JP3893423B2 - フェノール樹脂、エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

フェノール樹脂、エポキシ樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は不飽和環状炭化水素化合物、例えばジシクロペンタジエンと、ヒドロキシル基含有芳香族化合物、例えばフェノール化合物とを反応させて得られる色相の良好なフェノール樹脂およびそのフェノール樹脂から誘導されるエポキシ樹脂、ならびにそれらの製造方法に関するものである。
より詳細には、耐熱性、耐湿性、耐クラック性等が優れている点で、電気絶縁材料、特に半導体封止材用樹脂や積層板用樹脂として有用であり、さらに色相に優れているために成形品として良好であり、かつマーキング等を必要とする場合にも有用なフェノール樹脂およびエポキシ樹脂、ならびにその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂は、触媒として三フッ化ホウ素や三フッ化ホウ素フェノール錯体を用いて製造されるが、著しく着色し黒褐色を呈しているために成形品の外観が著しく劣るという問題を有している。また、上記フェノール樹脂を原料として塩基触媒の存在下にエピハロヒドリン類と反応させて得られるエポキシ樹脂も、原料フェノール樹脂が着色していることに起因して同様に黒褐色を呈し、これを原料として用いた封止材用樹脂組成物は、耐湿性や耐熱性などの特性が改善される反面、封止工程において品名やロット番号等をマーキングする際のマーキング性能が悪く、作業効率が著しく低下するという問題を有している。
【0003】
マーキング方法としては、熱硬化型またはUV硬化型インキを用いる方法のほか、最近では炭酸ガスレーザーやYAGレーザーによる方法も開発されている。インキ・マーキングはインキにより単純に樹脂表面へ印刷する方法であり、レーザー・マーキングは熱発色性物質を利用したり、またはレーザーの熱による表面の局所的揮散現象を利用する方法がある。表面の局所的揮散現象を利用する方法においては、カーボンブラックを封止材に配合することもあり(例えば特開平11−49936号公報)、この場合には必ずしも封止樹脂の色相が良好である必要はない。しかしながら、前記熱発色性物質を利用する場合をはじめ、他の方法においても通常は封止樹脂の色相が良好である方が望ましい。すなわち、外観が良好になる結果として、製品価値の向上も期待することができる。
良好なマーキング性能を得るためには、色相において赤味や黒味を極力低減し、全体に黄色味のある色相を有する樹脂を用いることが有効であり、そのため黄色のジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂を簡便に製造する方法の確立が望まれていた。
【0004】
色相を改善する方法としては、特開平8−53539号公報において、原料を数回にわたり凍結乾燥したり、脱気工程を採用することにより、フェノール樹脂およびフェノール樹脂から得られるエポキシ樹脂の色相を改善する製造方法が提案されている。しかしながら、この方法ではフェノール樹脂の色相にある程度の改善は見られるが、黒味が残存しており、エポキシ樹脂原料としてはなお改善を要するという問題があった。また、上記の方法は、凍結乾燥や脱気工程を必要とするため、作業が複雑となり多大な労力を必要とする上に、製造コストが高いという問題も有していた。
特開平7−252349号公報においては、樹脂を有機溶剤に溶解した上で無機多孔質物質で処理することからなる色相の改善方法が提案されているが、樹脂を濃縮精製後に再度有機溶剤に溶解しなければならないために、作業が複雑となり多大な労力を必要とする上に、製造コストも高くなる点に問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ヒドロキシル基含有芳香族化合物と不飽和環状炭化水素化合物とを酸触媒の存在下で反応させるフェノール樹脂の製造において、着色が少なく色相に優れたフェノール樹脂を簡便に得ることができる製造方法、およびこのようにして得られたフェノール樹脂を塩基触媒の存在下でエピハロヒドリン類と反応させるエポキシ樹脂の製造において、同様に色相に優れたエポキシ樹脂を得るための製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、活性水素と金属化合物の共存下において、ヒドロキシル基含有芳香族化合物と不飽和環状炭化水素化合物とを酸触媒により反応させることにより、色相の良好なフェノール樹脂が得られ、さらにこれを原料として得られるエポキシ樹脂もまた同様に色が良好であることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1は、ヒドロキシル基含有芳香族化合物と不飽和環状炭化水素化合物とを、活性水素と還元性金属化合物との共存下において、酸触媒を用いて反応させた後、触媒を失活し、次いで触媒、前記金属化合物および未反応のヒドロキシル基含有芳香族化合物を除去することを特徴とする色相の良好なフェノール樹脂の製造方法に関するものである。
本発明の第2は、本発明の第1において、酸触媒が三弗化ホウ素系のフリーデル−クラフツ触媒であることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明の第3は、本発明の第1または第2において、ヒドロキシル基含有芳香族化合物が1価もしくは2価のフェノールまたはビスフェノールであり、不飽和環状炭化水素化合物がジシクロペンタジエンであることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明の第4は、本発明の第1から第3のいずれかの方法により得られたフェノール樹脂を、塩基触媒を用いてエピハロヒドリンと反応させ、その後触媒および未反応のエピハロヒドリンを除去することを特徴とする色相の良好なエポキシ樹脂の製造方法に関するものである。
本発明の第5は、ヒドロキシル基含有芳香族化合物と不飽和環状炭化水素化合物とを酸触媒を用いて反応させて得られるフェノール樹脂であって、精製後の樹脂の2%ジオキサン溶液の紫外可視吸光光度法による測定において、波長350nmにおける吸光度が0.5以下、かつ430nmにおける吸光度が0.1以下である色相が良好なフェノール樹脂に関するものである。
本発明の第6は、ヒドロキシル基含有芳香族化合物と不飽和環状炭化水素化合物とを酸触媒を用いて反応させて得られたフェノール樹脂を、塩基触媒を用いてエピハロヒドリンと反応させて得られるエポキシ樹脂であって、精製後の樹脂の2%ジオキサン溶液の紫外可視吸光光度法による測定において、波長350nmにおける吸光度が0.5以下、かつ430nmにおける吸光度が0.1以下である色相が良好なエポキシ樹脂に関するものである。
本発明の第1から第4のいずれかの方法を用いることにより、本発明の第5または第6の色相が良好なフェノール樹脂またはエポキシ樹脂を得ることができる。
本発明の方法により得られるフェノール樹脂およびエポキシ樹脂は、色相に赤味や黒味が少なく、かつ目視による透明性も高く、従って製品の外観に優れているので商品価値が高く、さらにマーキング特性も良好である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂の製造方法においては、まず中間体としてフェノール樹脂を以下の方法で製造する。
すなわち、本発明のフェノール樹脂は、酸触媒の存在下に、ヒドロキシル基含有芳香族炭化水素化合物、より具体的にはフェノール性水酸基を有するフェノール類と、不飽和環状炭化水素化合物、好ましくは炭素−炭素二重結合を2個以上有する不飽和環状炭化水素化合物とを反応させることにより製造する。
本発明のフェノール樹脂の原料成分として用いる不飽和環状炭化水素化合物としては、具体的にはジシクロペンタジエン、4−ビニルシクロヘキセン、5−ビニルノボルナ−2−エン、3a,4,7,7a−テトラヒドロインデン、α−ピネン、リモネン等が挙げられる。特に得られる樹脂の耐熱性、耐湿性および機械的特性が優れている点からジシクロペンタジエンが好ましい。
【0008】
また、ヒドロキシル基含有芳香族炭化水素化合物は、具体的にはフェノール類であり、特に限定されるものではない。フェノール類としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−sec−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、p−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール等の一価フェノール類;レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1’−ビス(ジヒドロキシフェニル)メタン、1,1’−ビス(ジヒドロキシナフチル)メタン、テトラメチルビフェノール、ビフェノール等の二価フェノール類;トリス(ヒドロキシフェニル)メタン等の三価フェノール類、およびこれらの混合物等を挙げることができる。
特にフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、α−ナフトール、β−ナフトールおよび2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンは、経済性および製造の容易さの点から望ましい。
【0009】
不飽和環状炭化水素化合物とヒドロキシル基含有芳香族化合物との反応においては、両成分の配合割合(モル比)を変化させることにより、分子量と溶融粘度を適切な範囲に調節することができ、特に限定されるものではないが、通常、ヒドロキシル基含有芳香族化合物/不飽和環状炭化水素化合物のモル比として1〜20の範囲が用いられる。
不飽和環状炭化水素の量を少なくした場合には、分子量が減少して溶融粘度が低下し、半導体封止材料等の用途においてはフィラーの高充填が可能となるので線膨張係数を低減することができ、また、耐水性も向上するので好ましい。具体的にはヒドロキシル基含有芳香族化合物/不飽和環状炭化水素化合物のモル比は1〜15の範囲が好ましい。
【0010】
本発明のフェノール樹脂製造において用いる酸触媒としては塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸および、ギ酸、酢酸、シュウ酸などの有機酸が、また、フリーデル−クラフツ触媒として、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素−エーテル錯体、三フッ化ホウ素−フェノール錯体、三フッ化ホウ素−水錯体、三フッ化ホウ素−アルコール錯体、三フッ化ホウ素−アミン錯体などが用いられ、さらに、これらの混合物等も好ましく用いることができる。これらの中でも特に活性および触媒の除去の容易さの点から三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素−フェノール錯体および三フッ化ホウ素−エーテル錯体が好ましい。
【0011】
前記酸触媒の使用量を適宜変更することにより分子量と溶融粘度とを適切な範囲に調整することができる。具体的な使用量としては、例えば、フェノールとジシクロペンタジエンとの反応における酸触媒として三フッ化ホウ素−フェノール錯体を使用する場合には、三フッ化ホウ素/(フェノール+ジシクロペンタジエン+三フッ化ホウ素)の割合を0.001〜2.0重量%の範囲から適宜選択することができる。最終的に得られる樹脂が使用の際に好ましい物性を示すためには実用上0.15〜1.00重量%の範囲が用いられる。
【0012】
フェノール樹脂の製造に用いるヒドロキシル基含有芳香族化合物は、副反応等を防ぐために、含有水分を100ppm以下にすることが好ましい。このためヒドロキシル基含有芳香族化合物は使用前に脱水処理を施すことが好ましい。脱水方法については特に限定されず、例えば窒素気流下において、ヒドロキシル基含有芳香族化合物を有機溶剤と共沸させる方法等が挙げられる。
【0013】
また、フェノール樹脂の製造時においては、反応器内を不活性ガスで置換することが好ましい。密閉系の場合のみならず、開放系においても反応器内を極力不活性ガスにより置換することが望ましい。ここで用いられる不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウムなどが挙げられる。
【0014】
上記フェノール類と不飽和環状炭化水素化合物との反応は、溶剤の存在下または不存在下で行うことができる。溶剤を使用しない場合は、フェノール類を溶剤の代わりとして不飽和環状炭化水素化合物に対し等モル以上用いることが好ましく、特に3〜15倍モル使用することが好ましい。
溶剤を使用する場合、溶剤としては反応を阻害しないものであれば特に制限はない。特に好ましい溶剤としてはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物が挙げられる。この場合溶剤の使用量は、前記ヒドロキシル基含有芳香族化合物100重量部に対して20〜300重量部とすることが好ましい。
【0015】
本発明においては、これらのヒドロキシル基含有芳香族炭化水素化合物、例えばフェノール類と不飽和環状炭化水素化合物とを酸触媒の存在下で接触反応させることにより目的とするフェノール樹脂を得る。フェノール類と不飽和環状炭化水素化合物の添加順序は任意であり、例えば、バッチ式で反応させる場合、フェノール類と不飽和環状炭化水素化合物を同時に反応器内へ投入して反応を開始させる方法、あるいはフェノール類を初めに投入し、その後不飽和環状炭化水素化合物を逐次にまたは連続して反応器内に投入し反応を開始させる方法などいずれの方法も採用することができる。上記の場合には、好ましくは初めにフェノール類を投入し、不飽和環状炭化水素化合物を逐次にまたは連続して投入する。
【0016】
反応条件として、反応温度はフェノール類の融点から200℃までの範囲、反応時間は10分〜100時間の範囲からそれぞれ適宜に選択することができる。反応温度が200℃を超える場合には、触媒の分解または副反応が生じ、またフェノール類の融点未満の場合には、反応に長時間を要し、経済的に不利であるので好ましくない。
場合により、反応を複数段に分けて行うこともできる。例えば二段反応とする場合には、初めにフェノール類の融点または50℃のいずれか高い方の温度から100℃までの範囲で行い、次の工程を初めの工程の反応温度よりも20℃以上、好ましくは30℃以上高い温度で行うことができる。具体的には後段の温度を120℃以上、好ましくは120〜170℃の範囲とする。
【0017】
本発明においては、フェノール類と不飽和環状炭化水素化合物との反応時に、活性水素および特定の還元性金属化合物を共存させることを特徴としている。
共存させる還元性金属化合物については特に限定されるものではないが、水素化または接触還元等に用いられる還元性の金属類が適しており、例えばナトリウムに代表されるアルカリ金属類やカルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属類および亜鉛、スズ、鉄などの金属が好ましく用いられる。これらの中でも、有効な脱色効果が得られ、かつ作業性が良好である点から亜鉛を使用することが特に好ましい。固体金属類は粉末で用いるのが便利であり、従って好ましくは亜鉛粉末を用いる。
【0018】
還元性金属化合物の使用量については、脱色効果が得られる限り特に制限はないが、最終的に精製して得られる樹脂に対して0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲で使用する場合に、実用上作業効率を低下させることなく好ましく脱色された樹脂を得ることができる。この範囲よりも使用量が少ないと有効なレベルの脱色効果を得ることが困難であり、またこの範囲より多くても特に効果は向上せず、残さとしての金属類の濾過に長い時間を要するなど作業効率が著しく低下するので、いずれも好ましくない。
【0019】
用いる金属類は、微粉末、花弁状、球状、塊状など多様な形状のものを用いることができ、いずれの形状であっても好ましい脱色効果を発揮する。しかしながら、十分な表面積を有し、接触効率が高い微粉末状のものを用いた場合に、最も効率よく高度に脱色された樹脂を得ることができる。
そのほか、多孔質性の表面を有する金属板もしくはこれを担体として金属を担持させたもの、または金属メッキプレート等も、同様に本発明における金属処理に用いることが可能である。
【0020】
還元性金属化合物の添加時期は特に制限されない。例えば、反応原料の全量を投入すると同時もしくはその後に還元性金属化合物を添加してもよく、またはフェノール類の投入後に不飽和環状炭化水素化合物を投入すると同時もしくはその後に添加することができる。要するに、フェノール類と不飽和環状炭化水素化合物との反応時に還元性金属化合物が活性水素とともに反応系に共存すればよい。
なお、本発明におけるヒドロキシル基含有芳香族化合物と不飽和環状炭化水素化合物との反応には、付加反応のほかに一旦生成した付加生成物の転位反応も含まれるが、このような転位反応の際にも還元性金属化合物と次に述べる活性水素が必要である。
【0021】
本発明の方法においては、還元性金属化合物のほかに活性水素の存在が必要である。通常は、過剰に存在するヒドロキシル基含有芳香族化合物が活性水素発生源となるので、別個に活性水素発生源を供給する必要はない。しかしながら、さらに脱色を促進しようとする場合には、別途、活性水素源を供給することができる。
このような活性水素の発生源としては、酸類やアルコール類などが用いられ、その種類については特に制限はないが、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、シュウ酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルカノール;フェノール等のヒドロキシ芳香族化合物等を用いた場合に著しく脱色が促進される。この中でも反応後の処理効率の点から、ギ酸またはエタノールを用いることが好ましい。
活性水素源を、反応原料のヒドロキシル基含有芳香族化合物とは別個に添加する場合には、その使用量を還元性金属化合物に対して重量基準で同量から3倍程度、特に1.5〜2倍量の範囲とすることにより脱色が促進される。
【0022】
本発明のフェノール樹脂の製造方法は、上記の条件でヒドロキシル基含有芳香族化合物と不飽和環状炭化水素化合物とを反応させ、その工程中に効率よく還元性金属類および活性水素による処理を行えばよく、具体的な反応方法は特定されるものではない。
以上を総合して、本発明のフェノール樹脂のバッチ式による好ましい製造方法は以下の通りである。
(1)酸触媒の存在下にフェノール類を投入し、フェノール類の融点または50℃のいずれか高い方の温度から100℃までの温度範囲において、不飽和環状炭化水素化合物を逐次にまたは連続して添加し付加反応を行った後、
(2)還元性金属化合物を添加し、その後
(3)120℃以上、好ましくは120〜170℃の範囲に反応温度を上昇させることによりさらに反応を進行させる。
【0023】
上記のようにフェノール樹脂を製造した後、触媒の失活を行う。
失活の手段は特に制限されないが、最終的に得られる樹脂中のホウ素、フッ素等のイオン性不純物の残存量が100ppm以下になるような手段を用いることが好ましい。この目的のために、失活剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属もしくはそれらの酸化物、水酸化物または炭酸塩、あるいは水酸化アンモン、アンモニアガス等の無機塩基類などを用いることができる。これらの中でも処理が簡潔で迅速であり、かつ処理後のイオン性不純物の残存量も少ないハイドロタルサイト類を用いることが好ましい。
【0024】
使用した失活剤は濾過により除去することができれば、還元性金属化合物残さと同時に除去できるため有利である。前記ハイドロタルサイトは、濾過操作により除去することができるので好ましい失活剤である。
濾過にあたっては溶剤を添加したり、濾過物の温度を上昇させる処理等により作業性を良好にすることができる。また、系内の圧力を加圧条件下にしたり、減圧条件下にすることにより作業性を良好にすることができる
【0025】
上記において最終的に得られた不純物を含まない反応液を蒸留により濃縮することにより、色相の改善された高純度の炭化水素フェノール樹脂を得ることができる。蒸留は常圧で行うこともできるが、作業性を改善するために反応系内を加圧条件もしくは減圧条件としてもよい。
【0026】
得られた樹脂の色相評価方法として、JIS K5400に規定されているガードナー標準溶液による評価法は、溶液の色相を評価する方法であるために、その評価結果は固体状態の樹脂の色相と必ずしも一致しないことが多い。しかも、標準色相液と比較して求めるために測定者により判定基準に差があり、評価結果がばらつくこともある。これに対し、紫外・可視光線領域における吸光度の測定による方法はばらつきが少なく、実際の色相との相関が良いので、本発明においてはこれを色相評価方法として採用する。
【0027】
次に、紫外可視吸光光度法について説明する。この方法は任意の溶剤に樹脂を希釈した希釈溶液を用いて行う。樹脂は精製後(触媒失活後)のものを用いる。希釈溶剤は紫外・可視全領域にわたって吸収の少ないものが好ましいいことから、脂肪族飽和炭化水素溶媒、脂肪族飽和炭化水素エーテルなどが用いられるが、樹脂の溶解性が良好であることからジオキサン、テトラヒドロフランなどが特に好ましい。
吸光度は波長350nmおよび430nmについて測定し、これにより色相を判断する。本発明で得られる色相の良好なフェノール樹脂は、波長350nmおよび430nmにおける吸光度において最も顕著な特徴を示す。すなわち、波長350nmにおける吸光度が0.5以下、および430nmにおける吸光度が0.1以下の双方の要件を満たすものが、実際に色相が良好であり、次の反応であるエポキシ樹脂の原料として好ましい。
【0028】
このようにして得られたフェノール樹脂は、電気絶縁材料、特に半導体封止材用あるいは積層板用のエポキシ樹脂の硬化剤、もしくはエポキシ樹脂の原料として有用であり、色相に優れているため、成形外観やマーキング性能等が良好であるが、特にその用途が限定されるものではない。
【0029】
次に、色相の良好なエポキシ樹脂の製造方法について説明する。
本発明による色相の良好なエポキシ樹脂は、上述の方法で得られた色相の良好なフェノール樹脂を、常法により塩基触媒下でエピハロヒドリン類と反応させグリシジル化することにより得ることができる。
グリシジル化反応は、常法を用いて行うことができる。具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の存在下において、通常10〜150℃、好ましくは30〜80℃の温度で、フェノール樹脂をエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等のグリシジル化剤と反応させた後、水洗、乾燥することにより得ることができる。
ここでグリシジル化剤の使用量は、フェノール樹脂のヒドロキシル基に対して好ましくは2〜20倍モル、特に好ましくは3〜7倍モルである。
また反応の際、減圧下において、グリシジル化剤との共沸蒸留により水を留去することによって、反応をより速く進行させることができる。
また本発明のエポキシ樹脂を電子分野で使用する場合には、エポキシ化において副生する塩化ナトリウムを水洗工程において完全に除去しておかなければならない。このときグリシジル化剤を蒸留により回収して反応溶液を濃縮した後、濃縮物を溶剤に溶解し、水洗してもよい。ここで用いる溶剤としては、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、ブチルセロソルブ等が好ましい。水洗した濃縮物を加熱濃縮することによりエポキシ樹脂を得る。
【0030】
前記エポキシ樹脂のエポキシ当量(g−樹脂/グラム当量−エポキシ基)は、通常200〜500、好ましくは250〜450である。エポキシ当量が500を超える場合には、架橋密度が低くなるため好ましくない。
【0031】
本発明により上述の方法で得られたエポキシ樹脂は、従来の方法で得られる同様の構造を有するエポキシ樹脂と比較して、色相に優れ、成形外観やマーキング性能等が良好であり、外観上黒味の残らないものである。前述のジオキサン2%溶液を用いた吸光光度法において波長350nmにおける吸光度が0.5以下、かつ430nmにおける吸光度が0.1以下であるものは実際の色相も良好である。
上記エポキシ樹脂は、色相に優れているため、成形外観やマーキング性能等が良好であることから、電気絶縁材料、特に半導体封止材用あるいは積層板用のエポキシ樹脂組成物原料として有用であるが、用途はこれらに限定されるものではなく、粉体塗料、ブレーキシュー等にも有用である。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により詳細に説明する。
なお、以下の実施例および比較例におけるフェノール樹脂およびエポキシ樹脂の性状は以下の方法により測定した。
(1)紫外可視吸光度
以下の測定機器および試料を用いて測定を行った。
分析機器: 紫外可視分光光度計(日本分光(株)製 Ubest-50型)
測定セル: 石英製、光路長10mm
サンプル調整: ジオキサンによる2重量%希釈溶液
(2)色 相
直径65mm×厚さ12mmの円盤状の試験片を作成し、目視で確認した。
(3)透明性
試験片は、上記色相の測定に用いたものと同様のものを使用した。
ワープロソフト(商品名:Microsoft Word 97)により作成された文面を、セイコーエプソン(株)製のインクジェットプリンター(商品名:MJ 930)を用いて普通紙に印刷した(最速モード)紙面を試験プレートと重ね、キャノン(株)製のフラットベッドスキャナー(商品名:CANOSCAN 600)によりスキャニング(フルカラー 300dpi)を行い、ディスプレイ上で確認できる文字ポイント数を比較した。
【0033】
<実施例1>
(フェノール樹脂の製造−1)
反応器にフェノールとトルエンを仕込み、160℃に加熱して、トルエンと水分を共沸させ、系内の水分が100ppm以下になるまで脱水するとともにトルエンを留去した。脱水後のフェノールは780gであった。
液温を70℃とし、三フッ化ホウ素−フェノール錯体を5.2g(0.58%)添加した後、液温を70℃に保持しながらジシクロペンタジエン115gを1時間を費やして徐々に滴下した。
滴下終了後、同条件で1時間攪拌した後、系内に亜鉛粉末を5.0g添加した。その後140℃に昇温し、さらに8時間攪拌し、反応液の色が濃赤色から薄橙色になったことを確認した。
反応終了後、70℃に冷却して、ハイドロタルサイト(商品名:キョーワード1000、協和化学(株)製)を15g添加し、70℃の条件下で1時間攪拌して触媒を失活させた後、反応液を濾過した。得られた濾液を減圧蒸留により縮し、フェノール樹脂250gを得た。
得られたフェノール樹脂の環球法による軟化点は89℃、アセチル化後の逆滴定法によるフェノール性水酸基当量(g−樹脂/グラム当量−水酸基)は169であった。また、得られた樹脂は全体に淡黄色を帯びており、黒味がなく透明性が高いものであった。吸光度を測定したところ、波長350nmにおける吸光度は0.05、かつ430nmにおける吸光度は0.01以下であった。
【0034】
<実施例2>
(エポキシ樹脂の製造−1)
撹拌機、還流冷却器および温度計付きの3リットル4つ口フラスコに、実施例1の方法で製造したフェノール樹脂169gとエピクロロヒドリン400gとを仕込んだ後、溶解して撹拌し、反応系内を150mmHgの圧力に調製し、68℃に昇温した。この系に濃度48重量%の水酸化ナトリウム水溶液100gを連続的に添加しながら3.5時間反応を行った。反応により生成する水および水酸化ナトリウム水溶液の水を、水−エピクロルヒドリン共沸混合物の還流により分解し、反応系外へ連続的に除去した。反応終了後、反応系を常圧に戻し、110℃まで昇温して反応系の水を完全に除去した。過剰のエピクロロヒドリンを常圧下で蒸留除去し、さらに15mmHgの減圧下に140℃で蒸留を行った。
生成した樹脂および塩化ナトリウムの混合物に、メチルイソブチルケトン300gおよび10重量%の水酸化ナトリウム水溶液36gを加え、85℃の温度で1.5時間反応を行った。反応終了後、メチルイソブチルケトン750gおよび水300gを加え、下層の塩化ナトリウム水溶液を分液除去した。次にメチルイソブチルケトン液層に水150gを加えて洗浄し、リン酸で中和し、水層を分離した後、さらに水800gで洗浄し水層を分離した。油層と水層の分離性は良く、定量的に無機塩を回収した後、メチルイソブチルケトン液層を常圧下で蒸留し、続いて5mmHg、140℃で減圧蒸留を行い、216gのエポキシ樹脂を得た。このエポキシ樹脂のエポキシ当量は266であった。
また、樹脂は全体に淡黄色を帯びており、黒味は無く透明感が高かった。樹脂の吸光度を測定したところ波長350nmにおける吸光度は0.04、および430nmの吸光度は0.01以下であった。
【0035】
<実施例3>
(フェノール樹脂の製造−2)
反応器にフェノールとトルエンを仕込み、160℃に加熱して、トルエンと水分とを共沸させ、系内の水分が100ppm以下になるまで脱水するとともにトルエンを留去した。脱水後のフェノールは800gであった。
液温を70℃とし、三フッ化ホウ素−フェノール錯体を2.3g(0.25%)添加した後、液温を70℃に保持しながらジシクロペンタジエン115gを1時間を費やして徐々に滴下した。
滴下終了後、同条件で1時間攪拌した後、系内に亜鉛粉末を1.3g添加した。その後140℃に昇温し、さらに8時間攪拌し、反応液の色が濃赤色から薄橙色になったことを確認した。
反応終了後、70℃に冷却して、ハイドロタルサイト(商品名:キョーワード1000、協和化学(株)製)を8g添加し、70℃の条件下で1時間攪拌して触媒を失活させた後、反応液を濾過した。得られた濾液を減圧蒸留により濃縮し、フェノール樹脂245gを得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点は89.0℃、フェノール性水酸基当量は168であった。また、得られた樹脂は全体に淡黄色を帯びており、黒味がなく透明性が高いものであった。吸光度を測定したところ、波長350nmにおける吸光度は0.06、かつ430nmにおける吸光度は0.01以下であった。
【0036】
<実施例4>
(エポキシ樹脂の合成−2)
実施例3で合成したフェノール樹脂169gを用いた以外は実施例2と同様の操作を行い、221gのエポキシ樹脂を得た。このエポキシ樹脂のエポキシ当量は267であった。得られた樹脂は淡黄色の透明性の高いものであり、波長350nmにおける吸光度が0.05、かつ430nmにおける吸光度は0.01以下であった。
【0037】
<実施例5>
(フェノール樹脂の製造−3)
反応器にフェノールとトルエンを仕込み、160℃に加熱して、トルエンと水分とを共沸させ、系内の水分が100ppm以下になるまで脱水するとともにトルエンを留去した。脱水後のフェノールは750gであった。
液温を70℃にし、三フッ化ホウ素−フェノール錯体を6g(0.68%)添加し均一にした後、液温を70℃に保持しながらジシクロペンタジエン130gを1時間を費やして徐々に滴下した。
滴下終了後、同じ条件で1時間攪拌した後、亜鉛粉末5.7gおよびギ酸5.7gを添加し、140℃に昇温し、さらに3時間攪拌を続け、反応液が濃赤褐色から淡黄色に変化したことを確認した。
反応終了後、70℃に冷却して、ハイドロタルサイト(商品名:キョーワード1000、協和化学(株)製)を15g添加し、70℃の条件下で1時間攪拌して触媒を失活させた。次いで濾過操作を行って失活剤および亜鉛粉末を除去した。得られた濾過液を減圧蒸留濃縮し、フェノール樹脂250gを得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点は89℃であった。また、フェノール性水酸基当量は170であった。樹脂は全体に淡黄色を帯びており、黒味はなく透明感が高かった。また波長350nmにおける吸光度が0.04、かつ430nmにおける吸光度は0.01以下であった。
【0038】
<実施例6>
(エポキシ樹脂の合成−3)
実施例5で合成したフェノール樹脂170gを用いた以外は実施例2と同様の操作を行い、223gのエポキシ樹脂を得た。このエポキシ樹脂のエポキシ当量は269であった。得られた樹脂は淡黄色の透明性の高いものであり、波長350nmにおける吸光度が0.04、かつ430nmにおける吸光度は0.01以下であった。
【0039】
<実施例7>
(フェノール樹脂の製造−4)
反応器にフェノールとトルエンを仕込み、160℃に加熱して、トルエンと水分とを共沸させ、系内の水分が100ppm以下になるまで脱水するとともにトルエンを留去した。脱水後のフェノールは850gであった。
液温を70℃にし、三フッ化ホウ素−フェノール錯体を6g(0.61%)添加し均一にした後、液温を70℃に保持しながらジシクロペンタジエン125gを1時間を費やして徐々に滴下した。
滴下終了後、系内の温度を140℃に昇温して3時間攪拌を続け、さらに亜鉛粉末5.5gおよびギ酸5.7gを添加し、140℃に昇温し、さらに3時間攪拌を続け、反応液が濃赤褐色から橙色に変化したことを確認した。
反応終了後、70℃に冷却して、ハイドロタルサイト(商品名:キョーワード1000、協和化学(株)製)を15g添加し、70℃の条件下で1時間攪拌して触媒を失活させた。次いで濾過操作を行って失活剤および亜鉛粉末を除去した。得られた濾過液を減圧蒸留濃縮し、フェノール樹脂270gを得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点は89℃であった。また、フェノール性水酸基当量は170であった。樹脂は全体的に橙色を帯びており、黒味はなかった。また波長350nmにおける吸光度は0.42、かつ430nmにおける吸光度は0.01以下あった。
【0040】
<実施例8>
(エポキシ樹脂の合成−4)
実施例7で合成したフェノール樹脂170gを用いた以外は実施例2と同様の操作を行い、218gのエポキシ樹脂を得た。このエポキシ樹脂のエポキシ当量は267であった。得られた樹脂は淡黄色の透明性の高いものであり、波長350nmにおける吸光度が0.33、かつ430nmにおける吸光度は0.01以下であった。
【0041】
<比較例1>
(フェノール樹脂の合成−5)
反応器にフェノールとトルエンとを仕込み、実施例1と同様の共沸脱水を行った。脱水後のフェノールは760gであった。次いで、三フッ化ホウ素−フェノール錯体を6.0g(0.2%)添加し、ジシクロペンタジエン135gを滴下して、実施例1と同様の操作を行った結果、290gのフェノール樹脂を得た。
このフェノール樹脂の軟化点は90.0℃であり、水酸基当量は168であった。得られた樹脂は黒褐色を呈しており透明性はかなり低かった。また、吸光度を測定したところ波長350nmにおける吸光度は1.85、かつ430nmにおける吸光度は1.13であった。
【0042】
<比較例2>
(エポキシ樹脂の合成−5)
比較例1で合成したフェノール樹脂168gを用いた以外は実施例2と同様の操作を行い、220gのエポキシ樹脂を得た。このエポキシ樹脂のエポキシ当量は266であった。得られた樹脂は茶褐色を呈しておりほとんど透明性がないものであった。また波長350nmにおける吸光度が1.11、かつ430nmにおける吸光度は0.73であった。
【0043】
以上、実施例1〜8ならびに比較例1および2で得られたフェノール樹脂およびエポキシ樹脂について吸光度、色相および透明性を測定した結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0003893423
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、還元性金属化合物と活性水素の共存下に、ヒドロキシル基含有芳香族化合物と不飽和環状炭化水素化合物とを酸触媒により反応させて得られるフェノール樹脂は、2%ジオキサン溶液において、波長350nmにおける吸光度が0.5以下であり、耐湿性、耐熱性、耐クラック性に加えて、色相が優れているために、成形物の外観やマーキング性能等が良好である。また紫外吸光特性が良好であり、ソルダーレジスト等の感光性樹脂としての用途に適している。
また、上記の方法により得られるフェノール樹脂を常法によりグリシジル化して得られるエポキシ樹脂は、耐湿性および電気特性に著しく優れているため、これを用いて得られる硬化物は耐湿性に優れ、半導体用樹脂、プリント配線基板用積層板、粉体塗料、ブレーキシュー等として有用である。また、2%ジオキサン溶液の波長350nmにおける吸光度が0.5以下であり色相に優れているために、成形物の外観やマーキング性能等が良好である。さらに紫外吸光特性が良好であり、ソルダーレジスト等の感光性樹脂として有用である。
さらに本発明の方法により得られるフェノール樹脂やエポキシ樹脂は、色相において赤味や黒味が少なく、かつ目視による透明性も高いので、製品外観に優れており商品価値が高い。

Claims (5)

  1. ヒドロキシル基含有芳香族化合物と不飽和環状炭化水素化合物とを、還元性金属化合物との共存下において、酸触媒を用いて反応させた後、触媒を失活し、次いで触媒、前記金属化合物および未反応のヒドロキシル基含有芳香族化合物を除去することを特徴とする色相の良好なフェノール樹脂の製造方法。
  2. ヒドロキシル基含有芳香族化合物と不飽和環状炭化水素化合物とを、酸触媒を用いて反応させる工程において、還元性金属化合物および活性水素源を共存させることを特徴とする請求項1に記載の色相の良好なフェノール樹脂の製造方法。
  3. 前記酸触媒が三弗化ホウ素系のフリーデル−クラフツ触媒であることを特徴とする請求項1または2に記載のフェノール樹脂の製造方法。
  4. 前記ヒドロキシル基含有芳香族化合物が1価もしくは2価のフェノールまたはビスフェノールであり、前記不飽和環状炭化水素化合物がジシクロペンタジエンであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフェノール樹脂の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の方法により得られたフェノール樹脂を、塩基触媒を用いてエピハロヒドリンと反応させ、その後触媒および未反応のエピハロヒドリンを除去することを特徴とする色相の良好なエポキシ樹脂の製造方法。
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