以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1は、パチンコ機1の正面図である。図2は、遊技盤2の正面図である。図3は、特別図柄表示装置8の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には略正方形の遊技盤2が設けられ、遊技盤2には、ガイドレール3(図2参照)で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。パチンコ機1の遊技盤2の下方部には、図示外の発射機に遊技媒体としての遊技球を供給し、かつ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には発射ハンドル7が、下皿6の上にはスピーカー48がそれぞれ設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2前面中央に位置する遊技領域4の略中央には、LCDから構成された特別図柄表示画面28(図3参照)や各種ランプ、LEDを備えた特別図柄表示装置8が設けられている。この特別図柄表示装置8の左右上方には電飾風車10,9がそれぞれ設けられ、また、特別図柄表示装置8の左右側方には普通図柄始動ゲート12,11がそれぞれ設けられている。また、特別図柄表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられており、さらにその特別図柄始動電動役物15の下方に、大入賞口16が設けられている。この大入賞口16には前後に開閉する開閉扉部材が設けられており、開閉扉部材が閉じた状態では入賞できず、開閉扉部材が開放された場合にのみ遊技球が入賞できるようになっている。この開閉扉部材は、通常は閉じた状態になっている。
遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞すると、大入賞口16の開閉扉部材を開放する大当たり遊技状態へ移行するか否かの大当たり抽選が行われ、図3に示す特別図柄表示画面28にその結果が表示される。特別図柄表示画面28に大当たり表示がなされた場合には、開閉扉部材が開放され、開放されている間に遊技球が大入賞口16に入賞すると所定数の遊技球が払い出される。また、抽選が行われている間に特別図柄始動電動役物15に入賞した入賞球についても、大当たり抽選が行われるが、その結果は保留データとして記憶され、保留データの数は特別図柄表示画面28内に用意された保留データ表示部29に表示することができる。従って、記憶できる保留データの数は、本実施の形態では4個である。
また、図3に示すように、特別図柄表示装置8の上部には4個のLEDから成る普通図柄記憶数表示LED59が設けられており、普通図柄始動ゲート11,12を通過した遊技球の個数、いわゆる作動保留数を4個まで、LEDの点灯で表示することができる。なお、遊技盤2(図2参照)には、上記以外に、種々の電飾ランプ63(図4参照)、その他のLED、風車および多数の障害釘等が設けられている。
次に、特別図柄表示装置8の構造およびそこに表示される画面について説明する。本実施の形態では、特別図柄表示装置8に表示される図柄の可変表示の一例として、図柄が上から下または下から上にスクロールされて表示される図柄の変動表示を例に説明する。
図3に示すように、特別図柄表示装置8の特別図柄表示画面28には、左から、特別図柄表示部L1,特別図柄表示部L3,特別図柄表示部L2の順に、3つの特別図柄表示部が横一列に配置されている。この特別図柄表示部L1〜L3には、後述する図柄が上から下方向にスクロールするように変動表示され、また、特別図柄表示画面28上には、特別図柄表示部L1〜L3の背景画像やキャラクターやメッセージ等も表示されるようになっている。また、特別図柄表示画面28の下の方には、左からW1,W2,W3,W4の4個の保留データが表示できる保留データ表示部29が用意されている。さらに、特別図柄表示装置8の特別図柄表示画面28の上方に設けられた、7セグメントLEDから構成される普通図柄表示部24には、1桁の数字や1文字のアルファベット等の図柄を表示できるようになっている。
特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄は、通常時はそれぞれ縦スクロール(上から下へのスクロール)がなされて、特別図柄表示部L1、特別図柄表示部L2、特別図柄表示部L3の順に停止するようになっている。なお、この特別図柄表示部L1〜L3の配置および停止表示させる順序などは任意に変更できることはいうまでもない。また、特別図柄表示装置8は、上記の特別図柄表示部L1〜L3に特別図柄が常に表示されているわけではなく、これらの表示に代えて動画やメッセージ等も表示できるようになっている。また、特別図柄表示装置8は、その裏面に図柄表示基板44(図4参照)を備えている。
図2,図3に示すように、特別図柄表示部L1〜L3に各々表示される図柄としては、本実施の形態の例では数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」の10種類があり、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞して大当たりの判定が行われると、これら10種類の図柄が原則としてこの順序で順次表示される。大当たりである場合には、横1列に表示された3つの特別図柄が同じ数字や文字の図柄で揃った状態(例えば、「7,7,7」のように3つ揃った場合)で大当たり図柄が構成されて表示され、遊技者に大当たりが報知される。そして、大入賞口16が開放される大当たり遊技状態が生起され、大入賞口16内に設けられているVゾーン(図示外)に遊技球が入賞すると、大入賞口16の開放が再度行われ、所定回数(例えば、15回や16回等)まで反復継続可能となっている。この大当たり遊技状態は、パチンコ機1のCPU51(図4参照)が図示外の大当たり遊技プログラムに従って、諸条件を判定しながら遊技者が多数の遊技球の払出を得ることができる遊技状態であり、いわゆる条件装置が作動した状態である。
また、前記10図柄のうち「1」,「3」,「5」,「7」,「9」を確率変動図柄(特定図柄)とし、これらのうちのいずれかの図柄が横1列に同じ図柄で揃った場合には、確率変動遊技状態が生起されて確率変動突入とし、有利状態(高確率状態)として次の大当たりを引く確率を高くするように変更する。大当たりの確率は、一例としては、通常状態(低確率状態)では315分の1であり、確率変動遊技状態(高確率状態または有利状態)では63分の1であるが、必ずしもこの値に限られるものではない。なお、「0」,「2」,「4」,「6」,「8」は非確率変動図柄(非特定図柄)であり、その後に大当たりを引く確率は通常状態となる。
保留データ表示部29には、保留データが発生すると、花柄や星柄等の絵柄が表示される。この絵柄は、通常時の色と、その保留データの判定結果が大当たりとなる信頼度が高い場合の色とが異なる色で表示されるようになっている。例えば、通常時は赤い花が表示され、信頼度が高い場合には、黄色の花が表示されるようになる。このような保留データ表示部の表示態様は、通常時と高信頼度時の表示態様が異なって視認できればよく、絵柄やその色替えに限らず、文字や数字でもよいし、色の変化ではなく、絵柄事態を変化させるようにしてもよい。
特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞すると、大当たりの判定が行われるが、特別図柄表示画面28において大当たり判定の結果を表示中の場合には、その大当たり判定結果の報知が終了するまで、未判定の入賞球(以下、「保留球」という。)があることを示すため、保留データ表示部29に図柄が表示される。保留球が入る毎に左から右に(W1から順に)表示個数が増えていくようになっている。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47およびサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタの乱数値やデータ等を記憶するRAM52と、制御プログラムおよび各種の初期値のデータや特別図柄表示装置8への表示内容を指示するコマンドのデータ等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与えるようになっている。CPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶されたメインルーチンを先頭から実行し、このメインルーチンに従ってパチンコ機1の制御を行う。
また、主基板41にはI/Oインターフェース54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板とデータ信号の送受信を行う。音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46は、サブ統合基板58を介して主基板41と接続されている。さらに、このI/Oインターフェース54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
なお、主基板41はパチンコ機1の主制御を司り、電源基板42は各基板に直流電流を供給し、サブ統合基板58は音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46を制御している。また、音基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、図柄表示基板44は特別図柄表示装置8および普通図柄表示部24に表示される図柄の制御を行い、払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、電飾基板46はパチンコ機1の各電飾の発光態様を制御し、中継基板47は、各センサーの配線の中継を行っている。サブ統合基板58にはCPU58a、ROM58bおよびRAM58cが設けられ、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45および電飾基板46にも、図示外のCPU、RAM、ROM、入力インターフェース等がそれぞれ搭載されている。
電飾基板46には、電飾風車9,10、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、電飾用のLED62、及び電飾ランプ63が接続されている。また、図柄表示基板44には、特別図柄表示装置8、および普通図柄表示部24が接続され、音基板43には、スピーカー48が接続され、払出制御基板45には、賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、電動役物の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート11,12を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16内のVゾーンに入賞した遊技球を検出するVスイッチ74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、各種の入賞した入賞球を検出する入賞口スイッチ76が接続されている。
また、電源基板42は、主基板41、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46およびサブ統合基板58に各々接続されて、直流の安定化された電力が供給されるようになっている。なお、電源基板42には、交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12Vおよび5V等を供給できるようになっている。なお、図4では、特に図示しないが、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47およびサブ統合基板58は、すべてアースラインで接続されている。
次に、図5を参照して、ROM53の記憶エリアについて説明する。図5は、ROM53の記憶エリアを示す模式図である。図5に示すように、ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値が記憶された初期設定記憶エリア53a、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種プログラムが記憶された制御プログラム記憶エリア53b、特別図柄の変動時の変動時間や確定表示が行われる時間を決定するための特別図柄変動時間テーブルが記憶された特別図柄変動時間テーブル記憶エリア53c、主基板41からサブ統合基板58に出力させる制御コマンドのテーブルを記憶した制御コマンドテーブル記憶エリア53d等が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
ここで、特別図柄変動時間テーブルについて説明する。パチンコ機1では、特別図柄表示画面28に表示する図柄の制御を行う図柄表示基板44等の制御をサブ統合基板58が行っている。CPU51は、サブ統合基板58に各種制御コマンドを出力して図柄表示基板44等の制御を行わせるが、それらコマンドに基づく処理の終了を検知することができないので、特別図柄変動時間テーブル等を参照して、各コマンドに基づく処理にかかる時間を求め、各処理を行うタイミングを調整している。例えば、特別図柄変動時にリーチ動作が行われる場合、後述するリーチパターン決定カウンタLC7(図7参照)に基づいて決定されるリーチパターンの種類によって、低速変動時の変動時間が異なってくる。そこで、CPU51は、サブ統合基板58を通じて図柄表示基板44に特別図柄表示画面28へのリーチパターンの表示を開始させるとともに、特別図柄変動時間テーブルより求めたそのリーチパターンの終了にかかる時間を元にタイミング調整を行うことで、そのリーチパターンの表示の終了とともに次の処理を行わせることができる。
次に、図6を参照して、RAM52の記憶エリアについて説明する。図6は、RAM52の記憶エリアを示す模式図である。図6に示すように、RAM52には、各種のカウンタを一時的に記憶するループカウンタ記憶エリア52a、各ゲートを通過した遊技球や各入賞口に入賞した遊技球のそれぞれに対応したフラグの情報が書き込まれる入賞球フラグ記憶エリア52b、普通図柄始動ゲート11へ遊技球が通過した場合に取得される乱数が書き込まれる普通当たり関係情報記憶エリア52c、普通図柄始動ゲート11への遊技球の通過数が記憶される普通図柄作動保留数記憶エリア52d、特別図柄始動電動役物15への遊技球の通過時に取得される乱数や判定結果が書き込まれる大当たり関係情報記憶エリア52e、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞数が記憶される特別図柄作動保留数記憶エリア52f、条件装置が作動中か否かのフラグを記憶する条件装置作動フラグ記憶エリア52g、確率変動モードに突入するか否かを示すフラグを記憶する確率変動フラグ記憶エリア52h、特別図柄の変動時間の短縮を行うかどうかのフラグを記憶する短縮変動フラグ記憶エリア52k、主基板41からサブ統合基板58に出力させる制御コマンドに対応したフラグやその制御コマンドの変数を記憶するコマンド関係記憶エリア52m、特別図柄処理における各状態の遷移を行うための状態フラグを記憶する状態フラグ記憶エリア52n、大入賞口16が開放中か否かのフラグを記憶する大入賞口開放フラグ記憶エリア52p、大入賞口16の開放回数をカウントするカウント値が書き込まれる大入賞口開放カウンタ記憶エリア52q、大当たり遊技状態で次のラウンドに入るか否かを示すフラグを記憶する連続作動フラグ記憶エリア52r等が設けられている。なお、状態フラグ記憶エリア52nの状態フラグは2bitのフラグであり、特別図柄表示画面28の特別図柄表示部L1,L2,L3に変動表示される図柄の高速変動状態(変動開始から一定の高速変動を継続している状態)、低速変動状態(変動速度を低速に落とし始めて確定表示が行われる直前までの状態)、確定表示状態(図柄の変動が停止して確定表示を行っている状態)、非動作状態(図柄の変動を行わない状態)の4つの状態に対応している。
次に、図7を参照して、ループカウンタ記憶エリア52aについて説明する。図7は、RAM52のループカウンタ記憶エリア52aを示す模式図である。図7に示すように、ループカウンタ記憶エリア52aには、普通図柄選択用ループカウンタLC1、大当たり判定用ループカウンタLC2、特別図柄作成カウンタLC3、特別図柄作成カウンタLC4、特別図柄作成カウンタLC5、リーチ判定カウンタLC6、リーチパターン決定カウンタLC7、特別図柄変動時間カウンタLC8、大入賞口開放時間カウンタLC9、大入賞口閉鎖時間カウンタLC10等が各々記憶されている。なお、カウンタLC1〜LC7の記憶値、すなわちカウント値は設定された範囲の数値内を循環するように、図4に示す割込信号発生回路57からの割込信号に基づいて実行されるパチンコ機1のメインルーチンのループカウンタ更新処理(図12参照)において、一定間隔の時間(例えば、2ms)毎に所定量ずつインクリメントされ、各々設定されている最大値(上限値)になると、次は、「0」に戻るように構成されている。これらのカウント値は、後述する普通図柄処理や特別図柄処理などにおいて、普通当たり関係情報記憶エリア52cや大当たり関係情報記憶エリア52eなどに各々取り込まれて格納されるようになっている。また、カウンタLC8〜LC10は、経過時間を計測するためのタイマカウンタとして使用される。カウンタLC8〜LC10のカウント値も、上記同様に、ループカウンタ更新処理(図12参照)にて例えば2ms毎に所定量ずつインクリメントされる。
以下、各カウンタについて詳述する。普通図柄選択用ループカウンタLC1のカウント値(乱数)は、普通図柄表示部24に表示される図柄を決定するために使用される。カウント値は、パチンコ機1のリセット時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「256」以上で0クリアされる。従って、カウンタLC1のカウント値は「0」から「255」までのいずれかの値を取り、1周期は、512msとなる。
大当たり判定用ループカウンタLC2のカウント値は、大当たりを判定するために使用される。初期化処理後は「0」からスタートし、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「315」以上で0クリアされる。従って、大当たり判定用ループカウンタLC2のカウント値は「0」から「314」までのいずれかの値を取り、1周期は630msとなる。また、カウント値が一巡すると、カウント初期値として、CPU51が、メインルーチン(図12参照)の処理を行わないときに繰り返し行っている図示外の乱数初期値更新処理(所定のアルゴリズムによって乱数を発生させる処理)によって発生された乱数が取り込まれ、大当たり判定用ループカウンタLC2のカウント値にもこの乱数値がセットされる。なお、カウント値が一巡した場合とは、大当たり判定用ループカウンタLC2のカウント値が更新され続けた結果、カウント初期値と同値となった場合であり、例えば、初期化処理後の初回はカウント初期値に「0」が設定されており、カウント値が更新を繰り返し「314」となり、さらに次の更新で0クリアされてカウント初期値と同値となった場合が一巡した場合である。また、大当たり判定用ループカウンタLC2は、そのカウント値が一巡するごとに、大当たり判定用ループカウンタLC2のカウントを開始する最初のカウント値が更新されるが、その更新されるカウント値がカウント初期値である。その後、大当たり判定用ループカウンタLC2のカウント値が一巡すると、再度、乱数初期値更新処理によって発生された乱数が取り込まれ、新たなカウント初期値および大当たり判定用ループカウンタLC2のカウント値としてセットされる。以降同様に、大当たり判定用ループカウンタLC2のカウント値が一巡する毎にカウント初期値の更新が行われるようになっている。
特別図柄作成カウンタLC3のカウント値は、大当たりが表示される場合には、大当たり図柄を決定するために使用される。また、リーチ動作を行う場合は、特別図柄表示部L1、特別図柄表示部L2に表示される図柄を決定するために使用される。さらに、はずれ表示の場合は、特別図柄表示部L1に表示される第1停止図柄を決定するために使用される。この特別図柄作成カウンタLC3のカウント値は、パチンコ機1のリセット時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「10」以上で0クリアされる。従って、特別図柄作成カウンタLC3のカウント値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は20msとなる。
特別図柄作成カウンタLC4のカウント値は、はずれの場合、特別図柄表示部L2に表示される第2停止図柄を決定するために使用される。パチンコ機1のリセット時は「0」からスタートし、10割込毎(20ms毎、特別図柄作成カウンタLC3の1周期毎)に「1」加算され「10」以上で0クリアされる。従って、特別図柄作成カウンタLC4のカウント値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は、200msとなる。
特別図柄作成カウンタLC5のカウント値は、はずれの場合、特別図柄表示部L3に表示される第3停止図柄を決定するために使用される。パチンコ機1のリセット時は「0」からスタートし、100割込毎(200ms毎、特別図柄作成カウンタLC4の1周期毎)に「1」加算され「10」以上で0クリアされる。従って、特別図柄作成カウンタLC5のカウント値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は、2000msとなる。
リーチ判定カウンタLC6のカウント値は、はずれの場合にリーチ動作を行うかどうかを判定するために使用される。パチンコ機1のリセット時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「200」以上で0クリアされる。従って、リーチ判定カウンタLC6のカウント値は「0」から「199」までのいずれかの値を取り、1周期は、400msとなる。なお、リーチ判定カウンタLC6のカウント値が「20」から「39」までの間の場合には、リーチ動作が行われる。このリーチ動作では、特別図柄表示部L1に停止表示される第1停止図柄(左図柄)と、特別図柄表示部L2に停止表示される第2停止図柄(右図柄)とが同じ図柄となり、特別図柄表示部L3の図柄が所定時間だけ変動表示され、結局、特別図柄表示部L3に停止表示される第3停止図柄(中図柄)は、第1停止図柄および第2停止図柄とは異なる図柄が表示される。
リーチパターン決定カウンタLC7のカウント値は、リーチ動作を行うと判定された場合のリーチパターン、及びスーパーリーチ(以下、「Sリーチ」と略す。)を行うかどうかを決定するために使用される。ここで、Sリーチとは、通常のリーチ動作の場合よりも大当たりの期待度(信頼度)が高いリーチ動作であり、通常のリーチ動作とは異なる演出を行って遊技者の期待感を高めることができるリーチ動作である。リーチパターン決定カウンタLC7は、パチンコ機1のリセット時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「60」以上で0クリアされる。従って、リーチパターン決定カウンタLC7のカウント値は「0」から「59」までのいずれかの値を取り、リーチのパターンは60通りとなる。なお、1周期は、120msとなる。
特別図柄変動時間カウンタLC8は、特別図柄の変動時の変動時間や確定表示が行われる時間を計測するために使用されるタイマカウンタである。ROM53の特別図柄変動時間テーブル記憶エリア53c(図5参照)に記憶された特別図柄変動時間テーブルに基づいて決定された特別図柄の変動時間などが経過したかどうかを計測するためのカウンタである。本実施の形態では、サブ統合基板58への高速変動状態の開始を指示する高速変動コマンド、低速変動状態の開始を指示する低速変動コマンド、および確定表示状態の開始を指示する全図柄停止コマンドの出力時に、それぞれ、高速変動時間、低速変動時間、および確定表示時間の終了のタイミングを計測するためのカウント値が、特別図柄変動時間カウンタLC8の上限値としてセットされる。すなわち、同時には発生しない高速変動状態、低速変動状態、および確定表示状態のそれぞれの期間をカウントするのに特別図柄変動時間カウンタLC8が利用される。高速変動時間は短縮変動フラグに基づいて決定され、低速変動時間は特別図柄変動時間テーブルに基づいて決定される。また、確定表示時間は固定値である。カウント開始時は「0」よりスタートし、1割込(2ms)毎に「1」加算され、カウント値が上限値となることで前記各タイミングが計測される。例えば、特別図柄変動時間テーブルに基づく特別図柄の低速変動時間が10秒である場合、特別図柄変動時間カウンタLC8の上限値には「5000」がセットされる。
大入賞口開放時間カウンタLC9は、大入賞口16開放時の開放時間を計測するために使用されるタイマカウンタである。カウント開始時は「0」よりスタートし、1割込(2ms)毎に「1」加算され、カウント値が上限値となることで大入賞口16の開放継続時間が計測される。例えば、大入賞口開放時間が25秒である場合、大入賞口開放時間カウンタLC9の上限値には「12500」がセットされる。
大入賞口閉鎖時間カウンタLC10は、特別電動役物処理において大入賞口16の開放と閉鎖が繰り返される場合に、大入賞口16の閉鎖時間を計測するために使用されるタイマカウンタである。カウント開始時は「0」よりスタートし、1割込(2ms)毎に「1」加算され、カウント値が上限値となることで大入賞口16の閉鎖継続時間が計測される。例えば、大入賞口閉鎖時間が5秒である場合、大入賞口閉鎖時間カウンタLC10の上限値には「5000」がセットされる。
なお、大当たり判定用ループカウンタLC2の最大カウント値は、単一の設定値としてもよいし、設定1、設定2、設定3というように、異なる値を選択して設定できる設定手段を設けてもよい。
次に、図8,図9を参照して、大当たり関係情報記憶エリア52eおよび普通当たり関係情報記憶エリア52cについて説明する。図8は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eを示す模式図である。図9は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア52cを示す模式図である。
図8に示すように、大当たり関係情報記憶エリア52eには、実行エリアおよび記憶エリア1〜4のそれぞれに、大当たり乱数、リーチ乱数、リーチパターン乱数、特別図柄乱数L1〜L3、大当たりフラグ、リーチフラグ、Sリーチフラグ、特別図柄低速変動時間の各値を記憶することができる。
記憶エリア1〜4には、後述する特別図柄処理において特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が確認された場合に、特別図柄作動保留数記憶エリア52fの記憶値に対応する番号の記憶エリア(例えば、特別図柄作動保留数記憶エリア52fの記憶値が「3」であれば記憶エリア3)に、次の各値の記憶が行われる。すなわち、大当たり乱数カラムCLM1、リーチ乱数カラムCLM2、リーチパターン乱数カラムCLM3、特別図柄乱数L1〜L3カラムCLM4〜CLM6に、大当たり判定用ループカウンタLC2、リーチ判定カウンタLC6、リーチパターン決定カウンタLC7、特別図柄作成カウンタLC3,LC4,LC5の各カウント値が乱数としてそれぞれ記憶される。大当たりフラグは大当たり乱数カラムCLM1の値を元に判定され、リーチフラグはリーチ乱数カラムCLM2の値を元に判定され、Sリーチフラグはリーチ乱数カラムCLM2およびリーチパターン乱数カラムCLM3の値を元に判定され、「ON」の場合には「1」が、大当たりフラグカラムCLM7、リーチフラグカラムCLM8、SリーチフラグカラムCLM9にそれぞれ記憶される。また、各データが後述の特別図柄処理において主基板41からサブ統合基板58に送信された場合には、データ送信フラグカラムCLM10に「1」が記憶される。
後述する特別図柄処理では、特別図柄の変動を開始する際に、記憶エリア1に記憶された各値が実行エリアにシフトされる。特別図柄処理ではこの実行エリアに記憶された各値が参照されて処理が行われる。従って、実行エリア以外の記憶エリア1〜4に記憶されている値が、本発明の「保留データ」に相当する。このようなシフトが行われる際には、記憶エリア2〜4に記憶された各値もそれぞれ記憶エリア1〜3にシフトされる。そして、記憶エリア4の各記憶値は消去、すなわち各カラムに「0」が記憶される。記憶エリア1〜4のすべてに前記各値が記憶された場合、それ以上の記憶処理は行われない。従って、記憶できる保留データの上限は4個までである。
また、図9に示すように、普通当たり関係情報記憶エリア52cには、普通図柄処理(図12参照)において、普通図柄始動ゲート11,12への遊技球の通過が確認された場合に、普通図柄選択用ループカウンタLC1のカウント値を乱数として取得して記憶できる記憶エリア1〜4の4つの記憶エリアと、普通図柄の当たりの判定処理を行うために記憶エリア1に記憶された乱数をシフトして記憶する判定エリアが1つ設けられており、合わせて5つの記憶エリアが設けられている。従って、普通図柄の作動保留数は4個まで記憶できることになる。
次に、サブ統合基板58の電気的構成及びサブ統合基板58のRAM58cの構成について説明する。前述したように、サブ統合基板58にはCPU58a、ROM58bおよびRAM58cが設けられている。ROM58bには、サブ統合基板58の管理下にある各サブ基板(図柄表示基板44,音基板43,電飾基板46)を制御するための各種のプログラム、特別図柄表示装置8や電飾ランプ63、スピーカー48から発生させる効果音等を用いた演出のためのデータテーブル等が記憶されている。
また、図10に示すように、RAM58cには、保留データ記憶エリア58c1と、確率変動フラグ記憶エリア58c2とが設けられている。図10は、RAM58cの記憶エリアを示す模式図である。保留データ記憶エリア58c1は、後述する特別図柄処理において、主基板41からRAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eに記憶されたデータが送信されてきた場合に、このデータを記憶しておくエリアである。また、確率変動フラグ記憶エリア58c2には、後述する特別電動役物処理において主基板41から確率変動信号が送信されてきた時に「1」が記憶され、確率変動終了信号が送信されてきた時に「0」が記憶される。
次に、図11を参照して、保留データ記憶エリア58c1について説明する。図11に示すように、保留データ記憶エリア58c1には、記憶エリア1〜4のそれぞれに、大当たり関係情報記憶エリア52eと同様に、大当たり乱数、リーチ乱数、リーチパターン乱数、特別図柄乱数L1〜L3、大当たりフラグ、リーチフラグ、Sリーチフラグの各値が記憶される。
記憶エリア1〜4には、後述する特別図柄処理において、主基板41からデータが送信されてきた場合に、特別図柄作動保留数記憶エリア52fの記憶値に対応する番号の記憶エリア(例えば、特別図柄作動保留数記憶エリア52fの記憶値が「3」であれば記憶エリア3)に、大当たり関係情報記憶エリア52eと同一の値が次の各カラムに対して記憶される。すなわち、大当たり乱数カラムCLM1、リーチ乱数カラムCLM2、リーチパターン乱数カラムCLM3、特別図柄乱数L1〜L3カラムCLM4〜CLM6、大当たりフラグカラムCLM7、リーチフラグカラムCLM8、SリーチフラグカラムCLM9にそれぞれ記憶される。
後述する保留データ表示処理では、主基板41からデータを受信した際に、上記のデータを記憶するとともに、このデータに基づいて保留データ表示部に信頼度表示を行うかどうかを決定し、図柄表示基板44に指示して表示を行わせる。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の動作の詳細について、図12〜図19に示すフローチャートに従って説明する。図12は、メインルーチンのフローチャートである。図13及び図14は、特別電動役物処理のフローチャートである。図15〜図17は、特別図柄処理のフローチャートである。また、図18は、特別電動役物処理及び特別図柄処理の中で行う大当たり判断処理のフローチャートである。さらに、図19は、サブ統合基板58で行う保留データ表示処理のフローチャートである。図19のフローチャートで示されたプログラムは、ROM58bの所定の記憶エリアに記憶され、CPU58aによって実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
パチンコ機1のRAM52には、パチンコ機1の電源切断時にも記憶内容が保持されるように、バックアップ用のバッテリ(図示外)が接続されている。パチンコ機1の電源切断時にはRAM52のチェックサムの計算や例えばハッシュ関数によるパスワードの生成が行われ、次回電源投入時には、同様の処理を行って計算されたRAM52のチェックサムや生成されたパスワードとの同一性チェックが行われる。前回電源終了時との同一性が認められない場合、パチンコ機1のCPU51はROM53の初期設定記憶エリア53aに記憶された値を使用して、例えば、各カウンタのカウント値や各フラグのクリアを行うなど、パチンコ機1のリセットを行う。また、図示外のリセットボタンを押しながらパチンコ機1の電源が投入された場合にも、パチンコ機1のリセットが行われる。パチンコ機1のリセットが行われない場合には、RAM52の各記憶エリアの記憶値の状態が前回電源切断時と同じ状態に戻される、いわゆる復帰処理が行われ、その後、CPU51は、図示外の乱数初期値更新処理を繰り返し行う。
図12に示すメインルーチンのフローチャートは、主基板41のCPU51が繰り返し行っている乱数初期値更新処理に対し、一定間隔の時間(本実施例では2ms)で、図4に示す割込信号発生回路57が発生する割込信号に同期して発生される割込みによって、実行が開始される。なお、図12に示すフローチャートの処理を行うプログラムは、図5に示すROM53の制御プログラム記憶エリア53bに記憶されている。
割込みによってメインルーチンの処理が開始されると、CPU51は、まずコマンド出力処理を行う(S10)。このコマンド出力処理では、図柄表示基板44に特別図柄表示画面28や普通図柄表示部24へ図柄を表示させるためのコマンド、音基板43にスピーカー48から効果音等を発音させるためのコマンド、電飾基板46にパチンコ機1に設けられている各種のランプの点滅の制御を行わせるコマンド等の制御コマンドが、I/Oインターフェース54を介してサブ統合基板58に出力される。具体的には、1巡目のメインルーチンのS10以降の各処理にて、サブ統合基板58に対して出力させる制御コマンドに対応したフラグと、その制御コマンドの変数がRAM52のコマンド関係記憶エリア52mに記憶される。すると、メインルーチンの次の2巡目のコマンド出力処理にて、前記フラグに対応した制御コマンドがROM53の制御コマンドテーブル記憶エリア53dより選択され、その制御コマンドの変数とともにサブ統合基板58に出力される。
次に、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理は、普通図柄始動ゲート11,12、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16等への遊技球の入賞を検出するものである。具体的には、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート11,12に各々設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16のVゾーンに設けられているVスイッチ74、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、各種の入賞口からの遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ76が遊技球の入賞を検出した場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア52bに各スイッチに対応したフラグが立つ。なお、スイッチ読込処理はメインルーチンの割込み間隔、すなわち2ms毎に実行されることになるので、遊技球が各スイッチを通過する速度を考慮すると遊技球の入賞が検出された次のスイッチ読込処理の際にも入賞が検出されてしまう。このため、これらフラグは、例えばスイッチ読込処理の連続した3回の実行において「非検出」・「検出」・「検出」の状態となった場合に初めて成立されるようになっている。また、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリア52bの各フラグはリセットされる。
スイッチ読込処理が終了すると、次いで、ループカウンタ更新処理(S12)が行われる。このループカウンタ更新処理では、RAM52のループカウンタ記憶エリア52aに各々記憶されている普通図柄選択用ループカウンタLC1、大当たり判定用ループカウンタLC2、特別図柄作成カウンタLC3,LC4,LC5、リーチ判定カウンタLC6、リーチパターン決定カウンタLC7、特別図柄変動時間カウンタLC8、大入賞口開放時間カウンタLC9及び大入賞口閉鎖時間カウンタLC10(図7参照)の各値が上記の所定量だけ増加(インクリメント)される。なお、カウンタLC1〜LC7の更新されたカウンタ値が各ループカウンタに設定されている最大値(上限値)を越える場合には、各ループカウンタの値は0クリアされ「0」に戻るようにプログラムされている。
ループカウンタ更新処理が終了すると、パチンコ機1では特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、図13及び図14に示すフローチャートに従って、大当たりである場合に、大入賞口16の開放や特別図柄表示画面28に表示するデモ画面の制御等の処理が行われる。この処理の詳細については後述する。
特別電動役物処理が終了すると、特別図柄処理(S14)が行われ、図15〜図17に示すフローチャートに従って大当たりの判定の処理や特別図柄の変動の指示、サブ統合基板58への保留データの送信等が行われるが、この特別図柄処理については後述する。特別図柄処理が終了すると、次いで普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、次のS16の普通図柄処理にて普通図柄当たりとなった場合に、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞しやすくなるように、特別図柄始動電動役物15に設けられた一対の玉受部材(いわゆるチューリップ)の開成が行われる。
普通電動役物処理が終了すると、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄始動ゲート11,12への遊技球の通過にともない、S11のスイッチ読込処理にて入賞球フラグ記憶エリア52bの普通図柄作動スイッチ73に対応したフラグが立つと、普通図柄選択用ループカウンタLC1のカウント値が、普通図柄乱数として、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア52cの記憶エリア1〜4に順次記憶される。そして判定エリアにシフトされた普通図柄乱数に基づいて表示図柄が選択され、普通図柄表示部24に図柄が停止表示される。
RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア52cに記憶される普通図柄乱数は「0」から「255」までであるので、この普通図柄処理では、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア52cに記憶された普通図柄乱数が「0」から「63」の場合ははずれとなり、普通図柄表示部24にはずれ図柄である「−」が停止表示される。また、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア52cに記憶された普通図柄乱数が「64」から「255」の場合は、当たりとなり、普通図柄表示部24に、当たり図柄である「7」が停止表示されるようになっている。そして、当たり図柄が普通図柄表示部24に表示されたときには、前述したように、普通電動役物処理(S15)において特別図柄始動電動役物15の玉受部材の開成が行われる。なお、普通図柄始動ゲート11,12を遊技球が通過してからその遊技球にかかる特別図柄始動電動役物15の作動まで所定時間かかるが、その間に普通図柄始動ゲート11,12を他の遊技球が通過した場合でも、最大4つまで、普通図柄乱数が取得され、普通図柄の始動が保留される。
普通図柄処理が終了すると賞品球の払い出しを行う払出処理が行われ(S17)、次いでエラーチェックが行われる(S18)。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、特別図柄表示装置8にエラー表示を行わせたり、電飾ランプ63にエラー時の点灯・点滅パターンを行わせたり、スピーカー48からエラー音を発音させたりするため、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58にエラーコマンド出力させるためのフラグ(図示外)が立てられる。そして、情報出力処理が行われる(S19)。この情報出力処理では、図示外のホール管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報、確率変動情報、時間短縮情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。
情報出力処理が終わるとメインルーチンの処理は終了する。そして、次の割込信号発生回路57からの割込信号に同期して発生される割込みによって、また最初からメインルーチンの処理が開始される。
例えば、遊技者が、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4に打ち込み、遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞すると、メインルーチンのスイッチ読込処理において、遊技球の特別図柄始動電動役物15への入賞が検出され、入賞球フラグ記憶エリア52bの対応するフラグが「ON」となる。この入賞球について特別図柄処理(S14)にて大当たり条件が成立したと判定されれば、RAM52の条件装置作動フラグ記憶エリア52gに「1」が記憶され、大当たりフラグが「ON」となる。次の巡目の特別電動役物処理(S15)では、条件装置作動フラグ記憶エリア52gに「1」が記憶されていれば、大入賞口16の開放、閉鎖の動作が所定回数(例えば、15回や16回)開閉される大当たり遊技が開始される。そして、この大当たり遊技終了後には、条件装置作動フラグ記憶エリア52gに「0」が記憶される。
次に、S13の特別電動役物処理の詳細について、図13及び図14に示すフローチャートに従って説明する。前述したように、特別電動役物処理では、後述の特別図柄処理で大当たりと判定された場合に大当たり遊技状態(当たり状態)へ移行させるよう制御し、大入賞口16の開放や特別図柄表示画面28に表示するデモ画面の制御等の処理を行う。大当たり遊技状態では、大入賞口16の一定時間の開放が所定回数(例えば、15回)繰り返される。このような大入賞口16の1回毎の開放を「ラウンド」と称している。大入賞口16の開放中にVゾーンに遊技球が入賞すると、次のラウンドに入る権利が発生するが、Vゾーンに入賞しなかった場合には、大当たり遊技状態は終了する。また、大入賞口16の開放継続時間が一定時間に達していなくても、所定の数(例えば10球)だけ遊技球が入賞すると、大入賞口16は閉鎖され、そのラウンドが終了するように制御される。
メインルーチンの特別電動役物処理が開始されると、図13に示すように、まず条件装置が作動中か否か、すなわち、大当たり遊技中であるか否かが判断される(S201)。具体的には、RAM52の条件装置作動フラグ記憶エリア52gに「1」が記憶されているかどうかによって判断される。条件装置作動フラグが「OFF」であれば大当たり遊技中ではないので、特別電動役物処理を終了してメインルーチンに戻る(S201:NO)。条件装置作動フラグが「ON」であれば(S201:YES)、大当たり遊技状態を継続するため、次に、大入賞口16が開放中か否かを判断する(S203)。具体的には、RAM52の大入賞口開放フラグ記憶エリア52pに「1」が記憶されているかどうかによって判断される。大当たり遊技状態開始直後は、後述の特別図柄処理において、条件装置作動フラグとともに大入賞口開放フラグも「ON」に設定されている(S203:YES)。次に、大入賞口の開放時間が経過したかどうかを判断する(S205)。具体的には、RAM52のループカウンタ記憶エリア52aに記憶された大入賞口開放時間カウンタLC9(図7参照)のカウント値が上限値になったかどうかにより判断される。大入賞口16の開放時間が既に経過していれば(S205:YES)、そのラウンドを終了するため、大入賞口16を閉鎖して(S209)、大入賞口開放フラグを「OFF」に設定する。大当たり遊技状態が開始されたばかりの段階では、まだ経過時間に達していないので(S205:NO)、次に、既に大入賞口16に規定数の遊技球が入賞しているかどうかを確認する(S207)。規定数が入賞していれば(S207:YES)、大入賞口16を閉鎖して(S209)、大入賞口開放フラグを「OFF」に設定する。大当たり遊技状態が開始されたばかりの段階では、まだ規定数の入賞がないので(S207:NO)、CPU51は、特別電動役物処理を終了して、メインルーチンにリターンする。
メインルーチンの次の巡目以降に行われる特別電動役物処理では、条件装置はまだ作動中なので(S201:YES)、大入賞口16の開放時間が経過するか(S205:YES)、大入賞口16に規定数の遊技球が入賞(S207:YES)するまで処理を繰り返し(S203〜S207)、いずれかの条件を満たした時に大入賞口16を閉鎖して(S209)、大入賞口開放フラグを「OFF」に設定する。
大入賞口16が閉鎖された次の巡目のメインルーチンの特別電動役物処理では、条件装置はまだ作動中であり(S201:YES)、大入賞口16は開放中でないので(S203:NO)、先程のラウンド中に入賞した遊技球がVゾーンを通過したかどうかを確認する(S211)。この処理では、メインルーチンのスイッチ読込処理(図12、S11)において、Vスイッチ74が遊技球の通過を検出した場合にRAM52の入賞球フラグ記憶エリア52bに対応するフラグが「ON」に設定されるので、その値を確認することにより判断する。フラグが「OFF」の場合は、Vゾーンを通過した遊技球がないので(S211:NO)、次のラウンドへ突入させないために、RAM52の連続作動フラグ記憶エリア52rに記憶される連続作動フラグを「OFF」に設定する(S213)。入賞した遊技球がVゾーンを通過していれば(S211:YES)、大入賞口16の閉鎖時間が経過したかどうかを確認する(S215)。具体的には、RAM52のループカウンタ記憶エリア52aに記憶された大入賞口閉鎖時間カウンタLC10(図7参照)のカウント値が上限値になったかどうかにより判断される。閉鎖時間が経過していなければ(S215:NO)、CPU51は、特別電動役物処理を終了して、メインルーチンにリターンする。
次の巡目以降のメインルーチンの特別電動役物処理では、条件装置はまだ作動中であり(S201:YES)、大入賞口16は開放中でないので(S203:NO)、Vゾーンの通過を確認して(S211)、大入賞口16の閉鎖時間が経過するまで(S215:YES)、処理を繰り返す(S211〜S215)。大入賞口16の閉鎖時間が経過したら(S215:YES)、CPU51は、次のラウンドに突入するかどうかを確認する(S217)。具体的には、RAM52の連続作動フラグ記憶エリア52rに「1」が記憶されているかどうかによって判断される。連続作動フラグが「ON」の場合には(S217:YES)、予め規定された回数分大入賞口16が既に開放されたかどうかを確認する(S219)。この処理では、RAM52の大入賞口開放カウンタ記憶エリア52qに記憶されたカウント値が上限値(例えば15回)に達したかどうかにより判断する。規定回数に達していなければ(S219:NO)、再び大入賞口16を開放して大入賞口開放フラグを「ON」にして(S221)、さらに、大入賞口開放カウンタの値に1を加算する(S223)。
メインルーチンの次の巡目以降に行われる特別電動役物処理では、条件装置はまだ作動中であり(S201:YES)、大入賞口16も開放されている(S203:YES)。そこで、大入賞口16の開放時間が経過するか(S205:YES)、大入賞口16に規定数の遊技球が入賞(S207:YES)するまで処理を繰り返し(S203〜S207)、いずれかの条件を満たした時に大入賞口16を閉鎖して(S209)、大入賞口開放フラグを「OFF」に設定する。
大入賞口16が再び閉鎖された後は、条件装置はまだ作動中であり(S201:YES)、大入賞口16は開放中でないので(S203:NO)、Vゾーンの通過を確認して(S211)、大入賞口16の閉鎖時間が経過するまで(S215:YES)、処理を繰り返す(S211〜S215)。大入賞口16の閉鎖時間が経過したら(S215:YES)、Vゾーンを通過している限り(S211:YES、S217:YES)、ラウンドを規定回数消化するまで(S219:YES)再び大入賞口16の開放と閉鎖を繰り返す。Vゾーンを通過せず(S211:NO)に連続作動フラグが「OFF」にされたか(S213、S217:NO)、規定回数分ラウンドが終了した場合には(S219:YES)、大入賞口開放カウンタをクリアし(S224)、条件装置作動フラグを「OFF」にして条件装置の作動を停止させる(S225)。
次に、次の大当たりの確率が高くなる確率変動モード(高確率状態)に突入するかどうかを確認する(S227)。本実施の形態では、大当たり関係情報記憶エリア52eの特別図柄乱数L1カラムCLM4の記憶値が「1」,「3」,「5」,「7」,「9」である場合には、確率変動モードとしている。この処理では、特別図柄乱数L1カラムCLM4の記憶値を確認することにより判断している。確率変動になる場合には(S227:YES)、現在の確率状態が通常状態であるか、高確率状態であるかを確認する(S229)。この処理では、RAM52の確率変動フラグ記憶エリア52hに「1」が記憶されているかどうかによって判断される。確率変動フラグが「ON」になっている場合には(S229:YES)、なにもせずに特別電動役物処理を終了して、メインルーチンにリターンする。確率変動フラグが「OFF」になっている場合には(S229:NO)、確率変動フラグ記憶エリア52hに「1」を記憶する(S231)。そして、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eに記憶エリア1〜4に記憶されているすべての保留データについて、図18の大当たり判定処理に従って、高確率状態での大当たり判定を行う(S232)。大当たり判定処理については、後に特別図柄処理の説明において述べる。そして、特別電動役物処理を終了し、メインルーチンにリターンする。
確率変動にならない場合には(S227:NO)、現在の確率状態が通常状態であるか、高確率状態であるかを確認する(S235)。この処理では、RAM52の確率変動フラグ記憶エリア52hに「1」が記憶されているかどうかによって判断される。確率変動フラグが「OFF」になっている場合には(S235:NO)、なにもせずに特別電動役物処理を終了して、メインルーチンにリターンする。確率変動フラグが「ON」になっている場合には(S235:YES)、確率変動フラグ記憶エリア52hに「0」を記憶する(S237)。そして、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eの記憶エリア1〜4に記憶されているすべての保留データについて、図18の大当たり判定処理に従って、通常状態での大当たり判定を行う(S236)。次いで、サブ統合基板58に確率変動モードが終了することを通知し、S236で大当たり判定をし直した保留データを送信するためのコマンドをセットする(S239)。そして、特別電動役物処理を終了して、メインルーチンにリターンする。次の巡目のメインルーチンの処理では、S10のコマンド出力処理において、この確率変動終了通知と保留データをサブ統合基板58に送信する。サブ統合基板58では、後述するように、この確率変動終了通知とともに送られてきた保留データを受信して、保留データの表示態様を通常表示に戻すように制御している。
次に、図12のS14で行われる特別図柄処理の詳細について、図15〜図18に示すフローチャートに従って説明する。前述したように、特別図柄処理では、大当たりの判定や特別図柄表示画面28に表示する特別図柄の変動パターンの指示、サブ統合基板58への保留データの送信等を行う。
図15〜図17に示すように、メインルーチンの特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物へ入賞しているか否かが判断される(S21)。メインルーチンのスイッチ読込処理(図12、S11)において、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出した場合に、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア52bの始動口スイッチ72に対応するフラグが立てられる。S21の処理では、この始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」かどうかを確認し、「OFF」の場合には(S21:NO)、S41の処理にジャンプする。
入賞球フラグ記憶エリア52bの始動口スイッチ72に対応するフラグが立っている場合、すなわち特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞した場合(S21:YES)、保留数は「4」か否かの判断を行う(S22)。前述したように、パチンコ機1では、特別図柄の作動保留数(保留データ数)は記憶エリア1〜4に対応する4個まで記憶され、それ以上の記憶は行われず破棄される仕様となっている。従って、特別図柄作動保留数記憶エリア52fの記憶値が「4」である場合(S22:YES)、S41の処理にジャンプする。
作動保留数が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合(S22:NO)、保留数加算処理(S23)および乱数取得処理(S24)を行う。保留球加算処理では、特別図柄作動保留数記憶エリア52fの記憶値に「1」を加算する。そして、乱数取得処理では、大当たり関係情報記憶エリア52eの記憶エリア1〜4のうち、特別図柄作動保留数記憶エリア52fの記憶値に対応する番号の記憶エリア(以下、「判定対象記憶エリア」という。)の大当たり乱数、リーチ乱数、リーチパターン乱数、特別図柄乱数L1〜L3の各カラムに、それぞれ、ループカウンタ記憶エリア52aの大当たり判定用ループカウンタLC2、リーチ判定カウンタLC6、リーチパターン決定カウンタLC7、特別図柄作成カウンタLC3,LC4,LC5の各カウント値を取り込んで記憶する。
次に、図18に示すフローチャートに従って、乱数取得処理で取得した乱数を元に大当たり等の判定を行う(S31)。図18に示すように、まず、大当たりか否かの判定を行い(S101)、判定対象記憶エリアの大当たり乱数カラムCLM1の記憶値が大当たり条件を満たす場合(S101:YES)、大当たりフラグを「ON」として(S103)、判定対象記憶エリアの大当たりフラグカラムCLM7に「1」を記憶させる。さらに、リーチ条件は無条件で成立されるため、CPU51はリーチフラグを「ON」として(S107)、判定対象記憶エリアのリーチフラグカラムCLM8に「1」を記憶させる。
S101の判定処理では、判定対象記憶エリアの大当たり乱数カラムCLM1の記憶値が大当たりとして決められている特定の値、例えば「7」であるか否かが判定され、「7」であれば、大当たり条件が成立したと判断する。そして、大当たりフラグカラムCLM7に「1」を記憶する。ところで、大当たり判定用ループカウンタLC2の値は「0」〜「314」の間をとるので、大当たり乱数カラムCLM1の記憶値も「0」〜「314」のいずれかになっている。確率変動フラグ記憶エリア52hに「1」が記憶されている高確率状態の場合、すなわち確率変動フラグが「ON」の場合の大当たり判定(S101)では、参照された判定対象記憶エリアの大当たり乱数カラムCLM1の値が「3」,「7」,「33」,「77」,「177」のいずれかであれば、大当たりとして判定される。
判定対象記憶エリアの大当たり乱数カラムCLM1の値が「7」等の当たりの値でない場合(S101:NO)、リーチを行うか否かの判定を行い(S105)、リーチ条件が成立しなかった場合(S105:NO)、特別図柄処理のルーチンにリターンする。リーチ条件が成立した場合には(S105:YES)、大当たりと判定された場合と同様に、リーチフラグを「ON」にする(S107)。リーチ条件の成立の有無は、判定対象記憶エリアのリーチ乱数カラムCLM2の記憶値をもとに判断される。リーチ判定カウンタLC6の値は「0」〜「199」の間をとるので、リーチ乱数カラムCLM2の記憶値も「0」〜「199」のいずれかになっている。S105の判定処理では、判定対象記憶エリアのリーチ乱数カラムCLM2の記憶値がリーチ動作を行うとして決められている値、例えば「20」〜「39」の範囲内の値であるか否かが判定され、「20」〜「39」の範囲内の値であれば、CPU51は、リーチ条件が成立したと判断する。
リーチフラグが「ON」となった場合、CPU51はSリーチか否かの判定を行う(S109)。例えば、通常時では、リーチフラグが「ON」の場合に、リーチパターン乱数カラムCLM3の記憶値が「0」〜「9」のいずれかであるときに、CPU51は、Sリーチ条件が成立したと判断する(S109:YES)。また、確率変動モード(高確率状態)では、リーチフラグが「ON」の場合に、リーチパターン乱数カラムCLM3の記憶値が「0」〜「19」のいずれかであるときに、Sリーチ条件が成立したと判断する(S109:YES)。
Sリーチ条件が成立しなかった場合(S109:NO)、特別図柄処理のルーチンにリターンする。Sリーチ条件が成立した場合(S109:YES)、CPU51はSリーチフラグを「ON」として(S111)、判定対象記憶エリアのSリーチフラグカラムCLM9に「1」を記憶させ、特別図柄処理の処理にリターンする。
次に、図15に戻って説明を続けると、特別図柄停止図柄整合処理が行われる(S37)。特別図柄表示画面28の特別図柄表示部L1〜L3に表示する図柄は、大当たり関係情報記憶エリア52eの特別図柄乱数L1〜L3カラムCLM4〜CLM6の各記憶値に基づいて決定されるが、大当たり条件が成立していないのにカラムCLM4〜CLM6が同値となってしまったり、リーチ条件が成立していないのにカラムCLM4とカラムCLM5とが同値となってしまったりすることがある。これを防止するため、判定対象記憶エリアに記憶されたリーチフラグが「OFF」の場合にカラムCLM4の記憶値とカラムCLM5の記憶値とを比較し、同値であった場合にカラムCLM5の記憶値に「1」を加算する処理である。なお、カラムCLM5の記憶値が「10」となった場合には「0」に変更される。
また、判定対象記憶エリアのリーチフラグが「ON」である場合には、特別図柄乱数L2カラムCLM5の記憶値が、特別図柄乱数L1カラムCLM4の記憶値で上書きされる。また、大当たりフラグが「ON」の場合には、さらに、特別図柄乱数L3カラムCLM6の記憶値も、特別図柄乱数L1カラムCLM4の記憶値で上書きされる。
大当たり条件等の判定が終わると、条件装置が作動中か否かを確認する(S41)。具体的には、RAM52の条件装置作動フラグ記憶エリア52gに「1」が記憶されているかどうかによって判断される。条件装置作動フラグが「ON」であれば(S41:YES)、大当たり遊技中であるとして、特別図柄処理を終了してメインルーチンに戻る。
条件装置作動フラグが「OFF」である場合(S41:NO)、特別図柄が高速変動中か否かを判断する(S45)。ここでは、RAM52の状態フラグ記憶エリア52nに記憶された状態フラグの確認を行うが、特別図柄の変動が行われる前の状態フラグは非動作状態を示すフラグとなっているので(S45:NO)、次に、特別図柄が低速変動中か否かを判断する(S61)。そして同様に状態フラグの確認を行い、状態フラグが低速変動状態を示していなければ(S61:NO)、特別図柄が確定表示中か否かを判断する(S65)。さらに同様に状態フラグの確認を行った結果確定表示状態を示していなければ(S65:NO)、保留数は「1」以上か否かを判断する(S72)。具体的には、特別図柄作動保留数記憶エリア52fの記憶値を参照して、「0」であれば(S72:NO)、特別図柄始動電動役物15に入賞したが、特別図柄の変動が開始されていない保留データはないとして、特別図柄処理を終了し、メインルーチンに戻る。
一方、特別図柄始動電動役物15に入賞して(S21:YES)保留数が加算され(S23)、「1」以上となった場合(S72:YES)、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eの記憶エリア1に記憶された各値を実行エリアへシフトする(S81)。前述したように、特別図柄処理ではこの実行エリアに記憶された各値が参照されて処理が行われるので、記憶エリア1に記憶されている各値が実行エリアにシフトされ、記憶エリア2〜4に記憶されている各値も一つずつ記憶エリアがシフトされる。すなわち、記憶エリア2の記憶値が記憶エリア1へ、記憶エリア3の記憶値が記憶エリア2へ、記憶エリア4の記憶値が記憶エリア3へ移動される。そして、記憶エリア4の各記憶値が0クリアされる。そして、記憶エリアのシフトが行われたことをサブ統合基板58に対して送信する(S82)。サブ統合基板58では、後述するように、このシフト信号を受信して、RAM58cの保留データ記憶エリア58c1のデータを同様にシフトさせている。
次に、特別図柄表示部L1,L2,L3に変動表示される図柄の変動開始から確定表示までの時間を短縮する短縮変動を行うかどうかを判定するため、保留数は「3」以上か否かを判断する(S83)。この判断は、特別図柄作動保留数記憶エリア52fに記憶されている作動保留球数(特別図柄の作動が開始されていない入賞球数)に基づいて行われる。具体的には、作動保留球数が0〜2個の場合は、短縮変動が行われず(S83:NO)、作動保留球数が3または4個の場合は、短縮変動を行うため(S83:YES)、RAM52の短縮変動フラグ記憶エリア52kに「1」を記憶して、短縮変動フラグを「ON」とする(S84)。そして、特別図柄作動保留数記憶エリア52fの記憶数を「1」減算する保留数減算処理が行われる(S85)。
次に、特別図柄の高速変動を開始するコマンドに対応するフラグをRAM52のコマンド関係記憶エリア52mに記憶させて、高速変動コマンドをセットする(S88)。さらに、短縮変動フラグ記憶エリア52kの記憶値を確認し、短縮変動フラグが「ON」の場合には例えば「500」(1秒)を、また、短縮変動フラグが「OFF」の場合には例えば「2500」(5秒)を、特別図柄変動時間カウンタLC8に、そのカウントの上限値としてセットする。このとき、カウンタLC8のカウント値はリセットされる。そして、CPU51は、状態フラグ記憶エリア52nの状態フラグを、高速変動状態を示すフラグにセットする。そして、特別図柄処理を終了し、メインルーチンに戻る。
メインルーチンの次の巡目以降でも、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞した場合には、特別図柄処理が開始されると保留数が「4」にならない限り、その入賞球に対して大当たり条件やリーチ条件等の判定が行われる(S21〜S37、図18)。そして、特別図柄変動時間カウンタLC8に上限値としてセットされた高速変動時間が経過しないうちは状態フラグ記憶エリア52nに高速変動状態を示すフラグがセットされている(S45:YES)。
次いで、高速変動終了か否かが判断され(S51)、特別図柄変動時間カウンタLC8のカウント値が上限値(高速変動時間)に達していない場合は(S51:NO)、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eに記憶されているデータがサブ統合基板58に既に送信されたか否かを判断する(S52)。具体的には、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eのデータ送信フラグカラムCLM10に「1」が記憶されているかどうかによって判断する。データが既に送信済であれば(S52:YES)、特別図柄処理を終了して、メインルーチンに戻り、特別図柄の高速変動を継続する。大当たり関係情報記憶エリア52eに記憶されているデータがまだ送信されていなければ(S52:NO)、送信されていないデータをサブ統合基板58に送信し(S53)、データ送信フラグカラムCLM10に「1」を記憶して「ON」とする(S54)。これを受けたサブ統合基板58では、受信した保留データについて信頼度表示を行うかどうかを決定する(図19、S305)。一方、特別図柄変動時間カウンタLC8のカウント値が上限値(高速変動時間)に達すると(S51:YES)、特別図柄の低速変動を開始するコマンドに対応するフラグをRAM52のコマンド関係記憶エリア52mに記憶することにより、低速変動コマンドをセットする(S57)。
このとき、大当たり関係情報記憶エリア52eの実行エリアの各記憶値のうち、リーチパターン乱数カラムCLM3、特別図柄乱数L1〜L3カラムCLM4〜CLM6、大当たりフラグカラムCLM7、リーチフラグカラムCLM8、SリーチフラグカラムCLM9の各記憶値を低速変動コマンドの変数としてサブ統合基板58に送信するため、コマンド関係記憶エリア52mに記憶させる。なお、サブ統合基板58は、次の巡目のメインルーチンのコマンド出力処理(図12、S10)で低速変動コマンドを受信すると、その変数をもとに低速変動パターンを決定し、図柄表示基板44に指示して特別図柄表示画面28に表示させるようになっている。また、サブ統合基板58は、その低速変動パターンに合わせたタイミングで各種のランプの点滅やスピーカー48からの発音が行われるように、電飾基板46や音基板43にも指示を行う。
さらに、大当たり関係情報記憶エリア52eの実行エリアの各記憶値のうち、リーチパターン乱数カラムCLM3、大当たりフラグカラムCLM7、リーチフラグカラムCLM8、SリーチフラグカラムCLM9の各記憶値をもとに、ROM53の特別図柄変動時間テーブル記憶エリア53cの特別図柄変動時間テーブルを参照し、低速変動パターン毎に異なる低速変動時間を導出して、前記同様、特別図柄変動時間カウンタLC8に、その上限値としてセットする。このとき、カウンタLC8はリセットされる。そして、状態フラグ記憶エリア52nの状態フラグを、低速変動状態を示すフラグにセットする。その後、特別図柄処理を終了してメインルーチンに戻る。
メインルーチンの次の巡目以降の特別図柄処理では、状態フラグ記憶エリア52nの状態フラグが低速変動状態を示すフラグとなっているので(S61:YES)、S62の判断処理にて低速変動終了か否かを確認し(S62)、特別図柄変動時間カウンタLC8のカウント値が上限値(低速変動時間)に達していない場合は(S62:NO)、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eに記憶されているデータがサブ統合基板58に既に送信されたかどうかを確認する(S52)。この処理では、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eのデータ送信フラグカラムCLM10に「1」が記憶されているかどうかによって判断する。データが既に送信済であれば(S52:YES)、特別図柄処理を終了して、メインルーチンに戻り、特別図柄の低速変動を継続する。大当たり関係情報記憶エリア52eに記憶されているデータがまだ送信されていなければ(S52:NO)、送信されていないデータをサブ統合基板58に送信し(S53)、データ送信フラグカラムCLM10に「1」を記憶して「ON」とする(S54)。これを受けたサブ統合基板58では、受信した保留データについて信頼度表示を行うかどうかを決定する(図19、S305)。次いで、カウンタLC8のカウント値が上限値(低速変動時間)に達すると(S62:YES)、特別図柄の低速変動を停止するコマンドに対応するフラグをRAM52のコマンド関係記憶エリア52mに記憶させることにより、全図柄停止コマンドセットを行う(S63)。なお、次の巡目のメインルーチンのコマンド出力処理(図12、S10)で、サブ統合基板58が全図柄停止コマンドを受信すると、図柄表示基板44に指示を行い、先に低速変動コマンドの変数として受信した特別図柄乱数L1〜L3カラムCLM4〜CLM6の記憶値に基づく図柄を、特別図柄表示画面28の特別図柄表示部L1〜L3に確定表示させる。
さらに、確定表示時間として、例えば「1500」(3秒)を、特別図柄変動時間カウンタLC8に、その上限値としてセットする。このとき、カウンタLC8はリセットされる。そして、状態フラグ記憶エリア52nの状態フラグを、確定表示状態を示すフラグにセットする。その後、特別図柄処理を終了してメインルーチンに戻る。
メインルーチンの次の巡目以降の特別図柄処理では、状態フラグ記憶エリア52nの状態フラグが確定表示状態を示すフラグとなっているので(S65:YES)、確定表示終了か否かを確認し(S66)、特別図柄変動時間カウンタLC8のカウント値が上限値(確定表示時間)に達していない場合は(S66:NO)、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eに記憶されているデータがサブ統合基板58に既に送信されたかどうかを確認する(S52)。この処理では、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eのデータ送信フラグカラムCLM10に「1」が記憶されているかどうかによって判断する。データが既に送信済であれば(S52:YES)、特別図柄処理を終了して、メインルーチンに戻り、特別図柄の確定表示を継続する。大当たり関係情報記憶エリア52eに記憶されているデータがまだ送信されていなければ(S52:NO)、送信されていないデータをサブ統合基板58に送信し(S53)、データ送信フラグカラムCLM10に「1」を記憶して「ON」とする(S54)。これを受けたサブ統合基板58では、受信した保留データについて信頼度表示を行うかどうかを決定する(図19、S305)。
カウンタLC8のカウント値が上限値(確定表示時間)に達すると(S66:YES)、フラグリセットを行う(S67)。この処理では、RAM52の状態フラグ記憶エリア52n、および短縮変動フラグ記憶エリア52kに記憶された各フラグのリセットを行う。そして、状態フラグに非動作状態を示すフラグがセットされる。
次に、実行エリアに記憶されているデータが大当たりか否かを判断する(S68)。具体的には、大当たり関係情報記憶エリア52eの実行エリアの大当たりフラグカラムCLM7を参照し、大当たりフラグが「OFF」であれば特別図柄処理を終了し(S68:NO)、大当たりフラグが「ON」であれば(S68:YES)、条件装置作動フラグ「ON」として(S69)、RAM52の条件装置作動フラグ記憶エリア52gの記憶値を「1」にする。そして、大入賞口16を開放して大入賞口開放フラグ記憶エリア52pの記憶値を「1」にし(S70)、大入賞口開放カウンタのカウント値を「1」に設定する(S71)。そして、特別図柄処理を終了する。S69〜S71の処理を受けて、次の巡目の特別電動役物処理では、大当たり遊技状態へ移行し、大入賞口16の開放処理が行われる。
メインルーチンの次の巡目の特別図柄処理では、条件装置作動フラグが「ON」であれば大当たり遊技中と判断されて、特別図柄の変動は行われない。また、条件装置作動フラグが「OFF」であれば、前述したように、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eの記憶エリアのシフトが行われ、次の保留球に基づく特別図柄変動が開始される。そして、上記のように特別図柄の高速変動が行われ、その高速変動時間が経過したときに(S51:YES)、S57に進み、低速変動コマンドを発信して、以降、通常時の特別図柄処理に戻る。
次に、図19を参照して、サブ統合基板58で行われる保留データ表示処理の詳細について説明する。サブ統合基板58では、主基板41のメインルーチンS14で行われる特別図柄処理(図15〜図17)において、大当たり判定処理(S31、図18)が行われ、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eの記憶エリア1〜4に記憶された保留データを受信すると、その大当たり判定結果やリーチ判定結果に基づいて一定の割合で、保留データ表示部29に高信頼度表示を行うようにしている。そして、主基板41のメインルーチンS13で行われる特別電動役物処理(図13及び図14)において主基板41から送信される確率変動信号や確率変動終了信号を受信すると、その確率に基づいて再度信頼度表示を行うかどうかを決定するようにしている。
まず、CPU58aは、主基板41から保留データを受信したかどうかを確認する(S301)。受信した場合には(S301:YES)、RAM58cの保留データ記憶エリア58c1の該当する記憶エリアのそれぞれのカラムに記憶する(S303)。そして、保留データ表示部29に信頼度表示を行うかどうかを決定する(S305)。この処理では、受信した保留データのリーチパターン乱数CLM3及びSリーチフラグCLM9の値に基づいて高信頼度表示をするかどうかを決定している。高信頼度表示を行う場合には(S305:YES)、高信頼度表示コマンドを図柄表示基板44に出力する(S309)。図柄表示基板44では、保留データ表示部29に表示する絵柄の色を高信頼度表示に対応した色(例えば黄色の花等)にするように制御する。また、高信頼度表示を行わない場合には(S305:NO)、通常表示コマンドを図柄表示基板44に出力する(S307)。図柄表示基板44では、保留データ表示部29に表示する絵柄の色を通常表示に対応した色(例えば赤色の花等)にするように制御する。
例えば、図18に示す大当たり判定処理の中で、リーチフラグCLM8が「ON」の場合に、リーチパターン乱数CLM3の値が通常時は「0〜9」でSリーチが「ON」とされているが(図18、S109:YES)、このうちリーチパターン乱数CLM3の値が「5〜9」の値の場合について高信頼度表示とし(S305:YES)、その他の値の場合を通常表示とするように決定する(S305:NO)。高確率状態の場合は、リーチパターン乱数CLM3の値が「0〜19」でSリーチフラグが「ON」とされているが(図18、S109:YES)、このうちリーチパターン乱数CLM3の値が「5〜9」の場合と「15〜19」の値の場合について高信頼度表示とし、その他の値の場合を通常表示とするように決定する。今、確率が通常状態で、主基板41から送信され(S301:YES)、記憶エリア3に記憶された(S303)保留データ3のリーチフラグCLM8が「ON」で、リーチパターン乱数CLM3の値が「15」であるとする。すると、S109では、Sリーチフラグが「ON」とされておらず、リーチパターン乱数CLM3の値が「5〜9」に入っていないので、通常表示と決定され(S305:NO)、通常表示コマンドを図柄表示基板44に出力する(S307)。そして、S301に戻る。一方、受信した保留データのリーチパターン乱数CLM3の値が「8」であるとすると、Sリーチフラグは「ON」であり、リーチパターン乱数CLM3の値も「5〜9」に入っているので、高信頼度表示を行うと決定し(S305:YES)、高信頼度表示コマンドを図柄表示基板44に出力する(S309)。
保留データを受信していなければ(S301:NO)、主基板41から確率変動終了信号を受信したかどうかを確認する(S313)。主基板41は、特別電動役物処理の確率変動判定処理(図14、S227)の結果、確率変動モードを終了し、通常状態に戻った場合には(図14、S227:NO、S235:YES)、大当たり判定処理をやり直して(図14、S236)確率変動終了信号を通知してくるとともに保留データを再度送信してくる(図14、S239)。これを受信したCPU58aでは(S313:YES)、すべての保留データについて、それまで高信頼度表示を行っていたかどうかに関わらず、通常表示を行うように図柄表示基板44にコマンドを出力する(S307)。そして、S301に戻る。
確率変動終了信号を受信していなければ(S313:NO)、主基板41からシフト信号を受信したかどうかを確認する(S315)。主基板41は、特別図柄処理において記憶エリアのシフト処理(図17、S81)の後、シフトを行ったことを送信してくる(図17、S82)。これを受信したCPU58aでは(S315:YES)主基板41のRAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eと同様に、保留データ記憶エリア58c1の各記憶エリアを1つずつシフトする(S317)。すなわち、記憶エリア2の記憶値が記憶エリア1へ、記憶エリア3の記憶値が記憶エリア2へ、記憶エリア4の記憶値が記憶エリア3へ移動される。そして、記憶エリア4の各記憶値が0クリアされる。そして、シフトした各記憶値に基づいて、保留データ表示部に表示を行うように、図柄表示基板44を制御する。そして、S301に戻る。シフト信号を受信していなければ(S315:NO)、S301に戻り、以上の処理を繰り返す。
なお、図15に示す特別図柄処理のフローチャートのS24において乱数取得処理を実行するCPU51が、本発明における「抽選手段」として機能し、図18に示す大当たり判定処理のフローチャートのS101において大当たり判断処理を実行するCPU51が、本発明における「判定手段」として機能する。また、図16に示す特別図柄処理のフローチャートのS69において条件装置を作動させて大当たり遊技状態に移行させるCPU51が、本発明における「当たり制御手段」として機能する。さらに、図14に示す特別電動役物処理のフローチャートのS231において確率変動フラグの「ON」設定処理を行うCPU51が、本発明の「確率変動手段」として機能し、図14に示す特別電動役物処理のフローチャートのS237において確率変動フラグの「OFF」設定処理を行うCPU51が、本発明の「確率変動終了手段」として機能する。また、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eが本発明の「記憶手段」に相当し、保留データ表示部29が本発明の「保留データ表示手段」に相当する。さらに、図19保留データ表示処理のフローチャートのS305において信頼度表示決定処理を行うCPU58aが本発明の「保留データ表示態様決定手段」として機能し、S307において通常表示コマンド出力処理を実行するCPU58a、及びS309の高信頼度表示コマンド出力処理を行うCPU58aが本発明の「保留データ表示制御手段」として機能する。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ機1では、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞すると、各ループカウンタ値を取り込んで、大当たり判定を行うとともに、カウンタ値と大当たり判定結果を保留データとしてサブ統合基板58に送信する。サブ統合基板58では、CPU58aが、受信した保留データを記憶し、大当たり判定結果(大当たりか否か、リーチをするか否か、Sリーチをするか否か)に基づいて、保留データの表示態様を決定し、それに基づいて表示を行うように図柄表示基板44にコマンドを出力している。そして、大当たり遊技状態の終了時に、確率変動状態から通常状態に戻ることが決定した場合には、主基板41からサブ統合基板58に対して信号を送信し、サブ統合基板58では、CPU58aが、それまでの表示態様にかかわらず、通常の表示を行うように図柄表示基板44にコマンドを出力している。従って、特別図柄始動電動役物15に入賞し、まだ結果が表示されない保留球についても、保留データ表示部において、ある程度の割合で当たりになるか、リーチになるか等の信頼度を示す表示を行って、遊技者の将来への期待感を高めることができる。さらに、保留データの当たり判定は、保留データが発生した時点の当たり確率に従って行うため、信頼度表示もその時点の当たり確率に基づいて行っている。このために、当たり判定時は確率変動モードにあって、その後確率変動が終了して通常状態に戻った場合には、信頼度が異なってくるので、その都度主基板41から信号を送信させて、表示の態様を通常に戻すように決定し直し、表示を行うように制御している。このようにすることで、遊技者の保留データ表示に対する信頼度を高く保つことができる。