JP4046723B2 - チェーン規制ガイド付き伝動装置 - Google Patents
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Description
そして、このような多角形運動により伝動チェーン510に生じた上下動が、スプロケット520に噛み合うまでの伝動チェーン510に弦振動を誘発し伝動騒音を発生させるという問題があり、また、伝動チェーン510の進行方向の速度変動を発生させて、安定した動力伝達を達成することができないという問題があった。
なお、本発明で意味するところの「コーダルアクション」とは、伝動チェーンがスプロケットに巻き付く際に生じるスプロケットの正多角形運動に伴う伝動チェーンの上下動をいう。
したがって、上記スプロケットの具体的な歯形としては、スプロケットの中心とスプロケット歯の中心とを結ぶ仮想基準線に対して左右対称にそれぞれ断面略凹状の曲面を形成した歯形、スプロケットの中心とスプロケット歯の中心とを結ぶ仮想基準線に対して左右対称にそれぞれ断面略凸状の曲面を形成した歯形、スプロケットの中心とスプロケット歯の中心とを結ぶ仮想基準線に対して左右対称にそれぞれ相互に略平行な平面を形成した歯形、スプロケットの中心とスプロケット歯の中心とを結ぶ仮想基準線に対して左右非対称に形成され一方の歯面を断面略凹状の曲面に形成するとともに他方の歯面を本発明のスプロケット歯に対応するISO歯形の歯面と略同様な曲面に形成した歯形を採用することができる。
図1は、本発明の第1実施例であるチェーン規制ガイド付き伝動装置の全体概略図であり、図2は、第1実施例のチェーン規制ガイド付き伝動装置における要部説明図であり、図3は、本実施例に用いたスプロケットの歯を拡大した図であり、図4は、図3に示すスプロケットの第1の変形例を示した図であり、図5は、図3に示すスプロケットの第2の変形例を示した図であり、図6は、図3に示すスプロケットの第3の変形例を示した図であり、図7は、図2の噛み合い領域Aを拡大視した動作図である。
なお、本実施例では、伝動チェーン110としてローラチェーンを用いた場合を挙げて開示しているが、スプロケット120に噛み合う伝動チェーンであれば、これ以外のブシュチェーン、オフセット形チェーンおよびシールチェーン等、どのような種類のチェーンであっても差し支えない。
そこで、スプロケット220の場合は、これらの互いに向かい合う回転方向前面側の歯面222bと回転方向背面側の歯面222cが、それぞれ断面略凸状の曲面で形成され、前記歯底222aが歯底円弧半径rにより円弧状に形成されている。
そこで、スプロケット320の場合は、これらの互いに向かい合う回転方向前面側の歯面322bと回転方向背面側の歯面322cが、それぞれ相互に略平行な平面で形成され、前記歯底322aが歯底円弧半径rにより円弧状に形成されている。
そこで、スプロケット420の場合は、スプロケット歯422がスプロケット本体421の回転中心oとスプロケット歯422の中心とを結ぶ仮想基準線xに対してスプロケット歯422の回転方向前面側の歯面422bと回転方向背面側の歯面422cが左右非対称に形成されている。そして、これらの互いに向かい合う回転方向前面側の歯面422bと回転方向背面側の歯面422cが、回転方向前面側の歯面422bが断面略凹状の曲面に形成され、回転方向背面側の歯面422cがISO歯形の歯面と略同様な曲面で形成され、前記歯底422aが、歯底円弧半径rにより円弧状に形成され、断面略凹状の曲面に形成された回転方向前面側の歯面422b、及び、ISO歯形の歯面と略同様な曲面に形成された回転方向背面側の歯面422cに滑らかに連続している。
そして、伝動チェーン110のスプロケット120への進入する際に生じがちな噛み合い位置の変動によって引き起こされる伝動チェーン110の振動が規制されるため、スプロケット120の歯面へ伝動チェーン110が噛み合い開始する際の衝撃が解消され、その結果、この衝突によって引き起こされる伝動チェーン110の疲労破壊が防止され、伝動チェーン110の耐久性を向上させることができる。しかも、スプロケット120の歯面と伝動チェーン110が噛み合う際の衝突によって損失されるエネルギーが減少するので伝動効率を向上させることができるなど、その効果は甚大である。
図8は、本発明の第2実施例であるチェーン規制ガイド付き伝動装置の全体概略図であり、図9は、第2実施例のチェーン規制ガイド付き伝動装置における要部説明図であり、図10は、図9の噛み合い領域Bを拡大視した動作図である。
そこで、本実施例のチェーン規制ガイド付き伝動装置200が最も特徴としているところは、前記チェーン規制ガイド130をチェーン周回軌道における噛み外れ領域Bのチェーン外周側に設置したことである。
図9乃至図10に示すように、スプロケット120と伝動チェーン110の噛み外れ領域Bにおいて、後続するローラRcが回転方向背面側の歯面122cに噛み合っているとき、先行するローラRdは、チェーン規制ガイド130上を上下動することなく転動して回転方向背面側の歯面122cとの噛み合いを解除し、チェーン規制ガイド130に誘導されながらスプロケット歯122からスムーズに噛み外れることになる。
そして、噛み外れ領域Bにおいて生じがちな噛み外れ位置の変動に起因する伝動チェーン110の上下動が規制されるため、高速伝動時などにおいて生じる、通常、チェーンゆるみ側と称するチェーン戻り側におけるチェーン周回軌道のズレ、いわゆる、脱輪現象の恐れを完全に回避することができるなど、その効果は甚大である。
110,210 ・・・伝動チェーン
120,220,320,420,520 ・・・スプロケット
121,221,321,421,521 ・・・スプロケット本体
122,222,322,422,522 ・・・スプロケット歯
122a,222a,322a,422a,522a ・・・歯底
122b,222b,322b,422b ・・・回転方向前面側の歯面
122c,222c,322c,422c ・・・回転方向背面側の歯面
130 ・・・チェーン規制ガイド
A ・・・噛み合い領域
B ・・・噛み外れ領域
C ・・・スプロケット間領域
S ・・・歯溝
o ・・・スプロケットの回転中心
pc ・・・ピッチ円
Dp ・・・ピッチ円直径
x ・・・歯の中心線
L ・・・距離
df ・・・歯底円直径
Df ・・・歯底円直径
r ・・・歯底円弧半径
R,Ra,Rb ・・・ローラ
Claims (3)
- 伝動チェーンがスプロケットに噛み合って動力を伝達するチェーン伝動装置において、
前記スプロケットのスプロケット歯が、歯底に連続して互いに向かい合う回転方向前面側の歯面と回転方向背面側の歯面とを備え、前記スプロケットの回転中心とスプロケット歯の中心とを結ぶ仮想基準線から前記スプロケット歯の少なくとも回転方向前面側の歯面までの距離をピッチ円より歯先側部分においてピッチ円部分より大きいかまたは等しくするとともにスプロケット歯の歯底円直径を前記スプロケット歯に対応するISO歯形の歯底円直径より小さくなるように形成され、
前記伝動チェーンのコーダルアクションを規制するチェーン規制ガイドが、チェーン周回軌道の少なくとも一ヶ所に設けられていることを特徴とするチェーン規制ガイド付き伝動装置。 - 前記チェーン規制ガイドが、チェーン周回軌道の噛み合い領域に設けられていることを特徴とする請求項1記載のチェーン規制ガイド付き伝動装置。
- 前記チェーン規制ガイドが、チェーン周回軌道の噛み外れ領域に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のチェーン規制ガイド付き伝動装置。
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JP2004337492A JP4046723B2 (ja) | 2004-11-22 | 2004-11-22 | チェーン規制ガイド付き伝動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004337492A JP4046723B2 (ja) | 2004-11-22 | 2004-11-22 | チェーン規制ガイド付き伝動装置 |
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