JP3885103B2 - シリンダヘッドの潤滑油溜まり防止構造 - Google Patents

シリンダヘッドの潤滑油溜まり防止構造 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シリンダヘッドの潤滑油溜まり防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
実公昭62−11292号には、動弁機構を有する前傾エンジンが示されており、そのシリンダヘッドには、側壁の一部が凹入壁となって、上面視略U字形に内方へ凹入してプラグホールを囲むプラグ室を形成し、このプラグ室内に配設された点火プラグをシリンダヘッド側方へ露出させ、メンテナンス性を向上させるとともに外観性を高めている。
【0003】
また、前記凹入壁は、プラグ室を挟んで隔てられた一対のバルブ室をシリンダヘッド内に形成しており、各バルブ室内には動弁機構が収容され、これらの動弁機構はシリンダヘッドカバー側から潤滑されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記シリンダヘッド構造を前傾等のより傾斜角度が大きなシリンダに適用しようとすると、プラグ室を挟んで一対のバルブ室が上下に配設され、上側になったバルブ室の下部は凹入壁によってプラグ室と区画されるため、この上側となったバルブ室内へ供給された潤滑油が凹入壁近傍へ溜まり易くなる可能性があり、溜まる量は傾斜角の増大に伴って増加する。
【0005】
しかし、このような場所に潤滑油が大量に溜まると、バルブスプリング等のフリクションが増大する可能性があり、かつ潤滑油の死残量が増大することにもなるので、上記のようなプラグ室の凹入壁を上下一対のバルブ室で挟む構造を採用するには、シリンダの傾斜角が大きくなるほど制約が多くなった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願発明に係るシリンダヘッドの潤滑油溜まり防止構造は、傾斜シリンダに用いられるシリンダヘッドの側壁を部分的に内方へ凹入させて側方から点火プラグのメンテナンスを可能にするプラグ室を形成し、このプラグ室を形成する凹入壁により、プラグ室を挟んで上下に隔てられた一対のバルブ室をシリンダヘッド内に設けるとともに、これら一対のバルブ室間を連通する潤滑油戻し通路をプラグ室を横断して形成し
前記潤滑油戻し通路は、前記プラグ室の凹入壁基部近傍に配置された底壁を備え、前記プラグ室の底部外周にウオータージャケットの水通路を配置し、この水通路と前記潤滑油戻し通路とを前記底壁で隔てたことを特徴とする。
また、シリンダヘッドを形成するとき、前記潤滑油戻し通路及びウオータージャケットを中子により形成することも特徴とする。
【0007】
【発明の効果】
プラグ室を挟んで隔てられた一対のバルブ室を、プラグ室内に形成された潤滑油戻し通路で連通したため、傾斜シリンダに採用することによりプラグ室より上側になったバルブ室内において、プラグ室方向へ流れた潤滑油は、潤滑油戻し通路を通って下側のバルブ室へ流出する。
【0008】
したがって、プラグ室より上側のバルブ室において凹入壁近傍に潤滑油が溜まりにくくなるので、ある程度大きな傾斜角を有するシリンダに対して前記のようなプラグ室の凹入壁を上下一対のバルブ室が挟む構造を採用しても、バルブスプリング等のフリクション増大や、潤滑油の死残量増大を防止できる。
【0009】
その結果、従来は適用が困難であったような、ある程度大きな傾斜角を有するシリンダに対しても、前記のようなプラグ室及びバルブ室を有する構造を採用すっることが可能になり、この構造を採用する上での傾斜角による制約が少なくなった。但し、従来程度の傾斜角を有するシリンダにも当然適用でき、この場合にも潤滑油の溜まりを有効に防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1乃至図5に基づいて自動2輪車用水冷V型2気筒エンジンとして構成された一実施形態を説明する。図1はこのエンジンに使用するシリンダヘッドの図3における1−1線に沿う断面図、図2はエンジン全体の側面図、図3は後バンク側におけるシリンダヘッドの上面視図、図4は図5の4−4線に沿う拡大断面図、図5は図3の5−5線に沿う拡大断面図である。
【0011】
まず、図2において、このエンジンは、クランクケース1の上部に、前方へ傾斜する前バンク2と、後方へ傾斜する後バンク3が形成され、それぞれには、シリンダヘッド4、5及びシリンダヘッドカバー6、7が取付けられて前後のシリンダ部が形成されている。
【0012】
各シリンダ部は後述するように、プラグ室の凹入壁を上下一対のバルブ室が挟む構造を採用しており、各々の傾斜角度はこの種の構造を採用した従来のものと比べて比較的大きなものであり、かつそれぞれのシリンダヘッド4、5には、上方のエアクリーナ8から吸気されている。
【0013】
前側のシリンダ部には、図示を省略したクランク軸と同軸に設けられた駆動スプロケット10、チェーン11、従動スプロケット12からなる伝達機構が設けられ、この伝達機構によりシリンダヘッド4内の動弁機構が駆動される。
【0014】
一方、後側のシリンダ部には、シリンダヘッド5とシリンダヘッドカバー7の側面には、動弁機構を収容するための側方膨出部13、14が前後方向へ間隔をもって形成され、これらの間から下方へプラグ室15が形成されている。
【0015】
プラグ室15はシリンダヘッド5の側面に谷間状に形成された凹部空間であり、このプラグ室15内に点火プラグ16が収容されて側方へ露出し、側方からプラグメンテナンスを可能にするとともに、シリンダ部の外観向上に役立っている。
【0016】
なお、図示を省略してあるが、後側のシリンダ部にも動弁機構及び駆動伝達系機構が同様に設けられ、また、前側のシリンダ部にも、プラグ室15や点火プラグ16が同様に設けられている。
【0017】
図1並びに図3及び図4に示すように、シリンダヘッド5は上向きに開放された略容器状をなし、燃焼室の天井部をなす底部20にはプラグホール21が形成され、これを中心に吸気バルブ22のバルブホール23と排気バルブ24のバルブホール25が各一対づつ形成されている。
【0018】
図3に明らかなように、上面視おいて略U字形をなす凹入壁26が、側壁27の一部から中央部方向へ連続して凹入し、プラグホール21を囲みかつ側部へ開放されたプラグ室15が形成されている。
【0019】
プラグ室15の凹入壁26は、シリンダヘッド5内部を、車載時の後傾状態で、プラグ室15よりも上側になる上部バルブ室28と下側になる下部バルブ室29とに隔てている。
【0020】
プラグ室15内には、プラグ室15を横断して対向する一対の凹入壁26間をつなぐ潤滑油戻し通路30が形成され、この潤滑油戻し通路30の両端部はそれぞれ凹入壁26を貫いて上部バルブ室28及び下部バルブ室29内に連通している(図4参照)。
【0021】
図1、4及び5に明らかなように、この潤滑油戻し通路30は、頂部壁30a、底壁30b及び左右の側壁30c、30dからなる略角筒状に形成され、上部バルブ室28及び下部バルブ室29内と連通する部分は、バルブホール23、25を囲む筒状壁32、33近傍かつ凹入壁26の基部近傍部分A,Bであり、図4及び5に明らかなように、これらA、B部分と底壁30bはほぼ同じ高さであって、矢示するように上部バルブ室28の潤滑油が下部バルブ室29へ流れるようになっている。
【0022】
この潤滑油戻し通路30は、図1に明らかなように、プラグ室15の底部31上に、ウオータージャケットの水通路34等と一体に形成され、これらの通路構造部分はいずれも、中子を用いた公知方法によってシリンダヘッド5の成形と同時に容易に形成される。
【0023】
動弁機構については、図1中にバルブ22とバルブスプリング35を略記し、図3にバルブ22、24並びにカムシャフト36、37とカム38、39を略記したたにとどまるが、公知の機構を採用することができる。
【0024】
図中の符号40乃至43はカムシャフトの軸受部であり、44は駆動伝達系機構の収容室、45は吸気通路、46(図5)は排気通路である。
【0025】
なお、以上の説明は後バンク側のシリンダヘッド5のみについて説明したが、前バンク側のシリンダヘッド4も同様構造である(以下の作用説明も同様)。
【0026】
次に、本実施形態の作用をシリンダヘッド5について説明する。このエンジンを車体へ搭載すると、シリンダヘッド4は前傾し、シリンダヘッド5は後傾する。そこでシリンダヘッド5について見れば、プラグ室15を挟んで上部バルブ室28が上側、下部バルブ室29が下側に位置することになる。
【0027】
この状態で動弁機構に潤滑すると、潤滑後の上部バルブ室28内における潤滑油は下方へ流れ、凹入壁26のコーナー部Aへ到達し、さらに、図4に矢示するように、潤滑油戻し通路30を通って下部バルブ室29内へ流出する。
【0028】
したがって、傾斜シリンダのシリンダヘッド5に凹入壁26を設けたにもかかわらず、上部バルブ室28の凹入壁26近傍部分に潤滑油が溜まることがなくなるので、溜まった潤滑油によるバルブスプリング35等のフリクション増大や潤滑油の死残量増大を防止できる。
【0029】
しかも、潤滑油戻し通路30は、中子を用いることにより、他の部分と同一工法で同時に形成できるから、容易かつ殆どコストアップ無しに製造でき、かつプラグ室15の底部31へ設けるだけなので外観を損なうこともない。
【0030】
なお、本願発明は上記実施形態に限定されず種々に変形可能である。例えば、傾斜シリンダを有するエンジンの形式は、V型に限らず、単気筒又は複数気筒の直列エンジンでもよく、さらにバルブ室が上下に配設されればよいので水平エンジンでもよい。また、傾斜方向は前後左右いずれでもよい。
【0031】
さらに、潤滑油戻し通路30は必ずしもシリンダヘッドと一体に形成する必要はなく、別体の管部材で連通してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3の1−1線断面図
【図2】エンジン全体の外観側面図
【図3】シリンダヘッドの上面視図
【図4】図5の4−4線に沿う拡大断面図
【図5】図3の5−5線に沿う拡大断面図
【符号の説明】
4:シリンダヘッド、5:シリンダヘッド、15:プラグ室、16:点火プラグ、22:吸気バルブ、24:排気バルブ、26:凹入壁、28:上部バルブ室、29:下部バルブ室、30:潤滑油戻し通路

Claims (2)

  1. 傾斜シリンダに用いられるシリンダヘッドの側壁を部分的に内方へ凹入させて側方から点火プラグのメンテナンスを可能にするプラグ室を形成し、このプラグ室を形成する凹入壁により、プラグ室を挟んで上下に隔てられた一対のバルブ室をシリンダヘッド内に設けるとともに、これら一対のバルブ室間を連通する潤滑油戻し通路をプラグ室を横断して形成し
    前記潤滑油戻し通路は、前記プラグ室の凹入壁基部近傍に配置された底壁を備え、前記プラグ室の底部外周にウオータージャケットの水通路を配置し、この水通路と前記潤滑油戻し通路とを前記底壁で隔てたことを特徴とするシリンダヘッドの潤滑油溜まり防止構造。
  2. 前記シリンダヘッドを形成するとき、前記潤滑油戻し通路及びウオータージャケットを中子により形成することを特徴とする請求項1に記載したシリンダヘッドの潤滑油溜まり防止構造。
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