JP4294833B2 - インモールドラベル容器の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は射出樹脂内にラベルが配置されたインモールドラベル容器の製造方法に係り、とりわけ射出樹脂内の適切な位置にラベルを配置して精度良く成形することができるインモールドラベル容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インモールドラベル容器として、フランジ部と、胴部と、底部とを有するものが知られている。このようなインモールドラベル容器は金型内にラベルを配置し、射出樹脂を金型内に射出することにより成形され、ラベルは胴部内の外面に配置される。
【0003】
また胴部は底部側の小径部と、小径部に段部を介して連結されたフランジ部側の大径部とからなっている。胴部に段部を設けた場合、この段部により射出樹脂の流れに変化が生じ、ラベルが所定位置に配置されないことが考えられる。
【0004】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、ラベルを所定位置に適切に配置することができるインモールドラベル容器を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、フランジ部と、胴部と、底部とを有し、胴部内にラベルが配置されたインモールドラベル容器であって、胴部はラベルを含むラベル保持部分と、ラベル保持部分より底部側に段部を介して設けられ、ラベル保持部分より小径の基端部分とからなり、底部にゲートが形成され、ラベルはその端部が段部に対応して配置され、段部の半径方向突出長さは、ラベル保持部分の肉厚の1.5倍以上あるインモールドラベル容器の製造方法において、雄型と雌型との間にラベルを装着するとともに、ラベル下端と雌型との間に間隙を形成する工程と、雌型のゲート口から雄型と雌型との間に射出樹脂を射出して、射出樹脂によってラベル下端を雌型内面に押し付け、ラベルをラベル保持部分外面に配置する工程と、を備えたことを特徴とするインモールドラベル容器の製造方法である。
【0006】
本発明によれば、ラベルの端部を段部に対応させることにより、段部近傍において射出樹脂は半径方向外方へ向かうことになる。このため射出樹脂によりラベルを外方へ押付け、ラベル保持部分の外面にラベルを確実に配置することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図3は、本発明によるインモールドラベル容器の実施の形態を示す図である。
図1乃至図3に示すように、インモールドラベル容器10はフランジ部12を有する胴部11と、底部13とを有し、胴部11内にラベル21が配置されるとともに全体として射出樹脂20により形成されている。
【0008】
また胴部11はラベル21を含むラベル保持部分11aと、ラベル保持部分11aより底部側に段部15を介して設けられた基端部分11bとからなり、このうち基端部分11bはラベル保持部分11aより小径となっている。
【0009】
また底部13の略中央部外面には、射出樹脂20が射出された跡を示すゲート16が設けられている。
【0010】
このような構成からなるインモールドラベル容器10は、図1(a)(b)に示すように雄型1と雌型2とからなる成形金型により成形される。この場合、胴部11の段部15は、半径方向突出長さlを有し、半径方向突出長さlはラベル保持部分11aの肉厚tの1.5倍以上となっている。また、ラベル21の下端は、段部15近傍に位置しており、ラベル21の下端と雌型2との間には間隙gが形成されている。
【0011】
次にインモールドラベル容器10の材料について説明する。インモールドラベル容器は、インモールドラベル21と射出樹脂とからなっているが、このうちインモールドラベル21は、一般に、印刷基材層、ガスバリアー層、射出樹脂との接着層から成る。これら各層は、それぞれ独立して製膜し接着剤を介して貼合(ドライラミネーション)するか、または、その一部もしくは全層を溶融押出(EC、共押出)することで形成することもできる。また、用途・目的に応じてガスバリアー層を省略することもできる。
【0012】
印刷基材としてのフィルムは、一般に印刷可能なものであれば特に限定されず、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム等が適宜使用できる。
【0013】
ガスバリアー層としては、例えば、(a)アルミ箔(7〜25μm)、(b)金属又は金属酸化物を蒸着等でプラスチックフィルム等に積層したもの、例えば、酸化珪素蒸着プラスチックフィルム、酸化アルミ蒸着プラスチックフィルム、アルミ蒸着プラスチックフィルム、(c)その他、ポリアクリロニトリル系樹脂、EVOH(エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)フィルム、PVDCコート二軸延伸プラスチックフィルム等が挙げられ、所望の性能に応じて適宜選択され得る。
【0014】
接着層としては、射出樹脂と接着するものであれば特に限定されないが、通常、射出樹脂と同材質のプラスチックや、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)を含有するポリエチレン等接着性を有する樹脂、又はそれら樹脂が共押し出し加工、あるいは、コーティング加工されたプラスチックフィルム等が好適に使用できる。
【0015】
なお、上記各層は常法に従い、ドライラミネーション法、押出ラミネーション法、押出コーティング法その他のコーティング法によって形成される。
【0016】
また、本発明のインモールドラベル容器本体を成形する射出樹脂としては、熱可塑性樹脂、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等が使用される。
【0017】
次にインモールドラベル容器の製造方法について説明する。
まず雄型1と雌型2とからなる成形キャビティ3内にラベル21を挿着する。この場合、図1(a)(b)に示すように、ラベル21の下端と雌型2との間に間隙gが形成される。次に、雌型2のゲート口(図示せず)から射出樹脂20が、雄型1と雌型2との間のキャビティ3内に射出される。
【0018】
射出樹脂20は、キャビティ3のうち底部13に対応する部分から基端部分11bに対応する部分へ流入し、その後段部15に対応する部分へ達する。このときラベル21の下端と雌型2との間に間隙gが形成されているが、段部15の半径方向突出長さlはラベル保持部分11aの肉厚の1.5倍以上あるため、キャビティ3のうち段部15に対応する部分に達した射出樹脂20は図1(a)に示すように半径方向外方へ流れてラベル21の下端部分を半径方向外方へ押付ける。このためラベル21は、雌型21内面に精度良く押付けられ、これによってラベル21は胴部11のラベル保持部分11aの外面(所定位置)に精度良く配置される(図1(b))。
【0019】
これに対して、段部15の半径方向突出長さlが比較的小さい場合(図4(a))、ラベル21の下端において射出樹脂20がすべて半径方向外方へ向かうこともあるが、2方向に分かれてしまうことも考えられる。このように2方向に分かれてしまう場合は、ラベル21を雌型21内面に精度良く押付けることができず、このためラベル21はラベル保持部分11a内において、外面に配置されることなくその配置位置が不安定となる。
【0020】
以上のように本発明の実施の形態によれば、胴部11のうち段部15の半径方向突出長さlをラベル保持部分11aの肉厚の1.5倍以上としたことにより、雄型1と雌型2との間のキャビティ3のうち段部15に対応する部分においてラベル21を射出樹脂20により雌型2の内面側へ押付けることができる。このためラベル21を胴部11のラベル保持部分11aの外面(所定位置)に精度良く配置したインモールドラベル容器10を得ることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ラベル保持部分の外面に精度良くラベルを配置することができる。このためラベルを有するインモールドラベル容器10を精度良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインモールドラベル容器の一実施の形態を示す図。
【図2】インモールドラベル容器の一実施の形態を示す斜視図。
【図3】インモールドラベル容器の一実施の形態を示す側断面図。
【図4】インモールドラベル容器の比較例を示す図。
【符号の説明】
10 インモールドラベル容器
11 胴部
11a ラベル保持部分
11b 基端部分
12 フランジ部
13 底部
15 段部
20 射出樹脂
21 ラベル
Claims (1)
- フランジ部と、胴部と、底部とを有し、胴部内にラベルが配置されたインモールドラベル容器であって、胴部はラベルを含むラベル保持部分と、ラベル保持部分より底部側に段部を介して設けられ、ラベル保持部分より小径の基端部分とからなり、底部にゲートが形成され、ラベルはその端部が段部に対応して配置され、段部の半径方向突出長さは、ラベル保持部分の肉厚の1.5倍以上あるインモールドラベル容器の製造方法において、
雄型と雌型との間にラベルを装着するとともに、ラベル下端と雌型との間に間隙を形成する工程と、
雌型のゲート口から雄型と雌型との間に射出樹脂を射出して、射出樹脂によってラベル下端を雌型内面に押し付け、ラベルをラベル保持部分外面に配置する工程と、を備えたことを特徴とするインモールドラベル容器の製造方法。
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