JP4046723B2 - チェーン規制ガイド付き伝動装置 - Google Patents

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本発明は、スプロケットと噛み合って多角形運動する伝動チェーンの上下動を抑制するチェーン規制ガイド付き伝動装置に関する。
従来、図11に示すようなチェーン伝動装置500は、伝動チェーン510をISO 606:1994(E)に規定されている歯形を備えたスプロケット520に巻き掛けて動力伝達を行うものであり、ここで用いたスプロケット520は、図12に示すように、動力伝達時にローラRがスプロケット歯522の歯底522aで噛み合うため、伝動チェーン510に多角形運動を生じる。
そして、このような多角形運動により伝動チェーン510に生じた上下動が、スプロケット520に噛み合うまでの伝動チェーン510に弦振動を誘発し伝動騒音を発生させるという問題があり、また、伝動チェーン510の進行方向の速度変動を発生させて、安定した動力伝達を達成することができないという問題があった。
そこで、本出願人は、このような従来の多角形運動による伝動チェーンの上下動を減少させるために、スプロケット本体に周設された多数のスプケット歯が歯底に連続して互いに向き合う回転方向前面側の歯面と回転方向背面側の歯面とを備えているとともに、前記スプロケット本体の回転中心とスプロケット歯の中心とを結ぶ仮想基準線から前記スプロケット歯の少なくとも回転方向前面側の歯面までの距離がピッチ円より歯先側部分においてピッチ円部分より大きいスプロケットを有するチェーン伝動装置を開発している(例えば、特許文献1参照)。
特願2003−271106号明細書
しかしながら、特願2003−271106号明細書に開示された本出願人のチェーン伝動装置は、スプロケットの歯数や回転数などに応じて、あるいは、伝動チェーンの摩耗によるチェーンピッチの変化、および、スプロケットとチェーンとの間の摩擦抵抗によって、伝動チェーンとスプロケットとの噛み合い位置や噛み外れ位置が微妙に変位する恐れがあるため、速度変動の抑制および伝動騒音の低減が確実に達成されず、更なる改良の余地があった。
そこで、本発明の目的は、前述したような従来技術の問題点を解消するものであって、噛み合い駆動時の多角形運動による伝動チェーンの上下動を確実に抑制するとともに伝動チェーンがスプロケット歯の歯底に対して直に衝突することなく円滑な噛み外れを達成して、伝動チェーンの速度変動を抑制した低騒音を実現できるチェーン規制ガイド付き伝動装置を提供することにある。
本請求項1に係る発明は、伝動チェーンがスプロケットに噛み合って動力を伝達するチェーン伝動装置において、前記スプロケットのスプロケット歯が、歯底に連続して互いに向かい合う回転方向前面側の歯面と回転方向背面側の歯面とを備え、前記スプロケットの回転中心とスプロケット歯の中心とを結ぶ仮想基準線から前記スプロケット歯の少なくとも回転方向前面側の歯面までの距離をピッチ円より歯先側部分においてピッチ円部分より大きいかまたは等しくするとともにスプロケット歯の歯底円直径を前記スプロケット歯に対応するISO歯形の歯底円直径より小さくなるように形成され、前記伝動チェーンのコーダルアクションを規制するチェーン規制ガイドがチェーン周回軌道の少なくとも一ヶ所に設けられていることによって、前記目的を達成するものである。
また、本請求項2に係る発明は、本請求項1記載の構成に加えて、前記チェーン規制ガイドがチェーン周回軌道の噛み合い領域に設けられていることによって、前記目的をさらに達成するものである。
また、本請求項3に係る発明は、本請求項1または本請求項2記載の構成に加えて、前記チェーン規制ガイドがチェーン周回軌道の噛み外れ領域に設けられていることによって、前記目的をさらに達成するものである。
なお、本発明で意味するところの「コーダルアクション」とは、伝動チェーンがスプロケットに巻き付く際に生じるスプロケットの正多角形運動に伴う伝動チェーンの上下動をいう。
本発明のチェーン規制ガイド付き伝動装置は、スプロケットのスプロケット歯が、歯底に連続して互いに向かい合う回転方向前面側の歯面と回転方向背面側の歯面とを備え、前記スプロケットの回転中心とスプロケット歯の中心とを結ぶ仮想基準線から前記スプロケット歯の少なくとも回転方向前面側の歯面までの距離をピッチ円より歯先側部分においてピッチ円部分より大きいかまたは等しくするとともにスプロケット歯の歯底円直径を前記スプロケット歯に対応するISO歯形の歯底円直径より小さくなるように形成されていることによって、スプロケットの回転に伴って先行する伝動チェーンのローラまたはブシュが、噛み合い時にスプロケット歯の歯底に対して直に衝突することなく歯溝内を転動しながら回転方向前面側の歯面から回転方向背面側の歯面へと移動するため、噛み合い駆動時の多角形運動に起因する伝動チェーンの上下動の量を抑制して円滑な噛み外れと低騒音効果を達成でき、しかも、以下に示す本発明に特有の効果を奏するものである。
すなわち、本請求項1記載のチェーン規制ガイド付き伝動装置は、伝動チェーンのコーダルアクションを規制するチェーン規制ガイドが、チェーン周回軌道の少なくとも一ヶ所に設けられていることによって、伝動チェーンの上下動をさらに抑制することができるため、スプロケットの回転速度などの使用条件を変更しても速度変動の抑制および伝動チェーンの伝動騒音を低減することができる。また、スプロケットや伝動チェーンの摩耗などの経時変化に対しても速度変動の抑制および伝動チェーンの伝動騒音の低減効果を長期にわたって得ることができる。
そして、本請求項2記載のチェーン規制ガイド付き伝動装置は、本請求項1の発明が奏する効果に加えて、前記チェーン規制ガイドがチェーン周回軌道の噛み合い領域に設けられていることによって、伝動チェーンのスプロケットへの進入位置の変動によって引き起こされる伝動チェーンの振動が規制されるため、スプロケットの歯面へ伝動チェーンが噛み合い開始する際の衝撃が解消され、その結果、この衝突によって引き起こされる伝動チェーンの疲労破壊が防止され、伝動チェーンの耐久性を向上させることができる。しかも、スプロケットの歯面と伝動チェーンが噛み合う際の衝突によって損失されるエネルギーが減少するので伝動効率を向上させることができる。
さらに、本請求項3記載のチェーン規制ガイド付き伝動装置は、本請求項1または本請求項2の発明が奏する効果に加えて、前記チェーン規制ガイドがチェーン周回軌道の噛み外れ領域に設けられていることによって、噛み外れ領域において生じがちな噛み外れ位置の変動に起因する伝動チェーンの上下動が規制されるため、高速伝動時などにおいて生じる、通常、チェーンゆるみ側と称するチェーン戻り側におけるチェーン周回軌道のズレ、いわゆる、脱輪現象の恐れを完全に回避することができる。
本発明のチェーン規制ガイド付き伝動装置は、スプロケットのスプロケット歯が、歯底に連続して互いに向かい合う回転方向前面側の歯面と回転方向背面側の歯面とを備え、前記スプロケットの回転中心とスプロケット歯の中心とを結ぶ仮想基準線から前記スプロケット歯の少なくとも回転方向前面側の歯面までの距離をピッチ円より歯先側部分においてピッチ円部分より大きいかまたは等しくするとともにスプロケット歯の歯底円直径を前記スプロケット歯に対応するISO歯形の歯底円直径より小さくなるように形成され、前記伝動チェーンのコーダルアクションを規制するチェーン規制ガイドが、チェーン周回軌道の少なくとも一ヶ所に設けられていることによって、噛み合い駆動時の多角形運動による伝動チェーンの上下動を確実に抑制するとともに伝動チェーンがスプロケット歯の歯底に対して直に衝突することなく円滑な噛み外れを達成して、伝動チェーンの速度変動を抑制した低騒音を実現できるものであれば、その具体的な実施の態様は如何なるものであっても何ら構わない。
すなわち、本発明のチェーン規制ガイド付き伝動装置に用いる伝動チェーンについては、ローラチェーンを用いた場合を挙げて開示しているが、スプロケットに噛み合う伝動チェーンであれば、これ以外のブシュチェーン、オフセット形チェーンおよびシールチェーン等、どのような種類のチェーンであっても差し支えない。
また、本発明のチェーン規制ガイド付き伝動装置に用いるスプロケットは、スプロケット歯が、歯底に連続して互いに向かい合う回転方向前面側の歯面と回転方向背面側の歯面とを備え、前記スプロケットの回転中心とスプロケット歯の中心とを結ぶ仮想基準線から前記スプロケット歯の少なくとも回転方向前面側の歯面までの距離をピッチ円より歯先側部分においてピッチ円部分より大きいかまたは等しくするとともにスプロケット歯の歯底円直径を前記スプロケット歯に対応するISO歯形の歯底円直径より小さくなるように形成されて、スプロケットの回転に伴って先行する伝動チェーンのローラまたはブシュが、噛み合い時にスプロケット歯の歯底に対して直に衝突することなく歯溝内を転動しながら回転方向前面側の歯面から回転方向背面側の歯面へと移動し、後続するローラまたはブシュが回転方向背面側の歯面に噛み合っているときに、先行するローラまたはブシュと回転方向背面側の歯面との噛み合いを解除して伝動チェーンがスプロケットから円滑に噛み外れるものであれば、如何なるものであっても差し支えない。
したがって、上記スプロケットの具体的な歯形としては、スプロケットの中心とスプロケット歯の中心とを結ぶ仮想基準線に対して左右対称にそれぞれ断面略凹状の曲面を形成した歯形、スプロケットの中心とスプロケット歯の中心とを結ぶ仮想基準線に対して左右対称にそれぞれ断面略凸状の曲面を形成した歯形、スプロケットの中心とスプロケット歯の中心とを結ぶ仮想基準線に対して左右対称にそれぞれ相互に略平行な平面を形成した歯形、スプロケットの中心とスプロケット歯の中心とを結ぶ仮想基準線に対して左右非対称に形成され一方の歯面を断面略凹状の曲面に形成するとともに他方の歯面を本発明のスプロケット歯に対応するISO歯形の歯面と略同様な曲面に形成した歯形を採用することができる。
そして、本発明に用いるチェーン規制ガイドの取り付け位置は、チェーン周回軌道における噛み合い領域、噛み外れ領域、スプロケット間領域のチェーン内周側あるいはチェーン外周側の少なくとも一ヶ所に設置すればよく、特に、チェーン内周側にチェーン規制ガイドを取り付けた場合には、チェーン伝動装置自体の小型化を図ることができ、チェーン内周側およびチェーン外周側の両方にチェーン規制ガイドを取り付けた場合には、伝動チェーンを上下方向から確実に規制できるため、上下動抑制効果を著しく向上させることができる。
さらに、本発明に用いたチェーン規制ガイドと接触させる伝動チェーンの接触部位は、伝動チェーンを構成するプレート、ローラ、連結ピン、サイドローラのいかなるものであってもよい。また、チェーン規制ガイドの形状は、ガイドする伝動チェーンの部位により変化させることができ、板状ガイドやガイドローラのいずれであってもよい。
本発明の一実施例であるチェーン規制ガイド付き伝動装置を、図1乃至図7に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施例であるチェーン規制ガイド付き伝動装置の全体概略図であり、図2は、第1実施例のチェーン規制ガイド付き伝動装置における要部説明図であり、図3は、本実施例に用いたスプロケットの歯を拡大した図であり、図4は、図3に示すスプロケットの第1の変形例を示した図であり、図5は、図3に示すスプロケットの第2の変形例を示した図であり、図6は、図3に示すスプロケットの第3の変形例を示した図であり、図7は、図2の噛み合い領域Aを拡大視した動作図である。
図1乃至図2に示す本発明の第1実施例であるチェーン規制ガイド付き伝動装置100は、多数のRa,Rb・・・を備えたローラチェーンからなる伝動チェーン110と、この伝動チェーン110を掛け回す一対のスプロケット120、120と、これら一対のスプロケット120、120と伝動チェーン110とで規定されるチェーン周回軌道の噛み合い領域Aのチェーン内周側に配置したチェーン規制ガイド130とで構成されている。
なお、本実施例では、伝動チェーン110としてローラチェーンを用いた場合を挙げて開示しているが、スプロケット120に噛み合う伝動チェーンであれば、これ以外のブシュチェーン、オフセット形チェーンおよびシールチェーン等、どのような種類のチェーンであっても差し支えない。
そこで、本実施例のチェーン規制ガイド付き伝動装置100が最も特徴とするスプロケット120とチェーン規制ガイド130について図2乃至図7に基づいて詳しく説明する。
まず、図3に示すスプロケット120は、スプロケット本体121に周設された多数のスプロケット歯122が歯底122aに連続して互いに向かい合う回転方向前面側の歯面122bと回転方向背面側の歯面122cとを備えている。
すなわち、図3に示すスプロケット歯122は、スプロケット本体121の回転中心oとスプロケット歯122の中心とを結ぶ仮想基準線xに対してスプロケット歯122の回転方向前面側の歯面122bと回転方向背面側の歯面122cが左右対称に形成されており、これらの互いに向かい合う回転方向前面側の歯面122bと回転方向背面側の歯面122cは、それぞれ断面略凹状の曲面で形成されている。また、前記歯底122aは、少なくとも1つの歯底円弧半径rにより円弧状に形成され、回転方向前面側の歯面122bと回転方向背面側の歯面122cに滑らかに連続している。
そして、スプロケット本体121の回転中心oとスプロケット歯122の中心とを結ぶ仮想基準線xからスプロケット歯122の回転方向前面側の歯面122b及び回転方向背面側の歯面122cまでの距離が、ピッチ円pcより歯先側部分においてピッチ円部分での距離Lより大きくなっており、図3に示すように、本実施例の歯底円直径dfは、前記スプロケット歯122に対応するISO歯形の歯底円直径Dfより小さく、df<Dfの関係にある。なお、図3の破線は、ISO歯形の歯底円直径Dfを示している。
なお、本実施例のチェーン規制ガイド付き伝動装置100で採用したプロケット120の変形例として、以下に開示するようなスプロケット220、スプロケット320、スプロケット420があり、これらのいずれを採用しても基本的な作用効果は同じであり、格別の差異はない。
すなわち、図4に示すように、スプロケット220は、前述したスプロケット120と同様に、スプロケット本体221に周設された多数のスプロケット歯222が、歯底222aに連続して互いに向かい合う回転方向前面側の歯面222bと回転方向背面側の歯面222cとを備えているとともに、スプロケット歯222には、スプロケット本体221の回転中心oとスプロケット歯222の中心とを結ぶ仮想基準線xに対してスプロケット歯222の回転方向前面側の歯面222bと回転方向背面側の歯面222cが左右対称に形成されている。
そこで、スプロケット220の場合は、これらの互いに向かい合う回転方向前面側の歯面222bと回転方向背面側の歯面222cが、それぞれ断面略凸状の曲面で形成され、前記歯底222aが歯底円弧半径rにより円弧状に形成されている。
また、図5に示すように、スプロケット320は、前述したスプロケット120と同様に、スプロケット本体321に周設された多数のスプロケット歯322が歯底322aに連続して互いに向かい合う回転方向前面側の歯面322bと回転方向背面側の歯面322cとを備えているとともに、スプロケット歯320には、スプロケット本体321の回転中心oとスプロケット歯322の中心とを結ぶ仮想基準線xに対してスプロケット歯322の回転方向前面側の歯面322bと回転方向背面側の歯面322cが左右対称に形成されている。
そこで、スプロケット320の場合は、これらの互いに向かい合う回転方向前面側の歯面322bと回転方向背面側の歯面322cが、それぞれ相互に略平行な平面で形成され、前記歯底322aが歯底円弧半径rにより円弧状に形成されている。
さらに、図6に示すように、スプロケット420は、前述したスプロケット120と同様に、スプロケット本体421に周設された多数のスプロケット歯422が歯底422aに連続して互いに向かい合う回転方向前面側の歯面422bと回転方向背面側の歯面422bとを備えている。
そこで、スプロケット420の場合は、スプロケット歯422がスプロケット本体421の回転中心oとスプロケット歯422の中心とを結ぶ仮想基準線xに対してスプロケット歯422の回転方向前面側の歯面422bと回転方向背面側の歯面422cが左右非対称に形成されている。そして、これらの互いに向かい合う回転方向前面側の歯面422bと回転方向背面側の歯面422cが、回転方向前面側の歯面422bが断面略凹状の曲面に形成され、回転方向背面側の歯面422cがISO歯形の歯面と略同様な曲面で形成され、前記歯底422aが、歯底円弧半径rにより円弧状に形成され、断面略凹状の曲面に形成された回転方向前面側の歯面422b、及び、ISO歯形の歯面と略同様な曲面に形成された回転方向背面側の歯面422cに滑らかに連続している。
次に、本実施例のチェーン規制ガイド付き伝動装置100が最も特徴とするチェーン規制ガイド130について、図1乃至図2に基づいて説明する。
前記チェーン規制ガイド130は、通常、固定ガイドとして用いられる板状のガイドプレートを採用しており、図1乃至図2に示すように、伝動チェーン110を定速回転のスプロケット120に噛み合わせる直前、すなわち、チェーン周回軌道の噛み合い領域Aのチェーン内周側に配置されている。
なお、前記チェーン規制ガイドについては、基本的に、図1の点線で示す噛み合い領域A、噛み外れ領域B、スプロケット間領域Cのチェーン内周側、若しくはチェーン外周側のいずれに設置してもよいが、本実施例の場合は、チェーン規制ガイド130をチェーン周回軌道における噛み合い領域Aのチェーン内周側に設置している。
このようにして得られた第1実施例のチェーン規制ガイド付き伝動装置100の動作態様を、図2、図3および図7に基づいて説明する。
まず、図2乃至図3に示すように、スプロケット120が矢印で示すような反時計方向に回転すると、伝動チェーン110のローラRは、噛み合い領域Aに設けられたチェーン規制ガイド130を介して歯底122aに連続して互いに向かい合う回転方向前面側の歯面122bと回転方向背面側の歯面122cとで構成される歯溝S内へ噛み合いながら移動する。
この際、図7に示すように、スプロケット120と伝動チェーン110との噛み合い領域Aにおいて、先行するローラRaが歯溝S内に噛み合っている状態で、後続するローラRbが既にスプロケット歯122の回転方向前面側の歯面122bと噛み合う。この時、先行するローラRaの中心と後続するローラRbの中心とは、ローラRbが歯底122aに接触することなく、チェーン規制ガイド130上を転動するため、上下動することなく同一水平線上に位置付けられ、スプロケット120の反時計方向の回転に伴って、それぞれのローラRは、歯溝S内若しくは、チェーン規制ガイド130上を転動しながら回転方向前面側の歯面122b側から回転方向背面側の歯面122c側へ移動する。
以上のような本実施例のチェーン規制ガイド付き伝動装置100では、チェーン規制ガイド130がチェーン周回軌道の噛み合い領域Aに設けられていることによって、伝動チェーン110の上下動をさらに抑制することができるため、スプロケット120の回転速度などの使用条件を変更しても速度変動の抑制および伝動チェーン110の伝動騒音を低減することができる。また、スプロケット120や伝動チェーン110の摩耗などの経時変化に対しても速度変動の抑制および伝動チェーン110の伝動騒音の低減効果を長期にわたって得ることができる。
そして、伝動チェーン110のスプロケット120への進入する際に生じがちな噛み合い位置の変動によって引き起こされる伝動チェーン110の振動が規制されるため、スプロケット120の歯面へ伝動チェーン110が噛み合い開始する際の衝撃が解消され、その結果、この衝突によって引き起こされる伝動チェーン110の疲労破壊が防止され、伝動チェーン110の耐久性を向上させることができる。しかも、スプロケット120の歯面と伝動チェーン110が噛み合う際の衝突によって損失されるエネルギーが減少するので伝動効率を向上させることができるなど、その効果は甚大である。
次に、図8乃至図10は、本発明の第2実施例であるチェーン規制ガイド付き伝動装置200を示す。
図8は、本発明の第2実施例であるチェーン規制ガイド付き伝動装置の全体概略図であり、図9は、第2実施例のチェーン規制ガイド付き伝動装置における要部説明図であり、図10は、図9の噛み合い領域Bを拡大視した動作図である。
図8に示す本発明の一実施例であるチェーン規制ガイド付き伝動装置200は、前述した本発明の第1実施例であるチェーン規制ガイド付き伝動装置100と同様な、ローラチェーンからなる伝動チェーン110と、この伝動チェーン110を掛け回す一対のスプロケット120、120と、これら一対のスプロケット120、120と伝動チェーン110とで規定されるチェーン周回軌道に配置したチェーン規制ガイド130とで構成されているため、前述した第1実施例と同一の部材符号を用いて以下、説明する。
そこで、本実施例のチェーン規制ガイド付き伝動装置200が最も特徴としているところは、前記チェーン規制ガイド130をチェーン周回軌道における噛み外れ領域Bのチェーン外周側に設置したことである。
次に、上記第2実施例のチェーン規制ガイド付き伝動装置200の動作態様を、図9乃至図10に基づいて説明する。
図9乃至図10に示すように、スプロケット120と伝動チェーン110の噛み外れ領域Bにおいて、後続するローラRcが回転方向背面側の歯面122cに噛み合っているとき、先行するローラRdは、チェーン規制ガイド130上を上下動することなく転動して回転方向背面側の歯面122cとの噛み合いを解除し、チェーン規制ガイド130に誘導されながらスプロケット歯122からスムーズに噛み外れることになる。
以上のような本実施例のチェーン規制ガイド付き伝動装置200では、チェーン規制ガイド130がチェーン周回軌道の噛み外れ領域Bのチェーン外周側に設けられていることによって、伝動チェーン110の上下動をさらに抑制することができるため、スプロケット120の回転速度などの使用条件を変更しても速度変動の抑制および伝動チェーン110の伝動騒音を低減することができる。また、スプロケット120や伝動チェーン110の摩耗などの経時変化に対しても速度変動の抑制および伝動チェーン110の伝動騒音の低減効果を長期にわたって得ることができる。
そして、噛み外れ領域Bにおいて生じがちな噛み外れ位置の変動に起因する伝動チェーン110の上下動が規制されるため、高速伝動時などにおいて生じる、通常、チェーンゆるみ側と称するチェーン戻り側におけるチェーン周回軌道のズレ、いわゆる、脱輪現象の恐れを完全に回避することができるなど、その効果は甚大である。
本発明の第1実施例であるチェーン規制ガイド付き伝動装置の全体概略図。 第1実施例のチェーン規制ガイド付き伝動装置における要部説明図。 本実施例に用いたスプロケットの歯を拡大した図。 図3に示すスプロケットの第1の変形例を示した図。 図3に示すスプロケットの第2の変形例を示した図。 図3に示すスプロケットの第3の変形例を示した図。 図2の噛み合い領域Aを拡大視した動作図。 本発明の第2実施例であるチェーン規制ガイド付き伝動装置の全体概略図。 第2実施例のチェーン規制ガイド付き伝動装置における要部説明図。 図9の噛み合い領域Bを拡大視した動作図。 従来のチェーン伝動装置における噛み合い状態を示した図。 従来のスプロケット歯を拡大して示した図。
符号の説明
100,200,500 ・・・チェーン規制ガイド付き伝動装置
110,210 ・・・伝動チェーン
120,220,320,420,520 ・・・スプロケット
121,221,321,421,521 ・・・スプロケット本体
122,222,322,422,522 ・・・スプロケット歯
122a,222a,322a,422a,522a ・・・歯底
122b,222b,322b,422b ・・・回転方向前面側の歯面
122c,222c,322c,422c ・・・回転方向背面側の歯面
130 ・・・チェーン規制ガイド
A ・・・噛み合い領域
B ・・・噛み外れ領域
C ・・・スプロケット間領域
S ・・・歯溝
o ・・・スプロケットの回転中心
pc ・・・ピッチ円
Dp ・・・ピッチ円直径
x ・・・歯の中心線
L ・・・距離
df ・・・歯底円直径
Df ・・・歯底円直径
r ・・・歯底円弧半径
R,Ra,Rb ・・・ローラ

Claims (3)

  1. 伝動チェーンがスプロケットに噛み合って動力を伝達するチェーン伝動装置において、
    前記スプロケットのスプロケット歯が、歯底に連続して互いに向かい合う回転方向前面側の歯面と回転方向背面側の歯面とを備え、前記スプロケットの回転中心とスプロケット歯の中心とを結ぶ仮想基準線から前記スプロケット歯の少なくとも回転方向前面側の歯面までの距離をピッチ円より歯先側部分においてピッチ円部分より大きいかまたは等しくするとともにスプロケット歯の歯底円直径を前記スプロケット歯に対応するISO歯形の歯底円直径より小さくなるように形成され、
    前記伝動チェーンのコーダルアクションを規制するチェーン規制ガイドが、チェーン周回軌道の少なくとも一ヶ所に設けられていることを特徴とするチェーン規制ガイド付き伝動装置。
  2. 前記チェーン規制ガイドが、チェーン周回軌道の噛み合い領域に設けられていることを特徴とする請求項1記載のチェーン規制ガイド付き伝動装置。
  3. 前記チェーン規制ガイドが、チェーン周回軌道の噛み外れ領域に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のチェーン規制ガイド付き伝動装置。
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