JP3886320B2 - 半導体処理装置及びウェハの加熱制御方法 - Google Patents
半導体処理装置及びウェハの加熱制御方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体処理装置及びウェハの加熱制御方法に関し、特にSiウェハを回転しながら成膜するCVD(Chemical Vapour Deposition)装置において使用される半導体処理装置及びウェハの加熱制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記CVD装置としては、図1及び図2に示す構成のものが知られている。ここで、図1は同CVD装置の全体を示す概略図、図2は同CVD装置のホルダーに支持されるSiウェハの平面図を示す。
【0003】
図中の付番1は、反応容器を示す。この反応容器1内には、Siウェハ2を支持する例えば矢印A方向に回転可能なホルダー3が配置されている。このホルダー3の内部には、ウェハ2を加熱するヒータ4が配置されている。ここで、ヒータ4は、ウェハ2の中心部、その周辺部及び最外周部を夫々加熱するようにヒータ部4a,4b,4cから構成されている。これらヒータ部4a,4b,4cには、電源を備えたコントローラ5が接続されている。前記反応容器1の上部外壁には、反応容器1内に反応性ガスを導入するためのガス導入管6が設けられている。また、前記反応容器1の底部には、排気管7が設けられている。
【0004】
前記反応容器1の底部には、前記ホルダー3が回転するように軸受8が設けられている。前記ウェハ2の真上に位置する前記反応容器1の上部は開口されており、この開口部1aに透明な材質からなる窓9が設けられている。前記窓9の上方には、ウェハ2の半径2a,2bに対応する部分X1,X2の温度、及びホルダー3の幅の中心部分X3の温度を計測する放射温度計10,11,12が夫々配置されている。
【0005】
ところで、こうした構成のCVD装置において、ヒータ部4a,4bのパワーは、図5の(A),(B)に示すようにウェハ2の搬送時及びプロセス(成膜)時一定値P1,P2に夫々制御し、ヒータ部4cのみホルダー3上の部分X3の温度を用いた温度制御で加熱を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記CVD装置によれば、ウェハ2がホルダー3上にない時間が長いと、反応容器1内のウェハの温度安定性が悪く、特にロット1枚目のウェハの温度安定性が低いという問題があった。これは、温度制御を行っているホルダー3を所定の温度にするためのヒータ部4cのパワーが、ウェハ2がホルダー3にセットされている時とセットされていない時で異なる(セットされている時のパワーが高い)からである。
【0007】
事実、ウェハはロット別(1ロットは例えば25枚)に処理されるが、最初のウェハの温度特性は図6の曲線(イ)のように変化し、2枚目以降のウェハの温度特性は図6の曲線(ロ)のように変化し、両曲線の立ち上がりに大きな差が生じる。
【0008】
また、従来、図5の(A),(B)に示すように、ウェハ2の搬送時及びプロセス(成膜)時のヒータ部4a,4bのパワーを夫々一定値P1,P2に制御した場合、図9に示すように成膜時に必要なウェハ温度(T1)になるまでに多くの時間がかかるという問題があった。
【0009】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、コントローラは、ウェハが反応容器内にセットされる直前に、ウェハの中心部に対応するヒータに対し反応時より高めのパルス状のパワーを加える構成とすることにより、成膜時に必要な温度に短時間でなり得る半導体処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明はウェハを反応容器内にセットする直前に、ウェハの中心部に対応するヒータに対し反応時よりも高めのパルス状のパワーを加えることにより、成膜時に必要な温度に短時間でなり得るウェハの加熱制御方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願第1の発明は、反応容器と、この反応容器内に配置されウェハを支持するホルダーと、前記反応容器内に配置され前記ウェハの少なくとも中心部及び最外周部のゾーンに対応した部分を夫々加熱する複数のヒータと、これらのヒータに接続されたコントローラとを具備した半導体処理装置において、前記コントローラは、前記ウェハが前記反応容器内にセットされる直前に、前記ウェハの中心部に対応する前記ヒータに対し反応時より高めのパルス状のパワーを加えることを特徴とする半導体処理装置である。
【0012】
本願第2の発明は、反応容器と、この反応容器内に配置され、ウェハを支持するホルダー回転可能なホルダーと、前記反応容器内に配置され、前記ウェハの少なくとも中心部及び最外周部のゾーンに対応した部分を夫々加熱する複数のヒータと、これらのヒータに接続するコントローラと、前記ウェハの中心部の温度及び前記ホルダーの温度を計測する複数の放射温度計とを具備した半導体処理装置においてウェハの加熱制御を行う方法であり、ウェハを反応容器内にセットする直前に、ウェハの中心部に対応する前記ヒータに対し反応時より高めのパルス状のパワーを加えることを特徴とするウェハの加熱制御方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、ヒータの数はウェハの中心部と最外周部を少なくとも別々に加熱できればその数は特に限定されないが、ウェハの中心部、その周辺部及び最外周部のゾーンに対応する部分を加熱できるようにヒータを配置することが最小限のヒータでウェハの全域を均一に加熱できるので、効率の点で好ましい。また、放射温度計は、一般に前記ヒータの数に対応させて設置させればよいが、これに限らない。
【0014】
参考例において、ウェハの中心部に反応時より加える高めのパワーとは、成膜時に加えるパワーより大体1割程度高いパワーを示すが、多少前後させて最適化することにより、従来と比べてロット1枚目のウェハの温度安定性を得ることができる。
【0015】
本願発明において、反応時より高めのパルス状のパワーとは、成膜時に加えるパワーより大体10〜20%程度高めのパワーを示す。また、そのパワーを加える時間は通常数秒程度である。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び参考例に係る半導体処理装置(CVD装置)及びウェハの加熱制御方法について図面を参照して説明する。
【0017】
(参考例)
前述した図1、図2及び図3を参照して説明する。但し、参考例でも従来のCVD装置と同様の装置を用いるので、詳細な説明は省略する。
【0018】
即ち、参考例は、ウェハ2が反応容器1内のホルダー3にセットされていない時(搬送時)に、ウェハの中心部及びその周辺部に対応するヒータに対し反応時より高めのパワーを夫々加えることを特徴とする。具体的には、図3(A),(B)に示すように、成膜時はヒータ部4a,4bにパワーP1,P2を加えるが、ウェハ2が反応容器1内に存在しない時(搬送時)には反応時より高めのパワーP1’,P2’を夫々加える。ここで、パワーP1’,P2’はパワーP1,P2より約10%程度高めに設定される。
【0019】
このように、参考例によれば、ウェハ2が反応容器1内のホルダー3にセットされていない時に、ウェハ2の中心部及びその周辺部に対応するヒータ(4a,4b)に対し反応時より高めのパワーを夫々加えることにより、ウェハ搬送時のウェハ中心の温度が図4に示すように従来と比べて高く設定される(T3)。これにより、ロット1枚目のウェハの温度安定性を著しく向上することができ、従来と比べて最初から安定した状態で成膜処理ができる。事実、参考例によるロット1枚目のウェハ温度特性は、図4の曲線(イ)に示すようになることが確認された。なお、図4の曲線(ロ)はロット2枚目以降のウェハ温度特性を示す。
【0020】
(実施例)
前述した図1、図2及び図7を参照して説明する、但し、本発明でも従来のCVD装置と同様の装置を用いるので、詳細な説明は省略する。
【0021】
即ち、本実施例は、ウェハ2を反応容器1内にセットする直前に、ウェハ2の中心部及びその周辺部に対応するヒータに対し反応時より高めのパルス状のパワーを加えることを特徴とする。具体的には、図7(A),(B)に示すように、通常はヒータ部4a,4bにパワーP1,P2を加えるが、ウェハ2の反応容器1内へのセット直前では、反応時より高めのパワーP1’,P2’を夫々加える。ここで、パワーP1’,P2’はパワーP1,P2より夫々約20%、約10%程度高めに設定される。また、ヒータ部4a,4bにパワーをかける時間は約10秒である。
【0022】
実施例によれば、ウェハ2を反応容器1内にセットする直前に、ウェハ2の中心部及びその周辺部に対応するヒータに対し反応時より高めのパルス状のパワーを加えることにより、図8に示すようにウェハ中心の温度を成膜時に必要な温度に短時間で達することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、コントローラは、ウェハが反応容器内にセットされる直前に、ウェハの中心部に対応するヒータに対し反応時より高めのパルス状のパワーを加える構成とすることにより、成膜時に必要な温度に短時間でなり得る半導体処理装置を提供できる。
【0024】
また、本発明によれば、ウェハを反応容器内にセットする直前に、ウェハの中心部に対応するヒータに対し反応時よりも高めのパルス状のパワーを加えることにより、成膜時に必要な温度に短時間でなり得るウェハの加熱制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 CVD装置の全体を示す概略図。
【図2】 図1の装置のホルダーにセットされるウェハの温度測定半径位置を示す図。
【図3】 本発明の参考例に係るウェハの温度制御方法における時間とヒータ部へのパワーとの関係を示す特性図。
【図4】 本発明の参考例に係るウェハの温度制御方法における時間とウェハ温度との関係を示す特性図。
【図5】 従来のCVD装置における時間とヒータ部へのパワーとの関係を示す特性図。
【図6】 従来のCVD装置における時間とウェハ温度との関係を示す特性図。
【図7】 本発明の実施例に係るウェハの温度制御方法における時間とヒータ部へのパワーとの関係を示す特性図。
【図8】 本発明の実施例に係るウェハの温度制御方法における時間とウェハ温度との関係を示す特性図。
【図9】 従来のCVD装置における時間とウェハ温度との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1…反応容器、2…Siウェハ、3…ホルダー、4…ヒータ、5…コントローラ、6…ガス導入管、7…排気管、8…軸受、9…窓、10,11,12…放射温度計。
Claims (4)
- 反応容器と、この反応容器内に配置されウェハを支持するホルダーと、前記反応容器内に配置され前記ウェハの少なくとも中心部及び最外周部のゾーンに対応した部分を夫々加熱する複数のヒータと、これらのヒータに接続されたコントローラとを具備した半導体処理装置において、
前記コントローラは、前記ウェハが前記反応容器内にセットされる直前に、前記ウェハの中心部に対応する前記ヒータに対し反応時より高めのパルス状のパワーを加えることを特徴とする半導体処理装置。 - 前記ヒータは、ウェハの中心部、その周辺部及び最外周部のゾーンに対応した部分を夫々加熱するように構成され、前記コントローラは、ウェハを反応容器内にセットする直前に、前記ウェハの中心部及びその周辺部に対応する前記ヒータに対し反応時より高めのパルス状のパワーを加えることを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
- 反応容器と、この反応容器内に配置され、ウェハを支持する回転可能なホルダーと、前記反応容器内に配置され、前記ウェハの少なくとも中心部及び最外周部のゾーンに対応した部分を夫々加熱する複数のヒータと、これらのヒータに接続するコントローラと、前記ウェハの中心部の温度及び前記ホルダーの温度を計測する複数の放射温度計とを具備した半導体処理装置においてウェハの加熱制御を行う方法であり、
ウェハを反応容器内にセットする直前に、ウェハの中心部に対応する前記ヒータに対し反応時より高めのパルス状のパワーを加えることを特徴とするウェハの加熱制御方法。 - 前記ヒータは、ウェハの中心部、その周辺部及び最外周部のゾーンに対応した部分を夫々加熱するように構成され、ウェハを反応容器内にセットする直前に、ウェハの中心部及びその周辺部に対応する前記ヒータに対し反応時より高めのパルス状のパワーを加えることを特徴とする請求項3記載のウェハの加熱制御方法。
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