JP3886130B2 - チェーン用スプロケット - Google Patents
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Description
図17は、ISO歯形を示す正面図である。図18は、図17に示すISO歯形を有するローラチェーン用スプロケットとローラチェーンとの係合状態を示す正面図である。
df=d−d1
re(max)=0.12d1(z+2)
ri(min)=0.505d1
re(min)=0.008d1(z2+180)
ri(max)=0.505d1+0.069(d1)1/3
上記式1から明らかなように、図17に示すISO歯形においては、歯底部3はローラ62の半径(d1/2)よりわずかに大きい歯底部円弧半径riの円弧で形成され、歯面2は歯面半径reの円弧で形成され、この歯面2は歯底部3の両側に連続して形成されている。
また、上記式1から明らかなように、歯底円直径dfは、ピッチ円直径dとローラ外径d1との差に等しく形成されている。
また、上記式1からみて、歯底円直径dfは、ピッチ円直径dと歯底部円弧半径riの2倍との差に略等しく形成されている。
この多角形運動により、ローラチェーン61は上下動(脈動)し、この上下動(脈動)はローラチェーン61を振動させ、騒音の発生要因となる。
また、この多角形運動は、ローラチェーン61の進行方向の速度変動も発生させる。
すなわち、この提案されたローラチェーン用スプロケットは、各々がスプロケットの回転方向前面側の歯面と回転方向背面側の歯面を有する複数のスプロケット歯と、前面側の歯面と背面側の歯面により形成されローラを受け入れる非対称歯溝と、非対称歯溝内に位置し前面側の歯面に形成される平坦部とを備えている(例えば、特許文献1参照。)。
したがって、多角形運動によるローラチェーンまたはブシュチェーンの上下動の量をより一層減少させることができる。その結果、ローラチェーンまたはブシュチェーンの振動が減少し、ローラチェーンまたはブシュチェーンの速度変動も減少する。また、ローラチェーンまたはブシュチェーンの振動が減少することにより、低騒音効果が得られ、張力変動も減少し、ローラチェーンまたはブシュチェーンの寿命が長くなる。
この時、先行ローラまたはブシュの中心と後続ローラまたはブシュの中心とは、同一水平線上に位置している。
したがって、多角形運動によるローラチェーンまたはブシュチェーンの上下動の量をより一層減少させることができる。
そして、スプロケットとローラチェーンまたはブシュチェーンの噛み外れ部において、後続ローラまたはブシュが回転方向背面側の歯面に係合しているとき、先行ローラまたはブシュは、回転方向背面側の歯面との係合が解除され、スプロケットからスムーズに噛み外れることになる。
図1は、本発明の実施例1に係るローラチェーン用スプロケットの歯形を示す正面図である。図2は、図1に示す歯形を有するローラチェーン用スプロケットとローラチェーンとの係合状態を示す正面図である。図3は、図2におけるローラチェーン用スプロケットとローラチェーンの噛み合い部Aの拡大図である。図4は、図2におけるローラチェーン用スプロケットとローラチェーンの噛み外れ部Bの拡大図である。
歯面12a及び歯面12bは、それぞれ断面略凹状の曲面で形成されている。
また、歯底部13は、歯底部円弧半径ri13により円弧状に形成されている。
そして、それぞれ断面略凹状の曲面で形成された歯面12a及び歯面12bは、歯底部13に滑らかに連続している。
そして、図1に示すように、歯底円直径df13は、ISO歯形の歯底円直径dfより小さくなっている。
すなわち、df13<dfの関係にある。なお、図1には、比較のために、ISO歯形の歯底円直径dfを破線で図示している。
図2に示すように、スプロケット11が矢印で示すように反時計方向に回転すると、ローラチェーン61の各ローラ62は、スプロケット11の歯溝14内に係合し、ローラチェーン61が駆動される。
この際、図3に示すように、スプロケット11とローラチェーン61の噛み合い部Aにおいて、先行ローラ62aが歯溝14内に係合している状態で、後続ローラ62bは既にスプロケット11の回転方向前面側の歯面12aと係合している。
この時、先行ローラ62aの中心と後続ローラ62bの中心とは、同一水平線上に位置している。
また、スプロケット11の反時計方向の回転に伴って各ローラ62は、歯溝14内を転動しながら移動する。
その間、ローラ62のスプロケット11の歯溝14における位置は、回転方向前面側の歯面12a側から回転方向背面側の歯面12b側へと移動する。
そして、図4に示すように、スプロケット11とローラチェーン61の噛み外れ部Bにおいて、後続ローラ62cが、回転方向背面側の歯面12bに係合しているとき、先行ローラ62dは、回転方向背面側の歯面12bとの係合が解除され、スプロケット11からスムーズに噛み外れることになる。
したがって、多角形運動によるローラチェーン61の上下動の量をより一層減少させることができる。
その結果、ローラチェーン61の振動が減少し、ローラチェーン61の速度変動も減少する。
また、ローラチェーン61の振動が減少することにより、低騒音効果が得られ、張力変動も減少し、ローラチェーン61の寿命が長くなる。
その間、ローラ62のスプロケット11の歯溝14における位置は、回転方向前面側の歯面12a側から回転方向背面側の歯面12b側へと移動する。
そして、スプロケット11とローラチェーン61の噛み外れ部Bにおいて、後続ローラ62cが回転方向背面側の歯面12bに係合しているとき、先行ローラ62dは、回転方向背面側の歯面12bとの係合が解除され、スプロケット11からスムーズに噛み外れることになる。
図5は、本発明の実施例2に係るローラチェーン用スプロケットの歯形を示す正面図である。
図6は、図5に示す歯形を有するローラチェーン用スプロケットとローラチェーンの噛み合い部の拡大図で、図3に相当するものである。
図7は、図5に示す歯形を有するローラチェーン用スプロケットとローラチェーンの噛み外れ部の拡大図で、図4に相当するものである。
歯面22a及び歯面22bは、それぞれ断面略凸状の曲面で形成されている。
また、歯底部23は、歯底部円弧半径ri23により円弧状に形成されている。
そして、それぞれ断面略凸状の曲面で形成された歯面22a及び歯面22bは、歯底部23に滑らかに連続している。
そして、図5に示すように、歯底円直径df23は、ISO歯形の歯底円直径dfより小さくなっている。
すなわち、df23<dfの関係にある。なお、図5には、比較のために、ISO歯形の歯底円直径dfを破線で図示している。
図6に示すように、スプロケット21とローラチェーン61の噛み合い部において、先行ローラ62aが歯溝24内に係合している状態で、後続ローラ62bは、既にスプロケット21の回転方向前面側の歯面22aと係合している。
この時、先行ローラ62aの中心と後続ローラ62bの中心とは、同一水平線上に位置している。
また、図示はしないが、スプロケット21の反時計方向の回転に伴って各ローラ62は、歯溝24内を転動しながら移動する。
その間、ローラ62のスプロケット21の歯溝24における位置は、回転方向前面側の歯面22a側から回転方向背面側の歯面22b側へと移動する。
そして、図7に示すように、スプロケット21とローラチェーン61の噛み外れ部において、後続ローラ62cが回転方向背面側の歯面22bに係合しているとき、先行ローラ62dは、回転方向背面側の歯面22bとの係合が解除され、スプロケット21からスムーズに噛み外れることになる。
したがって、多角形運動によるローラチェーン61の上下動の量をより一層減少させることができる。
その結果、ローラチェーン61の振動が減少し、ローラチェーン61の速度変動も減少する。
また、ローラチェーン61の振動が減少することにより、低騒音効果が得られ、張力変動も減少し、ローラチェーン61の寿命が長くなる。
その間、ローラ62のスプロケット21の歯溝24における位置は、回転方向前面側の歯面22a側から回転方向背面側の歯面22b側へと移動する。
そして、スプロケット21とローラチェーン61の噛み外れ部において、後続ローラ62cが回転方向背面側の歯面22bに係合しているとき、先行ローラ62dは、回転方向背面側の歯面22bとの係合が解除され、スプロケット21からスムーズに噛み外れることになる。
図8は、本発明の実施例3に係るローラチェーン用スプロケットの歯形を示す正面図である。
図9は、図8に示す歯形を有するローラチェーン用スプロケットとローラチェーンの噛み合い部の拡大図で、図3に相当するものである。
図10は図8に示す歯形を有するローラチェーン用スプロケットとローラチェーンの噛み外れ部の拡大図で、図4に相当するものである。
歯面32a及び歯面32bは、それぞれ相互に略平行な平面(すなわち断面で直線)で形成されている。
また、歯底部33は、歯底部円弧半径ri33により円弧状に形成されている。
そして、それぞれ略平行な平面(すなわち断面で直線)で形成された歯面32a及び歯面32bは、歯底部33に滑らかに連続している。
そして、図8に示すように、歯底円直径df33は、ISO歯形の歯底円直径dfより小さくなっている。
すなわち、df33<dfの関係にある。なお、図8には、比較のために、ISO歯形の歯底円直径dfを破線で図示している。
図9に示すように、スプロケット31とローラチェーン61の噛み合い部において、先行ローラ62aが歯溝34内に係合している状態で、後続ローラ62bは、既にスプロケット31の回転方向前面側の歯面32aと係合している。
この時、先行ローラ62aの中心と後続ローラ62bの中心とは、同一水平線上に位置している。
また、図示はしないが、スプロケット31の反時計方向の回転に伴って各ローラ62は、歯溝34内を転動しながら移動する。
その間、ローラ62のスプロケット31の歯溝34における位置は、回転方向前面側の歯面32a側から回転方向背面側の歯面32b側へと移動する。
そして、図10に示すように、スプロケット31とローラチェーン61の噛み外れ部において、後続ローラ62cが回転方向背面側の歯面32bに係合しているとき、先行ローラ62dは回転方向背面側の歯面32bとの係合が解除され、スプロケット31からスムーズに噛み外れることになる。
したがって、多角形運動によるローラチェーン61の上下動の量をより一層減少させることができる。
その結果、ローラチェーン61の振動が減少し、ローラチェーン61の速度変動も減少する。
また、ローラチェーン61の振動が減少することにより、低騒音効果が得られ、張力変動も減少し、ローラチェーン61の寿命が長くなる。
その間、ローラ62のスプロケット31の歯溝34における位置は、回転方向前面側の歯面32a側から回転方向背面側の歯面32b側へと移動する。
そして、スプロケット31とローラチェーン61の噛み外れ部において、後続ローラ62cが回転方向背面側の歯面32bに係合しているとき、先行ローラ62dは回転方向背面側の歯面32bとの係合が解除され、スプロケット31からスムーズに噛み外れることになる。
図11は、本発明の実施例4に係るローラチェーン用スプロケットの歯形を示す正面図である。
図12は図11に示す歯形を有するローラチェーン用スプロケットとローラチェーンの噛み合い部の拡大図で、図3に相当するものである。
図13は図11に示す歯形を有するローラチェーン用スプロケットとローラチェーンの噛み外れ部の拡大図で、図4に相当するものである。
歯面42aは、断面略凹状の曲面で形成されている。
歯面42bは、ISO歯形の歯面と略同様の曲面で形成されている。
また、歯底部43は、歯底部円弧半径ri43により円弧状に形成されている。
そして、それぞれ断面略凹状の曲面で形成された歯面42a及びISO歯形の歯面と略同様の曲面で形成された歯面42bは、歯底部43に滑らかに連続している。
そして、図11に示すように、歯底円直径df43はISO歯形の歯底円直径dfより小さくなっている。
すなわち、df43<dfの関係にある。なお、図11には、比較のために、ISO歯形の歯底円直径dfを破線で図示している。
図12に示すように、スプロケット41とローラチェーン61の噛み合い部において、先行ローラ62aが歯溝44内に係合している状態で、後続ローラ62bは、既にスプロケット41の回転方向前面側の歯面42aと係合している。
この時、先行ローラ62aの中心と後続ローラ62bの中心とは同一水平線上に位置している。
また、図示はしないが、スプロケット41の反時計方向の回転に伴って各ローラ62は、歯溝44内を転動しながら移動する。
その間、ローラ62のスプロケット41の歯溝44における位置は、回転方向前面側の歯面42a側から回転方向背面側の歯面42b側へと移動する。
そして、図13に示すように、スプロケット41とローラチェーン61の噛み外れ部において、後続ローラ62cが回転方向背面側の歯面42bに係合しているとき、先行ローラ62dは回転方向背面側の歯面42bとの係合が解除され、スプロケット41からスムーズに噛み外れることになる。
したがって、多角形運動によるローラチェーン61の上下動の量をより一層減少させることができる。
その結果、ローラチェーン61の振動が減少し、ローラチェーン61の速度変動も減少する。また、ローラチェーン61の振動が減少することにより、低騒音効果が得られ、張力変動も減少し、ローラチェーン61の寿命が長くなる。
その間、ローラ62のスプロケット41の歯溝44における位置は、回転方向前面側の歯面42a側から回転方向背面側の歯面42b側へと移動する。
そして、スプロケット41とローラチェーン61の噛み外れ部において、後続ローラ62cが回転方向背面側の歯面42bに係合しているとき、先行ローラ62dは、回転方向背面側の歯面42bとの係合が解除され、スプロケット41からスムーズに噛み外れることになる。
図14は、本発明の実施例5に係るローラチェーン用スプロケットの歯形を示す正面図である。
図15は、図14に示す歯形を有するローラチェーン用スプロケットとローラチェーンの噛み合い部の拡大図で、図3に相当するものである。
図16は、図14に示す歯形を有するローラチェーン用スプロケットとローラチェーンの噛み外れ部の拡大図で、図4に相当するものである。
歯面52a及び歯面52bは、それぞれ断面略凹状の曲面で形成されている。
また、歯底部53は、歯底円の円周の一部で形成されている。
そして、それぞれ断面略凹状の曲面で形成された歯面52a及び歯面52bは、丸みを介して歯底部53に滑らかに連続している。
そして、図14に示すように、歯底円直径df53は、ISO歯形の歯底円直径dfより小さくなっている。
すなわち、df53<dfの関係にある。なお、図14には、比較のために、ISO歯形の歯底円直径dfを破線で図示している。
図15に示すように、スプロケット51とローラチェーン61の噛み合い部において、先行ローラ62aが歯溝54内に係合している状態で、後続ローラ62bは、既にスプロケット51の回転方向前面側の歯面52aと係合している。
この時、先行ローラ62aの中心と後続ローラ62bの中心とは、同一水平線上に位置している。
また、図示はしないが、スプロケット51の反時計方向の回転に伴って各ローラ62は、歯溝54内を転動しながら移動する。
その間、ローラ62のスプロケット51の歯溝54における位置は、回転方向前面側の歯面52a側から回転方向背面側の歯面52b側へと移動する。
そして、図16に示すように、スプロケット51とローラチェーン61の噛み外れ部において、後続ローラ62cが、回転方向背面側の歯面52bに係合しているとき、先行ローラ62dは、回転方向背面側の歯面52bとの係合が解除され、スプロケット51からスムーズに噛み外れることになる。
したがって、多角形運動によるローラチェーン61の上下動の量をより一層減少させることができる。
その結果、ローラチェーン61の振動が減少し、ローラチェーン61の速度変動も減少する。
また、ローラチェーン61の振動が減少することにより、低騒音効果が得られ、張力変動も減少し、ローラチェーン61の寿命が長くなる。
その間、ローラ62のスプロケット51の歯溝54における位置は、回転方向前面側の歯面52a側から回転方向背面側の歯面52b側へと移動する。
そして、スプロケット51とローラチェーン61の噛み外れ部において、後続ローラ62cが回転方向背面側の歯面52bに係合しているとき、先行ローラ62dは、回転方向背面側の歯面52bとの係合が解除され、スプロケット51からスムーズに噛み外れることになる。
12a,22a,32a,42a,52a ・・・前面側の歯面
12b,22b,32b,42b,52b ・・・背面側の歯面
13,23,33,43,53 ・・・歯底部
14,24,34,44,54 ・・・歯溝
15,25,35,45,55 ・・・歯
z ・・・スプロケットの歯数
o ・・・スプロケットの回転中心
pc ・・・ピッチ円
d ・・・ピッチ円直径
x ・・・歯の中心線
pt ・・・距離
df13〜df53 ・・・歯底円直径
ri13〜ri43 ・・・歯底部円弧半径
61 ・・・ローラチェーン
62,62a,62b,62c,62d ・・・ローラ
p ・・・チェーンピッチ
d1 ・・・ローラ外径
Claims (1)
- 向かい合う歯面が歯底部に連続する歯溝によって複数の歯が形成され、ローラまたはブシュが前記歯溝に噛み合うチェーン用スプロケットにおいて、
前記スプロケットの回転中心と前記歯の中心とを結ぶ歯の中心線から前記スプロケットの少なくとも回転方向前面側の歯面までの距離がピッチ円より歯先側の部分において前記ピッチ円部分での距離より大きいかまたは等しくなっているとともに、
前記スプロケットの歯底円直径がISO歯形の歯底円直径より小さくなっていることを特徴とするチェーン用スプロケット。
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