JP3883590B2 - ガスバリヤー性チューブ容器及び該チューブ容器の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、主としてペースト状物を内填させるガスバリヤー性チューブ容器及び該チューブ容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
チューブ容器は、積層シートによって成形されている筒状体からなる胴部と、該胴部の一方の端部に対してコンプレッション成形によって形成した熱可塑性合成樹脂製の頭部、すなわち、口頸部と該口頸部に連なる肩部とからなる熱可塑性樹脂製の頭部とで形成されている。
【0003】
かかるチューブ容器には、内填物に対する保存性能を高めるために高度のガスバリヤー性が必要とされており、胴部のガスバリヤー性に対しては金属箔が積層されている積層シートを胴部成形用素材として利用することで対処しており、また、截頭円錐状の肩部に対しては、金属箔とポリオレフィン系樹脂層との積層シートによる截頭円錐状の通常ロンデル材料と称されるプレ成形体を積層することにより、ガスバリヤー性の改良を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述の截頭円錐状のプレ成形体からなるロンデル材料は、チューブ容器の肩部の内周面に適用されるものであることから、チューブ容器の肩部に適合する形状に成形する圧空またはプレス成形等による冷間成形と、それに続く打ち抜き成形とによって成形されるプレ成形体が利用されており、従来は、金属箔の表,裏両面にポリオレフィン系樹脂シートをドライラミネート用の接着剤によって積層させた積層シートによる成形体が使用されている。
【0005】
しかして、前記構成による積層シートを冷間成形した成形体からなるロンデル材料は、ロンデル材料の端面がチューブ容器の内面に露出することのないように、すなわち、端面に露出したアルミニウム箔等がチューブ容器内の内填物に含まれている酸やアルカリと反応することから、チューブ容器内の内填物とロンデル材料の端面とが接することのないように、ロンデル材料の端部を外方へ反らせるようにプレ成形しなければならなく、そのための手間が煩雑であり、かつこのことが生産性を悪化させる要因になっている。
【0006】
これに対して本発明は、立体形状にプレ成形したものではなく、単に中心部を同心円形状に打ち抜いた円形状をなす中抜きの円板からなるガスバリヤー性に優れたロンデル材料を使用したガスバリヤー性チューブ容器を提供する。
【0007】
又、本発明は、立体形状にプレ成形したものではなく、単に中心部を同心円形状に打ち抜いた円形状をなす中抜きの円板からなるガスバリヤー性に優れたロンデル材料を使用するガスバリヤー性チューブ容器の製造方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、以下に記載する構成を備えてなる本発明のガスバリヤー性チュー
ブ容器及び該チューブ容器の製造方法によって達成することができる。
【0009】
すなわち、本第1の発明は、ガスバリヤー性材料を積層してある積層シートによる筒状体からなる胴部と、無機酸化物の蒸着層を有する円形状のプラスチックフィルムの中心部を同心円形状に打ち抜いた形状をなす中抜きの円板であって、立体形状にプレ成形されていないロンデル材料とをコアーにセットした後、金型内にて、筒状体からなる胴部の上方に接合する截頭円錐状の肩部と円筒形の口頸部とによる合成樹脂製の頭部を射出成形し、前記頭部の射出成形の際の射出圧力によって、前記ロンデル材料をチューブ容器の肩部の形状である截頭円錐状に成形すると共に、この截頭円錐状に成形されたロンデル材料をチューブ容器の肩部の内周面に積層したガスバリヤー性チューブ容器からなる。
【0010】
又、本第2の発明は、ガスバリヤー性材料を積層してある積層シートによる筒状体からなる胴部と、無機酸化物の蒸着層を有する円形状のプラスチックフィルムの中心部を同心円形状に打ち抜いた形状をなす中抜きの円板であって、立体形状にプレ成形されていないロンデル材料とをコアーにセットした後、金型内にて、筒状体からなる胴部の上方に接合する截頭円錐状の肩部と円筒形の口頸部とによる合成樹脂製の頭部を射出成形し、前記頭部の射出成形の際の射出圧力によって、前記ロンデル材料をチューブ容器の肩部の形状である截頭円錐状に成形すると共に、この截頭円錐状に成形されたロンデル材料をチューブ容器の肩部の内周面に積層するガスバリヤー性チューブ容器の製造方法からなる。
【0011】
前記構成による本発明のガスバリヤーチューブ容器及び該チューブ容器の製造方法において、コアーにセットするロンデル材料に使用する無機酸化物の蒸着層を有するプラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリビニルアルコール,ナイロン,ポリプロピレン等の厚さ9〜50μ程度の1軸延伸フィルムあるいは2軸延伸フィルムに、酸化珪素,酸化錫,酸化亜鉛,酸化インジュウム,酸化チタン,酸化アルミニウム等による厚さ20〜150Å程度の蒸着層を、真空蒸着,スパッタリング,化学蒸着等を利用して形成したフィルムが好適である。
【0012】
なお無機酸化物の蒸着フィルムとしては、酸化珪素を利用した蒸着フィルムが、高バリヤー性を得られることから最も好ましい。
【0013】
又、コアーにセットするロンデル材料は、円形状の無機酸化物の蒸着フィルム
の中心部が同心円形状に打ち抜かれた形状をなす中抜きの円板からなるものであって、無機酸化物の蒸着フィルムを打ち抜き成形することによって得られる。
【0014】
本発明のチューブ容器は、ガスバリヤー性材料を積層してある積層シートによる筒状体からなる胴部と該胴部の上方に接合している截頭円錐状の肩部と円筒形の口頸部とによる合成樹脂製の頭部とを有するチューブ容器における肩部の内周面に対して、無機酸化物の蒸着層を有する円形状のプラスチックフィルムの中心部を同心円形状に打ち抜いた形状をなす中抜きの円板からなり、立体形状にプレ成形されていないロンデル材料が、前記頭部の射出成形の際の射出圧力によって、截頭円錐状のロンデル材料に成形され、かつ積層された構成をなすものであって、該ロンデル材料の存在によって、チューブ容器の肩部に高度のガスバリヤー性が備えられる。
【0015】
本発明のチューブ容器の製造方法は、ガスバリヤー性材料を積層してある積層
シートによる筒状体からなる胴部と、無機酸化物の蒸着層を有する円形状のプラスチックフィルムの中心部を同心円形状に打ち抜いた形状をなす中抜きの円板からなり、立体形状にプレ成形されていないロンデル材料とを、それぞれコアーにセットした後、金型内にて、胴部の上方に接合する截頭円錐状の肩部と円筒形の口頸部とによる合成樹脂製の頭部を射出成形することにより、チューブ容器における肩部の内周面に対してロンデル材料を積層するもので、前記立体形状にプレ成形されていないロンデル材料が、截頭円錐状の肩部と円筒形の口頸部とによる合成樹脂製の頭部を射出成形する際の射出圧力によって、金型内でチューブ容器の肩部の形状である截頭円錐状に成形される。
【0016】
【作用】
本発明のガスバリヤー性チューブ容器は、ガスバリヤー性材料を積層してある積層シートによる筒状体からなる胴部と、無機酸化物の蒸着層を有する円形状のプラスチックフィルムの中心部を同心円形状に打ち抜いた形状をなす中抜きの円板からなり、立体形状にプレ成形されていないロンデル材料とをコアーにセットした後、金型内にて、筒状体からなる胴部の上方に接合する截頭円錐状の肩部と円筒形の口頸部とによる合成樹脂製の頭部を射出成形し、前記頭部の射出成形の際の射出圧力によって、前記ロンデル材料をチューブ容器の肩部の形状である截頭円錐状に成形すると共に、この截頭円錐状に成形されたロンデル材料をチューブ容器の肩部の内周面に積層させたものであって、ガスバリヤー性材料を積層してある積層シートによる筒状体からなる胴部と、肩部に積層させたロンデル材料が高度のガスバリヤー性を有していることとにより、バリヤー性において優れた作用を奏するチューブ容器になる。
【0017】
又、本発明のガスバリヤー性チューブ容器の製造方法は、無機酸化物の蒸着層を有する円形状のプラスチックフィルムの中心部を同心円形状に打ち抜いた形状をなす中抜きの円板からなり、立体形状にプレ成形されていないロンデル材料をコアーにセットして使用するものであるために、ロンデル材料の成形に手間が掛からないことから、ガスバリヤー性のチューブ容器を効率良く製造することができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明のガスバリヤー性チューブ容器及び該チューブ容器の製造方法の具体的な構成を製造実施例に基づいて説明する。
【0019】
実施例1
[図1]において、厚さ12μのSiOx蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを打ち抜き成形することにより、円形状のプラスチックフィルムの中心部を同心円形状に打ち抜いた形状をなす中抜きの円板からなるロンデル材料3を得た。
【0020】
なお、ロンデル材料3の外円の直径Lは24.5mm、打ち抜かれた内円の直
径Mは8.0mmである。
【0021】
次いで、[図2]において、積層構成中にアルミニウム箔を具備する積層シートによる筒状体2と、前述の中心部が同心円形状に打ち抜かれている形状をなす中抜きの円板からなるロンデル材料3とを、射出成形用の金型内の所定のコアーにそれぞれ取り付けた後、線状低密度ポリエチレン樹脂の射出成形を行なうことにより、筒状体2とロンデル材料3とに対して、口頸部4と該口頸部4に連なる截頭円錐状の肩部5とからなる線状低密度ポリエチレン樹脂製の頭部6を接合したチューブ容器1を得た。
【0022】
【発明の効果】
本発明のガスバリヤー性チューブ容器は、ガスバリヤー性材料を積層してある積層シートによる筒状体からなる胴部と、肩部に積層させたロンデル材料が高度のガスバリヤー性を有していることとにより、バリヤー性において優れており、しかも、肩部の内側に積層されているロンデル材料中に金属箔が含まれていないために、チューブ容器内の内填物に酸やアルカリが含まれていても該内填物を変質させることがなく、内填物の保存適性において優れた効果を有する。
【0023】
又、本発明のガスバリヤー性チューブ容器の製造方法によれば、コアーにセットするロンデル材料が、無機酸化物の蒸着層を有する円形状のプラスチックフィルムの中心部を同心円形状に打ち抜いた形状をなす中抜きの円板からなり、立体形状にプレ成形されていないロンデル材料であるために、ロンデル材料にするための立体形状のプレ成形工程が無く、これによって高バリヤー性を有するチューブ容器を効率良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 中心部を同心円形状に打ち抜いた中抜きの円板からなり、コアーにセットするロンデル材料の平面図である。
【図2】 本発明のチューブ容器の要部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1:ガスバリヤー性チューブ容器
2:チューブ容器の胴部をなす筒状体
3:コアーにセットする中抜きの円板からなるロンデル材料(図1)
3:金型内にて成形された後のロンデル材料(図2)
4:チューブ容器の口頸部
5:チューブ容器の肩部
6:口頸部4と肩部5とからなる合成樹脂製の頭部
Claims (2)
- ガスバリヤ−性材料を積層してある積層シ−トによる筒状体からなる胴部と、酸化珪素蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを打ち抜き成形した円形状のプラスチックフィルムからなり、更に、その中心部を同心円形状に打ち抜き、かつ、立体形状にプレ成形されていないロンデル材料とをコア−にセットした後、金型内にて、筒状体からなる胴部の上方に接合する截頭円錐状の肩部と円筒形の口頸部とによる合成樹脂製の頭部を射出成形し、前記頭部の射出成形の際の射出圧力によって、前記ロンデル材料をチュ−ブ容器の肩部の形状である截頭円錐状に成形すると共に、この截頭円錐状に成形されたロンデル材料をチュ−ブ容器の胴部の上方に接合する截頭円錐状の肩部の内周面に積層したことを特徴とするガスバリヤ−性チュ−ブ容器。
- ガスバリヤ−性材料を積層してある積層シ−トによる筒状体からなる胴部と、酸化珪素蒸着2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを打ち抜き成形した円形状のプラスチックフィルムからなり、更に、その中心部を同心円形状に打ち抜き、かつ、立体形状にプレ成形されていないロンデル材料とをコア−にセットした後、金型内にて、筒状体からなる胴部の上方に接合する截頭円錐状の肩部と円筒形の口頸部とによる合成樹脂製の頭部を射出成形し、前記頭部の射出成形の際の射出圧力によって、前記ロンデル材料をチュ−ブ容器の肩部の形状である截頭円錐状に成形すると共に、この截頭円錐状に成形されたロンデル材料をチュ−ブ容器の胴部の上方に接合する截頭円錐状の肩部の内周面に積層することを特徴とするガスバリヤ−性チュ−ブ容器の製造方法。
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JP25870394A JP3883590B2 (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | ガスバリヤー性チューブ容器及び該チューブ容器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0891395A JPH0891395A (ja) | 1996-04-09 |
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1994
- 1994-09-28 JP JP25870394A patent/JP3883590B2/ja not_active Expired - Fee Related
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