JP3353212B2 - 引出線自動作成方法および引出線自動作成システム - Google Patents

引出線自動作成方法および引出線自動作成システム

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JP3353212B2 JP09086793A JP9086793A JP3353212B2 JP 3353212 B2 JP3353212 B2 JP 3353212B2 JP 09086793 A JP09086793 A JP 09086793A JP 9086793 A JP9086793 A JP 9086793A JP 3353212 B2 JP3353212 B2 JP 3353212B2
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克己 田苗
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータを用いた
引出線自動作成方法および引出線自動作成システムに関
し、特にベクトルデ−タで表現される複数の図形要素
(例えば、電力管,ガス管,水道管等の各種設備及び道
路境を表すための線分列)からの各引出線を、これらの
図形要素と交差する基準線分からなる引出用基準線上に
設定される導出部と、これに続く説明情報案内部とでそ
れぞれ構成するようにした引出線自動作成方法および引
出線自動作成システムに関する。
【0002】一般に、アプリケーションプログラムを走
行させることにより、地形図,施設管理図や設計図等の
各種図面を作成・更新し、また図面中の、道路,建物,
電力管,ガス管や機械要素等を表す各図形要素に引出線
を設定してここに説明情報、例えばガス管の種類および
直径等を文字や記号を用いて記入することが行われてい
る。
【0003】なお、本明細書で用いる「図形」とは前記
の各種図面上での表示対象物を総括的に表すものであ
り、また「図形要素」とはこの図形を構成する単位であ
って具体的には点,線分,線分列,円弧,円,矩形,多
角形等のことである。
【0004】そして、図面中のある領域に多数の引出線
が集中する場合には当該引出線やそこに記述される説明
情報が錯綜してしまい利用者にとって見づらいものとな
りやすく、そのためこのような錯綜を生じることのない
引出線作成法が従来より要請されており、本発明はこの
要請に応えるものである。
【0005】
【従来の技術】図14は、一般的な、コンピュータを用い
て各種図面、例えば施設管理図の作成・更新処理を行う
ときのハードウェアの概要を示す説明図であり、21はホ
ストコンピュータ,22は地図デ−タベースを格納した大
容量のディスク外部記憶装置,23は施設管理図及び引出
線の作成処理を行うアプリケーションプログラムの格納
領域24やワーク領域25を持つディスク外部記憶装置,26
は後述のメッシュの図面番号を入力するための入力部,
27は地図データ(地形データ,設備データ等)や引出線
データを入力するためのディジタイザ,28はこれら引出
線デ−タ等の入力状態や作成図面の内容等を確認するた
めの表示部,29は作成図面等を出力するためのプロッタ
ーをそれぞれ示している。なお、以下の説明では必要に
応じて施設管理図を用いることにするが、これはあくま
で各種図面の一例としてである。
【0006】そして、施設管理図の出力図は例えば図15
に示すようになり、このときのディスク外部記憶装置22
の地図データベースには ・ガス管52,水道管53, 下水管54, 電力管55のそれぞれ
の位置及び説明情報(管の種類や内径等)を個々に示す
設備データベース ・道路境51,56 等の位置を示す地形データベース ・入力済の引出線データベース が含まれている。
【0007】また、このような地図デ−タベースの構築
対象となる地域は広域にわたるため、通常はこの対象地
域を多数の矩形状のメッシュ(単位領域)に分割してこ
れを一枚の図面で表しており、例えば縮尺1/500 の道
路台帳を利用する場合には東西500m,南北350mのエリア
からなるメッシュを100cm ×70cmの大きさの図面で表し
ている。
【0008】ここで、ディスク外部記憶装置22の地図デ
ータベースは各メッシュの図面番号を検索キーとするか
たちで構築されており、これを構成する設備レコード,
地形レコード,引出線レコードのフォーマットはそれぞ
れ図16および図17に示すようにヘッダ部61〜63と座標デ
−タ部64〜66とからなっている。
【0009】このヘッダ部61〜63にはレコード番号の外
に ・例えばガス管のについては、圧力,管の材料,管の口
径,(このレコードで表現される管の)長さを示す説明
情報 ・引出線については、ここに文字・記号を記述するとき
の回転角度θ,文字・記号の大きさ,文字・記号を記述
する段数等 が含まれている。
【0010】また、座標デ−タ部64〜66にはそれぞれの
図形要素の特徴点(接続点)の位置を表す座標デ−タと
当該座標デ−タの個数を示すデータが入力されている。
なお、図形要素の特徴点とは、例えば線分列で表現され
る図形要素の場合それぞれの線分の端点(接続点)のこ
とであり、座標デ−タ部における「−1,0」はその前
の特徴点で図形要素が終了したことを示し、また各座標
データ中の数値は図面上の寸法ではなく現地での値を用
いている。
【0011】また、引出線67は一般に導出部68と説明情
報(文字・記号等)案内部69とからなり、その座標デー
タ部66の内容の設定は、ディジタイザ27に貼り付けた施
設管理図上の引出線を設定したい部分にこの導出部68と
説明情報案内部69とを特定するための三点C,D,Eを
指示してそれぞれの座標データを入力することにより行
われる。なお、回転角度θはこの説明情報案内部69のx
軸に対する傾きに対応し、また点Fは説明情報を記入す
るときのスタート点となるものである(図19参照)。
【0012】そして、この引出線レコードを引出対象の
線分70、すなわち点Cを含む線分の設備レコードとを対
応付ける手法としては ・当該引出線レコードのレコード番号をこの設備レコー
ドのレコード番号と同じ値にしてリンクさせる ・引出線作成処理の際に、ワーク領域25中の設備レコー
ド群と点Cの座標データとを用いてこの点Cに最も近い
線分を持つ設備レコードを求める 等の方法がとられる。
【0013】次に、アプリケーションプログラムによる
引出線作成処理の概要は図18に示すようになっている。
すなわち、 ′作成対象のメッシュの図面番号を指定する。 ′この図面番号をキーにして当該メッシュの設備レコ
ード群および地形レコード群を外部記憶装置22から取り
出し、ワーク領域25に展開する。 ′この展開レコード群のデ−タの座標デ−タ部64〜65
を取り出し、これに標準の線種コードを付してプロッタ
29に転送する。 ′引出線レコードの座標デ−タ部66をワーク領域25か
ら取り出し、これに標準の線種コードを付してプロッタ
29に転送する。 ′引出線レコードと同じレコード番号を持っている設
備レコードを検索してそのヘッダ部61を取り出し、この
説明情報(管の種類や内径等)に前記スタート点Fの座
標(xF ,yF )および回転角度θ(図19参照)を付し
てプロッター29に転送する。 といった手順により、プロッター29は引出線作成に必要
な各種デ−タを獲得している。
【0014】なお、前記説明情報である各種の文字・記
号はベクトルデ−タで表されているため、これらをプロ
ッター29の方でθだけ回転させてから出力するといった
処理も、単純な演算で行うことができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の引
出線作成方法では、ベクトルデータで特定される複数の
図形要素(例えば、ガス管や電力管などの各種設備の位
置を示す複数の線分)のそれぞれに引出線を設定する
際、近隣の引出線同士の位置関係については何ら考慮さ
れていない。
【0016】そのため、引出線が集中する領域では引出
線やそこに記入される文字・記号等の説明情報が互いに
錯綜し、表示画面や出力図面の引出線部分が見にくくな
るという問題点があった。
【0017】そこで、本発明では、引出対象の複数の図
形要素と交差する基準線分からなる引出用共通基準線を
用意し、各図形要素の引出線の導出部としてこの引出用
共通基準線の一部を用いるとともに、説明情報案内部と
の接続点を各図形要素と引出線共通基準線との交点の並
び順に対応付けて設定することにより、各引出線やそこ
に記入される説明情報が錯綜しないようにすることを目
的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の図形要
素それぞれの引出線の導出部には引出用共通基準線の一
部を用い、また説明情報案内部には図形要素ごとに例え
ば所定間隔の平行線分などを用いるようにしたものであ
る。
【0019】図1は本発明の原理説明図である。図にお
いて、1は、処理対象図面であり、引出用共通基準線10
を用いて図形要素11〜13の引出線11′〜13′がそれぞれ
作成された状態を示している。2は、外部記憶装置であ
り、各図面についての図形データベース及びあらかじめ
入力された基準点A,Bそれぞれの座標デ−タ(基準線
分デ−タ)が格納されている。3は、アプリケーション
プログラムであり、外部記憶装置2から取り出した所定
の図形レコードおよび基準線分デ−タに基づいて引出線
の作成処理を実行している。4は、出図装置であり、ア
プリケーションプログラム3の走行により作成された図
面を出力している。
【0020】ここで、「図形レコード」とは処理対象図
面の表示内容を特定するためのデータ群のことであり、
前記の設備管理図においては指定メッシュの地形レコー
ドと設備レコードとを併せたものが対応し、また、C〜
C″の各点は各図形要素11〜13と引出用共通基準線10と
の交点すなわち引出線11′〜13′の始点,D〜D″の各
点は引出線11′〜13′の接続点,E〜E″の各点は引出
線11′〜13′の終点をそれぞれ示している。
【0021】次に、アプリケーションプログラム3での
引出線作成の処理手順は次のようになっている。すなわ
ち、 処理対象図面1についての図形レコード群および基準
線分デ−タを図面番号に基づいて外部記憶装置2から取
り出す。なお、この基準線分デ−タは任意の一点の座標
デ−タと基準線分の傾き・長さで表すようにしてもよ
く、またオペレータの入力デ−タ自体を用いる場合もあ
る。 各図形レコード中のベクトルデータと基準線分デ−タ
とを用いて図形要素11〜13と引出用共通基準線10との交
点C〜C″の座標デ−タをそれぞれ算出する。 この各交点C〜C″の引出用共通基準線10上での並び
順を求める。 この並び順に対応したかたちで各接続点D〜D″を引
出用共通基準線10上に求めるとともに、それぞれの接続
点に対応した終点E〜E″を、例えば説明情報案内部の
長さと当該接続点の座標データとを用いて特定する(図
12参照)。 これらの交点,接続点および終点の各座標デ−タを用
いて引出線11′〜13′を特定する。 といった引出線作成処理を実行している。
【0022】ここで、ステップの並び順を求める手法
としては、 ・交点C〜C″それぞれの座標デ−タの大小関係に基づ
いて決定する ・交点C〜C″それぞれと基準点A,Bのいずれかとの
間の長さの大小関係に基づいて決定する 等の方法が用いられる。
【0023】また、ステップの接続点D〜D″を求め
る手法としては、 ・引出線の説明情報案内部に最も近い図形要素(以下、
基準図形要素という)13と平行で所定距離だけ離れた三
本の平行線をそれぞれ設定してこの各平行線と引出用共
通基準線10との交点を算出する ・引出用共通基準線10上の、交点C〜C″から所定距離
だけ離れた三つの点をそれぞれ算出する 等の方法が用いられる。なお、接続点D〜D″の「並び
順に対応したかたち」とは任意の対応関係でよく、例え
ば図面1の下方からD″ーD′ーDの順番にしてもよ
い。
【0024】また、図2に示すように、基準点Aを基準
線11′の接続点Dとしてこの点から基準図形要素13の平
行線を引いて当該平行線上に終点Eを求めたり、さらに
はこの接続点D(基準点A)からスタートする説明情報
案内部の終点Eとして任意の入力点を用いるようにして
もよく、これにより引出線の設定に自由度を持たせるこ
とができる。
【0025】また、各説明情報案内部は基準図形要素13
の平行線に限定されるものではなく、さらには隣同士の
説明情報案内部間の距離s2 ,s3 ・・や、最初の説明
情報案内部DEと基準図形要素13との距離s1 も必要に
応じて任意に設定されるものである。
【0026】一般的には、距離s2 ,s3 ・・を距離s
1 に比べて長くしたり、距離s2 ,s3 ・・については
それぞれの説明情報案内部に記入される文字・記号の段
数に応じた値に設定することが行われている。
【0027】
【作用】本発明は、このように複数の図形要素それぞれ
について引出線を、これらの図形要素を横断するかたち
で設定した引出用共通基準線の一部からなる導出部と、
これに続く説明情報案内部とを規則的に設定したものと
することにより、複数の引出線が集中する場合にもこの
引出線やそこに記入される説明情報のそれぞれが錯綜す
ることがないようにしたものである。
【0028】なお、この引出線作成方法は各種の図面、
例えば地形図,施設管理図や設計図等に適用でき、図形
要素としては図1で示した線分の外に線分列,矩形,多
角形等の各種のものが用いられ、また、図形レコード群
に基づいて図面を作成する方法や引出線の説明情報案内
部に説明情報(文字・記号)を記述する方法は従来のも
のと同じである。
【0029】
【実施例】図3〜図13を参照して本発明の実施例を説明
する。なお、以下の実施例では、電力管,ガス管,水道
管等の各種設備の道路への設置状況を示す施設管理図の
場合について説明し、使用するハードウェアについては
従来のものと実質的な変更がないため図14の参照番号を
用いる。
【0030】図3は、本発明によって得られる引出線の
例を示す説明図であり、31および36は道路境を示し、3
2′〜35′はそれぞれガス管32,水道管33, 下水管34,
電力管35の引出線、例えば32′はガス管32の引出線を示
すものである。また、図示のように、引出用共通基準線
の内で引出線として用いられない部分(B点とC1 点と
の間)は表示あるいは出図されない。
【0031】図4は、基準線分デ−タの入力手順および
そのフォーマットを示す説明図であり、 (1) 入力部26またはメニュー入力機能を持つディジタイ
ザ27からメッシュの図面番号を入力する。 (2) この図面番号の地形レコード群および設備レコード
群を外部記憶装置22から取り出しこれらのレコード群に
基づく施設管理図を作成してプロッター29に出図する。 (3) この出図に基準点A,Bを書き込んで基準線分10を
特定する。 (4) この基準点A,Bを書き込んだ図面をディジタイザ
27に貼り付ける。 (5) このディジタイザ27上で基準点A,Bそれぞれの座
標デ−タ(XA ,YA )及び(XB ,YB )を入力す
る。 (5) この座標デ−タを外部記憶装置22に格納する。 といった入力処理を行っている。そのため、外部記憶装
置22には基準点A,Bの組の設定数だけの基準線分デ−
タが格納されることになる。
【0032】また、基準線分レコードのフォーマットは
二次元の座標デ−タ列となっており、(−5,0)はそ
の直前の座標からその直後の座標へジャンプすることを
示し、(−1,0)はその直前の座標で終了することを
示している。
【0033】図5は、本発明の引出線作成処理手順の概
要を示す説明図である。すなわち、 (1) 処理対象のメッシュの図面番号を入力して、次のス
テップに進む。。 (2) この図面番号をキーにして外部記憶装置22から対応
の地形レコード群,設備レコード群および基準線分デー
タをすべて取り出してワーク領域25に展開し、次のステ
ップに進む。 (3) ワーク領域25に展開された基準線分データそれぞれ
についての所定の処理、すなわちすべての基準線分AB
と各図形要素との交点を求める処理が終了したかどうか
を判断し、「YES」の場合はステップ(9) に進み、「N
O」の場合は次のステップに進む。 (4) 次の基準線分データを取り出して、次のステップに
進む。 (5) この基準線分データで特定される線分ABと交差す
る地形レコードおよび設備レコードを検索し、これらの
各レコードと基準線分データとを用いることにより交点
0 〜C5 の座標を算出して、次のステップに進む(具
体的な検索・算出処理については図6,図7参照)。 (6) 各交点C0 〜C5 の並び順を、この算出の際に得ら
れる各交点の基準点Aからの近さ情報λの降順に設定し
て、次のステップに進む。 (7) この並び順に対応した接続点D1 〜D4 および各説
明情報案内部の終点E1〜E4 を特定する演算を実行し
て、次のステップに進む(具体的な演算処理については
図10, 図11参照)。 (8) スタート点Fの座標デ−タを算出して、ステップ
に戻る(図19参照)。 (9) 引出線および説明情報の表示に必要なデ−タをプロ
ッター29に転送して出図処理を行う。 といった引出線作成のための処理を行っている。
【0034】なお、図5の各ステップで得られた座標デ
ータ等はワーク領域25の引出線編集用テーブル(図13参
照)に保管されており、ステップ(9) のプロッター29へ
の転送に際してもこの引出線編集用テーブル中のデータ
が用いられる。
【0035】図6および図7は、図5のステップ(5) で
用いられるサブルーチンを示す説明図であり、 (1) ワーク領域25に展開されている地形レコード,設備
レコードのすべてについての当該処理が終了したかどう
かを判断し、「YES 」の場合はサブルーチン処理を終
え、「NO」の場合は次のステップに進む。 (2) 次の処理対象レコードを取り出して、次のステップ
に進む。 (3) このレコードで表される図形要素(線分列)が基準
線分ABと交差する可能性があるかどうかを判断し、
「YES 」の場合は次のステップに進み、「NO」の場合は
ステップ(1) に戻る(具体的な判断手法については図8
参照)。 (4) 変数iに‘1’を、定数Nにこのレコードの座標デ
−タ数をそれぞれ設定して、次のステップに進む。 (5) 「i<N」であるかどうかを判断し、「YES 」の場
合は次のステップに進み、「NO」の場合はステップ(1)
に戻る。 (6) 前記線分列のi番目の特徴点Pi とその次の特徴点
を結ぶ線分が基準線分ABと交差する可能性があるかど
うかを判断し、「YES 」の場合は次のステップに進み、
「NO」の場合はステップ(8) に進む(具体的な判断手法
については図8参照)。 (7) この二つの線分間の交点を求める計算によって得ら
れるλおよびμがともに「0≦λ,μ≦1」となるかど
うかを判断し、「YES 」の場合はステップ(9) に進み、
「NO」の場合は次のステップに進む(具体的な計算手法
については図9参照)。 (8) 変数iを「i+1」の値で更新して、ステップ(5)
に戻る。 (9) ステップ (6)の特徴点間の線分と基準線分ABとの
交点座標(XC ,YC )を求めて、次のステップに進
む。 (10)図形要素点座標(XG ,YG )に、ステップ (6)の
特徴点間の線分上の任意の点座標、例えば一方の特徴点
座標(Xj ,Yj )を設定して、次のステップに進む。 (11)ワーク領域25の引出線編集用テーブルにλ,交点座
標(XC ,YC ),基準入力点座標(XA ,YA )およ
び図形要素点座標(XG ,YG )のそれぞれを保管し
て、次のステップに進む。 (12)外部記憶装置22に格納されている、またはオペレー
タが入力した文字・記号の大きさやその段数等のデータ
をワーク領域25の引出線編集用テーブルに保管してステ
ップ(1) に戻る。 といった手順になっている。
【0036】なお、図6のステップ(3) 及びステップ
(6) における「交わる可能性があるかどうか」について
の判断手法としては本件出願人が先に出願した特願平3
ー301059号で開示のものを用いている。
【0037】図8は、この判断手法の概要を示す説明図
であり、特徴点P1 〜P4 を順に接続した線分列L
1 と、特徴点P10およびP11 間を結んだ線分L2 とが
交差する可能性があるかどうかを判断する際には先ずそ
れぞれに外接する矩形領域38,39をそれぞれ設定し、こ
れら矩形領域間の重複の有無を調べている。
【0038】すなわち、線分列L1 の特徴点P1 〜P4
のX座標およびY座標それぞれの最小値および最大値を
求めてこれらの最小値座標(Xmin ,Ymin )と最大値
座標(Xmax ,Ymax )の点からX軸とY軸に平行に引
いた線で囲まれる矩形領域38を設定し、また線分L2
ついてはその両端の点を用いて矩形領域39を同じように
設定している。
【0039】続いて,この矩形領域38と矩形領域39とが
部分的に重なるかどうかのチェック処理が実行されるこ
とになり、 (a)は線分列L1 と線分L2 とが交差する可
能性がある場合を、また (b)は線分列L1 と線分L2
が交差する可能性がない場合を示している。なお、 (a)
の場合、あくまで交差の可能性を調べるだけであって例
えば一点鎖線で示した線分L2 のように線分列L1 と交
差しないものも可能性ありとなる。
【0040】図9は、図7のステップ(7) で実行される
計算の概要を示す説明図である。ここで、特徴点Pi
特徴点Pj を結ぶ線分と基準線分ABとは、図示の(35)
および(36)の式から求まるλおよびμの値がともに「0
≦λ,μ≦1」の場合には交差し、このときの交点座標
は(31), (32)の両式または(33), (34)の両式で与えられ
る。
【0041】図10および図11は、図5のステップ(7) で
用いられるサブルーチンを示す説明図であり、 (1) 引出線編集用テーブルから基準点Aの座標(XA
A )が処理対象のものと同じ値となっている編集用レ
コードだけを選択して、次のステップに進む。 (2) この中でλが最も小さな編集用レコード、すなわち
道路境31の編集用レコードの交点座標(XC ,YC ),
道路境点座標(XG ,YG )を取り出して、次のステッ
プに進む。 (3) 変数sに最初の説明情報案内部69までの距離を示す
αを設定して、次のステップに進む。なお、このαの値
はプログラムの中で記述されたりテーブルのかたちで与
えられる。 (4) 「XC →XH ,YC →YH 」と設定して、次のステ
ップに進む。 (5) これらの座標デ−タに基づいて道路境31の傾きθを
算出しこのデータを引出線編集用テーブルに保管して、
次のステップに進む(図12参照)。 (6) ステップ(1) で選択したレコード群の中でλが二番
目に大きな編集用レコード、すなわち図3の場合には電
力管35の編集用レコードの交点座標デ−タ(XC
C )と文字の段数tを取り出して、次のステップに進
む。 (7) 「XC =XH 」かつ「YC =YH 」であるかどうか
を判断し、「YES 」の場合はこの処理を終了し、「NO」
の場合は次のステップに進む。 (8) 引出線中の接続点座標、すなわち引出用共通基準線
10と説明情報案内部69との交点Dの座標(XD ,YD
を算出しこのデータを引出線編集用テーブルに保管し
て、次のステップに進む(図12参照)。 (9) 説明情報案内部の長さLを計算して、次のステップ
に進む(図12参照)。 (10)説明情報案内部69の終点座標(XE ,YE )を算出
しこれを引出線編集用テーブルに保管して、次のステッ
プに進む(図12参照)。 (11)変数sを「s+t・Δ」の値で更新して、次のステ
ップに進む。なお、Δは次の説明情報案内部69までの距
離であり、その値はプログラムの中で記述されたりテー
ブルのかたちで与えられる。 (12)λが次に大きなレコードの交点座標(XC ,YC
と文字段数t とを取り出して、ステップ(7) に戻る。 といった処理を行っている。
【0042】ここで、接続点座標(XD ,YD ),長さ
Lおよび終点座標(XE ,YE )の算出法はそれぞれ図
12に示すようになっており、例えば最初の説明情報案内
部の場合、 ・接続点座標(XD ,YD )については、先ず道路境31
の線分と平行でs(α)だけ離れた線分を表す式を求
め、この式と共通基準線10を表す式を解くことによりそ
の座標を求め ・長さLについては、プログラムの中で記述されたりテ
ーブルのかたちで与えられる一文字の長さや文字数等か
ら求め、 ・終点座標(XE ,YE )については、この接続点座標
(XD ,YD )と長さLとから求めるようにしている。
【0043】そして、図13は、引出線編集用テーブルに
保管される各デ−タの様子を示すもので、この内の太線
で囲んだ部分の各データがプロッター29に送られて引出
線の出図処理に用いられることになる。なお、図示のも
のは例えば図3に示した一つの基準線分から得られた編
集用レコード群であり、このような編集用レコード群が
基準線分ごとに存在している。
【0044】
【発明の効果】本発明は、このように、あらかじめ設定
された基準点に基づく(引出対象の複数の図形要素と交
差する)基準線分とこの延長部とからなる引出用共通基
準線を用意し、各図形要素の引出線の導出部としてこの
引出用共通基準線の一部を用いるとともに、説明情報案
内部との接続点を各図形要素と引出線共通基準線との交
点の並び順に対応付けて設定している。
【0045】すなわち、従来のように図形要素ごとにそ
の引出線の座標データを任意に設定していくのではな
く、複数の図形要素に共通の基準線分に基づいてそれぞ
れの引出線の座標データを系統的に作成するようにして
いるため、引出線を集中して設定する場合にも引出線や
そこに記入される説明情報が錯綜することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、原理説明図である。
【図2】本発明の、図1とは異なる態様の引出線を示す
説明図である。
【図3】本発明の、引出線の一実施例を示す説明図であ
る。
【図4】本発明の、基準線分レコードの入力手順とその
フォーマットを示す説明図である。
【図5】本発明の、引出線作成処理手順の概要を示す説
明図である。
【図6】図5のステップ(5) において用いられるサブル
ーチンを示す説明図(その1)である。
【図7】図5のステップ(5) において用いられるサブル
ーチンを示す説明図(その2)である。
【図8】図6のステップ(3) および(6) で用いられる判
断手法を示す説明図である。
【図9】図7のステップ(7) で実行される計算の概要を
示す説明図である。
【図10】図5のステップ(7) において用いられるサブ
ルーチンを示す説明図(その1)である。
【図11】図5のステップ(7) において用いられるサブ
ルーチンを示す説明図(その2)である。
【図12】本発明の、引出線中の接続点や終点等の算出
法を示す説明図である。
【図13】本発明の、引出線編集用テーブルを示す説明
図である。
【図14】一般的な、コンピュータを用いて図面の作成
・更新処理を行うときのハードウェアの概要を示す説明
図である。
【図15】従来の、施設管理図の出力図の一例を示す説
明図である。
【図16】一般的な、設備レコードのフォーマットを示
す説明図である。
【図17】一般的な、地形レコードおよび引出線レコー
ドのフォーマットを示す説明図である。
【図18】従来の、引出線作成処理の概要を示すフロー
である。
【図19】一般的な、引出線とそこに記入される説明情
報との位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
図1において、 1・・・処理対象図面 2・・・外部記憶装置 3・・・アプリケーションプログラム 4・・・出図装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河▲崎▼ 護 東京都大田区仲六郷4ー3ー16ー122 (56)参考文献 特開 平5−204999(JP,A) 特開 平6−83891(JP,A) 特開 平6−203112(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50 JICSTファイル(JOIS)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベクトルデ−タで表現される複数の図形
    要素からの各引出線を、少なくともこれらの図形要素と
    交差する基準線分からなる引出用共通基準線上の導出部
    と、これに続く説明情報案内部との態様で、情報処理装
    置により自動設定する引出線自動作成方法であって、 少なくとも前記図形要素の各ベクトルデータを記憶手段
    から取り出すステップと、 この各ベクトルデータおよび基準線分デ−タを用いて前
    記図形要素と前記基準線分との各交点の座標データを算
    出するステップと、 この座標データに基づいて前記各交点の並び順を特定す
    るステップと、 この並び順に対応した形で、前記各図形要素の導出部と
    説明情報案内部との接続点を設定するステップとを有す
    る、 ことを特徴とする引出線自動作成方法。
  2. 【請求項2】 前記接続点を設定するステップにおい
    て、 前記接続点の一つとして、前記基準線分を特定するため
    に入力された基準点を用いる、 ことを特徴とする請求項1記載の引出線自動作成方法。
  3. 【請求項3】 前記接続点を設定するステップにおい
    て、 前記接続点を設定するに際し、前記引出用共通基準線に
    おける前記交点からの距離を指定する、 ことを特徴とする請求項1記載の引出線自動作成方法。
  4. 【請求項4】 前記接続点を設定するステップにおい
    て、 前記接続点を設定するに際し、前記図形要素の中で前記
    説明情報案内部が設定される側に最も近い図形要素と平
    行でこれから所定距離だけ離れた平行線を前記図形要素
    ごとに設定してから当該平行線のそれぞれと前記引出用
    共通基準線との交点を求めるといった処理を実行する、 ことを特徴とする請求項1記載の引出線自動作成方法。
  5. 【請求項5】 前記接続点を設定するステップにおい
    て、 前記説明情報案内部の終点を特定するに際し、前記接続
    点の座標デ−タ及び当該説明情報案内部に記述される説
    明情報の長さデ−タを用いる、 ことを特徴とする請求項1乃至4記載の引出線自動作成
    方法。
  6. 【請求項6】 ベクトルデ−タで表現される複数の図形
    要素からの各引出線を、少なくともこれらの図形要素と
    交差する基準線分からなる引出用共通基準線上の導出部
    と、これに続く説明情報案内部との態様で、情報処理装
    置により自動設定する引出線自動作成システムであっ
    て、 少なくとも前記図形要素の各ベクトルデータを保持した
    記憶手段と、 この各ベクトルデータおよび基準線分デ−タを用いて前
    記図形要素と前記基準線分との各交点の座標データを算
    出し、この座標データに基づいて前記各交点の並び順を
    求め、かつ、この並び順に対応した形で、前記各図形要
    素の導出部と説明情報案内部との接続点を設定するデー
    タ処理手段とを備えた、 ことを特徴とする引出線自動作成システム。
  7. 【請求項7】 前記データ処理手段は、 前記接続点の一つとして、前記基準線分を特定するため
    に入力された基準点を用いる、 ことを特徴とする請求項6記載の引出線自動作成システ
    ム。
  8. 【請求項8】 前記データ処理手段は、 前記接続点を設定するに際し、前記引出用共通基準線に
    おける前記交点からの距離を指定する、 ことを特徴とする請求項6記載の引出線自動作成システ
    ム。
  9. 【請求項9】 前記データ処理手段は、 前記接続点を設定するに際し、前記図形要素の中で前記
    説明情報案内部が設定される側に最も近い図形要素と平
    行でこれから所定距離だけ離れた平行線を前記図形要素
    ごとに設定してから当該平行線のそれぞれと前記引出用
    共通基準線との交点を求めるといった処理を実行する、 ことを特徴とする請求項6記載の引出線自動作成システ
    ム。
  10. 【請求項10】 前記データ処理手段は、 前記説明情報案内部の終点を特定するに際し、前記接続
    点の座標デ−タ及び当該説明情報案内部に記述される説
    明情報の長さデ−タを用いる、 ことを特徴とする請求項6乃至9記載の引出線自動作成
    システム。
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