JP3883878B2 - 溶融めっき金属帯の製造方法および製造装置 - Google Patents

溶融めっき金属帯の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融めっき金属帯を製造する製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼帯などの金属帯を連続してめっきする方法として、金属帯を亜鉛、アルミニウム等の溶融金属中に浸漬してその金属帯の表面にめっきを施す溶融めっき法が知られている。
【0003】
図14は、溶融めっき金属帯の製造ラインの構成を示す図である。
【0004】
前工程である冷間圧延プロセスにおいて圧延され、続く洗浄プロセスにおいて表面が洗浄された金属帯70は、溶融めっき金属帯製造ラインに運搬され、無酸化性あるいは還元性の雰囲気に保たれた焼鈍炉71において表面酸化膜が除去され焼鈍処理をされた後、溶融金属の温度とほぼ同程度まで冷却されて溶融金属浴72内に導かれる。
【0005】
金属帯70は溶融金属中を浸漬しながら通板され、その表面に溶融金属が付着する。そして、溶融金属浴72から引き出された金属帯70は溶融金属浴72後に設置されてあるガスワイパ73から噴出するガスにより、金属帯に付着した過剰の溶融金属が払拭されて金属付着量の調整が行われる。
【0006】
続くプロセスでは、用途に応じて、例えばその金属帯70が自動車用外板として使用される場合には、合金化炉74を使用して金属帯を再加熱し均質な合金層を作り出す合金化処理を施す場合がある。そして、金属帯70は急冷帯75を通過した後、化成処理76で特殊の防錆、耐食処理が施され、コイルに巻き取られて出荷される。
【0007】
図15は、従来の溶融金属浴72中の装置の構成を示す配置図である。
【0008】
金属帯70はスナウト77と呼ばれる非酸化性雰囲気に保たれた筒状部を通って溶融金属浴72中に引き込まれる。溶融金属浴72中では方向転換用のロールであるシンクロール78によって通板方向が転換された後、同じく浴中に配されたコレクトロール79b及びスタビライジングロール79a(以下まとめてサポートロール79ということがある)を経て溶融金属浴72外に引き出され、ガスワイパ73でめっき付着量が調整される。
【0009】
この溶融めっき方法は、他のめっき方法である電気めっき方法と比較した場合、安価にめっき金属帯を製造できる、容易に厚めっきの金属帯を製造できるなど多くの特長を有している
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら一方では、この溶融めっき方法にも解決すべき課題が存在する。
【0011】
まず、溶融めっき法では溶融金属浴72中でドロスと呼ばれる不純物が発生し、それが金属帯70や浴中ロール78、79などの浴中機器に付着することで金属帯に欠陥を発生させ、この結果、最悪の場合には著しい歩留低下につながることもある。このドロスの発生は溶融めっき金属帯の製造プロセスにおいては避けて通ることのできない現象であるため、ドロスが金属帯70に付着することを防止するあるいは低減する方法が必要とされる。
【0012】
また、溶融金属浴72中に設置される浴中ロール78、79は、常時高温の苛酷な環境にさらされるため、回転不良などのトラブルを生じ易く、このトラブルが原因となって金属帯70に欠陥などの品質不良を発生させることもある。このため、従来の溶融めっき金属帯の製造においては、定期的にラインを停止して浴中ロール78、79の手入れや交換を行わなければならず、操業効率を大きく低下させている。
【0013】
一方、めっき金属帯製品に対する品質向上のニーズは年を追って高くなってきており、例えば自動車用外板などの高級材を製造する場合には、所望の品質を確保するため、欠陥が発生しにくい低速運転条件の下で操業する、あるいは設備メンテナンスの頻度を増すなどの対応を行って製造していた。そしてこの結果、操業効率を向上させることには限界が生じていた。
【0014】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、従来よりも高品質の溶融めっき金属帯を製造することができ、かつその金属帯の製造効率を向上することができ、更に設備のメンテナンス費用を削減することのできる溶融めっき金属帯製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する新しい溶融金属めっき金属帯製造方法を開発するため、本発明者らは鋭意研究を重ね、その過程で我々は浴中サポートロール79に着目するに至った。
【0016】
まず、浴中サポートロール79の目的について考えると、主な機能としては▲1▼金属帯幅方向反り矯正機能、▲2▼金属帯振動抑制機能の2つを挙げることができる。
【0017】
図16は、金属帯幅方向反り発生機構を説明する図である。
【0018】
金属帯幅方向の反りは主にシンクロール78において金属帯70が曲げと曲げ戻しを受けることによって発生すると考えられている。
【0019】
金属帯70がシンクロール78から離れる直前の位置では、曲げ戻しにより、金属帯70にはシンクロール78と接触している面に引張り応力、その反対の面に圧縮応力が作用している。
【0020】
従って、金属帯70がシンクロール78から離れて拘束力がなくなると、金属帯70のシンクロール78と接触していた面では引張り応力が開放され元に戻ろうとする力が働き、その反対の面では圧縮応力が開放され元に戻ろうとする力が働く。このため、金属帯70はその応力分布によって両エッジがシンクロール78側に曲がるような幅方向の反りが発生すると考えられている。
【0021】
このようにして金属帯70に反りが発生した場合、ガスワイパ73部において、金属帯70とガスワイパ73との間隔が幅方向で一定でなくなる結果、金属帯70の幅方向に付着量ムラが生ずることになる。
【0022】
また、金属帯70に反りが発生している場合には、金属帯70とガスワイパ73との接触を避けるために、金属帯70とガスワイパ73の間隔を狭めることが制限される。この結果、所望の溶融金属払拭能力を確保するためにはワイピングガス圧力を高めなければならず、これが時としてワイピング時に激しく飛び散った溶融金属が金属帯70に付着することにより発生するスプラッシュと呼ばれる欠陥の原因となることが知られている。
【0023】
そこで、浴中サポートロール79を用いてシンクロール78で発生した反りを矯正する。
【0024】
図17は浴中サポートロール79の反り矯正機能を説明する図である。
【0025】
浴中サポートロール79はスタビライジングロール79aと、このロールより所定距離下方に配置され左右方向に移動可能に構成されたコレクトロール79bとの2本のロールで構成されている。シンクロール78によって金属帯70は鉛直方向に方向転換されて通板されるが、スタビライジングロール79aはこの通板ラインよりもシンクロール78側に設けられ、コレクトロール79bはこの通板ラインに対して所定量Lだけ金属帯70を押し込む位置に配置される。
【0026】
前述のように金属帯70にはシンクロール78による曲げと曲げ戻しに起因する反りが発生しているが、コレクトロール79bを用いて押し込み量Lを適切に調整することで、金属帯70に逆方向の曲げを加え反りを矯正するものである。
【0027】
次に、浴中サポートロール79の振動抑制機能について説明する。
【0028】
一般に、金属帯70の振動はシンクロール78の回転不良やガタ、その他の外乱によって、ロールの回転周波数成分で金属帯70が揺らされたり、金属帯70自体の固有振動モードが励起されたりすることで発生する。
【0029】
図14に示す通り、一般的な溶融めっき金属帯製造ラインでは金属帯70は溶融金属浴72に浸漬した後、数十mの距離を何も触れるものがない状態で引き上げられるため、非常に振動し易い状況に置かれている。
【0030】
そこで、図15の示すように浴中サポートロール79で金属帯70を挟み込むことによってその振動を抑制するものである。本構成では浴中サポートロール79から遠い、溶融金属浴72のはるか上方では振動抑制効果は期待できないが、浴中サポートロール79に近いガスワイパ73の位置では振動の抑制が図れるため、品質上重要な付着量ムラを低減することが可能となる。
【0031】
このように浴中サポートロール79は主として金属帯幅方向の反り矯正と、金属帯振動抑制のために、数十年の長きに渡って使用されている設備であり、その実績から溶融めっき金属帯製造ラインにとっては必須の設備であると考えられている。
【0032】
しかしながら、浴中サポートロール79には以下のようないくつかの欠点も存在する。
【0033】
▲1▼溶融金属浴72で発生するドロスなどの不純物が付着し、浴中サポートロール79がその不純物を金属帯70に押し付けることで疵などの欠陥を発生させる。
【0034】
▲2▼金属帯70の幅方向反り矯正のためにコレクトロール79bを押し込むことで金属帯70に生ずる歪が一因となり、「腰折れ」と呼ばれる降伏点伸び欠陥を発生させる。
【0035】
▲3▼浴中サポートロール79自体の回転不良やガタなどにより、金属帯70が振動することで金属帯70に縞状のマークを発生させる。
【0036】
▲4▼浴中サポートロール79の定期的な手入れや交換のために設備停止が必要となり、操業効率を低下させてしまう。また、メンテナンス費用も必要とする。
【0037】
これらの問題は浴中サポートロール79がなければ発生しないものであるため、本発明者らは溶融めっき金属帯製造プロセスから浴中サポートロール79を外すことの可否について検討を行った。
【0038】
まず、前述機能の代替を検討する前に、浴中サポートロール79を取り外すことによる金属帯品質への悪影響がないかどうかを検証した。これは、製造現場においては、浴中サポートロール79には前述の機能の他に、溶融金属浴中のドロスなどの異物が金属帯70に付着しにくくする異物除去の機能があるため、浴中サポートロール79を取り外すと金属帯70の欠陥発生を増加させるとの通説があるためである。
【0039】
この検証は溶融金属浴72を模擬する実験装置を製作し、その中の流れの挙動を観察することで行った。
【0040】
図18は実験装置の構成を示す図である。
【0041】
実験装置は、溶融金属の代わりに水を用い、その中にシンクロール78と浴中サポートロール79を模した設備80、81を配置し、さらに金属帯70を模したエンドレスベルト82を配して構成した。
【0042】
なお、実験装置では溶融金属の代わりに水を用いているが、実際の溶融金属浴中のロール周りとレイノルズ数やフルード数が同等となるようにロール径やロール回転数を設定して、流体力学的に溶融金属浴中の挙動を模擬できるようにしている。そして、流れを観察するためのトレーサとしてアルミ粉を添加して実験を行った。
【0043】
図19はロール81周りの流れの様子を示す図である。
【0044】
ロール81とベルト82の接触部下部においては、圧力上昇による吐き出しの流れとなり、異物を押し出そうとする現象が見られたが、ロール81の回転による異物の巻込みも確認された。また、ロール81とベルト82との接触部上部においては、圧力低下による吸い込みが発生し、むしろ異物が溜まり付着しやすい状況を作り出していた。
【0045】
以上の結果より、本発明者らは浴中サポートロール79には通説で言われているような異物除去機能はなく、浴中サポートロール79を取り外してもそのことによって欠陥の発生が増加することはないものと判断した。
【0046】
従って、浴中サポートロール79を外すには金属帯70の幅方向の反り矯正機能と振動抑制機能が代替できれば良いことになる。
【0047】
そこで、本発明者らはそれらの機能を代替する技術として、アクティブ振動制御技術を導入することに想到した。アクティブ振動制御技術はセンサで計測した制御対象の振動を打ち消すような外力を何らかのアクチュエータによって制御対象に加えることで振動を抑制する技術であり、近年、コンピュータ能力の目覚しい向上により広く普及してきている。また、アクチュエータが制御対象である金属帯70に加える外力に静的な力も合わせれば、振動制御のみでなく、形状制御、すなわち反りの矯正も可能となる。この技術は溶融金属めっき技術が開発された時期には存在していなかったものである。
【0048】
溶融めっき金属帯を対象とする場合は、アクチュエータは非接触式であることが望ましいが、その候補としては電磁石や流体力アクチュエータ(例えばエアパッド)などが挙げられる。
【0049】
上記実験による知見および各種検討を総合し、高品質の溶融めっき金属帯を効率良く製造する新しい手段として、本発明者らは溶融金属浴中に方向転換手段のみを有し、浴中サポートロール79の代替として溶融金属浴上において非接触で金属帯の形状矯正および制振を行う手段を有することを特徴とする溶融めっき金属帯製造方法および装置を考案したものである。
【0050】
さらに、本発明では、溶融めっき金属帯製造ライン特有の性質を考慮し、浴中サポートロールレスを実現するための非接触金属帯制御装置などを必要最小限の構成としている。すなわち、ガスワイパ部における金属帯幅方向の反りは、前述の通り、必ず両エッジがシンクロール側に曲がる向きになることに着眼し、非接触金属帯制御装置をその反りの矯正に最低限必要な側の両エッジ部のみに限定して設置したものである。
【0051】
以上より、本発明は次のように構成されている。
【0052】
本発明は、進行方向に張力を受けている金属帯をめっき金属である溶融金属浴中に引き込む引込工程と、金属帯に溶融金属を付着させるとともに、溶融金属浴中では方向転換させる以外の力学的作用を及ぼさずに溶融金属浴中にて金属帯に接触する手段として金属帯の方向転換ロールのみを配し、金属帯を溶融金属浴外へ引き上げる付着工程と、金属帯に付着した過剰の溶融金属を払拭するワイパによって、溶融金属の付着量を調整する調整工程と、ワイパの直前または直後で金属帯の形状を非接触で制御する制御工程とを有し、制御工程は、金属帯における帯幅方向の中央部付近がその端部に比べて突出するように帯幅方向に生じる金属帯の反りを、中央部付近が突出する金属帯の帯面側に、帯中央を挟む位置2箇所に配置された電磁石装置によって金属帯を非接触で制御するものであり、電磁石装置は、両端部がロール側に曲がる向きになる反りであることに基づいて設置されている溶融めっき金属帯の製造方法である。
【0053】
また本発明は、進行方向に張力を受けている金属帯をめっき金属である溶融金属浴中に引き込む引込工程と、金属帯に溶融金属を付着させるとともに、溶融金属浴中では方向転換させる以外の力学的作用を及ぼさずに溶融金属浴中にて金属帯に接触する手段として金属帯の方向転換ロールのみを配し、金属帯を溶融金属浴外へ引き上げる付着工程と、金属帯に付着した過剰の溶融金属を払拭するワイパによって、溶融金属の付着量を調整する調整工程と、ワイパの直前または直後で金属帯の形状を非接触で制御する制御工程とを有し、制御工程は、金属帯における帯幅方向の中央部付近がその端部に比べて突出するように帯幅方向に生じる金属帯の反りを、中央部付近が突出する金属帯の帯面側の帯中央を挟む位置2箇所に配置された電磁石装置と、該帯面側の裏面の中央部に配置された電磁石装置とによって金属帯を非接触で制御するものであり、電磁石装置は、両端部がロール側に曲がる向きになる反りであることに基づいて設置されている溶融めっき金属帯の製造方法である。
【0059】
また本発明は、溶融金属を保持してその溶融金属を金属帯に付着させるとともに、溶融金属浴中では方向転換させる以外の力学的作用を及ぼさずに溶融金属浴中にて金属帯に接触する手段として金属帯の方向転換ロールのみを有する溶融金属浴槽と、金属帯に付着した過剰の溶融金属を払拭してその付着量を調整するワイパと、ワイパの直前または直後で金属帯の形状を非接触で制御する制御装置とを備え、この制御装置が、金属帯における帯幅方向の中央部付近がその端部に比べて突出するように帯幅方向に生じる金属帯の反りを、中央部付近が突出する金属帯の帯面側に、帯中央を挟む位置2箇所に配置された電磁石装置によって金属帯を非接触で制御するものであり、電磁石装置は、両端部がロール側に曲がる向きになる反りであることに基づいて設置されている非接触制御装置である溶融めっき金属帯の製造装置である。
【0060】
また本発明は、溶融金属を保持してその溶融金属を金属帯に付着させるとともに、溶融金属浴中では方向転換させる以外の力学的作用を及ぼさずに溶融金属浴中にて金属帯に接触する手段として金属帯の方向転換ロールのみを有する溶融金属浴槽と、金属帯に付着した過剰の溶融金属を払拭してその付着量を調整するワイパと、ワイパの直前または直後で金属帯の形状を非接触で制御する制御装置とを備え、この制御装置が、金属帯における帯幅方向の中央部付近がその端部に比べて突出するように帯幅方向に生じる金属帯の反りを、中央部付近が突出する金属帯の帯面側の帯中央を挟む位置2箇所に配置された電磁石装置と、該帯面側の裏面の中央部に配置された電磁石装置とによって金属帯を非接触で制御するものであり、電磁石装置は、両端部がロール側に曲がる向きになる反りであることに基づいて設置されている非接触制御装置である溶融めっき金属帯の製造装置である。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施の形態では金属帯の1具体例として鋼帯を念頭においている。また、溶融めっき鋼帯は亜鉛めっき鋼帯であり、溶融金属は亜鉛である。
【0067】
図1および図2は本発明の第1の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の構成を示す図である。
【0068】
金属帯1はスナウト4と呼ばれる非酸化性雰囲気に保たれた筒状部を通って、溶融金属浴2中に引き込まれる。溶融金属浴2中では方向転換用のロールであるシンクロール3によって通板方向が変換され鉛直に引き上げられた後、ガスワイパ6でめっき付着量が調整される。
【0069】
本構成においては、従来の装置で使用されていた浴中サポートロールが存在せず、その代わりにガスワイパ6の直後に非接触金属帯制御装置7を設けており、その非接触金属帯制御装置7を金属帯1がシンクロール3と接する面の反対側の両エッジ付近のみに配置している点が特徴である。ここでは非接触金属帯制御装置7として電磁石を想定しており、電磁石は吸引力しか発生できないのでこのような配置となっている。仮に非接触金属帯制御装置7としてエアパッドのように反発力を発生するものを想定した場合には、非接触金属帯制御装置7の配置は図1、図2と反対でシンクロール3の側となる。
【0070】
ここで直後とは、ガスワイパ6に近ければより良い制御が行えることを意味しているが、実ラインではガスワイパ6から後述する合金化炉までの間に設置すれば良い。
【0071】
本構成においては、非接触金属帯制御装置7を金属帯1の一方の面の両エッジ付近のみに設置したことを特徴としている。これは、例えば反りなどの形状を矯正する際には、非接触金属帯制御装置7を金属帯1の両エッジと中央部の少なくとも3ヶ所に配設し、また金属帯1の表面と裏面に配設する形態もあるが、金属帯1の一方の面の両エッジ付近のみに設置すれば足りる場合もあるとの知見に基づいて構成したものである。
【0072】
一般に、走行中の金属帯1は常時進行方向に張力を受けているため、例えば垂直方向に移動する金属帯1では、その金属帯1が側面から見て左右方向に変動した場合であっても元の位置に復元しようとする復元力が働いている。このため、この復元力を利用することによって、金属帯1の一方の面の両エッジ付近のみに形状矯正力を作用させれば、中央部に形状矯正力を作用させなくとも反り形状を平坦にできる場合があるとの知見に基づくものである。
【0073】
本実施の形態によれば、非接触金属帯制御装置7の設置台数を減少させることができ、メンテナンス費用を削減することができる。
【0074】
図3は本発明の第1の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の他の構成を示す図である。
【0075】
本構成では、非接触金属帯制御装置7をガスワイパ6の直後に配置する図1、図2に示す構成に対して、非接触金属帯制御装置7をガスワイパ6の直前に配置したことが特徴である。
【0076】
ここで直前とは、ガスワイパ6に近ければより良い制御が行えることを意味しているが、実ラインでは溶融金属浴2からガスワイパ6までの間に設置すれば良い。
【0077】
ガスワイパ6の直前あるいは直後いずれに設置しても金属帯の制御効果に大差はないが、ガスワイパ6の直後にワイピングによる気流を乱し得るものはない方が望ましいため、非接触金属帯制御装置7を設置できるスペースを確保できるかどうかなど溶融めっき金属帯製造ラインの条件によっては図3のように配置することが有利な場合がある。
【0078】
図4は本発明の第1の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の他の構成を示す図である。
【0079】
本構成では、1セットの非接触金属帯制御装置7をガスワイパ6の直後に配置する図1に示す構成に対して、複数セットの非接触金属帯制御装置7をガスワイパ6の直後に多段に配置したことが特徴である。
【0080】
図5は本発明の第1の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の他の構成を示す図である。
【0081】
本構成では、複数セットの非接触金属帯制御装置7をガスワイパ6の直後に多段に配置する図4に示す構成に対して、複数セットの非接触金属帯制御装置7をガスワイパ6の前後に配置したことが特徴である。
【0082】
非接触金属帯制御装置7を多段に配置することによって形状矯正あるいは振動抑制能力を効果的に高めることが可能となる。そして、多段配置による構成では、主に形状矯正を行う非接触金属帯制御装置7と、主に振動抑制を行う非接触金属帯制御装置7とに役割を分担させて構成しても良い。
【0083】
一般的に、形状矯正においては、反りなどの形状の変化は緩慢であるため、非接触金属帯制御装置7に速い応答性はあまり要求されないのに対して、振動抑制においては、金属帯1の振動の変化は速い現象であるため、非接触金属帯制御装置7には即応性が求められる。
【0084】
また、アクチュエータに必要とされる力は、形状矯正では金属帯1の厚みや張力によってかなり大きな力を求められるのに対して、振動抑制では金属帯1の共振を抑制できる程度の力で十分であることが多いため、例えばアクチュエータが電磁石であった場合には、形状矯正用と振動抑制用とではコイルの巻き数など装置の基本仕様が異なる。
【0085】
従って、非接触金属帯制御装置7の役割を分担して構成することは制御性能を高める上で効果的である。
【0086】
なお、電磁石を用いて溶融金属浴2上でC反り形状矯正を行うことは、溶融金属浴2内を不必要にかき乱さない点で有利である。すなわち、溶融金属浴2中には、大量のドロスが存在し、これは溶融金属浴2底部にも沈殿している。従って、いわゆるフロータや流体力アクチュエータ等の手段により溶融金属浴2内をかき乱してしまうと、せっかく沈殿しているドロスが舞ってしまい、金属帯1に付着して欠陥発生の原因となる。またフロータ等の手段がなくても、通常のシンクロール3に金属帯1が巻き付いて通板しているだけでもシンクロール3と浴底部との間隔が狭い場合にはドロスは舞い上がる。
【0087】
なお、本明細書では、金属帯1の非接触制御技術として電磁石と流体力アクチュエータを挙げているが、両者を比較すると、本発明を実現する上では電磁石の方が好ましい。その理由は次の通りである。▲1▼流体力アクチュエータを溶融金属浴2上で使用すると、流体、例えば気流により金属帯1が不必要に冷却され、品質上の問題が生じ得る。▲2▼電磁石に比べ装置が大きく、ガスワイパ6直上への設置は困難となる。また、配管や送風機もスペースを取るため現実の実施が難しい。▲3▼電磁石に比べ所要電力が大きく、ランニングコストが高くなる。
【0088】
図6は本発明の第2の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の構成を示す図である。
【0089】
本構成では、非接触金属帯制御装置7をガスワイパ6の直後に配置する図1、図2に示す構成に対して、非接触金属帯制御装置7の後段に金属帯1をシンクロール3の反対側の面から押さえるタッチロール8を配置したことが特徴である。
【0090】
このタッチロール8は、溶融めっき金属帯製造工程においては自動車用外板など合金化溶融めっき材の製造の際に用いられることの多い設備で、金属帯1の振動を抑制しパスラインを安定させる目的で設置される。
【0091】
通常は、ワイピング直後において金属帯1に触れるような設備を配置することは好ましくないが、合金化溶融めっき材の製造時には更にこの後段で合金化の処理を行うため、タッチロール8の接触程度の影響は合金化処理によって目に見えない程度に消えてしまうのである。
【0092】
ここでタッチロール8をシンクロール3と反対側の面だけに配置しているのは、金属帯1には非接触金属帯制御装置7によりシンクロール3と接している側から反対側方向への力が働いているため、金属帯1の振動を抑制するにはこの力を受ける側にタッチロール8を設けて金属帯1を拘束すれば十分だからである。
【0093】
本第2の実施の形態の発明の構成では、金属帯1の振動はタッチロール8によって抑制し、非接触金属帯制御装置7は主に形状矯正の役割を担っている。この構成によれば、突発的に大きな振動が生じる場合でも、タッチロール8によってこの振動の影響を軽減できるため、より安定した操業を行なうことができる。
【0094】
図7は本発明の第3の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の構成を示す図である。
【0095】
本構成では、非接触金属帯制御装置7をガスワイパ6の直後に配置し、非接触金属帯制御装置7の後段に金属帯1をシンクロール3の反対側の面から押さえるタッチロール8を配置する図6に示す構成に対して、タッチロール8を金属帯1の表裏両面に配置したことが特徴である。
【0096】
本第3の実施の形態の発明の構成では、タッチロール8が金属帯1の表裏両面に直接触れてしまうデメリットもあるが、より確実に金属帯1を拘束できるため、振動抑制の点では第2の実施の形態の発明の構成よりも優れている。
【0097】
なお、タッチロール8を用いる実施の形態においても非接触金属帯制御装置7について図3から図5に示したような様々なバリエーションがあることは言うまでもない。
【0098】
図8は本発明の第4の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の他の構成を示す図である。
【0099】
本構成では、非接触金属帯制御装置7の後段に金属帯を押さえるタッチロール8を配置した図6、図7の構成に対して、さらにこのタッチロール8の後段に合金化炉9を備えたことが特徴である。
【0100】
前述のようにタッチロール8を用いれば金属帯1の振動を抑制できる反面、タッチロール8と金属帯1との接触による影響がないとは言えない。しかし、合金化炉9で合金化処理を施すとその影響はほとんど無害化されるのである。
【0101】
なお、合金化炉9を用いる実施の形態においても非接触金属帯制御装置7について図3から図5に示したような様々なバリエーションがあることは言うまでもない。
【0102】
図9は本発明の第5の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の構成を示す図である。
【0103】
本構成では、非接触金属帯制御装置7の後段に金属帯を押さえるタッチロール8を配置した図6の構成に対して、さらに溶融金属浴2中に1本のサポートロール5を備えたことが特徴である。この1本のサポートロール5を用いる効果について説明する。尚、以下では、より具体化した内容とするため非接触金属帯制御装置7を電磁石7として説明する。
【0104】
図10に示すように、シンクロール3を通板することで金属帯1が塑性変形することにより発生するC反りは、シンクロール3から離れるに従って面外に凸となる量が増加し、ある距離以上になると塑性変形量に応じた一定量となる。従って、溶融金属浴2中にサポートロール5がない場合には、金属帯1がシンクロール3から離れる位置からガスワイパ6までの距離が、サポートロール5がある場合と比較して長くなるため、ガスワイパ6の位置での金属帯1の形状を平坦化するに必要な矯正力を強める必要がある。
【0105】
しかし、例え1本であってもサポートロール5を設置して金属帯1に押付けることにより、その位置においてC反り(面外変形)を見掛け上解消することができるためガスワイパ6の位置での金属帯1の形状を平坦化するに必要な矯正力(例えば、電磁石の場合には供給電流)を小さくすることができる。
【0106】
また、サポートロール5がない場合と比較すると、タッチロール8との間の金属帯1の拘束間隔が短くなるため、振動がより抑制されることになる。その結果、付着量の長さ方向の均一化が図れ、更にガスワイパ6を金属帯1に近接して設置することができるためスプラッシュ等をワイピングする効果が増加して外観欠陥の低減も可能となる。また、2本の浴中サポートロールを用いる場合と同等の振動抑制力を発揮する。
【0107】
本実施の形態では、サポートロール5を金属帯1の反りを解消するようにシンクロール3とは反対面側に設けて押し込んで配置している。このため、金属帯1のC反りは反転して図6の場合とは反対側に反っている。そこで、電磁石7は図6で示す位置とは反対の面側に設置しなければならない。
【0108】
さらに本実施の形態では、電磁石7の配置を変更したことに連動してタッチロール8についても電磁石7が設置されている面側に配置を変更している。これは前述のように、金属帯1には電磁石7の吸引力によってサポートロール5が設置されている面側から電磁石7が設置されている面側に向かう方向に力が働いているため、この力を受ける側にタッチロール8を設けて金属帯1の振動を抑制するように拘束するためである。
【0109】
尚、タッチロール8を1本使用する構成は、この形態に限定されるものではない。電磁石7が設置されている位置と反対面側にタッチロール8を1本のみ設ける場合であっても、金属帯1に押し込むようにタッチロール8を配置することでタッチロール8と金属帯1の接触点が振動の節となり、振動抑制の効果を発揮することができる。即ち、金属帯1の表面又は裏面の何れの側に設けるものであってもタッチロール8を1本で構成する形態が成立する。
【0110】
本実施の形態では、タッチロール8が一本の構成であるが、図11に示すようにタッチロール8を2本で構成することもできる。この形態では、タッチロール8が金属帯1の表裏両面に接触してしまうというデメリットもあるが、より確実に金属帯1を拘束できるため、振動抑制の点では第5の実施の形態よりも優れている。
【0111】
ここでタッチロール8の構成に関しては、金属帯1の品質上の観点と操業安定性の観点の両面から最適な形態を選定すれば良い。一般に、品質上の観点では、タッチロール1本配置、タッチロール2本配置の順に優れている。また、操業安定性の観点では、タッチロール2本を配置、タッチロール1本を電磁石7側に配置、タッチロール1本を電磁石7と反対側に配置の順に優れている。
【0112】
図12の(1)は、本発明の第6の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の構成を示す図である。本実施の形態では、図6の構成に対して、電磁石7を金属帯1の表面と裏面とに配置したことが特徴である。
【0113】
図12の(2)は、金属帯1の上流方向から見た電磁石7の配置を示す図である。本実施の形態では、電磁石7は金属帯1の反りの形状に対応し、金属帯1の凹面側の中央部に配置された電磁石7a、金属帯1の凸面側の中央部を挟む両側のそれぞれの端部に配置された電磁石7b、7cで構成されている。このように、電磁石7を金属帯1の表裏面の3個所の領域に設ける構成を「3点構成」と呼ぶこととする。
【0114】
本実施の形態である3点構成の電磁石7を金属帯1の表裏面に配置することで、溶融めっき金属帯の製造条件が変更されて金属帯1に働く張力が小さくなる場合であっても反り形状を効果的に制御することができる。
【0115】
図13は、本発明の第6の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の他の構成を示す図である。本図では、第5の実施形態に3点構成の電磁石を適用した構成を示している。本形態では、図13の(2)に示すとおり金属帯1の反り方向の反転に対応できるように、電磁石7a、7b、7cを配置している。尚、本3点構成の電磁石7が、タッチロール8が金属帯1の表裏面側に配設されている形態についても適用できることは当然である。
【0116】
本発明は、このようにサポートロール5、電磁石7、タッチロール8の種々の組み合わせの形態の下で適用することが可能であり、金属帯1の製造形態に合せて柔軟に構成することができる。
【0117】
また、本発明は、ガスワイパ6との組み合わせのみにおいて適用されるものではなく、電磁ワイピング装置など過剰な溶融金属を払拭できる手段であれば組み合わせて用いることができる。
【0118】
以上の通り、前述の各実施の形態によれば、従来の溶融めっき金属帯の製造において必要不可欠とされていたサポートロールを用いずに溶融めっき金属帯を製造することができる。
【0119】
この結果、サポートロールに起因する欠陥のない高品質な溶融めっき金属帯を製造することができる。
【0120】
また、サポートロールのメンテナンスが不要となるため、ロングサイクルの操業が可能となり、溶融めっき金属帯の製造効率を上げることができる。
【0121】
また、サポートロールのメンテナンスが不要となるため、メンテナンス費用を削減することもできる。
【0122】
しかも本発明では、溶融めっき金属帯製造ライン特有の性質を考慮し、サポートロールレスを実現するための非接触金属帯制御装置などを必要最小限の構成としているため、低コストでかつ操業の妨げにならない。
【0123】
更に本発明では、サポートロールの数を低減した構成で上記メリットを得ることができる。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば高品質な溶融めっき金属帯を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の構成を示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の構成を示す別角度の図。
【図3】本発明の第1の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の他の構成を示す図。
【図4】本発明の第1の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の他の構成を示す図。
【図5】本発明の第1の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の他の構成を示す図。
【図6】本発明の第2の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の構成を示す図。
【図7】本発明の第3の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の構成を示す図。
【図8】本発明の第4の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の構成を示す図。
【図9】本発明の第5の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の構成を示す図。
【図10】拘束点からのC反り量を示す図。
【図11】本発明の第5の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の他の構成を示す図。
【図12】本発明の第6の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の構成を示す図。
【図13】本発明の第6の実施形態の溶融めっき金属帯製造装置の他の構成を示す図。
【図14】溶融金属めっき帯の製造ラインの構成を示す図。
【図15】従来の溶融金属浴中の装置構成を示す図。
【図16】金属帯幅方向反り発生機構を説明する図。
【図17】浴中サポートロールの反り矯正機能を説明する図。
【図18】実験装置の構成を示す図。
【図19】浴中サポートロール付近の流れの様子を示す図。
【符号の説明】
1…金属帯
2…溶融金属浴
3…シンクロール
4…スナウト
5…サポートロール
6…ガスワイパ
7…非接触金属帯制御装置
8…タッチロール
9…合金化炉

Claims (4)

  1. 進行方向に張力を受けている金属帯をめっき金属である溶融金属浴中に引き込む引込工程と、
    前記金属帯に溶融金属を付着させるとともに、前記溶融金属浴中では方向転換させる以外の力学的作用を及ぼさずに前記溶融金属浴中にて前記金属帯に接触する手段として金属帯の方向転換ロールのみを配し、前記金属帯を溶融金属浴外へ引き上げる付着工程と、
    前記金属帯に付着した過剰の溶融金属を払拭するワイパによって、溶融金属の付着量を調整する調整工程と、
    前記ワイパの直前または直後で前記金属帯の形状を非接触で制御する制御工程とを有し、
    前記制御工程は、前記金属帯における帯幅方向の中央部付近がその端部に比べて突出するように帯幅方向に生じる金属帯の反りを、前記中央部付近が突出する金属帯の帯面側に、帯中央を挟む位置2箇所に配置された電磁石装置によって前記金属帯を非接触で制御するものであり、前記電磁石装置は、両端部が前記ロール側に曲がる向きになる反りであることに基づいて設置されていることを特徴とする溶融めっき金属帯の製造方法。
  2. 進行方向に張力を受けている金属帯をめっき金属である溶融金属浴中に引き込む引込工程と、
    前記金属帯に溶融金属を付着させるとともに、前記溶融金属浴中では方向転換させる以外の力学的作用を及ぼさずに前記溶融金属浴中にて前記金属帯に接触する手段として金属帯の方向転換ロールのみを配し、前記金属帯を溶融金属浴外へ引き上げる付着工程と、
    前記金属帯に付着した過剰の溶融金属を払拭するワイパによって、溶融金属の付着量を調整する調整工程と、
    前記ワイパの直前または直後で前記金属帯の形状を非接触で制御する制御工程とを有し、
    前記制御工程は、前記金属帯における帯幅方向の中央部付近がその端部に比べて突出するように帯幅方向に生じる金属帯の反りを、前記中央部付近が突出する金属帯の帯面側の帯中央を挟む位置2箇所に配置された電磁石装置と、該帯面側の裏面の中央部に配置された電磁石装置とによって前記金属帯を非接触で制御するものであり、前記電磁石装置は、両端部が前記ロール側に曲がる向きになる反りであることに基づいて設置されていることを特徴とする溶融めっき金属帯の製造方法。
  3. 進行方向に張力を受けている金属帯をめっき金属である溶融金属浴中に引き込むことにより溶融めっき金属帯を製造する装置において、
    前記溶融金属を保持してその溶融金属を金属帯に付着させるとともに、前記溶融金属浴中では方向転換させる以外の力学的作用を及ぼさずに前記溶融金属浴中にて前記金属帯に接触する手段として金属帯の方向転換ロールのみを有する溶融金属浴槽と、
    前記金属帯に付着した過剰の溶融金属を払拭してその付着量を調整するワイパと、
    前記ワイパの直前または直後で前記金属帯の形状を非接触で制御する制御装置とを備え、
    この制御装置が、前記金属帯における帯幅方向の中央部付近がその端部に比べて突出するように帯幅方向に生じる金属帯の反りを、前記中央部付近が突出する金属帯の帯面側に、帯中央を挟む位置2箇所に配置された電磁石装置によって前記金属帯を非接触で制御するものであり、前記電磁石装置は、両端部が前記ロール側に曲がる向きになる反りであることに基づいて設置されている非接触制御装置であることを特徴とする溶融めっき金属帯の製造装置。
  4. 進行方向に張力を受けている金属帯をめっき金属である溶融金属浴中に引き込むことにより溶融めっき金属帯を製造する装置において、
    前記溶融金属を保持してその溶融金属を金属帯に付着させるとともに、前記溶融金属浴中では方向転換させる以外の力学的作用を及ぼさずに前記溶融金属浴中にて前記金属帯に接触する手段として金属帯の方向転換ロールのみを有する溶融金属浴槽と、
    前記金属帯に付着した過剰の溶融金属を払拭してその付着量を調整するワイパと、
    前記ワイパの直前または直後で前記金属帯の形状を非接触で制御する制御装置とを備え、
    この制御装置が、前記金属帯における帯幅方向の中央部付近がその端部に比べて突出するように帯幅方向に生じる金属帯の反りを、前記中央部付近が突出する金属帯の帯面側の帯中央を挟む位置2箇所に配置された電磁石装置と、該帯面側の裏面の中央部に配置された電磁石装置とによって前記金属帯を非接触で制御するものであり、前記電磁石装置は、両端部が前記ロール側に曲がる向きになる反りであることに基づいて設置されている非接触制御装置であることを特徴とする溶融めっき金属帯の製造装置。
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