JP3891786B2 - 内燃機関の吸気制御装置 - Google Patents

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気制御装置に関し、特に吸気通路の経時変化を補償するための吸気制御構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用エンジン等の車載内燃機関では、吸気通路を介して燃焼室内に吸入される吸入空気と、燃料噴射弁から噴射される燃料とを混合して混合気を形成し、その混合気を燃焼室内で燃焼させることで駆動力を得ている。また、こうした内燃機関の吸気通路には、燃焼室に吸入される吸入空気の量を調量するためのスロットルバルブが設けられており、このスロットルバルブによる吸入空気量の調量を通じて内燃機関の出力が調整されるようになる。そして近年は、同機関のアイドル運転時においても、このスロットルバルブを通じてそのときの回転速度、すなわちアイドル回転速度を目標とする回転速度に制御する装置が実用化されている。このような装置では通常、上記スロットルバルブの開度も、モータ等によって電気的に制御される。
【0003】
ところで、上記内燃機関では、例えば特開平11―336592号公報等にも記載されているように、燃料や潤滑油等の炭化物や酸化物、いわゆるデポジットが吸気通路の内壁面に付着したり堆積したりすることがあった。このようにデポジットが付着したり堆積したりすると、吸気通路の有効断面積が小さくなる。そのため、スロットルバルブの開度が同一である場合、デポジットが前記内壁面に付着したり堆積したりしていると、同デポジットの無い状態と比べて、燃焼室内に吸入される空気の量が減少し、同燃焼室内に充填される混合気の量が減少する。そして特に、上記装置のようにスロットルバルブによってアイドル回転速度を制御するものにあってはこうした問題も深刻であり、同スロットルバルブが全閉状態近くとなるアイドル運転時には、こうして混合気の量が減少することでアイドル回転速度が不安定になりやすく、車両の乗員にとって不快な振動が生じたり、エンジンストールが起こりやすくなったりする。
【0004】
そこで従来は、上記アイドル回転速度の制御に際し、上記目標回転速度に対する吸入空気量の過不足に応じてスロットルバルブの開度を補正するとともに、その開度補正値を学習値として電子制御ユニット(ECU)内部のメモリに記憶し、この記憶した学習値に基づくスロットルバルブの開度補正を併せて行うことで、上述したデポジットに起因する吸気通路の経時変化に対処するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば前記ECUに対するバッテリからの電力供給が停止したりするようなことがあると、その内部のメモリに記憶された前記学習値が不用意に初期化され、スロットルバルブの開度を内燃機関の始動に適した値に設定することができなくなることがある。そしてこのとき、前記デポジットが吸気通路の内壁面に付着したり堆積したりした状態であると、機関始動に必要な吸入空気量を確保することができなくなるおそれがある。こうして必要な吸入空気量を確保することができなかった場合には、内燃機関の始動後すぐに停止したり、あるいは、車両のアクセルペダルを踏み続けて吸入空気量を増量させ続けなければ内燃機関の運転状態を維持することが困難になったりする。
【0006】
なお、上記スロットルバルブによってアイドル回転速度を制御する装置に限らず、スロットルバルブを迂回するように設けられたバイパス通路の通路面積をISCV(アイドルスピードコントロールバルブ)にて調整することでアイドル回転速度を制御する装置にあっても、同ISCVが上記目標回転速度のもとに電気的に開度制御されるものにあっては、こうした実情も概ね共通したものとなっている。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、デポジットの付着・堆積に起因する吸気通路の経時変化に対し、その始動も含めてより確実な機関運転を可能とする内燃機関の吸気制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段及びその作用効果について以下に記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の吸気通路に同機関のアイドル運転時の吸入空気量を調量するための調量弁を備え、該調量弁をその目標とする機関回転速度に応じて電気的に制御する内燃機関の吸気制御装置において、内燃機関の始動直後のファーストアイドル期間内に内燃機関がストールしたことに基づいて前記吸気通路の経時変化に起因する内燃機関のストールを検出し、該内燃機関のストールが検出された場合は次回の機関始動時の前記調量弁の開度を前記ストール検出時よりも開側に強制制御することを要旨とする。
【0009】
上記構成によれば、前述したような堆積物が吸気通路の内壁面に堆積するなどの経時変化に起因する内燃機関のストールが、内燃機関の始動直後のファーストアイドル期間内に内燃機関がストールしたことに基づいて検出された場合には、次回の機関始動時の調量弁の開度がストール検出時よりも開側に強制的に大きくされる。これにより、次回の機関始動時における内燃機関の燃焼室への吸入空気量が強制増量され、内燃機関のストールを回避することができるようになる。また、アイドル回転速度の制御に際して、前記調量弁の開度補正値の学習を併せて行う場合に、たとえその学習値が初期化されるようなことがあったとしても、こうして調量弁の開度をストール検出時よりも開側に強制的に大きくすることで、機関の始動を確保することができるようになる。なおこの場合、こうして機関の始動が確保されることで、新たに学習も再開されることとなり、以降はこの新たな学習値に基づく機関運転が確保されるようになる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の吸気制御装置において、前記ストールが検出された場合は、前記調量弁の開度を一定の量だけ増量補正することを要旨とする。
【0011】
上記構成によれば、機関始動時に一度はストールしても、次回の機関始動は好適に確保されるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の吸気制御装置において、前記ストールが検出される都度、前記調量弁の強制制御量を段階的に増量することを要旨とする。
【0012】
上記構成によれば、内燃機関のストール後、徐々に調量弁の開度を広げつつ次回以降の始動を試みることができ、いわゆる回転速度の吹き上がり等のないより安定した機関始動が可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の吸気制御装置において、内燃機関がアイドル運転状態に維持されている条件での前記回転速度の推移を監視し、該監視する回転速度の推移に応じて前記調量弁の前記強制制御した制御量を可変とする手段を更に備えることを要旨とする。
【0014】
上記構成によれば、強制制御した制御量を可変とする手段により同制御量を回転速度の推移に応じて増減することで、内燃機関の始動はもとより、その後の機関運転もより安定したものとすることができるようになる。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の吸気制御装置において、内燃機関のアイドル運転時、その目標とする機関回転速度に対する吸入空気量の過不足に応じて前記調量弁の開度を補正するとともにその開度補正値を学習値として記憶更新する手段と、この記憶更新される学習値が許容される適正な範囲に収まるように前記調量弁の前記強制制御した制御量を可変とする手段を更に備えることを要旨とする。
【0016】
上記構成によれば、機関始動時、調量弁の強制制御に伴って上記学習値が適正な範囲外に記憶更新されたとしても、その是正が図られ、同学習値に基づく以後の機関制御をより適正なものとすることができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の内燃機関の吸気制御装置にかかる第1の実施形態を図1及び図2に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1は、本実施形態の吸気制御装置を備えた内燃機関の概略構成を示している。車両(図示略)に搭載された内燃機関10は、シリンダボア11を有するシリンダブロック12と、シリンダヘッド13とを備えている。シリンダボア11内にはピストン14が往復動可能に設けられ、ピストン14とシリンダヘッド13とにより囲まれた空間によって燃焼室15が形成されている。
【0019】
シリンダヘッド13には、各燃焼室15に対応して点火プラグ16が設けられている。また、シリンダヘッド13には、各燃焼室15に通じる吸気ポート17及び排気ポート18がそれぞれ設けられ、これら各ポート17,18には吸気通路19及び排気通路20がそれぞれ接続されている。吸気ポート17及び排気ポート18の燃焼室15に通じる各開口端には、吸気バルブ21及び排気バルブ22がそれぞれ設けられている。各バルブ21,22は、クランクシャフト(図示略)の回転に連動するカムシャフト(図示略)によって開閉される。また、吸気ポート17の近傍には各気筒に対応して燃料噴射用のインジェクタ23がそれぞれ設けられている。各インジェクタ23には燃料タンク(図示略)から燃料ポンプ(図示略)によって所定圧力の燃料が供給されている。
【0020】
また、吸気通路19の途中には、燃焼室15への吸入空気量を調量する電子制御スロットルバルブ(以下、単に「スロットルバルブ」という)24が設けられている。同スロットルバルブ24はモータ25によって開閉制御され、同モータ25は、後述する電子制御ユニット(ECU)40からの出力信号により電気的にその駆動が制御される。また、このスロットルバルブ24の開度はスロットルセンサ25aによってモニタされ、そのモニタ結果がECU40に取り込まれる。
【0021】
一方、内燃機関10の各気筒毎に設けられた点火プラグ16には、ディストリビュータ26にて分配された点火信号が印加される。ディストリビュータ26はイグナイタ27から出力される高電圧をクランクシャフトの回転に同期して各点火プラグ16に分配するためのものである。そして、各点火プラグ16の点火タイミングは、イグナイタ27から高電圧が出力されるタイミングによって決定される。
【0022】
ディストリビュータ26には前記クランクシャフトの回転に連動して回転するロータ(図示略)が内蔵されている。そして、ディストリビュータ26には、そのロータの回転から内燃機関10の回転速度Nを検出するための回転速度センサ28が設けられている。また、内燃機関10に駆動連結された自動変速機(図示略)には、車速センサ29が設けられている。車速センサ29はそのときどきの車両の速度(車速)を検出するとともに、その値を示す信号を出力するようになっている。また、アクセルペダル30には、このアクセルペダル30が踏み込まれているときに「オン」となるアクセルスイッチ31とともに、その踏み込み量に応じた信号を出力するアクセルセンサ31aが設けられている。
【0023】
前記ECU40は、各種制御にかかる処理を実行する中央処理装置(CPU)、所定の制御プログラム等を予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)、前記CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、記憶されたデータを保存するバックアップRAM、及びカウンタ等と、これら各部と外部入力回路及び外部出力回路等とをバスによって接続した論理演算回路として構成されている。
【0024】
前記外部入力回路には、スロットルセンサ25a、回転速度センサ28、車速センサ29、アクセルスイッチ31及びアクセルセンサ31aに加えて、内燃機関10の冷却水の温度、即ち冷却水温を検出する水温センサ32がそれぞれ電気的に接続されている。また、外部出力回路には、上記モータ25の他、インジェクタ23及びイグナイタ27がそれぞれ電気的に接続されている。前記CPUは各センサ25a,28,29,32,31a及びアクセルスイッチ31等の出力信号を外部入力回路を介して入力し、内燃機関10のアイドルスピードコントロール制御(以下、「ISC制御」という)等の各種制御を実行する。
【0025】
ここで、上記ISC制御について説明する。
このISC制御は内燃機関10のアイドル運転時に行われる制御であり、そのアイドル運転時の回転速度Nを目標アイドル回転速度Ntに一致させるべく、吸入空気量の過不足に応じてスロットルバルブ24の開度TAを目標開度TAtに補正することで行われる。また、その開度補正値を学習値として、所定のタイミングでECU40のRAMやバックアップRAMに記憶し、この記憶した学習値に基づくスロットルバルブ24の開度補正を併せて行うことで、前記デポジットに起因する吸気通路の経時変化に対処するようにしている。
【0026】
ところで、前述のように、例えばECU40に対するバッテリ(図示略)からの電力供給が停止したりするようなことがあると、記憶した学習値が不用意に初期化され、スロットルバルブ24の開度TAを内燃機関10の始動に適した値に設定することができなくなることがある。そしてこのとき、デポジットが吸気通路19の内壁面に堆積した状態であると、内燃機関の始動後すぐに停止したり、あるいは、車両のアクセルペダル30を踏み続けて吸入空気量の増量を指示し続けなければ内燃機関10の運転状態を維持することが困難になることがある。
【0027】
そこで本実施形態では、内燃機関10の始動の際、後述する「始動時吸気制御ルーチン」を実行し、内燃機関10のストールを検出する都度、スロットルバルブ24の開度TAを段階的に開側に強制制御するようにしている。
【0028】
では次に、この始動時吸気制御ルーチンについて、図2に示すフローチャートに従って詳細に説明する。なお、このルーチンは、内燃機関10の始動操作が行われる毎に実行される。
【0029】
同図2に示されるように、処理が本ルーチンに移行すると、ECU40はまずステップS100において、内燃機関10が始動されたか否かを判定する。ここでは、内燃機関10の回転速度Nが所定の回転速度N1を超えたことを条件に、内燃機関10の始動がなされたものと判定するようにしている。
【0030】
このステップS100において、内燃機関10の始動がなされたと判定された場合(ステップS100:YES)には、ECU40は、続くステップS101〜ステップS103の処理で判断される条件のいずれかが満たされるか否かを判定する。
【0031】
まずステップS101において、ECU40は、次の3つの条件が全て満たされているか否かを判定する。すなわち、
・前記ステップS100での機関始動の判定が行われてから所定時間t1が経過した。
・前記回転速度Nが低い。例えば、同回転速度Nと目標アイドル回転速度Ntとの差が500rpm以上。
・アクセルスイッチ31が「オフ」である、すなわちアクセルペダル30が踏み込まれていない。
これら3つの条件が全て満たされているかを判定する。ここで、前記所定時間t1は、内燃機関10の始動直後のファーストアイドル期間に相当する時間である。このステップS101において、これら条件を1つでも満たしていないと判定された場合(ステップS101:NO)には、続くステップS102においてECU40は、アクセルペダル30が踏み込まれていない状態で内燃機関10が始動されたか否かを判定する。
【0032】
このステップS102において、内燃機関10の始動時、アクセルペダル30が踏み込まれていたと判定された場合(ステップS102:NO)には、さらに次のステップS103において、前記所定時間t1をまだ経過していないか否かが判定される。そして、これらステップS101〜ステップS103の各処理で判断される条件のいずれかが満たされた場合(ステップS101またはステップS102またはステップS103:YES)には、続くステップS104において、内燃機関10がストールしたか否かが判定される。
【0033】
このステップS104において、内燃機関10がストールしたと判定された場合(ステップS104:YES)には、前記学習値が初期化されているか、若しくは、前記吸気通路19の内壁面に堆積したデポジットによって吸入空気量が著しく低下していると判断し、続くステップS105の処理に移行する。ここで、このように判定するのは、以下の理由による。
【0034】
すなわち、内燃機関10の始動時におけるISC制御では通常、その始動性を向上すべく、経時変化に対する前記学習値も含めて、始動時のスロットルバルブ24の目標開度NAtを始動後の目標開度NAtよりも大きく設定して、吸入空気量を多くするようにしている。このため、内燃機関10の始動直後の前記ファーストアイドル期間は、その回転速度Nが高い状態になっている。しかし、例えばスロットルバルブ24の開度TAが大きく補正される所定時間t1内に内燃機関10がストールした場合も含めて、上記ステップS101あるいはステップS102で肯定判定後、同ストールが検出される場合には、前記学習値が初期化されているか、若しくは吸気通路19の内壁面に堆積したデポジットによって吸入空気量が著しく不足していると推定される。
【0035】
さて、処理がステップS105に移行されると、ECU40は、次式(1)に基づき、内燃機関10の始動時のスロットルバルブ24の開度TAを補正する開度補正量Qに強制制御量Q2を加える。
【0036】
開度補正量Q=その時点での開度補正量Q1+強制制御量Q2 …(1)
なお、この開度補正量Qは、機関無負荷時やDレンヂ(A/T車の場合)等のアイドル状態における実際の回転速度Nとその目標アイドル回転速度Ntとの偏差に応じて学習され、デポジットの堆積に起因する吸入空気量の変化を補償するための項(ISC学習値)と、機関負荷や補機類の作動状態に応じて発生する上記回転速度Nについての偏差を補償するための項との和として算出される。このように機関始動時のスロットルバルブ24の開度補正量Qを強制増量することで、次回の内燃機関10の始動時には、スロットルバルブ24の開度TAが前記強制制御量Q2分だけ開側に強制制御されることとなる。なお、このステップS105において、開度補正量Qが増量されたにも拘わらず、その後の内燃機関10の始動の際、先のステップS101〜ステップS103の処理で判断される条件のいずれかが満たされた状態で内燃機関10がストールした場合には、ステップS105の処理を通じて更に開度補正量Qが増量される。すなわち、本実施形態では、内燃機関10のストールが検出される都度、スロットルバルブ24の開度補正量Qが段階的に増量される。例えば、内燃機関10がストールする毎に、その時点での開度補正量Q1の5〜30%分を強制制御量Q2として、その時点での開度補正量Q1に加算する。なお、強制制御量Q2を加える代わりに、その時点での開度補正量Q1に、例えば1.05〜1.30の範囲の係数を乗算して、その時点での開度補正量Q1を増量するようにしてもよい。
【0037】
そして、このステップS105の処理が行われると、あるいは先のステップS100またはステップS103またはステップS104において「NO」と判定されると、ECU40は本ルーチンを一旦終了して、周知の通常のISC制御を実行する。
【0038】
以上詳述したように、この実施形態にかかる吸気制御装置によれば、以下に示すような優れた効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、デポジットの堆積に起因する内燃機関10のストールを検出したことに基づいて、その後の内燃機関10の始動時、スロットルバルブ24の開度TAを開側に強制制御するようにした。このため、内燃機関10の燃焼室15への吸入空気量が増量され、内燃機関のストールを回避することができるようになる。また、ISC制御に際し、スロットルバルブ24の学習値の学習を併せて行う場合に、たとえその学習値が初期化されるようなことがあったとしても、こうしてスロットルバルブ24の開度TAを開側に強制制御することで、内燃機関10の始動を確保することができるようになる。なお、この場合、こうして内燃機関10の始動が確保されることで、新たに学習も再開されることとなり、以降はこの新たな学習値に基づく機関運転が確保されるようになる。
【0039】
(2)本実施形態では、内燃機関10のストールが検出される都度、同内燃機関10の始動時におけるスロットルバルブ24の強制制御量Q2を段階的に増量補正するようにした。このため、内燃機関10のストール後、徐々にスロットルバルブ24の開度を広げつつその始動を試みることができ、いわゆる回転速度Nの吹き上がり等のないより安定した機関始動が可能となる。
【0040】
なお、上記実施形態は、例えば以下のように適宜変更することもできる。
・上記実施形態において、ステップS102での「内燃機関10の始動時、アクセルペダル30が踏み込まれていたか否か」の判定、及びステップS103での「所定時間t1をまだ経過していないか否か」の判定の少なくとも一方を省略してもよい。
【0041】
・また、上記実施形態では、ステップS101での3つの条件、すなわち「ステップS100での機関始動の判定が行われてから所定時間t1が経過したか否か」、「回転速度Nが低いか否か」そして「アクセルペダル30が踏み込まれていないか否か」、または上記ステップS102の条件またはステップS103の条件のいずれかが満たされた状態で内燃機関10のストールを検出した場合に、学習値が初期化されているか、若しくは吸気通路19の内壁面に堆積したデポジットによって吸入空気量が著しく低下しているという判断をするようにした。しかし、この判断に用いられる条件は、これらステップS101〜ステップS103の条件には限定されない。要は、内燃機関10のストールが吸気通路19の経時変化に起因するものであることが推定される条件であればよい。
【0042】
・また、上記実施形態では、内燃機関10のストールが検出される都度、強制制御量Q2を段階的に増量するようにした。しかし、同強制制御量Q2を、内燃機関10のストールが検出されることに基づいて所定の量だけ増量するようにしてもよい。
【0043】
・またその際、この増量する所定の量をそのときの排気圧や水温等に応じて補正あるいは変更するようにしてもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の内燃機関の吸気制御装置にかかる第2の実施形態を図3〜図8に基づいて、前記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、本実施形態において、内燃機関10及びその周辺の構成は先の図1と同様である。
【0044】
この第2の実施形態では、後述する「始動時吸気制御ルーチン」により、内燃機関10のアイドル運転時の回転速度Nの推移を監視し、その回転速度Nの推移に応じて例えば上記第1の実施形態で増量した開度補正量Qを増量補正あるいは減量補正するようにしている。また、同じく「始動時吸気制御ルーチン」により、前記記憶更新するISC学習値が、許容される適正な範囲に収まらなくなった場合、その適正な範囲にISC学習値が収まるように、開度補正量Qを増量補正あるいは減量補正するようにしている。
【0045】
では次に、この始動時吸気制御ルーチンについて、図3〜図8に示すフローチャートに従って詳細に説明する。なお、このルーチンは、内燃機関10のアイドル運転時において所定の制御周期をもって繰り返し実行される。
【0046】
同図3〜図8に示されるように、処理が本ルーチンに移行すると、ECU40はまずステップS200において、内燃機関10がアイドル運転状態に移行するアイドル条件が成立しているか否かを判定する。ここでは例えば、
・前記アクセルスイッチ31が「オフ」か。
・前記車速センサ29により検出された車速が所定値未満か。
・前記ステップS100での始動判定がなされているか。
・前記ステップS100での始動判定が行われてから所定時間が経過したか。
といった条件が全て満たされている場合にアイドル条件が成立していると判定される。ここで、アイドル条件が成立している場合(ステップS200:YES)には、続くステップS201においてECU40は、前記増量した開度補正量Qを更に増量補正する増量補正実行中でないか否かを判定する。
【0047】
このステップS201において、現在、開度補正量Qの増量補正実行中でないと判定された場合(ステップS201:YES)には、ECU40は、まずステップS202において、内燃機関10の回転速度Nが所定の回転速度N2(例えば目標アイドル回転速度Nt−200rpm)未満であるか否かを判定する。このステップS202において、回転速度Nが所定の回転速度N2以上であると判定された場合(ステップS202:NO)には、ステップS203においてECU40は、前記ISC学習値がその上限値Q1U以上、すなわち同ISC学習値が上限値Q1Uに張付いているか否かを判定する。ここで、この上限値Q1Uは、内燃機関10のアイドル運転時の回転速度Nが過剰に高くされるのを防ぐため予め設定された上記開度補正量Qのガード値である。
【0048】
これらステップS202及びステップS203で判定される条件の少なくとも一方が満たされている場合(ステップS202またはステップS203:YES)には、次のステップS204において、それら条件の一方が満たされるようになってから所定時間t2(外乱を含まない正常値で判定されたことを確認するための時間)が経過したか否かが判定される。ここで、上記所定時間t2が経過したと判定された場合(ステップS204:YES)には、ECU40は、吸入空気量不足であると判断し、続くステップS205において前記増量した開度補正量Qを所定の補正量をもって更に増量補正すべく、「増量補正要求」を出力する。そして、この「増量補正要求」を出力した後、あるいは、先の各ステップS200,S201,S203,S204のいずれかにおいて「NO」と判断されると、ECU40は処理を図4に示される次のステップS206に移行する。
【0049】
処理がこのステップS206に移行すると、ECU40は、前記アイドル条件が成立しているか否かを再び判定する。ここで、アイドル条件が成立している場合(ステップS206:YES)には、続くステップS207においてECU40は、前記増量した開度補正量Qを減量補正する減量補正実行中でないか否かを判定する。
【0050】
このステップS207において、現在、開度補正量Qの減量補正実行中でないと判定された場合(ステップS207:YES)には、ECU40は、まずステップS208において、内燃機関10の回転速度Nが所定の回転速度N3(例えば目標アイドル回転速度Nt+300rpm)以上であるか否かを判定する。このステップS208において、回転速度Nが所定の回転速度N3未満であると判定された場合(ステップS208:NO)には、ステップS209においてECU40は、ISC学習値がその下限値Q1L以下、すなわち同ISC学習値が下限値Q1Lに張付いているか否かを判定する。ここで、この下限値Q1Lは、内燃機関10のアイドル運転時の回転速度Nが低くなり過ぎて、内燃機関10がストールするのを抑制するために予め設定されたガード値である。
【0051】
これらステップS208及びステップS209で判定される条件の少なくとも一方が満たされた場合(ステップS208またはステップS209:YES)には、次のステップS210において、それら条件の一方が満たされるようになってから所定時間t3が経過したか否かが判定される。ここで、上記所定時間t3が経過したと判定された場合(ステップS210:YES)には、ECU40は、吸入空気量過剰であると判断し、続くステップS211において前記増量した開度補正量Qを所定の補正量をもって減量補正すべく、「減量補正要求」を出力する。そして、この「減量補正要求」が出力した後、あるいは、先の各ステップS206,S207,S209,S210のいずれかにおいて「NO」と判断されると、ECU40は処理を図5に示される次のステップS212に移行する。
【0052】
処理がこのステップS212に移行すると、ECU40は、前記アイドル条件が成立しているか否かを再び判定する。ここで、アイドル条件が成立している場合(ステップS212:YES)には、続くステップS213においてECU40は、内燃機関10の暖機運転が完了しているか否かを判定する。ここでは、前記水温センサ32により検出される冷却水の温度が所定温度、例えば80℃以上になったことを条件に、内燃機関10の暖機運転が完了したと判定するようにしている。
【0053】
このステップS213において、内燃機関10の暖機運転が完了していると判定された場合(ステップS213:YES)には、続くステップS214においてECU40は、内燃機関10の回転速度Nが所定範囲内にあるか否かを判定する。ここで、内燃機関10の回転速度Nが所定範囲内にあると判定された場合(ステップS214:YES)には、ECU40は、まずステップS215において、上記ISC学習値が所定範囲内にあるか否かを判定する。ここで、ISC学習値が所定範囲内にないと判定された場合(ステップS215:NO)には、次のステップS216においてECU40は、フィードバック値Q3が所定値q1未満であり、且つISC学習値が前記下限値Q1Lであるか否かを判定する。ここで、フィードバック値Q3は、内燃機関10のアイドル運転時の回転速度Nと前記目標アイドル回転速度Ntとの偏差である。なお、このフィードバック値Q3は、前記水温センサ32により検出される冷却水の温度が、例えば80℃以上であるときに求められる。
【0054】
このステップS216において、フィードバック値Q3が所定値q1以上、またはISC学習値が下限値Q1Lより上にある場合(ステップS216:NO)には、次のステップS217においてECU40は、フィードバック値Q3が所定値q2より上にあり、且つISC学習値が前記上限値Q1Uであるか否かを判定する。
【0055】
これらステップS215〜ステップS217で判定される条件のいずれかが満たされた場合(ステップS215またはステップS216またはステップS217:YES)には、次のステップS218において、それら条件のいずれかが満たされるようになってから所定時間t4が経過したか否かが判定される。ここで、上記所定時間t4が経過したと判定された場合(ステップS218:YES)には、続くステップS219においてECU40は、前記増量した開度補正量Qの増量補正及び減量補正をそれ以後禁止すべく、「補正禁止要求」を出す。
【0056】
このステップS219において「補正禁止要求」が出力された後、あるいは、先のステップS212,S213,S214,S217,S218のいずれかにおいて「NO」と判断されると、ECU40は処理を図6に示される次のステップS220に移行する。
【0057】
処理がこのステップS220に移行すると、ECU40は、前記アイドル条件が成立しているか否かを再び判定する。ここで、アイドル条件が成立している場合(ステップS220:YES)には、続くステップS221においてECU40は、前記増量した開度補正量Qを増量補正する増量補正の実行中であるか否かを判定する。
【0058】
このステップS221において、現在、強制制御量Q2の増量補正が実行中であると判定された場合(ステップS221:YES)には、次のステップS222においてECU40は、以下の2つの条件の少なくとも一方が満たされているか否かを判定する。すなわち、
・先のステップS219の処理での「補正禁止要求」が出されているか。
・内燃機関10の回転速度Nが所定の回転速度N4(例えば目標アイドル回転速度Nt−50rpm)以上であるか。
これら2つの条件の少なくとも一方が満たされるか否かを判定する。そして、このステップS221において、これら2つの条件の一方が満たされると判定された場合(ステップS222:YES)には、続くステップS223においてECU40は、上記「補正禁止要求」有りを判断されてから、あるいは内燃機関10の回転速度Nが所定の回転速度N4以上であると判断されてから所定時間t5が経過したか否かを判断する。
【0059】
このステップS223において、所定時間t5が経過したと判定された場合(ステップS223:YES)には、続くステップS224においてECU40は、現在実行されている開度補正量Qの増量補正を中止する。このステップS224において、開度補正量Qの増量補正が中止された後、あるいは、先の各ステップS220,S221,S222,S223のいずれかにおいて「NO」と判断されると、ECU40は処理を図7に示される次のステップS225に移行する。
【0060】
処理がこのステップS225に移行すると、ECU40は、前記アイドル条件が成立しているか否かを再び判定する。ここで、アイドル条件が成立している場合(ステップS225:YES)には、続くステップS226においてECU40は、前記増量した開度補正量Qを減量補正する減量補正の実行中であるか否かを判定する。
【0061】
このステップS226において、現在、強制制御量Q2の減量補正が実行中であると判定された場合(ステップS226:YES)には、次のステップS227においてECU40は、以下の2つの条件の少なくとも一方が満たされているか否かを判定する。すなわち、
・先のステップS219の処理での「補正禁止要求」が出されているか。
・内燃機関10の回転速度Nが所定の回転速度N5(例えば目標アイドル回転速度Nt+50rpm)未満であるか。
これら2つの条件の少なくとも一方が満たされるか否かを判定する。そして、このステップS227において、これら2つの条件の一方が満たされると判定された場合(ステップS227:YES)には、続くステップS228においてECU40は、上記「補正禁止要求」有りと判断されてから、あるいは内燃機関10の回転速度Nが所定の回転速度N5未満であると判断されてから、所定時間t6が経過したか否かを判断する。
【0062】
このステップS228において、所定時間t6が経過したと判定された場合(ステップS228:YES)には、続くステップS229においてECU40は、現在実行されている開度補正量Qの減量補正を中止する。このステップS229において、開度補正量Qの減量補正が中止された後、あるいは、先の各ステップS225,S226,S227,S228のいずれかにおいて「NO」と判断されると、ECU40は処理を図8に示される次のステップS230に移行する。
【0063】
処理がこのステップS230に移行すると、ECU40は、内燃機関10の始動判定がなされているか否かを判定する。ここで、この始動判定がなされている場合(ステップS230:YES)には、ECU40は、まずステップS231において、前記ISC学習値の学習タイミングが所定回数以上到来したか否かを判定する。ここで、この学習タイミングとしては、例えば、内燃機関10が始動されてから所定時間経過後、内燃機関10がアイドル運転状態になってから所定時間経過後等が挙げられる。
【0064】
このステップS231において、上記学習タイミングのカウント値が所定回数未満であると判定された場合(ステップS231:NO)には、ステップS232においてECU40は、上記冷却水の温度を参照して、内燃機関10の暖機が完了する前か否かを判定する。このステップS232において、内燃機関10の暖機が完了する前であると判定された場合(ステップS232:YES)には、続くステップS233において更にECU40は、内燃機関10の暖機完了前と判断されてから所定時間t7が経過したか否かを判断する。
【0065】
これらステップS231で判断される条件か、あるいはステップS232とステップS233との両処理で判断される各条件の双方が満たされた場合(ステップS231:YES、または、ステップS232;YES且つステップS233:YES)には、ECU40は処理をステップS234に移行する。
【0066】
このステップS234においてECU40は、先のステップS205の処理での「増量補正要求」が出力されているか否かを判断する。ここで、「増量補正要求」が出力されていると判断された場合(ステップS234:YES)には、続くステップS235においてECU40は、上記開度補正量Qを更に増量補正する。
【0067】
一方、このステップS234で「NO」と判定された場合には、次のステップS236においてECU40は、先のステップS211の処理での「減量補正要求」が出力されているか否かを判断する。ここで、「減量補正要求」が出力されていると判断された場合(ステップS236:YES)には、続くステップS237においてECU40は、上記開度補正量Qを減量補正する。
【0068】
他方、このステップS236で「NO」と判断された場合、あるいは、先の各ステップS230,S232,S233のいずれかにおいて「NO」と判断された場合にはいずれも処理を一旦終了する。
【0069】
以上、本実施形態の吸気制御装置により実施される「始動時吸気制御ルーチン」についてその各処理を説明した。次に、以下の4つの場合におけるISC制御の処理手順について、この「始動時吸気制御ルーチン」に基づき簡単に説明する。ここで、4つの場合とは、すなわち、
(イ)増量した開度補正量Qでは吸入空気量が不足であった場合、
(ロ)増量した開度補正量Qにより吸入空気量が過剰になった場合、
(ハ)前記吸気通路19の経時変化に起因してISC学習値が大きくなった場合、
(ニ)前記吸気通路19の経時変化に起因してISC学習値が小さくなった場合、
である。まず(イ)増量した開度補正量Qでは吸入空気量が不足であった場合について説明する。
【0070】
この場合では、内燃機関10のアイドル運転時、吸入空気量が不足しているために内燃機関10の回転速度Nが減少する。その際、同回転速度Nが前記所定の回転速度N2未満になる(ステップS202:YES)と、開度補正量Qについてその「増量補正要求」が出力される(ステップS205)。そして、内燃機関10の暖機が完了する前であって(ステップS232:YES)、且つ内燃機関10の暖機が完了することなく所定時間t7が経過する(ステップS233:YES)と、開度補正量Qの増量補正が実行される(ステップS235)。このように開度補正量Qの増量補正が実行されると、スロットルバルブ24の開度TAが開側に補正されるために吸入空気量が増量され、これに伴って内燃機関10の回転速度Nも上昇するようになる。
【0071】
そして、この増量補正の実行中(ステップS221:YES)に、内燃機関10の回転速度Nが所定の回転速度N4以上となる(ステップS222:YES)と、この開度補正量Qの増量補正が中止される(ステップS224)。
【0072】
次に、(ロ)増量した開度補正量Qにより吸入空気量が過剰になった場合について説明する。
この場合では、内燃機関10のアイドル運転時、吸入空気量が過剰であるために内燃機関10の回転速度Nが上昇する。その際、同回転速度Nが前記所定の回転速度N3以上になる(ステップS208:YES)と、開度補正量Qについてその「減量補正要求」が出力される(ステップS211)。そして、内燃機関10の暖機が完了することなく所定時間t7が経過する(ステップS232,S233:YES)と、開度補正量Qの減量補正が実行される(ステップS237)。このように開度補正量Qの減量補正が実行されると、スロットルバルブ24の開度TAが閉側に補正されるために吸入空気量が減量され、これに伴って内燃機関10の回転速度Nも低下するようになる。
【0073】
そして、この減量補正の実行中(ステップS226:YES)に、内燃機関10の回転速度Nが所定の回転速度N5未満となる(ステップS227:YES)と、開度補正量Qの減量補正が中止される(ステップS229)。
【0074】
これら(イ)、(ロ)の各場合のように、本実施形態では、内燃機関10がアイドル運転状態に維持されている条件での回転速度Nを監視し、この監視する回転速度Nの推移に応じて、スロットルバルブ24の開度TAを補正する開度補正量Qを増量補正または減量補正するようにしている。
【0075】
次に、(ハ)前記吸気通路19の経時変化に起因してISC学習値が大きくなった場合について説明する。
この場合では、内燃機関10のアイドル運転時においてISC学習値がその上限値Q1U以上になる(ステップS203:YES)と、開度補正量Qの「増量補正要求」が出力される(ステップS205)。そして、ISC学習値の学習タイミングが所定回数以上カウントされる(ステップS231:YES)と、開度補正量Qの増量補正が実行される(ステップS235)。これによりスロットルバルブ24の開度TAが開側に補正されるために吸入空気量が増量され、これに伴って内燃機関10の回転速度Nも上昇するようになる。そして、その回転速度Nが目標アイドル回転速度Ntに近づくにつれて、フィードバック値Q3が小さくなり、これに伴ってISC学習値が記憶更新される度に同ISC学習値が小さくされる。
【0076】
その後、ISC学習値が所定の範囲内に収まる(ステップS215:YES)か、ISC学習値がその上限値Q1Uと一致して、且つフィードバック値Q3が所定値q2より大きくなる(ステップS217:YES)かすると、開度補正量Qの「補正禁止要求」が出力される。そして、この「補正禁止要求」が出力されたことに基づいて、開度補正量Qの増量補正が中止される(ステップS224)。
【0077】
次に、(ニ)前記吸気通路19の経時変化に起因してISC学習値が小さくなった場合について説明する。
この場合では、内燃機関10のアイドル運転時においてISC学習値がその下限値Q1L以下になる(ステップS209:YES)と、開度補正量Qの「減量補正要求」が出力される(ステップS211)。そして、ISC学習値の学習タイミングが所定回数以上カウントされる(ステップS231:YES)と、開度補正量Qの減量補正が実行される(ステップS237)。これによりスロットルバルブ24の開度TAが閉側に補正されるために吸入空気量が減量され、これに伴って内燃機関10の回転速度Nも低下するようになる。そして、その回転速度Nが目標アイドル回転速度Ntに近づくにつれて、フィードバック値Q3が大きくなり、これに伴ってISC学習値が記憶更新される度に同ISC学習値が大きくされる。
【0078】
その後、ISC学習値が所定の範囲内に収まる(ステップS215:YES)か、ISC学習値がその下限値Q1Lと一致して、且つフィードバック値Q3が所定値q1より小さくなる(ステップS216:YES)かすると、開度補正量Qの「補正禁止要求」が出力される。そして、この「補正禁止要求」が出力されたことに基づいて、開度補正量Qの減量補正が中止される(ステップS229)。
【0079】
これら(ハ)、(ニ)の各場合のように、本実施形態では、記憶更新されるISC学習値が、許容される適正な範囲に収まるようにスロットルバルブ24の強制制御量Q2を増量補正または減量補正するようにしている。
【0080】
以上詳述したように、この実施形態にかかる吸気制御装置によれば、前記第1の実施形態における(1)及び(2)の効果に加えて、以下に示すような優れた効果が得られるようになる。
【0081】
(3)本実施形態では、内燃機関10の回転速度Nの推移に応じて、増量した開度補正量Qを増量補正または減量補正するようにした。このため、内燃機関10の始動はもとより、その後の機関運転もより安定したものとすることができるようになる。
【0082】
(4)本実施形態では、許容される適正な範囲にISC学習値が収まるように、開度補正量Qを増量補正または減量補正するようにした。このため、機関始動時、スロットルバルブ24の強制制御に伴ってISC学習値が適正な範囲外に記憶更新されたとしても、その是正が図られ、同ISC学習値に基づく以後のISC制御をより適正なものとすることができるようになる。
【0083】
なお、上記第2の実施形態は、例えば以下のように適宜変更することもできる。
・上記実施形態において、前記吸気通路19の経時変化に起因する回転速度Nの異常低下を検出し、その回転速度Nの異常低下が検出されることに基づいて、前記スロットルバルブ24の開度TAを開側に強制制御するようにしてもよい。このようにした場合には、例えば図9に示す態様で、次の処理が上記「始動時吸気制御ルーチン」の各処理に加えられる。すなわち、同図9に示すように、ステップS205の処理が実行された後ステップS206の処理の前にステップS240,S241の各処理が実行される。また、この場合、ステップS232で判断される条件が「内燃機関10の暖機完了前か、または「低回転異常増量補正要求」が出力されているか」に変更される。
【0084】
そして、この変更例では、ステップS205において「増量補正要求」が出力されると、続くステップS240においてECU40は、内燃機関10の回転速度Nが所定の回転速度以下である低回転以上か否かを判定する。ここで、低回転異常であると判定される(ステップS240:YES)と、続くステップS241においてECU40は、「低回転異常増量補正要求」を出力する。そして、このステップS241において「低回転異常増量補正要求」が出力された後、あるいはステップS240において「NO」と判定されると、ECU40は次のステップS206に処理を移行する。
【0085】
その他、前記各実施形態に共通した変更可能な要素としては、以下のようなものがある。
・上記各実施形態では、ISC学習値を記憶更新する吸気制御装置の例を示したが、このISC学習値を記憶更新しない吸気制御装置であっても、本発明を同様に適用することができる。
【0086】
・上記各実施形態では、電子制御スロットルバルブ24によってアイドル回転速度を制御する装置の例を示した。しかし、本発明は、スロットルバルブを迂回するように設けられたバイパス通路の開度をアイドルスピードコントロールバルブ(ISCV)にて調整することでアイドル回転速度を制御する装置にあって、そのISCVが目標アイドル回転速度のもとに電気的に開度制御されるものであれば同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の実施形態の吸気制御装置が適用される内燃機関の概略構成図。
【図2】同第1の実施形態の「始動時吸気制御ルーチン」の処理手順を示すフローチャート。
【図3】第2の実施形態の「始動時吸気制御ルーチン」の処理手順を示すフローチャート。
【図4】同じく「始動時吸気制御ルーチン」の処理手順を示すフローチャート。
【図5】同じく「始動時吸気制御ルーチン」の処理手順を示すフローチャート。
【図6】同じく「始動時吸気制御ルーチン」の処理手順を示すフローチャート。
【図7】同じく「始動時吸気制御ルーチン」の処理手順を示すフローチャート。
【図8】同じく「始動時吸気制御ルーチン」の処理手順を示すフローチャート。
【図9】他の例の「始動時吸気制御ルーチン」の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…内燃機関、11…シリンダボア、12…シリンダブロック、13…シリンダヘッド、14…ピストン、15…燃焼室、16…点火プラグ、17…吸気ポート、18…排気ポート、19…吸気通路、20…排気通路、21…吸気バルブ、22…排気バルブ、23…インジェクタ、24…電子制御スロットルバルブ、25…モータ、25a…スロットルセンサ、26…ディストリビュータ、27…イグナイタ、28回転速度センサ…、29車速センサ…、30…アクセルペダル、31…アクセルスイッチ、31a…アクセルセンサ、32…水温センサ、40…電子制御ユニット(ECU)。

Claims (5)

  1. 内燃機関の吸気通路に同機関のアイドル運転時の吸入空気量を調量するための調量弁を備え、該調量弁をその目標とする機関回転速度に応じて電気的に制御する内燃機関の吸気制御装置において、
    内燃機関の始動直後のファーストアイドル期間内に内燃機関がストールしたことに基づいて前記吸気通路の経時変化に起因する内燃機関のストールを検出し、該内燃機関のストールが検出された場合は次回の機関始動時の前記調量弁の開度を前記ストール検出時よりも開側に強制制御する
    ことを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。
  2. 前記ストールが検出された場合は、前記調量弁の開度を一定の量だけ増量補正する
    請求項1記載の内燃機関の吸気制御装置。
  3. 前記ストールが検出される都度、前記調量弁の強制制御量を段階的に増量する
    請求項1記載の内燃機関の吸気制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の吸気制御装置において、
    内燃機関がアイドル運転状態に維持されている条件での前記回転速度の推移を監視し、該監視する回転速度の推移に応じて前記調量弁の前記強制制御した制御量を可変とする手段を更に備える
    ことを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の吸気制御装置において、
    内燃機関のアイドル運転時、その目標とする機関回転速度に対する吸入空気量の過不足に応じて前記調量弁の開度を補正するとともにその開度補正値を学習値として記憶更新する手段と、この記憶更新される学習値が許容される適正な範囲に収まるように前記調量弁の前記強制制御した制御量を可変とする手段を更に備える
    ことを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。
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