JP3885604B2 - 排気浄化装置 - Google Patents

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    • F02D41/029Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine in relation with the state of the exhaust gas treating apparatus to purge or regenerate the exhaust gas treating apparatus the exhaust gas treating apparatus being a particulate filter

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えばディーゼルエンジンの排気パティキュレートを処理する排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンから排出される排気パティキュレートを処理するために、排気系にパティキュレートフィルタを配置し、パティキュレートの捕集量が一定値に達すると排気温度を上昇させてパティキュレートを燃焼処理し、フィルタの再生を行うことが知られている。
【0003】
一方、このようなパティキュレートフィルタを備えたディーゼルエンジンを前提に、イグニッションスイッチがOFFされた時点で、前記フィルタに担持している触媒の温度が所定の温度以上であることが検出されたとき、吸気絞り弁を閉じて燃料を供給し続けることが特開平10−54268号公報によって提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フィルタの再生処理のため通常の噴射の後に膨張行程での2度目の噴射であるポスト噴射を行う場合に、再生処理の途中でイグニッションキースイッチがOFFとされエンジン停止したとき、フィルタの温度がフィルタの使用温度の上限値を超えて急上昇し、これによってフィルタに担持している触媒が熱劣化したり、触媒を担持している担体が多孔質セラミックである場合には熱応力の影響でフィルタの耐久性が低下することがわかった。
【0005】
これについてさらに図3のモデル図を用いて説明すると、図3は運転条件(回転速度、燃料噴射量)が中負荷域を中心とするポスト噴射域にあってポスト噴射を行っての再生処理が行われている途中でアクセルペダルが初期位置まで戻され、その直後にイグニッションスイッチがONからOFFへと切り換えられたときを想定している。
【0006】
まず前提としてフィルタの再生処理がt1で開始されるとポスト噴射による未燃燃料がフィルタに担持している触媒上で反応することでフィルタ温度がTaからTbへと上昇し、フィルタに堆積しているパティキュレートが燃焼するのに十分な温度を得ることができ、パティキュレートが燃焼する。
【0007】
続いて運転者がt2よりアクセルペダルを初期位置まで戻すと、エンジン回転速度Neが低下しt3でアイドル状態となる。t2からt3までの回転速度の落差分だけ排気流量が減るため、フィルタ温度はTbより一段と高いTcへと上昇する。
【0008】
この場合に、アイドル運転を継続すればフィルタ温度がTc以上に上昇することはないのであるが、パティキュレートの燃焼が完了していない時点、例えばt4で運転者がイグニッションキースイッチをONからOFFにしたとき、その直後に燃料供給を停止してエンジンを停止させても(第3段目の破線参照)、燃焼の完了していないパティキュレートはフィルタ上流の排気通路内に残っている空気中の酸素を用いて燃焼を継続する。
【0009】
このとき、エンジン停止により排気がフィルタを通過して流れることがなく、従ってパティキュレートの燃焼した熱がフィルタの下流へと逃されることがないので、フィルタの温度が破線で示したようにフィルタの上限温度Tlmtを大きく超えて急上昇し、たとえば1000℃といった高温にもなる。このように急激な温度変化があると、フィルタに担持している触媒が熱劣化したり多孔質セラミックで構成される担体に熱応力が作用するなどしてフィルタの耐久性が損なわれるのである。
【0010】
そこで本発明は、エンジンの停止操作時にフィルタの再生処理中であるかどうかを判定し、フィルタの再生処理中であるときには再生処理を中断し、フィルタに供給される排気中の酸素量を制限した状態で所定の期間、燃料の供給を継続することにより、フィルタに担持している触媒の熱劣化や多孔質セラミックで構成される担体への熱応力の作用を防止してフィルタの耐久性を向上させることを目的とする。
【0011】
一方、上記の従来装置でもイグニッションスイッチのOFF時に吸気絞り弁を閉じて燃料を供給し続けるため、その点本発明の構成と類似する。
【0012】
しかしながら、従来装置は、フィルタを昇温させてもフィルタに堆積したままでパティキュレートのようには除去できないオイルアッシュ(主にエンジンオイルに起因する)を対象とし、このオイルアッシュを分解除去するためには
(1)還元処理を長い時間継続する(分解の促進)、
(2)還元処理後には排気を流さない、
という条件をみたすことが効果的であることに着目して、フィルタに担持している触媒の温度が所定の温度以上であるとき吸気絞りと燃料供給とでフィルタを還元雰囲気とするものである。具体的には、イグニッションキースイッチがOFFにされると、吸気絞り弁を閉じると同時に燃料の供給を停止する。次いで、エンジン回転速度が所定回転速度S1まで低下すると、燃料の噴射を再開し、燃料噴射をその後にエンジン回転速度数がS1よりも小さな所定回転速度S2に低下するまで継続する。すなわち、従来装置は、イグニッションキースイッチのOFF時に再生処理中かどうかを判断するものではなく、また、パティキュレートの燃焼の影響を受けてフィルタが過度に高温とならないようにすることを防止する本願発明とは解決課題も異なり、前記所定の温度はフィルタに担持されている触媒が活性状態にあることをみる温度であって、本願発明でいうパティキュレートが燃焼する温度(再生温度)とは全く異なっている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、排気通路にパティキュレートを捕集するフィルタを備えたエンジンの排気浄化装置において、フィルタの再生時期になると排気温度を上昇させてフィルタの再生処理を行う再生処理手段と、エンジンの停止操作時にフィルタの再生処理中であるかどうかを判定する判定手段と、この判定結果よりエンジンの停止操作時にフィルタの再生処理中であるときフィルタの再生処理を中断し、フィルタに供給される排気中の酸素量を制限した状態で所定の期間、アイドリング運転を行い得る燃料の供給を継続する運転継続手段とを備える。
【0014】
請求項15に記載の発明は、排気通路にパティキュレートを捕集するフィルタを備えたエンジンの排気浄化装置において、フィルタの再生時期になると排気温度を上昇させてフィルタの再生処理を行う再生処理手段と、アイドル時にフィルタの再生処理中であるかどうかを判定する判定手段と、この判定結果よりアイドル時にフィルタの再生処理中であるときフィルタの再生処理を中断し、フィルタに供給される排気中の酸素量を制限した状態を所定の期間、継続する運転継続手段とを備え、前記フィルタの再生処理を中断した後にフィルタ温度が上昇して所定温度を超えたときには、吸気絞り弁の開度を最大開度より最小開度まで小さくし、フィルタ温度が上昇から下降に反転し前記所定温度以下に収まった以降は吸気絞り弁の開度を前記最小開度に維持し、かつフィルタの上流と下流の温度差が所定温度差以下となったときに吸気絞り弁の開度を前記最大開度へと戻す
【0015】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、再生処理中にエンジン停止操作が入ったとき即座にフィルタの再生処理を中断するもののエンジンを停止することはせず、燃料の供給を継続(運転継続)することで、フィルタに堆積しているパティキュレートの燃焼する熱がフィルタを通過する排気により滞留することなくフィルタ下流へと逃されると共に、フィルタに供給される排気中の酸素量を制限することで、パティキュレートの燃焼そのものが抑制され、これによってフィルタの急激な温度上昇を防止することができる。このため、フィルタに触媒を担持するタイプでは触媒の熱劣化を防止し、またフィルタ担体を多孔質セラミックで構成するタイプでは担体への熱応力の作用を防止し、これによってフィルタの耐久性を向上させることができる。
【0016】
請求項15に記載の発明によれば、アイドル時にフィルタの再生処理中であることを判定したときには、フィルタの再生処理を中断し、フィルタに供給される排気中の酸素量を制限した状態を所定の期間、継続するようにしたので、パティキュレートの燃焼する熱のほうが、アイドル時の排気流量よりも相対的にずっと大きくなり、パティキュレートの燃焼する熱を十分にフィルタ下流に逃すことができない事態が生じ得ることがあっても、パティキュレートの燃焼そのものが抑制され、これによってフィルタの急激な温度上昇を防止することができる。このため、フィルタに触媒を担持するタイプでは触媒の熱劣化を防止し、またフィルタ担体を多孔質セラミックで構成するタイプでは担体への熱応力の作用を防止し、これによってフィルタの耐久性を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
まず、図1において、1はディーゼルエンジンで、2は吸気通路、3は排気通路を示す。排気通路3には排気中のパティキュレートを捕集するフィルタ4が設置される。フィルタ4のパティキュレートの捕集量が所定値に達すると、排気温度を上昇させてパティキュレートを燃焼除去する。
【0019】
詳細には、パティキュレートは黒鉛(煤、ドライスート)と可溶性有機物質(SOF)などからなる複合体であり、その大部分は黒鉛である。ここでのフィルタ4は多孔質セラミックから構成される担体に触媒を担持させており、通常の排気温度でSOFや未燃燃料(HC)、不完全燃焼物(CO)はこの触媒の効果によりCO2、H2Oへと浄化される。従ってフィルタの再生処理のためパティキュレートを燃焼させるという場合のパティキュレートはこの黒鉛である。
【0020】
フィルタ4の圧力損失(フィルタ4の上流と下流の圧力差)を検出するために、フィルタ4をバイパスする差圧検出通路に差圧センサ12が設けられる。
【0021】
この差圧センサ12により検出されるフィルタ4の圧力損失は、クランク角センサ13からのエンジン回転速度、アクセルセンサ14からのアクセル開度(アクセルペダルの踏み込み量)、エアフローメータ15からの吸入空気流量と共にコントローラ11に送られ、主にマイクロプロセッサで構成されるコントローラ11では、これらに基づいて次のようにフィルタ4の再生処理を行う。
【0022】
すなわち、再生処理前には差圧センサ12により検出した圧力損失ΔPと再生開始判定値とを比較して再生開始時期になったかどうかを判定し、再生開始時期になったとき排気温度を上昇させてのフィルタ4の再生処理を開始し、その後に差圧センサ12により検出した圧力損失ΔPと再生終了判定値とを比較して再生終了時期になったかどうかを判定し、再生終了時期時期になったとき再生処理を終了する。
【0023】
フィルタ4の再生処理は基本的には排気温度を目標温度(パティキュレートが燃焼するに最適な温度のこと)にまで上昇させる処理である。この場合、排気温度はエンジンの負荷と回転速度により異なるので、図2に示したように全運転領域を大きく4つに区分けし、区分けした各運転領域での排気温度に応じて次のように再生処理を行う。
【0024】
領域R1:全負荷付近の領域であり、この領域では排気温度が目標温度となり、再生処理を行わせなくても自然にパティキュレートが燃焼して再生が行われるため、再生処理は行わない。
【0025】
領域R2:領域R1より低負荷側である領域R2〜R4では排気温度が目標温度とならないため強制的に再生処理を行う必要がある。このため領域R2ではまず燃料噴射装置(例えばサプライポンプ6、コモンレール7、インジェクタ8からなるコモンレール式噴射装置)から噴射される燃料の噴射時期(メイン噴射時期)を通常(再生処理前)よりも遅らせることによって再生処理を行う。メイン噴射時期の遅角によって排気温度は目標温度へと上昇する。
【0026】
領域R3:メイン噴射時期の遅角によっては排気温度を目標温度にできない領域であり、メイン噴射時期の遅角に代わってポスト噴射(メイン噴射後にさらに膨張行程で噴射すること)を行うことによって再生処理を行う。この膨張行程でのポスト噴射により排気温度は目標温度へと上昇する。
【0027】
領域R4:排気温度がもともと低い低負荷域であり、この領域では上記いずれの方法によっても排気温度を目標温度へと上昇させることができないので、再生処理は行わない。
【0028】
このように領域R3においてポスト噴射を行うことにより再生処理を行うものを前提として、本発明では、ポスト噴射を行っての再生処理の途中でイグニッションキースイッチ18(図3参照)からの信号がONからOFFへと切換えられたとき、すぐに燃料供給を停止してエンジンを停止させるのではなく、フィルタ4に堆積しているパティキュレートの燃焼熱がフィルタ4に滞留することなくフィルタ4の下流へと逃されるようにアイドル噴射量を供給してアイドル運転を継続すると共に、吸気通路2に設けた吸気絞り弁9を駆動してシリンダ内に流入する酸素量(排気中の酸素量)を減らしてフィルタ4に堆積しているパティキュレートの燃焼そのものを抑制する。
【0029】
ここで、このパティキュレートの燃焼制御をさらに図3のモデル図を用いて説明する。
【0030】
図3は運転条件(エンジン回転速度、燃料噴射量)がポスト噴射域にあってポスト噴射を行っての再生処理が行われている途中でアクセルペダルが初期位置まで戻され、その直後にイグニッションスイッチがONからOFFへと切り換えられたときを想定している。
【0031】
まず前提として再生処理がt1で開始されるとポスト噴射による未燃燃料(HC)がフィルタ4に担持されている触媒上で反応することでフィルタ温度がTaからTbへと上昇し、パティキュレートが燃焼するに十分な温度を得ることができ、パティキュレートが燃焼する。
【0032】
続いて運転者がt2のタイミングでアクセルペダルを初期位置まで戻すと、エンジン回転速度Neが低下してt3でアイドル状態となり、t2からt3までの回転速度の落差分だけ排気流量が減るため、フィルタ4の温度はTbより一段と高いTcへと上昇する。
【0033】
この場合に、アイドル運転を継続すればフィルタ4の温度がTc以上に上昇することはないのであるが、フィルタに堆積しているパティキュレートの燃焼が完了していない時点、例えばt4で運転者がイグニッションキースイッチをONからOFFにしたとき、すぐに燃料供給を停止してエンジン停止させても、フィルタ4上流の排気通路3に残っている空気中の酸素を用いて、フィルタに堆積しているパティキュレートの燃焼が継続する。
【0034】
このとき、エンジン停止により排気がフィルタを経過して流れることがなく、従ってフィルタに堆積しているパティキュレートの燃焼熱がフィルタ4の下流へと逃されることがないので、フィルタ4の温度が破線で示したようにフィルタ4の上限温度Tlmtを大きく超えて急上昇し、たとえば1000℃といった高温にもなり、フィルタ4の耐久性が損なわれる。
【0035】
このとき、本発明では次の手順で吸気絞り弁9の開度と燃料供給を制御する。
【0036】
▲1▼t4のタイミングでイグニッションスイッチ18からの信号がONからOFFへと切り換えられたとき、再生処理を中断し、フィルタ4に堆積しているパティキュレートの燃焼熱がフィルタ4の下流へと流れ去るようにアイドル噴射量をインジェクタ8より供給してアイドル運転を継続する。
【0037】
▲2▼フィルタ4の温度を検出してこれがフィルタ4の上限温度Tlmを超えることがないかどうかをモニターする。すなわち、検出したフィルタの温度とフィルタ4の上限温度Tlmtとを比較し、フィルタ4の温度が例えばt5のタイミングでフィルタ4の上限温度Tlmtを超えたときにはそのタイミングより吸気絞り弁9の開度を小さくして排気中の酸素量を減らす。ディーゼル燃焼はもともとリーン雰囲気での燃焼であり、特に低負荷時には燃焼に利用されないで排気通路3に排出される酸素量が多いのであるが、アイドル運転状態で吸気絞り弁9により吸気を絞ることで、燃焼に利用されないで排気通路3に排出される酸素量を減らすことができ、これによりフィルタ4に堆積しているパティキュレートの燃焼そのものが緩慢となり、フィルタ4の温度が低下してゆく。
【0038】
▲3▼この結果、フィルタ4の温度がピークをとったあと反転しt6のタイミングでフィルタ4の上限温度Tlmt以下に収まったとすれば、それ以降はフィルタ4の上流と下流の温度差ΔTをモニターしてその下限値T0と比較し、温度差ΔTが下限値T0より大きいときには吸気絞り弁9の開度をそのまま維持しかつ燃料の供給を継続する。
【0039】
この温度差ΔTはフィルタ4に堆積しているパティキュレートの燃焼状態を表し、ΔTの値が大きいときにはパティキュレートの燃焼が盛んであることを、この逆にパティキュレートの燃焼が完了に近づいてくるとΔTの値が小さくなってくる。従って、▲3▼の手順は、フィルタ4に堆積しているパティキュレートの燃焼が完了し、従って吸気絞り弁9を再び開いてもパティキュレートが燃え上がることはない温度差の下限値をT0として定めておき、実際の温度差ΔTがこの下限値T0より大きいときには吸気絞り弁9を再び開くのを待ってパティキュレートの燃焼が完了するのを待つようにしたものである。
【0040】
▲4▼温度差ΔTが例えばt7でT0以下となれば、フィルタ4に堆積しているパテキュレートの燃焼が完了し、従って吸気絞り弁9を再び開いてもパティキュレートが燃え上がることはないので、吸気絞り弁9を再び開いて全開位置へと戻し、次にはフィルタ4の温度とフィルタ4の再生終了温度Teを比較する。
【0041】
▲5▼フィルタ4の温度がフィルタ4の再生終了温度Teより大きいときにはそのまま待ち、フィルタ4の温度が例えばt8でTe以下となれば、フィルタ4の再生終了と判断し、燃料供給を停止してエンジンを停止する。
【0042】
次に、コントローラ11により行われるこれらの制御内容を以下のフローチャートに従って説明する。
【0043】
図4のフローチャートは再生処理フラグを設定するためのもので、所定の時間毎(例えば10ms毎)に繰り返し実行する。
【0044】
ステップ1ではフィルタ4の圧力損失ΔPを差圧センサ12の出力から読み込む。
【0045】
ステップ2では再生処理フラグをみる。この再生処理フラグは後述する再生処理条件が成立したとき1となるフラグであり、エンジン始動時にはゼロに初期設定されている。従って、再生処理条件の成立する前はステップ3に進み、再生開始判定値ΔPsを演算する。
【0046】
このΔPsの演算については例えばエンジン回転速度と負荷に基づいて所定のマップを検索することにより排気流量を演算し、この排気流量から所定のテーブルを検索することにより再生開始時の圧力損失である再生開始判定基本値ΔPsを演算すればよい。ここで、再生開始時のフィルタの圧力損失は高く、パティキュレート燃焼後の再生終了時のフィルタ4の圧力損失は低下する。再生開始判定値と後述する再生終了判定値は排気流量が増加するほど高く(大きく)なる。
【0047】
ステップ4、5で再生処理条件をみる。再生処理条件の成立は、フィルタ4の圧力損失ΔPが再生開始判定値ΔPsを超えかつエンジンの回転速度とメイン噴射量Qf1(図7のステップ34参照)により定まる運転条件がポスト噴射域にあることである。このため圧力損失ΔPが再生開始判定値ΔPs以下のときやエンジンの運転条件がポスト噴射域にないときにはステップ7に進み再生処理フラグ=0として今回の処理を終了する。
【0048】
圧力損失ΔPが再生開始判定値ΔPsを超えかつエンジンの運転条件がポスト噴射域にあるときにはステップ6に進み、再生処理フラグ=1とする。この再生処理フラグ=1を受けて図示しないフローでは再生処理が実行される。
【0049】
再生処理では、インジェクタ8から噴射される燃料の噴射時期を相対的に遅角したり、ポスト噴射することで、エンジン燃焼を正規の状態から遅らせて排気温度を上昇させるのであり、これによりフィルタ4に捕集されているパティキュレートを燃焼させる。
【0050】
再生処理フラグ=1を受けて次回よりはステップ2よりステップ8に進み、イグニッションスイッチ18からの信号をみる。
【0051】
イグニッションスイッチ18からの信号がON状態にあるときは従来と同様である。すなわち、ステップ9に進み再生終了判定値ΔPeを演算する。このΔPeの演算についてはΔPsの演算と同様である。すなわち、エンジン回転速度とメイン噴射量Qf1に基づいて排気流量を演算し、この排気流量から所定のテーブルを検索することにより、再生終了時の圧力損失である再生終了判定値ΔPeを演算する。
【0052】
ステップ10では圧力損失ΔPとこの再生終了判定値ΔPeを比較する。圧力損失ΔPが再生終了判定値ΔPe以上であれば、再生処理を継続するためステップ6の操作を実行する。
【0053】
一方、圧力損失ΔPが再生終了判定値ΔPeを下回ると再生終了タイミングになったと判断し、ステップ11に進んで今回の再生処理を終了し次回の再生処理に備えるため再生処理フラグ=0とする。
【0054】
ステップ8でイグニッションスイッチ18からの信号がOFF状態になっているときには、ステップ12に進みエンジン停止要求フラグ(ゼロに初期設定)=1とした後、ステップ11の操作を実行する。
【0055】
ここで、エンジン停止要求フラグは、エンジン停止要求フラグ=1のとき再生処理中にエンジン停止の要求があったことを表すフラグである。
【0056】
図5はポスト噴射量を演算するためのもので、クランク角の基準位置信号(図ではRef.で略記)の入力毎に実行する。
【0057】
ステップ21、22で再生処理フラグと運転域をみる。再生処理フラグ=0であるとき、あるいは再生処理フラグ=1であってもポスト噴射域にないときにはポスト噴射を行う必要がないので、ステップ25に進んでポスト噴射量QP=0とする。
【0058】
再生処理フラグ=1かつポスト噴射域にあるときには再生処理のためのポスト噴射を行う必要があるため、ステップ23以降に進んでポスト噴射量を演算する。
【0059】
ステップ23ではエンジン回転速度Ne、メイン噴射量Qf1を読み込む。ここで、メイン噴射量Qf1は後述するようにアクセル開度とエンジン回転速度に応じて定まる基本燃料噴射量Mqdrvに各種の補正を施して得た燃料噴射量である(図7のステップ34参照)。
【0060】
ステップ24ではエンジン回転速度Neとメイン噴射量Qf1とから図6を内容とするマップを検索することによりポスト噴射量QPを演算する。ポスト噴射量は、運転条件(Ne、Qf1)に応じて変化する排気温度に対応させており、排気温度が低くなる低負荷ほど大きくなる。これは、排気温度が低くなる低負荷ほど目標温度との差が大きくなるので、その分ポスト噴射量を大きくする必要があるからである。最適値は最終的にはマッチングにより定める。
【0061】
図7はメイン噴射量を演算するためのもので、クランク角の基準位置信号(図ではRef.で略記)の入力毎に実行する。
【0062】
ステップ31でエンジン停止要求フラグをみる。エンジン停止要求フラグ=0のときはステップ32〜35で従来と同様にしてメイン噴射量を演算する。すなわち、ステップ32でエンジン回転速度Ne、アクセル開度CLを読み込み、ステップ33でNeとCLから図8を内容とするマップを検索することにより基本燃料噴射量Mqdrvを演算する。ステップ34ではこの基本燃料噴射量Mqdrvに対してエンジン冷却水温等に基づいて各種の補正を行い、この補正後の値をメイン噴射量Qf1とする。
【0063】
ステップ35ではこのようにして演算したメイン噴射量Qf1と最大噴射量Qf1maxを比較し、Qf1がQf1maxを超えるときには最大噴射量Qf1maxをメイン噴射量Qfとして設定する。これに対して、Qf1がQf1max以下のときにはQf1をそのままメイン噴射量Qfとして設定する。なお、最大噴射量Qf1maxは図9に示したようにエアフロメータ出力より演算されるシリンダ吸入空気量Qacとエンジン回転速度Neに応じて設定されている。
【0064】
一方、エンジン停止要求フラグ=1であるときにはステップ36に進んで温度センサ16からのフィルタ上流温度T1を読み込む。この温度T1はフィルタ温度の代用である。従ってフィルタ4内部に温度センサを設けるようにしてもかまわない。
【0065】
ステップ37ではフィルタ温度としてのT1と再生終了温度Teを比較する。再生処理の途中でイグニッションスイッチ18がON位置からOFF位置に切換えられてエンジン停止要求フラグ=1となった当初はフィルタ温度としてのT1がこの再生終了温度Teより高いのでステップ38に進み、アイドル噴射量をメイン噴射量Qf1として設定すると共に、ステップ39で酸素制限フラグ(ゼロに初期設定)=1とした後、ステップ35の操作を実行する。上記のアイドル噴射量は、例えばエンジン回転速度Neに応じて予め割り付けておく。
【0066】
つまり、再生処理の途中でイグニッションスイッチ18がON位置からOFF位置に切換えられたときには、すぐに燃料供給を停止するのではなく、アイドル運転を継続させる。そして、アイドル運転を行いながら酸素制限フラグによりフィルタ温度が昇温しすぎないように排気中の酸素量の制限を指示する。すなわち、酸素制限フラグは、酸素制限フラグ=1であるときフィルタ温度が昇温しすぎないように排気中の酸素量の制限を指示するフラグで、後述するようにこのフラグの指示により吸気絞り弁9が閉じられると、フィルタ4に堆積しているパティキュレートの燃焼そのものが抑制されてフィルタ温度がピークを採った後反転して低下していく。その結果、フィルタ温度としてのT1が再生終了温度Te以下になるとフィルタ4の再生を終了するタイミングになったと判断し、燃料供給を停止するためステップ37よりステップ40に進んでメイン噴射量Qf=0とする。ステップ41、42では次回の運転時に備えるため酸素制限フラグ=0、エンジン停止要求フラグ=0としておく。
【0067】
そして、上記のように演算されたポスト噴射量、メイン噴射量に基づいてフィルタ4の再生処理の開始前には圧縮行程から膨張行程にかけての所定の時期にインジェクタ8が開かれてメイン噴射のみが行われ、ポスト噴射域での再生処理中になると、膨張行程でもう一度インジェクタ8が開かれてポスト噴射が行われる。また、メイン噴射量Qf1は図4、図5のフローにおいて用いられる。
【0068】
図10は吸気絞り弁9の目標開度を演算するためのもので、所定の時間毎(例えば10ms毎)に繰り返し実行する。
【0069】
ステップ51では酸素制限フラグをみる。酸素制限フラグ=0のときはエンジンの停止操作時に排気中の酸素制限を行う必要がないのでステップ63に進み吸気絞り弁9の最大開度TVOmaxを吸気絞り弁9の目標開度tTVOとする。吸気絞り弁9の最大開度TVOmaxは吸気絞り弁9の全開位置に相当する値である。
【0070】
酸素制限フラグ=1のときはエンジンの停止操作時に排気中の酸素量の制限を行うためステップ52以降に進む。ステップ52では温度センサ16、17により検出されるフィルタ4の上流温度T1と下流温度T2を読み込み、ステップ53でフィルタ4の上流と下流の温度差ΔT(=T1−T2)を算出する。
【0071】
ステップ54ではフィルタ温度としてのT1とフィルタの上限温度Tlmtを比較する。ここで、フィルタ4の上限温度Tlmtはフィルタ4が使用される温度として許される上限の温度のことで、例えば600℃程度を設定する。この値は車種により変化し得る。
【0072】
フィルタ温度としてのT1がフィルタ4の上限温度Tlmtを超えているときにはフィルタ4に担持している触媒が熱劣化したり多孔質セラミックからなるフィルタ担体に熱応力が作用するなどフィルタ4の耐久性に問題が出てくるので、ステップ55〜57で吸気絞り弁9の開度を減少させることにより、フィルタ4に堆積しているパティキュレートの燃焼そのものを抑制してフィルタ温度がフィルタの上限温度Tlmt以下となるようにする。すなわち、ステップ55では吸気絞り弁9の目標開度tTVOを、
tTVO=tTVOz−ΔTVO1…(1)、
ただし、tTVOz:tTVOの前回値、
ΔTVO1:一定値、
の式により算出する。
【0073】
(1)式のΔTVO1は吸気絞り弁9の演算周期当たりの開度減少量、またtTVOの前回値であるtTVOzの初期値は吸気絞り弁9の全開位置に相当する値である。つまり、(1)式は吸気絞り弁9の目標開度を吸気絞り弁9の全開位置に相当する値から演算周期当たりΔTVO1ずつ減少していく式である。
【0074】
ステップ56、57は吸気絞り弁9の目標開度tTVOに対してリミッタ処理を行う部分で、tTVOと吸気絞り弁9の最小開度TVOminを比較し、tTVOが最小開度TVOmin以下となればtTVOを最小開度TVOminに制限する。吸気絞り弁9の最小開度TVOminは吸気絞り弁9の全閉位置に相当する値である。
【0075】
フィルタ4の再生処理によりパティキュレートが燃焼している途中でエンジン停止要求があったときには前述のようにアイドル噴射量を供給してのアイドル運転に切換えるのであるが、このとき上記(1)式により吸気絞り弁9を全開位置より徐々に閉じてゆくと、シリンダ内でのディーゼル燃焼に利用されずに排気通路3へと排出される空気量(酸素量)が減少するためパティキュレートの燃焼そのものが緩慢となってフィルタ温度がピークを採った後反転して低下してゆく。
【0076】
このため、(1)式の吸気絞り弁9の目標開度の減少を続ければやがてフィルタ温度がフィルタ4の限界温度Tlmtにまで低下する。このときにはステップ54よりステップ58に進みフィルタ4の上流と下流の温度差ΔTとフィルタ4の上流と下流の温度差の下限値T0を比較する。この温度差ΔTは、フィルタ4の再生処理中のパティキュレートの燃焼状態を表し、ΔTの値が大きいときにはパティキュレートの燃焼が盛んであることを、この逆にパティキュレートの燃焼が活発でなくなるとΔTの値が小さくなってくる。従って、フィルタ4に堆積しているパティキュレートの燃焼が完了する温度差の下限値をT0として定めておけば、ΔTとT0との比較によりパティキュレートの燃焼が完了したかどうか、つまり吸気絞り弁9を元の全開位置に戻すことができるかどうかを判断できる。すなわち、ΔTがT0より大きいときにはまだパティキュレートの燃焼が完了していないと判断してステップ59に進み、吸気絞り弁9の目標開度tTVOをフィルタ温度としてのT1がフィルタ4の下限温度Tlmt以下に収まったときの値を維持する(目標開度の前回値であるtTVOzを今回の目標開度であるtTVOとする)。
【0077】
時間が経過してΔTが下限値T0以下となれば、パティキュレートの燃焼が完了したと判断し、ステップ58よりステップ60に進み吸気絞り弁9を再び開くため吸気絞り弁9の目標開度tTVOを、
tTVO=tTVOz+ΔTVO1…(2)、
ただし、tTVOz:tTVOの前回値、
ΔTVO2:一定値、
の式により算出する。
【0078】
(2)式のΔTVO2は吸気絞り弁9の演算周期当たりの開度増加量である。つまり、(2)式は吸気絞り弁9の開度を、フィルタ温度としてのT1がフィルタ4の上限温度Tlmt以下に収まったタイミングでの値から演算周期当たりΔTVO2ずつ増加していく式である。
【0079】
ステップ61、62は吸気絞り弁9の目標開度tTVOに対してリミッタ処理を行う部分で、tTVOと吸気絞り弁9の最大開度TVOmaxを比較し、tTVOが最大開度TVOmax以上となればtTVOをTVOmaxに制限する。
【0080】
このようにして演算された吸気絞り弁9の目標開度tTVOは、ダイヤフラムアクチュエータ10aへの制御圧力を調整するバルブ10bへの指令値に変換されて出力され、ダイヤフラムアクチュエータ10aにより目標開度tTVOとなるように吸気絞り弁9が駆動される。
【0081】
ここで、本実施形態の作用を図3のモデル図を参照しながら説明する。
【0082】
t4のタイミングでイグニッションスイッチ18がONからOFFへと切り換えられたとき、フィルタ4に堆積しているパティキュレートの燃焼熱がフィルタ4の下流へと逃されるようにアイドル噴射量がインジェクタ8より供給されアイドル運転が継続される。
【0083】
この状態でフィルタ温度としてのT1とフィルタ上限温度Tlmtとが比較され、フィルタ温度がt5のタイミングでフィルタ上限温度Tlmtを超えたときにはそのタイミングより吸気絞り弁9の開度が全開位置より小さくされ、排気中の酸素量が減らされると、パティキュレートの燃焼が緩慢となり、フィルタ温度はピークを採ったあと反転して低下してゆく。この結果、フィルタ温度がt6のタイミングでフィルタ上限温度Tlmt以下に収まる。
【0084】
これ以降は吸気絞り弁9の開度を現状に維持したままフィルタ4の上流と下流の温度差ΔTと下限値T0とが比較され、ΔTが下限値T0より大きいときにはフィルタ4に堆積しているパティキュレートの燃焼がまだ完了していないと判断されそのままの状態が継続される。
【0085】
ΔTがt7で下限値T0以下となれば、パティキュレートの燃焼が完了し、従って吸気絞り弁9を再び開いてもパティキュレートが燃え上がってしまうことはないと判断され吸気絞り弁9が再び全開位置へと戻される。
【0086】
次にはフィルタ温度としてのT1と再生終了温度Teとが比較され、フィルタ温度がTeより大きいときにはそのまま待ち、フィルタ温度がt8でTe以下となればフィルタ4の再生が終了したと判断され、燃料供給が停止されエンジンが停止される。
【0087】
このように第1実施形態(請求項1に記載の発明)によれば、フィルタ4の再生処理中にエンジン停止操作が入ったとき即座にフィルタ4の再生処理を中断するもののエンジンを停止せず、燃料の供給を継続(運転継続)することで、フィルタ4に堆積しているパティキュレートの燃焼熱がフィルタ4を通過する排気により滞留することなくフィルタ4の下流へと逃されると共に、フィルタ4に供給される排気中の酸素量を制限することで、パティキュレートの燃焼そのものが抑制され、これによってフィルタ4の急激な温度上昇を防止することができる。このため、フィルタ4に触媒を担持するタイプでは触媒の熱劣化を防止し、またフィルタ担体を多孔質セラミックで構成するタイプでは担体への熱応力の作用を防止し、これによってフィルタ4の耐久性を向上させることができる。
【0088】
また、フィルタに供給される排気中の酸素量を単に制限しただけで、パティキュレートの燃焼が完了したかどうかを確認することなく、フィルタ4に供給される酸素量を制限しない状態へと戻してエンジン停止したのでは、パティキュレートの燃焼が完了していない場合にエンジン停止後にフィルタ4に酸素が流入して再びパティキュレートが燃焼することが考えられるのであるが、フィルタ前後の温度差ΔTに基づいてパティキュレートの燃焼が完了したことを確認した後にフィルタ4に供給される酸素量を制限しない状態へと戻すようにしたので、フィルタ4にとって安全な温度域でパティキュレートを燃焼処理することができ、同時にフィルタ4の再生も可能となっている。
【0089】
次に、図11は第2実施形態の制御内容を説明するモデル図である。
【0090】
図11は運転条件がポスト噴射域にあってポスト噴射を行っての再生処理が行われている途中でアクセルペダルが初期位置まで戻されたときを想定している。
【0091】
まず前提としてフィルタの再生処理がt1で開始されるとポスト噴射によりフィルタ温度はTaからTbへと上昇しパティキュレートが燃焼する。このとき、フィルタに堆積するパティキュレートの量が比較的大きく、この比較的大量のパティキュレートを燃焼させるため、ポスト噴射域が比較的高負荷側に偏っており、従って高負荷側の比較的大量の排気流量が流れている条件でパティキュレートが燃焼し、フィルタ温度がフィルタ上限温度Tlmt以下に保たれているとする。
【0092】
続いて運転者がt2のタイミングでアクセルペダルを初期位置まで戻すと、エンジン回転速度Neが急激に低下しt3でアイドル状態となり、t2からt3までの回転速度の落差分だけ排気流量が急激に減る。このときには、パティキュレートの燃焼熱のほうが、アイドル時の排気流量よりも相対的にずっと大きくなり、パティキュレートの燃焼熱を十分にはフィルタの下流に逃すことができない事態が生じ得る。すなわち、このときにはフィルタ温度が破線で示したようにフィルタ上限温度Tlmtを大きく超えて急上昇し、フィルタの耐久性が損なわれる。
【0093】
そこで、第2実施形態では次の手順で吸気絞り弁9の開度と燃料供給を制御する。
【0094】
▲1▼t3でアイドル状態となったとき再生処理中であれば、直ちに再生処理(ポスト噴射)を中断する。
【0095】
▲2▼フィルタ温度を検出してこれがフィルタ上限温度Tlmを超えることがないかどうかをモニターする。すなわち、検出したフィルタ温度とフィルタ上限温度Tlmtを比較し、フィルタ温度が例えばt5のタイミングでフィルタ上限温度Tlmtを超えたときにはそのタイミングより吸気絞り弁の開度を小さくして、排気中の酸素量を減らす。アイドル運転状態で吸気を絞ることで、燃焼に利用されないで排気通路に排出される酸素量を減らすことができ、これによりパティキュレートの燃焼が緩慢となり、フィルタ温度がピークを採った後反転して低下してゆく。
【0096】
▲3▼この結果、フィルタ温度がt6のタイミングでフィルタ上限温度Tlmt以下に収まったとすれば、それ以降はフィルタの上流と下流の温度差ΔTをモニターして下限値T0と比較し、ΔTがT0より大きいときにはそのまま待つ。
【0097】
▲4▼ΔTがt7で下限値T0以下となれば、パティキュレートの燃焼が完了するので、吸気絞り弁を再び開いてもパティキュレートが燃え上がってしまうことはなく、従って吸気絞り弁を再び開いて全開位置へと戻し、次にはフィルタ温度と再生終了温度Teを比較する。
【0098】
▲5▼フィルタ温度がTeより大きいときにはそのまま待ち、フィルタ温度がt8でTe以下となれば、フィルタの再生が終了したと判断する。
【0099】
このように、第2実施形態(請求項15に記載の発明)によれば、アイドル時にフィルタの再生処理中であることを判定したときには、フィルタの再生処理を中断し、フィルタに供給される排気中の酸素量を制限した状態を所定の期間、継続するようにしたので、パティキュレートの燃焼熱のほうが、アイドル時の排気流量よりも相対的にずっと大きくなり、パティキュレートの燃焼熱を十分にフィルタ下流に逃すことができない事態が生じ得ることがあっても、パティキュレートの燃焼そのものが抑制され、これによってフィルタの急激な温度上昇を防止することができる。このため、第1実施形態と同様にフィルタに触媒を担持するタイプでは触媒の熱劣化を防止し、またフィルタ担体を多孔質セラミックで構成するタイプでは担体への熱応力の作用を防止し、これによってフィルタの耐久性を向上させることができる。
【0100】
実施形態では、フィルタに供給される排気中の酸素量を制限する手段が吸気絞り弁である場合で説明したが、これに代えて排気絞り弁やEGR弁を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す概略構成図。
【図2】再生処理を行うための運転領域図。
【図3】第1実施形態の制御内容を説明するための波形図。
【図4】再生処理フラグの設定を説明するためのフローチャート。
【図5】ポスト噴射量の演算を説明するためのフローチャート。
【図6】運転条件に応じたポスト噴射量の特性図。
【図7】メイン噴射量の演算を説明するためのフローチャート。
【図8】基本燃料噴射量の特性図。
【図9】最大噴射量の特性図。
【図10】吸気絞り弁の目標開度の演算を説明するためのフローチャート。
【図11】第2実施形態の制御内容を説明するための波形図。
【符号の説明】
1 エンジン
2 吸気通路
3 排気通路
4 フィルタ
8 インジェクタ
11 コントローラ
16 温度センサ
17 温度センサ
18 イグニッションスイッチ

Claims (15)

  1. 排気通路にパティキュレートを捕集するフィルタを備えたエンジンの排気浄化装置において、
    フィルタの再生時期になると排気温度を上昇させてフィルタの再生処理を行う再生処理手段と、
    エンジンの停止操作時にフィルタの再生処理中であるかどうかを判定する判定手段と、
    この判定結果よりエンジンの停止操作時にフィルタの再生処理中であるときフィルタの再生処理を中断し、フィルタに供給される排気中の酸素量を制限した状態で所定の期間、アイドリング運転を行い得る燃料の供給を継続する運転継続手段と
    を備えることを特徴とする排気浄化装置。
  2. 前記エンジンの停止操作後にフィルタ温度が上昇して所定温度を超えたときには、フィルタに供給される排気中の酸素量を、エンジンの停止操作時にフィルタに供給されている排気中の酸素量より減らし、
    フィルタ温度が上昇から下降に反転し前記所定温度以下に収まった以降はフィルタに供給される排気中の酸素量をその収まったときにフィルタに供給されている排気中の酸素量を維持することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. フィルタの上流と下流の温度差が所定温度差以下となったときにフィルタに供給される排気中の酸素量を、前記制限した状態より制限されない状態へと戻すことを特徴とする請求項1または2に記載の排気浄化装置。
  4. フィルタに供給される排気中の酸素量を制限する手段は排気絞り弁であることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  5. フィルタに供給される排気中の酸素量を制限する手段はEGR弁であることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  6. 所定の期間はフィルタの温度が再生終了温度以下に低下するまでの期間であることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  7. エンジンの停止操作時にフィルタの温度がフィルタの上限温度以下の場合には吸気絞り弁を開いた状態で燃料の供給を継続することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  8. フィルタの再生が終了するまで吸気絞り弁を開いた状態で燃料の供給を継続することを特徴とする請求項7に記載の排気浄化装置。
  9. エンジンの停止操作時にフィルタの温度がフィルタの上限温度以下の場合には排気絞り弁を開いた状態で燃料の供給を継続することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  10. フィルタの再生が終了するまで排気絞弁を開いた状態で燃料の供給を継続することを特徴とする請求項9に記載の排気浄化装置。
  11. エンジンの停止操作時にフィルタの温度がフィルタの上限温度以下の場合にはEGR弁を開いた状態で燃料の供給を継続することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  12. フィルタの再生が終了するまでEGR弁を開いた状態で燃料の供給を継続することを特徴とする請求項11に記載の排気浄化装置。
  13. フィルタ前後の温度差に基づいてパティキュレートの燃焼が完了したと判定することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  14. パティキュレートの燃焼が完了した後にフィルタに供給される排気中の酸素量を制限しない状態へと戻すことを特徴とする請求項13に記載の排気浄化装置。
  15. 排気通路にパティキュレートを捕集するフィルタを備えたエンジンの排気浄化装置において、
    フィルタの再生時期になると排気温度を上昇させてフィルタの再生処理を行う再生処理手段と、
    アイドル時にフィルタの再生処理中であるかどうかを判定する判定手段と、
    この判定結果よりアイドル時にフィルタの再生処理中であるときフィルタの再生処理を中断し、フィルタに供給される排気中の酸素量を制限した状態を所定の期間、継続する運転継続手段と
    を備え
    前記フィルタの再生処理を中断した後にフィルタ温度が上昇して所定温度を超えたときには、吸気絞り弁の開度を最大開度より最小開度まで小さくし、
    フィルタ温度が上昇から下降に反転し前記所定温度以下に収まった以降は吸気絞り弁の開度を前記最小開度に維持し、
    かつフィルタの上流と下流の温度差が所定温度差以下となったときに吸気絞り弁の開度を前記最大開度へと戻すことを特徴とする排気浄化装置。
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