JP3889153B2 - ディスク装置 - Google Patents
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- G11B25/00—Apparatus characterised by the shape of record carrier employed but not specific to the method of recording or reproducing, e.g. dictating apparatus; Combinations of such apparatus
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- G11B33/1486—Control/regulation of the pressure, e.g. the pressure inside the housing of a drive
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は呼吸フィルタ保護機構を具備したディスク装置に関する。
近年、コンピュータ用外部記憶装置の一種である磁気ディスク装置の小型化、薄型化が進んでおり、更に低消費電力化が求められている。一方、大容量化のために磁気ディスクの記録密度の向上が要求され、装置に搭載する磁気ディスクの枚数が増加している。
【０００２】
【従来の技術】
コンピュータ用磁気ディスク装置では、ヘッドと磁気ディスクとの関係はコンタクト・スタート・ストップ（ＣＳＳ）方式が一般的に採用されている。この方式では、ディスク回転中においては、高速回転により発生する空気流体による浮上力とヘッドをディスクに押し付けるサスペンションの力のバランスで、ヘッドは磁気ディスク上を微小な間隙を保って浮上する。
【０００３】
ディスクの回転が停止すると、ヘッドはディスク上の接触可能領域へ移動し、そこでヘッドとディスクが接触する。ディスクが回転停止中は、ヘッドとディスクは接触したままである。
【０００４】
このようにディスク回転中は、ヘッドがディスク上を微小な間隙を保って浮上するため、僅かな塵埃等が原因でヘッドクラッシュ等が発生する。このため、磁気ディスク及びこれらの磁気ディスクにデータの書き込み／読み出しをする磁気ヘッドはディスクエンクロージャ（ハウジング）内に画成された密閉室内に配置される。
【０００５】
しかし、磁気ディスク装置内部の密閉を長期間保つことは困難であり、また温度変化等に起因する装置内部の圧力変動によって磁気ヘッドの浮上量が変化する。
【０００６】
これを防止するために、磁気ディスク装置のカバーに微小な呼吸穴（通気口）を設け、磁気ディスク装置内部の圧力を外部の圧力と概略等しくなるようにしている。
【０００７】
微小な呼吸穴には通常呼吸フィルタが取り付けられ、この呼吸フィルタで塵埃が装置外部から内部に侵入するのを防止するとともに、装置内部の圧力と外部の大気圧とが概略等しくなるようにしている。
【０００８】
従来の磁気ディスク装置の呼吸フィルタは、磁気ディスク装置内部の圧力と外部の大気圧を概略等しく保てるように空気を通過させる機能と、外気内に含まれる塵埃を通過させない機能のみを考慮して、不織布等から形成されていた。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
このように呼吸フィルタは不織布等で形成されているため、従来の磁気ディスク装置では蟻などの昆虫が呼吸フィルタを突破し、装置内部に侵入して異常を引き起こすことがあった。
【００１０】
よって本発明の目的は、蟻等の昆虫が呼吸フィルタを通過して装置内部に侵入するのを防止する呼吸フィルタ保護機構を具備したディスク装置を提供することである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、ベースと、呼吸穴を有し該ベースに固定されたカバーとを含んだハウジングと；前記ハウジング内に回転可能に取り付けられた複数のトラックを有するディスクと；前記ディスクにデータのライト／リードを行なうヘッドと；前記ヘッドを前記ディスクのトラックを横切って移動させるアクチュエータと；前記カバーの内側から該カバーに固定された前記呼吸穴を閉鎖する呼吸フィルタと；前記カバーの外側から前記呼吸穴の周りのカバーに互いに間隔を空けて接着された複数の両面接着テープと；前記カバーの外側から前記複数の両面接着テープに接着された板と；を具備したことを特徴とするディスク装置が提供される。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の数多くの実施形態を説明する。各実施形態の説明において、実質的に同一構成部分については同一符号を付して説明する。
【００１６】
図１を参照すると、第１実施形態の磁気ディスク装置２Ａの外観図が示されている。ハウジング４はベース６と、ベース６に固定されたカバー８を含んでいる。カバー８には直径約２ｍｍの呼吸穴１０が形成されており、この呼吸穴１０を塞ぐ網３８がカバー８に接着されている。
【００１７】
図２はカバー８を外した状態の磁気ディスク装置の斜視図を示している。ベース６上にはインナーハブモータによって回転駆動される図示しないスピンドルハブが設けられている。
【００１８】
スピンドルハブには磁気ディスク１２と図示しないスペーサが交互に挿入され、ディスククランプ１４をスピンドルハブにネジ締結することにより、複数枚の磁気ディスク１２が所定間隔離間してスピンドルハブに取り付けられる。
【００１９】
符号１６はアクチュエータアームアセンブリ１８と磁気回路２０とから構成されるロータリーアクチュエータを示している。アクチュエータアームアセンブリ１６は、ベース６に固定されたシャフト２２周りに回転可能に取り付けられている。
【００２０】
アクチュエータアームアセンブリ１８は、一方向に伸長したアクチュエータアーム２４と、先端部に磁気ヘッド２６を搭載したサスペンション２８とから構成される。
【００２１】
シャフト２２に対してアクチュエータアーム２４と反対方向には図示しないコイルが支持されており、磁気回路２０と、磁気回路２０のギャップ中に挿入されるコイルとでボイスコイルモータ（ＶＣＭ）３０が構成される。
【００２２】
符号３２は磁気ヘッド２６に書き込み信号を供給したり、磁気ヘッド２６からの読み取り信号を取り出すフレキシブルプリント配線板（ＦＰＣ）を示しており、その一端がアクチュエータアーム２４の側面に固定されている。
【００２３】
図３を参照すると、第１実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図が示されている。カバー８の内側から呼吸穴１０を塞ぐように呼吸フィルタ３４が取り付けシール３６で固定されている。
【００２４】
呼吸フィルタ３４は例えば不織布から形成されている。一方、カバー８の外側から通気を許容しながら呼吸穴１０を閉鎖する網３８が取り付けシール４０で固定されている。
【００２５】
即ち、図４（Ａ）に示された網３８が図４（Ｂ）に示された取り付けシール４０で呼吸穴１０を塞ぐようにカバー８の外側に固定される。図４（Ｃ）は網３８が取り付けシール４０でカバー８に固定された状態の平面図を示している。
【００２６】
網３８は金属又は合成樹脂から形成されており、蟻等の微小な昆虫が侵入できない網目を有している。取り付けシール３６，４０に代えて、両面接着テープで呼吸フィルタ３４及び網３８を固定するようにしてもよい。網３８の直径は１０ｍｍ〜１５ｍｍ程度である。
【００２７】
本実施形態の磁気ディスク装置２Ａでは、呼吸フィルタ３４の取り付けられた呼吸穴１０の外側から通気を許容しながら呼吸穴１０を塞ぐように網３８が取り付けられているので、蟻等の微小な昆虫が呼吸フィルタ３４を破壊するのを有効に防止することができる。
【００２８】
その結果として、呼吸フィルタ３４が呼吸穴１０を介して外気を装置内部に取り込む機能を損なわずに、大気内の塵埃が装置内部に侵入するのを有効に防止することができる。
【００２９】
図５を参照すると、本発明第２実施形態の磁気ディスク装置２Ｂの外観図が示されている。本実施形態の磁気ディスク装置２Ｂは図２に示された第１実施形態と同様な構成部品を有している。
【００３０】
図６は第２実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図を示している。本実施形態では呼吸フィルタ３４と網３８を重ね、網３８がカバー８の内面に接触するように取り付けシール３６で呼吸フィルタ３４及び網３８を呼吸穴１０を塞ぐように同時にカバー８に固定している。
【００３１】
本実施形態でも、上述した第１実施形態と同様な昆虫侵入防止効果がある。第１実施形態でも同様であるが、網３８にアレスリン等の防虫剤を塗布すれば昆虫撃退効果がある。
【００３２】
図７を参照すると、本発明第３実施形態の磁気ディスク装置２Ｃの外観図が示されている。磁気ディスク装置２Ｃは図２に示した第１実施形態と同様な構成部品を有している。
【００３３】
図８を参照すると、第３実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図が示されている。本実施形態では、第１及び第２実施形態の網３８に代えて、呼吸フィルタ保護部材として図９（Ａ）に示した複数の穴４４を有する板４２を使用する。
【００３４】
ここでは、穴４４は幅０．１ｍｍ程度のスリットを示したが、穴４４の形状はスリット状に限定されるものではなく、小さな昆虫の侵入を防止するどのような穴形状であってもよい。板４２は金属又は合成樹脂から形成される。板４２の厚みは０．３ｍｍ〜０．５ｍｍ程度で、直径は１０ｍｍ〜１５ｍｍ程度である。
【００３５】
図９（Ｂ）は板４２を取り付けシール４０でカバー８に取り付けた状態の平面図である。本実施形態も、上述した第１実施形態と同様な昆虫侵入防止効果がある。板４２に防虫剤を塗布すると、昆虫撃退効果がある。
【００３６】
図１０を参照すると、本発明第４実施形態の磁気ディスク装置２Ｄの外観図が示されている。磁気ディスク装置２Ｄは図２に示した第１実施形態と同様な構成部品を有している。
【００３７】
図１１を参照すると、第４実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図が示されている。本実施形態は呼吸フィルタ３４と板４２とを重ね、呼吸穴１０の内側から取り付けシール３６で呼吸フィルタ３４及び板４２を同時にカバー８に固定したものである。本実施形態も第１実施形態と同様に、呼吸穴１０を通しての微小な昆虫の侵入防止効果がある。
【００３８】
図１２を参照すると、本発明第５実施形態の磁気ディスク装置２Ｅの外観図が示されている。磁気ディスク装置２Ｅは図２に示した第１実施形態と同様な構成部品を有している。
【００３９】
図１３を参照すると、第５実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図が示されている。本実施形態は図１４（Ｂ）に示されているような引き剥がしシール５０に貼付された複数の小径の両面接着テープ４８を図１４（Ａ）に示されたような板４６の固定に使用する。
【００４０】
まず、両面接着テープ４８の保護シールを剥がして、板４６に両面接着テープ４８を接着し、引き剥がしシール５０を剥がす。この状態でカバー８の外側から呼吸穴１０を塞ぐように複数の両面接着テープ４８で板４６をカバー８に固定する。
【００４１】
図１３に示されるように、両面接着テープ４８の高さ（０．１ｍｍ〜０．１５ｍｍ）分だけカバー８と板４６との間に隙間が空くことになり、この隙間を通して大気と装置内部が連通される。
【００４２】
この隙間は十分小さいので、この隙間を通して蟻等の微小な昆虫が呼吸穴１０内に侵入することない。図１４（Ｃ）は板４６が呼吸穴１０を塞ぐようにカバー８に取り付けられた状態の平面図を示している。
【００４３】
図１５を参照すると、本発明第６実施形態の磁気ディスク装置２Ｆの外観図が示されている。磁気ディスク装置２Ｆは図２に示した第１実施形態と同様な構成部品を有している。
【００４４】
図１６を参照すると、第６実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図が示されている。複数の穴５３を有するキャップ５２が呼吸穴１０を塞ぐように両面接着テープ５５でカバー８に固定されている。
【００４５】
キャップ５２は例えば合成樹脂から形成され、高さは８ｍｍ〜１０ｍｍ位である。キャップ５２の上部には防虫物質５４が搭載されている。穴５３の大きさは微小な昆虫が侵入できない大きさ（０．１ｍｍ〜１ｍｍ）でなければならない。
【００４６】
本実施形態のように、呼吸穴１０を塞ぐようにキャップ５２をカバー８に取り付けても、第１実施形態と同様な昆虫侵入防止効果がある。更に、キャップ５２の上部に搭載した防虫物質５４により、昆虫撃退効果もある。
【００４７】
図１７を参照すると、本発明第７実施形態の磁気ディスク装置２Ｇの外観図が示されている。磁気ディスク装置２Ｇは図２に示した第１実施形態の磁気ディスク装置と同様な構成部品を有している。
【００４８】
図１８を参照すると、第７実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図が示されている。本実施形態は、図１９（Ａ）に示すような複数の穴５７を有する板５６を呼吸穴１０を塞ぐように取り付けシール４０でカバー８の外側に固定したものである。好ましくは、板５６の表面にはアレスリン等の防虫剤５８が塗布されている。
【００４９】
本実施形態も第１実施形態と同様な昆虫侵入防止効果がある。更に板５６の表面上に防虫剤が塗布されているので、昆虫撃退効果もある。図１９（Ｂ）は取り付けシール４０で板５６を呼吸穴１０を塞ぐようにカバー８に固定した状態の平面図である。尚、以上述べた板や網は、丸い平面形状であったが、これに限定されず、楕円や多角形でもよい。
【００５０】
【発明の効果】
本発明によると、呼吸フィルタ保護部材を呼吸穴に取り付けたので、呼吸穴を介しての微小な昆虫等の磁気ディスク装置内への侵入を有効に防止することができ、微小な昆虫による呼吸フィルタの破損を防止することができる。その結果、ディスク装置内部への塵埃の侵入防止効果という呼吸フィルタ本来の機能を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明第１実施形態の磁気ディスク装置の外観図である。
【図２】カバーを外した状態の磁気ディスク装置の斜視図である。
【図３】第１実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図である。
【図４】図４（Ａ）は網の平面図、図４（Ｂ）は取り付けシールの平面図、図４（Ｃ）は網が取り付けシールによりカバーに取り付けられた状態の平面図である。
【図５】本発明第２実施形態の磁気ディスク装置の外観図である。
【図６】第２実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図である。
【図７】本発明第３実施形態の磁気ディスク装置の外観図である。
【図８】第３実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図である。
【図９】図９（Ａ）は板の平面図であり、図９（Ｂ）は取り付けシールで板をカバーに固定した状態の平面図である。
【図１０】本発明第４実施形態の磁気ディスク装置の外観図である。
【図１１】第４実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図である。
【図１２】本発明第５実施形態の磁気ディスク装置の外観図である。
【図１３】第５実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図である。
【図１４】図１４（Ａ）は板の平面図であり、図１４（Ｂ）は引き剥がしシールに接着された複数の両面接着テープの平面図であり、図１４（Ｃ）は複数の両面接着テープでカバーに接着された状態の板の平面図である。
【図１５】本発明第６実施形態の磁気ディスク装置の外観図である。
【図１６】第６実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図である。
【図１７】本発明第７実施形態の磁気ディスク装置の外観図である。
【図１８】第７実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図である。
【図１９】図１９（Ａ）は防虫剤が塗布された板の平面図であり、図１９（Ｂ）は取り付けシールでカバーに固定された板の平面図である。
【符号の説明】
４ ハウジング
６ ベース
８ カバー
１０ 呼吸穴（通気口）
１２ 磁気ディスク
１６ アクチュエータ
２４ アクチュエータアーム
２６ 磁気ヘッド
２８ サスペンション
３４ 呼吸フィルタ
３８ 網
４２，５６ 板
５２ キャップ
【発明の属する技術分野】
本発明は呼吸フィルタ保護機構を具備したディスク装置に関する。
近年、コンピュータ用外部記憶装置の一種である磁気ディスク装置の小型化、薄型化が進んでおり、更に低消費電力化が求められている。一方、大容量化のために磁気ディスクの記録密度の向上が要求され、装置に搭載する磁気ディスクの枚数が増加している。
【０００２】
【従来の技術】
コンピュータ用磁気ディスク装置では、ヘッドと磁気ディスクとの関係はコンタクト・スタート・ストップ（ＣＳＳ）方式が一般的に採用されている。この方式では、ディスク回転中においては、高速回転により発生する空気流体による浮上力とヘッドをディスクに押し付けるサスペンションの力のバランスで、ヘッドは磁気ディスク上を微小な間隙を保って浮上する。
【０００３】
ディスクの回転が停止すると、ヘッドはディスク上の接触可能領域へ移動し、そこでヘッドとディスクが接触する。ディスクが回転停止中は、ヘッドとディスクは接触したままである。
【０００４】
このようにディスク回転中は、ヘッドがディスク上を微小な間隙を保って浮上するため、僅かな塵埃等が原因でヘッドクラッシュ等が発生する。このため、磁気ディスク及びこれらの磁気ディスクにデータの書き込み／読み出しをする磁気ヘッドはディスクエンクロージャ（ハウジング）内に画成された密閉室内に配置される。
【０００５】
しかし、磁気ディスク装置内部の密閉を長期間保つことは困難であり、また温度変化等に起因する装置内部の圧力変動によって磁気ヘッドの浮上量が変化する。
【０００６】
これを防止するために、磁気ディスク装置のカバーに微小な呼吸穴（通気口）を設け、磁気ディスク装置内部の圧力を外部の圧力と概略等しくなるようにしている。
【０００７】
微小な呼吸穴には通常呼吸フィルタが取り付けられ、この呼吸フィルタで塵埃が装置外部から内部に侵入するのを防止するとともに、装置内部の圧力と外部の大気圧とが概略等しくなるようにしている。
【０００８】
従来の磁気ディスク装置の呼吸フィルタは、磁気ディスク装置内部の圧力と外部の大気圧を概略等しく保てるように空気を通過させる機能と、外気内に含まれる塵埃を通過させない機能のみを考慮して、不織布等から形成されていた。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
このように呼吸フィルタは不織布等で形成されているため、従来の磁気ディスク装置では蟻などの昆虫が呼吸フィルタを突破し、装置内部に侵入して異常を引き起こすことがあった。
【００１０】
よって本発明の目的は、蟻等の昆虫が呼吸フィルタを通過して装置内部に侵入するのを防止する呼吸フィルタ保護機構を具備したディスク装置を提供することである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、ベースと、呼吸穴を有し該ベースに固定されたカバーとを含んだハウジングと；前記ハウジング内に回転可能に取り付けられた複数のトラックを有するディスクと；前記ディスクにデータのライト／リードを行なうヘッドと；前記ヘッドを前記ディスクのトラックを横切って移動させるアクチュエータと；前記カバーの内側から該カバーに固定された前記呼吸穴を閉鎖する呼吸フィルタと；前記カバーの外側から前記呼吸穴の周りのカバーに互いに間隔を空けて接着された複数の両面接着テープと；前記カバーの外側から前記複数の両面接着テープに接着された板と；を具備したことを特徴とするディスク装置が提供される。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の数多くの実施形態を説明する。各実施形態の説明において、実質的に同一構成部分については同一符号を付して説明する。
【００１６】
図１を参照すると、第１実施形態の磁気ディスク装置２Ａの外観図が示されている。ハウジング４はベース６と、ベース６に固定されたカバー８を含んでいる。カバー８には直径約２ｍｍの呼吸穴１０が形成されており、この呼吸穴１０を塞ぐ網３８がカバー８に接着されている。
【００１７】
図２はカバー８を外した状態の磁気ディスク装置の斜視図を示している。ベース６上にはインナーハブモータによって回転駆動される図示しないスピンドルハブが設けられている。
【００１８】
スピンドルハブには磁気ディスク１２と図示しないスペーサが交互に挿入され、ディスククランプ１４をスピンドルハブにネジ締結することにより、複数枚の磁気ディスク１２が所定間隔離間してスピンドルハブに取り付けられる。
【００１９】
符号１６はアクチュエータアームアセンブリ１８と磁気回路２０とから構成されるロータリーアクチュエータを示している。アクチュエータアームアセンブリ１６は、ベース６に固定されたシャフト２２周りに回転可能に取り付けられている。
【００２０】
アクチュエータアームアセンブリ１８は、一方向に伸長したアクチュエータアーム２４と、先端部に磁気ヘッド２６を搭載したサスペンション２８とから構成される。
【００２１】
シャフト２２に対してアクチュエータアーム２４と反対方向には図示しないコイルが支持されており、磁気回路２０と、磁気回路２０のギャップ中に挿入されるコイルとでボイスコイルモータ（ＶＣＭ）３０が構成される。
【００２２】
符号３２は磁気ヘッド２６に書き込み信号を供給したり、磁気ヘッド２６からの読み取り信号を取り出すフレキシブルプリント配線板（ＦＰＣ）を示しており、その一端がアクチュエータアーム２４の側面に固定されている。
【００２３】
図３を参照すると、第１実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図が示されている。カバー８の内側から呼吸穴１０を塞ぐように呼吸フィルタ３４が取り付けシール３６で固定されている。
【００２４】
呼吸フィルタ３４は例えば不織布から形成されている。一方、カバー８の外側から通気を許容しながら呼吸穴１０を閉鎖する網３８が取り付けシール４０で固定されている。
【００２５】
即ち、図４（Ａ）に示された網３８が図４（Ｂ）に示された取り付けシール４０で呼吸穴１０を塞ぐようにカバー８の外側に固定される。図４（Ｃ）は網３８が取り付けシール４０でカバー８に固定された状態の平面図を示している。
【００２６】
網３８は金属又は合成樹脂から形成されており、蟻等の微小な昆虫が侵入できない網目を有している。取り付けシール３６，４０に代えて、両面接着テープで呼吸フィルタ３４及び網３８を固定するようにしてもよい。網３８の直径は１０ｍｍ〜１５ｍｍ程度である。
【００２７】
本実施形態の磁気ディスク装置２Ａでは、呼吸フィルタ３４の取り付けられた呼吸穴１０の外側から通気を許容しながら呼吸穴１０を塞ぐように網３８が取り付けられているので、蟻等の微小な昆虫が呼吸フィルタ３４を破壊するのを有効に防止することができる。
【００２８】
その結果として、呼吸フィルタ３４が呼吸穴１０を介して外気を装置内部に取り込む機能を損なわずに、大気内の塵埃が装置内部に侵入するのを有効に防止することができる。
【００２９】
図５を参照すると、本発明第２実施形態の磁気ディスク装置２Ｂの外観図が示されている。本実施形態の磁気ディスク装置２Ｂは図２に示された第１実施形態と同様な構成部品を有している。
【００３０】
図６は第２実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図を示している。本実施形態では呼吸フィルタ３４と網３８を重ね、網３８がカバー８の内面に接触するように取り付けシール３６で呼吸フィルタ３４及び網３８を呼吸穴１０を塞ぐように同時にカバー８に固定している。
【００３１】
本実施形態でも、上述した第１実施形態と同様な昆虫侵入防止効果がある。第１実施形態でも同様であるが、網３８にアレスリン等の防虫剤を塗布すれば昆虫撃退効果がある。
【００３２】
図７を参照すると、本発明第３実施形態の磁気ディスク装置２Ｃの外観図が示されている。磁気ディスク装置２Ｃは図２に示した第１実施形態と同様な構成部品を有している。
【００３３】
図８を参照すると、第３実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図が示されている。本実施形態では、第１及び第２実施形態の網３８に代えて、呼吸フィルタ保護部材として図９（Ａ）に示した複数の穴４４を有する板４２を使用する。
【００３４】
ここでは、穴４４は幅０．１ｍｍ程度のスリットを示したが、穴４４の形状はスリット状に限定されるものではなく、小さな昆虫の侵入を防止するどのような穴形状であってもよい。板４２は金属又は合成樹脂から形成される。板４２の厚みは０．３ｍｍ〜０．５ｍｍ程度で、直径は１０ｍｍ〜１５ｍｍ程度である。
【００３５】
図９（Ｂ）は板４２を取り付けシール４０でカバー８に取り付けた状態の平面図である。本実施形態も、上述した第１実施形態と同様な昆虫侵入防止効果がある。板４２に防虫剤を塗布すると、昆虫撃退効果がある。
【００３６】
図１０を参照すると、本発明第４実施形態の磁気ディスク装置２Ｄの外観図が示されている。磁気ディスク装置２Ｄは図２に示した第１実施形態と同様な構成部品を有している。
【００３７】
図１１を参照すると、第４実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図が示されている。本実施形態は呼吸フィルタ３４と板４２とを重ね、呼吸穴１０の内側から取り付けシール３６で呼吸フィルタ３４及び板４２を同時にカバー８に固定したものである。本実施形態も第１実施形態と同様に、呼吸穴１０を通しての微小な昆虫の侵入防止効果がある。
【００３８】
図１２を参照すると、本発明第５実施形態の磁気ディスク装置２Ｅの外観図が示されている。磁気ディスク装置２Ｅは図２に示した第１実施形態と同様な構成部品を有している。
【００３９】
図１３を参照すると、第５実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図が示されている。本実施形態は図１４（Ｂ）に示されているような引き剥がしシール５０に貼付された複数の小径の両面接着テープ４８を図１４（Ａ）に示されたような板４６の固定に使用する。
【００４０】
まず、両面接着テープ４８の保護シールを剥がして、板４６に両面接着テープ４８を接着し、引き剥がしシール５０を剥がす。この状態でカバー８の外側から呼吸穴１０を塞ぐように複数の両面接着テープ４８で板４６をカバー８に固定する。
【００４１】
図１３に示されるように、両面接着テープ４８の高さ（０．１ｍｍ〜０．１５ｍｍ）分だけカバー８と板４６との間に隙間が空くことになり、この隙間を通して大気と装置内部が連通される。
【００４２】
この隙間は十分小さいので、この隙間を通して蟻等の微小な昆虫が呼吸穴１０内に侵入することない。図１４（Ｃ）は板４６が呼吸穴１０を塞ぐようにカバー８に取り付けられた状態の平面図を示している。
【００４３】
図１５を参照すると、本発明第６実施形態の磁気ディスク装置２Ｆの外観図が示されている。磁気ディスク装置２Ｆは図２に示した第１実施形態と同様な構成部品を有している。
【００４４】
図１６を参照すると、第６実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図が示されている。複数の穴５３を有するキャップ５２が呼吸穴１０を塞ぐように両面接着テープ５５でカバー８に固定されている。
【００４５】
キャップ５２は例えば合成樹脂から形成され、高さは８ｍｍ〜１０ｍｍ位である。キャップ５２の上部には防虫物質５４が搭載されている。穴５３の大きさは微小な昆虫が侵入できない大きさ（０．１ｍｍ〜１ｍｍ）でなければならない。
【００４６】
本実施形態のように、呼吸穴１０を塞ぐようにキャップ５２をカバー８に取り付けても、第１実施形態と同様な昆虫侵入防止効果がある。更に、キャップ５２の上部に搭載した防虫物質５４により、昆虫撃退効果もある。
【００４７】
図１７を参照すると、本発明第７実施形態の磁気ディスク装置２Ｇの外観図が示されている。磁気ディスク装置２Ｇは図２に示した第１実施形態の磁気ディスク装置と同様な構成部品を有している。
【００４８】
図１８を参照すると、第７実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図が示されている。本実施形態は、図１９（Ａ）に示すような複数の穴５７を有する板５６を呼吸穴１０を塞ぐように取り付けシール４０でカバー８の外側に固定したものである。好ましくは、板５６の表面にはアレスリン等の防虫剤５８が塗布されている。
【００４９】
本実施形態も第１実施形態と同様な昆虫侵入防止効果がある。更に板５６の表面上に防虫剤が塗布されているので、昆虫撃退効果もある。図１９（Ｂ）は取り付けシール４０で板５６を呼吸穴１０を塞ぐようにカバー８に固定した状態の平面図である。尚、以上述べた板や網は、丸い平面形状であったが、これに限定されず、楕円や多角形でもよい。
【００５０】
【発明の効果】
本発明によると、呼吸フィルタ保護部材を呼吸穴に取り付けたので、呼吸穴を介しての微小な昆虫等の磁気ディスク装置内への侵入を有効に防止することができ、微小な昆虫による呼吸フィルタの破損を防止することができる。その結果、ディスク装置内部への塵埃の侵入防止効果という呼吸フィルタ本来の機能を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明第１実施形態の磁気ディスク装置の外観図である。
【図２】カバーを外した状態の磁気ディスク装置の斜視図である。
【図３】第１実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図である。
【図４】図４（Ａ）は網の平面図、図４（Ｂ）は取り付けシールの平面図、図４（Ｃ）は網が取り付けシールによりカバーに取り付けられた状態の平面図である。
【図５】本発明第２実施形態の磁気ディスク装置の外観図である。
【図６】第２実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図である。
【図７】本発明第３実施形態の磁気ディスク装置の外観図である。
【図８】第３実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図である。
【図９】図９（Ａ）は板の平面図であり、図９（Ｂ）は取り付けシールで板をカバーに固定した状態の平面図である。
【図１０】本発明第４実施形態の磁気ディスク装置の外観図である。
【図１１】第４実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図である。
【図１２】本発明第５実施形態の磁気ディスク装置の外観図である。
【図１３】第５実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図である。
【図１４】図１４（Ａ）は板の平面図であり、図１４（Ｂ）は引き剥がしシールに接着された複数の両面接着テープの平面図であり、図１４（Ｃ）は複数の両面接着テープでカバーに接着された状態の板の平面図である。
【図１５】本発明第６実施形態の磁気ディスク装置の外観図である。
【図１６】第６実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図である。
【図１７】本発明第７実施形態の磁気ディスク装置の外観図である。
【図１８】第７実施形態の呼吸フィルタ保護構造の断面図である。
【図１９】図１９（Ａ）は防虫剤が塗布された板の平面図であり、図１９（Ｂ）は取り付けシールでカバーに固定された板の平面図である。
【符号の説明】
４ ハウジング
６ ベース
８ カバー
１０ 呼吸穴（通気口）
１２ 磁気ディスク
１６ アクチュエータ
２４ アクチュエータアーム
２６ 磁気ヘッド
２８ サスペンション
３４ 呼吸フィルタ
３８ 網
４２，５６ 板
５２ キャップ
Claims (1)
- ベースと、呼吸穴を有し該ベースに固定されたカバーとを含んだハウジングと；
前記ハウジング内に回転可能に取り付けられた複数のトラックを有するディスクと；
前記ディスクにデータのライト／リードを行なうヘッドと；
前記ヘッドを前記ディスクのトラックを横切って移動させるアクチュエータと；
前記カバーの内側から該カバーに固定された前記呼吸穴を閉鎖する呼吸フィルタと；
前記カバーの外側から前記呼吸穴の周りのカバーに互いに間隔を空けて接着された複数の両面接着テープと；
前記カバーの外側から前記複数の両面接着テープに接着された板と；
を具備したことを特徴とするディスク装置。
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