JP2002110556A - 熱処理装置 - Google Patents
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Abstract
適正に制御する。 【解決手段】 バッチ式縦形ホットウォール形熱処理装
置10において、プロセスチューブ11を封止するキャ
ップ20に保持パイプ52と全反射面57を有した導波
棒56とを備えたL字形状の放射温度計50を挿通し、
放射温度計50は放射温度計50からの計測温度でヒー
タ32をフィードバック制御するコントローラ33に接
続する。導波棒56をボート21に保持されたウエハ
1、1間に挿入して保持パイプ52で回動させることに
より、全反射面57でウエハ1の中心部の温度と周辺部
の温度とを計測できるように構成する。 【効果】 放射温度計でウエハの中心部の現在の実際の
温度を計測しヒータをフィードバック制御することで、
熱処理中や昇降温時のウエハの中心部と周辺部の温度差
を解消できるため、ウエハ面内の処理状態分布の均一性
を向上できる。
Description
ace )に関し、例えば、半導体集積回路装置(以下、I
Cという。)が作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエ
ハという。)に酸化処理や拡散処理および拡散だけでな
くイオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化のための
リフローやアニール等の熱処理に使用される熱処理装置
に利用して有効な技術に関する。
処理等の熱処理には、バッチ式縦形ホットウォール形熱
処理装置(以下、ホットウォール形熱処理装置とい
う。)が、広く使用されている。ホットウォール形熱処
理装置は、ウエハが搬入される処理室を形成するインナ
チューブおよびこのインナチューブを取り囲むアウタチ
ューブから構成され縦形に設置されたプロセスチューブ
と、プロセスチューブの外部に敷設されてプロセスチュ
ーブ内を加熱するヒータとを備えており、複数枚のウエ
ハがボートによって長く整列されて保持された状態でイ
ンナチューブ内に下端の炉口から搬入され、ヒータによ
って処理室内が加熱されることにより、ウエハに熱処理
が施されるように構成されている。
おいては、インナチューブとアウタチューブとの間に熱
電対を配置して処理室内の温度を計測し、この計測結果
に基づいてヒータをフィードバック制御することによ
り、熱処理を適正に制御することが行われている。この
制御方法の根拠は、プロセスチューブの外部に敷設され
たヒータによってプロセスチューブの処理室内のウエハ
を加熱するホットウォール形熱処理装置においては処理
室内の雰囲気全体が均一な温度となるため、インナチュ
ーブとアウタチューブとの間に配置された熱電対であっ
てもウエハの実際の温度を計測することができ、その熱
電対の計測結果によってヒータをフィードバック制御す
ることにより、ウエハに対する熱処理を適正に制御する
ことができるというものである。
うなホットウォール形熱処理装置においては、ウエハが
大径化した場合(例えば、直径が三百mmのウエハの場
合)には、次のような問題点が発生する。すなわち、ウ
エハの側方から加熱するホットウォール形熱処理装置に
おいては、大径のウエハの場合にはヒータとの遠近差が
顕著になることにより、ウエハの中心部と周辺部との温
度差が顕著になるため、インナチューブとアウタチュー
ブとの間に配置された熱電対による温度計測によって
は、ウエハの中心部における実際の温度を計測したこと
にならない。つまり、熱電対による温度計測結果に基づ
いてヒータをフィードバック制御したのでは、ウエハに
対する熱処理を適正に制御したことにはならない。
ては温度の上昇および降下の時間を短縮することが要求
されているが、ホットウォール形熱処理装置におけるウ
エハの周辺部の温度上昇および降下は中心部よりも速い
ため、温度の上昇および降下を短時間で実施すると、ウ
エハの中心部と周辺部との温度差が広がってしまう。こ
のウエハの中心部と周辺部との温度差はウエハが大径に
なるほど顕著になる。そのため、インナチューブとアウ
タチューブとの間に配置された熱電対による温度計測結
果に基づいてヒータをフィードバック制御するホットウ
ォール形熱処理装置においては、ウエハの中心部と周辺
部との温度差を吸収するためにマージン(余裕)を設定
する必要があるので、温度の上昇および降下時間の短縮
に限界がある。
題点を解決し、基板の径方向の複数点における現在の実
際の温度を適正に計測することによって熱処理を適正に
実行することができる熱処理装置を提供することにあ
る。
は、プロセスチューブの処理室に温度計が設置されてお
り、この温度計は前記処理室内へ基板の厚さ方向に挿入
されて回動自在に支承された支軸部と、この支軸部に保
持されて前記基板と平行方向に延設された回動部と、こ
の回動部に設けられた検出部とを備えており、前記支軸
部の回動に伴う前記回動部の回動によって検出部が前記
ウエハの径方向の複数点に対応した温度を計測するよう
に構成されていることを特徴とする。
の処理室内の基板の径方向の複数点における現在の実際
の温度が温度計によって計測されるため、プロセスチュ
ーブの外部に敷設されて処理室を加熱するヒータを処理
室内の基板の径方向の複数点における現在の実際の温度
に即してフィードバック制御することができ、その結
果、基板に対する熱処理を適正に制御することができ
る。
面に即して説明する。
るように、本発明に係る熱処理装置はICの製造方法に
おける熱処理工程を実施するホットウォール形熱処理装
置(バッチ式縦形ホットウォール形熱処理装置)10と
して構成されている。
理装置10は、中心線が垂直になるように縦に配されて
固定的に支持された縦形のプロセスチューブ11を備え
ている。プロセスチューブ11はインナチューブ12と
アウタチューブ13とから構成されており、インナチュ
ーブ12は石英ガラスまたは炭化シリコン(SiC)が
使用されて円筒形状に一体成形され、アウタチューブ1
3は石英ガラスが使用されて円筒形状に一体成形されて
いる。インナチューブ12は上下両端が開口した円筒形
状に形成されており、インナチューブ12の筒中空部は
ボートによって長く整列した状態に保持された複数枚の
ウエハが搬入される処理室14を実質的に形成してい
る。インナチューブ12の下端開口はウエハを出し入れ
するための炉口15を実質的に構成している。したがっ
て、インナチューブ12の内径は取り扱うウエハの最大
外径(例えば、三百mm)よりも大きくなるように設定
されている。
ブ12の外径よりも大きく上端が閉塞し下端が開口した
円筒形状に形成されており、インナチューブ12にその
外側を取り囲むように同心円に被せられている。インナ
チューブ12とアウタチューブ13との間の下端部は多
段の円筒形状に構築されたマニホールド16によって気
密封止されており、マニホールド16はインナチューブ
12およびアウタチューブ13の交換等のためにインナ
チューブ12およびアウタチューブ13にそれぞれ着脱
自在に取り付けられている。マニホールド16がホット
ウォール形熱処理装置の機枠30に支持されることによ
り、プロセスチューブ11は垂直に据え付けられた状態
になっている。
16の側壁の上部には排気管17が接続されており、排
気管17は排気装置(図示せず)に接続されて処理室1
4を排気し得るようになっている。排気管17はインナ
チューブ12とアウタチューブ13との間に形成された
隙間に連通した状態になっており、インナチューブ12
とアウタチューブ13との隙間によって排気路18が、
横断面形状が一定幅の円形リング形状に構成されてい
る。排気管17がマニホールド16に接続されているた
め、排気管17は円筒形状の中空体を形成されて垂直に
延在した排気路18の最下端部に配置された状態になっ
ている。
ガス導入管19がインナチューブ12の炉口15に連通
するように接続されており、ガス導入管19には原料ガ
ス供給装置およびキャリアガス供給装置(いずれも図示
せず)に接続されている。ガス導入管19によって炉口
15に導入されたガスはインナチューブ12の処理室1
4内を流通して排気路18を通って排気管17によって
排気される。
キャップ20が垂直方向下側から当接されるようになっ
ている。キャップ20はマニホールド16の外径と略等
しい円盤形状に構築されており、プロセスチューブ11
の外部に垂直に設備されたエレベータ(図示せず)によ
って垂直方向に昇降されるように構成されている。キャ
ップ20の中心線上にはボート21が垂直に立脚されて
支持されるようになっている。
と、両端板22と23との間に架設されて垂直に配設さ
れた三本の保持部材24とを備えており、三本の保持部
材24には多数の保持溝25が長手方向に等間隔に配さ
れて互いに対向して開口するように刻設されている。ボ
ート21は三本の保持部材24の保持溝25間にウエハ
1を挿入されることにより、複数枚のウエハ1を水平に
かつ互いに中心を揃えた状態に整列させて保持するよう
になっている。ボート21とキャップ20との間には内
部に断熱材27が封入された断熱キャップ部26が配置
されており、断熱キャップ部26はボート21をキャッ
プ20の上面から持ち上げた状態に支持することによ
り、ボート21の下端を炉口15の位置から適当な距離
だけ離間させるように構成されている。
ーブ11の外側は断熱カバー31によって全体的に被覆
されており、断熱カバー31の内側にはプロセスチュー
ブ11の内部を加熱するヒータ32がアウタチューブ1
3の周囲を包囲するように同心円に設備されている。断
熱カバー31およびヒータ32はホットウォール形熱処
理装置の機枠30に支持されることによって垂直に据え
付けられている。ヒータ32は上側から順に、第一ヒー
タ部32a、第二ヒータ部32b、第三ヒータ部32
c、第四ヒータ部32dおよび第五ヒータ部32eに五
分割されており、これらヒータ部32a〜32eは温度
コントローラ33によって互いに連携および独立してシ
ーケンス制御されるように構成されている。
ータ熱電対34a、34b、34c、34dおよび34
eがそれぞれ設置されており、各ヒータ熱電対34a〜
34eは計測結果を温度コントローラ33にそれぞれ送
信するようになっている。そして、温度コントローラ3
3は各ヒータ熱電対34a〜34eからの計測温度によ
って各ヒータ部32a〜32eをフィードバック制御す
るようになっている。すなわち、温度コントローラ33
は各ヒータ部32a〜32eの目標温度と各ヒータ熱電
対34a〜34eの計測温度との誤差を求めて、誤差が
ある場合には誤差を解消させるフィードバック制御を実
行するようになっている。
対35が上下方向に貫通されて支持されており、カスケ
ード熱電対35の挿入端部はインナチューブ12の内周
付近に敷設された状態になっている。カスケード熱電対
35には五個の熱電対部35a、35b、35c、35
dおよび35eが設定されており、各熱電対部35a〜
35eはインナチューブ12の内部において各ヒータ部
32a〜32eにそれぞれ対向するように配置されてい
る。各熱電対部35a〜35eは計測結果を温度コント
ローラ33にそれぞれ送信するようになっており、温度
コントローラ33は各熱電対部35a〜35eからの計
測温度によって各ヒータ部32a〜32eをフィードバ
ック制御するようになっている。すなわち、温度コント
ローラ33は各ヒータ部32a〜32eの目標温度と各
熱電対部35a〜35eの計測温度との誤差を求めて、
誤差がある場合には誤差を解消させるフィードバック制
御を実行するようになっている。
1とプロセスチューブ11との間には冷却エア40を流
通させるための冷却エア通路41が、プロセスチューブ
11を全体的に包囲するように形成されている。断熱カ
バー31の下端部には冷却エア40を冷却エア通路41
に供給する給気管42が接続されており、給気管42に
供給された冷却エア40は冷却エア通路41の全周に拡
散するようになっている。断熱カバー31の天井壁の中
央部には冷却エア40を冷却エア通路41から排出する
排気口43が開設されており、排気口43には排気路4
4が接続されている。排気路44には第一ダンパ45、
水冷ラジエータ46、第二ダンパ47およびブロア48
が介設されている。
の断熱キャップ部26の外側には図3および図4に示さ
れたL字形状の放射温度計50が処理室14に挿入され
て固定されており、放射温度計50の処理室14に挿入
された上端の水平部分はボート21に保持されたウエハ
1のうち下から二段目のウエハ1と三段目のウエハ1と
の間に側方から挿入されている。上下のウエハ1、1の
間に挿入された放射温度計50の先端部はウエハ1の中
心点まで達しており、上側である三段目のウエハ1の下
面の中心部の温度を計測するようになっている。そし
て、放射温度計50は計測結果を温度コントローラ33
に送信するようになっており、温度コントローラ33は
放射温度計50からの計測温度によってヒータ32をフ
ィードバック制御するようになっている。すなわち、ヒ
ータ32の目標温度と放射温度計50の計測温度との誤
差を求めて、誤差がある場合には誤差を解消させるフィ
ードバック制御を実行するようになっている。
0は円筒形状に形成されたホルダ51を備えており、ホ
ルダ51はキャップ20に下から挿入されて固定されて
いる。ホルダ51の中心線上には石英ガラスが使用され
て円筒形のパイプ形状に形成された保持パイプ52が上
下方向に配置されて下端部において回転自在に支承され
ており、保持パイプ52はキャップ20の外部に設置さ
れたロータリーアクチュエータ58によって回転駆動さ
れるようになっている。保持パイプ52の上端部にはエ
ルボ形状部53が直角に屈曲されて形成されており、保
持パイプ52の中空部内には複数本の光ファイバが束ね
られた光ファイバ束54が挿通されている。光ファイバ
束54のエルボ形状部53と反対側端は熱電対や抵抗素
子等の測温素子(図示せず)に光学的に対向されてお
り、測温素子の熱起電力に基づく出力が放射温度計50
の計測温度として温度コントローラ33に送信されるよ
うになっている。
開口部には導波棒56の後端部が嵌入されて固定されて
おり、エルボ形状部53に後端部が固定された導波棒5
6は全体的に保持パイプ52に水平に支持された状態に
なっている。すなわち、保持パイプ52は導波棒56の
支軸部を構成しており、図4に示されているように、導
波棒56は支軸部としての保持パイプ52のロータリー
アクチュエータ58による回転に伴って保持パイプ52
の中心線を中心として回動するようになっている。エル
ボ形状部53の内部において導波棒56の後端面は光フ
ァイバ束54の先端面と突合されており、導波棒56と
光ファイバ束54との突合部は継手部55によって機械
的かつ光学的に結合されている。
が使用されて丸棒形状に形成されており、導波棒56の
エルボ形状部53と反対側である前端部には全反射面5
7を構成する傾斜面が形成されている。すなわち、図3
に示されているように、全反射面57は導波棒56が先
方へ行くに従って細くなるように切削されることにより
形成されており、本実施の形態において、全反射面57
は導波棒56の中心線に対して30度の傾斜角Θを設定
されている。また、全反射面57は上向きに配置されて
おり、上側のウエハ1の下面の中心点に光学的に対向さ
れているとともに、その入射側光軸が垂直であるボート
21の中心線と、その反射側光軸が水平である導波棒5
6の中心線と可及的に一致するように配置されている。
つまり、図3(b)に示されているように、導波棒56
の全反射面57はウエハ1の中心点における放射線61
を検出する検出部を構成している。
処理装置の作用を温度制御を主体にして説明する。
ハ1を整列保持したボート21はキャップ20の上にウ
エハ1群が並んだ方向が垂直になる状態で載置され、エ
レベータによって差し上げられてインナチューブ12の
炉口15から処理室14に搬入されて行き、キャップ2
0に支持されたままの状態で処理室14に存置される。
この際、放射温度計50の導波棒56の先端部はボート
21の二段目のウエハ1と三段目のウエハ1との間に挿
入されて、導波棒56の全反射面57が三段目のウエハ
1の下面の中心部に対向した状態になっている。
によって排気されるとともに、プロセスチューブ11の
内部がヒータ32の各ヒータ部32a〜32eによって
温度コントローラ33のシーケンス制御の目標温度(例
えば、600〜1200℃)に加熱される。この際、ヒ
ータ32の各ヒータ部32a〜32eの実際の加熱温度
(出力)とシーケンス制御の目標温度との誤差は各ヒー
タ熱電対34a〜34dの計測結果に基づくフィードバ
ック制御によって補正される。
よるプロセスチューブ11の内部の実際の上昇温度と各
ヒータ部32a〜32eのシーケンス制御の目標温度と
の誤差は、カスケード熱電対35の各熱電対部35a〜
35eの計測結果に基づくフィードバック制御によって
補正される。
1の直径が三百mmである場合には、カスケード熱電対
35による温度計測によってはウエハ1の中心部におけ
る実際の温度を計測したことにならないため、カスケー
ド熱電対35による温度計測結果に基づいてヒータ32
をフィードバック制御しただけでは、ウエハ1に対する
熱処理を適正に制御することができない。
1の中心部における現在の実際の温度を放射温度計50
によって計測し、この計測結果に基づいてヒータ32を
フィードバック制御することにより、ウエハ1に対する
熱処理を適正に制御するものとしている。
全反射面57は三段目のウエハ1の中心部に対向されて
いるため、図3に示されているように、高温に加熱され
たウエハ1の中心部からの放射線(熱線)61は放射温
度計50の導波棒56に垂直方向から入射して、全反射
面57に入射する。導波棒56の全反射面57に垂直方
向から入射した放射線61は全反射面57で水平方向に
反射されて向きを変換される。水平方向に向きを変換さ
れた放射線61は導波棒56の界面で全反射を繰り返す
ことにより伝播して継手部55を介して光ファイバ束5
4に入射する。図示しないが、光ファイバ束54に入射
した放射線61は同様にして伝播して測温素子に照射す
る。放射温度計50は測温素子に照射した放射線61に
対応した測温値を温度コントローラ33に送信する。な
お、図3(b)に示されているように、下側のウエハ1
からの放射線62等の迷光は全反射面57において外側
に全反射するため、導波棒56には入射しない。
1の中心部の計測温度とカスケード熱電対35から送信
されて来たウエハ1の周辺部の計測温度との間に差があ
る場合には、温度コントローラ33は放射温度計50か
らの計測温度とヒータ32のシーケンス制御の目標温度
との誤差を求め、その誤差を解消させるフィードバック
制御を実行する。なお、放射温度計50の計測温度に基
づくフィードバック制御を実行すべきカスケード熱電対
35の計測温度と放射温度計50の計測温度との差値の
大きさには範囲を持たせることができる。例えば、カス
ケード熱電対35の計測温度と放射温度計50の計測温
度との差値が1℃以下である場合には、放射温度計50
の計測温度に基づくフィードバック制御を実行しないよ
うに設定することができる。また、放射温度計50によ
ってウエハ1の周辺部における現在の実際の温度を計測
したい場合には、図4(a)に想像線に示されているよ
うに、回動部としての導波棒56を回動させて検出部と
しての全反射面57をウエハ1の周辺部に配置すればよ
い。
温度計50はボート21の三段目に保持されたウエハ1
だけを測温することにより、ウエハ1の中心部と周辺部
との温度差を解消させる温度制御を実行していることに
なる。しかし、プロセスチューブ11の内部の温度は均
一に保たれていることにより、ボート21の上段領域に
保持されたウエハ1の温度と下段領域に保持されたウエ
ハ1の温度との間には差が無いため、三段目に保持され
たウエハ1の中心部の測温データだけであっても、ウエ
ハ1の中心部と周辺部との温度差を解消させる温度制御
は充分に適正に実行することができる。
いては、ヒータ32に対するウエハ1の中心部と周辺部
とでは、遠近差によって温度差や温度上昇速度差が発生
する。これらの差があるままの状態で熱処理を実行する
と、ウエハ1の熱処理状態の分布(例えば、酸化膜の膜
厚分布や不純物の拡散分布)が中心部と周辺部との間で
不均一になってしまう。そこで、直径が三百mmのウエ
ハ1の場合の温度差や温度上昇速度差を吸収するため
に、従来例においてはヒータ32の加熱によるプロセス
チューブ11の内部の温度上昇速度を低く抑制するシー
ケンス制御が実行されている。
度計50の測温結果に基づくフィーダバック制御によっ
てウエハ1の中心部と周辺部との温度差が解消されるた
め、ヒータ32の加熱によるプロセスチューブ11の内
部の温度上昇速度を従来例に比べて速く設定することが
できる。
11の内部の温度が全体的に一定の安定した状態になる
と、図4(b)に示されているように、放射温度計50
の支軸部としての保持パイプ52がロータリーアクチュ
エータ58によって所定の角度回転されることにより、
保持パイプ52に保持された回動部としての導波棒56
が回動されてウエハ1の外側に配置される。このように
して導波棒56がウエハ1の外側に退避されると、プロ
セスチューブ11の処理室14に原料ガスが供給されて
ウエハ1、1間に原料ガスが流通する場合であっても、
その原料ガスの流れが導波棒56の存在によって乱され
るのを未然に防止することができる。
予め設定された熱処理時間が経過すると、ヒータ32の
加熱が温度コントローラ33のシーケンス制御によって
停止されるとともに、冷却エア40が冷却エア通路41
を流通される。すなわち、冷却エア40は給気管42か
ら供給されるとともに、排気口43から排気路44によ
る排気力によって排気される。冷却エア40は冷却エア
通路41を流通する間にプロセスチューブ11のアウタ
チューブ13に接触して熱を奪うことにより、プロセス
チューブ11の内部を強制的に冷却する。この冷却エア
40による強制冷却によってプロセスチューブ11の内
部の温度は自然冷却の場合に比べて急速に降下して行
く。
却もプロセスチューブ11の外側からの冷却であるた
め、直径が三百mmのウエハ1においてはウエハ1の中
心部と周辺部とでは遠近差による温度差や温度降下速度
差が発生する。これらの差があるままの状態で強制冷却
を継続すると、ウエハ面内の温度分布が不均一になるた
め、ウエハ1に反りが発生してしまう。そこで、直径が
三百mmのウエハ1の場合の温度差や温度降下速度差を
吸収するために、従来例においては強制冷却による温度
下降速度は低く設定されている。
却に際して、放射温度計50の導波棒56を図4(a)
に示された測温状態に戻すことにより、放射温度計50
の測温結果に基づくフィードバック制御によってウエハ
1の中心部と周辺部との温度差を解消させることができ
るため、強制冷却によるプロセスチューブ11の内部の
温度下降速度を従来例に比べて速く設定することができ
る。すなわち、放射温度計50から送信されて来たウエ
ハ1の中心部の計測温度とカスケード熱電対35から送
信されて来たウエハ1の周辺部の計測温度との間に差が
所定の範囲内にある場合には、温度コントローラ33は
冷却エア40の冷却エア通路41での流通速度を増速さ
せて行き、所定の範囲外の場合には流通速度の増速を中
止する。所定の温度差の範囲とは、ウエハ1に反りまた
はスリップが発生するのを防止可能な範囲である。
内部の温度が降下されて行き予め設定された降下時間が
経過すると、キャップ20が下降されて炉口15が開口
されるとともに、ボート21に保持された状態でウエハ
1群が炉口15からプロセスチューブ11の外部に搬出
される。
れる。
トに保持されたウエハの温度を処理中に計測することに
より、インシチュー(In−situ)でウエハの温度を直接
計測することができるため、プロセスチューブを加熱す
るヒータを放射温度計の計測結果によってリアルタイム
でフィードバック制御することができ、ホットウォール
形熱処理装置の性能および信頼性を高めることができ
る。
度計の水平部の先端をボートに保持された上下で隣合う
ウエハの間に挿入してウエハの中心部に位置させること
により、放射温度計によってウエハの中心部の温度を直
接計測し、この計測結果によってヒータをフィードバッ
ク制御することができるため、熱処理中や昇温時および
降温時におけるウエハの中心部と周辺部との温度差を解
消することができる。
温度分布の均一性を大幅に向上させることができるた
め、熱処理後のウエハにおける処理状態の面内分布の均
一性を大幅に向上させることができるとともに、ウエハ
の反りの発生を防止することができ、ひいてはICの品
質および信頼性を高めることができる。
中心部と周辺部との温度差を解消することにより、シー
ケンス制御の温度昇降速度を速く設定することができる
とともに、シーケンス制御の目標温度への到達時間およ
び安定時間を大幅に短縮することができるため、ホット
ウォール形熱処理装置の昇温および降温性能を大幅に高
めることができる。
保持した保持パイプのエルボ形状部に水平に支持させる
ことにより、ボートに水平に支持されたウエハ間に側方
から放射温度計を挿入することができるため、ウエハの
中心部の温度を放射温度計によって計測することができ
る。
を形成して全反射面を形成することにより、ウエハ間に
挿入した導波棒の検出子端をウエハの下面に光学的に対
向させることができるため、ウエハの下面の放射線を導
波棒に適正に入射させることができ、もって、ウエハの
現在の実際の温度を放射温度計によって正確に計測する
ことができる。
た傾斜面からなる全反射面の光軸をウエハの下面の中心
部に位置させることにより、ウエハの中心部の放射線を
導波棒に適正に入射させることができるため、ウエハの
中心部の現在の実際の温度を放射温度計によって正確に
計測することができる。
棒を支持した支軸部としての保持パイプを回動させるこ
とにより、ウエハの熱処理中に導波棒を支軸としての保
持パイプによって回動させてウエハの間から外方へ退避
させることができるため、熱処理中の測温対象ウエハ間
における原料ガスの流れ等の熱処理条件が変動するのを
未然に防止することができる。
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変
更が可能であることはいうまでもない。
エハ中心部および周辺部における現在の実際の温度を計
測する放射温度計によってヒータをフィードバック制御
するように構成してもよい。
のものを使用するに限らず、光ファイバや他の光学系を
使用したものを使用してもよい。さらには、支軸部を中
心に回動する回動部に温度を検出する検出部が設けられ
たL字形状の温度計としては、放射温度計を使用するに
限らず、検出部に熱電対部を配置したもの等を使用する
ことができる。
けでなくイオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化の
ためのリフローおよびアニール処理等に限らず、成膜処
理等の熱処理であってもよい。
やプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスク
および磁気ディスク等であってもよい。
熱処理装置に限らず、バッチ式横形ホットウオール形熱
処理装置や縦形および横形ホットウォール形減圧CVD
装置等の熱処理装置全般に適用することができる。
正に計測することによって熱処理を適正に実行すること
ができる。
熱処理装置を示す正面断面図である。
部切断正面図、(b)は要部の拡大断面図である。
(a)は測温時を示し、(b)は退避時を示している。
置(バッチ式縦形ホットウォール形熱処理装置)、11
…プロセスチューブ、12…インナチューブ、13…ア
ウタチューブ、14…処理室、15…炉口、16…マニ
ホールド、17…排気管、18…排気路、19…ガス導
入管、20…キャップ、21…ボート、22、23…端
板、24…保持部材、25…保持溝、26…断熱キャッ
プ部、27…断熱材、30…機枠、31…断熱カバー、
32…ヒータ、32a〜32e…ヒータ部、33…温度
コントローラ、34a〜34e…ヒータ熱電対、35…
カスケード熱電対、35a〜35e…熱電対部、40…
冷却エア、41…冷却エア通路、42…給気管、43…
排気口、44…排気路、45…第一ダンパ、46…水冷
ラジエータ、47…第二ダンパ、48…ブロア、50…
放射温度計、51…ホルダ、52…保持パイプ、53…
エルボ形状部、54…光ファイバ束、55…継手部、5
6…導波棒、57…全反射面、58…ロータリーアクチ
ュエータ、61…放射線(熱線)、62…放射線(迷
光)。
Claims (1)
- 【請求項1】 プロセスチューブの処理室に温度計が設
置されており、この温度計は前記処理室内へ基板の厚さ
方向に挿入されて回動自在に支承された支軸部と、この
支軸部に保持されて前記基板と平行方向に延設された回
動部と、この回動部に設けられた検出部とを備えてお
り、前記支軸部の回動に伴う前記回動部の回動によって
検出部が前記ウエハの径方向の複数点に対応した温度を
計測するように構成されていることを特徴とする熱処理
装置。
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