JP2003193212A - 溶融めっき金属帯の製造方法および製造装置並びに囲み部材 - Google Patents

溶融めっき金属帯の製造方法および製造装置並びに囲み部材

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JP2003193212A JP2001396575A JP2001396575A JP2003193212A JP 2003193212 A JP2003193212 A JP 2003193212A JP 2001396575 A JP2001396575 A JP 2001396575A JP 2001396575 A JP2001396575 A JP 2001396575A JP 2003193212 A JP2003193212 A JP 2003193212A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浴中のサポートロールに起因する付着量むら
や擦り疵の発生を防止し、ガスワイピング部における金
属帯の幅方向反りを防止し、金属帯へのドロス欠陥の発
生を防止する。 【解決手段】 金属帯をめっき金属である溶融金属浴内
に引き込み、前記金属帯に溶融金属を付着させる引込工
程と、前記溶融金属浴内に引き込まれた金属帯を囲むよ
うに形成された囲み部材により、前記溶融金属浴内が溶
融金属の流動可能な状態で上部領域と下部領域に分割さ
れており、前記金属帯は前記上部領域で方向転換ロール
により方向転換されるとともに、方向転換後には溶融金
属浴でロールに接することなく溶融金属浴外へ引き上げ
られる引上工程と、前記金属帯に付着した過剰の溶融金
属を払拭するワイパによって、溶融金属の付着量を調整
する調整工程と、前記ワイパの直前又は直後で前記金属
帯の形状を磁力により非接触で矯正する形状矯正工程と
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融めっき金属帯
の製造方法及び製造装置並びに囲み部材に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼帯などの金属帯を亜鉛、アルミニウム
等の溶融金属中に連続して浸漬してその金属帯の表面に
めっきを施して製造する溶融めっき金属帯の製造方法が
知られている。
【0003】連続的に溶融めっき金属帯を製造する従来
の装置の構成を図12に示す。図12において1は金属
帯、2は溶融金属浴槽、3は溶融金属浴、4は方向転換
ロールであるシンクロール、5はサポートロール、6は
ワイパであるガスワイピングノズル、7はスナウトであ
る。
【0004】この装置を用いて、溶融亜鉛めっき鋼帯を
製造する場合を例に挙げて説明する。この場合、溶融金
属は亜鉛である。スナウト7から出た鋼帯1を、溶融金
属浴槽2内の溶融金属浴3に連続的に引き込み、シンク
ロール4に巻掛けて通板方向を転換し、サポートロール
5を通過後、溶融金属浴3から引き上げ、溶融金属浴3
上に設置したガスワイピングノズル6から高圧ガスを吹
き付けることにより、鋼帯1表面に余剰に付着した溶融
亜鉛を払拭して所定のめっき付着量に調整して溶融亜鉛
めっき鋼帯を製造する。
【0005】サポートロール5は、ガスワイピングノズ
ル6部における鋼帯1の幅方向反り(C反り)を矯正
し、鋼帯1幅方向の付着量ばらつきを少なくするために
設置されている。サポートロール5は、鋼帯1を挟む両
側に1本ずつ設置し、各サポートロール5a、5bの高
さ方向位置をずらして配置する。そして上方に配置した
サポートロール5aをパスラインに接するように配置
し、下方に設置したサポートロール5bを鋼帯1側に押
し込み、鋼帯1に適量の変形を付与することによって、
鋼帯1のC反りを矯正する。
【0006】しかし、サポートロール5a、5bによっ
て鋼帯1のC反りを矯正すると以下の問題点がある。す
なわち、サポートロール5a、5bは、溶融金属浴槽2
側方の溶融金属浴面より高い位置に設置したモータ(図
示なし)によってスピンドル(図示なし)を介して駆動
されるため、モータ回転は等速であっても、サポートロ
ール5a、5bは等速回転しない。その結果、サポート
ロール5a、5bの回転速度は、鋼帯速度と一致しない
だけでなく、等速回転できないことによって、鋼帯1に
チャターマーク状の付着量むらや後記するドロスがロー
ル表面に付着すること等によって擦り疵が発生し、品質
上の問題になることがある。
【0007】サポートロール5a、5bを回転駆動する
ことによって発生する前記問題点を解決するためにサポ
ートロール5a、5bをアイドル化(非駆動化)するこ
とも考えられる。この場合、サポートロール5a、5b
の回転を確保するために、サポートロール5bの押し込
み量を増加する必要がある。しかし、サポートロール5
bの押込み量を増加することによって、浴面を出たとこ
ろ(ガスワイピングノズル6部)における鋼帯1のC反
りを適正に矯正することができなくなるため、鋼帯1幅
方向の付着量のばらつきが大きくなるという問題があ
る。
【0008】また、図12に示した装置を用いて溶融亜
鉛めっき鋼帯を製造すると、鋼帯1から溶出した鉄(F
e)とめっき成分との金属間化合物であるドロス(いわ
ゆるボトムドロス)16が発生し、このドロス16は溶
融金属浴槽2底部に堆積し、堆積したドロス16が巻き
上げられて溶融金属浴3中を浮遊する。このドロス16
が鋼帯1に付着すると鋼帯1の表面品質を低下させ、プ
レス時等に欠陥を発生させるという問題がある。鋼帯通
板速度を低下することで鋼帯1へのドロス付着が低減さ
れるが、生産効率が低下するという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
事情を考慮して、浴中のサポートロールに起因するチャ
ターマーク状の付着量むらや擦り疵の発生を防止でき、
またガスワイピング部における金属帯の幅方向反りを防
止して金属帯幅方向の付着量ばらつきを低減でき、さら
に生産効率を低下させずに金属帯へのドロス欠陥の発生
を防止できる溶融めっき金属帯の製造方法および製造装
置並びに囲み部材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の手段は下記のとおりである。
【0011】(1)金属帯をめっき金属である溶融金属
浴内に引き込み、前記金属帯に溶融金属を付着させる引
込工程と、前記溶融金属浴内に引き込まれた金属帯を囲
むように形成された囲み部材により、前記溶融金属浴内
が溶融金属の流動可能な状態で上部領域と下部領域に分
割されており、前記金属帯は前記上部領域で方向転換ロ
ールにより方向転換されるとともに、方向転換後には溶
融金属浴でロールに接することなく溶融金属浴外へ引き
上げられる引上工程と、前記金属帯に付着した過剰の溶
融金属を払拭するワイパによって、溶融金属の付着量を
調整する調整工程と、前記ワイパの直前又は直後で前記
金属帯の形状を磁力により非接触で矯正する形状矯正工
程とを有することを特徴とする溶融めっき金属帯の製造
方法。
【0012】(2)前記上部領域で発生したドロスを含
む溶融金属浴は、前記囲み部材の金属帯の溶融金属浴外
への引き上げ側から前記下部領域に流出され、前記下部
領域で、溶融金属浴に含まれるドロスが沈降除去されて
溶融金属浴が清浄化され、清浄化された溶融金属浴は、
前記囲み部材の金属帯の溶融金属浴への引き込み側から
前記上部領域に導入されることを特徴とする前記(1)
に記載の溶融めっき金属帯の製造方法。
【0013】(3)前記囲み部材は、溶融金属浴面下に
設けられていることを特徴とする前記(1)または
(2)に記載の溶融めっき金属帯の製造方法。
【0014】(4)前記方向転換ロールと前記囲み部材
の最近接距離が50mm以上400mm以下であること
を特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の溶
融めっき金属帯の製造方法。
【0015】(5)前記方向転換ロール最上部と溶融金
属浴面との間隔が50mm以上400mm以下であるこ
とを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の
溶融めっき金属帯の製造方法。
【0016】(6)前記方向転換ロールの外径はφ85
0mm以上であることを特徴とする前記(1)〜(5)
のいずれかに記載の溶融めっき金属帯の製造方法。
【0017】(7)前記方向転換ロール下面と溶融金属
浴底部の間隔は400mm以上である(前記(4)の場
合には400mmに囲み部材の厚さを加えた値を超える
ものである)ことを特徴とする前記(1)〜(6)のい
ずれかに記載の溶めっき金属帯の製造方法。
【0018】(8)金属帯をめっき金属である溶融金属
の浴中に引き込むことにより溶融めっき金属帯を製造す
る装置において、前記溶融金属を保持してその溶融金属
を前記金属帯に付着させるとともに、前記溶融金属浴中
にて前記金属帯を方向転換させる方向転換ロールを有す
るとともに、方向転換後には前記金属帯に接するロール
を有さない溶融金属浴槽と、前記溶融金属浴槽内に、溶
融金属浴内に引き込まれた金属帯を囲み、且つ前記溶融
金属浴内が溶融金属の流動可能な状態で上部領域と下部
領域に分割するように形成され、前記上部領域で方向転
換ロールにより方向転換された金属帯が溶融金属浴外に
引き上げられるように形成された囲み部材と、前記金属
帯に付着した過剰の溶融金属を払拭してその付着量を調
整するワイパと、前記ワイパの直前又は直後で前記金属
帯の形状を磁力により非接触で矯正する形状矯正装置と
を備えたことを特徴とする溶融めっき金属帯の製造装
置。
【0019】(9)前記囲み部材は、前記金属帯の溶融
金属浴外への引き上げ側の囲み部側から、前記上部領域
で発生したドロスを含む溶融金属浴が前記下部領域に流
出され、また前記金属帯の溶融金属浴への引き込み側の
囲み部側から、前記下部領域でドロスが沈降除去されて
清浄化された溶融金属浴が前記上部領域に導入されるよ
うに構成されていることを特徴とする前記(8)に記載
の溶融めっき金属帯の製造装置。
【0020】(10)前記囲み部材は、溶融金属浴面下
に設けられていることを特徴とする前記(8)または
(9)に記載の溶融めっき金属帯の製造装置。
【0021】(11)前記方向転換ロールと前記囲み部
材の最近接距離が50mm以上400mm以下であるこ
とを特徴とする前記(8)〜(10)のいずれかに記載
の溶融めっき金属帯の製造装置。
【0022】(12)前記方向転換ロール最上部と溶融
金属浴面との間隔が50mm以上400mm以下である
ことを特徴とする前記(8)〜(11)のいずれかに記
載の溶融めっき金属帯の製造装置。
【0023】(13)前記方向転換ロールの外径がφ8
50mm以上であることを特徴とする前記(8)〜(1
2)のいずれかに記載の溶融めっき金属帯の製造装置。
【0024】(14)前記方向転換ロール下面と前記溶
融金属浴槽底部の間隔は400mm以上である(前記
(11)の場合には400mmに囲み部材の厚さを加え
た値を超えるものである)ことを特徴とする前記(8)
〜(13)のいずれかに記載の溶融めっき金属帯の製造
装置。
【0025】(15)前記(8)〜(14)の何れかに
記載の溶融めっき金属帯の製造装置に設置される囲み部
材であって、該囲み部材の金属帯引き上げ側の囲みは、
金属帯がシンクロールから離れて通板される部分ではパ
スラインと略平行に構成され、該金属帯引き上げ側の囲
み上端はシンクロール最上部より高く且つ浴面から10
0mm以上となるように構成されていることを特徴とす
る囲み部材。
【0026】(16)前記(8)〜(14)の何れかに
記載の溶融めっき金属帯の製造装置に設置される囲み部
材であって、該囲み部材の金属帯引き上げ側の囲みの上
端外側に、溶融金属浴下部領域で沈降堆積しているドロ
スの巻き上げを防止するための巻き上げ防止板が付設さ
れていることを特徴とする囲み部材。
【0027】(17)前記(8)〜(14)の何れかに
記載の溶融めっき金属帯の製造装置に設置される囲み部
材であって、該囲み部材の金属帯引き上げ側の囲みの上
端外側に、溶融金属浴の下部領域で沈降堆積しているド
ロスの巻き上げを防止するための巻き上げ防止板が付設
されるとともに、さらに該巻き上げ防止板と浴面との間
に随伴流の流れ方向を変更し、かつ随伴流が浴面を乱す
ことを防止するための整流板が浴面に略平行に付設され
ていることを特徴とする囲み部材。
【0028】(18)前記囲み部材の金属帯引き上げ側
の囲みは、金属帯がシンクロールから離れて通板される
部分ではパスラインと略平行に構成され、該金属帯引き
上げ側の囲み上端はシンクロール最上部より高く且つ浴
面から100mm以上となるように構成されていること
を特徴とする前記(16)または(17)に記載の囲み
部材。
【0029】(19)前記(8)〜(14)の何れかに
記載の溶融めっき金属帯の製造装置に設置される囲み部
材であって、該囲み部材の金属帯引き上げ側の囲みは上
方外側に向かって傾斜状に構成され、さらに前記金属帯
引き上げ側の囲みとパスラインとの間に金属帯随伴流を
金属帯から離れさせかつ随伴流が浴面を乱さないように
するための整流構造物が付設されるとともに、該整流構
造物は、パスラインに対向する側がパスラインと略平行
で、金属帯引き上げ側の囲みに対向する側が金属帯引き
上げ側の囲みに略平行に構成されていることを特徴とす
る囲み部材。
【0030】(20)前記金属帯引き上げ側の囲み上端
外側に溶融金属浴下部領域で沈降堆積しているドロスの
巻き上げを防止するための巻き上げ防止板が付設され、
また前記整流構造物の上部は略水平に構成されるととも
に、その金属帯引き上げ側の囲みに対向する側に略水平
な整流板が付設されていることを特徴とする前記(1
9)に記載の囲み部材。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明に至った経緯ととも
に、本発明について詳しく説明する。本発明者らは本発
明の課題を解消する新しい溶融めっき金属帯の製造方法
を開発するため、先ず浴中のサポートロール5に着目し
た。サポートロール5の主な機能は金属帯幅方向反り矯
正機能である。
【0032】図1は、金属帯1幅方向反り発生機構を説
明する図である。金属帯幅方向反りは主にシンクロール
4において金属帯1が曲げと曲げ戻しを受けることによ
って発生すると考えられる。シンクロール4に巻きつい
て接触している位置Aでは、平面ひずみ変形となり、金
属帯1に発生する応力は、金属帯通板方向および金属帯
幅方向ともに、シンクロール4と接触している側に圧縮
応力、その反対側に引張応力となり、金属帯幅方向反り
の基本となる応力分布になる。シンクロール4に近く、
比較的曲率半径の大きな位置Bにおいても、ほぼ平面ひ
ずみ状態が保たれ、位置Aにおいて塑性変形をしている
ために、位置Aとは逆の応力分布、すなわちシンクロー
ル4と接触している側に引張応力、その反対側に圧縮応
力となる。曲率半径がほぼ0の位置Cにおいては、面内
変形に対する拘束はなく、基本的には位置Aで受けた変
形が存在しやすい形状、すなわち金属帯幅方向に上に凸
の状態となると考えられる。
【0033】このようにして金属帯1に反りが発生した
場合、ガスワイピングノズル6部において、金属帯1と
ガスワイピングノズル6と間隔が幅方向で一定でなくな
る結果、金属帯1幅方向に付着量のばらつきが生ずるこ
とになる。
【0034】また、金属帯1に反りが発生している場合
は、金属帯1とガスワイピングノズル6との接触を避け
るために、金属帯1とガスワイピングノズル6の間隔を
狭めることが制限される。この結果、所望の溶融金属払
拭能力を確保するためにはガスワイピングノズル6のガ
ス圧力を高めなければならず、これが時としてガスワイ
ピング時に激しく飛び散った溶融金属が金属帯1に付着
することにより発生するスプラッシュと呼ばれる欠陥の
原因となることが知られている。
【0035】そこで、浴中のサポートロール5を用いて
シンクロール4で発生した反りを矯正する。
【0036】図2は、図12に示した装置におけるサポ
ートロール5の反り矯正機能を説明する図である。シン
クロール4によって金属帯1は鉛直方向に方向転換され
て通板される。サポートロール5aはパスライン上で金
属帯1と接する位置に設けられ、サポートロール5aに
対して所定距離だけ下方に配置されたサポートロール5
bはこのパスラインに対して所定量Lだけ金属帯1を押
し込む位置に配置される。
【0037】前述のように金属帯1はシンクロール4に
よる曲げと曲げ戻しに起因する反りが発生しているが、
サポートロール5bを用いて押し込み量Lを適切に調整
することで、金属帯1に逆方向の曲げを加えて反りを矯
正するものである。
【0038】このように浴中のサポートロール5は主に
金属帯1幅方向の反り矯正のために、数十年の長きに渡
って使用された設備であって、前記したように金属帯1
にチャターマーク状の付着量むらや擦り疵を発生すると
いう問題に加えて、さらにサポートロール5の定期的な
手入れや交換のために設備停止が必要となり、操業効率
を低下させてしまうという問題があるにも係わらず、そ
の実績から溶融めっき金属帯製造ラインにとっては必須
の設備であると考えられている。
【0039】これらの問題は浴中にサポートロール5が
なければ発生しないものであるため、本発明者らは溶融
めっき金属帯製造プロセスからサポートロール5を外す
ことの可否について検討を行った。
【0040】先ず、浴中のサポートロール5を取り外す
ことによる金属帯品質への悪影響がないかどうかを検証
した。これは、製造現場においては、サポートロール5
には前述の機能の他に、溶融金属浴3中のドロスなどの
異物を金属帯1に付着しにくくする異物除去機能がある
ため、サポートロール5を除去することにより金属帯1
の欠陥発生を増加させることになるとの通説があるため
である。
【0041】この検証は溶融金属浴3を模擬する実験装
置を製作し、その中の流れの挙動を観察することで行っ
た。実験装置は、溶融金属の代わりに水を用い、その中
にシンクロール4とサポートロール5を模したロールを
配置し、さらに金属帯1を模したエンドレスベルトを配
して構成し、実際の溶融金属浴中のロール周りとレイノ
ズル数やフルード数が同等になるようにロール径やロー
ル回転数を設定して、流体力学的に溶融金属浴中の挙動
を模擬できるようにした。流れを観察するためのトレー
サとしてアルミ粉を添加して実験を行った。
【0042】その結果、サポートロール5を模したロー
ルにはベルトに付着した異物(アルミ粉)を剥がすよう
な作用は観察されず、サポートロール5を模したロール
は異物を押し付けるだけであった。この結果より、浴中
のサポートロール5には通説で言われているような異物
除去機能はなく、サポートロール5を除去してもそのこ
とによって欠陥の発生が増加することはないものと判断
した。また、実ラインで図12に示した溶融めっき金属
帯製造設備を用いてサポートロール5を使用しないで亜
鉛めっき鋼帯を製造したところ、これによって亜鉛めっ
き鋼帯のドロス欠陥が増加しないことが確認された。
【0043】従って、サポートロール5を外すには金属
帯1の幅方向の反り矯正機能が代替できれば良いことに
なる。
【0044】溶融めっき金属帯を対象とする場合は、反
り矯正を行う手段は非接触式であることが望ましく、制
御性の点から電磁石などの磁力を用いて金属帯の形状矯
正を行うのが好適である。サポートロール5を取り外
し、代わりに電磁石などの磁力を用いて金属帯1の形状
矯正(C反り矯正)することによって、サポートロール
5使用によって発生する前記問題点を全て解消できる。
【0045】また、本発明者等は、通常の溶融亜鉛めっ
き操業における溶融金属浴槽2内の溶融亜鉛の流れ、お
よびドロスの発生メカニズムとドロスの溶融金属浴槽2
内での挙動を調査し、以下のことを確認した。
【0046】鋼帯1に付着して品質欠陥を発生させるド
ロス(いわゆるボトムドロス)16は、溶融金属浴3中
で、鋼帯1から溶出した鉄(Fe)とめっき成分との金
属間化合物である。このドロスはめっき成分と鋼帯1か
ら溶出した鉄との反応で生成するため、生成当初は微細
である。この微細なドロスが鋼帯1に付着しても品質上
の問題はない。
【0047】この微細なドロスは、鉄成分を含有し、密
度が溶融金属浴3の密度に比べて高いため、溶融金属浴
3中で沈降する。連続操業においては、このドロスは溶
融金属浴槽2底部に沈降して堆積する。溶融金属浴槽2
底部に堆積したドロスは、通板される鋼帯1の随伴流に
よって巻き上げられて浮上しやすい。堆積の過程あるい
は浮上と沈降を繰り返している過程で、浴温変動や溶融
金属浴成分変動などによって、微細なドロスは集合合体
して大きなドロスになる。
【0048】この大きなドロス16が通板される鋼帯1
の随伴流によって巻き上げられて浴中を浮遊し、鋼帯1
表面に付着する。鋼帯1表面に付着した大きなドロス1
6は、鋼帯1の表面品質を劣化させる。鋼帯通板速度が
高速であると、随伴流が大きくなり、ドロス16が浮上
しやすくなり、鋼帯1のドロス欠陥の発生が増加する。
【0049】鋼帯1のドロス欠陥の発生を防止するに
は、溶融金属浴槽2底部に堆積したドロス16の巻き上
げを防止することが必要であり、そのためには、鋼帯1
の随伴流が溶融金属槽2底部にまで大きく影響すること
を防止することが必要である。またドロス16が巻き上
げられたとしても、巻き上げられたドロス16が鋼帯1
が通板される領域に移動できないようにすることも必要
である。
【0050】係る観点から、溶融金属浴槽2の構造およ
び溶融金属浴3の流れについて種々検討した結果、溶融
金属浴槽2内に、溶融金属浴3内に引き込まれた鋼帯1
を囲むように形成された囲み部材を設けて、前記溶融金
属浴3内を溶融金属の流動可能な状態で上部領域と下部
領域に分割し、上部領域では鋼帯1にめっきを行い、下
部領域では上部領域で発生したドロスを含む溶融金属浴
3からドロスを沈降除去して溶融金属浴3を清浄化する
ように上部領域と下部領域の機能を分けるとともに、下
部領域で清浄化した溶融金属浴3を上部領域に導入する
ことで鋼帯1のドロス欠陥の発生を低減できることを見
出した。
【0051】本発明は上記知見に基づきなされたもので
ある。
【0052】以下、本発明の実施の形態についてさらに
説明する。尚、以下に説明する各実施の形態では金属帯
の1具体例として鋼帯を念頭においている。また溶融め
っき鋼帯は亜鉛めっき鋼帯であり、溶融金属は亜鉛であ
る。
【0053】図3は本発明の第1の実施の形態の溶融め
っき金属帯製造装置の構成を示す図である。本装置にお
いては、図12に示した従来の装置で浴中に使用されて
いたサポートロール5は存在せず、その代わりにガスワ
イピングノズル6の直後に電磁石を用いた非接触で金属
帯の形状を矯正する形状矯正装置9が設けられている
点、及びさらに溶融金属浴槽2内に囲み部材8を設けた
点が特徴である。
【0054】溶融金属浴槽2内に設けた囲み部材8の構
成と作用、及び形状矯正装置9の構成と作用について以
下に説明する。先ず、囲み部材8について説明する。
【0055】図3の装置には、溶融金属浴3内に引き込
まれた金属帯1を囲むように形成された囲み部材8が設
けられている。囲み部材8によって、前記溶融金属浴3
内が溶融金属の流動可能な状態で上部領域3Aと下部領
域3Bに分割されている。
【0056】囲み部材8の上端は溶融金属浴3の浴面よ
り下にあり、囲み部材8の金属帯引き上げ側の囲み8b
の上端は、シンクロール4の軸芯よりも上にある。囲み
部材8の金属帯1下面に対向する側の囲みは、囲み部材
8とシンクロール4の距離がほぼシンクロール4下方で
最も近接するように構成されている。また、囲み部材8
の金属帯1端部側(シンクロール4軸方向側)の囲み8
cはほぼ鉛直な側壁で構成されている。
【0057】囲み部材8は高温の溶融金属浴環境での使
用に耐え得るSUS材などで製作される。囲み部材8の
下部に囲み部材8を支持する脚状の支持部材(図示なし)
が取り付けられており、前記支持部材が溶融金属浴槽2
底部に載置されることで、囲み部材8は溶融金属浴槽2
内に設置される。囲み部材8は溶融金属浴槽2内への取
り付け、溶融金属浴槽2外への取り外しが自在である。
【0058】囲み部材8を設けたことによる作用につい
て、図4を参照して説明する。図4中の矢印は溶融金属
浴3の流れ方向を示す。ハッチング付き矢印はドロスを
含み、清浄化前の溶融金属浴3であることを示し、白抜
き矢印はドロスが沈降除去され、清浄化された溶融金属
浴3であることを示す。
【0059】上部領域3Aでは、溶融金属浴3は、走行
する金属帯1に随伴して流れ、囲み部材8の金属帯1引
き上げ側の囲み8bの上方から下部領域3Bに流出す
る。上部領域3Aのシンクロール4下方領域では、シン
クロール4の回転による随伴流があるので、金属帯1が
通板されていない領域でも溶融金属浴3の十分な流動が
確保される。
【0060】上部領域3Aでは、金属帯である鋼帯1か
ら鉄(Fe)が溶出し、微細なFe−Zn系ドロスが生
成する。微細なドロスの一部は金属帯1に付着して溶融
金属浴3から持ち出される。この微細なドロスは金属帯
1に付着しても品質上の問題はない。溶融金属浴3から
持ち出されなかった溶融金属浴3中の微細なドロスは、
通板される金属帯1に随伴する流れによって、囲み部材
8の金属帯1引き上げ側の囲み8bの上方から下部領域
3Bに速やかに排出され、上部領域3A内で沈降、堆積
することがない。
【0061】下部領域3Bには、上部領域3Aから微細
なドロスを含む溶融金属浴3が流入する。下部領域3B
に流入した微細なドロスを含む溶融金属浴3は、溶融金
属浴槽2の金属帯1引き上げ側の側壁2aに沿って主に
下方に向かう流れになり、さらに囲み部材8の下方と側
方を経て溶融金属浴槽2の金属帯1引き込み部側(スナ
ウト7側)に流れる。
【0062】下部領域3Bは、上部領域3Aに比較して
容量が大きく、また上部領域3Aの金属帯1随伴流の影
響が直接及ばないので、溶融金属浴3の流れは緩やかで
ある。そのため、下部領域3Bに流入した溶融金属浴3
が金属帯1引き込み部側(スナウト7側)まで流れる間
に、溶融金属浴3に含まれるドロスは、溶融金属浴槽2
底部に沈降する。溶融金属浴槽2底部に沈降、堆積した
ドロスは、集合合体して金属帯品質に影響を与える大き
なドロス16に成長する。下部領域3Bでは流れが緩や
かなので、溶融金属浴槽2底部に堆積した大きなドロス
16は、金属帯1通板速度が変化しても巻き上げられに
くく、あるいは仮に巻き上げられることがあっても巻き
上げられたドロス16は速やかに溶融金属浴槽2底部に
沈降する。そのため、下部領域3Bの金属帯1引き込み
側の領域では溶融金属浴3は清浄である。特に浴面上部
側の上澄み浴は一層清浄であり、金属帯品質に影響を与
える大きなドロス16が浮遊していない。
【0063】この清浄化された溶融金属浴3の上澄み浴
は、通板される金属帯1の随伴流によって、囲み部材8
の金属帯1引き込み側の囲み8aの上方から上部領域3
Aに流入する。金属帯1は、スナウト7から溶融金属浴
3に引き込まれ、前記清浄化された溶融金属浴3を随伴
しながら上部領域3A内をシンクロール4によって方向
転換され溶融金属浴3から引き上げられる。金属帯1が
溶融金属浴3に引き込まれ、溶融金属浴3から引き上げ
られるまでの間に、金属帯1通板領域に品質影響のある
ドロス16がないので、溶融金属浴3から引き上げられ
た金属帯1表面に品質影響のあるドロス16の付着が防
止される。
【0064】囲み部材8は、シンクロール4、金属帯1
との最近接間隔が50mm以上400mm以下とするよ
うに設置されることが好ましい。50mm未満である
と、熱変形による金属帯1との接触や囲み部材8を設置
する際に位置決めが大変になり、また400mm超にな
ると、囲み部材8内で金属帯1の随伴流の影響が及ばな
くなる領域が発生し、囲み部材8内で発生したドロスを
囲み部材8外部の下部領域3Bに持ち出しにくくなって
ドロスが囲み部材8内部(上部領域3A内)に堆積する
ようになるためである。
【0065】囲み部材8は、囲みの上端が浴面上になる
ように設けることができる。この場合、囲み部材8の金
属帯1引き込み側の囲み8aの浴面部分または浴面に近
い浴中部分に、下部領域3Bの溶融金属浴3を上部領域
3Aに導入する開口部を設け、また囲み部材8の金属帯
1引き上げ側の囲み8bの浴面部分または浴面に近い浴
中部分に、上部領域3Aの溶融金属浴3を下部領域3B
に流出する開口部を設ける。しかし、囲み部材8が浴面
上にあると、囲み部材8内の浴面に発生するトップドロ
スを溶融金属浴槽2外に取り出す作業が煩雑になり、ま
たトップドロスが囲み部材8に付着し、鋼帯1の随伴流
によって上部領域3Aの溶融金属浴3を下部領域3Bに
流出し、下部領域3Bから清浄な溶融金属浴3を上部領
域3Aに導入するという本発明の作用が低下するおそれ
があるので、囲み部材8の上端は浴面より下に設けるこ
とが好ましい。囲み部材8の上端が浴面より100mm
未満になると鋼帯1の随伴流によって浴面が攪拌されト
ップドロスの発生量を増加させるため、浴面より100
mm以下にすることがさらに好ましい。
【0066】また、上部領域3A内を通板される金属帯
1の随伴流が下部領域3B内に影響を及ぼすこと、また
下部領域3Bの溶融金属浴槽2の底部に堆積しているド
ロスを巻き上げることを防止する観点から、囲み部材8
の各囲みの上端(金属帯引き込み側8aの上端、金属帯
引き上げ側の囲み8bの上端および金属帯幅方向の囲み
8cの上端)はシンクロール4の軸心よりも上にあるこ
とが好ましく、シンクロール4の最上部よりも上にある
ことがさらに好ましい。
【0067】囲み部材8の金属帯引き込み側の囲み8a
と金属帯1との距離は1000mm以下であることが好
ましく、金属帯引き上げ側の囲み8bと金属帯1との距
離は800mm以下であることが好ましい。
【0068】シンクロール4最上部と溶融亜鉛浴面との
間隔は50mm以上400mm以下とすることが好まし
い。50mm未満であるとシンクロール4の回転により
浴面が攪拌されトップドロスを多量に発生させ、また4
00mm超になると、深い溶融金属浴槽2が必要とな
り、設備費等の増加を招くためである。
【0069】シンクロール4最下部と溶融金属浴槽2底
部の間隔は400mm以上である(但し、囲み部材8と
金属帯1との最近接間隔が50mm以上400mm以下
とする場合には、400mmに囲み部材8の厚さを加え
た値を超えるものとする)ことが好ましい。400mm
超になると溶融金属浴槽2底部に十分なドロス沈殿部が
確保できなくなり、および/またはシンクロール4や金
属帯1に接触せずに囲み部材8を設置することが難しく
なるためである。以上説明したように、溶融金属浴槽2
内の溶融金属浴3の主要な流れは、上部領域3Aでは、
金属帯1随伴流によって、金属帯1引き込み側から金属
帯1引き上げ側への一方向の流になって、金属帯1引き
上げ側の囲み8bから下部領域3Bに流出される。下部
領域3Bでは、溶融金属浴3は、溶融金属浴槽2の鋼帯
引き上げ側の側壁2aに沿って下方に流れ、さらに囲み
部材8の下方及び側方を経て金属帯1引き込み側に流
れ、上部領域3Aとは逆方向に向かう流れとなる。この
ように、上部領域3Aと下部領域3B間を溶融金属浴3
は循環するが、この溶融金属浴3循環の起動力は、実質
的に通板される金属帯1の随伴流によるものであり、循
環のためのポンプ等の設備を必要としないので、簡易且
つ安価な設備にできるという利点がある。
【0070】本発明では、浴中サポートロール5を設置
しないので、シンクロール4径は、サポートロール5が
設置された従来装置(図12)の場合よりも大きくする
ことができる。図5は、一般的に使用されているロール
径であるφ750mmのシンクロール4とシンクロール
径をφ950mmに大径化した場合について、ガスワイ
ピングノズル6部で、幅1200mmの鋼帯1に発生す
るC反り量を調査した結果である。鋼帯1のC反り量の
数値は、シンクロール4側に凸形状の場合は+(プラ
ス)、シンクロール4と反対側に凸形状の場合は−(マ
イナス)とした。
【0071】シンクロール4径を大きくすることにより
シンクロー4に巻き付けられた鋼帯1に発生する曲げ応
力を小さくすることができ、その結果、図5に示される
ように溶融金属浴3から引き上げられるときの鋼帯1の
C反りを小さくできる。これによって、形状矯正用の電
磁石の負荷軽減が可能になり、従来反り矯正が困難であ
った厚物鋼帯についても溶融金属浴3引き上げ部の形状
を平坦にできる。係る点からは、シンクロール4の直径
は850mm以上とすることが有利である。
【0072】次に、形状矯正装置9について説明する。
形状矯正装置9はガスワイピングノズル6の直後に設置
されている。ここでガスワイピングノズル6の直後と
は、ガスワイピングノズル6に近ければより良い制御が
行えることを意味している。実ラインでガスワイピング
ノズル6の上方に、めっき皮膜の合金化処理を行う合金
化炉、スパングルを調整するスパングル調整装置などが
設けられ、また前記装置の前に金属帯1の振動を抑制す
るタッチロールが設けられる場合もある。この場合、形
状矯正装置9は、前記装置までの間に設置すれば良い。
【0073】図6は、図3の装置に設置される電磁石を
用いた非接触で金属帯の形状を矯正する形状矯正装置9
の構成を示す図である。
【0074】本形状矯正装置9は、図中上方に移動する
金属帯1の表面までの距離を測定する位置センサ10、
この位置センサ10からの信号を受けて制御信号を出力
する制御器11、制御信号を増幅する増幅器12及び増
幅された制御信号によって金属帯に吸引力を及ぼして金
属帯の形状を変化させる電磁石13で構成されている。
【0075】そして、電磁石13は金属帯1の幅方向に
複数台数設けられ、さらに金属帯1の表裏に対になって
配置されている。電磁石13は金属帯1に対しては一方
向の吸引力を及ぼすものであるため、金属帯1の表裏に
配置することで金属帯1の吸引方向を選択して金属帯1
の反りを矯正できるように構成されている。
【0076】通常、金属帯1の幅方向の反り形状は図1
で示すように、断面がC形になることが多いため、電磁
石13は金属帯幅方向3ヶ所(両エッジ、中央)に配置
すれば良い。また、各3ヶ所の位置センサ10相互間、
電磁石13相互間での干渉はそれほど大きくないことが
多いため、相互の干渉を補償せずに、3ヶ所それぞれ独
立の制御系で構成しても良い。
【0077】本装置を用いて、金属帯1の表面までの距
離を測定する位置センサ10からの信号に基いて、制御
器11で金属帯1の表裏に配置されている電磁石13の
吸引力を制御し、金属帯1の反りを矯正する。これによ
って溶融金属浴3引き上げ部の金属帯1の反りを平坦に
できる。
【0078】次に、前記装置を用いて、溶融亜鉛めっき
鋼帯を製造する方法について説明する。鋼帯1はスナウ
ト7を通って溶融金属浴3内の上部領域3Aに引き込ま
れ、方向転換用ロールであるシンクロール4によって通
板方向が変換され溶融金属浴3から引き上げられる。次
にガスワイピングノズル6でめっき付着量が調整され
る。ガスワイピングノズル6部の鋼帯1形状は形状矯正
装置9で矯正されて平坦にされる。さらに必要に応じ
て、図示されていない合金化炉でめっき層の合金化処理
され、又はスパングル調整装置でスパングル調整され、
あるいはそのまま冷却されて所要の溶融亜鉛めっき鋼帯
が製造される。
【0079】前記装置では、表面に品質影響のあるドロ
スの鋼帯1表面への付着を抑制する作用が優れるので、
鋼帯1通板速度を低下しなくてもすなわち生産効率を低
下しなくても、ドロス付着のない高品質の溶融亜鉛めっ
き鋼帯を製造できる。
【0080】また、ガスワイピングノズル6部で鋼帯1
の幅方向反りが矯正されているので、鋼帯1幅方向の付
着量分布を均一にでき、さらにガスワイピングノズル6
と鋼帯1の間隔を狭め、ガス圧力を低圧にして付着量調
整することで、スプラッシュの発生を防止できる。
【0081】またサポートロールが設置されていないの
で、サポートロールに起因する品質欠陥の発生がなく、
またサポートロール交換のための設備停止も不要であ
る。
【0082】なお、下部領域3Bの底部すなわち溶融金
属浴槽2底部にドロス16が堆積する。囲み部材8を溶
融金属浴槽2外に取り外し、堆積したドロス16を従来
から知られている手段によって溶融金属浴槽2の外部に
取り出すことができる。
【0083】図7〜図10は本発明の第1の実施の形態
の溶融めっき金属帯製造装置に設置される囲み部材8の
他の実施の形態を示す図である。図7〜図10中、浴中
の矢印は溶融金属の流れ方向を示す。
【0084】図7では、囲み部材8の金属帯1引き上げ
側の囲み8bは、金属帯1がシンクロール4から離れて
通板される部分ではパスラインと略平行に構成されてい
る。上部領域3Aでは、溶融金属浴3が下部領域3Bに
排出されるまで、金属帯1走行の随伴流の流速が高速に
維持されるので、上部領域3Aの溶融金属浴3は下部領
域3Bにより効率よく流出される。囲み部材8の金属帯
1引き上げ側の囲み8b上端はシンクロール4最上部よ
り高く、浴面から100mm以上の深さであることが好
ましい。囲み部材8の金属帯1引き上げ部側の囲み8b
上端がシンクロール4最上部より高くなると溶融金属浴
槽2底部から巻き上げたドロスが上部領域3Aに流入し
やすくなり、また浴面より100mm未満になると随伴
流が浴面を攪拌してトップドロスの発生量を増加させる
ためである。
【0085】図8では、図7に示した囲み部材8におい
て、その金属帯1引き上げ側の囲み8b上端外側に、下
部領域3Bで沈降堆積しているドロスの巻き上げを防止
するための巻き上げ防止板14が付設されている。巻き
上げ防止板14を付設することによって、上部領域3A
から流出する溶融金属浴3の流れによって、下部領域3
Bで沈降堆積しているドロスが上部領域3Aの金属帯1
引き上げ側の領域に巻き上げられることが防止される。
浴面の乱れを抑制する観点から、巻き上げ防止板14は
水平面に対して斜め前方に傾斜していることが好まし
い。巻き上げ防止板14は、囲み部材8の金属帯1引き
込み側の囲み8a上端および金属帯1端部側の囲み8c
上端にも設置しても良い。
【0086】図9では、図7に示した囲み部材8におい
て、金属帯1引き上げ側の囲み8b上端外側に図8に付
設されたのと同様の巻き上げ防止板14が設置され、さ
らに前記巻き上げ防止板14と浴面との間に随伴流の流
れ方向を変更し、かつ随伴流が浴面を乱すことを防止す
るために、整流板15が浴面に略平行に設置されてい
る。整流板15の金属帯1側端部は、随伴流の方向転換
を行い易くするために、上部領域3Aの随伴流の流路よ
りも金属帯1に近くなるように設置することが好まし
い。但し、金属帯1との接触を避けるために金属帯1か
ら30mm以上離すことが望ましい。
【0087】図10では、囲み部材8は、金属帯1随伴
流を金属帯1から離れさせかつ随伴流が浴面を乱さない
ようにする整流構造物16が付設されている。整流構造
物16は、従来技術の装置でサポートロールが配置され
ていた場所に設置されている。
【0088】囲み部材8の金属帯1引き上げ側の囲み8
bは、外側上方に傾斜して構成され、その上端外側に、
図8の巻き上げ防止板14と同様の作用をする巻き上げ
防止板14が付設されている。
【0089】整流構造物16は、金属帯1引き上げ側の
囲み8bとパスラインとの間に付設されている。該整流
構造物16は、パスラインに対向する側16aがパスラ
インと略平行で、金属帯1引き上げ側の囲み8bに対向
する側16bは金属帯1引き上げ側の囲み8bに略平行
に構成され、さらに該整流構造物16の上部16cは略
水平に構成されるとともに、その金属帯1引き上げ側の
囲み8bに対向する側に略水平な整流板16dが付設さ
れている図10の装置では、囲み部材8が上記のように
構成されているので、該囲み8bと整流構造物16に挟
まれる領域で金属帯1随伴流の流速を低下させずに金属
帯1から離れさせかつ随伴流が浴面を乱さないようにす
ることができる。金属帯1との接触防止の観点から、こ
の整流構造物16と金属帯1との間隔は30mm以上と
することが望ましい。
【0090】図11は本発明の第2の実施の形態の溶融
めっき金属帯製造装置の構成を示す図である。本構成で
は、形状矯正装置9をガスワイピングノズル6の直後に
配置する図3に示す構成に代えて、形状矯正装置9をガ
スワイピングノズル6の直前に配置したことが特徴であ
る。ここで直前とは、ガスワイピングノズル6に近けれ
ばより良い制御が行えることを意味しているが、実ライ
ンでは溶融金属浴3からガスワイピングノズル6までの
間に設置すれば良い。本装置でも前記図3に示した装置
と同様の効果を奏することができる。
【0091】
【実施例】(実施例1)本発明例については、図3に示
した溶融めっき金属帯製造装置を用いて、幅1200m
m、厚み1.0mmの鋼帯1を速度90mpm、張力2
kg/mm2で連続的に通板させ、ガスワイピングノズ
ル6により鋼帯片面当りの付着量を45g/m2になる
ようにガス圧力を調整して溶融亜鉛めっき鋼帯を製造し
た。シンクロール4は直径800mmで、余剰の亜鉛を
払拭するために設けたガスワイピングノズル6直後の鋼
帯1幅方向3箇所に設けた磁力(静磁場)によりC反り
矯正を行う電磁石13を鋼帯パスラインから20mm離
れた位置に設置した。この電磁石13を用いた形状矯正
装置9を用いて、ガスワイピングノズル6部での鋼帯1
C反り量がなくなるように位置センサ10で計測した鋼
帯1のC反り量に応じて各電磁石13の電流調整を行っ
た。溶融金属浴3内に設置した囲み部材8の鋼帯面に対
面する側は、シンクロール4に沿うような形状とし、鋼
帯1との間隔を最小で150mmとした。またシンクロ
ール4最上部と浴面との距離は約600mmとした。
【0092】前記で製造した溶融亜鉛めっき鋼帯につい
て、300mm角のサンプルで鋼帯表面を観察したとこ
ろ、ドロスは確認できなかった。また、鋼帯1幅方向の
付着量の偏差は約±5g/m2であった。
【0093】一方、比較のために、図12に示したサポ
ートロール5を有する装置で、前記と同一サイズの鋼帯
1をライン速度90mpm、鋼帯片面当りの付着量を4
5g/m2に調整して溶融亜鉛めっき鋼帯を製造し、前
記と同様の調査をしたところ、鋼帯1幅方向の付着量の
偏差は約±10g/m2であり、300mm角のサンプ
ルのドロス個数は約20個であった(従来例)。また、
図3に示した装置で、浴中の囲み部材8を取り除き、本
発明例と同様の条件で溶融亜鉛めっき鋼帯を製造した場
合には、300mm角のサンプルのドロス個数は約10
個であった。鋼帯1の幅方向の付着量の偏差は約±5g
/m2であった(比較例)。
【0094】前記のように、本発明例では、従来例に比
べて、鋼帯1に付着するドロスを抑制し、かつ鋼帯1幅
方向の付着量がより均一化されている。比較例は、囲み
部材8を取り除いたのでドロスの発生が抑制されていな
い。
【0095】(実施例2)本発明例については、図3に
示した溶融金属めっき装置を用いて、幅1200mm、
厚み1.0mmの鋼帯1を速度90mpm、張力2kg
/mm2で連続的に通板させ、ガスワイピングノズル6
により鋼帯片面当りの付着量を45g/m 2になるよう
にガス圧力を調整して溶融亜鉛めっき鋼帯を製造した。
シンクロール4は直径950mmで、余剰の亜鉛を払拭
するために設けたガスワイピングノズル6直後の鋼帯1
幅方向3箇所に設けた磁力(静磁場)により鋼帯1C反
り矯正を行う電磁石13をパスラインから20mm離れ
た位置に設置した。この電磁石13を用いた形状矯正装
置9を用いて、ガスワイピングノズル部でのC反り量が
なくなるように位置センサ10で計測した鋼帯1のC反
り量に応じて各電磁石13の電流調整を行った。溶融金
属3内に設置した囲み8の鋼帯面に対面する側は、シン
クロール4に沿うような形状とし、鋼帯1との間隔を最
小で100mmとした。またシンクロール4最上部と浴
面との距離は約200mmとした。
【0096】前記で製造した溶融亜鉛めっき鋼帯につい
て、300mm角のサンプルで鋼帯表面を観察したとこ
ろ、ドロスは確認できなかった。また、鋼帯1幅方向の
付着量の偏差は約±5g/m2であった。
【0097】一方、比較のために、図12に示したサポ
ートロール5を有する装置で、前記と同一サイズの鋼帯
1をライン速度90mpm、鋼帯片面当りの付着量を4
5g/m2に調整して溶融亜鉛めっき鋼帯を製造し、前
記と同様の調査をしたところ、鋼帯1幅方向の付着量の
偏差は約±10g/m2であり、300mm角のサンプ
ルのドロス個数は約17個であった(従来例)。また、
図3に示した装置で、浴中の囲み部材8を取り除き、本
発明例と同様の条件で溶融亜鉛めっき鋼帯を製造した場
合には、300mm角のサンプルのドロス個数は約14
個であった。鋼帯1幅方向の付着量の偏差は約±4g/
2であった(比較例)。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
浴中サポートロールを用いずに溶融めっき金属帯を製造
できるので、浴中サポートロールに起因する欠陥のない
溶融めっき金属帯を製造することができる。また、浴中
サポートロールのメンテナンスが不要となるため、溶融
めっき金属帯の製造効率を上げることができる。また、
浴中サポートロールのメンテナンスが不要となるため、
メンテナンス費用を削減することができる。
【0099】また、本発明によれば、厚物金属帯であっ
てもガスワイピングノズル部における金属帯の反りを平
坦にして、金属帯幅方向に均一な付着量の溶融めっき金
属帯を製造することができる。
【0100】また、本発明によれば、ドロス付着による
品質欠陥の発生を抑制する作用が優れるので、金属帯通
板速度を低下しないですなわち生産効率を低下しないで
ドロス欠陥のない高品質の溶融めっき金属帯を製造でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属帯幅方向反り発生機構を説明する図。
【図2】サポートロールの反り矯正機能を説明する図。
【図3】本発明の第1の実施の形態の溶融めっき金属帯
製造装置の構成を示す図。
【図4】図3の装置に設けた囲み部材の作用を説明する
図。
【図5】シンクロール径と鋼帯C反り量の関係を示す
図。
【図6】電磁石を用いた形状矯正装置の構成を示す図。
【図7】本発明の第1の実施の形態の溶融めっき金属帯
製造装置に設置される囲み部材の別の実施の形態を示す
図。
【図8】本発明の第1の実施の形態の溶融めっき金属帯
製造装置に設置される囲み部材の別の実施の形態を示す
図。
【図9】本発明の第1の実施の形態の溶融めっき金属帯
製造装置に設置される囲み部材の別の実施の形態を示す
図。
【図10】本発明の第1の実施の形態の溶融めっき金属
帯製造装置に設置される囲み部材の別の実施の形態を示
す図。
【図11】本発明の第2の実施の形態の溶融めっき金属
帯製造装置の構成を示す図。
【図12】従来技術の溶融めっき金属帯製造装置の構成
を示す図。
【符号の説明】
1 金属帯(鋼帯) 2 溶融金属浴槽 3 溶融金属浴 4 方向転換ロール(シンクロール) 5 サポートロール 6 ワイパ(ガスワイピングノズル) 7 スナウト 8 囲み部材 8a 囲み部材の金属帯引き込み側の囲み 8b 囲み部材の金属帯引き出し側の囲み 8c 囲み部材の金属帯端部側(シンクロール軸方向
側)の囲み 9 形状矯正装置 10 位置センサ 11 制御器 12 増幅器 13 電磁石 14 巻き上げ防止板 15 整流板 16 整流構造物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 俊夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 壁矢 和久 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 蒲 昭 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 宮川 洋一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K027 AA05 AC32 AC52 AC62 AD08 AD17 AD20 AD29 AE04 AE06 AE08

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属帯をめっき金属である溶融金属浴内
    に引き込み、前記金属帯に溶融金属を付着させる引込工
    程と、 前記溶融金属浴内に引き込まれた金属帯を囲むように形
    成された囲み部材により、前記溶融金属浴内が溶融金属
    の流動可能な状態で上部領域と下部領域に分割されてお
    り、前記金属帯は前記上部領域で方向転換ロールにより
    方向転換されるとともに、方向転換後には溶融金属浴で
    ロールに接することなく溶融金属浴外へ引き上げられる
    引上工程と、 前記金属帯に付着した過剰の溶融金属を払拭するワイパ
    によって、溶融金属の付着量を調整する調整工程と、 前記ワイパの直前又は直後で前記金属帯の形状を磁力に
    より非接触で矯正する形状矯正工程とを有することを特
    徴とする溶融めっき金属帯の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記上部領域で発生したドロスを含む溶
    融金属浴は、前記囲み部材の金属帯の溶融金属浴外への
    引き上げ側から前記下部領域に流出され、前記下部領域
    で、溶融金属浴に含まれるドロスが沈降除去されて溶融
    金属浴が清浄化され、清浄化された溶融金属浴は、前記
    囲み部材の金属帯の溶融金属浴への引き込み側から前記
    上部領域に導入されることを特徴とする請求項1に記載
    の溶融めっき金属帯の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記囲み部材は、溶融金属浴面下に設け
    られていることを特徴とする請求項1または2に記載の
    溶融めっき金属帯の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記方向転換ロールと前記囲み部材の最
    近接距離が50mm以上400mm以下であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融めっき金
    属帯の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記方向転換ロール最上部と溶融金属浴
    面との間隔が50mm以上400mm以下であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶融めっき
    金属帯の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記方向転換ロールの外径はφ850m
    m以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載の溶融めっき金属帯の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記方向転換ロール下面と溶融金属浴底
    部の間隔は400mm以上である(請求項4の場合には
    400mmに囲み部材の厚さを加えた値を超えるもので
    ある)ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    の溶融めっき金属帯の製造方法。
  8. 【請求項8】 金属帯をめっき金属である溶融金属の浴
    中に引き込むことにより溶融めっき金属帯を製造する装
    置において、 前記溶融金属を保持してその溶融金属を前記金属帯に付
    着させるとともに、前記溶融金属浴中にて前記金属帯を
    方向転換させる方向転換ロールを有するとともに、方向
    転換後には前記金属帯に接するロールを有さない溶融金
    属浴槽と、 前記溶融金属浴槽内に、溶融金属浴内に引き込まれた金
    属帯を囲み、且つ前記溶融金属浴内が溶融金属の流動可
    能な状態で上部領域と下部領域に分割するように形成さ
    れ、前記上部領域で方向転換ロールにより方向転換され
    た金属帯が溶融金属浴外に引き上げられるように形成さ
    れた囲み部材と、 前記金属帯に付着した過剰の溶融金属を払拭してその付
    着量を調整するワイパと、 前記ワイパの直前又は直後で前記金属帯の形状を磁力に
    より非接触で矯正する形状矯正装置とを備えたことを特
    徴とする溶融めっき金属帯の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記囲み部材は、前記金属帯の溶融金属
    浴外への引き上げ側の囲み部側から、前記上部領域で発
    生したドロスを含む溶融金属浴が前記下部領域に流出さ
    れ、また前記金属帯の溶融金属浴への引き込み側の囲み
    部側から、前記下部領域でドロスが沈降除去されて清浄
    化された溶融金属浴が前記上部領域に導入されるように
    構成されていることを特徴とする請求項8に記載の溶融
    めっき金属帯の製造装置。
  10. 【請求項10】 前記囲み部材は、溶融金属浴面下に設
    けられていることを特徴とする請求項8または9に記載
    の溶融めっき金属帯の製造装置。
  11. 【請求項11】 前記方向転換ロールと前記囲み部材の
    最近接距離が50mm以上400mm以下であることを
    特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の溶融めっ
    き金属帯の製造装置。
  12. 【請求項12】 前記方向転換ロール最上部と溶融金属
    浴面との間隔が50mm以上400mm以下であること
    を特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の溶融め
    っき金属帯の製造装置。
  13. 【請求項13】 前記方向転換ロールの外径がφ850
    mm以上であることを特徴とする請求項8〜12のいず
    れかに記載の溶融めっき金属帯の製造装置。
  14. 【請求項14】 前記方向転換ロール下面と前記溶融金
    属浴槽底部の間隔は400mm以上である(請求項11
    の場合には400mmに囲み部材の厚さを加えた値を超
    えるものである)ことを特徴とする請求項8〜13のい
    ずれかに記載の溶融めっき金属帯の製造装置。
  15. 【請求項15】 請求項8〜14の何れかに記載の溶融
    めっき金属帯の製造装置に設置される囲み部材であっ
    て、該囲み部材の金属帯引き上げ側の囲みは、金属帯が
    シンクロールから離れて通板される部分ではパスライン
    と略平行に構成され、該金属帯引き上げ側の囲み上端は
    シンクロール最上部より高く且つ浴面から100mm以
    上となるように構成されていることを特徴とする囲み部
    材。
  16. 【請求項16】 請求項8〜14の何れかに記載の溶融
    めっき金属帯の製造装置に設置される囲み部材であっ
    て、該囲み部材の金属帯引き上げ側の囲みの上端外側
    に、溶融金属浴下部領域で沈降堆積しているドロスの巻
    き上げを防止するための巻き上げ防止板が付設されてい
    ることを特徴とする囲み部材。
  17. 【請求項17】 請求項8〜14の何れかに記載の溶融
    めっき金属帯の製造装置に設置される囲み部材であっ
    て、該囲み部材の金属帯引き上げ側の囲みの上端外側
    に、溶融金属浴の下部領域で沈降堆積しているドロスの
    巻き上げを防止するための巻き上げ防止板が付設される
    とともに、さらに該巻き上げ防止板と浴面との間に随伴
    流の流れ方向を変更し、かつ随伴流が浴面を乱すことを
    防止するための整流板が浴面に略平行に付設されている
    ことを特徴とする囲み部材。
  18. 【請求項18】 前記囲み部材の金属帯引き上げ側の囲
    みは、金属帯がシンクロールから離れて通板される部分
    ではパスラインと略平行に構成され、該金属帯引き上げ
    側の囲み上端はシンクロール最上部より高く且つ浴面か
    ら100mm以上となるように構成されていることを特
    徴とする請求項16または17に記載の囲み部材。
  19. 【請求項19】 請求項8〜14の何れかに記載の溶融
    めっき金属帯の製造装置に設置される囲み部材であっ
    て、該囲み部材の金属帯引き上げ側の囲みは上方外側に
    向かって傾斜状に構成され、さらに前記金属帯引き上げ
    側の囲みとパスラインとの間に金属帯随伴流を金属帯か
    ら離れさせかつ随伴流が浴面を乱さないようにするため
    の整流構造物が付設されるとともに、該整流構造物は、
    パスラインに対向する側がパスラインと略平行で、金属
    帯引き上げ側の囲みに対向する側が金属帯引き上げ側の
    囲みに略平行に構成されていることを特徴とする囲み部
    材。
  20. 【請求項20】 前記金属帯引き上げ側の囲み上端外側
    に溶融金属浴下部領域で沈降堆積しているドロスの巻き
    上げを防止するための巻き上げ防止板が付設され、また
    前記整流構造物の上部は略水平に構成されるとともに、
    その金属帯引き上げ側の囲みに対向する側に略水平な整
    流板が付設されていることを特徴とする請求項19に記
    載の囲み部材。
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