JP2002367919A - 熱処理装置 - Google Patents

熱処理装置

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JP2002367919A
JP2002367919A JP2001167902A JP2001167902A JP2002367919A JP 2002367919 A JP2002367919 A JP 2002367919A JP 2001167902 A JP2001167902 A JP 2001167902A JP 2001167902 A JP2001167902 A JP 2001167902A JP 2002367919 A JP2002367919 A JP 2002367919A
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temperature
wafer
heat treatment
radiation thermometer
heater
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JP2001167902A
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English (en)
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Toshimitsu Miyata
敏光 宮田
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Hitachi Kokusai Electric Inc
Original Assignee
Hitachi Kokusai Electric Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエハの実際の温度を計測して熱処理温度を
適正に制御する。 【解決手段】 バッチ式縦形ホットウォール形熱処理装
置10において、プロセスチューブ11を封止するキャ
ップ20にL字形状の放射温度計50を挿通し、放射温
度計50の水平部の先端をボート21に保持された下か
ら二段目のウエハ1と三段目のウエハ1の間に挿入して
三段目のウエハ1の下面の中心に対向させる。放射温度
計50は温度コントローラ33に接続し、温度コントロ
ーラ33は放射温度計50からの計測温度でヒータ32
をフィードバック制御するように構成する。 【効果】 放射温度計でウエハの中心部の現在の実際の
温度を計測しヒータをフィードバック制御することで、
熱処理中や昇降温時のウエハの中心部と周辺部の温度差
を解消できるため、ウエハ面内の処理状態分布の均一性
を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱処理装置(furn
ace )に関し、例えば、半導体集積回路装置(以下、I
Cという。)が作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエ
ハという。)に酸化処理や拡散処理および拡散だけでな
くイオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化のための
リフローやアニール等の熱処理に使用される熱処理装置
に利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ICの製造方法における酸化処理や拡散
処理等の熱処理には、バッチ式縦形ホットウォール形熱
処理装置(以下、ホットウォール形熱処理装置とい
う。)が、広く使用されている。ホットウォール形熱処
理装置は、ウエハが搬入される処理室を形成するインナ
チューブおよびこのインナチューブを取り囲むアウタチ
ューブから構成され縦形に設置されたプロセスチューブ
と、プロセスチューブの外部に敷設されてプロセスチュ
ーブ内を加熱するヒータとを備えており、複数枚のウエ
ハがボートによって長く整列されて保持された状態でイ
ンナチューブ内に下端の炉口から搬入され、ヒータによ
って処理室内が加熱されることにより、ウエハに熱処理
が施されるように構成されている。
【0003】このようなホットウォール形熱処理装置に
おいては、インナチューブとアウタチューブとの間に熱
電対を配置して処理室内の温度を計測し、この計測結果
に基づいてヒータをフィードバック制御することによ
り、熱処理を適正に制御することが行われている。この
制御方法の根拠は、プロセスチューブの外部に敷設され
たヒータによってプロセスチューブの処理室内のウエハ
を加熱するホットウォール形熱処理装置においては処理
室内の雰囲気全体が均一な温度となるため、インナチュ
ーブとアウタチューブとの間に配置された熱電対であっ
てもウエハの実際の温度を計測することができ、その熱
電対の計測結果によってヒータをフィードバック制御す
ることにより、ウエハに対する熱処理を適正に制御する
ことができるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなホットウォール形熱処理装置においては、ウエハが
大径化した場合(例えば、直径が三百mmのウエハの場
合)には、次のような問題点が発生する。すなわち、ウ
エハの側方から加熱するホットウォール形熱処理装置に
おいては、大径のウエハの場合にはヒータとの遠近差が
顕著になることにより、ウエハの中心部と周辺部との温
度差が顕著になるため、インナチューブとアウタチュー
ブとの間に配置された熱電対による温度計測によって
は、ウエハの中心部における実際の温度を計測したこと
にならない。つまり、熱電対による温度計測結果に基づ
いてヒータをフィードバック制御したのでは、ウエハに
対する熱処理を適正に制御したことにはならない。
【0005】また、ホットウォール形熱処理装置におい
ては温度の上昇および降下の時間を短縮することが要求
されているが、ホットウォール形熱処理装置におけるウ
エハの周辺部の温度上昇および降下は中心部よりも速い
ため、温度の上昇および降下を短時間で実施すると、ウ
エハの中心部と周辺部との温度差が広がってしまう。こ
のウエハの中心部と周辺部との温度差はウエハが大径に
なるほど顕著になる。そのため、インナチューブとアウ
タチューブとの間に配置された熱電対による温度計測結
果に基づいてヒータをフィードバック制御するホットウ
ォール形熱処理装置においては、ウエハの中心部と周辺
部との温度差を吸収するためにマージン(余裕)を設定
する必要があるので、温度の上昇および降下時間の短縮
に限界がある。
【0006】本発明の目的は、従来の技術のこれらの問
題点を解決し、現在の実際の温度を適正に計測すること
によって熱処理を適正に実行することができる熱処理装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱処理装置
は、プロセスチューブの処理室内の基板間に放射温度計
を側方から挿入し、この放射温度計によって前記基板の
温度を計測し、前記プロセスチューブの外部に敷設され
て前記処理室を加熱するヒータを前記放射温度計の計測
結果によってフィードバック制御することを特徴とす
る。
【0008】前記した手段によれば、プロセスチューブ
の処理室内の基板の温度が放射温度計によって計測され
るため、プロセスチューブの外部に敷設されて処理室を
加熱するヒータを基板の現在の実際の温度に即してフィ
ードバック制御することができ、その結果、基板に対す
る熱処理を適正に制御することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に即して説明する。
【0010】本実施の形態において、図1に示されてい
るように、本発明に係る熱処理装置はICの製造方法に
おける熱処理工程を実施するホットウォール形熱処理装
置(バッチ式縦形ホットウォール形熱処理装置)10と
して構成されている。
【0011】図1に示されているホットウォール形熱処
理装置10は、中心線が垂直になるように縦に配されて
固定的に支持された縦形のプロセスチューブ11を備え
ている。プロセスチューブ11はインナチューブ12と
アウタチューブ13とから構成されており、インナチュ
ーブ12は石英ガラスまたは炭化シリコン(SiC)が
使用されて円筒形状に一体成形され、アウタチューブ1
3は石英ガラスが使用されて円筒形状に一体成形されて
いる。インナチューブ12は上下両端が開口した円筒形
状に形成されており、インナチューブ12の筒中空部は
ボートによって長く整列した状態に保持された複数枚の
ウエハが搬入される処理室14を実質的に形成してい
る。インナチューブ12の下端開口はウエハを出し入れ
するための炉口15を実質的に構成している。したがっ
て、インナチューブ12の内径は取り扱うウエハの最大
外径(例えば、三百mm)よりも大きくなるように設定
されている。
【0012】アウタチューブ13は内径がインナチュー
ブ12の外径よりも大きく上端が閉塞し下端が開口した
円筒形状に形成されており、インナチューブ12にその
外側を取り囲むように同心円に被せられている。インナ
チューブ12とアウタチューブ13との間の下端部は多
段の円筒形状に構築されたマニホールド16によって気
密封止されており、マニホールド16はインナチューブ
12およびアウタチューブ13の交換等のためにインナ
チューブ12およびアウタチューブ13にそれぞれ着脱
自在に取り付けられている。マニホールド16がホット
ウォール形熱処理装置の機枠30に支持されることによ
り、プロセスチューブ11は垂直に据え付けられた状態
になっている。
【0013】図2に示されているように、マニホールド
16の側壁の上部には排気管17が接続されており、排
気管17は排気装置(図示せず)に接続されて処理室1
4を排気し得るようになっている。排気管17はインナ
チューブ12とアウタチューブ13との間に形成された
隙間に連通した状態になっており、インナチューブ12
とアウタチューブ13との隙間によって排気路18が、
横断面形状が一定幅の円形リング形状に構成されてい
る。排気管17がマニホールド16に接続されているた
め、排気管17は円筒形状の中空体を形成されて垂直に
延在した排気路18の最下端部に配置された状態になっ
ている。
【0014】また、マニホールド16の側壁の下部には
ガス導入管19がインナチューブ12の炉口15に連通
するように接続されており、ガス導入管19には原料ガ
ス供給装置およびキャリアガス供給装置(いずれも図示
せず)に接続されている。ガス導入管19によって炉口
15に導入されたガスはインナチューブ12の処理室1
4内を流通して排気路18を通って排気管17によって
排気される。
【0015】マニホールド16には下端開口を閉塞する
キャップ20が垂直方向下側から当接されるようになっ
ている。キャップ20はマニホールド16の外径と略等
しい円盤形状に構築されており、プロセスチューブ11
の外部に垂直に設備されたエレベータ(図示せず)によ
って垂直方向に昇降されるように構成されている。キャ
ップ20の中心線上にはボート21が垂直に立脚されて
支持されるようになっている。
【0016】ボート21は上下で一対の端板22、23
と、両端板22と23との間に架設されて垂直に配設さ
れた三本の保持部材24とを備えており、三本の保持部
材24には多数の保持溝25が長手方向に等間隔に配さ
れて互いに対向して開口するように刻設されている。ボ
ート21は三本の保持部材24の保持溝25間にウエハ
1を挿入されることにより、複数枚のウエハ1を水平に
かつ互いに中心を揃えた状態に整列させて保持するよう
になっている。ボート21とキャップ20との間には内
部に断熱材27が封入された断熱キャップ部26が配置
されており、断熱キャップ部26はボート21をキャッ
プ20の上面から持ち上げた状態に支持することによ
り、ボート21の下端を炉口15の位置から適当な距離
だけ離間させるように構成されている。
【0017】図1に示されているように、プロセスチュ
ーブ11の外側は断熱カバー31によって全体的に被覆
されており、断熱カバー31の内側にはプロセスチュー
ブ11の内部を加熱するヒータ32がアウタチューブ1
3の周囲を包囲するように同心円に設備されている。断
熱カバー31およびヒータ32はホットウォール形熱処
理装置の機枠30に支持されることによって垂直に据え
付けられている。ヒータ32は上側から順に、第一ヒー
タ部32a、第二ヒータ部32b、第三ヒータ部32
c、第四ヒータ部32dおよび第五ヒータ部32eに五
分割されており、これらヒータ部32a〜32eは温度
コントローラ33によって互いに連携および独立してシ
ーケンス制御されるように構成されている。
【0018】また、各ヒータ部32a〜32eには各ヒ
ータ熱電対34a、34b、34c、34dおよび34
eがそれぞれ設置されており、各ヒータ熱電対34a〜
34eは計測結果を温度コントローラ33にそれぞれ送
信するようになっている。そして、温度コントローラ3
3は各ヒータ熱電対34a〜34eからの計測温度によ
って各ヒータ部32a〜32eをフィードバック制御す
るようになっている。すなわち、温度コントローラ33
は各ヒータ部32a〜32eの目標温度と各ヒータ熱電
対34a〜34eの計測温度との誤差を求めて、誤差が
ある場合には誤差を解消させるフィードバック制御を実
行するようになっている。
【0019】さらに、キャップ20にはカスケード熱電
対35が上下方向に貫通されて支持されており、カスケ
ード熱電対35の挿入端部はインナチューブ12の内周
付近に敷設された状態になっている。カスケード熱電対
35には五個の熱電対部35a、35b、35c、35
dおよび35eが設定されており、各熱電対部35a〜
35eはインナチューブ12の内部において各ヒータ部
32a〜32eにそれぞれ対向するように配置されてい
る。各熱電対部35a〜35eは計測結果を温度コント
ローラ33にそれぞれ送信するようになっており、温度
コントローラ33は各熱電対部35a〜35eからの計
測温度によって各ヒータ部32a〜32eをフィードバ
ック制御するようになっている。すなわち、温度コント
ローラ33は各ヒータ部32a〜32eの目標温度と各
熱電対部35a〜35eの計測温度との誤差を求めて、
誤差がある場合には誤差を解消させるフィードバック制
御を実行するようになっている。
【0020】図1に示されているように、断熱カバー3
1とプロセスチューブ11との間には冷却エア40を流
通させるための冷却エア通路41が、プロセスチューブ
11を全体的に包囲するように形成されている。断熱カ
バー31の下端部には冷却エア40を冷却エア通路41
に供給する給気管42が接続されており、給気管42に
供給された冷却エア40は冷却エア通路41の全周に拡
散するようになっている。断熱カバー31の天井壁の中
央部には冷却エア40を冷却エア通路41から排出する
排気口43が開設されており、排気口43には排気路4
4が接続されている。排気路44には第一ダンパ45、
水冷ラジエータ46、第二ダンパ47およびブロア48
が介設されている。
【0021】図1に示されているように、キャップ20
の断熱キャップ部26の外側には図3に示されたL字形
状の放射温度計50が処理室14に挿入されて固定され
ており、放射温度計50の処理室14に挿入された上端
の水平部分はボート21に保持されたウエハ1のうち下
から二段目のウエハ1と三段目のウエハ1との間に側方
から挿入されている。上下のウエハ1、1の間に挿入さ
れた放射温度計50の先端部はウエハ1の中心点まで達
しており、上側である三段目のウエハ1の下面の中心部
の温度を計測するようになっている。そして、放射温度
計50は計測結果を温度コントローラ33に送信するよ
うになっており、温度コントローラ33は放射温度計5
0からの計測温度によってヒータ32をフィードバック
制御するようになっている。すなわち、ヒータ32の目
標温度と放射温度計50の計測温度との誤差を求めて、
誤差がある場合には誤差を解消させるフィードバック制
御を実行するようになっている。
【0022】図3に示されているように、放射温度計5
0は円筒形状に形成されたホルダ51を備えており、ホ
ルダ51はキャップ20に下から挿入されて固定されて
いる。ホルダ51の中心線上には石英ガラスが使用され
て円筒形のパイプ形状に形成された保持パイプ52が上
下方向に配置されて下端部において固定されており、保
持パイプ52の上端部にはエルボ形状部53が直角に屈
曲されている。保持パイプ52の中空部内には複数本の
光ファイバが束ねられた光ファイバ束54が挿通されて
いる。光ファイバ束54のエルボ形状部53と反対側端
は熱電対や抵抗素子等の測温素子(図示せず)に光学的
に対向されており、測温素子の熱起電力に基づく出力が
放射温度計50の計測温度として温度コントローラ33
に送信されるようになっている。
【0023】保持パイプ52のエルボ形状部53の先端
開口部には導波棒56の後端部が嵌入されて固定されて
おり、エルボ形状部53に後端部が固定された導波棒5
6は全体的に保持パイプ52に水平に支持された状態に
なっている。エルボ形状部53の内部において導波棒5
6の後端面は光ファイバ束54の先端面と突合されてお
り、導波棒56と光ファイバ束54との突合部は継手部
55によって機械的かつ光学的に結合されている。
【0024】導波棒56はサファイアまたは石英ガラス
が使用されて丸棒形状に形成されており、導波棒56の
エルボ形状部53と反対側である前端部には全反射面5
7を構成する傾斜面が形成されている。すなわち、図3
(b)に示されているように、全反射面57は導波棒5
6が先方へ行くに従って細くなるように切削されること
により形成されており、本実施の形態において、全反射
面57は導波棒56の中心線に対して35度の傾斜角Θ
を設定されている。また、全反射面57は上向きに配置
されており、上側のウエハ1の下面の中心点に光学的に
対向されているとともに、その入射側光軸が垂直である
ボート21の中心線と、その反射側光軸が水平である導
波棒56の中心線と可及的に一致するように配置されて
いる。
【0025】次に、前記構成に係るホットウォール形熱
処理装置の作用を温度制御を主体にして説明する。
【0026】図1に示されているように、複数枚のウエ
ハ1を整列保持したボート21はキャップ20の上にウ
エハ1群が並んだ方向が垂直になる状態で載置され、エ
レベータによって差し上げられてインナチューブ12の
炉口15から処理室14に搬入されて行き、キャップ2
0に支持されたままの状態で処理室14に存置される。
この際、放射温度計50の導波棒56の先端部はボート
21の二段目のウエハ1と三段目のウエハ1との間に挿
入されて、導波棒56の全反射面57が三段目のウエハ
1の下面の中心部に対向した状態になっている。
【0027】プロセスチューブ11の内部が排気管17
によって排気されるとともに、プロセスチューブ11の
内部がヒータ32の各ヒータ部32a〜32eによって
温度コントローラ33のシーケンス制御の目標温度(例
えば、600〜1200℃)に加熱される。この際、ヒ
ータ32の各ヒータ部32a〜32eの実際の加熱温度
(出力)とシーケンス制御の目標温度との誤差は各ヒー
タ熱電対34a〜34dの計測結果に基づくフィードバ
ック制御によって補正される。
【0028】また、各ヒータ部32a〜32eの加熱に
よるプロセスチューブ11の内部の実際の上昇温度と各
ヒータ部32a〜32eのシーケンス制御の目標温度と
の誤差は、カスケード熱電対35の各熱電対部35a〜
35eの計測結果に基づくフィードバック制御によって
補正される。
【0029】ところで、ボート21に保持されたウエハ
1の直径が三百mmである場合には、カスケード熱電対
35による温度計測によってはウエハ1の中心部におけ
る実際の温度を計測したことにならないため、カスケー
ド熱電対35による温度計測結果に基づいてヒータ32
をフィードバック制御しただけでは、ウエハ1に対する
熱処理を適正に制御することができない。
【0030】そこで、本実施の形態においては、ウエハ
1の中心部における現在の実際の温度を放射温度計50
によって計測し、この計測結果に基づいてヒータ32を
フィードバック制御することにより、ウエハ1に対する
熱処理を適正に制御するものとしている。
【0031】すなわち、放射温度計50の導波棒56の
全反射面57は三段目のウエハ1の中心部に対向されて
いるため、図3に示されているように、高温に加熱され
たウエハ1の中心部からの放射線(熱線)61は放射温
度計50の導波棒56に垂直方向から入射して、全反射
面57に入射する。導波棒56の全反射面57に垂直方
向から入射した放射線61は全反射面57で水平方向に
反射されて向きを変換される。水平方向に向きを変換さ
れた放射線61は導波棒56の界面で全反射を繰り返す
ことにより伝播して継手部55を介して光ファイバ束5
4に入射する。図示しないが、光ファイバ束54に入射
した放射線61は同様にして伝播して測温素子に照射す
る。放射温度計50は測温素子に照射した放射線61に
対応した測温値を温度コントローラ33に送信する。な
お、図3(b)に示されているように、下側のウエハ1
からの放射線62等の迷光は全反射面57において外側
に全反射するため、導波棒56には入射しない。
【0032】放射温度計50から送信されて来たウエハ
1の中心部の計測温度とカスケード熱電対35から送信
されて来たウエハ1の周辺部の計測温度との間に差があ
る場合には、温度コントローラ33は放射温度計50か
らの計測温度とヒータ32のシーケンス制御の目標温度
との誤差を求め、その誤差を解消させるフィードバック
制御を実行する。なお、放射温度計50の計測温度に基
づくフィードバック制御を実行すべきカスケード熱電対
35の計測温度と放射温度計50の計測温度との差値の
大きさには範囲を持たせることができる。例えば、カス
ケード熱電対35の計測温度と放射温度計50の計測温
度との差値が1℃以下である場合には、放射温度計50
の計測温度に基づくフィードバック制御を実行しないよ
うに設定することができる。
【0033】ちなみに、本実施の形態においては、放射
温度計50はボート21の三段目に保持されたウエハ1
だけを測温することにより、ウエハ1の中心部と周辺部
との温度差を解消させる温度制御を実行していることに
なる。しかし、プロセスチューブ11の内部の温度は均
一に保たれていることにより、ボート21の上段領域に
保持されたウエハ1の温度と下段領域に保持されたウエ
ハ1の温度との間には差が無いため、三段目に保持され
たウエハ1の中心部の測温データだけであっても、ウエ
ハ1の中心部と周辺部との温度差を解消させる温度制御
は充分に適正に実行することができる。
【0034】ところで、直径が三百mmのウエハ1にお
いては、ヒータ32に対するウエハ1の中心部と周辺部
とでは、遠近差によって温度差や温度上昇速度差が発生
する。これらの差があるままの状態で熱処理を実行する
と、ウエハ1の熱処理状態の分布(例えば、酸化膜の膜
厚分布や不純物の拡散分布)が中心部と周辺部との間で
不均一になってしまう。そこで、直径が三百mmのウエ
ハ1の場合の温度差や温度上昇速度差を吸収するため
に、従来例においてはヒータ32の加熱によるプロセス
チューブ11の内部の温度上昇速度を低く抑制するシー
ケンス制御が実行されている。
【0035】しかし、本実施の形態においては、放射温
度計50の測温結果に基づくフィーダバック制御によっ
てウエハ1の中心部と周辺部との温度差が解消されるた
め、ヒータ32の加熱によるプロセスチューブ11の内
部の温度上昇速度を従来例に比べて速く設定することが
できる。
【0036】以上の温度制御による熱処理が実施されて
予め設定された熱処理時間が経過すると、ヒータ32の
加熱が温度コントローラ33のシーケンス制御によって
停止されるとともに、冷却エア40が冷却エア通路41
を流通される。すなわち、冷却エア40は給気管42か
ら供給されるとともに、排気口43から排気路44によ
る排気力によって排気される。冷却エア40は冷却エア
通路41を流通する間にプロセスチューブ11のアウタ
チューブ13に接触して熱を奪うことにより、プロセス
チューブ11の内部を強制的に冷却する。この冷却エア
40による強制冷却によってプロセスチューブ11の内
部の温度は自然冷却の場合に比べて急速に降下して行
く。
【0037】ところで、この冷却エア40による強制冷
却もプロセスチューブ11の外側からの冷却であるた
め、直径が三百mmのウエハ1においてはウエハ1の中
心部と周辺部とでは遠近差による温度差や温度降下速度
差が発生する。これらの差があるままの状態で強制冷却
を継続すると、ウエハ面内の温度分布が不均一になるた
め、ウエハ1に反りが発生してしまう。そこで、直径が
三百mmのウエハ1の場合の温度差や温度降下速度差を
吸収するために、従来例においては強制冷却による温度
下降速度は低く設定されている。
【0038】しかし、本実施の形態においては、放射温
度計50の測温結果に基づくフィードバック制御によっ
てウエハ1の中心部と周辺部との温度差を解消させるこ
とができるため、強制冷却によるプロセスチューブ11
の内部の温度下降速度を従来例に比べて速く設定するこ
とができる。すなわち、放射温度計50から送信されて
来たウエハ1の中心部の計測温度とカスケード熱電対3
5から送信されて来たウエハ1の周辺部の計測温度との
間に差が所定の範囲内にある場合には、温度コントロー
ラ33は冷却エア40の冷却エア通路41での流通速度
を増速させて行き、所定の範囲外の場合には流通速度の
増速を中止する。所定の温度差の範囲とは、ウエハ1に
反りまたはスリップが発生するのを防止可能な範囲であ
る。
【0039】以上のようにしてプロセスチューブ11の
内部の温度が降下されて行き予め設定された降下時間が
経過すると、キャップ20が下降されて炉口15が開口
されるとともに、ボート21に保持された状態でウエハ
1群が炉口15からプロセスチューブ11の外部に搬出
される。
【0040】前記実施の形態によれば、次の効果が得ら
れる。
【0041】1) キャップに放射温度計を挿入してボー
トに保持されたウエハの温度を処理中に計測することに
より、インシチュー(In−situ)でウエハの温度を直接
計測することができるため、プロセスチューブを加熱す
るヒータを放射温度計の計測結果によってリアルタイム
でフィードバック制御することができ、ホットウォール
形熱処理装置の性能および信頼性を高めることができ
る。
【0042】2) キャップに挿入したL字形状の放射温
度計の水平部の先端をボートに保持された上下で隣合う
ウエハの間に挿入してウエハの中心部に位置させること
により、放射温度計によってウエハの中心部の温度を直
接計測し、この計測結果によってヒータをフィードバッ
ク制御することができるため、熱処理中や昇温時および
降温時におけるウエハの中心部と周辺部との温度差を解
消することができる。
【0043】3) 前記1)および2)により、ウエハ面内の
温度分布の均一性を大幅に向上させることができるた
め、熱処理後のウエハにおける処理状態の面内分布の均
一性を大幅に向上させることができるとともに、ウエハ
の反りの発生を防止することができ、ひいてはICの品
質および信頼性を高めることができる。
【0044】4) 昇温時および降温時におけるウエハの
中心部と周辺部との温度差を解消することにより、シー
ケンス制御の温度昇降速度を速く設定することができる
とともに、シーケンス制御の目標温度への到達時間およ
び安定時間を大幅に短縮することができるため、ホット
ウォール形熱処理装置の昇温および降温性能を大幅に高
めることができる。
【0045】5) 放射温度計の導波棒を光ファイバ束を
保持した保持パイプのエルボ形状部に水平に支持させる
ことにより、ボートに水平に支持されたウエハ間に側方
から放射温度計を挿入することができるため、ウエハの
中心部の温度を放射温度計によって計測することができ
る。
【0046】6) 放射温度計の導波棒の先端部に傾斜面
を形成して全反射面を形成することにより、ウエハ間に
挿入した導波棒の検出子端をウエハの下面に光学的に対
向させることができるため、ウエハの下面の放射線を導
波棒に適正に入射させることができ、もって、ウエハの
現在の実際の温度を放射温度計によって正確に計測する
ことができる。
【0047】7) 放射温度計の導波棒の先端部に形成し
た傾斜面からなる全反射面の光軸をウエハの下面の中心
部に位置させることにより、ウエハの中心部の放射線を
導波棒に適正に入射させることができるため、ウエハの
中心部の現在の実際の温度を放射温度計によって正確に
計測することができる。
【0048】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変
更が可能であることはいうまでもない。
【0049】例えば、前記実施の形態においては、放射
温度計50における放射線の進行方向の向きを変えるエ
ルボ形状部53は保持パイプ52すなわち光ファイバ束
54側に配設されているが、図4に示されているよう
に、エルボ形状部53Aは導波棒56A側に配設しても
よい。この場合、保持パイプ52Aおよび光ファイバ束
54Aの上端部は直線形状になる。
【0050】カスケード熱電対を省略して、ウエハの現
在の実際の温度を計測する放射温度計によってヒータを
フィードバック制御するように構成してもよい。
【0051】放射温度計としては前記実施の形態の構成
のものを使用するに限らず、光ファイバや他の光学系を
使用したものを使用してもよい。
【0052】熱処理は酸化処理や拡散処理および拡散だ
けでなくイオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化の
ためのリフローおよびアニール処理等に限らず、成膜処
理等の熱処理であってもよい。
【0053】被処理基板はウエハに限らず、ホトマスク
やプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスク
および磁気ディスク等であってもよい。
【0054】本発明は、バッチ式縦形ホットウォール形
熱処理装置に限らず、バッチ式横形ホットウオール形熱
処理装置や縦形および横形ホットウォール形減圧CVD
装置等の熱処理装置全般に適用することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、現在の実際の温度を適
正に計測することによって熱処理を適正に実行すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるホットウォール形
熱処理装置を示す正面断面図である。
【図2】その要部を示す拡大断面図である。
【図3】放射温度計を示しており、(a)は一部省略一
部切断正面図、(b)は要部の拡大断面図である。
【図4】放射温度計の他の実施の形態を示す一部省略一
部切断正面図である。
【符号の説明】
1…ウエハ(基板)、10…ホットウォール形熱処理装
置(バッチ式縦形ホットウォール形熱処理装置)、11
…プロセスチューブ、12…インナチューブ、13…ア
ウタチューブ、14…処理室、15…炉口、16…マニ
ホールド、17…排気管、18…排気路、19…ガス導
入管、20…キャップ、21…ボート、22、23…端
板、24…保持部材、25…保持溝、26…断熱キャッ
プ部、27…断熱材、30…機枠、31…断熱カバー、
32…ヒータ、32a〜32e…ヒータ部、33…温度
コントローラ、34a〜34e…ヒータ熱電対、35…
カスケード熱電対、35a〜35e…熱電対部、40…
冷却エア、41…冷却エア通路、42…給気管、43…
排気口、44…排気路、45…第一ダンパ、46…水冷
ラジエータ、47…第二ダンパ、48…ブロア、50…
放射温度計、51…ホルダ、52、52A…保持パイ
プ、53、53A…エルボ形状部、54、54A…光フ
ァイバ束、55…継手部、56、56A…導波棒、57
…全反射面、61…放射線(熱線)、62…放射線(迷
光)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロセスチューブの処理室内の基板間に
    放射温度計を側方から挿入し、この放射温度計によって
    前記基板の温度を計測し、前記プロセスチューブの外部
    に敷設されて前記処理室を加熱するヒータを前記放射温
    度計の計測結果によってフィードバック制御することを
    特徴とする熱処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008205426A (ja) * 2007-01-26 2008-09-04 Hitachi Kokusai Electric Inc 基板処理方法及び半導体製造装置
JP2011119448A (ja) * 2009-12-03 2011-06-16 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 半導体基板熱処理装置
JP2016051819A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 東京エレクトロン株式会社 磁気アニール装置及び磁気アニール方法

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