JP3883644B2 - 引出線自動作成方法ならびにそのための引出線自動作成装置およびプログラム記憶媒体 - Google Patents

引出線自動作成方法ならびにそのための引出線自動作成装置およびプログラム記憶媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、引出線の自動設定に関し、特に道路位置を示す道路線や、道路に設置の各種施設を示す施設線、および施設線からの引出部とこれに続く説明情報案内部とからなる引出線を記した図面上の任意の範囲(例えば特定の道路路線)に属する引出線の位置を情報処理装置により調整して、引出線やそこに記される説明情報(施設線の種別、管径、設置深さ、設置年月日など)を見やすくするためのものである。
【0002】
一般に、道路およびそこへの埋設物件(ガス管、水道管、通信ケーブルなどの各種施設)をデ−タべ−ス化して作成される道路現況図などでは、その中の特定範囲だけを取り出したかたちの部分図面を使用することが少なくない。例えば、国や各自治体の道路管理者が所轄する道路部分(の一部)とそこへの埋設物件を横展開形式で記した路線図などである。
【0003】
この場合、路線図それ自体においても、各施設線の引出線やそこに記される説明情報などを利用者が見やすい形に自動設定することが望ましく、本発明はこのような要請に応えるものである。
【0004】
【従来の技術】
図7は、従来の、引出線自動設定方式を示す説明図であり、101は道路現況図などの一部、102は道路境や側溝などに対応の道路線、103は道路外ポリゴン領域(多角形領域)、104〜106は施設線、107は引出線設定対象範囲、108は引出線設定用の矩形領域、109は矩形領域108の底辺、110〜112は引出線、113〜115は説明情報表示域、A〜A″は各引出線の引出点、B〜B″は各引出線の中間点、C〜C″は各引出線の終点、T〜Wは道路線102および道路外ポリゴン領域103の特徴点をそれぞれ示している。
【0005】
ここで、T〜Wなどの特徴点からなる道路線レコード(道路外ポリゴンレコード)、および施設線レコードなどはあらかじめ外部記憶装置に保持されており、引出線設定対象範囲107および各始点A〜A″の位置デ−タや、各説明情報案内部BC〜B″C″の長さデ−タについてはそれぞれの担当企業体が自施設線を図面上に記入する際に個々に入力している。
【0006】
この場合、これらの保持デ−タおよび入力デ−タに基づいて、
・先ず、引出線設定対象範囲107の近くの道路線からなる道路外ポリゴン領域103に当該道路線の一部(道路線分)を含んだかたちの矩形領域108を自動設定し、
・次に、この矩形領域108の内部に、各引出線110〜112の説明情報案内部BC〜B″C″を道路線分に対し直角の方向に等間隔で自動設定している。
【0007】
なお、矩形領域108や説明情報案内部BC〜B″C″を自動設定するときの具体的な処理手順などは、本件出願人が先に提案した特許出願(特開平7−73209号公報)で開示している。
【0008】
図8は、一般的な、コンピュータマッピングシステムで用いられるハードウェアの概要を示す説明図であり、121はホストコンピュータ、122はワーク領域、123は道路線レコード(道路外ポリゴンレコード)、施設線レコード、引出線レコードなどを格納する大容量の外部記憶装置、124はアプリケーションプログラムを格納する外部記憶装置、125は図面番号、縮尺、引出線設定対象範囲、引出線の始点、説明情報、説明情報案内線分の長さなどを入力するためのキーボードやマウスなどの入力部、126は紙図面上で施設線や道路線などの各特徴点、引出線設定対象範囲、引出線の始点などを入力するためのディジタイザ、127は入力デ−タや作成図面の内容等を確認するための表示部、128は作成図面等を紙出力するためのプロッターをそれぞれ示している。
【0009】
図面上の各種の線をデ−タ化するときの特徴点としては、例えば、
・線分列の場合は各線分の端点(接続点)
・円弧の場合はその端点と中心点
などを用いている。
【0010】
図9および図10は、一般的な、道路外ポリゴンレコードおよび引出線レコードや、施設線レコードそれぞれのフォーマットを示す説明図であり、131ないし133は各レコードのヘッダ部、134ないし136は各レコードの座標デ−タ部、137は引出線、138は角度基準線、139は施設線をそれぞれ示している。
【0011】
各レコードのヘッダ部131ないし133にはレコード番号が保持されており、引出線レコードの方には説明情報案内線分の角度基準線138に対する回転角度θ、記述される説明情報の大きさや記述段数が、また、施設線レコードの方にはその施設線の属性や大きさを示す情報がそれぞれ付加されている。
【0012】
各レコードの座標デ−タ部134ないし136には道路外ポリゴン領域103、引出線137および施設線139を構成する図形要素(線分や円弧など)の特徴点の座標デ−タと当該座標デ−タの個数が保持され、この座標デ−タ部における「−1,0」はその前の特徴点で図形要素が終了したことを示している。
【0013】
ヘッダ部131および132の各デ−タの中、回転角度θは32ビットの実数デ−タ、それ以外のレコード番号などは16ビットの整数デ−タであり、また、座標デ−タ部134および135の各デ−タは16ビットまたは32ビットの整数デ−タになっている。
【0014】
ヘッダ部133の各デ−タの中、レコード番号および口径は16ビットの整数デ−タ、長さは32ビットの整数デ−タ、圧力は8ビットの文字デ−タ、材料は16ビットの文字デ−タであり、また、座標デ−タ部136の各デ−タは32ビットの整数デ−タになっている。
【0015】
図11は、図7の引出線自動設定方式により作成した道路現況図の概要を示す説明図であり、道路現況図141の各道路部分にはそこに設置済の各施設を示す施設線やそれぞれの引出線(図示省略)が記されている。
【0016】
ここでは、道路現況図141から抽出した任意の路線図をその中の道路部分が見やすい方向(例えば横方向)となるように回転させており、PないしRは抽出範囲を指定するための入力点、142は回転処理前の路線図、143は回転処理後の路線図をそれぞれ示している。路線図142は、線分PQとこれに平行で点Rを通る線分とからなる矩形領域として特定される。
【0017】
図12は、路線図を抽出して回転させるときの処理手順を示す説明図であり、その内容は次のようになっている。
(31)マウスやカ−ソルなどを操作して、表示画面中の道路現況図141(占用物件管理図)の上でP〜Rの各点を入力する。
(32)線分PQの傾きを計算する。
(33)路線図142に属する各線(道路線、施設線、引出線など)のレコ−ドを外部記憶装置123から取り出してワ−ク領域122に保持する。なお、路線図142に属する各線を取り出すには、後述のように、特開平5−108729号公報や特開平5−233770号公報などで開示の手順を用いればよい。
(34)線分PQとx軸とが平行になるように路線図142を前記傾きだけ回転させたときの、これら各線の特徴点の新座標デ−タを算出して外部記憶装置123に格納する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の引出線自動設定方式の場合、道路線からなる道路外ポリゴン領域に当該道路線の一部(道路線分)を含むかたちの矩形領域を確保してから、その中に、引出線の説明情報案内部をこの道路線分に対し所定の方向(例えば直角方向)に設定しているので、説明情報案内部の向きは当該道路線分のそれに対応することになり、そこに記入される説明情報の方向が利用者にとって必ずしも見やすいかたちにはならないとう問題点があった。
【0019】
特に、道路現況図の特定路線の部分(道路)を取り出して作成する路線図の場合、回転処理により略横方向に設定された道路以外の余白部分の説明情報案内部が横方向でないと、そこに記された説明情報の見にくさが際立つことになる。
【0020】
そこで、本発明では、すでに各施設線の引出線のレコード(図9参照)が個々に入力されている道路現況図などの任意の範囲に属する各引出線を、自動的に、それぞれの説明情報案内部の長さを加算した値に対応の全体長と、引出線設定対象域の基準長とに基づいてグル−プ化し、各グル−プの引出線の説明情報案内部をそれぞれの例えば引出点のx座標の順に横方向の状態で、かつそれぞれが重複することのないかたちに配置することにより、そこに記述される説明情報の全体を利用者がみやすいものにすることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明では、次の構成からなる引出線自動作成方法ならびにそのための引出線自動作成装置およびプログラム記憶媒体を用いることを基本としている。
(1)情報処理装置が、道路線や、道路に設置された各種施設を示す施設線および、当該施設線からの引出部とこれに続く説明情報案内部とからなる引出線が記される図面上の任意の範囲の当該引出線を自動設定する引出線自動作成方法であって、
前記情報処理装置は、その記憶手段により、前記道路線,前記施設線および前記引出線を示す各データを保持し、
前記情報処理装置は、その入力手段により、前記引出線の自動設定の対象である前記範囲が特定され、
前記情報処理装置は、その引出線設定手段により、
前記記憶手段の前記各データに基づいて、
前記入力手段で特定された前記範囲に属する各引出線の前記説明情報案内部の長さの加算値に対応した第1の全体長を算出し、
この第1の全体長と、引出線設定対象域の基準長との大小関係を演算し、
この演算結果に応じて、前記第1の全体長が前記基準長より短い場合には、前記範囲に属する各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することない形で所定の一方向に設定し、また、前記基準長が前記第1の全体長より短い場合には、前記範囲に属する各引出線を区分けしてそれぞれに属する前記説明情報案内部の長さの加算値に対応した第2の全体長が当該基準長より短くなるようにグループ化した上で、このグループごとに、各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することのない形で所定の一方向に設定する、
ことを特徴とする引出線自動作成方法
(2)道路線や、道路に設置された各種施設を示す施設線および、当該施設線からの引出部とこれに続く説明情報案内部とからなる引出線が記される図面上の任意の範囲の当該引出線を自動設定する引出線自動作成装置であって、
前記道路線,前記施設線および前記引出線を示す各データを保持する記憶手段と、
前記引出線の自動設定の対象である前記範囲を特定する入力手段と、
前記記憶手段の前記各データに基づいて、
前記入力手段で特定された前記範囲に属する各引出線の前記説明情報案内部の長さの加算値に対応した第1の全体長を算出し、
この第1の全体長と、引出線設定対象域の基準長との大小関係を演算し、
この演算結果に応じて、前記第1の全体長が前記基準長より短い場合には、前記範囲に属する各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することない形で所定の一方向に設定し、また、前記基準長が前記第1の全体長より短い場合には、前記範囲に属する各引出線を区分けしてそれぞれに属する前記説明情報案内部の長さの加算値に対応した第2の全体長が当該基準長より短くなるようにグループ化した上で、このグループごとに、各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することのない形で所定の一方向に設定する引出線設定手段と、を備えた、
ことを特徴とする引出線自動作成装置
(3)情報処理装置の引出線設定手段が、道路線や、道路に設置された各種施設を示す施設線および、当該施設線からの引出部とこれに続く説明情報案内部とからなる引出線が記される図面の一部で入力手段により特定される任意の範囲の当該引出線を、記憶手段に保持済みの当該道路線,当該施設線および当該引出線の各データに基づいて自動設定する、ためのプログラムを格納した記憶媒体であって、
前記引出線設定手段に、
前記記憶手段の前記各データに基づいて、
前記入力手段で特定された前記範囲に属する各引出線の前記説明情報案内部の長さの加算値に対応した第1の全体長を算出する機能と、
この第1の全体長と、引出線設定対象域の基準長との大小関係を演算する機能と、
この演算結果に応じて、前記第1の全体長が前記基準長より短い場合には、前記範囲に属する各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することない形で所定の一方向に設定し、また、前記基準長が前記第1の全体長より短い場合には、前記範囲に属する各引出線を区分けしてそれぞれに属する前記説明情報案内部の長さの加算値に対応した第2の全体長が当該基準長より短くなるようにグループ化した上で、このグループごとに、各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することのない形で所定の一方向に設定する機能と、
を実現させるためのプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体
【0022】
また、前記引出線設定手段は、
(4)前記各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することのない形で所定の一方向に設定するに際し、当該説明情報案内部を、当該各引出線の特徴点の座標データ順に整列させる、
(5)前記グループ化を、前記各引出線の特徴点の座標データに基づいて行う、
(6)前記特徴点として、前記引出部の始点に相当する引出点を用いる、
ことなども実行する。
【0023】
なお、各引出線をグル−プ化したり、各引出線の整列順を決めるときに用いる特徴点としてはそれぞれの中間点(図9参照)でもよく、当該特徴点の座標デ−タとしてはそのx座標デ−タ、y座標デ−タのいずれでもよい。また、各引出線を、それぞれの引出元の施設線の種別に基づいてグル−プ化するようにしてもよい。
【0024】
本発明は、このような構成をとっているので、例えば各公共企業体が独自に自施設の引出線レコ−ドを入力して道路現況図を作成したり、この中の特定道路部分を抽出して当該道路が略左右方向となるように回転させたかたちの路線図を作成する場合にも、この引出線レコ−ドに基づいて各引出線の説明情報案内部の位置を利用者がみやすいかたちに自動設定する、すなわち説明情報案内部のそれぞれが重複せずに、かつ図面上で横方向となるように配置することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1乃至図6を参照して本発明の実施の形態を説明する。
なお、以下の説明では、図8乃至図10と同様のハ−ドウェア構成やデ−タフォ−マットを用いることを前提とし、引出線の自動作成に必要な道路線レコ−ドや施設線レコ−ド、引出線レコードなどは例えば道路現況図上のx,y座標系における位置デ−タを用いた形式で外部記憶装置123に保持されているものとする。
【0026】
また、説明の便宜上、グル−プ内での各引出線の整列順を決めるときの特徴点としてはそれぞれの引出点を用い、かつ、そのときの座標デ−タとしては当該引出点のx座標を用いることにする。
【0027】
図1は、本発明の引出線自動作成システムの概要を示す説明図である。
図において、
1は、引出線自動設定後の路線図(表示画面)であり、道路線2、ガス管や水道管などの各種施設の設置位置を示す施設線3〜5、および当該施設線からの引出線6〜8が記されている。
9は、ファイル装置であり、路線図1の抽出元となる占用物件管理図(道路現況図)における道路線や施設線、引出線などの各レコードを保持している。なお、これらのレコードは各公共企業体が自ら担当する施設線やその引出線などについて個々に入力したものである。
10は、対象範囲設定手段であり、マウスなどで特定される矩形領域の中の道路線や施設線、引出線の各レコードをファイル装置9から取り出している。
11は、引出線設定手段であり、後述の処理手順にしたがって、路線図1の中に、各引出線6〜8の説明情報案内部6d〜8dの位置を自動調整している。
【0028】
各引出線6〜8の構成要素は、前述のように、
・施設線3〜5からの引出点6a〜8a
・引出点6a〜8aのそれぞれに対応した中間点6b〜8b
・引出点6a〜8aを始点とし、中間点6b〜8bを終点とする引出部6c〜8c
・中間点6b〜8bを始点とする説明情報案内部6d〜8d
などである。
【0029】
ここで、引出線設定手段11における処理手順は次のようになっている。
(1) 引出線の自動設定対象範囲に属する道路線2、施設線3〜5および引出線6〜8の各レコードをファイル9から取り出してワーク領域122に保管する。
(2) 引出線6〜8それぞれの説明情報案内部6d〜8dの合計長に所定値αを付加したSを求める。所定値αは、隣の引出線との間の間隔をどの程度にするかなどを考慮してあらかじめ設定される。
(3) このSと、引出線設定対象域基準長Lとが「L>S」になっているかどうかを判断し、「YES 」の場合は次のステップに進み、「NO」の場合はステップ(5) に進む。
(4) 路線図1における説明情報案内部6d〜8dをそれぞれの引出点6a〜8aのx座標順に等間隔で横方向(x軸方向)に一列に配置する。
(5) 自動設定対象範囲の各引出線をそれぞれの引出点のx座標デ−タに基づいて「L>S」となるようなグル−プに区分けした上で、このグル−プごとにステップ(4) と同様の処理を実行する(図2及び図3参照)。
【0030】
なお、路線図1が道路現況図の対応部分を回転させたものであるときには、道路線2、施設線3〜5および引出線6〜8の各レコードをファイル装置9から取り出し、それぞれの特徴点の座標デ−タを回転処理(図12参照)してからステップ(2) へと移行する。
【0031】
また、以上の手順で求めた各説明情報案内部の端点6b〜8b(x座標が小さい方の端点)と引出点6a〜8aとを結ぶことにより、引出部6c〜8cおよび説明情報案内部6d〜8dからなる引出線6〜8の自動作成処理が終了する。
【0032】
自動設定対象範囲に属する各線(道路線、施設線など)の選択は、特開平5−108729号公報や特開平5−233770号公報などで開示されるように、対象範囲を特定する特徴点の最大値、最小値と各線のそれとの比較処理などによって行われる。
【0033】
なお、道路線や施設線などが自動設定対象範囲の内外にまたがるときは、それと対象範囲構成線分との交点を当該施設線の外側端点に代わる新たな端点とすればよく、引出線が自動設定対象範囲の内外にまたがるときはこれを当該範囲の内部に平行移動させればよい。
【0034】
図2は、各引出線の説明情報案内部を横一列(一段)に自動設定した路線図を示す説明図であり、20は路線図、21は道路線、22〜25は施設線、26〜30は引出線、Lは引出線設定対象域の基準長、hは説明情報案内部の高さ、d0は基準長L部分の始点までのx軸方向スペ−ス長(例えば20文字分)、d1は隣の説明情報案内部との間に設定するx軸方向スペ−ス長をそれぞれ示している。各引出線の参照数字の次のsはその引出点を、またiはその説明情報案内部を示すものである。
【0035】
この路線図は、引出線26〜30の各説明情報案内部26i〜30iの長さの加算値にαを付加した全体長Sが基準長Lより小さいときのものである。
そして、横一列に配置できることが分かった各説明情報案内部を実際に自動設定する際のスペ−ス長d1は「〔L−Σ(説明情報案内部の長さ)〕÷〔n〕」の計算式により求めている。〔n〕は、後述のように、一段に配置可能な説明情報案内部の個数である(図5参照)。
【0036】
図2の各説明情報案内部26i〜30iの配置順序は、それぞれの引出点26s〜30sの路線図20におけるx座標デ−タの小さい方から大きい方へとなっている。
【0037】
図3および図4は、各引出線の説明情報案内部をそれぞれ横方向に、かつ複数段に自動設定した路線図を示す説明図であり、21は道路線、22〜25は施設線、41〜77は引出線、d2は一つ下の説明情報案内部との間に設定するx軸方向のスペ−ス長(例えば2文字分)、h1は一つ下の説明情報案内部との間に設定するy軸方向のスペ−ス長(例えば1文字分)をそれぞれ示しており、その他のL,h,d0,d1,s,iはそれぞれ図2の使い方と同様である。
【0038】
図3および図4の場合、すべての引出線を横一列に配置することができないため先ず当該引出線のグル−プ化を行なってからそのグル−プごとに引出線の自動設定処理を実行している。
【0039】
図3の路線図は、各引出線をそれぞれの対象施設線の種別に基づいて、
・引出線41乃至47の上グル−プ
・引出線48乃至53の下グル−プ
とに区分けした上で、各グル−プに属する各引出線をその引出点のx座標順に横一列に配置したかたちになっている。
【0040】
図4の路線図は、各引出線を図3の場合と同じル−ルで、
・引出線54乃至67の上グル−プ
・引出線68乃至77の下グル−プ
とに区分けした上で、各グル−プに属する各引出線の説明情報案内部をそれぞれの引出点のx座標に基づいて当該グル−プ内の上と下へ、交互に、かつ全体として重複のない横二列に配置したかたちになっている。
【0041】
図5および図6は、図2乃至図4の各路線図に対応の引出線自動作成処理手順を示す説明図であり、その内容は次のようになっている。
(11)各定数
・L(引出線設定対象域の基準長)
・K(路線図に含まれる引出線の総数)
・wmax(各引出線の説明情報案内部の最大長)
・h〔説明情報案内部(図4の場合は基準となる説明情報案内部)の高さ〕
・d0(基準長L部分の始点までのx軸方向スペ−ス長)
・d1〔隣の説明情報案内部(図4の場合は隣の小グル−プ)との間のx軸方向スペ−ス長〕
・d2(一つ下の説明情報案内部との間のx軸方向スペ−ス長)
・h1(一つ下の説明情報案内部との間のy軸方向スペ−ス長)
を特定して、次のステップに進む。
(12)変数mの初期値および定数rを、
・1→m
・100→r
に設定して、次のステップに進む。
(13)「〔wmax+(m−1)×d2〕×n+(n−1)×d1〕=L」を満たす実数nを求めて、次のステップに進む。
(14)「〔n〕×m≧K」となっているかどうかを判断し、「YES 」の場合はステップ(17)に進み、「NO」の場合は次のステップに進む。なお、〔n〕はnを越えない最大の整数値を示し、「YES 」の場合は路線図の各引出線の説明情報案内部を少なくともm段に配置すればよいことを示している。
(15)「m≧r」であるかどうかを判断し、「YES 」の場合は一連の処理を終了し、「NO」の場合は次のステップに進む。ここで、「YES 」となるときは後述のように引出線自動作成処理上のエラ−とみなす。
(16)「(m+1)→m」として、ステップ(13)に戻る。
(17)mの値を調べて、「m=1」のときは次のステップに進み、「m=2」のときはステップ(19)に進み、「m≧3」のときはステップ(21)に進む。
(18)各引出線の説情報案内部を、それぞれの引出点のx座標順に横一列に、かつ隣の説明情報案内部との間にd1のスペ−ス長を確保するかたちで配置して(図2参照)、一連の処理を終了する。
(19)各引出線を、それぞれの施設線の種別や引出点のy座標デ−タに基づいて、引出線総数が〔n〕を越えることのない二つのグル−プに分け、次のステップに進む。
(20)グル−プごとに、そこに属する各引出線の説明情報案内部を、それぞれの引出点のx座標順に横一列に、かつ隣の説明情報案内部との間にd1のスペ−ス長を確保するかたちで、道路部分の上側に一方のグル−プを、また道路部分の下側に他方のグル−プをそれぞれ配置して(図3参照)、一連の処理を終了する。
(21)各引出線を、それぞれの施設線の種別や引出点のy座標デ−タに基づいて、引出線総数が略等しくなる上グル−プと下グル−プとに分け、次のステップに進む。
(22)上下のグル−プごとに、そこに属する各引出線の総数で定数Kの値を更新し、かつ「1→m」として、次のステップに進む。
(23)ステップ(13)乃至ステップ(16)の手順を実行してステップ(14)で「YES 」となるmの値を求め、次のステップに進む。
(24)上下のグル−プごとに、そこに属する各引出線の説明情報案内部を、それぞれの引出点のx座標順にm個ずつの小グル−プに区分けして、次のステップに進む。
(25)引出点のx座標デ−タが小さい方の小グル−プから順に、そこに属する各引出線の説明情報案内部を、それぞれの引出点のx座標順に上下に、
・基準となる説明情報案内部の高さ(y座標)を同じとし、
・かつ、一つ上(下)の説明情報案内部との間に、d2のx軸方向スペ−ス長およびh1のy軸方向スペ−ス長を確保し、
・かつ、隣の小グル−プとの間にd1のx軸方向スペ−ス長を確保する、
ように配置して(図4参照)、一連の処理を終了する。
【0042】
ここで、ステップ(11)の、Lはあらかじめ指定し、Kは路線図に属する引出線のレコ−ド数から求め、wmaxは引出線レコ−ドの座標デ−タ(図9参照)から求めればよい。d0、d1、d2およびh1は指定値である。
【0043】
説明情報案内部(図4の場合は小グル−プの中で基準となる説明情報案内部)の高さhは、
・基準道路線分(例えば略x軸方向を向いている道路線分)からの長さとしてあらかじめ設定したり、
・基準道路線分から路線図のx軸方向の縁線までの長さの例えば1/2の値に自動設定している。
【0044】
また、ステップ(12)の、mは引出線の現実の設定段数(結果として、図2の場合は「m=1」、図3の場合は「m=2」)を示す変数、rはなんらかのエラ−によってステップ(14)の結果が「YES 」とならずにmの値が際限なくインクリメントされることを回避するための定数であり、現実に設定される可能性がない範囲での任意の値を用いればよい。m,rはともに整数である。
【0045】
また、上下グル−プそれぞれの各説明情報案内部を小グル−プ化するさいには、これらを、m段に、1段あたり〔n〕個以下といった条件のもとで任意のまとまりの小グル−プに区分けすればよく、例えば、図4のようなy軸方向の小グル−プ化ではなく、x軸方向に配置される説明情報案内部のまとまりを小グル−プとしてもよい。
【0046】
また、図2乃至図4で示したように各段の説明情報案内部の全体を略横一列に配置するのではなく、当該説明情報案内部の全部または一部をそれぞれのy軸方向の位置(高さ)が異なるかたちに配置してもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、このように、すでに各施設線の引出線のレコードが各公共企業体によって個々に入力されている道路現況図などの任意の範囲(例えば路線図)に属する各引出線を、自動的に、それぞれの説明情報案内部の長さを加算した値に対応の全体長と、引出線設定対象域の基準長とに基づいてグル−プ化した上で、各グル−プの引出線の説明情報案内部をそれぞれの例えば引出点のx座標の順に横方向、かつそれぞれが重複することのないかたちに配置しているので、そこに記述される説明情報の全体を利用者がみやすいものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、引出線自動作成システムの概要を示す説明図である。
【図2】本発明の、各引出線の説明情報案内部を横一列(一段)に自動設定した路線図を示す説明図である。
【図3】本発明の、各引出線の説明情報案内部を横方向に、かつ複数段に自動設定した路線図を示す説明図(その1)である。
【図4】本発明の、各引出線の説明情報案内部を横方向に、かつ複数段に自動設定した路線図を示す説明図(その2)である。
【図5】本発明の、図2乃至図4の各路線図に対応の引出線自動作成処理手順を示す説明図(その1)である。
【図6】本発明の、図2乃至図4の各路線図に対応の引出線自動作成処理手順を示す説明図(その2)である。
【図7】従来の、引出線自動設定方式の一例を示す説明図である。
【図8】一般的な、コンピュータマッピングシステムで用いられるハードウェアの概要を示す説明図である。
【図9】一般的な、道路外ポリゴンレコードおよび引出線レコードのフォーマットを示す説明図である。
【図10】一般的な、施設線レコードのフォーマットを示す説明図である。
【図11】一般的な、引出線自動設定方式により作成した道路現況図の概要を示す説明図である。
【図12】一般的な、道路現況図から路線図を抽出して回転させるときの処理手順を示す説明図である。
【符号の説明】
図1において、
1:引出線自動設定後の路線図
2:道路線
3〜5
:施設線(ガス管、水道管など)
6〜8
:引出線
6a〜8a
:引出点
6b〜8b
:中間点
6c〜8c
:引出部
6d〜8d
:説明情報案内部
9:ファイル装置
10:対象範囲設定手段
11:引出線設定手段

Claims (12)

  1. 情報処理装置が、道路線や、道路に設置された各種施設を示す施設線および、当該施設線からの引出部とこれに続く説明情報案内部とからなる引出線が記される図面上の任意の範囲の当該引出線を自動設定する引出線自動作成方法であって、
    前記情報処理装置は、その記憶手段により、前記道路線,前記施設線および前記引出線を示す各データを保持し、
    前記情報処理装置は、その入力手段により、前記引出線の自動設定の対象である前記範囲が特定され、
    前記情報処理装置は、その引出線設定手段により、
    前記記憶手段の前記各データに基づいて、
    前記入力手段で特定された前記範囲に属する各引出線の前記説明情報案内部の長さの加算値に対応した第1の全体長を算出し、
    この第1の全体長と、引出線設定対象域の基準長との大小関係を演算し、
    この演算結果に応じて、前記第1の全体長が前記基準長より短い場合には、前記範囲に属する各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することない形で所定の一方向に設定し、また、前記基準長が前記第1の全体長より短い場合には、前記範囲に属する各引出線を区分けしてそれぞれに属する前記説明情報案内部の長さの加算値に対応した第2の全体長が当該基準長より短くなるようにグループ化した上で、このグループごとに、各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することのない形で所定の一方向に設定する、
    ことを特徴とする引出線自動作成方法。
  2. 前記引出線設定手段は、
    前記各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することのない形で所定の一方向に設定するに際し、当該説明情報案内部を、当該各引出線の特徴点の座標データ順に整列させる、
    ことを特徴とする請求項1記載の引出線自動作成方法。
  3. 前記引出線設定手段は、
    前記グループを、前記各引出線の特徴点の座標データに基づいて行う、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の引出線自動作成方法。
  4. 前記引出線設定手段は、
    前記特徴点として、前記引出部の始点に相当する引出点を用いる、
    ことを特徴とする請求項2または3記載の引出線自動作成方法。
  5. 道路線や、道路に設置された各種施設を示す施設線および、当該施設線からの引出部とこれに続く説明情報案内部とからなる引出線が記される図面上の任意の範囲の当該引出線を自動設定する引出線自動作成装置であって、
    前記道路線,前記施設線および前記引出線を示す各データを保持する記憶手段と、
    前記引出線の自動設定の対象である前記範囲を特定する入力手段と、
    前記記憶手段の前記各データに基づいて、
    前記入力手段で特定された前記範囲に属する各引出線の前記説明情報案内部の長さの加算値に対応した第1の全体長を算出し、
    この第1の全体長と、引出線設定対象域の基準長との大小関係を演算し
    この演算結果に応じて、前記第1の全体長が前記基準長より短い場合には、前記範囲に属する各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することない形で所定の一方向に設定し、また、前記基準長が前記第1の全体長より短い場合には、前記範囲に属する各引出線を区分けしてそれぞれに属する前記説明情報案内部の長さの加算値に対応した第2の全体長が当該基準長より短くなるようにグループ化した上で、このグループごとに、各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することのない形で所定の一方向に設定する引出線設定手段と、を備えた、
    ことを特徴とする引出線自動作成装置。
  6. 前記引出線設定手段は、
    前記各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することのない形で所定の一方向に設定するに際し、当該説明情報案内部を、当該各引出線の特徴点の座標データ順に整列させる、
    ことを特徴とする請求項5記載の引出線自動作成装置。
  7. 前記引出線設定手段は、
    前記グループを、前記各引出線の特徴点の座標データに基づいて行う、
    ことを特徴とする請求項5または6記載の引出線自動作成装置。
  8. 前記引出線設定手段は、
    前記特徴点として、前記引出部の始点に相当する引出点を用いる、
    ことを特徴とする請求項6または7記載の引出線自動作成装置。
  9. 情報処理装置の引出線設定手段が、道路線や、道路に設置された各種施設を示す施設線および、当該施設線からの引出部とこれに続く説明情報案内部とからなる引出線が記される図面の一部で入力手段により特定される任意の範囲の当該引出線を、記憶手段に保持済みの当該道路線,当該施設線および当該引出線の各データに基づいて自動設定する、ためのプログラムを格納した記憶媒体であって、
    前記引出線設定手段に、
    前記記憶手段の前記各データに基づいて、
    前記入力手段で特定された前記範囲に属する各引出線の前記説明情報案内部の長さの加算値に対応した第1の全体長を算出する機能と、
    この第1の全体長と、引出線設定対象域の基準長との大小関係を演算する機能と、
    この演算結果に応じて、前記第1の全体長が前記基準長より短い場合には、前記範囲に属する各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することない形で所定の一方向に設定し、また、前記基準長が前記第1の全体長より短い場合には、前記範囲に属する各引出線を区分けしてそれぞれに属する前記説明情報案内部の長さの加算値に対応した第2の全体長が当該基準長より短くなるようにグループ化した上で、このグループごとに、各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することのない形で所定の一方向に設定する機能と、
    を実現させるためのプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
  10. 前記プログラムは、前記引出線設定手段に、
    前記各引出線の前記説明情報案内部のそれぞれを重複することのない形で所定の一方向に設定するに際し、当該説明情報案内部を、当該各引出線の特徴点の座標データ順に整列させる機能をも実現させるためのものである、
    ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な請求項9記載のプログラム記憶媒体。
  11. 前記プログラムは、前記引出線設定手段に、
    前記グループを、前記各引出線の特徴点の座標データに基づいて行う機能をも実現させるためのものである、
    ことを特徴とする請求項9または10記載のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
  12. 前記プログラムは、前記引出線設定手段に、
    前記特徴点として、前記引出部の始点に相当する引出点を用いる機能をも実現させるためのものである、
    ことを特徴とする請求項10または11記載のコンピュータ読み取り可能なプログラム記憶媒体。
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