させる(S63)。そして、それに対応した普通図柄記憶数表示LED59が点灯する。従って、最大の保留数は4個である。
【0047】
スイッチ読込処理(S21)が終了すると、次いで、条件装置処理(S22)に進む。この条件装置処理(S22)では、RAM52の大当たりフラグ記憶エリア52fに大当たりフラグがONとなっていた場合、即ち、大当たりの場合には、大入賞口16の開放、閉鎖、特別図柄表示装置8への大当たりデモ表示処理が行われる。一巡目の処理では、後述する特別図柄処理(S23)での大当たり判定処理がまだ行われていないので、条件装置処理(S22)では、何も行われず次の処理に進む。次いで、特別図柄処理(S23)が行われる。
【0048】
この特別図柄処理(S23)では、後述する大当たり判定処理等が行われる。また、この特別図柄処理(S23)が終了すると、次に、普通図柄処理(S24)が行われる。この普通図柄処理(S24)では、後述する普通図柄の当たり判定が行われる。
【0049】
普通図柄処理(S24)が終了すると、次に、賞品球の払い出しを行う払出制御(S25)が行われ、次いで、エラーチェック処理(S26)を行い、図柄表示以外のコマンド設定処理(S27)、外部情報設定処理(S28)を行う。この外部情報設定処理(S28)では、図示外のホール管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報、確率変動等の情報を出力するための情報作成を行う。その後、S18に戻る。そして、割込リセット回路57からの割込リセット信号により、CPU51は、図10に示すメインルーチンのS20からの処理を、スタートから繰り返し行う。従って、図10に示すメインルーチンのS20〜S28の処理が、2ms単位で繰り返されていることになる。尚、S18の処理で割込が発生しなかった場合には(S18:NO)、乱数の初期値決定乱数の更新を行う(S19)。
【0050】
メインルーチンの処理の特別図柄処理(S23)で大当たり状態と判定されれば、RAM52の大当たりフラグ記憶エリア52fに「1」が記憶され、大当たりフラグがONし、次の条件装置処理(S22)では、大当たりフラグ記憶エリア52fに「1」が記憶されていれば、大入賞口16の開放、閉鎖の動作が所定回数(例えば、15回や16回)行われる。
【0051】
次に、図12に示すフローチャートを参照して、特別図柄処理(S23)の詳細を説明する。この特別図柄処理(S23)では、まず、乱数の記憶が有るか否かが判断される(S41)。この判断は、特別図柄始動入賞数記憶エリア52dに記憶されている入賞球の数が0か否かで行われる。特別図柄始動入賞数記憶エリア52dに記憶されている入賞球の数が「0」の場合には(S41:NO)、大当たり判定処理を終了し、メインルーチンにリターンする。
【0052】
特別図柄始動入賞数記憶エリア52dに記憶されている入賞球の数が「0」でない、すなわち1〜4の何れかであると判断された場合には(S41:YES)、特別図柄乱数記憶エリア52bの記憶エリア1に記憶されている各乱数の値を判定エリアへシフトさせて読み出し、特別図柄乱数記憶エリア52b中の記憶エリア2乃至4に記憶されている各乱数の値を一つずつ記憶エリア間をシフトさせる(S42)。すなわち、特別図柄乱数記憶エリア52bの記憶エリア2の記憶値を記憶エリア1へ、記憶エリア3の記憶値を記憶エリア2へ、記憶エリア4の記憶値を記憶エリア3へ移動させる。次いで、特別図柄始動入賞数記憶エリア52dの記憶数を「1」減算、すなわち保留球数を減算する(S43)。
【0053】
次に特別図柄表示部L1,L2,L3に変動表示される図柄の変動開始から確定表示までの時間を短縮する短縮変動を行うか否かを判断する(S44)。この判断は、特別図柄始動入賞数記憶エリア52dに記憶されている保留球数(大当たり判定が行われていない入賞球数)に基づいて行う。具体的には、保留球数が0〜2個の場合は、短縮変動を行わず(S44:NO)、保留球数が3又は4個の場合は、短縮変動を行う(S44:YES)。
【0054】
短縮変動を行う場合には(S44:YES)、主基板41から図柄表示基板44に短時間ベース変動コマンドを出力する(S45)。また、短縮変動を行わない場合には(S44:NO)、主基板41から図柄表示基板44に長時間ベース変動コマンドを出力する(S46)。
【0055】
短時間ベース変動コマンドの出力(S45)又は長時間ベース変動コマンドの出力(S46)が終了すると、次いで、大当たり判定を行う(S48)。大当たり判定用乱数RN2の値は、本実施の形態では、「0」〜「314」の間をとるので、S22で判定エリアに読み出した大当たり判定用乱数RN2の乱数の値も「0」〜「314」の何れかになっている。ここで、S42で読み出した大当たり判定用乱数RN2の値が大当たりの値として決められてRAM52の大当たり値記憶エリアに記憶されている大当たり値であるか否かが判定される。例えば、S42で読み出した大当たり判定用乱数RN2の値が「7」である場合には(S48:YES)、大当たりと判定され、大当たりフラグをONするためにRAM52の大当たりフラグ記憶エリア52fに「1」を記憶する(S49)。
【0056】
次いで、S42で読み出したリーチパターン決定乱数RN7の値に基づいて、大当たりリーチパターン選択処理が行われる(S50)。この大当たりリーチパターン選択処理S50では、図7に示す大当たりリーチパターンテーブル記憶エリア53bに記憶されている大当たりリーチパターンテーブルを参照して、リーチの変動パターンコマンドが選択され、当該リーチの変動パターンコマンドがRAM52の図柄変動コマンド記憶エリア52aに記憶される(S50)。
【0057】
次いで、大当たり図柄選択処理を行う(S51)。大当たり表示を行う場合、特別図柄乱数記憶エリア52bの記憶されている特別図柄作成乱数RN3の値に基づいて大当たり図柄を選択する。特別図柄作成乱数RN3は、「0」〜「9」の間の何れかの数値である。
【0058】
ここで、特別図柄乱数記憶エリア52bに記憶されている特別図柄作成乱数RN3の値に対応して、次のように大当たり図柄が選択される(S51)。特別図柄作成乱数RN3の値と特別図柄表示部L1に表示される第1停止図柄(左図柄)、特別図柄表示部L2に表示される第2停止図柄(右図柄)、特別図柄表示部L3に表示される第3停止図柄(中図柄)との関係は、0:「0、0、0」、1:「1、1、1」、2:「2、2、2」、3:「3、3、3」、4:「4、4、4」、5:「5、5、5」、6:「6、6、6」、7:「7、7、7」、8:「8、8、8」、9:「9、9、9」となる。選択された大当たり図柄を示すデータは、RAM52の第1停止図柄記憶エリア52o、第2停止図柄記憶エリア52p、第3停止図柄記憶エリア52qに各々記憶される(S51)。
【0059】
尚、S51の処理では、特別図柄作成乱数RN3の値が、「1,3,5,7,9」の時は、次の大当たりの確率が高くなる確率変動モードに突入するので、RAM52の確率変動フラグ記憶エリア52nに「1」を記憶して確率変動フラグをONとする。また、特別図柄作成乱数RN3の値が、「0,2,4,6,8」の時は、次の大当たりの確率は高くならず通常モードであるので、RAM52の確率変動フラグ記憶エリア52nに「0」を記憶して確率変動フラグをOFFとする。
【0060】
尚、S48の判定で、S42で読み出した大当たり判定用乱数RN2の乱数の値が例えば、大当たりとされる値以外の場合には(S48:NO)、S42で読み出したリーチ判定乱数RN6の値によりはずれリーチ動作を行うか否かが判定される(S52)。リーチ判定乱数RN6の値が、「20〜39」の場合には、はずれリーチと判定される(S52:YES)。はずれリーチと判定された場合には(S52:YES)、S42で読み出した特別図柄作成乱数RN3、特別図柄作成乱数RN4に基づいて、はずれリーチの停止図柄をRAM52の第1停止図柄記憶エリア52o、第2停止図柄記憶エリア52p及び第3停止図柄記憶エリア52qに各々記憶させ、また、ROM53のはずれリーチパターンテーブル記憶エリア53cに記憶されているはずれリーチパターンテーブルを参照して、はずれリーチの変動パターンコマンドが選択され、当該リーチの変動パターンコマンドがRAM52の図柄変動コマンド記憶エリア52aに記憶される(S53)。
【0061】
次に、S52の判断処理でリーチと判定されなかった場合(S52:NO)には、S42で読み出した特別図柄作成乱数RN3、特別図柄作成乱数RN4、特別図柄作成乱数RN5の乱数に基づいて、はずれ停止図柄作成処理(S54)を行い、RAM52の第1停止図柄記憶エリア52o、第2停止図柄記憶エリア52p及び第3停止図柄記憶エリア52qに各々記憶する(S54)。S51又はS53又はS54の処理が終了すると、次いで、変動パターンコマンド出力処理を行う(S55)。
【0062】
この変動パターンコマンド出力処理は(S55)、主基板41のRAM52の図柄変動コマンド記憶エリア52aに記憶した図柄の変動パターンコマンドを図柄表示基板44に出力する。RAM52の図柄変動コマンド記憶エリア52aにリーチの変動パターンコマンドが記憶されている場合には、そのリーチの変動パターンコマンドを主基板41から図柄表示基板44に出力し、リーチの変動パターンコマンドが記憶されていない場合には、通常変動の変動パターンコマンドを主基板41から図柄表示基板44に出力する(S55)。図柄表示基板44では、主基板41から受信した変動パターンコマンドに基づいて、図示外のROMに記憶した図柄変動データに従って、後述する特別図柄表示装置8の特別図柄表示部L1,L2,L3の図柄の変動を制御する。
【0063】
次いで、主基板41から図柄表示基板44に特別図柄表示部L1,L2,L3に変動表示されている第1図柄乃至第3図柄を停止する第1図柄停止コマンド乃至第3図柄停止コマンドを順番に出力する(S56,S57,S58)。第1図柄柄停止コマンド乃至第3図柄停止コマンドを受信すると、図柄表示基板44は、特別図柄表示装置8の特別図柄表示部L1,L2,L3に、第1停止図柄乃至第3停止図柄を停止する。以上の大当たり判定処理が終了した場合には、図10に示すパチンコ機1のメインルーチンにリターンする。
【0064】
尚、図9に示すパチンコ機1のメインルーチンのS7の判定処理で、電源投入から約3秒以上経過したタイミングでバックアップクリアスイッチ78が押されていない場合には(S7:NO)、電源断時にRAM52の電源断時キーワード記憶エリア52rに記憶したキーワードが正常が否かを判断し(S8)、電源断時キーワードが正常でない場合には(S8:NO)、S13のRAM52の初期化処理に移行する。また、電源断時キーワードが正常な場合には(S8:YES)、RAM52のチェックサムを計算する(S9)。チェックサムが正常でない場合には(S10:NO)、S13のRAMの初期化処理に移行する。チェックサムが正常な場合には(S10:YES)、電源断前のスタックポインタを復帰させる(S11)。
【0065】
次いで、図10に示すS30に移行して、図示外の賞球球切れ感知スイッチ、下皿満杯感知スイッチ及び表扉開放スイッチの状態を確認し(S30)、音声制御基板43以外の各サブ基板、即ち、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46に電源復帰時のコマンドを送信する(S31)。次いで、払出制御基板45へのデータポートを電源断前の状態に復帰させる(S32)。次に、割込の設定を行い(S33)、電源断前のレジスタを復帰して(S34)、電源断前の割込の状態を復帰し(S35)、電源断前のアドレスへ復帰する(S36)。以後は、復帰したアドレス以後の処理を行う。
【0066】
以上説明したように、上記の実施の形態のパチンコ機1では、主基板41のCPU51は、図柄表示基板44のCPU44aが起動した後に起動するようになっており、更に、RAM52はバックアップ電源90により電源断時もその記憶内容がバックアップされている。ここで、パチンコ機1に電源が投入され、主基板41のCPU51が所定の遅延時間の経過後、即ち、図柄表示基板44のCPU44aが起動した後に起動したときに、バックアップクリアスイッチ78が押されていたときには、スピーカー48から音声又は音により、バックアップ電源90によりバックアップされたRAM52の記憶内容が初期化されることを報知することができる。従って、遊技場の従業員は、間違いなくバックアップ電源90によりバックアップされたRAM52の記憶内容を消去することを確認できる。従って、誤操作を防止することができる。
【0067】
尚、本発明は、パチンコ機に限られず、パチコン機、パチスロ機等の各種の遊技機に適用可能なことは言うまでもない。また、バックアップ電源90によりバックアップされたRAM52の記憶内容を消去することの報知は、音に限られず、ランプの点滅等によって行っても良い。さらに、バックアップ電源90によりバックアップされたRAM52の記憶内容を消去することの報知は、RAM52の記憶内容を消去の直前でなくとも、消去後に行っても良い。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明の遊技機では、主制御装置が複数の図柄が変動表示される図柄表示部を備えた遊技機の主制御を司り、CPUは主制御装置に搭載され、電源の投入から動作開始までに一定時間を要し、揮発性メモリは主制御装置に搭載され、各種のフラグやデータを記憶し、バックアップ電源は電源基板からの電源が切断された場合に、前記揮発性メモリの記憶内容を保持するために前記揮発性メモリにバックアップ用の電源を供給し、消去手段は、バックアップ電源によりバックアップ用の電源が供給され、記憶内容が保持された前記揮発性メモリの記憶内容を消去し、消去指示手段により当該消去手段に対して、揮発性メモリの記憶内容の消去が指示されると、判断手段は電源投入後のCPUの動作開始時に、消去指示手段が操作されているか否かを判断し、消去制御手段当該判断手段により、CPUの動作開始時に消去指示手段が操作されていると判断された場合に、消去手段に揮発性メモリの記憶内容を消去させることができる。従って、誤操作を防止することができる。
【0069】
また、液晶表示装置は図柄表示部に設けられ、液晶制御手段は液晶表示装置を制御し、遅延起動手段は液晶制御手段が起動した後に前記CPUが起動するように制御することができる。従って、液晶制御手段が起動した後に、主制御装置のCPUが起動するので、液晶制御手段は主制御装置のCPUからの画面の制御コマンドを確実に受信することができる。よって、液晶制御手段の起動が遅れて主制御装置のCPUからの画面の制御コマンドを受信できずに、液晶表示装置に遊技に関係のないカラーバーのテストパターン等が表示されることを防止できる。
【0070】
また、報知手段は、消去手段が揮発性メモリの記憶内容を消去することを報知する。従って、遊技場の従業者にメモリの記憶内容が消去されたことを知らせることができる。
【0071】
また、請求項2に係る発明の遊技機は、請求項1に記載の発明の遊技機の効果に加え、報知手段は、音又は音声により報知することができる。従って、遊技場の従業者にメモリの記憶内容が消去されたことを確実に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はパチンコ機1の斜視図である。
【図2】 図2は特別図柄表示装置8の正面図である。
【図3】 図3は、パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。
【図4】 図4は、図柄表示基板44のブロック図である。
【図5】 図5は、RAM52の記憶エリアの模式図である。
【図6】 図6は、特別図柄乱数記憶エリア52bの模式図であり、
【図7】 図7は、普通図柄乱数記憶エリア52cの模式図である。
【図8】 図8は、ROM53の記憶エリアの模式図である。
【図9】 図9は、パチンコ機1のメインルーチンのフローチャートである。
【図10】 図10は、パチンコ機1のメインルーチンのフローチャートである。
【図11】 図11は乱数格納処理のフローチャートである。
【図12】 図12は、特別図柄処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ機
4 遊技領域
8 特別図柄表示装置
L1 特別図柄表示部
L2 特別図柄表示部
L3 特別図柄表示部
15 始動入賞口
41 主基板
42 電源基板
43 音声制御基板
44 図柄表示基板
44a CPU
45 払出制御基板
50 CPUユニット
51 CPU
52 RAM
53 ROM
78 バックアップクリアスイッチ
80 ハード乱数回路
90 バックアップ電源
91 遅延回路
Claims (2)
- 複数の図柄が変動表示される図柄表示部を備えた遊技機の主制御を司る主制御装置と、
当該主制御装置に搭載され、電源の投入から動作開始までに一定時間を要するCPUと、
前記主制御装置に搭載され、各種のフラグやデータを記憶する揮発性メモリと、
電源を供給する電源基板と、
前記電源基板からの電源が切断された場合に、前記揮発性メモリの記憶内容を保持するために前記揮発性メモリにバックアップ用の電源を供給するバックアップ電源と、
当該バックアップ電源によりバックアップ用の電源が供給され、記憶内容が保持された前記揮発性メモリの記憶内容を消去する消去手段と、
当該消去手段に対して、前記揮発性メモリの記憶内容の消去を指示する消去指示手段と、
電源投入後の前記CPUの動作開始時に、前記消去指示手段が操作されているか否かを判断する判断手段と、
当該判断手段により、前記CPUの動作開始時に前記消去指示手段が操作されていると判断された場合に、前記消去手段に前記揮発性メモリの記憶内容を消去させる消去制御手段と、
前記図柄表示部に設けられた液晶表示装置と、
当該液晶表示装置を制御する液晶制御手段と、
当該液晶制御手段が起動した後に前記CPUが起動するように制御する遅延起動手段と、
前記消去手段が前記揮発性メモリの記憶内容を消去することを報知する報知手段とを備え、
前記遅延起動手段は、前記電源基板から電源が供給されると、設定された所定時間だけ遅延して、主制御装置に電源を供給し、
前記CPUの動作開始時に前記消去指示手段が操作されていると前記判断手段により判断された場合に、前記報知手段により前記消去手段が前記揮発性メモリの記憶内容を消去することを報知し、前記消去制御手段は、前記消去手段に前記揮発性メモリの記憶内容を消去させることを特徴とする遊技機。 - 前記報知手段は、音又は音声により報知することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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