JP3884630B2 - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録紙の両面に画像が形成可能な画像形成装置および画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録紙Pの両面に印字可能な画像形成装置である複写機には、片面に画像が描かれた原稿Dから画像を読取って記録紙Pの両面に印字するモード(以降、「S−Dモード」という)を実行する図1に示されるような複写機、および両面に画像が描かれた原稿Dから画像を読取って記録紙Pの両面に印字するモード(以降、「D−Dモード」という)を実行する複写機がある。このような複写機は、大別して、原稿Dの画像を読取る画像読取り部、原稿Dを画像読取り部に搬送する原稿搬送部、読取られた画像を記録紙Pに印字する画像形成部、および記録紙Pを画像形成部に搬送する記録紙搬送部を備える。
【0003】
図10は、S−Dモードを実行する従来技術の複写機のブロック図である。該複写機は、制御部101、操作パネル102、読取り側駆動源103、本体側駆動源104、印字制御部105および用紙反転制御部106を含み、これらをバスライン107で接続して構成される。CPU(中央演算処理装置)などで実現される制御部101は、複写機全体の動作を統括的に制御する。操作パネル102からの複写開始の指定に応答して読取り側駆動源103が駆動され、これによって原稿Dが画像読取り部に搬送されて画像が読取られる。また、本体側駆動源104が駆動され、これによって記録紙Pは画像形成部に搬送される。印字制御部105は、画像形成部を制御して読取られた画像を記録紙Pに印字する。用紙反転制御部106は、記録紙搬送部を制御して記録紙Pの両面に画像を印字するために記録紙Pを表裏反転する。
【0004】
図11は、図10の複写機の画像形成動作を示すフローチャートである。ステップS1で原稿Dの画像を読取ると、次のステップS2で記録紙Pの一方表面に該画像を印字する。次にステップS3に進んで次の原稿Dの画像を読取り、さらにステップS4に進んで一方表面に画像が印字された記録紙Pを表裏反転し、次にステップS5に進んで該記録紙Pの他方表面にステップS3で読取った画像を印字する。そしてステップS6で第さらに次の原稿Dがあるかどうかを判断し、原稿DがあるときにはステップS1に戻り、原稿Dがないときには動作を終了する。
【0007】
また、特開昭63−224468号公報には、読取った画像情報を記憶するメモリを備えた複写機が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したS−Dモードを実行する従来技術の複写機で連続的な複写動作を行った場合、印字されて排紙された記録紙Pの印字面が頁順に並ばないという不都合が生じる。具体的に図8(A)を参照して排紙された第1〜第3の記録紙P1〜P3を例に説明すると、第1記録紙P1の上に第2記録紙P2が積層され、第2記録紙P2の上に第3記録紙P3が積層される。各記録紙P1〜P3において、奇数頁は記録紙の表面(図8(A)中、上方)側に配置され、偶数頁は記録紙の裏面(図8(A)中、下方)側に配置される。したがって、頁順は、2,1,4,3,6,5となってしまう。
【0009】
また、特開昭63−224468号公報の複写機では、メモリの記憶容量には制限があるので、読取る画像情報量が大量になると記憶できないという不都合が生じる。また、記憶容量は一定であるので、メモリを効率的に使用することができない。
【0010】
本発明の目的は、S−Dモードでの画像形成後の記録紙を頁順に並べて排紙することができる画像形成装置および画像形成方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画像形成装置であって、
原稿の画像を読取る読取り手段と、
原稿を読取り手段に搬送する原稿搬送手段と、
記録紙上に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段へと記録紙を搬送して一方面に画像が形成された記録紙を、反転し、再度、前記画像形成手段へと搬送して記録紙の他方面に画像を形成させる経路を有する記録紙搬送手段と、
前記読取り手段によって読取られた画像情報を記憶し、原稿の1頁分の画像情報を記憶することができる記憶容量を有するメモリと、
各原稿の片面に描かれた画像を前記読取り手段によって読取らせ、その読取られた画像情報を前記画像形成手段によって記録紙の両面に形成させる制御手段とを含み、
この制御手段は、
前記読取り手段によって奇数枚目の原稿の画像を読み取って、前記メモリに記憶し、
その後、前記読取り手段によって偶数枚目の原稿の画像を読み取り、読取られた画像情報を、画像形成手段によって記録紙の前記一方面に形成し、
前記メモリから奇数枚目の原稿の画像を読出し、前記画像形成手段によって記録紙の前記他方面に、前記メモリから読出した画像情報を形成し、
前記記録紙の前記一方面への画像形成手段による画像形成時から、前記記録紙の前記他方面への画像形成手段による画像形成時までの間は、前記記録紙搬送手段の前記経路に 1 枚の記録紙しか搬送せず、
偶数枚目の画像が記録紙の前記一方面に形成されており、奇数枚目の画像が前記他方面に形成されている記録紙を、前記記録紙搬送手段によって前記他方面が下方に向けられて排出して頁順に積層し、
最後の原稿が奇数枚目である場合は、前記画像読取り手段によって読取った最後の原稿の画像情報を、1頁分記憶することなく、前記画像形成手段に与えて前記記録紙の前記一方面に印字して、該一方面を下方に向けて記録紙を、両面に印字された記録紙と共に頁順になるように排出するように制御することを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
また本発明は、原稿の片面に描かれた画像を読取って、その片面の画像を記録紙の両面に形成する画像形成方法において、
奇数番目の原稿の画像を読取って、原稿の1頁分の画像情報を記憶することができる記憶容量を有するメモリに記憶するステップと、
次に、偶数番目の原稿の前記片面の画像を読取って、記録紙の一方面に形成するステップと、
前記メモリから前記奇数番目の原稿の画像を読出して、前記反転された記録紙の前記他方面に形成し、前記記録紙の前記一方面への画像形成時から、前記記録紙の前記他方面への画像形成時までの間は、記録紙を搬送して前記一方面に画像が形成された記録紙を、反転し、再度、搬送して記録紙の他方面に画像を形成する経路に1枚の記録紙しか搬送しないステップと、
両面に画像が形成された記録紙を、その他方面を下方に向けて排出して頁順に積層するステップと、
最後の原稿が奇数枚目である場合は、前記画像読取り手段によって読取った最後の原稿の画像情報を、1頁分記憶することなく、前記画像形成手段に与えて前記記録紙の前記一方面に印字して、該一方面を下方に向けて記録紙を、両面に印字された記録紙とともに頁順になるように排出するステップとを含むことを特徴とする画像形成方法である。
【0014】
本発明に従えば、奇数番目の原稿の画像を読取り、記憶する。次に、偶数番目の原稿の画像を読取り、記録紙の一方表面に形成する。さらに、記録紙の表裏を反転し、記憶した画像を読出して記録紙の他方表面に形成する。最後に、記録紙をその他方表面を下方に向けて搬送する。これによって、S−Dモード実行時に、画像形成後の記録紙の頁順は1,2,3,4,…となり、記録紙を頁順に並べて排紙することができる。
【0015】
本発明に従えば、上述したような画像形成方法によってS−Dモードの画像形成時に記録紙を頁順に並べることができる。
【0016】
本発明は、前記原稿の大きさを検出する検出手段と、
検出された原稿の大きさと予め定められる基準原稿の大きさとを比較して、検出された原稿の方が大きいかどうかを判断する判断手段と、
判断結果に基づいて、検出された原稿の方が大きいときに、読取った画像情報を間引いて前記記憶手段に記憶させる間引き手段と、を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明は、前記記憶手段の記憶容量は、第1番目の原稿の表面から読取った画像情報の量に基づいて決定されることを特徴とする。
【0024】
また本発明は、前記記憶手段は、原稿の1頁分の画像情報を記憶することができる記憶容量を有することを特徴とする。
【0025】
また本発明は、前記原稿搬送手段は、読取り手段上には、原稿がその画像読取り面を上方に向けて載置される原稿給紙トレイと、前記読取り手段によって読取られた原稿が下方から順次的に積重して載置される原稿排紙トレイとを有し、読取り手段の上方に配置されることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態であるS−Dモードを実行する複写機1aを示す図である。複写機1aは、大別して、画像読取り部3、原稿搬送部2a、画像形成部4および記録紙搬送部から成る。図2は原稿搬送部2aを示す図であり、図3は画像形成部4および記録紙搬送部を示す図である。
【0032】
原稿搬送部2aは、原稿Dを画像読取り部3に搬送するものであり、複写機1aの上部に配置される。原稿搬送部2aは、給紙トレイ13、原稿搬送経路、搬送ローラおよび排紙トレイ18を備える。原稿搬送部2aにおいて、その上部には給紙トレイ13が配置され、その下部には排紙トレイ18が配置され、給紙トレイ13から排紙トレイ18までの間に原稿搬送経路が設けられる。
【0033】
原稿搬送経路にはその途中で画像読取り部3が対向して配置される。原稿搬送経路は、具体的に、原稿Dを画像読取り部3に搬入する経路14と、原稿Dを画像読取り部3から搬出する経路34とから成る。搬送ローラは、具体的に、経路14に沿ってそれぞれ配置される給紙ローラ15およびレジストローラ16と、経路34に沿って配置される排紙ローラ17とを備える。各ローラ15〜17は、原稿Dを挟持して搬送する一対のローラから成る。
【0034】
給紙トレイ13には、片面に画像が描かれた原稿Dが積層して載置される。原稿Dはその画像形成面が読取り部3に対向するように、画像形成面を上方に向けて給紙トレイ13に載置される。原稿Dは、上方から順次的に給紙され、給紙ローラ15によって搬送され、レジストローラ16によって所定のタイミングで画像読取り部3に搬送される。画像読取り部3で画像が読取られた原稿Dは、排紙ローラ17によって排紙トレイ18に搬送され、下方から順次的に積層して載置される。原稿Dはその画像形成面を下方に向けて排紙トレイ18に載置される。原稿Dは、矢符A1,A2,A3の順番で搬送され、原稿Dが排紙されると次の原稿Dが給紙される。
【0035】
原稿Dの画像を読取る画像読取り部3は、原稿の画像形成面に向けて光照射することによって画像情報を読取る。読取られた画像情報は、直接あるいはRAM(ランダムアクセスメモリ)26に一旦記憶された後、画像形成部4のレーザユニット20に与えられる。
【0036】
画像形成部4は、読取られた画像を記録紙Pに印字するものであり、感光体ドラム19、レーザユニット20、現像器21、転写器22、定着器23、クリーニング器24および帯電器25を備える。レーザユニット20は、所定の方向に回転可能な感光体ドラム19の表面にレーザ光を照射して、画像読取り部3から直接あるいはRAM26を介して与えられた画像情報に基づく静電潜像を形成する。
【0037】
現像器21は、静電潜像にトナーなどの現像剤を吸着させることによって現像して可視化する。転写器22は感光体ドラム19と記録紙搬送経路を挟んで対向して配置され、記録紙搬送部によって搬送されてきた記録紙Pに現像剤を転写する。定着器23は、転写された現像剤を熱や圧力によって記録紙Pに定着する。クリーニング器24は、転写後の感光体ドラム19の表面に残存する現像剤を除去する。帯電器25は、感光体ドラム19の表面を所定の電位に帯電する。感光体ドラム19の周囲には、レーザユニット20からのレーザ光の照射位置を基準として、感光体ドラム19の回転方向に沿って、現像器21、転写器22、クリーニング器24および帯電器25がこの順番に配置される。
【0038】
記録紙Pを画像形成部4に搬送する記録紙搬送部に関して、給紙カセット5、記録紙搬送経路、搬送ローラおよび排紙トレイ12が設けられる。給紙カセット5は複写機1aの下部に配置され、排紙トレイ12は給紙カセット5よりも上部に配置され、給紙カセット5から排紙トレイ12までの間に記録紙搬送経路が設けられる。記録紙搬送経路は、具体的に、記録紙Pを画像形成部4に搬入するための経路6、記録紙Pを画像形成部4から搬出するための経路7、および画像形成部4から搬出された記録紙Pを表裏反転して再び画像形成部4に搬入する経路8から成る。
【0039】
搬送ローラは、具体的に、レジストローラ9、可逆回転ローラ10および搬送ローラ11を備える。各ローラ9〜11は記録紙Pを挟持して搬送する一対のローラから成る。経路6に沿ってレジストローラ9が配置され、経路7に沿って可逆回転ローラ10が配置され、経路8に沿って搬送ローラ11が配置される。
【0040】
給紙カセット5には、記録紙Pが積層して載置される。記録紙Pは、上方から順次的に給紙され、レジストローラ9によって所定のタイミングで画像形成部4に搬送される。
【0041】
記録紙Pの一方表面のみに画像を形成する場合(片面印字時)には、画像形成部4で画像が印字された記録紙Pは、正回転する可逆回転ローラ10によって画像形成部4から搬出されて、排紙トレイ12に下方から順次的に積層して載置される。記録紙Pは、画像形成面を下方に向けて排紙トレイ12に載置される。片面印字時において記録紙Pは、矢符B1,B2,B3の順番で搬送される。
【0042】
記録紙Pの一方および他方表面に画像を形成する場合(両面印字時)には、画像形成部4で記録紙Pの一方表面に画像が印字された記録紙Pは、正回転する可逆回転ローラ10によって画像形成部4から搬出され、記録紙Pの搬送方向後端部を挟んだ状態で停止する。その後、逆回転する可逆回転ローラ10によって第3経路8に搬送され、表裏反転されて画像形成部4に再び搬入される。画像形成部4で記録紙Pの他方表面に画像が印字された記録紙Pは、片面印字時と同様にして画像形成部4から搬出されて排紙トレイ12に載置される。記録紙Pは、最後に画像が形成された他方表面を下方に向けて排紙トレイ12に載置される。両面印字時において記録紙Pは、矢符B1,B2,B3,B4,B5,B2,B3の順番で搬送される。
【0043】
図4は、複写機1aのブロック図である。複写機1aは、制御部41、操作パネル42、読取り側駆動源43、本体側駆動源44、印字制御部45、用紙反転制御部46、メモリ制御部48、サイズ測定制御部50、基準値制御部51、比較判断部52および間引き処理制御部53を含み、これらをバスライン47で接続して構成される。
【0044】
CPUなどで実現される制御部41は、複写機全体の動作を統括的に制御する。操作パネル42からの複写開始の指定に応答して、読取り側駆動源43が駆動される。読取り側駆動源43は、原稿搬送部2aの各ローラ15〜17を駆動する。これによって原稿Dが画像読取り部3に搬送され、画像が読取られる。読取られた画像情報は、印字制御部45の制御によって画像形成部4に直接与えられるか、またはメモリ制御部48を介してRAM26に与えられる。
【0045】
また、操作パネル42からの複写開始の指定に応答して本体側駆動源44が駆動される。本体側駆動源44は、記録紙搬送部の各ローラ9〜11を駆動する。これによって記録紙Pが画像形成部4に搬送される。印字制御部45は前述した画像形成部4の画像形成動作を制御して、画像読取り部3またはRAM26から与えられた画像情報を記録紙Pに印字する。用紙反転制御部46は、記録紙Pの両面に画像を印字するために記録紙Pを表裏反転する動作を制御する。
【0046】
なお、操作パネル42からは前記複写開始の指定だけでなく、複写に関する中断や停止などの各種動作の実行がオペレータによって指定される。
【0047】
メモリ制御部48は接続されたRAM26への画像情報の記憶動作およびRAM26からの画像情報の読出し動作を制御する。RAM26は、たとえば奇数頁の1頁分の画像情報を記憶する。
【0048】
サイズ測定制御部50は原稿Dの大きさを検出し、たとえば光センサまたはアクチュエータによって原稿搬送方向の長さを測定して検出する。比較判断部52はサイズ測定制御部50で検出された原稿Dの大きさと基準値制御部51に予め記憶された基準サイズ情報とを比較し、検出された原稿Dの方が大きいかどうかを判断する。基準値制御部51は、操作パネル42からオペレータが入力して設定された、あるいは後述するようにして自動的に設定された基準サイズ情報を記憶し管理する。間引き処理制御部53は、比較判断部52の判断結果に基づいて、基準値制御部51で管理される基準サイズよりも検出された原稿Dの方が大きいときに、読取った画像情報を間引く。画像情報は間引かれた後、RAM26に記憶される。
【0049】
図5〜図7は、複写機1aの画像形成動作を示すフローチャートである。画像形成動作が開始されるとステップS21に進み、制御部41は、基準サイズ情報を手動で入力するよう設定されているかどうかを判断する。手動入力が設定されているならばステップS22に進む。ステップS22では、操作パネル42から基準サイズ情報が入力され設定される。ここでは、RAM26の記憶容量を越えない量のサイズが入力される。手動入力が設定されていないならばステップS23に進んで、後述するようにして検出された第1番目の原稿Dの大きさを基準サイズ情報として自動的に設定する。ステップS22,S23の動作が終了するとステップS24に進む。ステップS24では操作パネル42のコピーボタンなどが押下されてオンとなり、複写開始が指定される。
【0050】
次のステップS25で制御部41が読取り側駆動源43のSPFモータをオンとすると、次のステップS26で原稿Dを搬送するための各ローラ15〜17が回転し、次のステップS27で原稿Dが画像読取り部3に給紙され、次のステップS28でコピーランプが点灯する。
【0051】
次のステップS29では画像読取り部3が奇数枚目の原稿Dの画像形成面にレーザ光を照射して露光し、次のステップS30ではサイズ測定制御部50が該原稿Dの大きさを測定する。続いて次のステップS31では、制御部41は総印刷枚数が0または1枚であるかどうかを判断する。0または1枚であったときにはステップS44に進んで原稿Dの画像読取り動作を実施し、さらにステップS45に進んで読取った画像の記録紙Pへの印字動作を実施して、画像形成動作を終了する。ステップS31で総印刷枚数が0または1枚でなかったとき、すなわち2枚以上であったときには、ステップS32に進む。
【0052】
ステップS32では、制御部41が画像を読取った原稿の頁が奇数頁であるかどうかを判断する。奇数頁であったときにはステップS33に進み、奇数頁ではなかったときにはステップS36に進む。ステップS33では、比較判定部52が、基準サイズ情報と測定された原稿Dの大きさとを比較し、基準サイズの方が大きいかどうかを判断する。基準サイズの方が大きいときにはステップS35に進み、基準サイズの方が大きくないときにはステップS34に進んで読取った画像情報を間引き処理部53で間引いた後、ステップS35に進む。ステップS35では、奇数頁の画像情報をRAM26に記憶する。
【0053】
次のステップS36では画像読取り部3が偶数枚目の原稿Dの画像形成面にレーザ光を照射して露光し、次のステップS37ではサイズ測定制御部50が該原稿Dの大きさを測定する。続いて次のステップS38では、比較判定部52が、基準サイズ情報と測定された原稿Dの大きさとを比較し、基準サイズの方が大きいかどうかを判断する。基準サイズの方が大きいときにはステップS40に進み、基準サイズの方が大きくないときにはステップS39に進んで読取った画像情報を間引き処理部53で間引いた後、ステップS40に進む。
【0054】
ステップS40では、印字制御部45の制御によって偶数頁の画像情報が記録紙Pの一方表面に印字される。次のステップS41で用紙反転制御部46によって記録紙Pが経路8に搬送されて表裏が反転されると、次のステップS42では、印字制御部45が、RAM26に記憶された画像情報を読出して記録紙Pの他方表面に印字させる。続いてステップS43では、制御部41は、次の頁の原稿があるかどうかを判断する。次の頁の原稿があるときにはステップS25に戻り、ないときには画像形成動作を終了する。このようにして片面印字原稿Dから画像を読取って、記録紙Pの両面に印字することができる。
【0055】
図8は、印字後の記録紙Pの頁順を示す図である。たとえば、3枚の記録紙P1〜P3について考える。従来技術では、印字後の記録紙Pの印字面が頁順に並ばないという不都合が生じる。すなわち、図8(A)に示されるように第1記録紙P1の上に第2記録紙P2が積層され、第2記録紙P2の上に第3記録紙P3が積層される。各記録紙P1〜P3において、奇数頁は記録紙の表面(図8(A)中、上方)側に形成され、偶数頁は記録紙の裏面(図8(A)中、下方)側に形成される。したがって、頁順は、2,1,4,3,6,5となってしまう。
【0056】
しかし本実施形態では、印字後の記録紙Pの印字面は頁順に並ぶ。すなわち、図8(B)に示されるように第1記録紙P1の上に第2記録紙P2が積層され、第2記録紙P2の上に第3記録紙P3が積層される。各記録紙P1〜P3において、奇数頁は記録紙の裏面(図8(B)中、下方)側に形成され、偶数頁は記録紙の表面(図8(B)中、上方)側に形成される。したがって、頁順は、1,2,3,4,5,6となる。したがって本実施形態によれば、S−Dモードを実行する複写機1aにおいて、画像形成後の記録紙の頁順を正確に並べることができる。
【0068】
また、本実施形態において、原稿Dが基準サイズよりも大きいと判断された場合とは、読取ったすべての画像情報をRAM26に記憶できない場合である。この場合、読取った画像情報を間引いてRAM26に記憶するので、原稿Dの大きさが幾らであっても、すなわち読取る画像情報量によらず、記録紙Pを頁順に確実に並べることができる。
【0069】
さらに、RAM26の記憶容量を第1番目の原稿Dの画像情報の量または第1番目の原稿Dの表面の画像情報の量に基づいて決定することによって、たとえば第2番目の原稿の画像情報量が第1番目の原稿の画像情報量よりも多いときに、第2番目の原稿の画像情報を間引くことができる。これによって、続く画像情報を確実に記憶し、またRAM26を効率よく使用することができる。また、特定の値を基準サイズ情報として設定する動作が不要となり、装置の構成が簡略化できる。また、オペレータの設定操作が不要となり、利便性が向上する。
【0070】
なお、本実施形態で説明したような画像形成方法も本発明の範囲に属するものである。
【0071】
図9は、本実施形態を適用することができる複写機の本体部分を示す図である。このような本体に原稿搬送部として循環式自動原稿送り装置などを搭載して複写機1aを実現することができる。図9の複写機の本体は、具体的に、原稿Dを載置する原稿台61を備え、原稿台61の上に循環式自動原稿送り装置などの原稿搬送部が搭載される。原稿台61はガラスなどの透明部材から成り、その上面はカバー62で覆われる。
【0072】
また、当該複写機の本体は画像読取り部に関連して、スキャナ光学系69を備える。スキャナ光学系69は原稿台61の下方に配置され、原稿台61に載置された原稿Dに光を照射する光源63、結像レンズ67、光電変換素子(CCD)68、および原稿Dからの反射光を結像レンズ67を介して光電変換素子68に導くための反射鏡64〜66を含んで構成される。読取られた原稿Dの画像には、所定の画像処理が施される。
【0073】
また、当該複写機の本体は画像形成部に関連して、感光体ドラム70、感光体ドラム70の表面に静電潜像を形成するレーザスキャニングユニット(LSU)71、静電潜像を現像剤で現像する現像器72、感光体ドラム70の表面の現像剤を記録紙Pに転写する転写チャージャ73、転写された現像剤を記録紙Pに定着する定着ローラ74,75、感光体ドラム70の表面の不要な現像剤を除去するクリーニング器76、および感光体ドラム70を所定の電位に帯電する帯電器77を含んで構成される。
【0074】
さらに、当該複写機の本体は記録紙搬送部に関連して、記録紙Pを収納する記録紙カセット78、記録紙Pが搬送される経路80、記録紙カセット78から記録紙Pを1枚ずつ経路80に給紙する給紙ローラ79、給紙された記録紙Pを感光体ドラム70の表面に形成された現像剤像と同期した所定のタイミングで画像形成部に送り出すレジストローラ81、画像形成後の記録紙Pを排紙トレイ86に排出する排紙ローラ82、レジストローラ81の記録紙搬送方向上流側で記録紙Pを検出するセンサ83、定着ローラ74,75の記録紙搬送方向下流側で記録紙Pを検出するセンサ84、および排紙ローラ82の記録紙搬送方向上流側で記録紙Pを検出するセンサ85を含んで構成される。
【0075】
記録紙カセット78は複写機の下部に配置され、記録紙カセット78の上方に画像形成部が配置される。画像が形成された記録紙Pは、画像形成部の付近であって、記録紙カセット78の上方で、かつスキャナ光学系69の下方から排紙される。
【0076】
本実施形態は、原稿Dから読取ったすべての画像情報をRAM26に記憶するのではない。本実施形態は、奇数枚目の原稿Dから読取った画像情報のみをRAM26に記憶するものである。図1に示されるような複写機1aは、図1中において、給紙カセット5の右側上方に転写器22が配置され、転写器22の左側であって、給紙カセット5の上方に排紙トレイ12が配置され、これによって装置の小型化を図ったものである。このように各部が配置される複写機において、RAM26に画像情報を記憶せずに複写すると、頁順に記録紙Pを排紙することはできないが、本実施形態のようにRAM26に画像情報を記憶することによって、装置の小型化を図るとともに、頁順に記録紙Pを排紙することができる。また、経路6を挟む感光体ドラム19と転写器22との位置は図1および図9中どちらが右側でどちらが左側であっても構わないが、装置の小型化の観点から感光体ドラムが1を左側に配置することが好ましい。
【0077】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、奇数番目の原稿の画像を読取って記憶し、次に偶数番目の原稿の画像を読取って記録紙の一方表面に形成し、さらに記録紙の表裏を反転し、記憶した画像を読出して記録紙の他方表面に形成し、最後に記録紙をその他方表面を下方に向けて搬送するようにしたので、S−Dモード実行時に正確な頁順に並べて記録紙を排紙することができる。
【0083】
また本発明によれば、S−Dモードにおいて上述したような効果が得られる画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態であるS−Dモードを実行する複写機1aを示す図である。
【図2】 複写機1aの原稿搬送部2aを示す図である。
【図3】 複写機1aの画像形成部4および記録紙搬送部を示す図である。
【図4】 複写機1aのブロック図である。
【図5】 複写機1aの画像形成動作を示すフローチャートである。
【図6】 複写機1aの画像形成動作を示すフローチャートである。
【図7】 複写機1aの画像形成動作を示すフローチャートである。
【図8】 印字後の記録紙Pの頁順を示す図である。
【図9】 本発明の本実施形態を適用することができる複写機の本体部分を示す図である。
【図10】 S−Dモードを実行する従来技術の複写機のブロック図である。
【図11】 図10の複写機の画像形成動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1a 複写機
2a 原稿搬送部
3 画像読取り部
4 画像形成部
26 RAM(ランダムアクセスメモリ)
41 制御部
50 サイズ測定制御部
51 基準値制御部
52 比較判断部
53 間引き処理制御部
D 原稿
P 記録紙
Claims (2)
- 画像形成装置であって、
原稿の画像を読取る読取り手段と、
原稿を読取り手段に搬送する原稿搬送手段と、
記録紙上に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段へと記録紙を搬送して一方面に画像が形成された記録紙を、反転し、再度、前記画像形成手段へと搬送して記録紙の他方面に画像を形成させる経路を有する記録紙搬送手段と、
前記読取り手段によって読取られた画像情報を記憶し、原稿の1頁分の画像情報を記憶することができる記憶容量を有するメモリと、
各原稿の片面に描かれた画像を前記読取り手段によって読取らせ、その読取られた画像情報を前記画像形成手段によって記録紙の両面に形成させる制御手段とを含み、
この制御手段は、
前記読取り手段によって奇数枚目の原稿の画像を読み取って、前記メモリに記憶し、
その後、前記読取り手段によって偶数枚目の原稿の画像を読み取り、読取られた画像情報を、画像形成手段によって記録紙の前記一方面に形成し、
前記メモリから奇数枚目の原稿の画像を読出し、前記画像形成手段によって記録紙の前記他方面に、前記メモリから読出した画像情報を形成し、
前記記録紙の前記一方面への画像形成手段による画像形成時から、前記記録紙の前記他方面への画像形成手段による画像形成時までの間は、前記記録紙搬送手段の前記経路に 1 枚の記録紙しか搬送せず、
偶数枚目の画像が記録紙の前記一方面に形成されており、奇数枚目の画像が前記他方面に形成されている記録紙を、前記記録紙搬送手段によって前記他方面が下方に向けられて排出して頁順に積層し、
最後の原稿が奇数枚目である場合は、前記画像読取り手段によって読取った最後の原稿の画像情報を、1頁分記憶することなく、前記画像形成手段に与えて前記記録紙の前記一方面に印字して、該一方面を下方に向けて記録紙を、両面に印字された記録紙と共に頁順になるように排出するように制御することを特徴とする画像形成装置。 - 原稿の片面に描かれた画像を読取って、その片面の画像を記録紙の両面に形成する画像形成方法において、
奇数番目の原稿の画像を読取って、原稿の1頁分の画像情報を記憶することができる記憶容量を有するメモリに記憶するステップと、
次に、偶数番目の原稿の前記片面の画像を読取って、記録紙の一方面に形成するステップと、
前記メモリから前記奇数番目の原稿の画像を読出して、前記反転された記録紙の前記他方面に形成し、前記記録紙の前記一方面への画像形成時から、前記記録紙の前記他方面への画像形成時までの間は、記録紙を搬送して前記一方面に画像が形成された記録紙を、反転し、再度、搬送して記録紙の他方面に画像を形成する経路に1枚の記録紙しか搬送しないステップと、
両面に画像が形成された記録紙を、その他方面を下方に向けて排出して頁順に積層するステップと、
最後の原稿が奇数枚目である場合は、前記画像読取り手段によって読取った最後の原稿の画像情報を、1頁分記憶することなく、前記画像形成手段に与えて前記記録紙の前記一方面に印字して、該一方面を下方に向けて記録紙を、両面に印字された記録紙とともに頁順になるように排出するステップとを含むことを特徴とする画像形成方法。
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