JP3887476B2 - 柔道用ステージ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、畳を載置ステージが2体で1組の二つ折れステージ装置の複数組を連結した場合に、それをフロア上で円滑に展開させたり、或いは、それを二つ折れして多重に折り畳むことで、壁際部分等へのコンパクトな格納を可能とする柔道用ステージ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特公平7−21258号公報、特公平7−116855号公報、特許第2521528号公報、特許第2549561号公報、特許第2549562号公報等によって、ステージ脚を折り畳み自在とする比較的脚の長い高床タイプと、ステージ脚の比較的短い低床タイプに属する「折り畳み式電動ステージ装置」が知られている。
【0003】
即ち、前後2体で1組のステージを、垂直方向へ迫り上げて二つ折り自在に連結すると共に、水平方向へ展開自在に構成してなり、それを二つ折れ自在に連結した作動リンクと、当該作動リンクを駆動させる電動モータにより、二つ折れステージのフロア上での展開と壁面等への折り畳み格納に対処したステージ装置である。
【0004】
前記二つ折れステージ装置において、前後ステージの表面に、予め柔道畳を敷き並べて取り付け、当該二つ折れステージ装置を柔道用の専用ステージとすることができ、柔道畳の敷設作業や撤去作業等を繰り返す必要性がなく、頗る利便である。
【0005】
よって、体育館の壁際部分等に前記仕様の二つ折れステージ装置を構成しておけば、スペースに限りのある体育館等を有効利用することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の多重折れステージ装置におけるステージフロアに、柔道畳を現実に敷設するに際して、当該ステージ本体のステージ厚みが数センチメートル〜10センチメートルを越えるようなステージ厚を必要とする。
かかるステージ厚のある二つ折れステージの複数組を、連結ヒンジで連結する構造では、その機能を発揮できないおそれがある。
【0007】
即ち、比較的ステージ厚みのある二つ折れステージの複数組が、仮に突き合わせ状態で展開配置してある場合を想定した場合、当該二つ折れステージを迫り上げて二つ折れ状態に立ち上げようとするも、谷折れ部となる突き合わせ部分が持ち上げようとしたり、或いは、一方のステージ端部が他方のステージ端部に噛み込もうとする現象が起き、円滑に作動させることが困難となるばかりでなく、ステージに両面粘着テープ等で貼着された畳が、繰り返しの振動等で接着力が低下して二つ折れにした垂直なステージ表面から滑落するおそれがある。
このように、従来のステージ装置には、畳を敷設しておくことに解決しなければならない課題を有している。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明に係る柔道用ステージ装置の要旨は、前後2体で1組の畳を載置したステージが垂直方向へ迫り上げられて二つ折り自在に連結されると共に、水平方向へ展開自在にされてなる二つ折れステージ装置の複数組を、少なくとも前後方向に連結して多重折れに構成された柔道用ステージ装置において、前記畳の裏面に面状ファスナーの片方が貼着されるとともに、ステージの表面に当該面状ファスナーの他方が前記片方と対応する位置に貼着され、前記ステージが二つ折れにされた際の該ステージの谷側の縁部に畳滑落防止用の滑落防止部材が設けられていることである。
【0009】
前記ステージと該ステージを支持するステージ底桁との当接面に、振動吸収用の緩衝材が介在されていること、;前記滑落防止部材は、ステージ脚にアーム後端部が軸着されアーム先端部で畳を受ける畳受けアームと、該畳受けアームに片端部が軸着され他端部がステージの二つ折りの際に揺動する連結リンクに軸着された揺動レバーとからなり、ステージの二つ折り動作に連動して当該ステージの谷側の縁部に出没自在にされていること、;更に、安全のために、二つ折りにされ壁際部分に収納されたステージを、壁際部分に固着されたフックに係合してロックさせるロック部材が前記ステージに設けられていることである。
【0010】
本発明に係る柔道用ステージ装置によれば、面状ファスナーによって畳とステージとが強力に貼着され、畳のズレが防止されると共に、ステージを壁側に引き寄せて二つ折りにした際、ステージ谷側の縁部の滑落防止部材によって畳の滑落が防止され、安全性が確保されるものである。また、ロック部材により確実に安全性が高められる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、ステージ脚を折り畳み自在とする比較的脚の長い高床タイプの二つ折り柔道用ステージ装置X1、X2の複数組、具体的には、その2組を前後方向に連結し、これを屋内の壁際部分Kに立ち上げて多重折れ状態に格納可能とする柔道用ステージ装置を、図1〜図6に示す第1実施例に基づいて説明する。
尚、説明の便宜上、図4〜図6の右方の壁際部分Kを前部とし、左方を後部として説明する。
【0012】
先ず、二つ折れ柔道用ステージ装置X1、X2の単体の基本的な構成は、特公平7−21258号公報、特公平7−116855号公報、特許第2521528号公報、特許第2549561号公報、特許第2549562号公報に示す折り畳み式電動ステージ装置とほぼ同様であるが、その構成の概要を添付図面に従って説明すると、前部側の柔道用ステージ装置X1(以下、便宜上、第1ステージ装置という)の場合には、前後2体で1組の前ステージS1(柔道畳6枚分)と後ステージS2(柔道畳6枚分)を、また、後部側の柔道用ステージ装置X2(以下、第2ステージという)の場合には、前後2体で1組の前ステージS3と後ステージS4を、それぞれ垂直方向へ迫り上げて二つ折り自在に連結すると共に、水平方向へ展開自在に構成している。
【0013】
また、前記第1ステージ装置X1における前後ステージS1、S2と、第2ステージ装置X2における前後ステージS3、S4には、柔道畳Tが図1に示すように敷設して面状ファスナーによって貼着されている。
【0014】
この柔道畳Tの貼着方法は、図2に示すように、該畳Tの裏面に面状ファスナーの片方T1,T2が、その幅を約50mmにして両面粘着テープで貼着されている。この両面粘着テープは、剪断強度が20Kgfで6.28N/cm2以上で、剥離強度が390gfで0.63N/cm以上(JIS−L−3416−1988試験方法による)である。
【0015】
一方、ステージSの表面には、前記面状ファスナーの片方に対応した位置に、、面状ファスナーの他方が両面粘着テープで貼着されている。この両面粘着テープ及び面状ファスナーによる耐力は、図示した程度の貼着面積で柔道畳Tが垂直に立てられてもステージSから剥がれない強度に対して十分にあり、面状ファスナーをT1,T2と方向及び間隔を定めることにより畳の取り替え等のメンテナンスも容易にできる。
【0016】
また、図3に示すように、前記ステージSとこれを支持するステージ底桁5との当接面には、緩衝材としてのウレタンシート(2mm厚程度)14が介在されている。これによって、ステージSの金属衝撃音を吸収するものであり、受身の際の感覚を損なわないように配慮している。
【0017】
次に、ステージSの二つ折りの機構について説明する。前記第1ステージ装置X1の前後ステージS1、S2と、第2ステージ装置X2の前後ステージS3、S4の裏側の前後奥行き方向の略中央寄りの位置には、正逆回転自在な電動モータM1〜M4が幅方向に多数取り付けられ、そのモータ出力軸にはスイングアームA1〜A4の基端部がそれぞれ固定されている。
【0018】
また、第1ステージ装置X1に対向させたスイングアームA1、A2の先端部と、第2ステージ装置X2に対向させたスイングアームA3、A4の先端部を、それぞれ二つ折れ自在に枢着している。
【0019】
また、前記第1ステージ装置X1と第2ステージ装置X2の底部に並設したステージ底桁5には、その前後奥行き方向と左右幅方向にステージ脚7の取付金具6が設けられ、当該取付金具6にステージ脚7の上端部が折り畳み可能に枢設されている。
【0020】
また、ステージ脚7,7の下端部には、連結リンクL1、L2、L3、L4が前後奥行き方向に差し渡され、左右1組のステージ脚7の左右幅方向に差し渡した連結軸24により、各ステージ脚7と連結リンクL1〜L4とを枢支している。
【0021】
そのうち、第1ステージ装置X1における前ステージS1の最前列のステージ脚7Aを除く、第1ステージ装置X1の後ステージS2における最後列のステージ脚7Bと、第2ステージ装置X2の前ステージS3における最前列のステージ脚7Cと、後ステージS4における最後列のステージ脚7Dの下端部には、それぞれ車輪ホルダ8B〜8Dが設けられ、これらの車輪ホルダ8B〜8Dには、屋内床面F上を転動する車輪9が前後に隔てて軸着されている。
【0022】
また、第1ステージ装置X1における前後ステージS1、S2におけるステージ脚7、即ち、その最前列のステージ脚7Aと最後列のステージ脚7Bを除くステージ脚7の下端部には、展開した第1ステージ装置X1を水平状態に保持すべく高さ調節自在な調節脚10(調節パッドでも可)が設けらている。
【0023】
また、第2ステージ装置X2における前後ステージS3、S4におけるステージ脚7、即ち、その最前列のステージ脚7Cと最後列のステージ脚7Dを除くステージ脚7の下端部には、当該第2ステージ装置X2を展開状態のまま前後方向へ転動可能な車輪11が設けられている。
【0024】
尚、前ステージS1における最前列のステージ脚7Aの下端部は、収納箇所の床面Fに固定され、柔道用ステージ装置が、当該部所に位置固定されて多重に折り畳み格納するようにしているが、このステージ脚7Aの下端部にも、前記と同様な車輪付き車輪ホルダを構成することで、当該柔道用ステージ装置を適宜箇所へ移動自在とすることもできる。
【0025】
符号12はステージ脚7の補強プレートを示し、左右に隣り合うステージ脚7,7に差し渡されて固定されている。符号13は第2ステージ装置X2における最後列の車輪ホルダ8Dの後面に取り付けた連結プレートを示し、柔道用ステージ装置の床下部をカバーし、また、第2ステージ装置X2における後ステージS4の最後列のステージ脚7Dの振れ止めやフレーム強度の増強等に対処している。
【0026】
次に、柔道用ステージ装置における谷折れ部の下部構造を、図7の要部拡大斜視図に基づいて説明する。
符号21は連結リンクL2の後端部に起立形成したステーを示し、通常、連結リンクL2の後端部にステー21の基端部が溶接やボルト・ナット等で固定される。
【0027】
符号22はリンク又はロッド、或いは、幅間距離を調整自在なターンバックル等の連結部材を示し、その一端部が前記ステー21の上端部に左右幅方向に差し渡した連結軸23に貫挿支持され、また、その基端部をステージ脚7Cと連結リンクL3の前端部とに連結すべく、左右幅方向に差し渡した連結軸24に貫挿支持されている。
【0028】
符号25は帯状プレートの左右両側に鍔縁を下向きに折曲形成したスライドガイドを示し、ステージ脚7Cの車輪ホルダ8Cの天井部に、当該スライドガイド25の基端部がピン26で固定され、その自由端部がステージ脚7Bの車輪ホルダ8Bの天井部を貫通し、当該車輪ホルダ8Bの天井部の左右両側位置に設けたガイドローラ27と、車輪ホルダ8Bの中間上方部に軸着したガイドローラ28とに案内されて、前後方向にスライドするように構成されている。
【0029】
これにより、第1ステージ装置X1と第2ステージ装置X2の谷折れ部の床下部に構成した車輪ホルダ8B、8Cに対する左右方向の位置ずれが規制され、柔道用ステージ装置の展開作動時と格納作動時における作動の円滑性と確実性を維持する。
【0030】
尚、図1,図4〜図6において、連結部材22や連結リンクL1〜L4等をステージ脚7B、7Cの外側位置に構成した状態で図示したが、これは構成を理解し易くするために描出したにすぎず、実際は、ステージ脚7B、7Cの内側位置に構成されることになる。
【0031】
前記柔道用ステージ装置における、各ステージ脚7のうちステージSの谷折れ側に位置するステージ脚(例えば、ステージ脚7A,7B,7C,7D)には、図8に示すように、滑落防止部材15が設けられている。
【0032】
前記滑落防止部材15は、一例としてステージ脚7Dにおける構造を代表させて説明すると、アーム後端部がステージ脚7Dに軸着され、アーム先端部が略垂直に起立されたステージSと柔道畳Tとの下端面を支持するように形成された畳受けアーム15aがある。
【0033】
更に、前記畳受けアーム15aの略中間部に片端部が軸着され、他端部が連結リンクL4の略下部側に軸着された揺動レバー15bがある。前記畳受けアーム15aは、連結リンクL4が水平状態のときにはアーム先端部が車輪ホルダ8D寄りに下方に位置して退避されており、二つ折り作用によってステージSが略垂直に起立させられるに従って、連結リンクL4の立ち上がりと共に揺動レバー15bによってアーム先端部がアーム後端部の軸を中心にして回転し、折り畳み終了時に略水平状態になる。
【0034】
このように、ステージSの二つ折り作用により、滑落防止部材15が出没自在にされている。なお、滑落防止部材15を、ボルト・ナットによりステージSに着脱自在にして、手動で取り付けることを妨げるものではなく、当該滑落防止部材15の高さを畳の厚さに考慮した高さにすることにより、常時ステージに取り付けられたものとするこもできる。
【0035】
また、第2ステージX2における後ステージS4の左右方向の外側端面には、図5に示すように、ロック部材として、先端に鉤状部を有した長い棒状の収納ロックバー16が回動自在に軸着して取り付けられている。これは、図6に示すように、柔道用ステージ装置を壁際部分Kに収納したときに、フック17に前記収納ロックバー16を係止させて、ステージSが移動しないようにして、安全性をより高めるものである。
【0036】
以上のように構成された柔道用ステージ装置を使用すれば、図4に示すように、体育館や屋内武道場等の床面F上に水平状態に展開配置された柔道用ステージ装置を、屋内の壁際部分Kに格納するには、先ず、第1ステージ装置X1の電動モータM1、M2を起動して、その出力軸を超微速で矢印方向へ回転せしめる。
【0037】
すると、第1ステージ装置X1におけるスイングアームA1、A2の先端部分をそれぞれ下方へ押し下げながら、電動モータM1、M2とM3、M4の出力軸間の軸間距離を水平方向に狭めようとする駆動力が働き、それにより前ステージS1の後半部と後ステージS2の前半部を鉛直上方へ徐々に押し上げて跳ね上げる力として作用する。
【0038】
その結果、前後ステージS1、S2及び各柔道畳Tの突き合わせ部分が鉛直上方へ迫り上がり始める。それに伴って後ステージS2の最後列のステージ脚7Bの車輪ホルダ8Bに軸着した車輪9が、床面F上を壁際部分Kへ向かって前進移動し始める。
【0039】
また、第1ステージ装置X1の後ステージS2における連結リンクL2の後端部に起立させたステー21が、第2ステージ装置X2の前ステージS3における連結リンクL3の前端部に連結部材22を介して連結されているので、当該連結リンクL2の垂直方向への揺動により、ステー21も同角度で回転して連結部材22を介して連結リンクL3を後方に押し出す。
【0040】
よって、前後ステージS1,S2の二つ折れ動作により、後ステージS2が傾斜されるとともに、該後ステージS2と第2ステージ装置X2の前ステージS3との突き合わせ部分の間隔が次第に広くなって離間され、これによって、谷折れ部となる突き合わせ部分の衝突や噛み込み等の不都合が解消されるものである。
【0041】
更に、第1ステージ装置X1が、図4に示すように、迫り上げられ二つ折れされて壁際部分Kに格納されるまでの間、第2ステージ装置X2は展開状態のまま、連結部材22に引っ張られ第1ステージ装置X1の二つ折れ作動に従動してフロアF上を前進移動する。
【0042】
次に、第2ステージ装置X2の電動モータM3、M4が起動し、その出力軸を図4の矢印方向へ回動する。すると、第2ステージ装置X2における前後ステージS3、S4の突き合わせ部分を鉛直上方へ、図5に示すように迫り上げられながら、第1ステージ装置X1に向かって引き込まれる。
【0043】
これにより、第1ステージ装置X1と第2ステージ装置X2からなる柔道用ステージ装置は、図6に示すように、壁際部分Kに多重折れ状態で格納される。また、同時に、ステージSの谷側に位置するステージ脚7に設けられた前記滑落防止部材15も作動し、連結リンクL1〜L4の揺動によって、各ステージSと柔道畳Tの下部に位置して受け材となるように畳受けアーム15aが回転し略水平状態になる。
【0044】
こうして柔道畳Tの滑落が防止され安全性が確保される。更に、収納ロックバー16により、ステージSが地震等の振動で不意に移動しないようにロックすることで安全性が確保される。
【0045】
尚、柔道用ステージ装置の第1ステージ装置X1と第2ステージ装置X2における前後ステージS1〜S4の床下部にリンク構成したステージ脚7、7A〜7Dは、図4〜図6に示すように鉛直状態を維持したまま、前後ステージS1〜S4の二つ折れ作動に伴って平行移動し、上方へ引き上げられながら徐々に折り畳まれる。
【0046】
次に、壁際部分Kに鉛直状態に多重折れ格納された第1ステージ装置X1と第2ステージ装置X2を、壁際部分Kから後方の床面F上へ水平状態に展開配置して、図9に示す状態にするには、前記とは逆に、先ず、収納ロックバー16をフック17から外して、後ステージS4の側面にまで回転させて取り付けておく。そして、第2ステージ装置X2における電動モータM3、M4を、二つ折りさせる方向とは逆方向に起動して、その出力軸を逆転せしめる。
【0047】
すると、この出力軸を駆動支点とするスイングアームA3、A4をスイングさせようとする力の反作用として、当該スイングアームA3、A4の下端部の連結部を支点として、逆に、電動モータM3、M4の出力軸の部分を押し広げるように徐々にスイングする力として作用する。
【0048】
その結果、後ステージS4における最前列のステージ脚7Dの車輪ホルダ8Dに軸着した車輪9が、緩やかに転動して後方へ押し出される。また、前後ステージS3、S4の間に折り畳まれたステージ脚7C、7D、7が鉛直状態を維持したまま、徐々に展開される。
【0049】
また、前記ステージ脚7の展開と同時に、連結リンクL4,L3が略垂直状態から水平状態へと揺動し、それに伴って揺動レバー15bを介して畳受けアーム15aが、反時計方向に回転して略垂直状態であったステージS及び柔道畳Tの下端面に向き合う水平状態から斜め下方に退避される。
【0050】
よって、柔道畳Tを水平状態で使用している際には、滑落防止部材15が下方に退避されているので、競技する上での安全性が確保されるものである。
これにて図4に示すように、第2ステージ装置X2における前後ステージS3、S4を水平方向へ突き合わせた状態にして床面F上に展開せしめられる。
【0051】
次いで、第1ステージ装置X1の電動モータM1、M2を逆転作動させると、後ステージS2の下端部が壁側部分Kから押し出し作動すると共に、展開状態の第2ステージ装置X2を後方へ押し出しながら拡開作動する。同時に、ステージ脚7A,7Bにおける滑落防止部材15も、連結リンクL1,L2の揺動に伴ってそれぞれ退避状態にされる。
【0052】
そして、連結リンクL2の水平方向への揺動動作により、これと一体に起立されたステー21が略垂直状態に立ち上がり、連結部材22を介して第2ステージ装置X2を後方へ押すと同時に、前方へ引き寄せ、前ステージS3と後ステージS2と、及びこれらの各柔道畳T,Tとの突き合わせ部分を隙間無くゆっくりと当接させる。
【0053】
これにより、第1ステージ装置X1と第2ステージ装置X2からなる柔道用ステージ装置は、図1や図9に示すように、水平状態に展開配置され、ステージの組合せにより大会用の配置も効率的にできる。
【0054】
このように、柔道畳Tを貼着した状態のステージSを二つ折れに収納,展開させることができ、重量の重い(約18kg)柔道畳Tを一つ一つ片づける手間が省けるようになったものである。また、ステージSとステージ底桁5との当接面にはウレタンシート14が介在されていることから、競技中の振動音が抑えられるものである。
【0055】
【発明の効果】
本発明に係る柔道用ステージ装置は、前後2体で1組の畳を載置したステージが垂直方向へ迫り上げられて二つ折り自在に連結されると共に、水平方向へ展開自在にされてなる二つ折れステージ装置の複数組を、少なくとも前後方向に連結して多重折れに構成された柔道用ステージ装置において、前記畳の裏面に面状ファスナーの片方が貼着されるとともに、ステージの表面に当該面状ファスナーの他方が前記片方と対応する位置に貼着され、前記ステージが二つ折れにされた際の該ステージの谷側の縁部に畳滑落防止用の滑落防止部材が設けられているので、ステージに柔道畳が貼着された状態で壁際に収納・水平に添加させることができるようになり、柔道場の設置が容易となって手間が掛からず、収納状態においても滑落防止部材があることで安全性が確保されるという優れた効果を奏するものである。
【0056】
前記ステージと該ステージを支持するステージ底桁との当接面に、振動吸収用の緩衝材が介在されているので、柔道競技における振動音をよく吸収し、騒音の発生を抑えることが出来るという優れた効果を奏するものである。
【0057】
前記滑落防止部材は、ステージ脚にアーム後端部が軸着されアーム先端部で畳を受ける畳受けアームと、該畳受けアームに片端部が軸着され他端部がステージの二つ折りの際に揺動する連結リンクに軸着された揺動レバーとからなり、ステージの二つ折り動作に連動して当該ステージの谷側の縁部に出没自在にされているので、自動的に畳受けアームに畳滑落防止作用させることが出来るという優れた効果を奏するものである。
【0058】
また、二つ折りにされ壁際部分に収納されたステージを、壁際部分に固着されたフックに係合してロックさせるロック部材が前記ステージに設けられているので、壁際部分に収納したステージが移動しないようにされ、安全性が高まるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る柔道用ステージ装置の全体概要を示す斜視図である。
【図2】同本発明に係る柔道用ステージ装置における柔道畳Tの裏面図である。
【図3】同本発明に係る柔道用ステージ装置における、ステージとステージ底桁との構成を示す一部斜視図である。
【図4】同本発明に係る柔道用ステージ装置の第1ステージ装置を壁際部分に格納する途中の側面図である。
【図5】同本発明に係る柔道用ステージ装置の第2ステージ装置を壁際部分に格納する途中の側面図である。
【図6】同本発明に係る柔道用ステージ装置を壁際部分に格納した状態の側面図である。
【図7】同本発明に係る柔道用ステージ装置の第1ステージ装置と第2ステージ装置とにおける谷折れ部の要部を示す拡大斜視図である。
【図8】同本発明に係る柔道用ステージ装置における、滑落防止部材の構成を示す側面図である。
【図9】 同本発明に係る柔道用ステージ装置を水平方向に展開させた状態の平面図である。
【符号の説明】
X1 前部側のステージ装置(第1ステージ装置)、
X2 後部側のステージ装置(第2ステージ装置)、
S1〜S4 前後ステージ、F 床面、K 壁際部分、
M1〜M4 電動モータ、A1〜A4 スイングアーム、
L1〜L4 連結リンク、T 柔道畳、T1,T2 面状ファスナー、
5 ステージ底桁、6 取付金具、7 ステージ脚、
14 ウレタンシート、15 滑落防止部材、15a 畳受けアーム、
15b 揺動レバー、16 収納ロクレバー、17 フック、
21 ステー、22連結部材、23,24 連結軸。
Claims (4)
- 前後2体で1組の畳を載置したステージが垂直方向へ迫り上げられて二つ折り自在に連結されると共に、水平方向へ展開自在にされてなる二つ折れステージ装置の複数組を、少なくとも前後方向に連結して多重折れに構成された柔道用ステージ装置において、
前記畳の裏面に面状ファスナーの片方が貼着されるとともに、ステージの表面に当該面状ファスナーの他方が前記片方と対応する位置に貼着され、
前記ステージが二つ折れにされた際の該ステージの谷側の縁部に畳滑落防止用の滑落防止部材が設けられていること、
を特徴とする柔道用ステージ装置。 - ステージと該ステージを支持するステージ底桁との当接面に、振動吸収用の緩衝材が介在されていること、
を特徴とする請求項1に記載の柔道用ステージ装置。 - 滑落防止部材は、ステージ脚にアーム後端部が軸着されアーム先端部で畳を受ける畳受けアームと、該畳受けアームに片端部が軸着され他端部がステージの二つ折りの際に揺動する連結リンクに軸着された揺動レバーとからなり、ステージの二つ折り動作に連動して当該ステージの谷側の縁部に出没自在にされていること、
を特徴とする請求項1または2に記載の柔道用ステージ装置。 - 二つ折りにされ壁際部分に収納されたステージを、壁際部分に固着されたフックに係合してロックさせるロック部材が前記ステージに設けられていること、
を特徴とする請求項1または2に記載の柔道用ステージ装置。
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