JP3888513B2 - 2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の2対1ローピングエレベータの主ロープ交換方法は、特開平3−61276号公報に記載されており、これを図12に示したエレベータの縦断面図を用いて説明する。
【0003】
主ロープ交換作業は、先ず、乗かご2を乗かご吊り上げ手段13で最上階近傍で吊り下げると共に、カウンタウエート3の下部に支持体12を配置して支え、この状態で、主ロープ7のカウンタウエート側固定端11の近傍における機械室4の床に主ロープ交換補助装置14を吊り下げ、主ロープ7におけるカウンタウエート3のカウンタプーリ9に巻回した部分の両上方部をこの主ロープ交換補助装置14で弾性挟持し、主ロープ7が自重で落下しないようにテンションを主ロープ交換補助装置14に負荷させるようにしている。その後、主ロープ7におけるカウンタウエート側固定端11の近傍Aで主ロープ7を切断し、この切断端に乗り場に配置したドラム20の新主ロープ21の一端を接続すると共に、主ロープ7における乗かご側固定端10の近傍Cで止め金具から切り離し、この切り離した端を乗り場に配置した回収ドラム24に巻き付ける。
【0004】
この状態で、機械室4に設けた巻上機5を低速で駆動しながら、主ロープ7を最上階床に配置した回収ドラム24に巻き取りながら新主ロープ21を送り出していた。その後、主ロープ7と新主ロープ21の連結部Bが回収ドラム24側に現れたら巻上機5を停止させ、主ロープ7と新主ロープ21の接続を解除し、最後に、この連結を解除した新主ロープ21の端部を乗かご側固定端10の止め金具に接続固定すると共に、カウンタウエート側固定端11近傍における所定の位置で新主ロープ21を切断し、その切断端部をカウンタウエート側固定端11の止め金具に接続固定してロープ交換作業を完了していた。上述した主ロープ7の端部作業、つまり切断作業や、切断した主ロープ7の端部と新主ロープ21の端部の接続作業を行なう場合、乗かご2上に乗った作業者が行なうが、手が届かないので乗かご2上に作業足場を組み立て、この作業足場上でこれらの作業を行なうようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように従来の主ロープの端部作業は乗かごの上に作業足場を構成し、この作業足場上から行なっていたため、作業足場の搬入およびその組み立てに多くの時間を要し、通常の床面とは異なり乗かご上に組み立てた足場からの作業であるために高所作業で危険性があった。
【0006】
本発明の目的は、乗かご上に作業足場を設置せずに、安全かつ迅速に主ロープ端部作業を行なうことのできる2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、機械室に設けられた巻上機のシーブに巻回すると共にその両側端を上記機械室の床に支持した複数の主ロープと、昇降路内にこの主ロープの両側端と上記シーブとの間の主ロープにそれぞれ吊持した乗かごおよびカウンタウエートとを有して構成され、上記主ロープの両側端を調整する2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法において、上記乗かごを上記昇降路の頂部近傍に仮保持すると共に上記カウンタウエートを上記昇降路の底部近傍に保持し、上記機械室から主ロープ端引き上げ手段を上記乗かごの上部まで降下させ、この主ロープ端引き上げ手段に主ロープ保持手段を介して上記主ロープを締結し、上記主ロープ端引き上げ手段により引き上げた状態で上記主ロープの両側端の調整作業を行ない、その後、上記主ロープ引き上げ手段により上記主ロープの両側端を上記乗かご側へ降下させてその調整作業を行ない、その後、調整された上記主ロープの両側端を上記主ロープ引き上げ手段により再び引き上げて所定の固定作業を行なうようにしたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は上記目的を達成するために、機械室に設けられた巻上機のシーブに巻回すると共にその両側端を上記機械室の床に支持した複数の主ロープと、昇降路内にこの主ロープの両側端と上記シーブとの間の主ロープにそれぞれ吊持した乗かごおよびカウンタウエートと、このカウンタウエートの下方に配置した既設カウンタウエート用緩衝器とを有して構成され、上記主ロープの両側端を調整する2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法において、上記既設カウンタウエート用緩衝機を取り外し、上記既設カウンタウエート用緩衝機による支持高さよりも低い位置に上記カウンタウエートを支持して上記乗かごを所定の位置に支持し、このときの上記乗かごの上部から上記主ロープの両側端の調整作業を行なうようにしたことを特徴とする。
【0009】
本発明の2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法は、上述したように主ロープ端引き上げ手段を用いることによって主ロープの端部を機械室から外して乗かご上で作業ができるようにしたり、あるいは既設カウンタウエート側緩衝器を外してカウンタウエートの位置をさらに下げることで乗かごをさらに上昇させた所定の位置に保持したため、乗かごの上部に作業足場を設置することなく、乗かごの上部に乗って主ロープの端部調整作業を行なうことができ、安全かつ迅速に主ロープ端部作業を行なうことができるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面によって説明する。
【0011】
図4は、本発明の一実施の形態による2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法を採用した主ロープ交換作業初期状態を示すエレベータの縦断面図である。
【0012】
このエレベータでは、機械室4に設置した巻上機のシーブ5に巻回した主ロープ7の乗かご側端10を乗かご2のプーリ8に巻回した後に機械室4の床に固定し、カウンタウエート側端11はプーリ6およびカウンタウエート3のカウンタプーリ9に巻回した後に機械室4の床に固定している。
【0013】
主ロープ交換作業は、先ず、第一工程としてカウンタウエート3とほぼ同じ高さ位置となるように乗かご2を停止し、乗かご2上を作業足場としてカウンタプーリ9にロープ交換用ロープ外れ止め32を設置する。
【0014】
次に、第二工程として乗かご2を低速上昇運転して図5に示すように昇降路1の最上階乗場34近傍に停止させ、カウンタウエート3を昇降路1の底部近傍で緩衝器33よりも上方に位置するように支持体12に載置して仮保持する。このとき、昇降路1の最上階乗場34の開口部は乗かご2で養生していることになり、新たな養生装置を開口部に付設する必要がなく、その作業費および材料費などを削減することができる。その後、主ロープ7のカウンタウエート3側が自重で落下することを防ぐために、乗かご2上からカウンタウエート3の上部に位置する二本の主ロープ7部分をロープ保持具28,29で建屋梁など図示しない昇降路内強度部材に仮保持する。
【0015】
次に、第三工程として乗かご2を昇降路1の頂部近傍の強度部材に取り付けた乗かご吊り上げ手段13で吊り上げ、主ロープ7のテンションを除去して弛ませると共に、主ロープ7における乗かご上プーリ8と機械室4のシーブ5の間に位置する部分を乗かご吊り上げ手段13に連結したロープ保持具30により仮保持する。これにより弛みを生じた主ロープ7は、機械室4のシーブ5とそらせプーリ6との間に隙間を生じさせるので、この隙間に養生材15,19を挟み、複数本の主ロープ7を複数回に分けて交換する際、その時点で交換していない主ロープ7とシーブ5との摩擦を低減し両者の損傷を防止することができる。
【0016】
次に、上述した作業後に行なう第四工程である主ロープ7の端部調整方法について図1〜図3および図6を用いて説明する。
【0017】
複数本の主ロープ7における乗かご側端10およびカウンタウエート側端11は、図6に示すように主ロープ止め金具39に連結したボルト43を機械室床より導出され、ばね40を介してナット41により締め付け固定されている。複数本の主ロープ7のうち交換する必要分、例えば6本のうち3本の乗かご側端10およびカウンタウエート側端11では、図6に示すように機械室4よりナット41を緩めボルト43の引き上げ代を確保する。このボルト43を引き上げ、ばね40の下に引き上げ支持材42を配置する。
【0018】
このようにして形成したばね40の下隙間から主ロープ引き上げ手段37を図1に示したように送り出す。主ロープ引き上げ手段37の送り出し側は、主ロープ7を囲むように設けた主ロープ端部保持手段37aに連結し、その後、主ロープ引き上げ手段37を機械室4から引き上げ、図6に示すように主ロープ端部保持手段37aを主ロープ止め金具39の下部に係止させる。この第四工程の端部調整作業は、図1および図2に示すように主ロープ7の乗かご側端10およびカウンタウエート側端11でそれぞれ行なう。
【0019】
この状態で、主ロープ引き上げ手段37で主ロープ7における乗かご側端10およびカウンタウエート側端11の主ロープ止め金具39を支持しながら、図6に示したナット41とばね40を取り外し、図3に示すように乗かご側端10およびカウンタウエート側端11を機械室4床から乗かご2上まで降ろす。その後、主ロープ7の端部の作業は乗かご2上で行なうことができる。このため、乗かご2上から昇降路1の天井部の主ロープ7の端部に手が届かない場合でも、乗かご2の上部に図示しない作業足場を設置する必要がない。またこの作業後、乗かご上プーリ8から機械室4床までの距離と、カウンタウエート3側主ロープ保持部28と機械室4床間での距離とをそれぞれ測定しておく。
【0020】
次に、第五工程として乗かご側端10およびカウンタウエート側端11の近傍、すなわち、乗かご2側では乗かご上プーリ8と乗かご側端10間で、またカウンタウエート3側では主ロープ保持部28とカウンタウエート側端11間で主ロープ7をそれぞれ切断する。続く第六工程では、津5に示したように乗かご2上にテンション負荷装置27を設置し、主ロープ7における乗かご2側の切断端と、最上階床34上に配置した新主ロープドラム20からの新主ロープ21の一端を、図7に示すようにテンション負荷装置27へそれぞれ数回半巻き付ける。
【0021】
テンション負荷装置27への主ロープ7の巻き付け方は、図8に示す通りであり図中Aは機械室4へ、またBは出入口へ導かれる。またテンション負荷装置27への新主ロープ21の巻き付け方は、図9に示す通りであり図中Bは出入口へ、またCは主ロープ7のカウンタウエート3側の切断端へ導かれる。このように主ロープ7および新主ロープ21は同方向へ巻き取るようにテンション負荷装置27に巻き付けているため、主ロープ7および新主ロープ21の自重を支持した状態で、主ロープ7を巻き取りながら新主ロープ21を送り出すことが可能になる。テンション負荷装置27へ巻き付けた新ロープ21の送り出し側端は、ガイドプーリ26を介してカウンタウエート3側の切断端へ接続する。
【0022】
その後、第七工程として交換を行なう主ロープ7を図4に示すようにロープ保持具28〜30から開放する。このとき、テンション負荷装置27から引き出した新主ロープ21と、テンション負荷装置27に回収する主ロープ7の間にテンションがかかるようにテンション負荷装置27に負荷をかける。この時点で交換されない主ロープ7のテンションは、機械室4のそらせプーリ6付近で除去されており、交換する主ロープ7と新主ロープ21のテンションは、昇降路1内において全体に掛けられている。
【0023】
そこで、乗かご2上で低速下降運転を行ない、機械室4の巻上機を駆動させ主ロープ7を回収ドラム24に巻き取りながら、新主ロープ21を新主ロープドラム20より繰り出し、主ロープ7と新主ロープ21を交換する。新主ロープ21の主ロープ7との接続部23がテンション負荷装置27から一定量引き出されたら運転を停止し、主ロープ7と新主ロープ21の接続部23における接続を解除する。交換された新主ロープ21は、再び主ロープ保持具28〜30で仮保持をし、テンション負荷装置27から抜き取る。
【0024】
次に、第八工程として先に測定しておいた乗かご上プーリ8から機械室4床までの距離と、カウンタウエート3側の主ロープ保持具28と機械室4間での距離に合わせて新主ロープ21の両端をそれぞれ切断し、第四工程として説明した乗かご側端10およびカウンタウエート側端11の取り外し時と逆の手順でこの端部を機械室4床まで引き上げ固定する。
【0025】
このように第四工程および第八工程で説明したロープ交換方法によれば、主ロープ引き上げ手段37を用いて、機械室4床と乗かご2上との間において乗かご側端10およびカウンタウエート側端11の上げ下ろしを行なったため、機械室4床と乗かご2上との間隔が大きく、乗かご2上から昇降路1の天井部の主ロープ7の端部にまで手が届かない場合においても、昇降路1の頂部近傍に足場等を設ける必要なく円滑にロープ交換作業が行なえる。
【0026】
続く第九工程として、上述した第三工程から第八工程までの作業を必要回数繰り返し、全体の主ロープ交換を行なう。このとき、乗かご2上や昇降路1内の状況に応じて、第四工程および第五工程の作業を主ロープ7の全て、例えば6本のうちの6本を行なっておき、第六工程から第八工程までの作業を必要回数繰り返し、主ロープ交換をすることも可能である。
【0027】
このような2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法によれば、乗かご2を昇降路1の頂部近傍の強度部材へ支持させて仮保持すると共にカウンタウエート3を昇降路1の底部近傍に載置した後、機械室4から主ロープ端引き上げ手段37を乗かご2まで降下させ、この主ロープ端引き上げ手段37に主ロープ7を囲むように主ロープ保持手段37aを締結し、機械室4から主ロープ端引き上げ手段37によって主ロープ7の両側端10,11を保持した状態で両側端10,11を外し、主ロープ引き上げ手段37を乗かご2まで降下させて、乗かご2において両側端10,11を調整した後、この調整された両側端10,11を機械室4から主ロープ引き上げ手段37によって引き上げるようにしているため、従来の主ロープの端部作業のように乗かごの上に作業足場を構成することなく機械室4側から行なうことができるようになり、迅速かつ安全に主ロープ端部作業を行なうことのできる。
【0028】
上述した2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法を含んだ主ロープ交換方法では、所定の位置にテンション負荷装置27を配置し、このテンション負荷装置27に、送り出す新主ロープ21と回収する主ロープ7とが同一軸上のドラムに同方向へ巻き取るようにそれぞれ巻回したため、テンション負荷装置27から引き出した新主ロープ21と、テンション負荷装置27に回収する主ロープ7の間にテンションがかかり、シーブ5にテンションをかけることができることから、シーブ5の回転速度と主ロープ7の移動速度に差が生じることなく、主ロープ7とシーブ5との摩擦を低減し両者の損傷を防止しながら、主ロープ7の交換を円滑かつ迅速に行なうことができる。また乗かご2を乗かご吊り上げ手段13で吊り、巻上機の両側に位置する主ロープ7の所定位置を主ロープ保持具28〜30により仮保持したため、巻上機のシーブ5とプーリ6との間には養生材15,19を挟んで配置することが可能になり、複数本の主ロープ7を複数回に分けて交換する際、その時点で交換させない主ロープ7とシーブ5との摩擦を低減し両者の損傷を防止することが可能である。
【0029】
さらにテンション負荷装置27をかご上に設置したため、ロープの本数の多いエレベータで主ロープ7の回収ドラム24および新主ロープドラム20が多数必要となって最上階乗場34に設置スペースがない場合にも適用可能である。特に、テンション負荷装置27を乗かご2の上や内部など乗かご2に設置すると、乗かご2を最上階乗場付近に乗かご吊り上げ手段13で吊ったとき、最上階乗場の開口部を乗かご2が養生する形となり、特別な養生装置を設けることなく、最上階乗場に設置した回収ドラム24および新主ロープドラム20との連携を取りやすい位置となって作業が容易である。
【0030】
図10および図11は、本発明の他の実施の形態による2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法を採用したエレベータの縦断面図であり、カウンタウエート3側の既設緩衝機43を取り外す作業のそれぞれ異なる状態を示している。
【0031】
先ず、上述した実施の形態における第一工程と同様に、図11に示すようにカウンタウエート3とほぼ同じ高さ位置となるように乗かご2を停止し、乗かご2上を作業足場としてカウンタプーリ9にロープ交換用ロープ外れ止め32を設置する。
【0032】
次に、第二工程として、図11に示すように既設カウンタウエート側緩衝機43の上方に位置する昇降路1の強度部材に緩衝機吊り上げ手段44を取り付け、この緩衝機吊り上げ手段44により既設カウンタウエート側緩衝機43を吊り上げ取り外す。続いて図11の示すように、この取り外した既設カウンタウエート側緩衝機43の設置されていた位置に、それよりも小さな荷重に対応する仮設緩衝機46を設置する。この仮設緩衝機46は、既設カウンタウエート側緩衝機43を取り外した状態での安全性に対応するものである。その後、乗かご2を低速上昇運転して図10に示すように昇降路1の最上階乗場34近傍に停止させて、カウンタウエート3をこの仮設緩衝機46に載置して仮保持する。このとき、取り外した既設カウンタウエート側緩衝機43の転倒を防止するために、既設乗かご側緩衝機45に結束部材47で仮固定しておく。次に、昇降路1の頂部近傍の強度部材に乗かご吊り上げ手段13を取り付け、この乗かご吊り上げ手段13で乗かご2を吊り上げ、主ロープ7のテンションを除去し弛ませる。
【0033】
この第二工程によって、既設カウンタウエート側緩衝機43の高さから仮設緩衝機46の高さを減じた分だけカウンタウエート3を下げ、先の実施の形態の場合よりも乗かご2を上昇させた所定の位置に保持することができる。従って、主ロープ7の両側端10,11が機械室4の床部に固定されている2対1ローピングエレベータの場合、昇降路1の天井部と乗かご2上との間隔が大きく乗かご2の上部から昇降路1の天井部における主ロープ7の両側端10,11までそのままでは手が届かないが、この状態で、乗かご2の上部を直接作業足場として利用すると、昇降路1の天井部に固定している主ロープ7の乗かご側端10およびカウンタウエート側端11に手が届くようになり、先の実施の形態における第四工程の作業の大部分を省略することができる。
【0034】
しかし、乗かご2を先の実施の形態の場合よりも上方に位置させることによって、最上階乗場34に昇降路1に至る開口部が形成されることになる。そこで、図10に示すように乗かご2の下部と、乗かご2に対応する最上階乗場34の開口部床面間に開口部養生手段48を設け、この開口部養生手段48によって同開口部の養生を行なう。この開口部養生手段48は、乗かご2の下部と開口部床面間に固定されるため、従来の開口部養生手段と比べて設置が容易であり、また開口部の上部が開いているために、乗かご2の上部と最上階乗場34との連携作業も可能となる。
【0035】
尚、上述した各実施の形態では、主ロープ7の交換作業の中での主ロープ端部調整方法について説明したが、主ロープ7の切り詰め作業およびテンション調整作業などで主ロープ端部の調整を行なう場合に同様に適用することができ、同等の効果を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法は、昇降路の天上部と乗かご上との間隔が大きくて乗かご上から昇降路天井部の主ロープ端部まで手が届かない場合でも、主ロープ引き上げ手段を用いて主ロープの端部を機械室から降ろして乗かご上で作業ができるようにしたり、あるいは既設カウンタウエート側緩衝器を外してカウンタウエートの位置を下げた分だけ乗かごを上昇させて乗かごの上部から主ロープ端部まで手が届くようにしたため、従来のように乗かごの上部に作業足場を設置することなく、乗かごの上部から安全かつ迅速に主ロープ端部作業を行なうことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法を採用した作業終期状態を示すエレベータの要部縦断面図である。
【図2】図1に示したエレベータの作業途中状態を示す縦断面図である。
【図3】図1に示したエレベータの他の作業途中状態を示す縦断面図である。
【図4】図1に示したエレベータの作業初期状態を示す縦断面図である。
【図5】図1に示したエレベータの作業終期状態を示す縦断面図である。
【図6】図1に示したエレベータの他の要部を示す拡大図である。
【図7】図1に示したエレベータのさらに他の要部を示す拡大正面図である。
【図8】図1に示したエレベータのさらに他の要部を示す側面図である。
【図9】図1に示したエレベータのさらに他の要部を示す側面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態による2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法を採用した作業途中状態を示すエレベータの縦断面図である。
【図11】図10に示したエレベータの作業途中状態を示す縦断面図である。
【図12】従来の2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法を採用した作業途中状態を示すエレベータの縦断面図である。
【符号の説明】
1 昇降路
2 乗かご
3 カウンタウエート
7 主ロープ
10 乗かご側端
11 カウンタウエート側端
37 主ロープ引き上げ手段
37a 主ロープ端部保持手段
43 既設カウンタウエート側緩衝器
46 仮設緩衝器
48 開口部養生手段

Claims (5)

  1. 機械室に設けられた巻上機のシーブに巻回すると共にその両側端を上記機械室の床に支持した複数の主ロープと、昇降路内にこの主ロープの両側端と上記シーブとの間の主ロープにそれぞれ吊持した乗かごおよびカウンタウエートとを有して構成され、上記主ロープの両側端を調整する2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法において、上記乗かごを上記昇降路の頂部近傍に仮保持すると共に上記カウンタウエートを上記昇降路の底部近傍に保持し、上記機械室から主ロープ端引き上げ手段を上記乗かごの上部まで降下させ、この主ロープ端引き上げ手段に主ロープ保持手段を介して上記主ロープを締結し、上記主ロープ端引き上げ手段により引き上げた状態で上記主ロープの両側端の調整作業を行ない、その後、上記主ロープ引き上げ手段により上記主ロープの両側端を上記乗かご側へ降下させてその調整作業を行ない、その後、調整された上記主ロープの両側端を上記主ロープ引き上げ手段により再び引き上げて所定の固定作業を行なうようにしたことを特徴とする2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法。
  2. 請求項1記載のものにおいて、上記昇降路の頂部近傍に仮保持した上記乗かごは、上記昇降路の最上階乗場近傍とし、この最上階乗場の開口部を上記乗かごによって養生したことを特徴とする2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法。
  3. 機械室に設けられた巻上機のシーブに巻回すると共にその両側端を上記機械室の床に支持した複数の主ロープと、昇降路内にこの主ロープの両側端と上記シーブとの間の主ロープにそれぞれ吊持した乗かごおよびカウンタウエートと、このカウンタウエートの下方に配置した既設カウンタウエート用緩衝器とを有して構成され、上記主ロープの両側端を調整する2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法において、上記既設カウンタウエート用緩衝機を取り外し、上記既設カウンタウエート用緩衝機による支持高さよりも低い位置に上記カウンタウエートを支持して上記乗かごを所定の位置に支持し、このときの上記乗かごの上部から上記主ロープの両側端の調整作業を行なうようにしたことを特徴とする2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法。
  4. 請求項3記載のものにおいて、上記既設カウンタウエート用緩衝器を取り外した後、それよりも小さな荷重に対応する仮設緩衝器を同部に配置したことを特徴とする2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法。
  5. 請求項3記載のものにおいて、上記所定の位置に支持した上記乗かごの下部と、上記乗かごに対応する乗場床面間に開口部養生手段を設けたことを特徴とする2対1ローピングエレベータの主ロープ端部調整方法。
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